JP3158429B2 - 耐摩耗性および靭性に優れた超硬合金部材 - Google Patents

耐摩耗性および靭性に優れた超硬合金部材

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、耐摩耗性および靭性に優れ、特にスロー
アウェイチップやエンドミル、さらにドリルなどの切削
工具に適用した場合に極めて優れた性能を長期に亘って
発揮する超硬合金部材に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、超硬合金部材は、結合相形成成分として、周
期律表鉄族金属(Fe,Co,Ni)のうち1種または2種以
上:1〜25重量%を含有し、残りが周期律表の4a,5aおよ
び6a族の金属のうち1種または2種以上の金属の炭化物
および炭窒化物のうち1種または2種からなるNaCl型結
晶構造化合物(以下、NaCl型結晶構造化合物と記す)お
よび炭化タングステン(以下、WCと記す)からなり、上
記NaCl型結晶構造化合物は、5〜30重量%含有されてい
ることも知られている。
上記一般に知られている超硬合金部材は、通常の連続
切削および断続切削に用いられているが、高速切削や高
送りおよび高切込みなどの重切削に用いるには耐摩耗性
および耐衝撃性が十分でなく、上記耐摩耗性および耐衝
撃性にすぐれた表面部に多重層構造を有する超硬合金部
材も提供されている。これら超硬合金部材の一例とし
て、特開昭57−60048号公報には、 結合相形成成分:5〜30重量%、 NaCl型結晶構造化合物:5〜30重量%、 WCおよび不可避不純物:残り、 からなる組成の超硬合金内部、 結合相形成成分:2〜15重量%、 NaCl型結晶構造化合物および不可避不純物: 残りからなり、しかも窒素含有量または窒素と酸素の合
計含有量が上記超硬合金内部の窒素含有量より重量比で
多い組成を有し、厚さ:5〜40μmの表面第1層、 結合相形成成分:5〜30重量%、 NaCl型結晶構造化合物:0〜5重量%、 WCおよび不可避不純物:残りからなり、上記超硬合金
内部と上記表面第1層の間に、上記表面第1層の直下よ
り2〜50μmの深さにわたって介在する表面第2層、 からなる表面に多層構造を有する超硬合金部材が記載さ
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、近年、省力化および高能率化に対する強い要
求から、さらに高速切削、高送り、高切込みなどを伴う
重切削に上記表面部に多重層構造を有する超硬合金部材
が用いられる傾向にあるが、上記多重層構造を有する超
硬合金部材で作製された切削工具では上記要求を十分に
満すことができなかった。
上記表面部に多重層構造を有する超硬合金部材が上記
要求を十分に満すことができない原因を究明したとこ
ろ、 (1) 上記従来の表面部に多重層構造を有する超硬合
金部材の表面第1層は、 結合相形成成分:2〜15重量%、 NaCl型結晶構造化合物および不可避不純物:残部から
なり、実質的に少ない結合相形成成分および熱伝導率が
低く上記結合相形成成分との濡れ性の悪いNaCl型結晶構
造化合物で構成されているので、熱がこもりやすく、熱
衝撃に弱い。
(2) 上記従来の表面部に多重層構造を有する超硬合
金部材の表面第2層は、 結合相形成成分:5〜30重量%、 NaCl型結晶構造化合物:0〜5重量%、 WCおよび不可避不純物:残部からなり、耐塑性変形性
を付与するNaCl型結晶構造化合物が存在しないか、また
は依存しても5重量%以下と極めて少量であり、実質的
にCoとWCとで構成されるために、高衝撃に対する耐塑性
変形性が低く、高衝撃を受けるとこの表面第2層が変形
し、上記表面第2層の変形は表面第1層のクラックをも
誘発し、切刃を欠損に至らしめる、 などの問題点が生じていることがわかったのである。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、耐摩耗性および靭性に優れ、
一層苛酷な重切削にも耐えられる超硬合金部材を製造す
べく研究を行った結果、 結合相形成成分、NaCl型結晶構造化合物およびWCから
主としてなる通常の超硬合金内部の表面に、上記通常の
超硬合金に含まれる結合相形成成分より少ない量の結合
相形成成分不足硬質層を形成し、上記結合相形成成分不
足硬質直下であって超硬合金内部に接して靭性の優れた
結合相形成成分富化軟質層を形成し、 かつ、上記通常の超硬合金内部、結合相形成成分富化
軟質層および結合相形成成分不足硬質層に含まれるNaCl
型結晶構造化合物量のWCおよびNaCl型結晶構造化合物の
合計量に対する比、即ち、 の値がほぼ同一であると、 耐摩耗性に優れ、表面にクラックの発生が少なくなる
と同時に表面に発生したクラックが深く進展することが
ないので耐欠損性にも優れている超硬合金部材が得られ
るという知見を得たのである。
この発明は、かかる知見にもとづいてなされたもので
あって、 超硬合金部材の表面に形成され、超硬合金内部の結合
相形成成分濃度よりも少ない結合相形成成分濃度を有す
る結合相形成成分不足硬質層、 上記結合相形成成分不足硬質層直下にあって超硬合金
内部に接して形成され、上記超硬合金内部の結合相形成
成分濃度よりも多く、結合相形成成分濃度分布に最大値
を有する結合相形成成分富化軟質層、および、 通常の結合相形成成分濃度を有する超硬合金内部、か
らなる超硬合金部材であって、 上記結合相形成成分不足硬質層、結合相形成成分富化
軟質層および超硬合金内部は、いずれもNaCl型結晶構造
化合物、WCおよび結合相形成成分を含み、かつ上記NaCl
型結晶構造化合物量のWCおよびNaCl型結晶構造化合物の
合計量に対する比がそれぞれほぼ同一の値をとる超硬合
金部材に特徴を有するものである。
ここで、「ほぼ同一の値をとる」とは、超硬合金部材
における超硬合金内部のNaCl型結晶構造化合物量のWCお
よびNaCl型結晶構造化合物の合計量に対する比をAとす
ると、すなわち、 とすると、 結合相形成成分不足硬質層および結合相形成成分富化
軟質層における、NaCl型結晶構造化合物量のWCおよびNa
Cl型結晶構造化合物の合計量に対する比が共に0.8A〜1.
2Aの範囲内の値をとることを意味する。
この発明を一層理解しやすくするために、Coを結合相
形成成分としたこの発明の耐摩耗性および靭性に優れた
超硬合金部材をその表面から内部に向うCo濃度分布曲
線、NaCl型結晶構造化合物濃度分布曲線およびWC濃度分
布曲線を描いた第1図の模型グラフを用いて説明する。
第1図のグラフにおいて横軸は、この発明の超硬合金部
材の表面から内部に向っての深さを示し、縦軸は構成成
分の濃度を示している。第1図の横軸に示されるよう
に、この発明の超硬合金部材表面にはCo不足硬質層が形
成されており、上記Co不足硬質層の内側にはCo富化軟質
層が形成されており、このCo富化軟質層のさらに内側に
超硬合金内部があるような構造となっている。上記Co不
足硬質層、Co富化軟質層および超硬合金内部におけるCo
は、Co濃度分布曲線1に示されているように、Co不足硬
質層のCo含有量は超硬合金内部のCo含有量Nよりも少な
くかつ最表面で最低値Lをとり、Co富化軟質層のCo含有
量は超硬合金内部のCo含有量よりも多くかつ最大値Mを
とるように分布している。ここでM/N=1.05〜1.7,L/N=
0.7以下となることが必要であり、さらに最大値Mの存
在する表面からの深さdは2〜20μmの範囲内にあるこ
とが必要である。
一方、上記Co不足硬質層、Co富化軟質層および超硬合
金内部におけるNaCl型結晶構造化合物およびWCは、それ
ぞれNaCl型結晶構造化合物分布曲線2およびWC濃度分布
曲線3に示される濃度分布をしており、上記超硬合金内
部におけるNa型結晶構造化合物およびWCの含有量を第1
図に示されるように、それぞれXおよびYとし、X/(X
+Y)=Aとすると、Co不足硬質層のNaCl型結晶構造化
合物量x1およびWC含有量y1はx1/(x1+y1)=0.8A〜1.2
Aの範囲内の値をとり、さらにCo富化軟質層のNaCl型結
晶構造化合物含有量x2およびWC含有量y2もx2/(x2
y2)=0.8A〜1.2Aの範囲内の値をとるように含有されて
いることを必要としているのである。
上記第1図は、この発明を容易に理解するために添付
された説明図であり、この発明が上記第1図に示される
Co濃度分布曲線、NaCl型結晶構造化合物分布曲線および
WC濃度分布曲線にのみ限定されるものではない。
このようなCo濃度分布を有するこの発明の超硬合金部
材は、Coの少ない表面を含むCo不足硬質層によって耐摩
耗性が確保され、たとえこのCo不足硬質層に切削中に亀
裂が発生しても、このCo不足硬質層の下に存在する靭性
に優れたCo富化軟質層によって上記亀裂の進入が阻止さ
れ、亀裂が超硬合金内部にまで到達することはない。し
たがって、この発明の超硬合金部材を切削工具として用
いて種々の条件の重切削を行っても、切削工具の耐摩耗
性および欠損性が確保され、長期に亘って優れた性能を
発揮する。この発明の超硬合金部材の超硬合金内部は、
通常の超硬合金に含まれるCo量を含有することが好まし
い。超硬合金内部のCo量が通常の切削工具用超硬合金に
含まれるCo量より多いと靭性に優れた超硬合金部材が得
られるが塑性変形しやすくなり、特に激しい重切削に対
する耐塑性変形性が低下するので好ましくない。
上記耐摩耗性および靭性に優れたこの発明の超硬合金
部材は、所定の配合塑性を有する圧粉体と、 (a) 室温から液相出現温度を越えて焼結保持温度ま
での昇温をCO2ガスなどの減圧の脱炭性雰囲気で行な
い、 (b) ついで、焼結温度において真空などの非脱炭性
雰囲気あるいはCOガスなどの減圧の弱浸炭性雰囲気で保
持を行ない、 (c) 引き続いて、不活性ガスと浸炭性ガスの混合ガ
スにて10kg/cm2以上の加圧を行ない、上記ガス圧下にて
少なくとも液相の消滅する温度以下まで冷却するかまた
は上記ガス圧下で上記焼結温度にて保持し、さらに上記
液相消滅温度以下になるまで冷却する、 ことにより製造することができる。
なお、上記焼結方法は、圧粉体に限らず、通常の方法
で焼結した焼結体を同様の方法で再焼結を行なってもよ
い。
つぎに、この発明の超硬合金部材において、上記の通
りに数値限定した理由を説明する。
(1) 結合相形成成分 結合相形成成分不足硬質層の結合相形成成分含有量
は、上記超硬合金内部の結合相形成成分含有量よりも少
ない量の結合相形成成分を含有し、耐摩耗性を付与する
必要があるが、特に最表面の結合相形成成分含有量は、
超硬合金内部の結合相形成成分含有量に対して0.7倍を
越えるとこの発明の超硬合金部材に十分な耐摩耗性を付
与することができないことから、超硬合金内部の結合相
形成成分含有量の0.7倍以下とした。
さらに、結合相形成成分富化軟質層は、表面の結合相
形成成分不足軟質層と超硬合金内部の間に形成され重切
削中に表面の結合相形成成分不足硬質層で発生した亀裂
が内部へ進展するのを阻止する作用があり、この結合相
形成成分富化軟質層の結合相形成成分濃度分布は最大値
を有するように分布しているが、この最大値は、超硬合
金内部の結合相形成成分含有量に対して1.05倍未満では
上記亀裂の内部進展を阻止することができず、一方、1.
7倍を越えると耐塑性変形性が低下するようになること
から結合相形成成分富化軟質層の結合相形成成分含有量
の最大値は、超硬合金内部の結合相形成成分含有量の1.
05〜1.7倍と定めた。
また上記最大値が存在する位置は、表面から2μm未
満では表面の結合相形成成分量が上記0.7倍を越えるよ
うになって十分な耐摩耗性が得られなくなり、一方、そ
の最大値の位置が表面から20μmを越えると耐衝撃性向
上効果が十分でなくなることから上記最大値の存在する
深さを2〜20μmと定めた。
(2) NaCl型結晶構造化合物量のWCおよびNaCl型結晶
構造化合物の合計量に対する比。
超硬合金内部に含まれるNaCl型結晶構造化合物量のWC
およびNaCl型結晶構造化合物の合計量に対する比をA、 結合相形成成分富化軟質層に含まれるNaCl型結晶構造
化合物量のWCおよびNaCl型結晶構造化合物の合計量に対
する比をB、 結合相形成成分不足硬質層に含まれるNaCl型結晶構造
化合物量に対するWCおよびNaCl型結晶構造化合物の合計
量の比をC、 とすると、A=B=Cであることが最も好ましいが、B
=0.8A〜1.2A、C=0.8A〜1.2Aの範囲内であれば許容す
ることができる。
しかし、上記BおよびCの許容範囲が0.8A未満である
とNaCl型結晶構造化合物の含有量が少ないために、結合
相形成成分富化軟質層は耐塑性変形性が低下するために
好ましくなく、さらに結合相形成成分不足硬質層は、耐
クレータ摩耗性が低下するので好ましくない。
一方、上記BおよびCの許容範囲が1.2Aを越えるとNa
Cl型結晶構造化合物の含有量が多すぎるために、結合相
形成成分富化軟質層は、耐衝撃性が低下するために好ま
しくなく、さらに結合相形成成分不足硬質層においても
耐衝撃性が低下するようになるので好ましくない。
〔実 施 例〕
つぎに、この発明の超硬合金部材を実施例により具体
的に説明する。
原料粉末として、いずれも平均粒径:2.0μmのWC,Co,
TaC,NbC,TiC,TiNの粉末を用意し、これら原料粉末を、
重量%で Co:8%,TaC:10%,NbC:2%, TiC:5%,TiN:5%,WC:残部 となるように配合し、湿式混合、乾燥したのち、ISO規
格SNMG120408に則した形状の圧粉体にプレス成形し、こ
れを圧粉体を第1表に示す焼結条件にて焼結を行ない、
本発明超硬合金1〜10および比較超硬合金チップ1〜7
を作製した。
また、比較の目的で上記圧粉体を室温から1410℃の焼
結温度までの昇温および上記焼結温度にて0.02Torr,1時
間保持の条件で焼結し、得られた焼結体を上下面研摩加
工を施すとともに刃先に プレホーニングを施してSNMG120408の形状としたのち、
10-2Torrの真空中、温度:1400℃,2時間保持し、引続い
てN2:200Torrの雰囲気にて1400℃,2時間保持することに
より従来超硬合金チップを製造した。
これら本発明超硬合金チップ1〜10、比較超硬合金チ
ップ1〜7および従来超硬合金チップのそれぞれの組成
分布状態を調べるために、EPMAを用いて分析し、上記チ
ップの超硬合金内部のTiC,TaC,NbC,TiN(これらの化合
物はNaCl型結晶構造を示すので、以下、まとめてTで示
す)のWCおよびTの合計量に対する比(この比の値をA
と記す)並びにCo量(これをNと記す)を求めて、これ
らの結果を第2表に示した。
また、上記チップのCo富化軟質層のCo量の最大値(こ
れをMと記す)、上記Nに対するMの比、Mの存在する
深さ、Co富化軟質層のTのWC+Tに対する比(これをB
と記す)、およびBのAに対する比を求めて、これらの
結果を第2表に示した。
さらに、上記チップのCo不足硬質層の最表面のCo量の
最低値(これをLと記す)、LのNに対する比、Co不足
軟質層のTのWC+Tに対する比(これをCと記す)、お
よびCの上記Aに対する比を求めて、これらの結果も第
2表に示した。
第2表に示されるような組成分布を有する本発明超硬
合金チップ1〜10、比較超硬合金チップ1〜7および従
来超硬合金チップについて、耐摩耗性を評価する目的
で、 被削材 :JIS SCM440の丸棒、 切削速度:V=150m/min.、 切込み :d=2mm、 送 り:f=0.2mm/rev.、 時 間:T=10分 の条件で鋼の連続切削を行ない、切刃の逃げ面摩耗幅を
測定し、ついで靭性を評価する目的で、 被削材 :JIS SNCM439、 切削速度:V=140m/min.、 切込み :d=3mm、 送 り:f=0.2mm/rev.、 時 間:T=3min.、 の条件で断続切削を行ない、10切刃のうち欠損した切刃
の数を測定し、これらの結果を第2表に示した。
第2表の結果から、本発明超硬合金チップ1〜10は、
従来超硬合金チップに比べていずれも耐摩耗性および耐
欠損性が共に優れており、さらに比較超硬合金チップ1
〜7に見られるように、この発明の条件を外れると(第
2表において、この発明の条件から外れた値に※印を付
して示した)、連続切削における耐摩耗性または断続切
削における耐欠損性のいずれかが劣ることがわかる。
〔発明の効果〕
この発明の超硬合金部材は、従来の超硬合金部材より
も耐摩耗性および靭性に共に優れており、この発明の超
硬合金部材を用いて作製された切削工具は、重切削に対
しても長期に亘って使用することができるなどの優れた
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の超硬合金部材の構成成分の濃度分
布を説明するためのグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−169356(JP,A) 特開 平2−221373(JP,A) 特開 昭59−6304(JP,A) 特開 平4−128330(JP,A) 特開 昭52−110209(JP,A) 特開 平4−83805(JP,A) 特開 昭63−99103(JP,A) 特開 昭57−60048(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 29/00 - 29/04 C22C 1/05

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周期律表鉄属金属のうち1種または2種以
    上の所定量の結合相形成成分を含有し、残りが周期律表
    4a,5aおよび6a属金属のうち1種または2種以上の金属
    からなる炭化物および炭窒化物のうち1種または2種以
    上のNaCl型結晶構造化合物(以下、NaCl型結晶構造化合
    物という)、並びに炭化タングステンからなる通常の超
    硬合金成分を有する超硬合金内部、 上記超硬合金内部の結合相形成成分の所定量より多い量
    の結合相形成成分を含有し、残りがNaCl型結晶構造化合
    物および炭化タングステンからなる組成を有し、上記超
    硬合金内部の上に接して形成されている結合相形成成分
    富化軟質層、 上記超硬合金内部の結合相形成成分の所定量より少ない
    量の結合相形成成分を含有し、残りがNaCl型結晶構造化
    合物および炭化タングステンからなる組成を有し、上記
    結合相形成成分富化軟質層の上に接し、かつ最外面に形
    成されている結合相形成成分不足硬質層、 からなる超硬合金部材であって、 上記超硬合金内部におけるNaCl型結晶構造化合物量の炭
    化タングステンおよびNaCl型結晶構造化合物の合計量に
    対する比をAとすると、 上記結合相形成成分富化軟質層および結合相形成成分不
    足硬質層におけるNaCl型結晶構造化合物量の炭化タング
    ステンおよびNaCl型結晶構造化合物の合計量に対する比
    が共に0.8A〜1.2Aの範囲内の値をとる、 ことを特徴とする耐摩耗性および靭性に優れた超硬合金
    部材。
  2. 【請求項2】上記結合相形成成分不足硬質層の最表面の
    結合相形成成分の含有量は最小値をとり、その最小値
    は、上記超硬合金内部の結合相形成成分量の0.7倍以下
    であることを特徴とする請求項1記載の耐摩耗性および
    靭性に優れた超硬合金部材。
  3. 【請求項3】上記結合相形成成分富化軟質層に含まれる
    結合相形成成分量は最大値をとり、上記最大値は上記超
    硬合金内部に含まれる結合相形成成分量の1.05〜1.7倍
    の範囲内にあり、かつ結合相形成成分の最大値が存在す
    る位置は、表面より2〜20μmの深さに存在することを
    特徴とする請求項1または2記載の耐摩耗性および靭性
    に優れた超硬合金部材。
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