JPH07165188A - 平行補助翼付舵 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 小舵角で大きな舵圧力を発生する舵とするこ
とにより、大舵角による抵抗成分の増加を抑え、旋回性
能と推進性能の両者を向上させること。 【構成】 舵の後縁付近の両側に、縦横比の大きな任意
翼型の補助翼１，２を複方向に舵面と平行もしくはほぼ
平行に配置し、補助翼１，２自身の発生する揚力を利用
して小舵角で高揚力を得るとともに、補助翼１，２の整
流作用によって舵面からの流線の剥離を抑えることによ
り大舵角での抵抗成分の増加を防止し、推進性能および
旋回性能に優れた舵３を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は船舶の舵に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】船舶の舵の性能を向上させるため、従来
から種々の形式の舵が考案され実用化されてきたが、こ
れらの特殊舵では一般に構造が複雑になっている。

【０００３】特殊舵の中には、水平フイン付舵等のよう
に比較的構造も簡単で、可動部分を持たないものもある
が、フラップ付舵等のように可動部分を持つものは、工
作上あるいは保守点検上煩雑な手間を必要としている。

【０００４】また船舶の舵では、舵に生ずる力がほぼ舵
面に垂直であるため、舵角が大きくなるに従い抵抗成分
が増大し、旋回性能に優れた舵は推進性能に劣る傾向が
あり、両者を同時に向上させることは困難である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の舵の有する欠点を改善するため、簡単な構造であ
りながら小舵角で大きな舵圧力を発生する舵とすること
により、大舵角による抵抗成分の増加を抑え、旋回性能
と推進性能をともに向上させることを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は舵の後縁付近の両側に縦横比の大きな任意
翼型の補助翼を縦方向に舵面と平行もしくはほぼ平行に
配置し、補助翼自身の発生する揚力を利用して小舵角で
高揚力を発生させるとともに、補助翼の整流作用によっ
て舵面からの流線の剥離を抑えることにより大舵角での
抵抗成分を減少させる。

【０００７】

【作用】小舵角の場合には、補助翼１，２に発生する揚
力が舵３の作用を補助し、舵３が単独に置かれている場
合に比較してより大きな揚力を発生する。

【０００８】大舵角の場合には、補助翼１，２が舵３の
後面からの流れの剥離を抑止するように作用し、この整
流効果と補助翼自身の生ずる揚力によって舵効を向上さ
せることができる。

【０００９】

【実施例】図１は本発明の１実施例の斜視図で、舵３と
補助翼１，２を結合する支持材４は翼端板と同様の効果
を生じ、舵圧力に有利に作用する。

【００１０】図２は図１の背面図で、舵３と補助翼１，
２の間隙は推進器の加速流中にあってノズル効果を生
じ、推進性能に寄与する。

【００１１】図３は図１の平面図で、舵３と補助翼１，
２との位置関係を示すものであるが、補助翼の翼弦線は
舵の翼弦線と必ずしも平行でなくてもよく、また補助翼
の翼型は左右非対称の反りを持ったものでもよい。

【００１２】

【発明の効果】本発明は、小舵角で大きな揚力を生じ、
大舵角での流線の剥雌を抑止する装置とすることによ
り、大舵角を取ることによる抵抗成分の増加を防止し、
推進性能と旋回性能の両者を向上させることが可能であ
る。また本発明は可動部分がなく構造が簡単であるの
で、図１の実施例に限らず、後縁が傾斜した舵等におい
ても補助翼ならびに支持材を後縁に適合するよう配置す
ることにより、種々の形状の舵に適用することが可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例の斜視図である。

【図２】図１を左方から見た背面図である。

【図３】図１を上から見た平面図である。

【符号の説明】

１，２ 補助翼 ３ 舵 ４ 舵軸 ５ 支持材 ６ 推進器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 舵の後縁付近の両側に、縦横比の大きな
   任意翼型の補助翼を縦方向に舵面と平行もしくはほぼ平
   行に配置し、補助翼自身の発生する揚力を利用するとと
   もに、補助翼の整流作用によって舵面からの流線の剥離
   を抑え高揚力を発生させる舵装置。