JPH07164210A - ケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度焼結体切削工具 - Google Patents
ケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度焼結体切削工具Info
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- JPH07164210A JPH07164210A JP6025328A JP2532894A JPH07164210A JP H07164210 A JPH07164210 A JP H07164210A JP 6025328 A JP6025328 A JP 6025328A JP 2532894 A JP2532894 A JP 2532894A JP H07164210 A JPH07164210 A JP H07164210A
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- JP
- Japan
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- silicon
- sintered body
- cutting tool
- compound
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高速切削加工に適した被覆焼結体切削工具の
提供。 【構成】 立方晶窒化硼素３０〜８０体積％を主成分と
し残部結合材からなる焼結体を基材とし、該基材表面に
厚さ３〜１００μｍのケイ素又はケイ素化合物被覆層が
設けられてなるケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度焼結
体切削工具。該残部結合材としては(1) 結合材全量に対
し２〜４５重量％のアルミ化合物、(2) ＴｉＣ、Ｔｉ
Ｎ、ＴｉＣＮ、（Ｔｉ，Ｍ）Ｃ、（Ｔｉ，Ｍ）Ｎ、（Ｔ
ｉ，Ｍ）ＣＮの群れから選択される１種または２種以上
（但しＭはＴｉを除く周期律表４ａ，５ａまたは６ａ族
の遷移金属を意味する）並びに(3) 不可避不純物からな
るものが、またケイ素はすくい面、すくい面及び逃げ面
に被覆されることが特に好ましい。ケイ素化合物として
特に好ましくはサイアロンである。 【効果】 耐摩耗性が非常に向上し、高速切削において
工具寿命を延長できる。
提供。 【構成】 立方晶窒化硼素３０〜８０体積％を主成分と
し残部結合材からなる焼結体を基材とし、該基材表面に
厚さ３〜１００μｍのケイ素又はケイ素化合物被覆層が
設けられてなるケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度焼結
体切削工具。該残部結合材としては(1) 結合材全量に対
し２〜４５重量％のアルミ化合物、(2) ＴｉＣ、Ｔｉ
Ｎ、ＴｉＣＮ、（Ｔｉ，Ｍ）Ｃ、（Ｔｉ，Ｍ）Ｎ、（Ｔ
ｉ，Ｍ）ＣＮの群れから選択される１種または２種以上
（但しＭはＴｉを除く周期律表４ａ，５ａまたは６ａ族
の遷移金属を意味する）並びに(3) 不可避不純物からな
るものが、またケイ素はすくい面、すくい面及び逃げ面
に被覆されることが特に好ましい。ケイ素化合物として
特に好ましくはサイアロンである。 【効果】 耐摩耗性が非常に向上し、高速切削において
工具寿命を延長できる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、立方晶窒化硼素（以下
ＣＢＮと称する）を用いたケイ素又はケイ素被覆高硬度
焼結体切削工具に関する。
ＣＢＮと称する）を用いたケイ素又はケイ素被覆高硬度
焼結体切削工具に関する。
【０００２】
【従来の技術】ＣＢＮはダイヤモンドに次ぐ高硬度物質
であり、その焼結体は主に鉄系材料の切削加工用工具と
して使用されている。この種の焼結体の一例は特開昭５
３−７７８１１号公報や特開昭６２−２２８４５１号公
報に開示されており、焼入鋼や鋳鉄の切削において高い
切削性を示すことは市販品においても確かめられてい
る。
であり、その焼結体は主に鉄系材料の切削加工用工具と
して使用されている。この種の焼結体の一例は特開昭５
３−７７８１１号公報や特開昭６２−２２８４５１号公
報に開示されており、焼入鋼や鋳鉄の切削において高い
切削性を示すことは市販品においても確かめられてい
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ＣＢＮ焼結体工具では例えば鋳鉄の高速切削においては
刃先の磨耗の進展が速く、その寿命が短かったり刃先が
欠損するという問題があった。従って、この発明の目的
は上記のＣＢＮ焼結体よりもさらに耐磨耗性に優れた高
硬度焼結体を提供することにある。
ＣＢＮ焼結体工具では例えば鋳鉄の高速切削においては
刃先の磨耗の進展が速く、その寿命が短かったり刃先が
欠損するという問題があった。従って、この発明の目的
は上記のＣＢＮ焼結体よりもさらに耐磨耗性に優れた高
硬度焼結体を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
として本発明は、立方晶窒化硼素３０〜８０体積％を主
成分とし残部結合材からなる焼結体を基材とし、該基材
表面に厚さ３〜１００μｍのケイ素又はケイ素化合物被
覆層が設けられてなるケイ素又はケイ素化合物被覆高硬
度焼結体切削工具を提供する。本発明の特に好ましい態
様としては、上記残部結合材が(1) 結合材全量に対し２
〜４５重量％のアルミ化合物、(2) ＴｉＣ、ＴｉＮ、Ｔ
ｉＣＮ、（Ｔｉ，Ｍ）Ｃ、（Ｔｉ，Ｍ）Ｎ、（Ｔｉ，
Ｍ）ＣＮの群れから選択される１種または２種以上（但
しＭはＴｉを除く周期律表４ａ，５ａまたは６ａ族の遷
移金属を意味する）並びに(3) 不可避不純物からなるこ
とを特徴とするケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度焼結
体切削工具が挙げられる 本発明において上記残部結合材として特に好ましくは、
２〜４５重量％のアルミ化合物と、ＴｉＣ、ＴｉＣＮ、
（Ｔｉ，Ｍ）Ｃ、（Ｔｉ，Ｍ）ＣＮの群れから選択され
る１種または２種以上（但しＭはＴｉを除く周期律表４
ａ，５ａまたは６ａ族の遷移金属を意味する）とからな
る結合材である。また本発明においてケイ素又はケイ素
化合物被覆層はすくい面に、またはすくい面と逃げ面と
に設けられることが特に好ましい。本発明においてケイ
素化合物としては、サイアロン（ＳｉＡｌＯＮ）が優れ
た耐摩耗性と高温強度を合わせ持つ点で特に好ましいも
のとして挙げられる。
として本発明は、立方晶窒化硼素３０〜８０体積％を主
成分とし残部結合材からなる焼結体を基材とし、該基材
表面に厚さ３〜１００μｍのケイ素又はケイ素化合物被
覆層が設けられてなるケイ素又はケイ素化合物被覆高硬
度焼結体切削工具を提供する。本発明の特に好ましい態
様としては、上記残部結合材が(1) 結合材全量に対し２
〜４５重量％のアルミ化合物、(2) ＴｉＣ、ＴｉＮ、Ｔ
ｉＣＮ、（Ｔｉ，Ｍ）Ｃ、（Ｔｉ，Ｍ）Ｎ、（Ｔｉ，
Ｍ）ＣＮの群れから選択される１種または２種以上（但
しＭはＴｉを除く周期律表４ａ，５ａまたは６ａ族の遷
移金属を意味する）並びに(3) 不可避不純物からなるこ
とを特徴とするケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度焼結
体切削工具が挙げられる 本発明において上記残部結合材として特に好ましくは、
２〜４５重量％のアルミ化合物と、ＴｉＣ、ＴｉＣＮ、
（Ｔｉ，Ｍ）Ｃ、（Ｔｉ，Ｍ）ＣＮの群れから選択され
る１種または２種以上（但しＭはＴｉを除く周期律表４
ａ，５ａまたは６ａ族の遷移金属を意味する）とからな
る結合材である。また本発明においてケイ素又はケイ素
化合物被覆層はすくい面に、またはすくい面と逃げ面と
に設けられることが特に好ましい。本発明においてケイ
素化合物としては、サイアロン（ＳｉＡｌＯＮ）が優れ
た耐摩耗性と高温強度を合わせ持つ点で特に好ましいも
のとして挙げられる。
【０００５】
【作用】本発明の焼結体工具が耐磨耗性に優れるのは以
下の理由によるものと推測し得る。ＣＢＮ焼結体製工具
の主な用途であるねずみ鋳鉄の高速切削において、本発
明者らは以下の興味深い現象を発見した。すなわち上記
の切削を行なうと、工具刃先にケイ素を含有する溶着物
が生成し、これが保護膜となり、刃先のすくい面および
逃げ面の磨耗を著しく抑制することである。ケイ素は一
般に被削材である鋳鉄に含有され、これが供給源とな
り、従来のＣＢＮ焼結体において耐磨耗性が多少向上す
ることを発見したわけであるが、鋳鉄のケイ素含有率は
微量であるため、刃先の保護による耐磨耗性向上は不十
分であった。そこで本発明者らはＣＢＮ焼結体表面にケ
イ素又はＳｉ化合物を積極的に被覆して耐磨耗性を大幅
に向上することを考えつき本発明に到達した。すなわち
公知技術により製造した立方晶窒化硼素焼結体の表面
に、無電解メッキや化学蒸着、物理蒸着法等の公知技術
によりケイ素（Ｓｉ）を被覆する。また、ケイ素化合物
の場合は化学蒸着法、物理蒸着法等により被覆する。本
発明のケイ素化合物としては、ケイ素の酸化物、窒化
物、酸窒化物が挙げられ、これらの化合物にＡｌ
2 Ｏ3 、ＡｌＮが固溶したものが望ましい。従って、Ｓ
ｉ，Ａｌ，Ｏ，Ｎを主たる構成元素とするケイ素化合物
が望ましい。このようなケイ素化合物としてはサイアロ
ン（ＳｉＡｌＯＮ：窒化ケイ素のＳｉとＮがＡｌとＯに
よって二重置換された固溶体）が特に望ましく、その理
由はサイアロンは他のＳｉ化合物に比較して高温強度に
優れる為である。また、本発明のケイ素又はケイ素化合
物被覆層は、基材からの成分をも含有し得る。すなわ
ち、さらにＢ，Ｔｉ等の化合物を含む被覆層とすれば、
基材との結合強度を更に高めることができる。被覆ケイ
素又はケイ素化合物膜の厚みは３μｍ以上１００μｍ以
下であることが好ましい。厚みが３μｍ未満であるとＳ
ｉ被膜の効果が少なく耐磨耗性が低下し、１００μｍを
越えると工具刃先の強度を維持するＣＢＮ焼結体が刃先
に少なくなり強度が低下し、欠損を生じ易くなる。被覆
箇所は工具として切削に作用するすくい面と逃げ面に被
覆される場合に最も効果を発揮するが、すくい面のみ被
覆の場合でも、特にクレーター摩耗の発達が著しく抑制
されるので、本発明の効果を発揮し得る。
下の理由によるものと推測し得る。ＣＢＮ焼結体製工具
の主な用途であるねずみ鋳鉄の高速切削において、本発
明者らは以下の興味深い現象を発見した。すなわち上記
の切削を行なうと、工具刃先にケイ素を含有する溶着物
が生成し、これが保護膜となり、刃先のすくい面および
逃げ面の磨耗を著しく抑制することである。ケイ素は一
般に被削材である鋳鉄に含有され、これが供給源とな
り、従来のＣＢＮ焼結体において耐磨耗性が多少向上す
ることを発見したわけであるが、鋳鉄のケイ素含有率は
微量であるため、刃先の保護による耐磨耗性向上は不十
分であった。そこで本発明者らはＣＢＮ焼結体表面にケ
イ素又はＳｉ化合物を積極的に被覆して耐磨耗性を大幅
に向上することを考えつき本発明に到達した。すなわち
公知技術により製造した立方晶窒化硼素焼結体の表面
に、無電解メッキや化学蒸着、物理蒸着法等の公知技術
によりケイ素（Ｓｉ）を被覆する。また、ケイ素化合物
の場合は化学蒸着法、物理蒸着法等により被覆する。本
発明のケイ素化合物としては、ケイ素の酸化物、窒化
物、酸窒化物が挙げられ、これらの化合物にＡｌ
2 Ｏ3 、ＡｌＮが固溶したものが望ましい。従って、Ｓ
ｉ，Ａｌ，Ｏ，Ｎを主たる構成元素とするケイ素化合物
が望ましい。このようなケイ素化合物としてはサイアロ
ン（ＳｉＡｌＯＮ：窒化ケイ素のＳｉとＮがＡｌとＯに
よって二重置換された固溶体）が特に望ましく、その理
由はサイアロンは他のＳｉ化合物に比較して高温強度に
優れる為である。また、本発明のケイ素又はケイ素化合
物被覆層は、基材からの成分をも含有し得る。すなわ
ち、さらにＢ，Ｔｉ等の化合物を含む被覆層とすれば、
基材との結合強度を更に高めることができる。被覆ケイ
素又はケイ素化合物膜の厚みは３μｍ以上１００μｍ以
下であることが好ましい。厚みが３μｍ未満であるとＳ
ｉ被膜の効果が少なく耐磨耗性が低下し、１００μｍを
越えると工具刃先の強度を維持するＣＢＮ焼結体が刃先
に少なくなり強度が低下し、欠損を生じ易くなる。被覆
箇所は工具として切削に作用するすくい面と逃げ面に被
覆される場合に最も効果を発揮するが、すくい面のみ被
覆の場合でも、特にクレーター摩耗の発達が著しく抑制
されるので、本発明の効果を発揮し得る。
【０００６】本発明の工具において基材となるＣＢＮ焼
結体としては、該焼結体中のＣＢＮ含有率が体積％で３
０％以上８０％未満であることが好ましい。３０％未満
であると焼結体の強度が低下する。また、８０％を越え
ると相対的に結合材の量が減少し、高硬度の被削材や断
続を有する被削材を切削した際に接触部に亀裂が発生
し、欠損を生じ易くなる。該焼結体中のＣＢＮ含有率の
更に好ましい範囲としては６０〜８０体積％が挙げられ
る。この理由はＣＢＮ粒子による耐摩耗性の向上による
ものである。該ＣＢＮ焼結体中の結合材としては、その
主成分としてＴｉＣ，ＴｉＮ，ＴｉＣＮ，（Ｔｉ，Ｍ）
Ｃ，（Ｔｉ，Ｍ）Ｎ，（Ｔｉ，Ｍ）ＣＮの化合物からな
る群から選択された１種または２種以上の混合物（ただ
しＭはＴｉを除く周期律表４ａ，５ａおよび６ａ族の遷
移金属を意味する）であることが好ましい。Ｍとしては
周期律表４ａ，５ａおよび６ａ族の遷移金属、例えばＴ
ｉ，Ｚｒ，Ｈｆ，Ｖ，Ｎｂ，Ｔａ，Ｃｒ，Ｍｏ，Ｗ等が
望ましいものとして挙げられ、特に好ましくは例えばＨ
ｆ、Ｍｏ等である。この理由は特に耐熱性、強度に優れ
るからである。上記したＴｉ化合物は高硬度であり、超
高圧高温にてＣＢＮ粒子と強固に結合し、更に前記被削
材を切削した際に優れた耐磨耗性を示す。これらの成分
は結合材全量に対し６０〜９５重量％であることが好ま
しい。さらに本発明に係るＣＢＮ焼結体の該結合材中に
は２〜４５重量％のＡｌを含む。Ａｌはその作用として
はＣＢＮ粒子とＴｉ化合物との結合を促進せしめるもの
で、２重量％未満では十分な結合強度が得られない。一
方４５重量％を越えるとＣＢＮと結合材との結合強度は
高くなるものの、結合材自体と高度が低下し、耐磨耗性
が悪くなるので好ましくない。また、アルミは窒化アル
ミや硼化アルミとしても存在していることかＸ線回折に
よって確認された。さらに不可避不純物としては、粉末
混合工程等で混入したと思われるＷＣがＸ線回折によっ
て確認された。不可避不純物の結合材中の存在割合とし
ては１０重量％以下であることが耐摩耗性の点で好まし
い。焼結体中の結合材の存在割合は２０〜７０体積％、
特に好ましくは２０〜４０体積％である。また、ＣＢＮ
を８０〜９５体積％含有し、残部の結合相が主としてＮ
ｉ，Ｃｏ，Ｆｅ等の鉄族金属からなる立方晶窒化硼素含
有高硬度焼結体切削工具についても本発明のケイ素又は
ケイ素化合物被覆の効果は確認された。
結体としては、該焼結体中のＣＢＮ含有率が体積％で３
０％以上８０％未満であることが好ましい。３０％未満
であると焼結体の強度が低下する。また、８０％を越え
ると相対的に結合材の量が減少し、高硬度の被削材や断
続を有する被削材を切削した際に接触部に亀裂が発生
し、欠損を生じ易くなる。該焼結体中のＣＢＮ含有率の
更に好ましい範囲としては６０〜８０体積％が挙げられ
る。この理由はＣＢＮ粒子による耐摩耗性の向上による
ものである。該ＣＢＮ焼結体中の結合材としては、その
主成分としてＴｉＣ，ＴｉＮ，ＴｉＣＮ，（Ｔｉ，Ｍ）
Ｃ，（Ｔｉ，Ｍ）Ｎ，（Ｔｉ，Ｍ）ＣＮの化合物からな
る群から選択された１種または２種以上の混合物（ただ
しＭはＴｉを除く周期律表４ａ，５ａおよび６ａ族の遷
移金属を意味する）であることが好ましい。Ｍとしては
周期律表４ａ，５ａおよび６ａ族の遷移金属、例えばＴ
ｉ，Ｚｒ，Ｈｆ，Ｖ，Ｎｂ，Ｔａ，Ｃｒ，Ｍｏ，Ｗ等が
望ましいものとして挙げられ、特に好ましくは例えばＨ
ｆ、Ｍｏ等である。この理由は特に耐熱性、強度に優れ
るからである。上記したＴｉ化合物は高硬度であり、超
高圧高温にてＣＢＮ粒子と強固に結合し、更に前記被削
材を切削した際に優れた耐磨耗性を示す。これらの成分
は結合材全量に対し６０〜９５重量％であることが好ま
しい。さらに本発明に係るＣＢＮ焼結体の該結合材中に
は２〜４５重量％のＡｌを含む。Ａｌはその作用として
はＣＢＮ粒子とＴｉ化合物との結合を促進せしめるもの
で、２重量％未満では十分な結合強度が得られない。一
方４５重量％を越えるとＣＢＮと結合材との結合強度は
高くなるものの、結合材自体と高度が低下し、耐磨耗性
が悪くなるので好ましくない。また、アルミは窒化アル
ミや硼化アルミとしても存在していることかＸ線回折に
よって確認された。さらに不可避不純物としては、粉末
混合工程等で混入したと思われるＷＣがＸ線回折によっ
て確認された。不可避不純物の結合材中の存在割合とし
ては１０重量％以下であることが耐摩耗性の点で好まし
い。焼結体中の結合材の存在割合は２０〜７０体積％、
特に好ましくは２０〜４０体積％である。また、ＣＢＮ
を８０〜９５体積％含有し、残部の結合相が主としてＮ
ｉ，Ｃｏ，Ｆｅ等の鉄族金属からなる立方晶窒化硼素含
有高硬度焼結体切削工具についても本発明のケイ素又は
ケイ素化合物被覆の効果は確認された。
【０００７】以下に本発明の実施態様を要約した形で示
す。 （１）立方晶窒化硼素含有量が６０〜８０重量％である
請求項１ないし請求項５のいずれかに記載のケイ素又は
ケイ素化合物被覆高硬度 焼結体切削工具。 （２）残部結合材が(1) 結合材全量に対し２〜４５重量
％のアルミ化合物、(2) ＴｉＣ、ＴｉＮ、ＴｉＣＮ、
（Ｔｉ，Ｍ）Ｃ、（Ｔｉ，Ｍ）Ｎ、（Ｔｉ，Ｍ）ＣＮの
群れから選択される１種または全種のうちのいずれか
（但しＭはＺｒ，Ｈｆ，Ｖ，Ｎｂ，Ｔａ，Ｃｒ，Ｍｏ，
Ｗのいずれかを意味する）並びに(3) 不可避不純物から
なることを特徴とする上記（１）記載のケイ素又はケイ
素化合物被覆高硬度焼結体切削工具。 （３）残部結合材が(1) 結合材全量に対し２〜４５重量
％のアルミ化合物、(2) ＴｉＣ、ＴｉＣＮ、（Ｔｉ，
Ｍ）Ｃ、（Ｔｉ，Ｍ）ＣＮの群れから選択される１種ま
たは全種のうちのいずれか（但しＭはＺｒ，Ｈｆ，Ｖ，
Ｎｂ，Ｔａ，Ｃｒ，Ｍｏ，Ｗのいずれかを意味する）か
らなることを特徴とする上記（１）記載のケイ素又はケ
イ素化合物被覆高硬度焼結体切削工具。 （４）立方晶窒化硼素を含有する焼結体切削工具におい
て、６０〜８０体積％の立方晶窒化硼素を主成分とし残
部結合材は２〜４５重量％のアルミ化合物と結合材全量
に対し６０〜９５重量％のＴｉＣ、、ＴｉＣＮ、（Ｔ
ｉ，Ｍ）Ｃ、（Ｔｉ，Ｍ）ＣＮ〔但しＭはＷ，Ｈｆ，Ｍ
ｏのいずれかを意味する〕の群れから選択される１種又
は全種のうちのいずれかからなる焼結体を基材とし、工
具のすくい面および逃げ面である基材表面に３〜１００
μｍのサイアロン被覆層が設けられてなる切削工具。
す。 （１）立方晶窒化硼素含有量が６０〜８０重量％である
請求項１ないし請求項５のいずれかに記載のケイ素又は
ケイ素化合物被覆高硬度 焼結体切削工具。 （２）残部結合材が(1) 結合材全量に対し２〜４５重量
％のアルミ化合物、(2) ＴｉＣ、ＴｉＮ、ＴｉＣＮ、
（Ｔｉ，Ｍ）Ｃ、（Ｔｉ，Ｍ）Ｎ、（Ｔｉ，Ｍ）ＣＮの
群れから選択される１種または全種のうちのいずれか
（但しＭはＺｒ，Ｈｆ，Ｖ，Ｎｂ，Ｔａ，Ｃｒ，Ｍｏ，
Ｗのいずれかを意味する）並びに(3) 不可避不純物から
なることを特徴とする上記（１）記載のケイ素又はケイ
素化合物被覆高硬度焼結体切削工具。 （３）残部結合材が(1) 結合材全量に対し２〜４５重量
％のアルミ化合物、(2) ＴｉＣ、ＴｉＣＮ、（Ｔｉ，
Ｍ）Ｃ、（Ｔｉ，Ｍ）ＣＮの群れから選択される１種ま
たは全種のうちのいずれか（但しＭはＺｒ，Ｈｆ，Ｖ，
Ｎｂ，Ｔａ，Ｃｒ，Ｍｏ，Ｗのいずれかを意味する）か
らなることを特徴とする上記（１）記載のケイ素又はケ
イ素化合物被覆高硬度焼結体切削工具。 （４）立方晶窒化硼素を含有する焼結体切削工具におい
て、６０〜８０体積％の立方晶窒化硼素を主成分とし残
部結合材は２〜４５重量％のアルミ化合物と結合材全量
に対し６０〜９５重量％のＴｉＣ、、ＴｉＣＮ、（Ｔ
ｉ，Ｍ）Ｃ、（Ｔｉ，Ｍ）ＣＮ〔但しＭはＷ，Ｈｆ，Ｍ
ｏのいずれかを意味する〕の群れから選択される１種又
は全種のうちのいずれかからなる焼結体を基材とし、工
具のすくい面および逃げ面である基材表面に３〜１００
μｍのサイアロン被覆層が設けられてなる切削工具。
【０００８】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこに限定されるものではない。 〔実施例１〕Ｔｉの化合物とアルミを表１の配合で含む
結合材を超硬合金製ポットおよびボールを用いて混合
し、結合材粉末を作製した。次に、この結合材粉末とＣ
ＢＮ粉末を表１に示すＣＢＮ含有率になるように配合し
た後、Ｍｏ製容器に充填し、圧力５０ｋｂ、１３５０℃
で３０分間焼結した。さらに、この焼結体を切削チップ
の形に加工し、このＣＢＮ焼結体のすくい面に又はすく
い面と逃げ面にスパッタ法によりＳｉを厚みで２０μｍ
被覆し、本発明切削工具および比較品切削工具とした。
No.１〜 No.５が本発明品、 No.６〜 No.１０は比較品
である。この工具を用いて、ねずみ鋳鉄の板材（断面：
１００×２００ｍｍ）のフライス加工テストを行った。
切削条件はＶ＝２０００ｍ／ｍｉｎ、ｄ＝０．３ｍｍ、
ｆ＝０．１ｍｍ／刃、乾式で行った。この結果を表１に
示す。
するが、本発明はこに限定されるものではない。 〔実施例１〕Ｔｉの化合物とアルミを表１の配合で含む
結合材を超硬合金製ポットおよびボールを用いて混合
し、結合材粉末を作製した。次に、この結合材粉末とＣ
ＢＮ粉末を表１に示すＣＢＮ含有率になるように配合し
た後、Ｍｏ製容器に充填し、圧力５０ｋｂ、１３５０℃
で３０分間焼結した。さらに、この焼結体を切削チップ
の形に加工し、このＣＢＮ焼結体のすくい面に又はすく
い面と逃げ面にスパッタ法によりＳｉを厚みで２０μｍ
被覆し、本発明切削工具および比較品切削工具とした。
No.１〜 No.５が本発明品、 No.６〜 No.１０は比較品
である。この工具を用いて、ねずみ鋳鉄の板材（断面：
１００×２００ｍｍ）のフライス加工テストを行った。
切削条件はＶ＝２０００ｍ／ｍｉｎ、ｄ＝０．３ｍｍ、
ｆ＝０．１ｍｍ／刃、乾式で行った。この結果を表１に
示す。
【０００９】
【表１】
【００１０】〔実施例２〕｛（ＴｉＨｆ）（ＣＮ）｝と
アルミが８５：１５の割合（重量比）の結合材を超硬合
金製ポットおよびボールを用いて混合し結合材粉末を作
製した。次に、この結合材と表２に示すＣＢＮ含有率の
ＣＢＮ粉末 配合した後、Ｍｏ製容器に充填し、圧力４
５ｋｂ、１３５０℃で３０分間焼結した。さらに、この
焼結体を切削チップの形に加工し、このＣＢＮ焼結体の
表面、すなわちすくい面と逃げ面に化学蒸着法により表
２に示す厚みのＳｉを被覆し、本発明切削工具および比
較品切削工具とした。この工具を用いて、ねずみ鋳鉄の
丸棒（φ１５０×４００ｍｍ）の外周の連続切削テスト
を行った。切削条件はＶ＝１５００ｍ／ｍｉｎ、ｄ＝
０．３ｍｍ、ｆ＝０．１５ｍｍ／刃、乾式で行った。こ
の結果を表２に示す。
アルミが８５：１５の割合（重量比）の結合材を超硬合
金製ポットおよびボールを用いて混合し結合材粉末を作
製した。次に、この結合材と表２に示すＣＢＮ含有率の
ＣＢＮ粉末 配合した後、Ｍｏ製容器に充填し、圧力４
５ｋｂ、１３５０℃で３０分間焼結した。さらに、この
焼結体を切削チップの形に加工し、このＣＢＮ焼結体の
表面、すなわちすくい面と逃げ面に化学蒸着法により表
２に示す厚みのＳｉを被覆し、本発明切削工具および比
較品切削工具とした。この工具を用いて、ねずみ鋳鉄の
丸棒（φ１５０×４００ｍｍ）の外周の連続切削テスト
を行った。切削条件はＶ＝１５００ｍ／ｍｉｎ、ｄ＝
０．３ｍｍ、ｆ＝０．１５ｍｍ／刃、乾式で行った。こ
の結果を表２に示す。
【００１１】
【表２】
【００１２】〔実施例３〕Ｔｉの化合物とアルミを表１
の配合で含む結合材を超硬合金製ポットおよびボールを
用いて混合し結合材粉末を作製した。次に、この結合材
粉末とＣＢＮ粉末とを表３に示すＣＢＮ含有率になるよ
うに配合したあとＭｏ製容器に充填し、圧力４５ｋｂ、
１３８０℃で２０分間焼結した。さらに、この焼結体を
切削チップの形に加工し、このＣＢＮ焼結体の表面、す
なわちすくい面と逃げ面にスパッタ法によりサイアロン
（ＳｉＡｌＯＮ）を厚みで１５μｍ被覆し、本発明切削
工具および比較品切削工具とした。この工具を用いて、
ねずみ鋳鉄の丸棒（φ１５０×４００ｍｍ）の外周の連
続切削テストを行った。切削条件はＶ＝１５００ｍ／ｍ
ｉｎ、ｄ＝０．３ｍｍ、ｆ＝０．１５ｍｍ／刃、乾式で
行った。この結果を表３に示す。No.16〜No.20 が本発
明品、 No.21〜No.25 は比較品である。
の配合で含む結合材を超硬合金製ポットおよびボールを
用いて混合し結合材粉末を作製した。次に、この結合材
粉末とＣＢＮ粉末とを表３に示すＣＢＮ含有率になるよ
うに配合したあとＭｏ製容器に充填し、圧力４５ｋｂ、
１３８０℃で２０分間焼結した。さらに、この焼結体を
切削チップの形に加工し、このＣＢＮ焼結体の表面、す
なわちすくい面と逃げ面にスパッタ法によりサイアロン
（ＳｉＡｌＯＮ）を厚みで１５μｍ被覆し、本発明切削
工具および比較品切削工具とした。この工具を用いて、
ねずみ鋳鉄の丸棒（φ１５０×４００ｍｍ）の外周の連
続切削テストを行った。切削条件はＶ＝１５００ｍ／ｍ
ｉｎ、ｄ＝０．３ｍｍ、ｆ＝０．１５ｍｍ／刃、乾式で
行った。この結果を表３に示す。No.16〜No.20 が本発
明品、 No.21〜No.25 は比較品である。
【００１３】
【表３】
【００１４】〔実施例４〕ＴｉＣとアルミが８５：１５
の割合の結合材を超硬合金製ポットおよびボールを用い
て混合し、結合材粉末を作製した。次に、この結合材粉
末とＣＢＮ粉末とをＣＢＮ含有率が７０体積％となるよ
うに配合したあとＭｏ製容器に充填し、圧力４５ｋｂ，
１３５０℃で３０分間焼結した。さらにこの焼結体を切
削チップの形に加工し、このＣＢＮ焼結体の表面、すな
わち、すくい面と逃げ面に化学蒸着法により表４に示す
厚み，組成のＳｉ化合物を被覆し、切削工具とした。こ
の工具を用いて、ねずみ鋳鉄のブロック材（断面：１８
０×４００ｍｍ，上面に４箇所φ７０ｍｍの穴付き）の
フライス加工テストを行った。切削条件はＶ＝１５００
ｍ／ｍｉｎ、ｄ＝０．２ｍｍ、ｆ＝０．１５ｍｍ／刃、
乾式で行った。この結果を表４に示す。No.26〜No.30
が本発明品、 No.31〜No.33 は比較品である。
の割合の結合材を超硬合金製ポットおよびボールを用い
て混合し、結合材粉末を作製した。次に、この結合材粉
末とＣＢＮ粉末とをＣＢＮ含有率が７０体積％となるよ
うに配合したあとＭｏ製容器に充填し、圧力４５ｋｂ，
１３５０℃で３０分間焼結した。さらにこの焼結体を切
削チップの形に加工し、このＣＢＮ焼結体の表面、すな
わち、すくい面と逃げ面に化学蒸着法により表４に示す
厚み，組成のＳｉ化合物を被覆し、切削工具とした。こ
の工具を用いて、ねずみ鋳鉄のブロック材（断面：１８
０×４００ｍｍ，上面に４箇所φ７０ｍｍの穴付き）の
フライス加工テストを行った。切削条件はＶ＝１５００
ｍ／ｍｉｎ、ｄ＝０．２ｍｍ、ｆ＝０．１５ｍｍ／刃、
乾式で行った。この結果を表４に示す。No.26〜No.30
が本発明品、 No.31〜No.33 は比較品である。
【００１５】
【表４】
【００１６】
【発明の効果】以上説明の如く、本発明ではＣＢＮに、
２〜４５重量％のアルミとＴｉＣ，ＴｉＮ，ＴｉＣＮ，
（Ｔｉ，Ｍ）Ｃ，（Ｔｉ，Ｍ）Ｎ，（Ｔｉ，Ｍ）ＣＮか
らなる群から選択された化合物の１種または２種以上の
混合物（ただしＭはＴｉを除く周期律表４ａ，５ａおよ
び６ａ族の遷移金属）を含む結合材を混合し、超高圧下
で焼結することにより強固な焼結体を得ることができ、
さらにこの焼結体を用いて作製した工具にＳｉ又はＳｉ
化合物を被覆することにより優れた耐磨耗性と被覆と基
材の結合強度を得ることができる。よって、本発明は例
えばねずみ鋳鉄の切削速度１０００ｍ／ｍｉｎを越える
高速切削において耐摩耗性を向上し刃先欠損なく工具の
寿命を延長することができるので、非常に有効である。
２〜４５重量％のアルミとＴｉＣ，ＴｉＮ，ＴｉＣＮ，
（Ｔｉ，Ｍ）Ｃ，（Ｔｉ，Ｍ）Ｎ，（Ｔｉ，Ｍ）ＣＮか
らなる群から選択された化合物の１種または２種以上の
混合物（ただしＭはＴｉを除く周期律表４ａ，５ａおよ
び６ａ族の遷移金属）を含む結合材を混合し、超高圧下
で焼結することにより強固な焼結体を得ることができ、
さらにこの焼結体を用いて作製した工具にＳｉ又はＳｉ
化合物を被覆することにより優れた耐磨耗性と被覆と基
材の結合強度を得ることができる。よって、本発明は例
えばねずみ鋳鉄の切削速度１０００ｍ／ｍｉｎを越える
高速切削において耐摩耗性を向上し刃先欠損なく工具の
寿命を延長することができるので、非常に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０４Ｂ 41/87 Ｄ Ｎ Ｃ２３Ｃ 16/30
Claims (5)
- 【請求項１】 立方晶窒化硼素３０〜８０体積％を主成
分とし残部結合材からなる焼結体を基材とし、該基材表
面に厚さ３〜１００μｍのケイ素又はケイ素化合物被覆
層が設けられてなるケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度
焼結体切削工具。 - 【請求項２】 上記残部結合材が(1) 結合材全量に対し
２〜４５重量％のアルミ化合物、(2) ＴｉＣ、ＴｉＮ、
ＴｉＣＮ、（Ｔｉ，Ｍ）Ｃ、（Ｔｉ，Ｍ）Ｎ、（Ｔｉ，
Ｍ）ＣＮの群れから選択される１種または２種以上（但
しＭはＴｉを除く周期律表４ａ，５ａまたは６ａ族の遷
移金属を意味する）並びに(3) 不可避不純物からなるこ
とを特徴とするケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度焼結
体切削工具。 - 【請求項３】 上記残部結合材が２〜４５重量％のアル
ミ化合物と、ＴｉＣ、ＴｉＣＮ、（Ｔｉ，Ｍ）Ｃ、（Ｔ
ｉ，Ｍ）ＣＮの群れから選択される１種または２種以上
（但しＭはＴｉを除く周期律表４ａ，５ａまたは６ａ族
の遷移金属を意味する）とからなることを特徴とする請
求項１記載のケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度焼結体
切削工具。 - 【請求項４】 上記ケイ素又はケイ素化合物被覆層がす
くい面に、またはすくい面と逃げ面とに設けられてなる
ことを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれかに
記載のケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度焼結体切削工
具。 - 【請求項５】 上記ケイ素化合物がサイアロンであるこ
とを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれかに記
載のケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度焼結体切削工
具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6025328A JPH07164210A (ja) | 1993-10-22 | 1994-02-23 | ケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度焼結体切削工具 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5-264815 | 1993-10-22 | ||
| JP26481593 | 1993-10-22 | ||
| JP6025328A JPH07164210A (ja) | 1993-10-22 | 1994-02-23 | ケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度焼結体切削工具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07164210A true JPH07164210A (ja) | 1995-06-27 |
Family
ID=26362929
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6025328A Pending JPH07164210A (ja) | 1993-10-22 | 1994-02-23 | ケイ素又はケイ素化合物被覆高硬度焼結体切削工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07164210A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009095889A (ja) * | 2007-10-12 | 2009-05-07 | Kyocera Corp | 表面被覆工具 |
-
1994
- 1994-02-23 JP JP6025328A patent/JPH07164210A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009095889A (ja) * | 2007-10-12 | 2009-05-07 | Kyocera Corp | 表面被覆工具 |
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