JPH07149750A - 3−メトキシ−5−メチルナフタレン−1−カルボン酸エステル誘導体を有効成分とする制癌剤 - Google Patents

3−メトキシ−5−メチルナフタレン−1−カルボン酸エステル誘導体を有効成分とする制癌剤

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JPH07149750A
JPH07149750A JP5319190A JP31919093A JPH07149750A JP H07149750 A JPH07149750 A JP H07149750A JP 5319190 A JP5319190 A JP 5319190A JP 31919093 A JP31919093 A JP 31919093A JP H07149750 A JPH07149750 A JP H07149750A
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Japan
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methylnaphthalene
methoxy
carcinostatic
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JP5319190A
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English (en)
Inventor
Atsuro Terajima
孜郎 寺島
Masaru Hashimoto
勝 橋本
Miyoko Matsumoto
美代子 松本
Kaoru Yamada
薫 山田
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Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強力な制癌活性を有し、優れた治療効果が期
待しうる制癌剤を提供する。 【構成】 次の式 【化1】 で表される3−メトキシ−5−メチルナフタレン−1−
カルボン酸エステル誘導体を有効成分とする制癌剤。 【効果】 本発明の制癌剤は、マウスリンパ性白血病細
胞(P388)に対する増殖阻害活性試験において、アドリ
アマイシンと同等の強力な制癌活性を有し、優れた治療
効果が期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強力な制癌活性を有する
3−メトキシ−5−メチルナフタレン−1−カルボン酸
エステル誘導体を有効成分とする制癌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】制癌剤の開発は広く行なわれているが、
それらのうち制癌活性、副作用の点から実際に人の癌の
治療に供しうるものは大変数少ない。また、癌細胞の種
類によって、その制癌剤の有効性が大きく変化すること
も大変多い。これらの観点から数多くの物質が制癌剤と
しての可能性が試験されている。
【0003】本発明の制癌剤に有効成分として含有され
る3−メトキシ−5−メチルナフタレン−1−カルボン
酸エステル誘導体は、横井らによって、ストレプトマイ
セスグリセオフスカス(Streptomyces grisreofuscus
S42227)から強力な制癌活性抗生物質アチノマイシンA
およびBと同時に単離されていたが、これまで、そのも
のは制癌活性を有しないと報告されていた[K. Yokoi et
al., Chem. Pharm.Bull., 1986, 34, 4554.]。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は強力な
制癌活性を有し、優れた治療効果が期待しうる制癌剤を
提供するところにある。
【0005】
【発明が解決するための手段】本発明者らは参考例で示
した製法によって、次の式
【0006】
【化2】
【0007】で表される3−メトキシ−5−メチルナフ
タレン−1−カルボン酸エステル誘導体を文献記載の方
法[M. Shibuya et al., Tetrahedron Lett., 1983, 2
4;P. Garner et al., Tetrahedron Lett., 1985, 26,
3299; および M. Hirama et al.,日本化学会第59春季年
会予稿集II,1990, p1124.]に従って別途合成し(下記参
考例参照)、マウスリンパ性白血病細胞(P388)を用いた
in vitro 制癌活性試験に供したところ、報告されてい
る事実[K. Yokoi et al., Chem. Pharm. Bull.,1986, 3
4, 4554.]とは全く異なり、この化合物が現在制癌剤と
して広く用いられているアドリアマイシンと同程度の、
制癌活性を有することを見い出し本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、上記式[I]で表され
る3−メトキシ−5−メチルナフタレン−1−カルボン
酸エステル誘導体を有効成分とする制癌剤を提供する。
【0009】本発明の制癌剤としては、式[I]で表さ
れる3−メトキシ−5−メチルナフタレン−1−カルボ
ン酸エステル誘導体自体を直接投与してもよいが、通常
用いられている方法により生理的に許容しうる担体、賦
形剤などを使用して、例えば、顆粒、錠剤、坐剤、カプ
セル剤、注射剤などの形態とし、経口的あるいは非経口
的に投与することができる。
【0010】経口投与剤としては、散剤、顆粒剤、カプ
セル剤、錠剤などの固形製剤あるいはシロップ剤、エリ
キシル剤などの液状製剤とすることができる。また、非
経口投与剤として注射剤、直腸投与剤、皮膚外用剤、吸
入剤とすることができる。これらの製剤は有効成分に薬
学的に認容である製造助剤を加えることにより常法に従
って製造される。更に公知の技術により持続性製剤とす
ることも可能である。
【0011】経口投与用の固形製剤を製造するには、有
効成分と賦形剤例えば乳糖、デンプン、結晶セルロー
ス、乳糖カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウ
ム、無水ケイ酸などとを混合して散剤とするか、さらに
必要に応じて白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ポ
リビニルピロリドンなどの結合剤、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムなど
の崩壊剤などを加えて湿式又は乾式造粒して顆粒剤とす
る。錠剤を製造するにはこれらの散剤及び顆粒剤をその
ままあるいはステアリン酸マグネシウム、タルクなどの
滑沢剤を加えて打錠すればよい。これらの顆粒又は錠剤
はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メ
タアクリル酸、メタアクリル酸メチルコポリマーなどの
腸溶性基剤で被覆して腸溶性製剤、あるいはエチルセル
ロース、カルナウバロウ、硬化油などで被覆して持続性
製剤とすることもできる。また、カプセル剤を製造する
には散剤又は顆粒剤を硬カプセルに充填するか、有効成
分をグリセリン、ポリエチレングリコール、ゴマ油、オ
リーブ油などに溶解したのちゼラチン膜で被覆し軟カプ
セル剤とすることができる。
【0012】経口投与用の液状製剤を製造するには、有
効成分と白糖、ソルビトール、グリセリンなどの甘味剤
とを水に溶解して透明なシロップ剤、更に精油、エタノ
ールなどを加えてエリキシル剤とするか、アラビアゴ
ム、トラガント、ポリソルベート80、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウムなどを加えて乳剤又は懸濁剤と
してもよい。これらの液状製剤には所望により矯味剤、
着色剤、保存剤などを加えてもよい。
【0013】注射剤を製造するには、有効成分を必要に
応じ塩酸、乳剤、乳酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリ
ウム、リン酸二水素ナトリウムなどのpH調整剤、塩化
ナトリウム、ブドウ糖などの等張化剤とともに注射用蒸
留水に溶解し、無菌濾過してアンプルに充填するか、更
にマンニトール、デキストリン、シクロデキストリン、
ゼラチンなどを加えて真空下凍結乾燥し、用時溶解型の
注射剤としてもよい。また、有効成分にレシチン、ポリ
ソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油など
を加えて水中で乳化せしめ注射用乳剤とすることもでき
る。
【0014】直腸投与剤を製造するには、有効成分及び
カカオ脂、脂肪酸のトリ、ジ及びモノグリセリド、ポリ
エチレングリコールなどの坐剤用基剤とを加湿して溶融
し型に流しこんで冷却するか、有効成分をポリエチレン
グリコール、大豆油などに溶解したのちゼラチン膜で被
覆すればよい。
【0015】皮膚外用剤を製造するには、有効成分を白
色ワセリン、ミツロウ、流動パラフィン、ポリエチレン
グリコールなどに加えて必要ならば加湿して練合し軟膏
剤とするか、ロジン、アクリル酸アルキルエステル重合
体などの粘着剤と練合したのちポリエチレンなどの不織
布に展延してテープ剤とする。吸入剤を製造するには、
有効成分をフロンガスなどの噴射剤に溶解又は分散して
耐圧容器に充填しエアゾール剤とする。
【0016】本発明の式[I]で表される3−メトキシ
−5−メチルナフタレン−1−カルボン酸エステル誘導
体の投与量は、患者の年齢、体重及び病態によって異な
るが、通常1日約1μg〜500mgであり、1乃至数回
に分けて投与することが望ましい。
【0017】以下、参考例及び試験例により本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0018】
【実施例】
参考例1
【0019】
【化3】
【0020】p-アニスアルコ−ル(63mL, 69g, 1.50mmo
l)と粉末水酸化ナトリウム(100g, 2.5mol)の懸濁液に、
メカニカルスタ−ラ−で攪拌しながら、アリルブロミド
(130mL, 180g, 1.5mol)を30分間かけて加えた。15分後
に発熱が終了したので、反応容器を油浴に入れ、70℃に
加熱メカニカルスタ−ラ−で12時間攪拌した。冷却後、
氷水(1.0L)を加え、10分間攪拌し固体を溶解させ、ジ
エチルエ−テルで抽出した(400mL×3)。有機層はまと
めて飽和食塩水(500mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウム
により乾燥し、水浴の温度が25℃を越えないようにし
て減圧下濃縮した。残渣を減圧下蒸留して、アリル 4-
メトキシベンジル エ−テルを無色液体(88.3g, 99%)と
して得た。
【0021】b.p.: 85-86℃(3.0 mmHg). IR (film): 2850, 1610, 1510, 1245, 1080, 1035, 820
cm-1.1 H-NMR (400MHz in CDCl3):δ 3.80(3H,s,OCH3), 4.05
(2H,dt,J=5.7 and 1.4Hz,C1H2), 4.46(2H,s,C1'H2), 5.
25(1H,dq,J=10.4 and 1.4Hz,C3H), 5.30(1H,dq,J=17.3
and 1.4Hz,C3H), 5.94(1H,ddt,J=10.4,17.3 and 5.7Hz,
C2H), 6.90 and 7.27(各々 2H,dt,J=8.7 and 2.8Hz,芳
香環プロトン). EIMS (相対強度 %): 178(14,M+) 36(39,p-MeOPhCHO+),
121(100,p-MeOPhCH2 +). EI-HIMS: (C11H14O2) 計算値 178.0994 , 実測値
m/z 178.0963
【0022】参考例2
【0023】
【化4】
【0024】アリル 4-メトキシベンジル エ−テル(560
mg, 3.2mmol)のメタノ−ル溶液(5.0mL)を−78℃に冷却
し、攪拌しながらオゾナイザ−により発生させたオゾン
化酸素を30分間吹き込んだ。薄層クロマトグラフィ−で
原料の消失を確認した後、オゾナイザ−の電源を切り、
そのまま酸素ガスを10分間吹き込み、過剰のオゾンを
追い出した。ジメチルスルフィド(587mg, 9.5mmol)を加
え、冷浴を除き室温まで昇温し、水浴の温度が25℃を
越えないようにして減圧下濃縮した。残渣として得られ
た粗製の4-メトキシベンジルオキシアセトアルデヒドを
ジクロロメタン(10mL)で希釈し、アルゴン雰囲気下、
(エトキシカルボニルエチリデン)トリフェニルホスホラ
ン(2.28g, 6.3mmol)を氷浴で冷却しながら加え、5分後
に氷浴を除き室温で10時間攪拌した。ヘキサン(20mL)
を加えて10分間攪拌した後、固形物をセライトを通して
吸引濾過した。濾液を減圧下濃縮後得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィ−を用いて精製した。酢
酸エチル−ヘキサン(5:95)で溶出するフラクションを
集めてエチル (E)-4-(4-メトキシベンジルオキシ)-2-メ
チル-2-ブテナ−トを油状物質(748mg, 90%)として得
た。
【0025】IR (film): 2930, 2850, 1710, 1510, 125
0 cm-1.1 H-NMR (400MHz in CDCl3):δ 1.29(3H,t,J=7.1Hz,OCH2
CH3), 1.81(3H,q,J=1.3Hz,C2CH3), 3.80(3H,s,OCH3),
4.18(2H,dq,J=6.0 and 1.3Hz,C4H2), 4.19(2H,q,J=7.1H
z,OCH2CH3), 4.47(2H,s,OCH2Ar), 6.88(1H,tq,J=6.0 an
d 1.3Hz,C3H),6.89and 7.27(各々 2H,dt,J=8.7 and 2.8
Hz,芳香環プロトン). EIMS (相対強度 %): 264(0.25,M+), 235(0.35,M-Et+),
121(100,p-MeOPhCH2 +). EI-HIMS: (C15H20O4) 計算値 264.1362 実測
値 m/z 264.1349
【0026】参考例3
【0027】
【化5】
【0028】エチル (E)-4-(4-メトキシベンジルオキ
シ)-2-メチル-2-ブテナ−ト(9.47g, 36mmol)のトルエン
溶液(50mL)に、-78℃で0.93M 水素化ジイソブチルアル
ミニウム−ヘキサン溶液(86.5mL, 80mmol)を10分間か
けて加え、反応温度を1時間かけて−60℃に昇温した。
酢酸エチル(100mL)、メタノ−ル(10mL)、水(2.0mL)を順
次加え、室温に昇温して1時間攪拌して試薬を分解させ
た後、セライト(約5.0g)を加え、さらに1時間攪拌し
た。固形物セライトを通した吸引濾過により除き、濾液
を減圧下濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィ−を用いて精製した。酢酸エチル−ヘキサ
ン(20:80)で溶出するフラクションを集めて(E)-4-(4-
メトキシベンジルオキシ)-2-メチル-2-ブテノ−ルを油
状物質(7.54g,95%)として得た。
【0029】IR (film): 3400, 2850, 1610, 1510, 125
0, 1070, 1030, 820 cm-1.1 H-NMR (400MHz in CDCl3): δ 1.67(3H,s,C2CH3), 3.8
0(3H,s,OCH3), 4.03(2H,brs,C1H2), 4.05(2H,dd,J=1.0
and 6.0Hz,C4H2), 4.45(2H,s,OCH2Ar), 5.66(1H,t.hex,
J=6.6 and 1.0Hz,C3H), 6.89 and 7.28(各々 2H,dt,J=
8.7 and 2.8Hz,芳香環プロトン). EIMS (相対強度 %): 222(4.2,M+), 191(3.4,M-HOCH2 +),
121(100,p-MeOPhCH2 +) EI-HIMS: (C13H18O3) 計算値 222.1256 実測値 m/z
222.1243
【0030】参考例4
【0031】
【化6】
【0032】D-(-)-酒石酸ジイソプロピル(315mg, 1.3m
mol)のジクロロメタン溶液(2.0mL)に、アルゴン雰囲気
下−23℃でチタンテトライソプロポキシド(329mg, 1.2m
mol)を加えて10分間攪拌した。次に、(E)-4-(4-メト
キシベンジルオキシ)-2-メチル-2-ブテノ−ル(200mg, 9
00mmol)のジクロロメタン溶液(1.0mL)と4.0M t-ブチル
ヒドロペルオキシド−ジクロロメタン溶液(450μL, 1.8
mmol)を順次加え、さらに-23℃で40分間攪拌した。反応
液にクエン酸水溶液(300mg/3.0mL)を加え、-23℃で30分
間後、さらに室温で30分間攪拌することにより反応を停
止させた。水層を除いた後、水酸化ナトリウム水溶液(1
M, 3.0mL)を加え、1.5時間室温で攪拌して酒石酸ジイソ
プロピルを分解し、反応液を水(30mL)に注ぎ、ジクロロ
メタンで抽出した(20mL×3)。有機層はまとめて飽和食
塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにより乾燥
し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィ−を用いて精製した。酢酸エチル−ヘキサン(2
0:80)で溶出するフラクションを集めて(2R,3R)-2,3-エ
ポキシ-4-(4-メトキシベンジルオキシ)-2-メチルブタノ
−ルを油状物質(210mg, 98%)として得た。得られたもの
の光学純度は(R)-及び(S)-メトキシトリフルオロメチル
フェニル酢酸エステルに導き、これら化合物の1H-NMRス
ペクトルの積分比より、95%ee以上と算出した。なお、
この反応においてL-(-)-酒石酸ジイソプロピルを用い
れば、(2S,3S)-異性体が得られることは明らかであ
る。
【0033】[α]D 20 +10.8° (c 1.11, CHCl3) IR (film): 3450, 3050, 1610, 1510, 12458, 1070, 10
30, 815 cm-1.1 H-NMR (400MHz in CDCl3): δ 1.28(3H,s,C2CH3), 1.7
3(1H,dd,J=4.6 and 8.7Hz,アルコール性プロトン), 3.3
1(1H,dd,J=4.4 and 6.2Hz,C3H), 3.57(1H,dd,J=6.2 and
11.1Hz,C4H), 3.58(1H,dd,J=8.7 and 12.4Hz,C1H), 3.
68(1H,dd,J=4.6 and 12.4Hz,C1H), 3.70(1H,dd,J=4.4 a
nd 11.1Hz,C4H), 3.81(3H,s,OCH3), 4.77and 4.58(各々
1H,d,J=11.5Hz,OCH2Ar), 6.89 and 7.28(各々 2H,dt,J
=8.6 and2.0Hz,芳香環プロトン). EIMS (相対強度 %): 238(1.4,M+), 121(100,p-MeOPhCH2
+) EI-HIMS: (C13H18O4) 計算値 238.1205 実測値 m/z
238.1201
【0034】参考例5
【0035】
【化7】
【0036】(2R,3R)-2,3-エポキシ-4-(4-メトキシベン
ジルオキシ)-2-メチルブタノ−ル(5.50g, 23mmol, 95%e
e)をテトラヒドロフラン(70mL)と水(60mL)の混合溶液に
溶解させ、60%過塩素酸(700μL)を加えてから室温で激
しく12時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を
加えて中和した後、減圧下溶媒のテトラヒドロフランを
除去し、飽和食塩水(150mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出
した(150mL×3)。有機層はまとめて無水硫酸マグネシ
ウムにより乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィ−を用いて精製した。
アセトン−ジクロロメタン(1:1)で溶出するフラクシ
ョンを集めて(2S,3R)-4-(4-メトキシベンジルオキシ)-2
-メチルブタン-1,2,3-トリオ−ル(4.71g, 79%)を白色固
体(4.71g,79%)として得た。得られた固体を酢酸エチル
−ヘキサン(1:1)で再結晶を行なうことにより光学的に
ほぼ純粋な(2S,3R)-4-(4-メトキシベンジルオキシ)-2-
メチルブタン-1,2,3-トリオ−ルを無色柱状晶(4.35g, 7
4%)として得た。得られたものの光学純度は(R)-及び(S)
-メトキシトリフルオロメチルフェニル酢酸エステルに
導き、これら化合物の1H-NMRスペクトルの積分比より検
定した。
【0037】[α]D 20 +10.5° (c 1.07, CHCl3). m.p.: 81.0-82.5℃(酢酸エチル−ヘキサン(1:1)より再
結晶). IR (nujor): 3350, 3050, 2900, 1610, 1510, 1460, 12
40, 1100, 1060 cm-1.1H-NMR (400MHz in CDCl3): δ
1.15 (3H,s,C2CH3), 2.54(1H,dd,J=5.8 and 6.8Hz,C1O
H), 2.79(1H,d,J=5.4Hz,C3OH), 3.06(1H,s,C2OH), 3.44
(1H,dd,J=6.8 and11.4Hz,C1H), 3.57(1H,dd,J=6.3 and
9.7Hz,C4H), 3.66(1H,dd,J=5.8 and 11.4Hz,C1H), 3.67
(1H,dd,J=4.5 and 9.7Hz,C4H), 3.76(1H,ddd,J=4.5,5.4
and 6.3Hz,C3H), 3.81(3H,s,OCH3), 4.49 and 4.51(各
々 1H,d,J=11.8Hz,OCH2Ar), 6.89and 7.25(各々 2H,dt,
J=8.6 and 2.0Hz,芳香環プロトン). 元素分析: (C14H14O3) 計算値 C=60.92%, H=7.87% 実
測値 C=60.86%, H=7.69%
【0038】参考例6
【0039】
【化8】
【0040】(2S,3R)-4-(4-メトキシベンジルオキシ)-2
-メチル-2-ブタン-1,2,3-トリオ−ル(2.00g, 8.4mmol)
をジクロロメタン(10mL)中に溶解し、ピリジン(2.65g,
34mmol)と塩化p-トルエンスルホニル(3.20g, 17mmol)を
加えた後、室温で2時間攪拌した。反応液を水(100mL)
にあけ、ジエチルエ−テルで抽出した(100mL×3)。有
機層はまとめて飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸
マグネシウムにより乾燥し、減圧下濃縮した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−を用いて精
製した。酢酸エチル−ヘキサン(40:60)で溶出するフラ
クションを集めて(2S,3R)-4-(4-メトキシベンジルオキ
シ)-2-メチル-1-(p-トルエンスルホニルオキシ)ブタン-
2,3-ジオ−ルを油状物質(4.71g, 79%)として得た。
【0041】[α]D 20 -1.1° (c 1.12, CHCl3). IR (film): 3450, 2920, 1610, 1510, 1360, 1250, 110
0, 1080,820, 670, 560cm-1.1 H-NMR (400MHz in CDCl3): δ 1.14(3H,s,C2CH3), 2.4
5(3H,s,ArCH3), 2.69(1H,br,アルコール性プロトン),
2.97(1H,br,アルコール性プロトン), 3.57(1H,dd,J=6.1
and 9.8Hz,C4H), 3.65(1H,dd,J=3.6 and 9.8Hz,C4H),
3.72(1H,dd,J=3.6and 6.1Hz,C3H), 3.81(3H,s,OCH3),
3.92 and 4.01(各々 1H,d,J=9.9Hz,C1H2),4.44(2H,s,OC
H2Ar), 6.89 and 7.25(各々 2H,dt,J=8.6 and 2.0Hz,p
−メトキシベンジル基の芳香環プロトン), 7.35 and 7.
89(各々 2H,brd,J=8.5,p−トルエンスルホニル基の芳
香環プロトン). EIMS (相対強度 %): 410(0.55,M+), 229(1.98,M-MPMOCH
2CH(OH)+), 121(100,p-MeOPhCH2 +). EI-HIMS: (C20H26O7S) 計算値 410.1400 実測値 m/
z 410.1416
【0042】参考例7
【0043】
【化9】
【0044】(2S,3R)-4-(4-メトキシベンジルオキシ)-2
-メチル-1-(p-トルエンスルホニル)オキシブタン-2,3-
ジオ−ル(2.44g, 6.0mmol)をメタノ−ル(50mL)に溶解
し、0℃で炭酸カリウム(823mg, 5.95mmol)を加えた
後、1時間攪拌した。水(300mL)に注ぎ、ジエチルエ−
テルで抽出し(200mL×5)、有機層はまとめて飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、減圧
下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィ−を用いて精製した。酢酸エチル−ヘキサン(4
5:55)で溶出するフラクションを集めて(2S,3R)-3,4-エ
ポキシ-1-(4-メトキシベンジルオキシ)-3-メチルブタン
-2-オ−ルを油状物質(1.37g, 97%)として得た。
【0045】[α]D 20 -2.3° (c 1.23, CHCl3). IR (film): 3450, 2950, 1610, 1510, 1250, 1030 c
m-1.1 H-NMR (400MHz in CDCl3): δ 1.34 (3H,s,C3CH3), 2.
44(1H,brd,J=1.5Hz, アルコール性プロトン), 2.62 and
2.89(各々 1H,d,J=4.8Hz,C4H2), 3.52(1H,dd,J=6.5 an
d 10.0Hz,C1H), 3.62(1H,dd,J=3.5 and 10.0Hz,C1H),
3.75(1H,brddd,J=1.5,3.5 and 6.5Hz,C2H), 3.81(3H,s,
OCH3), 4.49 and 4.52(各々 1H,d,J=11.6Hz,OCH2Ar),
6.89 and 7.25(各々 2H,dt,J=8.6 and 2.0Hz,芳香環プ
ロトン). EIMS (相対強度 %): 238(0.60,M+), 220(0.6,M-H2O+),
137(29,p-MeOPhCH2O+),121(100,p-MeOPhCH2 +). EI-HIMS: (C13H18O4) 計算値 238.1203 実測値 m/z
238.1199
【0046】参考例8
【0047】
【化10】
【0048】市販の2−ブロモトルエン(10.7g, 63mmo
l),マグネシウムリボン(2.25g, 94mmol),ジエチルエ−
テル(60mL)より通常の方法で調製した、臭化2-メチルフ
ェニルマグネシウム−ジエチルエ−テル溶液をアルゴン
気流下-78℃に冷却し、プロピレンオキシド(8.75mL, 7.
25g, 13mmol)をゆっくり滴下した。反応液を攪拌しなが
ら、1.5時間かけて室温に昇温した。飽和塩化アンモニ
ウム水溶液を加えて反応を停止後、水(300mL)に注ぎジ
エチルエ−テルで抽出した(200mL×3)。有機層はまと
めて飽和食塩水(300mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウム
により乾燥し、水浴の温度が25℃を越えないようにし
て減圧下濃縮し粗製の1-(2-メチルフェニル)プロパン-2
-オ−ルを得た。このものをアセトン(300mL)で希釈後、
氷冷下ジョ−ンズ試薬(2.67M, 23.4mL, 63mmol)を10分
かけて滴下し、さらに同温度で30分間攪拌した。2-プロ
パノ−ル(5.0mL)を加えて過剰の試薬を分解後、炭酸水
素ナトリウムを加えて中和し、反応液をセライトを通し
て吸引濾過することにより固形物を除去した。濾液を水
浴の温度が25℃を越えないようにして減圧下濃縮後、
再びジエチルエ−テル(300mL)で希釈した。水(300mL)、
飽和食塩水(300mL)の順で洗浄後、さらに無水硫酸ナト
リウムにより乾燥し、水浴の温度が25℃を越えないよ
うにして、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィ−を用いて精製した。ジエチルエ−テル
−ヘキサン(10:90)で溶出するフラクションを集め水浴
の温度が25℃を越えないようにして減圧下濃縮して、
(2-メチルフェニル)プロパン-2-オンを油状物質(5.50g,
59%)として得た。
【0049】IR (film): 3020, 2920, 1710, 1490, 146
0, 1350, 1220, 1150, 740 cm-1.1 H-NMR (200MHz in CDCl3): δ 2.14(3H,s,C3CH3), 2.2
5(3H,s,ArCH3), 3.71(2H,s,C1H2), 7.08-7.23(4H,芳香
環プロトン). EIMS (相対強度 %): 148(40,M+), 105(100,M-MeCO+), 4
3(62,MeCO+). EI-HIMS: (C10H12O) 計算値 148.0888 実測値 m/z 1
48.0865
【0050】参考例9
【0051】
【化11】
【0052】(2-メチルフェニル)プロパン-2-オン(11.2
g, 76mmol)のジエチルエ−テル溶液(500mL)に、0℃で
攪拌しながら、ナトリウムメトキシド(10.3g, 15mmol)
を10回に分けて加えた。10分後にシュウ酸ジエチル(22.
2g, 270mmol)をゆっくり滴下した。さらに30分間0℃で
攪拌した後、水(500mL)に注ぎジエチルエ−テルで抽出
した(200mL×3)。有機層はまとめて飽和食塩水(300mL)
で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、減圧下濃
縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−を
用いて精製した。酢酸エチル−ヘキサン(15:85)で溶出
するフラクションを集めてエチル 2-ヒドロキシ-5-(2-
メチルフェニル)-4-オキソ-2-ペンテナ−トを油状物質
(13.3g, 71%)として得た。
【0053】IR (film): 3400, 2970, 2920, 1730, 163
0, 1590, 1260, 1110, 1020, 740 cm- 1.1 H-NMR (200MHz in CDCl3): δ 1.35(3H,t,J=7.0Hz,OCH
2CH3), 2.28(3H,s,ArCH3), 3.60(2H,s,C5H2), 4.32(2H,
q,J=7.0Hz,OCH2CH3), 6.31(1H,s,C3H), 7.14-7.26(4H,
芳香環プロトン), 14.35(1H,br,アルコール性プロト
ン). EIMS (相対強度 %): 248(5.8,M+), 230(1.8,M-H2O+), 2
02(2.7,M-EtOH+), 105(100,M-EtOOCCH(OH)=CHCO+). EI-HIMS : (C14H16O4) 計算値 248.1049 実測値 m/z
248.1040
【0054】参考例10
【0055】
【化12】
【0056】エチル 2-ヒドロキシ-5-(2-メチルフェニ
ル)-4-オキソ-2-ペンテナ−ト(996mg, 4.0mmol)のクロ
ロホルム溶液(20mL)に、-40℃で濃硫酸(10mL)をゆっく
り攪拌しながら加えたのち、冷浴を除き、30分間かけて
0℃に昇温した。反応液を冷水(300mL)に注ぎ、ジクロロ
メタンで抽出した(200mL×3)。有機層はまとめて水(10
0mL×3)、飽和食塩水(150mL)の順で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムにより乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィ−を用いて精製した。酢
酸エチル−ヘキサン(20:80)で溶出するフラクションを
集めてエチル 3-ヒドロキシ−5−メチルナフタレンカ
ルボキシラ−トを無色柱状結晶(736mg, 80%)として得
た。
【0057】m.p. : 119-120℃(ジクロロメタンより再
結晶). IR (KBr): 3390, 2980, 1680, 1610, 1590, 1460, 142
0, 1340, 1270, 1210, 1080, 1020, 980, 870, 800 cm
-1.1 H-NMR (400MHz in CDCl3): δ 1.45 (3H,t,J=7.1Hz,OC
H2CH3), 2.62(3H,s,C5CH3), 4.47(2H,q,J=7.1Hz,OCH2CH
3), 5.45(1H,br,フェノール性プロトン), 7.30-7.36(2
H,C6H and C7H), 7.52(1H,dd,J=0.9 and 2.7Hz,C4H),
7.77(1H,d,J=2.7Hz,C2H), 8.60(1H,m,C8H). 元素分析: (C14H14O3) 計算値 C=73.03%, H=6.13% 実
測値 C=73.00%, H=6.17%
【0058】参考例11
【0059】
【化13】
【0060】エチル 3-ヒドロキシ−5−メチルナフタ
レンカルボキシラ−ト(351mg, 1.5mmo)に硫酸ジメチル
(380μL, 500mg, 4.0mmol)と50%水酸化ナトリウム水溶
液(2.0mL)を室温で加え、撹拌しながら1時間かけて70
℃に昇温した。70℃で3時間攪拌した後冷却し、水(20m
L)を加えて反応を停止した。水層はジクロロメタン(15m
L)で洗浄した後、6M 塩酸水溶液を加えて酸性にし、酢
酸エチルで抽出した(40mL×3)。有機層は飽和食塩水(5
0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥後、減圧
下濃縮して3-メトキシ-5-メチル-1-ナフタレンカルボン
酸を固体(318mg,97%)として得た。分析用のサンプル
は、酢酸エチルより再結晶して無色板状晶として得た。
【0061】m.p. : 186-187℃(酢酸エチルより再結
晶). IR (KBr): 2950, 1670, 1610, 1590, 1440, 1410, 128
0, 1240, 1210, 1040, 840, 800 cm-1.1 H-NMR (400MHz in CDCl3): δ 2.69(3H,s,C5CH3), 3.9
9(3H,s,C5OCH3), 7.35-7.42(2H,C6H and C7H), 7.54(1
H,brd,J=2.6Hz,C4H), 8.04(1H,d,J=2.6Hz,C2H), 8.80(1
H,m,C8H). 元素分析: (C14H14O3) 計算値 C=72.21%, H=5.59% 実
測値 C=72.02%, H=5.55%
【0062】参考例12
【0063】
【化14】
【0064】(2S,3R)-1,2-エポキシ-4-(4-メトキシベン
ジルオキシ)-2-メチルブタン-3-オ−ル(781mg, 3.3mmo
l)と3-メトキシ-5-メチル-1-ナフタレンカルボン酸(850
mg,3.9mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)に、4-(ジメチ
ルアミノ)ピリジン(300mg,2.5mmol)と1-エチル-3-(3-ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.26g,
6.6mmol)を順次加え、室温で4時間攪拌した。反応液を1
0%クエン酸水溶液(100mL)に注ぎ、ジエチルエ−テルで
抽出した(100mL×3)。有機層はまとめて飽和食塩水(10
0mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、減圧
下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィ−を用いて精製した。酢酸エチル−ヘキサン(1
5:85)で溶出するフラクションを集めて(2S,3R)-1,2-エ
ポキシ-3-(3'-メトキシ-5'-メチルナフタレン-1'-カル
ボキシ)-4-(4-メトキシベンジルオキシ)-2-メチルブタ
ンを油状物質(1.30g, 91%)として得た。
【0065】[α]D 20 -3.1° (c 1.11, CHCl3) IR (film): 2950, 1720, 1620, 1510, 1240, 805, 750
cm-1.1 H-NMR (400MHz in CDCl3): δ 1.43(3H,s,C2CH3), 2.6
5(1H,d,J=4.9Hz,C1H), 2.68(3H,s,C3'CH3), 3.01(1H,d,
J=4.9Hz,C1H), 3.78(3H,s,p−メトキシベンジル基のOC
H3 ), 3.81(2H,d,J=5.2Hz,C4H2), 3.96(3H,s,C5'OCH3),
4.51 and 4.56(各々 1H,d,J=11.7Hz,OCH2Ar), 5.23(1
H,t,J=5.2Hz,C3H), 6.84 and 7.26(各々 2H,dt,J=8.6 a
nd 2.0Hz,p−メトキシベンジル基の芳香環プロトン),
7.33(2H,m,C6'H and C7'H), 7.45(1H,d,J=2.7Hz,C4'H),
7.79(1H,d,J=2.7Hz,C2'H), 8.60(1H,m,C8'H). EIMS (相対強度 %): 436(8.8,M+), 300(2.8,M-p-MeOPhC
H2O+H+), 285(6.1,M-p-MeOPhCH2OCH2 +), 237(4.5,M-ArC
O+), 216(55,ArCOOH+), 199(69,ArCO+), 121(100,p-MeO
PhCH2 +). EI-HIMS : (C26H28O6) 計算値 436.1886 実測値 m/
z 436.1862
【0066】参考例13
【0067】
【化15】
【0068】(2S,3R)-1,2-エポキシ-3-(3'-メトキシ-5'
-メチルナフタレン-1'-カルボキシ)-4-(4-メトキシベン
ジルオキシ)-2-メチルブタン(312g, 710μmol)のジクロ
ロメタン(5.0mL)溶液に、水(500μL)と、2,3-ジクロロ-
5,6-ジシアノベンゾキノン(245mg, 1.1mmol)を加え室温
で4時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(50mL)で希釈
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した(30mL×
3)。有機層は飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムにより乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−を用いて精製し
た。酢酸エチル−ヘキサン(30:70)で溶出するフラクシ
ョンを集めて(2R,3S)-3,4-エポキシ-2-(3'-メトキシ-5'
-メチルナフタレン-1'-カルボキシ)-3-メチルブタノ−
ルをアモルファス固体(209mg, 91%)として得た。
【0069】[α]D 20 +3.7°(c 0.642, CHCl3). IR (film): 3500, 2950, 1720, 1620, 1600, 1415, 128
0, 1240, 1080, 1045, 810, 750 cm-1.1 H-NMR (400MHz in CDCl3): δ 1.47(3H,s,C2CH3), 2.1
0(1H,brt,J=6.0Hz,アルコール性プロトン), 2.68(3H,s,
C3'CH3), 2.71 and 3.02(各々1H,d,J=4.7Hz,C4H2), 3.9
8(3H,s,C5'OCH3), 4.00(1H,brdt,J=12.2 and 6.0Hz,C
1H), 4.04(1H,brddd,J=3.8,6.0, and 12.2Hz,C1H), 5.1
1(1H,dd,J=3.8 and 6.0Hz,C2H), 7.37(2H,m,C6'H and C
7'H), 7.47(1H,d,J=2.6Hz,C4'H), 7.82(1H,d,J=2.6Hz,C
2'H), 8.60(1H,m,C8'H). EIMS (相対強度 %): 316(64,M+), 285(1.8,M-HOCH2 +),
216(82,ArCOOH+), 199(100,ArCO+), 121(100,p-MeOPhCH
2 +). EI-HIMS: (C18H20O5) 計算値316.1311 実測値 m/z 31
6.1311
【0070】参考例14
【0071】
【化16】
【0072】-50℃に冷却した無水トリフルオロ酢酸(1
5.2μL, 108μmol)のジクロロメタン溶液(500μL)にジ
メチルスルホキシド(15.3μL, 220μmol)を加え、15分
間攪拌した後、(2R,3S)-3,4-エポキシ-3-(3'-メトキシ-
5'-メチルナフタレン-1'-カルボキシ)-3-メチルブタノ
−ル(17.1mg, 54μmol)を加え、-50℃を保ったまま10分
間攪拌した。得られた反応液にトリエチルアミン(45.2
μL, 330μmol)を加え、さらに15分間攪拌した。飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液(10mL)加えて反応を停止した
後、ジエチルエ−テルで抽出した(20mL×3)。有機層は
まとめて飽和食塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムにより乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を1,1-ジメチル
エタノ−ル(1.0mL)と2-メチル-2-ブテン(170μL)で希釈
し、リン酸二水素ナトリウム二水和物(42.2mg, 270μmo
l)と亜塩素酸ナトリウム(245mg, 270μmol)を、水(400
μL)で希釈して室温で加えた。1時間攪拌の後、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液(20mL)に注ぎジエチルエ−テル
で洗浄した(20mL×2)。水層に6M塩酸水溶液を加えて弱
酸性に調整した後、ジエチルエ−テルで抽出した(20mL
×3)。有機層はまとめて飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムにより乾燥し、減圧下濃縮して粗製の(2S,
3S)-3,4-エポキシ-2-(3'-メトキシ-5'-メチルナフタレ
ン-1'-カルボキシ)-2-メチルブタン酸をカラメル状物質
(13.5mg,76%)として得た。このものは、精製せずに次の
アシル化に用いた。
【0073】1H-NMR (400MHz in CDCl3): δ 1.57(3H,
s,C2CH3), 2.68(3H,s,C5'CH3), 2.77 and 3.05(各々 1
H,d,J=4.4Hz,C4H2), 3.98(3H,s,C5'OCH3), 5.25(1H,s,C
2H), 7.37(2H,m,C6'H and C7'H), 7.50(1H,d,J=2.6Hz,C
4'H), 7.93(1H,d,J=2.6Hz,C2'H),8.60(1H,m,C8'H).
【0074】参考例15
【0075】
【化17】
【0076】粗製の(2S,3S)-3,4-エポキシ-2-(3'-メト
キシ-5'-メチルナフタレン-1'-カルボキシ)-2-メチルブ
タン酸(24.0mg, 80.0mmol)のテトラヒドロフラン(1.0m
L)溶液に、0℃でトリエチルアミン(22.0mL, 15.8mg, 1
60mmol)と、クロロ炭酸イソプロピル(14.0mL, 12.3mg,
100mmol)を加え、20分間攪拌した。30%アンモニア水(1
00mL)を加え更に15分間攪拌後、水(20mL)に注ぎ、酢酸
エチルで抽出した(20mL×3)。有機層はまとめて飽和食
塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥
し減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィ−を用いて精製した。酢酸エチル−ヘキ
サン(45:55)で溶出するフラクションを集めて(2S,3R)-
1,2-エポキシ-4-(4-メトキシベンジル)オキシ-2-メチ
ル-ブタンアミド(1.37g, 97%)を無色固体(1.37g, 97%)
として得た。
【0077】m.p.: 152-154℃(クロロホルム−ヘキサ
ン(1:5)より再結晶、文献値 153-154℃). IR (KBr): 1720, 1680 cm-1 1 H-NMR (400 MHz in CDCl3): δ 1.52 (3H,s,C3CH3),
2.69(3H,s,C5'CH3), 2.81and 3.03(各々1H,d,J=4.6Hz,C
4H2), 3.99(3H,s,C5'OCH3), 5.22(1H,s,C2H), 5.49 and
6.14(各々1H,br,NH2), 7.37(2H,m,C6'H and C7'H), 7.
50(1H,d,J=2.6Hz,C4'H), 7.92(1H,d,J=2.6Hz,C2'H), 8.
64(1H,m,C8'H) EIMS(相対強度 %): 329(66, M+), 285 (5.1,M-(CON
H2)+), 216(27,ArCOOH+), 199(100,ArCO+). これらのIR,1H-NMRスペクトルは文献[K. Yokoi et al.,
Chem. Pharm. Bull.,1986, 34, 4554.]のそれらと一致
した。
【0078】試験例 マウスリンパ性白血病細胞(P388)を10%仔牛胎児血清
含有のRPMI-1940培養液に加え、培養細胞を5×104個/m
Lに調製した。これに本発明の化合物である構造式
[I]で表される3−メトキシ−5−メチルナフタレン
−1−カルボン酸エステル誘導体を所定の濃度になるよ
うに添加し、37℃で二日間培養した。コ−ルターカウン
タ−を用いて浮遊細胞数を計測し、対照区に対する増殖
阻害率からIC50を求めたところ、IC50=0.0036μg/
mLを示した。なお、同一の条件でで現在制癌剤として広
く用いられているアドリアマイシンについて試験したと
ころIC50=0.0020μg/mLであった。
【0079】
【発明の効果】本発明の制癌剤は、マウスリンパ性白血
病細胞(P388)に対する増殖阻害活性試験において、ア
ドリアマイシンと同等の強力な制癌活性を有する。従っ
て、優れた治療効果が期待される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】本発明の制癌剤有効成分である3−メト
キシ−5−メチルナフタレン−1−カルボン酸エステル
誘導体は、横井らによって、ストレプトマイセス グリ
セオフスカス(Streptomyces grisreofuscus S42227)
から得られる強力な制癌活性抗生物質アチノマイシンA
およびBと同時に単離されていたが、これまで、そのも
のは制癌活性を有しないと報告されていた[K. Yokoi et
al., Chem. Pharm. Bull., 1986, 34, 4554.]。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
課題を解決するための手段】本発明者らは参考例で示
した製法によって、次の式
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】p-アニスアルコ−ル(63mL, 69g, 1.50mmo
l)と粉末水酸化ナトリウム(100g, 2.5mol)の懸濁液に、
メカニカルスタ−ラ−で攪拌しながら、アリルブロミド
(130mL, 180g, 1.5mol)を30分間かけて加えた。15分後
に発熱が終了したので、反応容器を油浴に入れ、70℃に
加熱メカニカルスタ−ラ−で12時間攪拌した。冷却
後、氷水(1.0L)を加え、10分間攪拌し固体を溶解さ
せ、ジエチルエ−テルで抽出した(400mL×3)。有機層
はまとめて飽和食塩水(500mL)で洗浄後、無水硫酸ナト
リウムにより乾燥し、水浴の温度が25℃を越えないよ
うにして減圧下濃縮した。残渣を減圧下蒸留して、アリ
ル 4-メトキシベンジル エ−テルを無色液体(88.3g, 99
%)として得た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】(2R,3R)-2,3-エポキシ-4-(4-メトキシベン
ジルオキシ)-2-メチルブタノ−ル(5.50g, 23mmol, 95%e
e以上)をテトラヒドロフラン(70mL)と水(60mL)の混合溶
液に溶解させ、60%過塩素酸(700μL)を加えてから室温
で激しく12時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液を加えて中和した後、減圧下溶媒のテトラヒドロフラ
ンを除去し、飽和食塩水(150mL)に注ぎ、酢酸エチルで
抽出した(150mL×3)。有機層はまとめて無水硫酸マグ
ネシウムにより乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−を用いて精製し
た。アセトン−ジクロロメタン(1:1)で溶出するフラ
クションを集めて(2S,3R)-4-(4-メトキシベンジルオキ
シ)-2-メチルブタン-1,2,3-トリオ−ル(4.71g, 79%)を
白色固体(4.71g, 79%)として得た。得られた固体を酢酸
エチル−ヘキサン(1:1)で再結晶を行なうことにより光
学的にほぼ純粋な(2S,3R)-4-(4-メトキシベンジルオキ
シ)-2-メチルブタン-1,2,3-トリオ−ルを無色柱状晶(4.
35g, 74%)として得た。得られたものの光学純度は(R)-
及び(S)-メトキシトリフルオロメチルフェニル酢酸エス
テルに導き、これら化合物の1H-NMRスペクトルの積分比
より検定した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】(2S,3R)-1,2-エポキシ-3-(3'-メトキシ-5'
-メチルナフタレン-1'-カルボキシ)-4-(4-メトキシベン
ジルオキシ)-2-メチルブタン(312mg, 710μmol)のジク
ロロメタン(5.0mL)溶液に、水(500μL)と、2,3-ジクロ
ロ-5,6-ジシアノベンゾキノン(245mg, 1.1mmol)を加え
室温で4時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(50mL)で希
釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した(30mL
×3)。有機層は飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムにより乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−を用いて精製
した。酢酸エチル−ヘキサン(30:70)で溶出するフラク
ションを集めて(2R,3S)-3,4-エポキシ-2-(3'-メトキシ-
5'-メチルナフタレン-1'-カルボキシ)-3-メチルブタノ
−ルをアモルファス固体(209mg, 91%)として得た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式 【化1】 で表される3−メトキシ−5−メチルナフタレン−1−
    カルボン酸エステル誘導体を有効成分とする制癌剤。
JP5319190A 1993-11-26 1993-11-26 3−メトキシ−5−メチルナフタレン−1−カルボン酸エステル誘導体を有効成分とする制癌剤 Pending JPH07149750A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007291010A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Daiso Co Ltd 光学活性2−メチルエピハロヒドリン等の製造法

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