JPH07153657A - パターン転写方法およびそれに用いる装置並びにマスク - Google Patents

パターン転写方法およびそれに用いる装置並びにマスク

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JPH07153657A JP29804493A JP29804493A JPH07153657A JP H07153657 A JPH07153657 A JP H07153657A JP 29804493 A JP29804493 A JP 29804493A JP 29804493 A JP29804493 A JP 29804493A JP H07153657 A JPH07153657 A JP H07153657A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マスクに照射される荷電粒子線の分解能を一
定以上に維持しつつマスクのパターン形成領域の分割数
の増加を防止して転写精度およびスループットをともに
向上させる。 【構成】 荷電粒子線の光軸Aからの偏向量δxを変化
させることにより、マスク18上にx方向へ並べて形成
された複数のパターン形成領域に順次荷電粒子線EBを
照射して各パターン形成領域のパターンをウエハ5上に
順次転写するパターン転写方法において、マスク18に
設定される複数のパターン形成領域のx方向の幅を、荷
電粒子線EBの光軸位置からの距離が小さいパターン形
成領域では大きく、距離が大きいパターン形成領域では
小さくなるように変化させるとともに、各パターン形成
領域のx方向の幅に合せてマスク18に対する荷電粒子
線のx方向の照射幅を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マスクのパターン形成
領域に荷電粒子線を照射し、そのパターン形成領域に形
成されたパターンを適当な縮小率で試料に転写するパタ
ーン転写方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】荷電粒子線を用いて試料上のレジスト層
に所望のパターンを形成する装置として、例えば図4に
示すように、不図示の線源から射出されて所定の断面形
状に整形された電子線EBを、偏向器1により光学系の
光軸Aから偏向してマスク2上の特定の領域に照射し、
その領域に形成されたパターンを第1投影レンズ3およ
び第2投影レンズ4によりウエハ5の所定領域に一括し
て転写する装置が知られている。Cはマスク2を透過し
た電子線EBのクロスオーバである。
【0003】図5は上述した一括転写方式の装置で使用
するマスク2を示すものである。マスク2は、ウエハ5
上に形成すべきチップ1個の1層分のパターンに対応す
る電子線透過部が分割して形成されたパターン形成領域
2aと、電子線を実質的に通さない材料で形成されて個
々のパターン形成領域2aを区分する境界領域2bとを
有する。なお、図ではパターン形成領域2aに形成され
る個々のパターン形状を省略している。パターン形成領
域2aはすべて同じ大きさ(一辺の長さWaが共通)の
正方形とされ、境界領域2bはすべて同じ幅Wbに形成
される。マスク2に照射される電子線の断面形状は、図
5に2点鎖線EBsで示すようにパターン形成領域2a
よりも僅かに大きな正方形に整形される。
【0004】図6は転写時のマスク2およびウエハ5の
動作と電子線EBの偏向との関係を示すもので、ウエハ
5上の実線で囲まれた矩形領域5aの1個が1チップに
相当する。転写時には、マスク2およびウエハ5が上述
した図4の偏向方向と直交する方向へ互いに逆向きに連
続的に駆動される。マスク2の連続移動方向を矢印F
m、ウエハ5の連続移動方向を矢印Fwで示す。以下で
は、各図に矢印で示したように、電子線EBの照射光学
系の光軸方向をz方向、マスク2およびウエハ5の連続
移動方向をy方向、z方向およびy方向と直交する電子
線EBの偏向方向をx方向と呼ぶ。マスク2は、x方向
の中心を電子線EBの照射光学系の光軸Aと一致させて
不図示のマスクステージに搭載される。
【0005】マスク2およびウエハ5のy方向への連続
移動に同期して電子線EBのx方向への偏向量δx(図
4参照)がステップ的に変更され、マスク2上でx方向
に並ぶパターン形成領域2aがその一端から他端まで電
子線EBで順次照射される。これにより、図6に2点鎖
線で示すようにx方向へ並ぶパターン形成領域2aに形
成されたパターンが適当な縮小率でウエハ5の1チップ
分の領域5a内にx方向へ互いに接するように転写され
る。一列のパターン形成領域2aのすべての転写が終了
する時刻になると、マスク2の連続移動によりy方向に
隣接する次の列のパターン形成領域2aが光軸A上へ繰
り出され、この列に対して同様に電子線EBが照射され
て各領域2aのパターンがウエハ5上の転写済みの部分
とy方向へ連続する位置へ同様手順で転写される。以下
同様手順の繰り返しでマスク2上の全パターンがウエハ
5の1チップ分の領域5aに転写される。1チップ分の
転写が終了すると、ウエハ5上の異なる領域5aが転写
対象として新たに選択され、同様に転写が行なわれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した転写装置で
は、電子線EBの偏向量δxの変化に応じて電子線EB
の分解能を始めとする各種の光学条件が変化するため、
偏向量δxが変化する毎に最適な転写条件が得られるよ
うに光学系を調整する。ところが、電子線EBの分解能
は偏向量δxが比較的小さい範囲ではさほど変化せず、
偏向量δxが大きくなると偏向量δxの増加に対して急
激に低下する傾向があるため、光軸A上およびその近傍
のパターン形成領域2aを照射するときは各領域2aの
全域で分解能を略等しく維持できるものの、光軸Aから
最も離れたパターン形成領域2aやその近傍を照射する
ときは、同一のパターン領域2a内での分解能のばらつ
きが大きく、特定の位置(例えば中心位置)で所望の分
解能が得られるように光学系を調整してもその位置から
x方向へ離れた位置では分解能が著しく低下する。分解
能が低下すればマスク5に転写されるパターン像のボケ
が大きくなり、転写精度が悪化する。このため、上述し
た装置では、マスク2の全領域で高い分解能が得られる
ように偏向量δxの最大値を制限し、あるいはパターン
形成領域2aのx方向の幅Wa(図5参照)を小さく設
定する必要があった。
【0007】しかしながら、偏向量δxを制限すればウ
エハ5に形成される1チップのx方向の幅を一枚のマス
ク2でカバーできず、x方向に複数のマスクを使用する
必要が生じてマスク毎の転写像のつなぎが発生し、転写
精度が悪化する。パターン形成領域2aの幅Waを一律
に小さく設定すれば、パターン形成領域2aの数が増加
してスループットが低下するとともに、x方向の中心側
のパターン形成領域2aでは分解能が必要以上に向上
し、無駄が多い。また、パターン形成領域2aの個数が
増加すればその分だけ境界領域2bの数が増えるので、
x方向両端のパターン形成領域2aの幅Wtも大きくな
って偏向量δxの最大値が増加し、転写精度に一層悪影
響を与えるおそれもある。さらに、マスク2を透過した
電子線EBをウエハ5上の所定領域へ導くための偏向量
も増加し、この偏向を行なう偏向器の精度を上げる必要
が生じてコストアップとなる。
【0008】本発明の目的は、マスクに照射される荷電
粒子線の分解能を一定以上に維持しつつマスクのパター
ン形成領域の分割数の増加を防止して転写精度およびス
ループットを向上させるとともに、単一のマスクで対応
可能なチップ幅を大きくできるパターン転写方法および
その方法に適した装置およびマスクを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1およ
び図2に対応付けて説明すると、請求項1の発明は、荷
電粒子線光学系の光軸Aからの荷電粒子線EBの偏向量
δxを変化させることにより、マスク18上に荷電粒子
線EBの偏向方向(x方向)へ並べて形成された複数の
パターン形成領域18a〜18cに順次荷電粒子線EB
を照射して各パターン形成領域18a〜18cのパター
ンを試料5上に順次転写するパターン転写方法に適用さ
れる。そして、マスク18に形成される複数のパターン
形成領域18a〜18cの偏向方向の幅W1〜W3を荷電
粒子線EBの光軸位置から各パターン形成領域18a〜
18cまでの距離に基づいて変化させるとともに、各パ
ターン形成領域18a〜18cの偏向方向の幅W1〜W3
に合せてマスク18に対する荷電粒子線EBの偏向方向
への照射幅を調節して転写を行なうことにより上述した
目的を達成する。請求項2の発明では、複数のパターン
形成領域18a〜18cの偏向方向の幅W1〜W3を、荷
電粒子線EBの光軸位置からの距離が小さいパターン形
成領域18aでは大きく、距離が大きいパターン形成領
域18cでは小さくなるように変化させる。請求項3の
発明では、荷電粒子線光学系の光軸Aからの荷電粒子線
EBの偏向量δxを変化させることにより、マスク18
上に荷電粒子線EBの偏向方向(x方向)へ並べて設け
られた複数のパターン形成領域18a〜18cに順次荷
電粒子線EBを照射して各パターン形成領域18a〜1
8cのパターンを試料5上に順次転写する荷電粒子線転
写装置において、マスク18に対する荷電粒子線EBの
偏向方向への照射幅を調節する照射幅調節手段12,1
3,15,23を設けた。請求項4の発明では、請求項
3の荷電粒子線転写装置において、照射幅調節手段1
2,13,15,23が、荷電粒子線EBの偏向量δx
が小さいときには照射幅が大きく、偏向量δxが大きい
ときには照射幅が小さくなるように変化させる。請求項
5の発明では、請求項3の荷電粒子線転写装置におい
て、照射幅調節手段が、荷電粒子線光学系内で光軸方向
(z方向)へ離して配設され荷電粒子線EBのビーム束
を整形可能な複数のアパーチャー12,15と、これら
アパーチャー12,15間に配置される偏向器13とを
備え、偏向器13による荷電粒子線EBの偏向量を調節
してマスク18に照射される荷電粒子線EBのビーム束
の偏向方向(x方向)の照射幅を変化させる。請求項6
の発明は、試料5に転写すべきパターンが形成されたパ
ターン形成領域18a〜18cが一方向(x方向)に複
数並べて形成され、各パターン形成領域18a〜18c
の間にはパターンを有しない境界領域18dが形成され
たマスク18に適用され、複数のパターン形成領域18
a〜18cの大きさが一方向で変化する。請求項7の発
明では、請求項6のマスクにおいて、複数のパターン形
成領域18a〜18cのうち一方向の中央側に位置する
パターン形成領域18aが一方向の両端側に位置するパ
ターン形成領域18cよりも一方向に大きく形成され
る。
【0010】
【作用】請求項1のパターン転写方法では、従来、一定
とされていたパターン形成領域の幅W1〜W3を光軸位置
からの距離に基づいて変化させるので、光軸位置からの
距離が小さくて荷電粒子線EBの分解能の変化が比較的
小さい範囲ではパターン形成領域18aの幅W1を大き
く設定し、パターン形成領域18a〜18cの分割数を
減少させてスループットを改善し、光軸位置からの距離
が大きくて荷電粒子線EBの分解能の変化が比較的大き
い範囲ではパターン形成領域18cの幅W3を小さく設
定して分解能を高く維持できる。パターン形成領域18
a〜18cの分割数の減少によりマスク18の境界領域
18dが減少してマスク幅が小さく抑えられ、荷電粒子
線EBの偏向量も減少する。マスク18の両端側でも高
い分解能が得られ、転写精度を維持しつつマスク幅を拡
大して単一のマスク18で対応可能なチップ幅を大きく
できる。請求項2のパターン転写方法では、光軸位置か
らの距離が小さいパターン形成領域18aでは偏向方向
の幅W1が大きくても分解能の変化が小さいために分解
能が高く維持され、幅W1が大きいためにパターン形成
領域18a〜18cの分割数は減少する。光軸位置から
の距離が大きいパターン形成領域18cの幅W3が小さ
いので、マスク18の偏向方向の両端側でも分解能が高
く維持される。請求項3の転写装置では、マスク18の
パターン形成領域18a〜18cの幅W1〜W3を変化さ
せたとき、これに対応して荷電粒子線EBの照射幅を調
節できる。請求項4の転写装置では、光軸Aからの偏向
量δxが小さくて分解能の変化が小さいときに荷電粒子
線EBの照射幅が大きく、光軸Aからの偏向量δxが大
きくて分解能の変化が大きいときに荷電粒子線EBの照
射幅が小さく調節されるので、荷電粒子線EBの一回の
照射領域内での分解能を光軸Aからの距離に拘らずほぼ
一定に維持でき、光軸Aからの距離が小さい範囲では従
来よりも大きな幅W1を一度に照射できる。請求項5の
転写装置では、線源に近い側のアパーチャー12により
荷電粒子線EBを一定形状に整形した後に偏向器13で
偏向し、そのビーム束の一部をマスク18側のアパーチ
ャー15で遮る。偏向器13の偏向量に応じてマスク側
のアパーチャー15を通過するビーム束の大きさが変化
する。請求項6のマスクでは、従来一定とされていたパ
ターン形成領域18a〜18cの幅W1〜W3を変化させ
るので、荷電粒子線EBの光軸位置に近くなる部分では
パターン形成領域18aの幅W1を大きく設定してパタ
ーン形成領域18a〜18cの分割数および境界領域1
8dの数を減少させ、マスク幅を削減する。一方、荷電
粒子線EBの光軸位置から遠くなる部分ではパターン形
成領域18cの幅W3を小さく設定し、荷電粒子線EB
の分解能の低下を防止する。請求項7のマスクでは、一
方向に並ぶパターン形成領域18a〜18cの中央を光
軸位置に合せて転写装置に装着し、荷電粒子線EBの偏
向により各パターン形成領域18a〜18cを照射す
る。荷電粒子線EBの偏向量δxが大きくなる両端側の
パターン形成領域18cよりも、偏向量δxが小さくな
る中央側のパターン形成領域18aの方が偏向方向に大
きいため、分解能が高く維持されつつパターン形成領域
18a〜18cの分割数が減少する。
【0011】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0012】
【実施例】以下、図1〜図を3参照して本発明の一実施
例を説明する。なお、上述した図4〜図6との共通部分
には同一符号を付し、説明を省略する。また、装置のx
−y−z方向も図4以下と同様である。図1は本実施例
で使用する電子線転写装置の概略を示すものである。こ
の装置では、電子銃10から放出された電子線EBがコ
ンデンサレンズ11で集束された上で第1アパーチャー
12の電子線透過用開口12aにより断面正方形のビー
ム束に整形される。第1アパーチャー12を通過した電
子線EBはレンズ14により第2アパーチャー15上に
結像される。第2アパーチャー15の電子線透過用開口
15aも第1アパーチャー12と同じく正方形状に形成
される。第1アパーチャー12の下段に設けられた偏向
器13での偏向量および偏向方向に応じて第2アパーチ
ャー15で遮られる電子線EBの幅が変化し、これによ
りレンズ16、偏向器1を経てマスク18の特定領域へ
導かれる電子線EBのx方向(偏向器1による偏向方
向)の幅が増減する。マスク18を通過した電子線EB
は図4の例と同じく第1投影レンズ3および第2投影レ
ンズ4によりウエハ5の所定領域に導かれる。マスク1
8はマスクステージ19に装着され、ウエハ5はウエハ
ステージ20に取り付けられる。
【0013】マスクステージ19はマスク18を図6の
矢印Fm方向に連続移動させ、ウエハステージ20はウ
エハ5を図6の矢印FW方向に連続移動させる。マスク
ステージ19およびウエハステージ20のx方向および
y方向の位置はレーザ干渉計21,22で検出されて制
御装置23へ入力される。制御装置23はマイクロコン
ピュータおよびその周辺機器で構成され、入力器24か
ら入力されるマスク18の種類を示す信号とレーザ干渉
計21,22が検出するマスクステージ19およびウエ
ハステージ20の位置とに基づいて偏向器1,13の駆
動回路25,26へ偏向量設定信号を出力して偏向器
1,13の偏向量を調節するとともに、マスクステージ
19およびウエハステージ20のアクチュエータ27,
28へ駆動信号を出力してこれらの動作を制御する。な
お、入力器24は、キーボード等の入力手段により装置
のオペレータがマスク18の種類を入力する場合と、マ
スク18を転写装置へ取り込む際にマスク18の空きス
ペースに書き込まれた識別記号を読み取る場合のいずれ
でも構わない。
【0014】図2は本実施例の装置で使用されるマスク
18を示すものである。このマスク18も上述した図5
に示すマスク2と同様に、ウエハ5上に形成すべきチッ
プ1個の1層分のパターンに対応する電子線透過部が分
割して形成されたパターン形成領域18a〜18cと、
電子線を実質的に通さない材料で形成されて個々のパタ
ーン形成領域18a〜18cを区分する境界領域18d
とを有する。パターン形成領域18a〜18cに形成さ
れる個々のパターン形状の図示は省略した。マスクステ
ージ19への装着時には、マスク18の中心線Lが光軸
Aを通過してy方向と平行となるようにマスク18が位
置決めされる。
【0015】パターン形成領域18a〜18cのx方向
の幅W1〜W3は、マスク18のx方向中心線Lから距離
d1までの範囲のパターン形成領域18aの幅W1が最も
大きく、距離d1を越え距離d2までの範囲のパターン形
成領域18bの幅W2が次に大きく、距離d2を越えるパ
ターン形成領域18cの幅W3が最も小さい。境界領域
18dのx方向の幅W4はすべて等しく設定され、パタ
ーン形成領域18a〜18cのy方向の幅Wyも互いに
等しく設定されている。幅W1〜W4,Wyや距離d1,
d2の設定はマスクの種類に応じて異なっており、図1
の制御装置23の内蔵メモリには各マスクのパターン形
成領域の配置や寸法がマスク種類に対応付けて書き込ま
れている。
【0016】図3は制御装置23によるウエハ1枚の1
層分の転写制御手順を示すものである。マスク18およ
びウエハ5がマスクステージ19およびウエハステージ
20にそれぞれ装着されて転写準備が完了すると図示の
制御が開始され、先ずステップS1では入力器24から
入力されるマスク18の種類を示す信号に基づいて内蔵
メモリを検索し、マスク18のパターン形成領域の分割
パターン(配置および寸法)を識別する。次のステップ
S2ではウエハ5の転写位置として初期位置を選択し、
その初期位置が光軸A上に繰り出されるようにウエハス
テージ20の位置を調節する。次のステップS3では、
マスク18への電子線EBの照射対象領域として初期位
置を選択し、その初期位置が光軸A上に繰り出されるよ
うにマスクステージ19の位置を調節する。この後、マ
スク18およびウエハ5の連続移動を開始する。
【0017】ステップS4では電子線EBの照射対象領
域としてマスク18のどのパターン形成領域が選択され
ているか認識する。この照射対象領域の認識は、例えば
ステップS3を経た後の転写の繰り返し回数を計数し、
最初の照射対象領域から定められた転写順序に沿って何
番目のパターン形成領域が選択されているかを割り出せ
ばよい。次のステップS5では、照射対象領域として選
択されたパターン形成領域の位置および寸法をステップ
S1で得た情報から判別し、これに合せて偏向器1,1
3の偏向量を調節する。すなわち、パターン形成領域1
8a〜18cのいずれが選択されているかに応じて偏向
器13の偏向量を調節して電子線EBのx方向の照射幅
を照射対象のパターン形成領域の幅W1〜W3よりも僅か
に大きく設定するとともに、照射幅調節後の電子線EB
が、図2に2点鎖線EBsで示すように、選択されたパ
ターン形成領域18a〜18c(図示例では18b)上
に正確に位置決めされるように偏向器1の偏向量を調節
する。偏向量の設定が終了した後はステップS6で転写
を開始する。
【0018】転写終了後のステップS7では1チップ分
の転写が終了したか否かを判別する。この判断は、マス
ク18の転写順序に沿って最後のパターン形成領域がそ
の時点で選択されているか否かを検出すればよい。1チ
ップ分の転写が終了していなければステップS8へ進
み、予め定められた順序にしたがってマスク18の新た
なパターン形成領域を次の電子線EBの照射対象領域と
して選定してステップS4へ戻る。1チップ分の転写が
終了したときはステップS9へ進み、ウエハ5上のすべ
ての領域へのパターン転写が終了したか否かを判別す
る。この判断は、例えばウエハ5のチップ数を予め制御
装置23に入力し、ステップS7が肯定された回数と比
較すればよい。あるいはすべての転写が終了したときの
ウエハステージ20の位置を予め算出して制御装置23
に入力し、ウエハステージ20の現在位置と比較しても
よい。ステップS9でウエハ5上のすべての領域へのパ
ターン転写が終了していないと判定したときはステップ
S10でウエハ5上の次の転写領域を選定し、その領域
が光軸A上に繰り出されるようにウエハステージ20の
位置を調節してステップS3へ戻る。ステップS9が肯
定されたときは転写を終了する。
【0019】以上説明した実施例によれば、光軸Aおよ
びその近傍のパターン形成領域18aの幅W1が大きく
設定されるので、すべてのパターン形成領域を幅W2や
W3で形成した場合と比較すれば、x方向へのパターン
形成領域の分割数が減少してスループットが改善され
る。光軸Aおよびその近傍では電子線EBの分解能に余
裕があるので、幅W1を大きく設定しても分解能は高く
維持される。一方、光軸Aから大きく離れたパターン形
成領域18cの幅W3は小さく設定したので、単一のパ
ターン形成領域18c内での分解能の低下が防がれる。
x方向へのパターン形成領域の分割数の減少に伴って境
界領域18dの数も減少し、その分マスク18のx方向
の幅が短くなって偏向器1の最大偏向量が減少し、かつ
マスク18を通過した電子線EBをウエハ5上の所望領
域へ導くための偏向量も減少して偏向器に要求される精
度が緩和される。マスク18のx方向両端部でも高い分
解能が得られるので、x方向の幅を拡大して従来よりも
x方向に幅が大きいチップでも単一のマスク18でカバ
ーできる。パターン形成領域18a〜18cの幅W1〜
W3に合せて電子線EBの照射幅を調節するので、すべ
ての境界領域18dの幅W4を必要最小幅に形成でき、
マスク18のx方向の幅がより短縮され、電子線EBの
照射によるマスク18の加熱量の増加を防止し、熱変位
による転写精度の低下も抑えることができる。
【0020】図2において、例えばマスク18のx方向
の全幅を20mm、パターン形成領域18a〜18cのy
方向の幅Wyを1mm、距離d1を2.5mm、d2を5mm、
幅W1を1mm、W2を0.5mm、W3を0.25mmに設定し
た場合、パターン形成領域18a〜18cのx方向への
分割数は、
【数1】 ((2.5/1)+(2.5/0.5)+(5/0.25))×2=55個 である。すべてのパターン形成領域18a〜18cを幅
W3=0.25mmで形成したと仮定すれば、分割数は20
/0.25=80個であり、分割数が80/55≒1.4
6倍向上する。境界領域18dの幅W4だけ電子線EB
の位置を補正する際の偏向量は55/79≒0.7倍で
足り、その分偏向精度を緩和できる。
【0021】以上の実施例では、第1アパーチャー1
2、偏向器13、第2アパーチャー15および制御装置
23が照射幅調節手段を構成する。なお、マスク18の
パターン形成領域18a〜18cの配置や幅W1〜W3の
変化は図示例に限らない。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のパターン
転写方法によれば、光軸位置からの距離が小さくて荷電
粒子線の分解能の変化が比較的小さい範囲でパターン形
成領域の幅を大きく設定してパターン形成領域の分割数
の減少によるスループットの改善を図りつつ、光軸位置
からの距離が大きくて荷電粒子線の分解能の変化が比較
的大きい範囲ではパターン形成領域の幅を小さく設定し
て、各パターン形成領域内での分解能を高く維持し、こ
れにより高精度、高スループットのパターン転写を実現
できる。パターン形成領域の分割数の減少により、パタ
ーン形成領域の間に形成される境界領域の数が減少する
ためにマスクの幅も小さくなり、荷電粒子線の最大偏向
量が小さくなって偏向器に要求される精度の負担が緩和
され、装置のコストダウンも達成できる。偏向量が大き
くなっても分解能を高く維持できるので、単一のマスク
で対応可能なチップ幅を拡大できる。マスクのパターン
形成領域に合せて荷電粒子線の照射幅を調節するのでマ
スクの境界領域は最小幅に形成でき、マスク幅や偏向量
を一層低減でき、荷電粒子線によるマスクの加熱量を小
さくして熱変位による転写精度の悪化も防止できる。ま
た、本発明の転写装置およびマスクによれば、マスクの
パターン形成領域の幅がこれらパターン形成領域の並び
方向の位置に応じて変化し、その変化に合せて荷電粒子
線の照射幅を調節できるので、本発明のパターン転写方
法を容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の装置の概略構成を示す図。
【図2】図1の装置で使用するマスクの平面図。
【図3】図1の制御装置23によるウエハ1枚分の転写
手順を示すフローチャート。
【図4】従来の電子線転写装置のマスク〜ウエハ間の概
略構成を示す図。
【図5】従来のマスクの平面図。
【図6】マスクに形成されたパターンのウエハへの転写
手順を示す図。
【符号の説明】
1 電子線の照射領域設定用の偏向器 5 ウエハ 10 電子銃 12 第1アパーチャー 13 照射幅調節用の偏向器 15 第2アパーチャー 18 マスク 18a,18b,18c マスクのパターン形成領域 18d マスクの境界領域 23 制御装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子線光学系の光軸からの荷電粒子
    線の偏向量を変化させることにより、マスク上に前記荷
    電粒子線の偏向方向へ並べて形成された複数のパターン
    形成領域に順次荷電粒子線を照射して各パターン形成領
    域のパターンを試料上に順次転写するパターン転写方法
    において、 前記マスクに形成される前記複数のパターン形成領域の
    前記偏向方向の幅を前記荷電粒子線の光軸位置から各パ
    ターン形成領域までの距離に基づいて変化させるととも
    に、各パターン形成領域の前記偏向方向の幅に合せて前
    記マスクに対する前記荷電粒子線の前記偏向方向への照
    射幅を調節して転写を行なうことを特徴とするパターン
    転写方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のパターン転写方法におい
    て、 前記複数のパターン形成領域の前記偏向方向の幅を、前
    記荷電粒子線の光軸位置からの距離が小さいパターン形
    成領域では大きく、前記距離が大きいパターン形成領域
    では小さくなるように変化させることを特徴とするパタ
    ーン転写方法。
  3. 【請求項3】 荷電粒子線光学系の光軸からの荷電粒子
    線の偏向量を変化させることにより、マスク上に前記荷
    電粒子線の偏向方向へ並べて設けられた複数のパターン
    形成領域に順次荷電粒子線を照射して各パターン形成領
    域のパターンを試料上に順次転写する荷電粒子線転写装
    置において、 前記マスクに対する前記荷電粒子線の前記偏向方向への
    照射幅を調節する照射幅調節手段を設けたことを特徴と
    する荷電粒子線転写装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の荷電粒子線転写装置にお
    いて、 前記照射幅調節手段は、前記荷電粒子線の前記偏向量が
    小さいときには前記照射幅が大きく、前記偏向量が大き
    いときには前記照射幅が小さくなるように変化させるこ
    とを特徴とする荷電粒子線転写装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の荷電粒子線転写装置にお
    いて、 前記照射幅調節手段は、前記荷電粒子線光学系内で光軸
    方向へ離して配設され荷電粒子線のビーム束を整形可能
    な複数のアパーチャーと、これらアパーチャー間に配置
    される偏向器とを備え、該偏向器の偏向量を調節して前
    記マスクに照射される荷電粒子線のビーム束の前記偏向
    方向の照射幅を変化させることを特徴とする荷電粒子線
    転写装置。
  6. 【請求項6】 試料に転写すべきパターンが形成された
    パターン形成領域が一方向に複数並べて形成され、各パ
    ターン形成領域の間には前記パターンを有しない境界領
    域が形成されたマスクにおいて、 前記複数のパターン形成領域の大きさが前記一方向で変
    化することを特徴とするマスク。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のマスクにおいて、 前記複数のパターン形成領域のうち前記一方向の中央側
    に位置するパターン形成領域が前記一方向の両端側に位
    置するパターン形成領域よりも前記一方向に大きく形成
    されていることを特徴とするマスク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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