JPH07155772A - 薬石回転形創水器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転構造体の薬石カートリッジ内に粉砕され
た薬石を封入し、これを回転することにより、薬石から
のミネラル等の溶出を行わせるもの。 【構成】 容器の蓋に回転機構と、その駆動電源及制御
装置を納める一方、容器内水面下に回転形薬石カートリ
ッジを浸す。その両者を結合し駆動することで遠心力利
用により容器内の薬石通過の水循環を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、家庭及び業務用に使用
されるミネラル製造器の水循環方式に関するもの。

【０００２】

【従来の技術】従来のミネラルウォーター製造器に於て
は、水を循環するためにポンプを用い、その吐出圧力水
を薬石に加え、その通過によりミネラルの溶出を計って
いた。（例えば実開昭５６−１３７７２８号公報参照）

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のポンプ循環方式
にあっては、薬石内に水の通り路が出来易く、一度出来
た通り路を常に水が通る結果となり、残された部分の薬
石は利用されないままとなる欠点があった。

【０００４】本発明は、ポンプの代りに、薬石カートリ
ッジそのものを回転させ、薬石に浸る水の遠心力を利用
して、薬石間の水の通過を計り、薬石からのミネラル溶
出を達成することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の創水器に於ては、回転する円筒カートリッ
ジ内に薬石を収納し、この薬石円筒カートリッジ自身を
回転させている。こうすることで、薬石と接触するカー
トリッジ内の水すべてに均一に遠心力が働らく結果、全
ての薬石表面を水が通過することになる。

【０００６】上記循環を達成するため、回転形カートリ
ッジは二重円筒構造とし、薬石は内筒と外筒との間に入
れ、内外両円筒には循環水通過のための小穴を多数あ
け、且つ内筒の下部には吸入口を設ける。

【０００７】上記二重円筒の薬石カートリッジを容器蓋
の下部より突出している回転軸に装着する。

【０００８】

【作用】上記構成による創水器を起動させると、円筒カ
ートリッジの回転が始まり、カートリッジ内の水が遠心
力の作用により、外筒の小穴を通して外部に出る、その
結果、カートリッジ内には圧力の減少が生じ、その負圧
による吸入作用により、内筒下部より吸われた水が円筒
の小穴を通って薬石内に入る。こうした循環は、円筒カ
ートリッジが回転をしている間継続される。

【０００９】この継続時間は、薬石からのミネラル溶出
に必要な時間をタイマーにセットすることにより、任意
設定が可能である。容器上部の蓋内には、こうしたタイ
マーのほか、回転を駆動するモータとその減速機構及び
電源のバッテリー等が内蔵され駆動、制御の一式を司っ
ている。

【００１０】従って、ユーザーは所定の薬石カートリッ
ジを、その駆動制御軸に取付交換するだけで、所定のミ
ネラルウォーターを家庭のポット内で製造することが出
来る。

【００１１】

【実施例】実施例を図面に基づき説明する。図１は薬石
回転形創水器の全体図で、１は創水器の本体（図では家
庭用ポットが示されている）、２は上蓋、３はそれに接
続する駆動部ケースで、その内部には駆動モータ４、減
速機構５、出力軸６がフレーム７を介し取付けられてい
る。上蓋２にはタイマーの本体８と、その調整ツマミ９
が、また駆動部ケース３内にはこれらの駆動源であるバ
ッテリー１０が内蔵されている。そして最終の出力軸６
がシール１１を介し突出している。この出力軸６の先端
には、薬石カートリッジ１２を取付交換するディスク１
３が装着され、その下部周囲には取付交換のためのネジ
１４（メス）が切られている。このネジ１４（メス）に
薬石カートリッジ１２のネジ１４（オス）を組合わせ、
薬石カートリッジ１２を回転させる。このカートリッジ
には内筒１５があり、薬石１６は内外筒の間に装填され
ている。内筒１５の下端には吸入口１７が、また、内外
筒にはそれぞれ多数の小穴１８，１９が設けられてい
る。上記構成による薬石回転形創水器内に水を水位レベ
ル２０まで満たした後タイマーのツマミ９を回せば、バ
ッテリー１０の電位が、駆動モータ４に加わり、モータ
の回転がスタートする。この回転は減速機構５を経て、
出力軸６に伝わり、薬石カートリッジ１２が、タイマー
で設定された時間継続回転する。この回転によりカート
リッジ内の水は遠心力により外方へ吐き出され、その結
果内筒下部より吸い込まれた水は、内筒内を上昇し、内
筒に明けられた小穴１８を通って薬石室内に入る。薬石
室内の水は外筒に明けられた小穴１９を通過して外部に
出る。かくして創水器内の水は矢印２１に示す如く効率
よくすべての薬石の表面を通過し循環することになる。

【００１２】図２は微粉砕された薬石の場合の実施例で
ある。すなわら薬石１６の粒子径が微粉化により極めて
小さくなっていると、内外筒の小穴１８，１９より薬石
粉が出てしまう危険性がある。こうした現象を防止すべ
く外筒の内側、内筒の外側にそれぞれ円筒網２２，２３
を設ける。この円筒網のメッシュを薬石１６の微粒子径
より小さくしておくことにより、薬石カートリッジ１２
内にある粉末状の薬石１６が回転時の遠心力で外部に散
出するこはない。

【００１３】図３は薬石カートリッジを分割し、それぞ
れに異る薬石を入れられる如く構成したモジュールカー
トリッジで、図では２分割のものが示されている。上部
モジュールカートリッジ２４、下部モジュールカートリ
ッジ２５のいづれも基本構造は薬石カートリッジ１２と
類似のものである。異る点は上部モジュールカートリッ
ジ２４には上下端の両方に接合のためのネジ部を有して
いること、このモジュール間接合のネジ２６を最上端の
ネジ１４と同一仕様にすることにより、複数個のモジュ
ールを任意上下順序をかけて取付替することが可能であ
る。

【００１４】図４は図３のモジュールカートリッジ２５
の一部変形で内筒１５の中間に仕切板２７を設ける一
方、その上部に貫通穴２８を多数個設ける。こうするこ
とにより、モジュールカートリッジ２５内の流路は吸入
口１７から吸い込まれた水が内筒穴１８を通り、薬石１
６の表面通過後、貫通穴２８から再び内筒１５内に入
り、遠心力による吸入力で上昇、上部モジュールカート
リッジ２４内に入り、以後は図３と同様の流路をたどり
循環が繰返される。

【００１５】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下記載の効果を発揮する。

【００１６】図１について全体の効果を説明する。ミネ
ラルを始めとする薬石効果を薬石から溶出させるために
は、一定時間水を循環させることが不可欠である。この
一定時間の循環に対し、従来のものは、ポンプによる水
循環が公知であった。その場合は、水を薬石の上方から
下方へ流しても、或は逆に下方から上方へ押し上げても
いづれも水の通路が特定され勝ちで、含有させたすべて
の薬石表面の有効利用を果すことが出来なかった。本発
明によれば薬石を含むケース自身が回転する。すなわち
薬石自身が回転運動を行うため、薬石並びに薬石表面に
接している水すべてに均等に遠心力が働らき、その結
果、従来の如き水通路の特定化問題は全く解消された。
更に水を循環するに必要な駆動動力（ワット）を比較す
ると、同一流量の循環に対し、図５に示す如く数分の一
に減少することが実機で確認されている。これはポンプ
利用の場合、ポンプ自身の機械的電気的損失のほか、ホ
ース、継手等を多数経由することに伴う流体抵抗損等を
補う必要があることに起因する。それに対し、本発明の
薬石回転形の場合は、回転する薬石カートリッジ自身
が、いわば一種のポンプの羽根であり、上記の如き各種
損失の大半が除去された点に特長がある。その結果、小
形の電源、すなわち単１、単２等の通常市販の電池によ
る駆動も可能で、従来のポンプ駆動で行われていたＡＣ
１００Ｖからの電源を必要としなくなった。こうして有
線の必要がなくなったことは、特に夏期など、本創水器
を家庭用冷蔵庫内に入れ、冷えたミネラルウォーターを
家庭で創水するのに大きく役立つ結果となった。また、
創水器本体に透明の耐熱ガラス又はパイレックス製を採
用することで薬石の様子を見たり、冬期ヒーターの上に
乗せ、温かいミネラルウォーターを提供することを可能
にした。

【００１７】図２は薬石からの溶出をより早く、効果的
にするため、微分化した薬石を使用する場合に採用する
方式、図では円筒状の網目布を内外筒の内外に設置した
例を示しているが、薬石粉をティーバック内に入れ、円
柱状のティーバックを並べてもよい。こうすることによ
り薬石の交換が簡便且つ迅速になる。

【００１８】図３は２種類以上の薬石を同時に使用し、
両薬石の溶出効果を水に与えたい場合に採用する方式、
薬石の種類によっては使用耐久期間に差のある場合があ
り、単なる混合ではそうしたケースに対応出来ない。図
３に示すモジュール構成であれば必要に応じ、対応する
モジュールのみ交換すればよく、頻繁に交換する必要の
あるモジュールケースを下側に配置するなどして、そう
したケースへの対応を可能にしている。

【００１９】図４は薬石水の通過順序を規定したい場合
に採用する方式、いわゆる直列方式で、使用順序を逆に
すると溶出効果が損われてしまう場合、或は最終段にチ
ェック機能を設けたい場合に使用する。例えば、活性炭
により塩素除去を行った水に、薬石によるミネラルの溶
出を加えるのが順序であり、逆は芳しくない。また溶出
を受けたミネラル水を最終段で毎回殺菌し、容器内の水
だめへ戻すなども衛生上の見地から必要なことであり、
そうしたキメ細かい配慮に対応することがこの図４の構
造により達成が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】薬石回転形創水器の全体断面

【図２】微粉末用薬石カートリッジ断面図

【図３】並列形モジュールカートリッジ断面図

【図４】直列形モジュールカートリッジ断面図

【図５】駆動動力比較図

【符号の説明】

１ 創水器本体 ２ 同上蓋 ３ 同駆動部ケース ４ 駆動モータ ５ 減速機構 ６ 出力軸 ７ フレーム ８ タイマー本体 ９ タイマーツマミ １０ バッテリー １１ シール １２ 薬石カートリッジ １３ ディスク １４ ネジ １５ 内筒 １６ 薬石 １７ 吸入口 １８ 内筒小穴 １９ 外筒小穴 ２０ 水位 ２１ 矢印 ２２ 円筒網（外筒用） ２３ 円筒網（内筒用） ２４ 上部モジュールカートリッジ ２５ 下部モジュールカートリッジ ２６ モジュール間接合ネジ ２７ 仕切仮 ２８ 貫通穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ０１Ｆ 5/10

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 薬石からの溶出成分を液体に溶出するミ
   ネラルウォーター製造器に於て、容器上部の蓋内に回転
   駆動機構を内蔵せしめる一方、下部水面下に粉砕薬石を
   収容する回転構造体の薬石カートリッジを設け、その両
   者を結合し、粉砕薬石を回転せしめ薬石からのミネラル
   溶出を遠心力を利用して行うことを特長とした薬石回転
   形創水器。
2. 【請求項２】 回転構造体の薬石カートリッジから、薬
   石粉末が漏洩することのないよう内外周に多数の小穴又
   はネットを設けた回転形カートリッジを有する請求項１
   記載の薬石回転形創水器。
3. 【請求項３】 それぞれに種類の異る薬石を収容するこ
   とを可能にした多段薬石カートリッジに於て、吸入水が
   並列同時に相異る薬石間を通過する如く構成したモジュ
   ール形回転カートリッジを有する請求項１記載の薬石回
   転形創水器。
4. 【請求項４】 それぞれに種類の異る薬石を収容するこ
   とを可能にした多段薬石カートリッジに於て、吸入水が
   定められた順序で直列的に相異る薬石間を通過する如く
   構成したモジュール回転形カートリッジを有する請求項
   １記載の薬石回転形創水器。