JPH07161569A - セラミック積層電子部品の製造方法 - Google Patents
セラミック積層電子部品の製造方法Info
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- JPH07161569A JPH07161569A JP30676893A JP30676893A JPH07161569A JP H07161569 A JPH07161569 A JP H07161569A JP 30676893 A JP30676893 A JP 30676893A JP 30676893 A JP30676893 A JP 30676893A JP H07161569 A JPH07161569 A JP H07161569A
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Abstract
抑制することができ、かつセラミック積層電子部品の生
産性を高め得るセラミック積層電子部品の製造方法を提
供する。 【構成】 底板12及び側壁部13a〜13dを有し、
各側壁部13a〜13dに上端縁から切り欠くように形
成された雰囲気ガス導入・排出用開口部14a〜14d
を形成してなる匣11を用意し、匣11内に多数のセラ
ミック積層体チップを投入し、ただし投入されたセラミ
ック積層体チップ16の上端が雰囲気ガス導入・排出用
開口部14a〜14dの下端を超えないようにして、雰
囲気ガス導入・排出用開口部14a〜14dの少なくと
も1つから雰囲気ガスを匣11内に投入して多数のセラ
ミック積層体チップ16を焼成する、セラミック積層電
子部品の製造方法。
Description
等のセラミック積層電子部品の製造方法に関し、特に、
未焼成のセラミック積層体チップを焼成する工程が改良
されたセラミック積層電子部品の製造方法に関する。
部品の製造に際しては、複数枚のセラミックグリーンシ
ートを内部電極材料とともに積層し、未焼成のセラミッ
ク積層体チップを得る。しかる後、得られたセラミック
積層体チップを焼成炉中において焼成し、セラミック焼
結体を得、該セラミック焼結体の外表面に所定の外部電
極を形成する。
焼成に際しては、トンネル炉を用いて連続的に多数のセ
ラミック積層体チップを焼成する方法やバッチ式の焼成
炉内に多数のセラミック積層体チップを配置して焼成
し、焼成終了後に焼結体を取り出した後、再度新たな多
数のセラミック積層体チップを投入して焼成する方法等
が用いられている。後者の方法、すなわち、バッチ式の
焼成方法では、例えば非還元性セラミックスを用いた積
層コンデンサを製造する場合のように、焼成に際しての
雰囲気調整が必要な場合に有効な方法である。そこで、
このような雰囲気調整が必要なセラミック積層体チップ
の焼成に際しては、上記バッチ式の焼成方法が採用され
ている。
の一例を説明する。焼成炉の内部に配置されたステージ
1上に、複数本のスペーサー2を立設し、該スペーサー
2上に棚板3を配置する。棚板3上に、焼成すべき多数
のセラミック積層体チップ4を平積みする。すなわち、
多数のセラミック積層体チップは互いに重なり合わない
ように、棚板3上に分散されて配置される。上記スペー
サー2及び棚板3の配置ならびにセラミック積層体チッ
プの平積みを繰り返すことにより、図示のように、複数
の棚板3が所定距離を隔てて配置され、かつ各棚板3上
に多数のセラミック積層体チップが平積みされる。
ガス導入管5,5から雰囲気ガスを導入しつつ、焼成を
行う。焼成に際しては、通常、最初に200〜400℃
程度の温度で炉内を加熱し、セラミック積層体チップ中
に含まれている有機バインダーを飛散させ、しかる後1
000℃〜1400℃程度の温度に加熱して本焼成を行
う。
方法では、雰囲気ガスが雰囲気ガス導入管5,5から棚
板3,3間の空間に投入される。この雰囲気ガスは平積
みされている多数のセラミック積層体チップのうちの一
部に当たりがちであった。従って、雰囲気ガスが直接当
たる部分のセラミック積層体チップでは、含有されてい
る有機バインダーの分解が急激に引き起こされる。その
結果、層間剥がれ、すなわちデラミネーションが発生す
ることがあった。
熱される本焼成工程において、雰囲気ガスが、一部のセ
ラミック積層体チップに集中して当たることにより、過
焼結のセラミック積層体チップが生じたりし、得られた
多数のセラミック焼結体において特性のばらつきが生じ
がちであった。
を吹き込むものであるため、チップが飛散し、炉材と反
応して損傷を引き起こすこともあった。雰囲気ガスに直
接セラミック積層体チップが当たらないようにするため
に、上記のようにセラミック積層体チップを平積みしな
ければならず、セラミック積層体チップを重ねて積層す
ることができないため、生産性が充分でないという問題
もあった。
焼成する場合、上記スペーサー2及び棚板3の数を増大
させねばならず、このような場合、スペーサー2及び棚
板3を配置する作業が煩雑であり、かつその自動化が困
難であるという問題もあった。
発生や特性のばらつきを抑制することができ、かつ多数
のセラミック積層体チップを効率よく焼成することがで
き、さらに自動化も容易である焼成工程を備えたセラミ
ック積層電子部品の製造方法を提供することにある。
から上方に延びるように、かつ上方に開いた開口を有す
るように設けられた側壁とを有し、側壁には、側壁上縁
から外側壁の一部を切り欠くことにより雰囲気ガス導入
・排出用の複数の開口部が形成されている匣を用意し、
前記雰囲気ガス導入・排出用開口部の下端を超えないよ
うに前記匣内に複数のセラミック積層体チップを投入
し、少なくとも1つの雰囲気ガス導入・排出用開口部か
らガスを匣内に導入しつつ複数のセラミック積層体チッ
プを焼成することを特徴とする、セラミック積層電子部
品の製造方法である。
側壁を有し、かつ側壁に、上記雰囲気ガス導入・排出用
の複数の開口部が形成されている匣を用いるため、該雰
囲気ガス導入・排出用開口部から雰囲気ガスが導入さ
れ、かつ排出される。従って、匣内に収納されているセ
ラミック積層体チップは、周囲を上記側壁で囲われてい
るため、並びにセラミック積層体チップが上記雰囲気ガ
ス導入・排出用開口部の下端を超えないように投入され
ているため、雰囲気ガスが導入されたとしてもセラミッ
ク積層体チップに直接には当たり難い。
数設けられているため、匣内に導入された雰囲気ガスは
速やかに他の雰囲気ガス導入・排出用開口部から抜け出
ていく。
部の下端を超えないように複数のセラミック積層体チッ
プを投入しておく限り、多数のセラミック積層体チップ
をばらつきなく焼成することができる。また、脱バイン
ダー工程において、セラミック積層体チップに含まれる
バインダーの分解が急激に起こることもなく、従ってデ
ラミネーションも発生し難い。
することにより、本発明を明らかにする。
を示す斜視図であり、図3(a)及び(b)は、該匣の
平面図及び正面半断面図。匣11は、アルミナ等の耐熱
性に優れたセラミックスにより構成されているが、匣1
1を構成する材料については、上述のセラミック積層体
チップの焼成温度に耐え、セラミック積層体チップと所
望でない反応を引き起こさない限り、適宜の材料から構
成することができる。好ましくは、匣11の表面をジル
コニア等の耐熱性セラミック材料によりコーティングし
ておいてもよい。
ら上方に延びるように形成された側壁13とを有する。
本実施例では、側壁13は、複数の側壁部13a〜13
dを有する。すなわち、複数の側壁部13a〜13d
が、互いに直交するように配置されており、それによっ
て側壁13は、上方に開いた矩形の開口13eを形成し
ている。
央において、側壁部13a〜13dの一部を切り欠くこ
とにより、雰囲気ガス導入・排出用開口部14a〜14
dが形成されている。この雰囲気ガス導入・排出用開口
部14a〜14dの大きさは、匣11の全体の寸法及び
投入されるセラミック積層体チップの数等に応じて適宜
定め得るため、一義的には定め得ないものである。
チップの投入量に応じて側壁部13a〜13dの高さは
10〜40mm程度とされ、雰囲気ガス導入・排出用開
口部14a〜14dの幅は10mm以上とされる。
気ガス導入・排出用開口部14a〜14dの合計面積の
側壁部13a〜13dの合計面積に対する割合は、20
〜50%程度とすれば好ましいこと、並びに雰囲気ガス
導入・排出用開口部14a〜14dの幅は、該雰囲気ガ
ス導入・排出用開口部が設けられている側壁部の幅の4
0〜80%程度とすることが好ましいことが確かめられ
ている。
きセラミック積層体チップを多数投入する。この場合、
投入される積層体生チップの上端縁が、上記雰囲気ガス
導入・排出用開口部14a〜14dの下端よりも低い位
置となるように多数のセラミック積層体チップを投入す
ることが必要である。
ステージ15上に匣11を配置し、該匣11内に多数の
セラミック積層体チップ16を投入した場合、その上端
縁Aが、雰囲気ガス導入・排出用開口部14bの下端よ
りも低い位置となるようにセラミック積層体チップ16
を投入することが必要である。
体チップの焼成効率を高めるには、複数の匣11を図示
のように積層してもよい。この場合、複数の匣11は、
それぞれが上記底板12を有し、上方に開いた形状を有
するため、スペーサー等の他の部材を必要とすることな
く容易に積層することができる。
排出用開口部14bの側方にガス導入管17が配置さ
れ、ガス導入管17から匣11内に雰囲気ガスが吹き付
けられる。この場合、ガス導入管17は水平方向にその
端部が延ばされているため、雰囲気ガスは雰囲気ガス導
入・排出用開口部14bから水平方向に進むように匣1
1内に導入される。従って、雰囲気ガスはセラミック積
層体チップ16に直接当たることはない。
セラミック積層体チップ16の周囲が上記側壁部13a
〜13dで囲まれているため、雰囲気ガスは側壁13a
〜13dに衝突した後、積層されているセラミック積層
体チップ16に緩やかに到達する。従って、雰囲気ガス
の置換や、バインダーの分解により発生したガスの飛散
が円滑に行われ、かつ雰囲気ガス導入・排出用開口部1
4a〜14dから匣11外へ円滑に排出される。よっ
て、デラミネーションの発生が抑制されるとともに、特
性のばらつきの少ない焼結体を得ることができる。
2に示した匣11として、外形寸法が160×160m
m×高さ45mmであり、雰囲気ガス導入・排出用開口
部の幅が上端側で110mm、下端側で100mmであ
り、雰囲気ガス導入・排出用開口の高さが20mmとさ
れたものを用意した。この匣11内にセラミック積層体
チップとして、2.0×1.25×1.25mmの寸法
のセラミック積層体チップ40960個(384ml)
を投入した。ただしセラミック積層体チップの上端縁が
上記雰囲気ガス導入・排出用開口の下端を超えないよう
に位置させた。この状態で、焼成炉内に匣11を配置
し、雰囲気ガスとしてairとN2 を適当に混合したガ
スを雰囲気ガス導入管から導入し、まず400℃の温度
に仮焼し、しかる後1300℃の温度で本焼成すること
によりセラミック焼結体を得た。
及び棚板3を用い、同じセラミック積層体チップ409
60個を同一のガスを導入して焼成した。実施例及び従
来例により得られたセラミック焼結体におけるデラミネ
ーション発生割合、静電容量のばらつき(CV値,30
0個についての値)、耐熱性不良発生割合、たわみ強度
及び等価直列抵抗ESRを測定した。
結されたセラミック焼結体100個を400℃の溶融半
田浴に浸漬し、割れが発生したものを耐熱性不良とし
て、その割合を示した。
た焼結体をプリント回路基板に半田付けにより実装し、
外力を加えてプリント回路基板を撓ませた状態で、実装
されているセラミック焼結体にクラックや割れが生じる
に至った上記外力を測定した。なお、このたわみ強度に
ついては、20個の焼結体について行い、その平均値を
示した。
結体の平均値を示した。これらの結果を表1に示す。
400個の焼結体においてデラミネーションが全く発生
していなかったのに対し、従来例では、いくつかの焼結
体においてデラミネーションが発生していた。すなわ
ち、デラミネーション発生割合が従来例に比べて実施例
では低くなっているため、脱バインダーが円滑に行われ
ていることがわかる。
生割合についても、比較例に比べて実施例ではかなり小
さくなることがわかる。さらに、たわみ強度について
も、従来に比べて実施例の方法により高めることがで
き、等価直列抵抗も従来例に比べて実施例により低め得
ることがわかる。
ック積層体チップが均一に焼成されていることがわか
る。次に、図2に示した匣11の雰囲気ガス導入・排出
用開口部の幅を2mm、8mm、10mm及び18mm
に変更したことを除いては、上記実験例と同様にしてセ
ラミック積層体チップの焼成を行い、デラミネーション
の発生割合を調べた。結果を下記の表2に示す。
・排出用開口部の幅が狭くなるに従ってデラミネーショ
ン発生割合が増加することがわかる。これは、脱バイン
ダーに際しての分解ガスの置換が不充分となり、匣内で
発熱を起こしやすくなるためと考えられる。従って、好
ましくは、雰囲気ガス導入・排出用開口部の幅は10m
m以上とすることが望ましい。もっとも、この幅は、前
述したように、投入されるセラミック積層体チップの組
成、寸法、投入される数等によって異なるため、一義的
には定め得ないものである。
製造方法は、上記のように未焼成のセラミック積層体チ
ップを焼成する工程に特徴を有するものであり、その他
の工程については、従来より周知のセラミック積層電子
部品の製造方法に従って行い得る。また、本発明のセラ
ミック積層電子部品の製造方法は、積層コンデンサに限
らず、セラミック多層基板、積層インダクタ等の種々の
セラミック積層電子部品の製造に適用することができ
る。
導入・排出用開口部が設けられた匣を用い、かつ該開口
部の下端を超えないようにセラミック積層体チップを投
入してセラミック積層体チップの焼成を行うため、匣内
において雰囲気ガスが直接セラミック積層体チップに当
たり難い。従って、複数のセラミック積層体チップを均
一に焼成でき、デラミネーションの発生や特性のばらつ
きを低減し得る。
雰囲気ガス導入・排出用開口部の下端を超えないように
位置させる限り、多数のセラミック積層体チップを重ね
た状態で投入することができるため、セラミック積層体
チップを効率良く焼成することが可能となる。本発明者
の実験によれば、従来法に比べて1つの匣当たりに投入
し得るセラミック積層体チップの数は、従来例の10数
倍と大幅に増大させることが可能となった。また、バッ
チ式炉での1回の焼成に際してのセラミック積層体チッ
プの投入量を、従来例に比べて約40%程度も高めるこ
とが可能となる。さらに、1バッチに必要な匣の数を大
幅に減らすことができ、焼成に際しての作業を簡略化す
ることが可能となり、その点からもセラミック電子部品
の生産性を高め得る。
め、匣の積み段数を少なくすることができ、よって焼成
炉内における匣の崩れを防止することも可能となる。ま
た、上記匣内にセラミック積層体チップを単に積み重ね
た状態で投入することができるため、さらに匣が底板を
有する有底の形状を有するため、匣内へのセラミック積
層体チップへの投入及び匣の積層を自動化することも容
易である。
ける焼成工程を説明するための斜視図。
匣の平面図及び半断面正面図。
ップを焼成する工程を説明するための断面図。
Claims (1)
- 【請求項1】 底板と、底板から上方に延びるように、
かつ上方に開いた開口を有するように設けられた側壁と
を有し、側壁には、側壁上縁から外側壁の一部を切り欠
くことにより雰囲気ガス導入・排出用の複数の開口部が
形成されている匣を用意し、 前記雰囲気ガス導入・排出用開口部の下端を超えないよ
うに前記匣内に複数のセラミック積層体チップを投入
し、 少なくとも1つの前記雰囲気ガス導入・排出用開口部か
らガスを匣内に導入しつつ複数のセラミック積層体チッ
プを焼成することを特徴とする、セラミック積層電子部
品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05306768A JP3089922B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | セラミック積層電子部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05306768A JP3089922B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | セラミック積層電子部品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07161569A true JPH07161569A (ja) | 1995-06-23 |
JP3089922B2 JP3089922B2 (ja) | 2000-09-18 |
Family
ID=17961058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05306768A Expired - Lifetime JP3089922B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | セラミック積層電子部品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3089922B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009085589A (ja) * | 2008-11-20 | 2009-04-23 | Tdk Corp | 脱バインダ用治具 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07279676A (ja) * | 1994-04-13 | 1995-10-27 | Kitako:Kk | 2サイクルエンジンの排気圧制御構造 |
JP6089080B2 (ja) * | 2015-09-01 | 2017-03-01 | パラマウントベッド株式会社 | マットレス用クッション体の製造方法及びマットレスの製造方法 |
KR102081290B1 (ko) * | 2018-07-23 | 2020-02-25 | 성상엽 | 침구 |
KR102056379B1 (ko) * | 2019-06-21 | 2019-12-16 | 주식회사 대명테라피아침대 | 두 개를 하나로 연결하여 사용 가능한 매트리스 |
-
1993
- 1993-12-07 JP JP05306768A patent/JP3089922B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009085589A (ja) * | 2008-11-20 | 2009-04-23 | Tdk Corp | 脱バインダ用治具 |
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JP3089922B2 (ja) | 2000-09-18 |
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