JPH07157437A - シナプス長期増強剤 - Google Patents
シナプス長期増強剤Info
- Publication number
- JPH07157437A JPH07157437A JP5304095A JP30409593A JPH07157437A JP H07157437 A JPH07157437 A JP H07157437A JP 5304095 A JP5304095 A JP 5304095A JP 30409593 A JP30409593 A JP 30409593A JP H07157437 A JPH07157437 A JP H07157437A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- synapse
- long period
- reinforcing
- agent
- cerebral
- Prior art date
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- Pending
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 下記の式(1)で表されるアミノ酸配列を有
するペプチドを有効成分とするシナプス長期増強剤。 【化1】 【効果】 本発明のシナプス長期増強剤は、シナプス伝
達の長期にわたる促進効果を有することから、老人性脳
機能低下の防止や、機能回復の促進、さらに脳卒中によ
る脳機能障害のリハビリテーション治療等の効果が期待
される。
するペプチドを有効成分とするシナプス長期増強剤。 【化1】 【効果】 本発明のシナプス長期増強剤は、シナプス伝
達の長期にわたる促進効果を有することから、老人性脳
機能低下の防止や、機能回復の促進、さらに脳卒中によ
る脳機能障害のリハビリテーション治療等の効果が期待
される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシナプス長期増強剤に関
するものである。詳しくは、神経栄養因子様の活性を示
すことが知られている既知のペプチドを有効成分とする
シナプス長期増強剤に関するものである。
するものである。詳しくは、神経栄養因子様の活性を示
すことが知られている既知のペプチドを有効成分とする
シナプス長期増強剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】脳は多くのニュ−ロンやグリア細胞から
構成され、これらが相互に作用して複雑な機能を発現・
維持している。このようなニュ−ロンの分化およびその
機能と生存維持に関わる重要な因子の一つに神経栄養因
子(neurotrophic factor) と総称される蛋白性の因子が
ある。
構成され、これらが相互に作用して複雑な機能を発現・
維持している。このようなニュ−ロンの分化およびその
機能と生存維持に関わる重要な因子の一つに神経栄養因
子(neurotrophic factor) と総称される蛋白性の因子が
ある。
【0003】近年、中枢神経系において、神経成長因子
(NGF)やそのファミリ−を構成するいくつかの神経
栄養因子が発見されている(神経進歩・34巻4号、5
15〜523頁、1990年8月)。しかしながら、未
だそれらの作用するニュ−ロンは限られており、多種類
のニュ−ロンから構成される脳の機能を考慮するとき多
くの未知の因子が存在し作用していることが予想され
る。
(NGF)やそのファミリ−を構成するいくつかの神経
栄養因子が発見されている(神経進歩・34巻4号、5
15〜523頁、1990年8月)。しかしながら、未
だそれらの作用するニュ−ロンは限られており、多種類
のニュ−ロンから構成される脳の機能を考慮するとき多
くの未知の因子が存在し作用していることが予想され
る。
【0004】本発明者らは、先にこのような作用を持つ
新規なペプチドを提案した(特開平5−1098号公報
参照)。本発明者らは、さらに研究を進めた結果、先に
提案したペプチドがシナプス長期増強剤として好適であ
ることを見いだし、本発明に到達した。シナプス長期増
強作用を有する物質は、シナプス伝達の長期にわたる促
進効果を持ち、老人性脳機能低下の防止や、機能回復の
促進さらに脳卒中による脳機能障害のリハビリテ−ショ
ン治療の促進などの治療効果が期待できる。
新規なペプチドを提案した(特開平5−1098号公報
参照)。本発明者らは、さらに研究を進めた結果、先に
提案したペプチドがシナプス長期増強剤として好適であ
ることを見いだし、本発明に到達した。シナプス長期増
強作用を有する物質は、シナプス伝達の長期にわたる促
進効果を持ち、老人性脳機能低下の防止や、機能回復の
促進さらに脳卒中による脳機能障害のリハビリテ−ショ
ン治療の促進などの治療効果が期待できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、脳の機能発
現、維持およびその修復のメカニズムを明らかにするこ
とを目的とし、脳神経記憶障害疾患の治療用として期待
される新規なシナプス長期増強剤を提供しようとするも
のである。
現、維持およびその修復のメカニズムを明らかにするこ
とを目的とし、脳神経記憶障害疾患の治療用として期待
される新規なシナプス長期増強剤を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決するため、種々の物質を探索の結果、先に本発明
者らが提案した新規なペプチドが、シナプス長期増強作
用を持つことを見いだし、本発明を完成した。即ち本発
明の要旨は、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列
で表されるペプチドを有効成分とするシナプス長期増強
剤に存する。
を解決するため、種々の物質を探索の結果、先に本発明
者らが提案した新規なペプチドが、シナプス長期増強作
用を持つことを見いだし、本発明を完成した。即ち本発
明の要旨は、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列
で表されるペプチドを有効成分とするシナプス長期増強
剤に存する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
シナプス長期増強剤において有効成分となるペプチド
は、配列表の配列番号1に記載の13アミノ酸残基より
なる。かかるペプチドは、特開平5−1098号公報に
神経栄養因子様の活性を示すペプチドとして記載されて
いるものであり、同公報に記載の方法に従って容易に製
造することが出来る。
シナプス長期増強剤において有効成分となるペプチド
は、配列表の配列番号1に記載の13アミノ酸残基より
なる。かかるペプチドは、特開平5−1098号公報に
神経栄養因子様の活性を示すペプチドとして記載されて
いるものであり、同公報に記載の方法に従って容易に製
造することが出来る。
【0008】かかるペプチドは、後記実施例に具体的に
記載するように、極めて優れたシナプス長期増強作用を
示す。例えば、海馬のCA1領域におけるシナプス活動
に対する作用を観察した結果、当該ペプチドは、1μg
/ml以下という低濃度で3分間適用するだけで、30
分間以上にわたる増強効果を示す。本願のシナプス長期
増強剤を医薬組成物として使用する際には、通常薬学的
に許容され得る固体または液体の担体、例えば賦形剤、
希釈剤、その他の補助剤等を、適宜加えて製剤化するこ
とができる。また投与形態としては、経口的に、または
非経口的に投与することができる。組成物中の有効成分
量は、年令、病態、症状等により適宜決定される。
記載するように、極めて優れたシナプス長期増強作用を
示す。例えば、海馬のCA1領域におけるシナプス活動
に対する作用を観察した結果、当該ペプチドは、1μg
/ml以下という低濃度で3分間適用するだけで、30
分間以上にわたる増強効果を示す。本願のシナプス長期
増強剤を医薬組成物として使用する際には、通常薬学的
に許容され得る固体または液体の担体、例えば賦形剤、
希釈剤、その他の補助剤等を、適宜加えて製剤化するこ
とができる。また投与形態としては、経口的に、または
非経口的に投与することができる。組成物中の有効成分
量は、年令、病態、症状等により適宜決定される。
【0009】
【発明の効果】本発明のシナプス長期増強剤は、シナプ
ス伝達の長期にわたる促進効果を有することから、老人
性脳機能低下の防止や、機能回復の促進、さらに脳卒中
による脳機能障害のリハビリテーション治療等の効果が
期待される。
ス伝達の長期にわたる促進効果を有することから、老人
性脳機能低下の防止や、機能回復の促進、さらに脳卒中
による脳機能障害のリハビリテーション治療等の効果が
期待される。
【0010】
【実施例】次に本発明を実施例について更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例1 シナプス長期増強作用の測定 特開平5−1098号公報に記載の方法で得た、配列表
の配列番号1に記載のアミノ酸配列で表されるペプチド
のシナプス長期増強作用を、以下の方法で測定した。
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例1 シナプス長期増強作用の測定 特開平5−1098号公報に記載の方法で得た、配列表
の配列番号1に記載のアミノ酸配列で表されるペプチド
のシナプス長期増強作用を、以下の方法で測定した。
【0011】ラットの海馬を摘出し、すばやく約300
μmの薄い切片とする。これを32℃に保ち、混合ガス
(95%O2 +5%CO2 )を十分に通気した人工脳脊
髄液(ACSF)に1時間以上浮遊させた後に実験に供
した。標本は、図1に示すような測定用チャンバ−にお
き、十分に混合ガス(95%O2 +5%CO2 )を通気
したACSFで灌流した(32℃、2ml/min)。
CA1層(アンモン角の第1層)におけるシナプス電位
は図1に示すような刺激電極と記録電極の配置によって
誘発した。標本を測定装置にセットしてから、誘発電位
の振幅が一定になったところで、上記ペプチドを1μg
/ml含むACSF液に灌流液を置換することによって
与えた。その後、30分から90分間振幅の変化を測定
した。
μmの薄い切片とする。これを32℃に保ち、混合ガス
(95%O2 +5%CO2 )を十分に通気した人工脳脊
髄液(ACSF)に1時間以上浮遊させた後に実験に供
した。標本は、図1に示すような測定用チャンバ−にお
き、十分に混合ガス(95%O2 +5%CO2 )を通気
したACSFで灌流した(32℃、2ml/min)。
CA1層(アンモン角の第1層)におけるシナプス電位
は図1に示すような刺激電極と記録電極の配置によって
誘発した。標本を測定装置にセットしてから、誘発電位
の振幅が一定になったところで、上記ペプチドを1μg
/ml含むACSF液に灌流液を置換することによって
与えた。その後、30分から90分間振幅の変化を測定
した。
【0012】結果を図2に示した。この例ではわずか3
分間の適用で、30分間以上も持続する増強現象が観察
された。
分間の適用で、30分間以上も持続する増強現象が観察
された。
【0013】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ラット 配列 Glu Ala Leu Glu Leu Ala Arg Gly Ala Ile Phe Gln Ala 1 5 10
【図1】本発明の実験系を模式的に表した図面である。
【図2】ラット海馬の薄切片標本を用いて、シナプス長
期増強作用を測定した結果を表す図面である。縦軸は集
合電位(mV)を、横軸は時間(min)を表す。また
図中に示す短い横棒は、本願のシナプス長期増強剤を含
むACSF液を灌流した時間帯を表す。
期増強作用を測定した結果を表す図面である。縦軸は集
合電位(mV)を、横軸は時間(min)を表す。また
図中に示す短い横棒は、本願のシナプス長期増強剤を含
むACSF液を灌流した時間帯を表す。
Claims (1)
- 【請求項1】 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配
列で表されるペプチドを有効成分とするシナプス長期増
強剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5304095A JPH07157437A (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | シナプス長期増強剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5304095A JPH07157437A (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | シナプス長期増強剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07157437A true JPH07157437A (ja) | 1995-06-20 |
Family
ID=17928968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5304095A Pending JPH07157437A (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | シナプス長期増強剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07157437A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009033791A3 (en) * | 2007-09-11 | 2009-10-01 | Mondobiotech Laboratories Ag | Use of a peptide as a therapeutic agent |
-
1993
- 1993-12-03 JP JP5304095A patent/JPH07157437A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009033791A3 (en) * | 2007-09-11 | 2009-10-01 | Mondobiotech Laboratories Ag | Use of a peptide as a therapeutic agent |
WO2009033790A3 (en) * | 2007-09-11 | 2009-10-15 | Mondobiotech Laboratories Ag | Use of a peptide as a therapeutic agent |
US20100256043A1 (en) * | 2007-09-11 | 2010-10-07 | Dorian Bevec | Use of a peptide as a therapeutic agent |
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