JPH07167015A - アルコール燃料用ノズル - Google Patents

アルコール燃料用ノズル

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JPH07167015A
JPH07167015A JP34314993A JP34314993A JPH07167015A JP H07167015 A JPH07167015 A JP H07167015A JP 34314993 A JP34314993 A JP 34314993A JP 34314993 A JP34314993 A JP 34314993A JP H07167015 A JPH07167015 A JP H07167015A
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JP
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lubricating oil
needle valve
valve member
fuel
nozzle
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JP34314993A
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Akinori Saito
昭則 斎藤
Masao Kinoshita
雅夫 木下
Yasuo Sato
康夫 佐藤
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シート部とニードル弁部材との摩耗を抑制す
るとともに、潤滑油の消費量を減少させること。 【構成】 先端部にシート部11および噴射口12が形
成されたノズル本体1と、前記シート部11に当接して
前記噴射口12からのアルコール燃料の噴射を制御する
ニードル弁部材2と、前記ノズル本体1内において燃料
ポンプ30より供給されたアルコール燃料を前記噴射口
12に供給する燃料供給通路3と、前記ノズル本体1お
よび前記ニードル弁部材2内に形成され潤滑油供給ポン
プ40より供給された潤滑油を前記シート部11に供給
する潤滑油供給通路4と、潤滑油の圧力がアルコール燃
料の圧力より高くなった時に潤滑油の供給を可能にする
チェック弁50の上流に配設された絞り51とから成
り、閉弁直前に前記シート部11に潤滑油を供給すべく
制御する潤滑油供給制御手段5とから成るアルコール燃
料用ノズル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニードル弁部材の閉弁
直前に潤滑油をシート部に供給して予め油膜を形成した
後前記ニードル弁部材を閉弁するようにしたアルコール
燃料用ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】アルコール燃料は、軽油に比較して粘度
が低く、腐食性を有するために、ニードル弁部材の閉弁
時の衝撃により、シート部が摩耗するため、従来の第1
のアルコール燃料用ノズル(特開平3─194164)
は、ノズル本体およびニードル弁部材をサイアロンで形
成するとともに、シート部に窒化チタンの耐摩耗層をコ
ーティングするものであった。
【0003】また従来の第2のアルコール燃料用ノズル
(実開平1─173404)は、図5に示すように吸・
排気弁I、EのバルブシートSの熱負荷を熱負荷検出手
段Nにより検出し、温度比較器Cにより比較され、前記
熱負荷が一定値を越えると開閉弁Vが制御されアルコー
ル燃料を供給する燃料供給通路P内に潤滑油が供給さ
れ、前記吸・排気弁I、Eの前記バルブシートSの摩耗
を防止するとともに、デポジットの発生を抑制するもの
であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の第1のアル
コール燃料用ノズルは、1ミクロンオーダーで寸法管理
されるノズルを硬度の高いセラミックスで製造すること
は、熱収縮、精緻加工、その他の理由により、技術的に
難しいとともに、窒化チタン層をノズルの凹面のシート
部に均一にコーティングすることは技術的に困難である
という問題があった。
【0005】また上記従来の第2のアルコール燃料用ノ
ズルは、バルブシートの熱負荷が一定値を越えるとアル
コール燃料中に潤滑油を混入させて供給するものであ
り、ノズルのシート部の摩耗その他の問題については言
及していないとともに、多量の潤滑油が必要になり、燃
焼室内でデポジットが発生し排気成分にも悪影響がある
という問題があった。
【0006】さらに、アルコール燃料の粘性は、図6に
示すように炭化水素燃料(軽油2.7cSt )に比較し
て、エタノール1.4 cSt メタノール0.68cSt と
小さいため、本発明者らは、アルコール燃料にオレフィ
ンコポリマー、ポリメタクリレート等の炭化水素系高分
子や、デシルアルコール他の高級アルコールおよびグリ
セリン、ヒマシ油等の油脂類や、ポリエチレンオキサイ
ド他の極性高分子等の粘度向上剤を添加して、増粘する
ことを考えた。
【0007】しかし、粘度向上剤を添加する場合、炭化
水素系高分子の粘度向上剤についてはアルコール燃料に
溶けないので、アルコール燃料の粘度向上剤としては不
適当であり、高級アルコールおよび油脂類の粘度向上剤
についてはアルコールに溶けるものの増粘効果が小さい
ため摩耗を抑制するためには多量に添加する必要があ
り、極性高分子の粘度向上剤についてはアルコール燃料
に溶け増粘効果も高いが、低温で凝縮するため自動車用
燃料添加剤としては適さないという問題があった。
【0008】また、本発明者らは、アルコール燃料の耐
荷重能(油膜強度)は、図7に示すようにガソリン40
6kgf/mm2 、軽油545kgf/mm2 の炭化水素燃料に比
べ、エタノール270kgf/mm2 、メタノール315kgf/
mm2 と小さいため、リン系、塩素系、硫黄系等の極圧剤
を添加することを考えた。
【0009】しかし、極圧剤を添加する場合、図8に示
すようにリン系の極圧剤については1wt%のリン重量
濃度ではほとんど改善効果が得られず、10wt%のリ
ン重量濃度では耐荷重能が400kgf/mm2 まで向上する
が軽油に対してはまだ低く、塩素系および硫黄系の極圧
剤については触媒への被毒作用があり実用的ではないと
いう問題があった。
【0010】そこで、本発明者らは、ニードル弁部材の
閉弁直前にシート部に潤滑油を供給して、前記シート部
に潤滑油の油膜を形成した後に前記ニードル弁部材を閉
弁させるという本発明の技術的思想に着眼し、さらに研
究開発を重ねた結果、前記シート部と前記ニードル弁部
材との摩耗を抑制するとともに、潤滑油の消費量を減少
させるという目的を達成する本発明に到達したものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記載
の第1発明)のアルコール燃料用ノズルは、先端部にシ
ート部および噴射口が形成されたノズル本体と、前記ノ
ズル本体内に介挿され、前記シート部に当接して前記噴
射口からのアルコール燃料の噴射を制御するニードル弁
部材と、前記ノズル本体内において供給されたアルコー
ル燃料を前記噴射口に供給する燃料供給通路と、前記ノ
ズル本体内において供給された潤滑油を前記シート部に
供給する潤滑油供給通路と、前記ニードル弁部材の閉弁
直前に前記潤滑油供給通路を介して前記シート部に潤滑
油を供給する潤滑油供給制御手段とから成るものであ
る。
【0012】本発明(請求項2に記載の第2発明)のア
ルコール燃料用ノズルは、前記第1発明において、前記
潤滑油供給制御手段が、前記ニードル弁部材の閉弁時期
を検出するノズル閉弁時期検出手段を具備するものであ
る。
【0013】
【作用】上記構成より成る第1発明のアルコール燃料用
ノズルは、前記潤滑油供給制御手段が前記ニードル弁部
材の閉弁直前に前記潤滑油供給通路を介して前記シート
部に潤滑油を供給して、前記シート部に潤滑油の油膜を
形成した後、前記ニードル弁部材が閉弁するものであ
る。
【0014】上記構成より成る第2発明のアルコール燃
料用ノズルは、前記ノズル閉弁時期検出手段が前記ニー
ドル弁部材の閉弁時期を検出し、それに基づき前記潤滑
油供給制御手段が前記ニードル弁部材の閉弁直前に前記
潤滑油供給通路を介して前記シート部に潤滑油を供給
し、前記シート部に潤滑油の油膜を形成した後、前記ニ
ードル弁部材が閉弁するものである。
【0015】
【発明の効果】上記作用を奏する第1発明のアルコール
燃料用ノズルは、前記潤滑油供給制御手段が前記ニード
ル弁部材の閉弁直前に前記シート部に潤滑油を供給し
て、前記シート部に潤滑油の油膜を形成した後、前記ニ
ードル弁部材が閉弁するもので、前記シート部と前記ニ
ードル弁部材との摩耗を抑制するとともに、潤滑油の消
費量を減少させるという効果を奏する。
【0016】上記作用を奏する第2発明のアルコール燃
料用ノズルは、前記ノズル閉弁時期検出手段が検出した
前記ニードル弁部材の閉弁時期に基づき、前記潤滑油供
給制御手段が前記ニードル弁部材の閉弁直前に正確に前
記シート部に潤滑油を供給するとともに、前記シート部
に潤滑油の油膜を形成した後、前記ニードル弁部材が閉
弁するもので、前記シート部と前記ニードル弁部材との
摩耗を抑制するとともに、潤滑油の消費量を減少させる
という効果を奏する。
【0017】
【実施例】以下本発明の実施例につき、図面を用いて説
明する。
【0018】(第1実施例)第1実施例のアルコール燃
料用ノズルは、図1および図2に示すように先端部にシ
ート部11および噴射口12が形成されたノズル本体1
と、前記ノズル本体1内に介挿され、前記シート部11
に当接して前記噴射口12からのアルコール燃料の噴射
を制御するニードル弁部材2と、前記ノズル本体1内に
おいて燃料ポンプ30より供給されたアルコール燃料を
前記噴射口12に供給する燃料供給通路3と、前記ノズ
ル本体1および前記ニードル弁部材2内に形成され潤滑
油供給ポンプ40より供給された潤滑油を前記シート部
11に供給する潤滑油供給通路4と、潤滑油の圧力がア
ルコール燃料の圧力より高くなった時に潤滑油の供給を
可能にするノズル閉弁時期検出手段としてのチェック弁
50と前記潤滑油供給ポンプ40とチェック弁50との
間の前記潤滑油供給通路4に配設された絞り51とから
成り、前記ニードル弁部材2の閉弁直前に前記潤滑油供
給通路4を介して前記シート部11に潤滑油を供給する
潤滑油供給制御手段5とから成るものである。
【0019】前記ノズル本体1は、図1および図2に示
すように大径部15と小径部16とを有し、前記ニード
ル弁部材2を介挿する円孔13が同軸的に形成され、前
記小径部16の先端の球状の突出部に噴射口12が形成
され、前記小径部16の先端および球状の突出部の内側
に円錐状の凹部14が形成され前記噴射口12の上流に
相当する位置にシート部11が形成されている。
【0020】前記ニードル弁部材2は、図1および図2
に示すように前記ノズル本体1の円孔13の内径より若
干小さな外径を有し先端に円錐状の先端部21を有する
中空円筒体20により構成され、前記先端部21の比較
的径の大きな部分に前記ノズル本体1のシート部11に
当接し、シール部を成す当接部22が形成されている。
【0021】前記燃料供給通路3は、図1および図2に
示すように前記ノズル本体1の前記大径部15に導入通
路32が形成され、前記ノズル本体1の小径部16に相
当する部分においては前記ニードル弁部材2と前記ノズ
ル本体1の円孔13との間に環状通路33が形成され、
前記ニードル弁部材2が上方に移動する開弁時において
は前記環状通路33が前記噴射口12に連通するととも
に、前記ニードル弁部材2が下方に移動した閉弁時にお
いては前記シート部11および前記当接部22により前
記環状通路33と前記噴射口12との連絡が絶たれる構
成より成る。
【0022】前記燃料ポンプ30は、図1に示すように
燃料タンク31内のアルコール燃料を燃料供給パイプを
介して前記燃料供給通路3内に間欠的に供給し、これに
対応して前記噴射口12よりアルコール燃料が間欠的に
噴射し得る構成より成る。
【0023】潤滑油供給通路4は、図1および図2に示
すように前記ノズル本体1の大径部15に形成された導
入通路41と、前記ニードル弁部材2の上部に形成され
たT字状の通路42と下部に形成された逆Y字状の通路
43とから成り、通路43の開口44が前記シート部1
1の上流の前記ニードル弁部材2の外周壁に形成されて
いる。
【0024】前記潤滑油供給ポンプ40は、図1に示す
ように潤滑油タンク45内の鉱油75%、ポリメタクリ
レート30%から成る混合油の潤滑油を潤滑油供給パイ
プ46を介して前記潤滑油供給通路4の導入通路41に
供給し得る構成より成る。
【0025】前記潤滑油供給制御手段5の絞り51は、
図1に示すように前記潤滑油供給ポンプ40とチェック
弁50との間の前記潤滑油供給パイプ46に配設され、
前記潤滑油供給ポンプ40からの潤滑油の圧力および粘
性と絞りの通路面積により、潤滑油の供給流量を決定す
るものである。
【0026】前記チェック弁50は、図1に示すように
前記絞り51を介して前記潤滑油供給ポンプ40に連絡
する小径部52とボール53が介挿され前記潤滑油供給
通路4の導入通路41に連絡する大径部54とから成
る。
【0027】前記小径部52には前記潤滑油供給ポンプ
40からの潤滑油の圧力が作用するとともに前記大径部
54には前記導入通路41、通路42および通路43を
介して環状通路33に連絡しており、燃料圧力が作用す
るように構成されているので、前記ボール53の上部に
は潤滑油の圧力が作用するとともに下部には燃料の圧力
が作用する。常時は前記ボール53が前記小径部52に
当接して潤滑油の供給が阻止され、前記ニードル弁部材
2の閉弁直前の一定時間(瞬間)のみ潤滑油の圧力が燃
料の圧力より高くなるため、前記潤滑油供給通路4を介
して前記シート部11に潤滑油を供給し得るように構成
されている。
【0028】上記構成より成る第1実施例のアルコール
燃料用ノズルは、前記燃料ポンプ30よりアルコール燃
料が間欠的に供給されると、それに対応して前記燃料供
給通路3の導入通路32および環状通路33に供給され
前記ニードル弁部材2を上方に押し上げ、前記ニードル
弁部材2が開弁して前記噴射口12よりアルコール燃料
を噴射するものである。
【0029】また第1実施例のアルコール燃料用ノズル
は、前記ニードル弁部材2が開弁してアルコール燃料が
噴射され、開弁時期に近付きアルコール燃料の圧力が下
がると、前記潤滑油供給制御手段のチェック弁50のボ
ール53の下部に作用する圧力が下がり、ボール53の
上部に作用する潤滑油の圧力(0.5MPa)が相対的
に大きくなる。そして前記ボール53上部の潤滑油はボ
ール53を下方に押し下げ前記潤滑油供給通路4の導入
通路41、通路42および通路43を介して開口44よ
り前記ニードル弁部材2のシート部11に潤滑油が供給
され、前記シート部11に潤滑油の油膜が形成された
後、前記ニードル弁部材2が閉弁する。
【0030】上記潤滑油の流量Qは、潤滑油の圧力Pと
粘性係数μおよび管路内径rと管路長さlに依存し、数
1で表される。
【数1】 したがって、潤滑油の消費量を最小限に抑えるために
は、潤滑油の粘性と供給圧力を選択して、最適条件にな
るように設定する必要が有る。
【0031】潤滑油の流量と粘性と圧力の関係は、上記
数1で表され、図示すると図9のようになる。潤滑油の
流量を図9に示すようにQl 以下にするためには、粘性
と圧力で表すことの出来る指標μ/Pを(μ/P)l
上になるように選択することが必要となり、第1実施例
においては、上述したように潤滑油の供給圧力を0.5
MPaにするとともに、潤滑油の粘度を10ポアズにす
ることにより、この(μ/P)l を2×10-5(g/cm・
sec ・Pa) より大きな値に設定した。
【0032】なお、潤滑油の粘度と剪断速度との関係
は、ポリメタクリレート(100%)、ポリメタクリレ
ート(75%)と鉱油(25%)、ポリメタクリレート
(50%)と鉱油(50%)、ポリメタクリレート(2
5%)と鉱油(75%)、鉱油(100%)の各潤滑油
においては、図10に示すような傾向を示す。
【0033】そこで第1実施例においては、上述した条
件を満足するための粘度10ポアズの潤滑油を得るため
に、鉱油70%とポリメタクリレート30%とより成る
潤滑油を用いた。
【0034】上記作用を奏する第1実施例のアルコール
燃料用ノズルは、前記チェック弁50の作用により、前
記ニードル弁部材2の閉弁直前に前記シート部11に潤
滑油が供給され、前記シート部11に潤滑油の油膜が形
成された後、前記ニードル弁部材2が閉弁するため、閉
弁時シート部11と前記ニードル弁部材2の当接部22
との間に潤滑油の油膜が介在するので、アルコール燃料
と前記シート部11および当接部22が直接接触するこ
とが無く、結果として前記シート部11および前記ニー
ドル弁部材2の当接部22との摩耗を抑制するととも
に、潤滑油の消費量を減少させるという効果を奏する。
【0035】また第1実施例のアルコール燃料用ノズル
は、簡単な機械的要素である前記チェック弁50による
閉弁直前における潤滑油の切換供給作用により、前記シ
ート部11に油膜を形成して摩耗を抑制することが出来
るという効果を奏する。
【0036】さらに第1実施例のアルコール燃料用ノズ
ルは、前記ニードル弁部材2に形成された通路43の開
口44より前記潤滑油を前記シート部11近傍に直接供
給するため、上記第2の従来技術のようにアルコール燃
料との溶解性が問われないと言う効果を奏する。
【0037】(第2実施例)第2実施例のアルコール燃
料用ノズルは、図3および図4に示すように前記第1実
施例の前記潤滑油供給制御手段5の絞り51を電磁弁5
6に変更するとともに、前記ニードル弁部材2の位置を
検出するニードル変位センサ57と、前記ニードル変位
センサ57が検出したニードル弁部材2の位置により前
記ニードル弁部材2の閉弁時期を検出して信号を出力す
るコントロールユニット58を付加する点が相違点であ
り、他は同様の構成より成るので説明を省略する。
【0038】前記ニードル変位センサ57は、前記ニー
ドル弁部材2の上端近傍に配設された磁気的変位センサ
で構成され、前記ニードル弁部材2の動きすなわち位置
を検出して図4の(B)に示すような信号を出力し、前
記ニードル弁部材2の開弁および閉弁時期の検出を可能
にする構成より成る。
【0039】前記コントロールユニット58は、前記ニ
ードル変位センサ57より出力される信号(図4
(B))に基づき前記ニードル弁部材2の開弁に同期し
て立ち上がるとともに閉弁に同期して立ち下がる図4の
(C)に示すような前記電磁弁56のコントロール用の
開弁信号を出力し得る構成より成る。
【0040】前記電磁弁56は、前記コントロールユニ
ット58から出力される開弁信号に基づき前記潤滑油供
給ポンプ40より供給されている図4の(A)中一点鎖
線で示される圧力の潤滑油を前記ニードル弁部材2の開
弁時刻から閉弁時刻までの時間Tだけ前記チェック弁5
0に供給し得る構成より成る。本第2実施例の潤滑油と
しては、軽油、鉱油、及びそれらにポリメタクリレート
等の増粘剤を混入させたもの等、軽油と同等以上の潤滑
性を有するものであることが好ましい。
【0041】前記チェック弁50は、前記燃料ポンプ3
0より供給されている図4の(A)に示されるアルコー
ル燃料の燃料圧力と前記電磁弁56から供給される潤滑
油の圧力とが比較され、図4の(A)中tp1で示す時
間はアルコール燃料の燃料圧力のほうが潤滑油の圧力よ
り高いので前記ボール53により閉弁状態に維持される
とともに、前記ニードル弁部材2の閉弁直前の図4の
(A)中tp2で示す時間だけ開弁状態となり前記シー
ト部11に潤滑油を供給し得る構成より成る。
【0042】上記構成より成る第2実施例のアルコール
燃料用ノズルは、燃料ポンプ30よりアルコール燃料が
供給され燃料圧力が上昇し、ノズル開弁圧力より高くな
った時点でニードル弁部材2が上方に移動を開始して、
ノズルが開弁する。
【0043】前記ニードル変位センサ57により前記ノ
ズルの開弁を検出するとともに、前記コントロールユニ
ット58からの開弁信号により前記電磁弁56が開弁す
るが、アルコール燃料の燃料圧力が潤滑油の圧力より高
い期間tp1の間は、前記チェック弁50の作用によ
り、潤滑油はノズルに供給されない。
【0044】前記噴射口12からのアルコール燃料の噴
射にともない燃料圧力が降下してくると閉弁行程に至
り、その過程でアルコール燃料の燃料圧力が潤滑油の圧
力より低くなるため、前記チェック弁50が前記ニード
ル弁部材2の前記シート部11への着座直前の期間tp
2の間開き、前記シート部11に潤滑油を供給して、潤
滑油の油膜を形成する。
【0045】前記ニードル弁部材2が着座し閉弁する
と、前記ニードル変位センサ57がそれを検出し、前記
コントロールユニット58からの開弁信号により前記電
磁弁56が閉じられ、前記シート部11への潤滑油の供
給が停止される。
【0046】上記作用を奏する第2実施例のアルコール
燃料用ノズルは、前記ニードル弁部材2の閉弁直前に潤
滑油が供給され、前記シート部11に油膜が形成された
のち前記ニードル弁部材2が前記シート部11に着座す
るので、シート部11および当接部22の摩耗が抑制さ
れるという効果を奏する。
【0047】また第2実施例のアルコール燃料用ノズル
は、前記シート部11への潤滑油の供給は、前記チェッ
ク弁50および電磁弁56の作用により前記ニードル弁
部材2が閉弁すると直ちに潤滑油の供給が停止され、前
記ニードル弁部材2の閉弁直前の期間tp1に限られて
おり、必要な潤滑油を消費するにすぎないので、潤滑油
の消費量を必要最小限にするとともに、排気への影響も
少ないという効果を奏する。
【0048】さらに第2実施例のアルコール燃料用ノズ
ルは、前記ニードル弁部材2に形成された通路43の開
口44より前記潤滑油を前記シート部11近傍に直接供
給するため、上記第2ないし第4の従来技術のようにア
ルコール燃料との溶解性が問われないと言う効果を奏す
る。
【0049】上述の実施例は、説明のために例示したも
ので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無
く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記
載から当業者が認識することが出来る本発明の技術的思
想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0050】上述の実施例において、一例として鉱油お
よびポリメタクリレートの混合油の潤滑油について説明
したが、本発明としては、それに限定するものでは無
く、アルコール燃料より粘性および耐荷重能の大きい潤
滑流体であれば採用することが出来る。
【0051】また前記ニードル変位センサとして磁気的
変位センサの例について説明したが、本発明はそれに限
定するものでは無く、機械的センサ、電気的センサ、物
理的センサのその他のもの、あるいは燃料圧力センサ
や、スピル時期検出センサ等を採用することが出来る。
【0052】さらに前記電磁弁は、コントロールユニッ
トの電気信号により、任意の期間、潤滑油の経路を開閉
出来るアクチュエータ付きの弁を採用することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例アルコール燃料用ノズルを
示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例アルコール燃料用ノズルの
先端部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の第2実施例アルコール燃料用ノズルを
示すブロック図である。
【図4】第2実施例における燃料圧力、ニードル弁部材
の変位、開弁信号の各波形を示す線図である。
【図5】第2の従来装置を示す断面図である。
【図6】メタノール溶液の濃度および粘度の関係を示す
線図である。
【図7】燃料の耐荷重能の評価を示す線図である。
【図8】リン系極圧剤の効果を示す線図である。
【図9】潤滑油の流量と粘性および圧力との関係を示す
線図である。
【図10】潤滑油の粘度と剪断係数との関係を示す線図
である。
【符号の説明】
1 ノズル本体 2 ニードル弁部材 3 燃料供給通路 4 潤滑油供給通路 5 潤滑油供給制御手段 11 シート部 12 噴射口 30 燃料ポンプ 40 潤滑油供給ポンプ 50 チェック弁 51 絞り
フロントページの続き (72)発明者 木下 雅夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐藤 康夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部にシート部および噴射口が形成さ
    れたノズル本体と、 前記ノズル本体内に介挿され、前記シート部に当接して
    前記噴射口からのアルコール燃料の噴射を制御するニー
    ドル弁部材と、 前記ノズル本体内において供給されたアルコール燃料を
    前記噴射口に供給する燃料供給通路と、 前記ノズル本体内において供給された潤滑油を前記シー
    ト部に供給する潤滑油供給通路と、 前記ニードル弁部材の閉弁直前に前記潤滑油供給通路を
    介して前記シート部に潤滑油を供給する潤滑油供給制御
    手段とから成ることを特徴とするアルコール燃料用ノズ
    ル。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記潤滑油供給制御手段が、 前記ニードル弁部材の閉弁時期を検出するノズル閉弁時
    期検出手段を具備することを特徴とするアルコール燃料
    用ノズル。
JP34314993A 1993-12-14 1993-12-14 アルコール燃料用ノズル Pending JPH07167015A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010151122A (ja) * 2008-11-27 2010-07-08 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
CN107956618A (zh) * 2016-10-18 2018-04-24 上海夏雪科技有限公司 内燃机

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JP2010151122A (ja) * 2008-11-27 2010-07-08 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
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