JPH07160739A - 生産ラインレイアウト作成装置 - Google Patents

生産ラインレイアウト作成装置

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JPH07160739A
JPH07160739A JP30437093A JP30437093A JPH07160739A JP H07160739 A JPH07160739 A JP H07160739A JP 30437093 A JP30437093 A JP 30437093A JP 30437093 A JP30437093 A JP 30437093A JP H07160739 A JPH07160739 A JP H07160739A
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line layout
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Junichi Asano
順一 浅野
Akiko Kawai
昭子 河合
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工場における生産ラインのレイアウト作成の
際に、工程順や各工程、設備間の繋がりを自動判別して
生産ラインレイアウトの作成を行う生産ラインレイアウ
ト作成装置を提供する。 【構成】 生産ラインレイアウトの作成に必要な情報と
して、各工程および設備の図形データをレイアウト図形
DB22に、各工程および各設備の配置ルールを配置ルー
ルDB23に、各設備の大きさ、可動範囲およびワークの
大きさを属性データDB24に、それぞれ記憶させ、工程
表入力部10によって入力された情報を基に、各工程の繋
りをモデル検出部11が検出して各工程や設備の図形デー
タを結び付け、属性データから工程間隔を決定してレイ
アウト案作成部13がラインレイアウトを作成する生産ラ
インレイアウト作成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工場における生産ライ
ンの各工程および設備のレイアウトを作成する生産ライ
ンレイアウト作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、工場の生産ラインは、オートメー
ション化が進み、ファクトリーオートメーション(F
A)といわれるように、ロボットや自動機械などの生産
設備が並び連続的に各工程をワークが送られて製品が製
造されている。このようなFA化された工場において、
その生産ラインを構成する工程や設備のレイアウトは製
品の製造効率や生産性を高くするうえで重要な要素とな
っており、各工程や設備の配置、その間を繋ぐコンベア
ベルトの配置、また、工場そのものの限られたスペース
を効率よく利用し、しかも生産性を落とすことのないよ
うな生産ラインのレイアウトを考えなければならない。
【0003】従来、この生産ラインのレイアウトを作成
するには、工場の設備設置のためのスペース、各設備や
コンベアベルトなどの大きさといった寸法などをもと
に、レイアウト設計者が、各工程の順番や、設備同士の
繋がりなどを考えながら、机上でレイアウトを作成して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
生産ラインのレイアウト作成は、上述のように、単に工
場スペースや設備の大きさなどのデータだけをもとに、
各工程順を考えてレイアウトを作成しているため、工程
順や各設備の繋がりなど、レイアウト設計者がそれら全
ての情報を知っているか、または必要な情報を入手しな
がら設計しなければならず、これは、レイアウト設計者
に多大な負担を強いることとなり、また、設計途中にお
いてレイアウト設計に必要なデータや資料を探すため
に、レイアウト設計のための思考が中断して、設計ミス
を誘発する恐れがあった。
【0005】そこで、本発明の目的は、工場における生
産ラインのレイアウト作成の際に、工程順や各工程、設
備間の繋がりを自動判別して生産ラインレイアウトの作
成を行う生産ラインレイアウト作成装置を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
の本発明は、複数の工程によって構成される生産ライン
の各工程および該各工程で使用される各設備の配置を作
成する生産ラインレイアウト作成装置であって、前記複
数の工程および各工程で用いられる各設備を図案化した
図形データを記憶したレイアウト図形記憶手段と、前記
各工程および前記各設備の配置ルールを記憶した配置ル
ール記憶手段と、前記各工程において使用される前記各
設備の大きさ、前記各設備の可動範囲および前記各工程
で作業が行われるワークの大きさを記憶した属性データ
記憶手段と、前記各工程ごとに必要な各設備および前記
各工程において作業が行われるワークを入力する工程内
容入力手段と、前記工程内容入力手段により入力された
前記各工程で必要な各設備および前記各工程ごとに作業
が行われるワークから前記各工程の繋りを検出して生産
ラインのモデルを作成するラインモデル作成手段と、前
記ラインモデル作成手段により得られた生産ラインのモ
デルの前記各工程の繋りから前記配置ルールにしたがっ
て前記図形データを結び付け、前記属性データの前記各
工程で使用される前記各設備の可動範囲および前記ワー
クの大きさを基に、互いに隣接する工程の間隔を決定し
てラインレイアウトを作成するラインレイアウト作成手
段と、前記ラインレイアウト作成手段によって作成され
たラインレイアウトを前記生産ラインが設置されるスペ
ースに納まるかどうかを評価し、該スペースに納まるよ
うに前記各工程の配置を修正するラインレイアウト評価
修正手段と、を有することを特徴とすると生産ラインレ
イアウト作成装置である。
【0007】また本発明は、前記生産ラインレイアウト
作成装置において、すでに存在している生産ラインレイ
アウトを記憶したラインレイアウトデータ記憶手段と、
前記ラインモデル作成手段において作成された生産ライ
ンのモデルと、各工程の繋り方および少なくとも半数以
上の工程が一致する生産ラインのラインレイアウトを前
記ラインレイアウト記憶手段に記憶されている前記すで
に存在している生産ラインレイアウトの中から検索する
事例検索手段と、を有することを特徴とする生産ライン
レイアウト作成装置である。
【0008】
【作用】上述のように構成された本発明は、以下のよう
に作用する。工程内容入力手段によって入力された生産
ラインの各工程ごとに必要な設備および各工程において
作業が行われるワークの情報を基に、ラインモデル作成
手段が、各工程の繋りを検出して、生産ラインを構成す
る各工程の繋りがわかるモデルを作成する。
【0009】ラインレイアウト作成手段が、前記ライン
モデルの各工程の繋りから、配置ルール記憶手段に記憶
されている配置ルールに従って、レイアウト図形記憶手
段の中の図形データを結び付け、さらに属性データ記憶
手段に記憶されている属性データから各工程で使用され
る前記設備の可動範囲および前記ワークの大きさより、
互いに隣接する工程の間隔を決定してラインレイアウト
を作成する。
【0010】そして、ラインレイアウト評価修正手段
が、前記ラインレイアウト作成手段によって作成された
ラインレイアウトをこの生産ラインが設置されるスペー
スに納まるかどうかを評価し、該スペースに納まるよう
に各工程の配置を修正する。
【0011】これによって、生産ラインのレイアウトを
自動作成することができる。
【0012】また、本発明においては、さらに、事例検
索手段と、ラインレイアウト記憶手段とを設けることに
より、前記ラインモデル作成手段により作成されたライ
ンモデルと、各工程の繋りおよび少なくとも半数以上の
工程が一致する生産ラインレイアウトを前記ラインレイ
アウト記憶手段に記憶されているすでに存在している生
産ラインレイアウトの中から検索することで、すでに存
在している生産ラインレイアウトを活用することがで
き、生産ラインレイアウト作成の時間短縮を図る。
【0013】
【実施例】以下、添付した図面を参照して本発明の一実
施例を説明する。
【0014】図1は、本発明を適応した一実施例である
生産ラインレイアウト作成装置を説明するためのブロッ
ク図である。
【0015】この生産ラインレイアウト作成装置1は、
生産ラインの各工程で必要な設備および該各工程ごとに
搬入されるワークを入力する工程内容入力手段である工
程表入力部10と、各工程ごとに必要な設備およびワー
クから各工程の結び付きを検出するラインモデル作成手
段であるモデル作成部11と、過去の事例を検索し、前
記生産ラインのモデルと同様のライン構成を有するもの
を検索する事例検索手段である事例検索・判定部12
と、検索された事例のラインレイアウトと、前記各工程
の結び付きから配置ルールにしたがってラインレイアウ
トを作成するラインレイアウト作成手段であるレイアウ
ト案作成部13と、作成されたレイアウト案において、
各工程が周辺構造物との干渉がないかを確認、評価し、
レイアウトの修正を行うレイアウト評価・修正部14
と、各種データを記憶したデータベース20とによって
構成されており、データベース20内には、すでに存在
している生産ラインレイアウトの事例を記憶したライン
レイアウトデータ記憶手段である事例データベース21
(以下、データベースをDBと略記する)と、各工程お
よび設備を図案化した図形データを記憶したレイアウト
図形記憶手段であるレイアウト図形DB22と、各工程
や設備ごとの配置ルールを記憶した配置ルール記憶手段
である配置ルールDB23と、各設備の属性を記憶した
属性DB24よりなる。また、この装置には、工程表や
レイアウト図、また処理経過等を表示するための表示部
30が接続されている。
【0016】このように構成された生産ラインレイアウ
ト作成装置1は、工程表入力部10から入力された各工
程に必要な設備およびワークから、モデル作成部11に
より、生産ラインを構成する工程の繋りを求め、生産ラ
インのモデルが作成され、事例検索・判定部12におい
て、過去の事例に同じものがないかどうかが検索され
て、レイアウト案作成部13により過去の事例がある場
合にはその事例をもとに、また、過去の事例がない場合
には、配置ルールにしたがって、レイアウト案が作成さ
れる。そして、レイアウト案評価・修正部14により、
作成されたレイアウト案においてこの生産ラインを収納
し得るスペースの制約から、各設備や周辺構造物が干渉
しないように適時修正が加えられて生産ラインのレイア
ウトが作成される。
【0017】以下この装置の各部の機能および動作に付
いて詳細に説明する。
【0018】まず、工程表入力部10では、生産ライン
を構成する各工程で使用される設備や、その工程で作業
が行われるワークなどが、図2に示すような、工程番
号、工程名称、設備および使用されるワークであるロー
ディングパーツからなる工程表として入力される。な
お、図示する工程表においては、工程名称、設備および
ローディングパーツなどは予め定められた略称または記
号によって入力されており、例えば、工程番号は#0
1、#02…として入力され、#01の工程名称は「I
NR−ASSY−マルチ1」と略記されており、これ
は、この工程名称からその工程の内容がわかるように略
記されたもので、インナーパネルのサブアッセンブリー
工程で、小さいパーツ(「ローディングパーツ」欄に記
載のリテーナ、インナーパネル、ヒンジ−アッパー、ヒ
ンジ−ロアなど)、をマルチガンにて組み立てることを
表している。
【0019】そして、この工程#01で使用される設備
として、マルチウェルダー(Multi−Welde
r)が用いられ、さらに人手による作業が行われること
を示すマニュアル(1)が入力されている。また、この
工程で使用されるワークがローディングパーツとして入
力される。なお、このような使用される設備やワーク
は、その工程名称での工程内容から、ある程度決まった
ものが用いられることが予めわかっているような場合に
は、工程名称をいれるだけで自動的に入力されるように
しておいてもよい。
【0020】次に、モデル作成部11は、入力された工
程表(図2参照)から、各工程の繋りを判別して、生産
ライン全体を抽象化したモデルを作成する。
【0021】各工程の繋りは、工程表に記載されている
ローディングパーツ内のワーク名称から判別する。これ
には、例えば、工程#02のローディングパーツの項目
を見ると「#01−OUTOPUT」、「INR−WA
IST]となっており、この#02工程で、#01工程
によって加工されたワークを使用することがわかり、工
程#01のつぎに工程#02が位置することがわかる。
同様に、工程#25では、「#01−OUTOPU
T」、「OTR−WAIST]となっていることから工
程#25は工程#02の次にくる工程であることがわか
る。
【0022】また、工程#01および工程#10では、
「−OUTPUT」との記載がないので、先頭に位置す
る工程であると判断される。さらに、工程#30を見る
と「#20−OUTPUT」と「#25−OUTPU
T」が在るので、工程#20からのワークと工程25か
らのワークがくることがわかり、この工程#30で工程
#01から始まる工程と#10から始まる工程が接続し
ていると判断される。
【0023】以上のようにして各工程の接続が判明した
ら、生産ラインのモデル作成を行う。このモデルは、例
えば図3aに示すように、前述の工程の繋りから判明し
た各工程を線で繋いだものである。すなわち、工程#0
1から工程#02、#25が連続しており、また、工程
#10から#70までが連続したもので、工程#25を
工程#30に接続する。そしてこのモデルは、図3aの
ように生産ライン全体の各工程を接続して抽象化して表
したもの(抽象化モデルと称する)の他に、図3bに示
すように、その分岐状態のみを簡略化して表したもの
(簡略化モデルと称する)も作成しておく、この簡略化
モデルは後述する事例検索の際の検索時間を速くするた
めに用いられる。
【0024】次に、事例検索・判定部12は、事例DB
21の中のすでに存在する過去の生産ラインレイアウト
と前記モデルを比較して同じものがないかどうか検索す
る。
【0025】まず、事例DB21の中の生産ラインレイ
アウトのデータは、その生産ラインの詳細なレイアウト
と共に、抽象化モデルと簡略化モデルが一つの生産ライ
ンレイアウトのデータとして納められており、この事例
検索・判定部12では、図4に示すフローチャートのよ
うに、まず、初めに生産ラインの工程数を比較して、事
例の中に同じ工程数のものがないかを検索し(S2
1)、工程数が同じものがあれば(S22)、その中か
ら簡略化モデルの構造が同じものを検索する(S2
3)。次いで、簡略化モデルが一致するものがあれば
(S24)、その中から各工程を比較して(S25)、
同じ工程が半数以上一致するものがあれば(S26)、
これをレイアウト事例として出力する(S27)。な
お、最終的に複数のレイアウト事例がある場合には、そ
の全てに付いてレイアウト事例として複数出力する。ま
た、レイアウト事例がない場合には事例なしを出力する
(S28)。
【0026】次に、レイアウト案作成部13は、前述の
事例検索によって得られたレイアウト事例や設備配置ル
ール、レイアウト図形および属性データに従って、レイ
アウト案を作成する。
【0027】レイアウト案の作成には、前記事例検索に
おいて、同一またはそれに近いレイアウト案が得られた
場合には、そのレイアウト事例を基にレイアウト案を作
成する。もちろんレイアウト事例の各工程と作成しよう
としている生産ラインの各工程が全て同一である場合に
はそれをそのままレイアウト案として出力する。ここで
は、レイアウト事例として同一のものがなかった場合の
レイアウト案の作成について説明する。
【0028】まず、レイアウト図形、配置ルールおよび
属性データについて説明する。これらの各データは、そ
れぞれデータベース20内に納められており、レイアウ
ト図形データはレイアウト図形DB22に在り、各工程
や設備を図案化したもので、例えば、図5に示すよう
に、図形タイプとそのタイプの設備を図案化した図形が
データとして記憶されている。なお、図5にはその図形
に付いての説明を記してあるが、データとしてこの説明
はデータコメントとしてあってもよいが、処理に使用す
るものではないのでなくてもよい。配置ルールは配置ル
ールDB23に在り、設備を配置するためのルールで、
例えば、(a)工程順が上流のものは左には位置し、下
流のものは右には位置する、(b)関連する工程は任意
に定められた半径内の配置する、(c)各工程間の必要
な最小間隔(ラインピッチと称する)、等である。属性
データは属性DB24に在り、例えば図6に示すよう
に、各工程に配置される設備や用いされるワークの大き
さ(寸法)およびロボットなどの可動設備における可動
範囲、また各設備とワークとの必要な距離範囲等が、そ
れぞれ、前述した工程表記載の略号や記号と共に記憶さ
れている。
【0029】これらのデータを用いてレイアウト案作成
部13では、図7に示すフローチャートのように、前述
した工程表およびラインの抽象化モデルの各工程の繋り
にしたがって、各工程で使用される設備の図形データを
レイアウト図形DB22から取得し、配置ルールDB2
3内の配置ルールにより配置する。
【0030】まず、各工程のに使用されるレイアウト図
形を上流の工程を左に、下流の工程を右に配置し(S3
1)、各工程間をラインピッチ分の間隔にあける(S3
2)。各工程に用いられている設備の属性データから可
動設備の可動範囲やその工程で作業されるワークの大き
さなどから隣接する工程での設備やワークの干渉をチャ
ックし(S33)、干渉がある場合には(S34)、各
工程の設備可動範囲やワークの大きさから、干渉する部
分の干渉量を求め(S35)、干渉量分だけ、工程位置
を修正し(S36)。干渉がなくなった時点で、レイア
ウト案として出力する(S37)。
【0031】なお、上記の説明は事例のない場合のもの
であるが、半数以上の工程が一致した事例がある場合に
は、一致している工程の部分をそのまま用いて、一致し
ていない工程に付いて、上記のように工程の配置を行っ
て、レイアウト案として出力することにより、このレイ
アウト案作成にかかる時間を短縮することができる。
【0032】次に、レイアウト案評価・修正部14は、
レイアウト案作成部13において出力されたレイアウト
案を工場の生産ライン設置スペースに配置した場合の個
々の工程と工場内の構造物や、通路等との干渉をチェッ
クして、個々の工程の位置修正を行う。
【0033】これには図8および図9に示すフローチャ
ートのように、まず、出力されたレイアウト案の生産ラ
イン全体の重心位置を、この生産ラインが設置される工
場内のスペースの重心位置に配置し(S41)、生産ラ
インの周辺構造物と各工程が干渉しないかどうかをチェ
ックして(S42)、干渉がある場合には(S43)、
干渉位置がどの工程であるかと確認し、その部分の干渉
量を求め記憶する(S44)。このとき、複数の干渉位
置がある場合にはそのそれぞれに付いて行う。
【0034】次いで、今回の干渉チェックで検出した干
渉位置と、すで干渉位置として記憶されたものを比較し
(S45)、干渉位置が同じではないと検知された場合
には(S46)、複数ある干渉位置が互いに対峙した位
置にあるかどうかを判断する(S47)。これは、後述
するラインをずらす際に、互いに干渉位置が対峙した位
置にある場合にはラインをうごかすことができなくなる
ので、それをチャックするためのもので、対峙する位置
とは、例えば最上流側にある工程と最下流側の工程が対
峙した関係であり、また、ライン右側とライン左側が対
峙した関係となる。
【0035】次いで、干渉位置が対峙した位置にないこ
とが検知された場合には(S47)、干渉位置と対峙す
る位置の工程とその部分の周辺構造物の余裕を求める
(S48)、干渉位置の干渉量と、干渉位置と対峙する
位置の余裕量を比較し(S49)、干渉量が余裕量より
少なければ(干渉量<余裕量)(S50)、干渉量分ラ
イン全体を余裕のある方向にずらす(S51)。なお、
上記干渉位置の記憶において(S44)、始めての干渉
チェックの際には0クリア(記憶されている干渉位置な
し)されているものとする。
【0036】このあとステップ42(S42)に戻り干
渉チャックを繰り返す。このライン全体をずらすことに
よって干渉部分がなくならない場合、すなわち、上記ス
テップ46(S46)において、干渉位置チェック後、
干渉位置がすでに記憶されている干渉位置と同じ位置で
干渉が生じたことが検知された場合、またはステップ4
7(S47)において、複数の干渉位置が互いに対峙す
る位置にあることが検知された場合である。このような
場合には、次のステップ52(S52)以下によって各
工程を個々にずらすことにより干渉をなくするようにす
る。
【0037】これには、まず、干渉がある工程をその工
程の制約条件内の範囲でずらし(S52)、周辺構造物
との干渉チェックを行う(S53)。ここで、工程の制
約条件とは、前述した各工程の属性データから得られる
工程内の設備の大きさやそこで使用されるワークの大き
さやワークとの距離などから、移動可能な方向と移動量
が制約を受けるもので、例えば干渉位置の工程の属性デ
ータから、隣接する工程との間隔がより狭くしてよい場
合に、何処まで狭くできるか、また、ベルトコンベアと
設備との距離(ワークと設備との距離)をどの程度まで
なら近付けられるか(または離せるか)などがその制約
条件となる。
【0038】次いで、干渉位置の工程をずらしただけで
は干渉がある場合には、その干渉位置に隣接する工程を
その工程の制約条件の範囲内でずらし(S55)、干渉
チェックを行ない(S56)、それでも干渉がある場合
には(S57)、干渉位置の工程に隣接した工程から順
次その工程に隣接する工程をずらして、干渉チェックを
行ない、最端部の工程まで行う(S55〜S58)。そ
の途中で、干渉がなくなった場合には、レイアウト図と
して出力を行う(S60)が、最端部の工程まで順次ず
らして行き最端部の工程に達したことが検知されたなら
(S58)、「干渉あり」の注意書きを付けて、その時
のレイアウト図を出力する(S59)。
【0039】以上各部の機能、動作を説明したが、これ
ら各部の機能、動作は、具体的には、図10に示すよう
な、パソコンやワークステーションと称されるコンピュ
ータハードウエアによって実行され、その処理演算装置
2において上記各部の機能を実行するためのプログラム
が動作し、記憶装置3にはこのプログラムとデータベー
ス20が記憶されており、必要なデータや処理命令の入
力が入力装置4により行われ、工程表やレイアウト図、
途中結果などの出力は表示装置5または図示しないプリ
ンタによって行われる。
【0040】以下、さらに図11に示す全体フローチャ
ートによって、レイアウト作成全体の流れを説明する。
【0041】まず、前記図2に示したような工程表の入
力が行われ(S1)、この工程表に基づき、モデル作成
部11によって、各工程の繋りから生産ラインの抽象化
モデル、簡略化モデルが作成される(S2)(図3参
照)。
【0042】次いで、事例検索・判定部12において、
前記図4に示したように、事例の検索が行われ(S
3)、簡略化モデルが一致し、工程の半数以上が一致し
たレイアウト事例がある場合には(S4)、そのレイア
ウト事例を取得する(S5)。
【0043】次いで、レイアウト案作成部13により、
前記図7に示したように、レイアウト案の作成が行われ
る(S6)。
【0044】次いで、レイアウト案評価・修正部14に
おいて、前記図8および図9に示したように、レイアウ
ト案を工場の生産ライン設置スペースに配置したことに
よる干渉のチェックおよび最適配置が行われてレイアウ
ト図が作成される(S7)。
【0045】次いで、出力されたレイアウト図に誤りが
ないかどうかがレイアウト設計者によって検査されて、
再修正が必要な場合には再修正が行われる(S8)。な
お、この再修正は、前記レイアウト評価・修正において
干渉がないレイアウト図が出力された場合においても必
要により人為的に行えるようにしたもので、干渉がない
場合には、特に必要がなければ再修正は行わなくともよ
い。
【0046】次いで、レイアウトが完成したかどうかが
判断され(S9)、人為的再修正を行っても干渉があり
レイアウトを行えない場合には、レイアウト不能を出力
する(S13)。なお、人為的な再修正(S8)のあと
に、レイアウト案評価修正部13により自動的に人為的
な再修正後のレイアウト図を評価させてもよい。
【0047】レイアウトが完成した場合には、完成した
レイアウト図を出力し(S10)、完成レイアウトの抽
象化モデルおよび簡略化モデルを作成し(S11)、完
成レイアウト図とともに抽象化モデルおよび簡略化モデ
ルを事例DB21に格納して(S12)終了する。
【0048】以上のようにして、本実施例による生産ラ
インレイアウト作成装置より作成された生産ラインの一
例を図12に示す。この生産ラインは、工程#10〜#
70までが直線的に並び、人為的作業を伴なう工程#0
1〜#25が工程#30に接近して設置されており、こ
のラインが2ライン並んだものである。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の生産ライ
ンレイアウト作成装置は、生産ラインレイアウトの作成
に必要な情報として、各工程および各工程で用いられる
設備を図案化した図形データをレイアウト図形記憶手段
に、各工程および各設備ごとの配置ルールを配置ルール
記憶手段に、また、各工程において使用される各設備の
大きさ、各設備の可動範囲およびワークの大きさを属性
データ記憶手段に、それぞれ記憶させ、工程内容入力手
段によって入力された生産ラインの各工程の情報を基
に、各工程の繋りを検出して、生産ラインモデルを作成
し、前記記憶されている配置ルールに従って、各工程や
設備の図形データを結び付け、さらにその工程や設備、
ワークの大きさなどの属性データから互いに隣接する工
程間隔を決定してラインレイアウトを作成することとし
たため、生産ラインのレイアウトを自動作成することが
できる。これによりラインレイアウトを作成していく上
で、レイアウト作成のための工程や設備の資料を探した
りする必要がなくなり、レイアウト設計者の思考を中断
させることなく、ラインレイアウトの作成ができるの
で、効率よく、かつレイアウト作成にかかる時間を短縮
することができる。
【0050】また、本発明においては、さらに、事例検
索手段と、ラインレイアウト記憶手段とを設けたことに
より、すでに存在している生産ラインレイアウトを活用
することができ、特に、すでに存在している生産ライン
の改造によるレイアウト変更などの際には、改造生産ラ
インのレイアウトを短時間で作成できる。また、改造さ
れたレインレイアウトをこのラインレイアウト記憶手段
に記憶させることで、記憶されている生産ラインレイア
ウトの精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である生産ラインレイアウ
ト作成装置を説明するためのブロック図である。
【図2】 工程表の一例を示す図面である。
【図3】 ラインモデルの一例を示す図面である。
【図4】 事例検索のフローチャートである。
【図5】 図形データの一例を示す図面である。
【図6】 属性データの一例を示す図面である。
【図7】 レイアウト作成のフローチャートである。
【図8】 レイアウト評価修正のフローチャートであ
る。
【図9】 図8に続くレイアウト評価修正のフローチャ
ートである。
【図10】 前記一実施例のハードウエア構成を示す図
面である。
【図11】 レイアウト作成のための全体の流れを説明
するためのフローチャートである。
【図12】 生産ラインレイアウト図の一例を示す図面
である。
【符号の説明】
1…生産ラインレイアウト作成装置、 10…工程
表入力部、11…モデル作成部、
12…事例検索・判定部、13…レイアウト案作成部、
14…レイアウト案評価・修正部、20
…データベース部、 21…事例D
B、22…レイアウト図形DB、 23…
配置ルールDB、24…属性DB、
30…表示部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の工程によって構成される生産ライ
    ンの各工程および該各工程で使用される各設備の配置を
    作成する生産ラインレイアウト作成装置であって、 前記複数の工程および各工程で用いられる各設備を図案
    化した図形データを記憶したレイアウト図形記憶手段
    と、 前記各工程および前記各設備の配置ルールを記憶した配
    置ルール記憶手段と、 前記各工程において使用される前記各設備の大きさ、前
    記各設備の可動範囲および前記各工程で作業が行われる
    ワークの大きさを記憶した属性データ記憶手段と、 前記各工程ごとに必要な各設備および前記各工程におい
    て作業が行われるワークを入力する工程内容入力手段
    と、 前記工程内容入力手段により入力された前記各工程で必
    要な各設備および前記各工程ごとに作業が行われるワー
    クから前記各工程の繋りを検出して生産ラインのモデル
    を作成するラインモデル作成手段と、 前記ラインモデル作成手段により得られた生産ラインの
    モデルの前記各工程の繋りから前記配置ルールにしたが
    って前記図形データを結び付け、前記属性データの前記
    各工程で使用される前記各設備の可動範囲および前記ワ
    ークの大きさを基に、互いに隣接する工程の間隔を決定
    してラインレイアウトを作成するラインレイアウト作成
    手段と、 前記ラインレイアウト作成手段によって作成されたライ
    ンレイアウトを前記生産ラインが設置されるスペースに
    納まるかどうかを評価し、該スペースに納まるように前
    記各工程の配置を修正するラインレイアウト評価修正手
    段と、を有することを特徴とすると生産ラインレイアウ
    ト作成装置。
  2. 【請求項2】 前記生産ラインレイアウト作成装置にお
    いて、 すでに存在している生産ラインレイアウトを記憶したラ
    インレイアウトデータ記憶手段と、 前記ラインモデル作成手段において作成された生産ライ
    ンのモデルと、各工程の繋り方および少なくとも半数以
    上の工程が一致する生産ラインレイアウトを前記ライン
    レイアウトデータ記憶手段に記憶されている前記すでに
    存在している生産ラインレイアウトの中から検索する事
    例検索手段と、を有することを特徴とする請求項1に記
    載の生産ラインレイアウト作成装置。
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