JPH07149682A - ペンタシル型ゼオライト触媒を用いるアルキル第三級アルキルエーテルの合成法 - Google Patents

ペンタシル型ゼオライト触媒を用いるアルキル第三級アルキルエーテルの合成法

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JPH07149682A
JPH07149682A JP6229282A JP22928294A JPH07149682A JP H07149682 A JPH07149682 A JP H07149682A JP 6229282 A JP6229282 A JP 6229282A JP 22928294 A JP22928294 A JP 22928294A JP H07149682 A JPH07149682 A JP H07149682A
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tert
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zsm
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JP6229282A
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John F Knifton
ジョン・フレデリック・ナイフトン
Pei-Shing Eugene Dai
ペイ−シン・ユージン・ダイ
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Texaco Chemical Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C41/00Preparation of ethers; Preparation of compounds having groups, groups or groups
    • C07C41/01Preparation of ethers
    • C07C41/09Preparation of ethers by dehydration of compounds containing hydroxy groups

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルキル第三級アルキルエーテルの合成法に
おいて、30〜350のシリカ/アルミナ比を有するペ
ンタシル型ゼオライトを含む触媒の存在下に、必要に応
じて、周期律表第III 族または第IV族元素の酸化物から
本質的になる結合剤の存在下に、C4 〜C10第三級アル
コールをC1 〜C6 第一級アルコールと反応させること
を特徴とする方法。 【効果】 比較的低い反応温度で、転換率よくアルキル
第三級アルキルエーテルを合成できる。MTBEやET
BEが高い選択率で得られ、触媒は活性を長期間保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペンタシル型ゼオライ
ト触媒を用いるアルキル第三級アルキルエーテルの合成
に関する。特に本発明は、メチル−tert−ブチルエーテ
ル(MTBE)またはエチル−tert−ブチルエーテル
(ETBE)を1段階で製造する、改良された方法であ
って、ペンタシル型ゼオライト、具体的には30〜35
0、好ましくは50〜150のSi/Al比を有するペ
ンタシル型ゼオライトを、必要に応じて周期律表第III
族または第IV族元素の酸化物から本質的になる結合剤と
ともに含む触媒の存在において、tert−ブタノールとメ
タノールまたはエタノールとを反応させることによる方
法に関する。本発明は、ペンタシル型ゼオライトが、メ
タノールとtert−ブタノールからのMTBEの合成また
はエタノールとtert−ブタノールからのETBEの合成
の際に高い活性を示し、さらにはイソブチレンやジイソ
ブチレンとの同時合成を可能にすることにおいて特に有
利である。
【0002】
【従来の技術】公衆衛生および環境保護の理由のため、
燃料から鉛化合物を除くよう圧力がかけられていること
は周知である。米国環境保護局(EPA)によって定め
られた再配合ガソリンの規格が1995年に実施される
が、冬期に米国の非達成区域においてガソリンが少なく
とも2.7重量%の酸素を含有することを求める規格が
1992年の11月に実施された。COに関する連邦の
空気品質規格が指定された達成日にまで達成されなけれ
ば、最低酸素含有量は3.1%に増すであろう。そのう
え、1992年の夏に始まった、すべてのガソリンにつ
いての最大の配合リード蒸気圧(BRvp)は、0.0
6MPa (9.1psi )に設定されている。含酸素有機化
合物は、ガソリン混合成分、増量剤、オクタン価向上剤
として使用されるだけではなく、COおよびVOC(揮
発性有機化合物)の放出量を減らすための主要成分とし
ても使用されるため、今後、含酸素有機化合物に対する
需要は莫大に増すであろう。F. Cunill らによる「Effe
ct of Water Presence on Methyl tert-Butyl Ether an
d Ethyl tert-Butyl Ether Liquid-Phase Synthesis」
(Ind. Eng. Chem. Res. 1993, 32, 564-569)を参照さ
れたい。
【0003】すべての含酸素有機化合物のうち、MTB
E、ETBEおよびtert−アミルメチルエーテル(TA
ME)のような第三級エーテル類が、精油所にとって、
軽質のアルコールよりも好まれている。このような化合
物は、低めの配合リード蒸気圧(BRvp)、低めの蒸
気潜熱および水への低い溶解性を有している。今日使用
されているもっとも一般的なエーテルは、約2,500
万メートルトンの生産量をもつMTBEである。しか
し、メタノールの価格がガソリンに対して上昇するにつ
れ、ETBEがいっそう魅力的になっている。天然ガス
から誘導されるメタノールとは対照的に、ETBEは、
再生性エタノールから製造することができ、その使用
は、温室効果を軽減するのに役立つであろう(上記文献
の564頁)。
【0004】加えて、ETBEは、オクタン価向上剤と
してMTBEよりも優れており、そのBRvpはわずか
0.03MPa (4psi )であり、これが、ETBEを、
夏の間、ところによって求められる0.05MPa (8ps
i )未満のBRvpにとってより魅力的なものにする。
したがって、多数の米国の州および欧州諸国は、バイオ
エタノールからETBEを製造することを計画してい
る。
【0005】現在のところ、通常はC5 オレフィンが原
料に向けられるときに精油所のMTBEユニットの中で
製造されるTAMEは、MTBEまたはETBEに匹敵
するとはみなされない。
【0006】第三級エーテルの主な欠点は、EPA規制
の対象であり、1995年までに15%減らさなければ
ならないアルデヒドの放出量を大幅に増すということで
ある。この欠点は、第三級エーテルと第三級アルコール
とを混合することにより、おおよそ解消しうると考えら
れている。tert−ブタノール(tBA)は、炭素の酸素
への結合に水素が含まれないため、大気中での反応性が
非常に低く、アルデヒドの放出量が少ない。
【0007】当該技術においては、イソブチレンをエタ
ノールまたはメタノールのいずれかと反応させて、それ
ぞれETBEまたはMTBEを形成することにより、E
TBEまたはMTBEを製造する方法が公知である。反
応は通常、液相中で比較的穏やかな条件を使用して実施
される。イソブチレンは、ナフサ分解や接触分解のよう
な種々の源から得ることができる。得られる反応生成物
流は、未反応のイソブテンおよび他のC4 炭化水素なら
びにメタノールまたはエタノールだけでなく、目的のM
TBEまたはETBEを含有する。
【0008】Texaco Chemical 社の米国特許明細書およ
び欧州特許公開出願の多数が、MTBEおよびETBE
をはじめとするアルキル第三級アルキルエーテルを、イ
ソブチレンではなくtBAから1段階で製造する方法を
開示している。
【0009】Texaco Chemical 社の米国特許第4,82
2,921号明細書には、アルキル第三級アルキルエー
テルを製造する方法であって、C1 〜C6 第一級アルコ
ールを、リン酸を含浸させた不活性担体を含む触媒上
で、C4 〜C10第三級アルコールと反応させることを含
む方法が記載されている。
【0010】米国特許第5,081,318号(Texaco
Chemical 社)明細書は、C1 〜C6 第一級アルコール
を、フルオロスルホン酸で改質されたゼオライトを含む
触媒上で、C4 〜C10第三級アルコールと反応させるこ
とによる、アルキル第三級アルキルエーテルの製造方法
を開示している。
【0011】フルオロリン酸で改質されたゼオライト
は、アルキル第三級アルキルエーテルを製造するため
の、欧州特許公開第594,283号(Texaco Chemica
l 社)公報の方法に用いられている。
【0012】MTBEおよびETBEを生成物として開
示する当該技術における他の引用例は、普通、1段階で
はなく2段階を必要とし、イソブチレンを反応体として
使用している。
【0013】たとえば、米国特許第4,334,890
号明細書においては、イソブチレンを含有する混合C4
流を水性エタノールと反応させて、ETBEとtBAと
の混合物を形成している。
【0014】米国特許第5,015,783号明細書
は、ETBEをはじめとするエーテル類を製造する方法
であって、原料流をエーテル化帯域に通し、エーテル化
帯域からの流出物流を蒸留塔に通すことを含み、塔頂流
を冷却し、還流させ、再循環させることをさらに包含す
る方法を記載している。
【0015】ペンタシル型ゼオライト 触媒として重要なモレキュラーシーブゼオライトの特徴
的な構造は、J. Wardによる「Molecular Sieve Catalys
ts 」(Applied Industrial Catalysis, Vol.3, Ch. 9,
p. 271 (1984))に論じられている。詳細に研究され
たモレキュラーシーブゼオライトは、工業的用途を得た
もの、すなわちX、Y、モルデナイト、ペンタシル型お
よびエリオナイトである。
【0016】ゼオライトのペンタシル族は、ZSM−5
およびZSM−11が末端の員である連続した列を含
む。T. E. Whyte らの「Zeolite Advances in the Chem
ical and Fuel Industries: A Technical Perspective
」(Catal. Rev.-Sci. Eng., 24, (4), 567-598 (198
2))を参照されたい。
【0017】上記のJ. W. Wardによる記事は、ペンタシ
ル型ゼオライトの優れた考察を提示している。ペンタシ
ル族は、通常、10を越えるSi/Al比を有してい
る。ペンタシル型ゼオライトのより詳細な記載が、「De
scription of the Catalyst 」に、続いて記載されてい
る。
【0018】ペンタシル型ゼオライトを含むゼオライト
の用途の好適な概説が、「ゼオライト触媒は強力な工業
的未来に直面する」(European Chemical News, 10 Jul
y, 1989, p. 23)と題する記事に見られる。たとえば、
中間孔径のH−ZSM−5をゼオライトY接触分解触媒
に加えて、ガソリン画分の芳香族炭化水素含有量、ひい
ては自動車燃料としてのオクタン価を高めることもあ
る。
【0019】MTBEをゼオライト触媒上でイソブテン
から製造しうることが、当該技術において報告されてい
る。
【0020】P. Chuらは、「Preparation of Methyl te
rt-Butyl Ether (MTBE) over Zeolite Catalysts」(In
d. Eng. Chem. Res., 26, 365 (1987))において、ひと
つの研究結果を報告している。P. Chuらは、ZSM−5
およびZSM−11が、イソブチレンからMTBEを製
造する際の、選択性の高いゼオライト触媒であると確認
されたことを報告している。従来の市販触媒であるAmbe
rlyst 15樹脂に比較して、ペンタシル型ゼオライトは熱
的に安定であり、酸流出物を出さず、メタノール対イソ
ブテンの比率による影響を受けにくい。その優れた選択
性は、メタノールへの容易なアクセスおよびイソブテン
への制限されたアクセスを提供するそれらの細孔構造の
大きさによって生じると考えられる。対照的に、合成フ
ェリエライトのような小孔径のゼオライトは、不活性で
あることがわかった。高シリカモルデナイトおよびゼオ
ライトベータのような大孔径のゼオライトは、形状選択
性を示すとは期待されていなかった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】寿命の長い触媒を穏や
かな温度で使用して、第三級アルコールを相当するエー
テルに転換する必要性がある。特に、穏やかな温度で耐
用寿命の延長および良好な転換率を示す触媒上で、イソ
ブチレンではなくtBAを、MTBEまたはETBEに
転換することができるならば、当該技術において際立っ
た利点を表すであろう。
【0022】利用しうる技術は、tBAを使用してのM
TBEまたはETBEの合成のためのペンタシル型ゼオ
ライトの使用を教示しているとは思われない。また、1
60℃を越える温度での相分離の可能性を示唆していな
いし、イソブチレンと、MTBEまたはETBEとの同
時合成を示唆してもいない。
【0023】本発明の目的は、第一級アルコールと第三
級アルコールからアルキル第三級アルキルエーテルを、
低い反応温度において、転換率よく、長期間の反応を可
能にする触媒を用いて合成する方法を提供することであ
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】第三級アルコールと第一
級アルコール、たとえばtBAとメタノールもしくはエ
タノールからアルキル第三級アルキルエーテル、特にM
TBEまたはETBEを1段階で製造するための本発明
の新規な方法は、そのある種の態様によると、30〜3
50のシリカ/アルミナ比を有するペンタシル型ゼオラ
イトを、必要に応じて周期律表第III 族または第IV族元
素の酸化物である結合剤とともに含む触媒の存在におい
て、第三級アルコールと第一級アルコールとを高温およ
び穏やかな圧力で反応させることを含む。
【0025】代表的には、流出液中にそれぞれ約41%
および28%の濃度が達成され、120℃でそれぞれ6
8%および59%の第三級アルコール転換率が達成され
た(tBAを使用して)。最高のエーテル化活性は12
0℃で実現される。
【0026】本発明の生成物の製造は、代表的には、t
BAとメタノールまたはエタノールとを、結合剤を含む
ペンタシル型ゼオライトの存在において反応させること
によって、実施することができる。エーテル化は1段階
で実施され、触媒は、30〜350、好ましくは50〜
150のシリカ/アルミナ比を有するゼオライトを、第
III または第IV族元素の酸化物である結合剤1〜40%
とともに含む。
【0027】この反応は、下記の式によって例示するこ
とができる(式中、Rは、エチル基またはメチル基であ
る)。
【0028】
【化1】
【0029】一般に、目的のMTBEまたはETBEを
生じさせるためには、メタノールもしくはエタノールと
tBAとの反応体どうしを、どのような比率で混合して
もよいが、目的のエーテルの収率を最大限にするのなら
ば、原料混合物中のアルカノール:tBAのモル比は、
10:1〜1:10であることが好ましい。MTBEま
たはETBEの選択性を最大限にし、1回通過あたりの
転換率を最適化するためには、液状原料中のメタノール
またはエタノールを過剰にすることが望ましい。もっと
も好ましいアルカノール:tBAのモル比は1:1〜
5:1である。
【0030】ある種の状況においては、粗生成物混合体
の相が、イソブチレン−MTBE/ETBE生成物を多
く含む相と、重質の水性エタノールまたはメタノール相
とに分離するのに十分なほど、tBA転換率が高い(た
とえば60%以上)ことが特に望ましい。MTBEまた
はETBEとイソブチレンとを含む相は、本質的にジイ
ソブチレンを含まない。このような生成物の相分離は可
能な限り低いエーテル化温度で達成されることが好まし
いが、特に160〜200℃の範囲で見られる。
【0031】式1の合成はまた、tBAと、メタノール
もしくはエタノールの反応体とを、水;アセトン(Me
2 CO)およびメチルエチルケトン(MEK)のような
ケトン類;ジ−tert−ブチルペルオキシド(DTB
P)、アリル−tert−ブチルペルオキシド(ATBP)
およびtert−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)の
ような過酸化物およびヒドロペルオキシド;ならびにギ
酸−tert−ブチル(TBF)のようなエステルをはじめ
とする特定の他の成分と混合させる場合に、実施するこ
とができる。通常、該分類の成分は、それぞれ全原料混
合物の10%未満しか構成しない。
【0032】本発明の1段法はまた、他のアルキル第三
級アルキルエーテルの製造に応用することもできる。た
とえば、該方法は、メタノール、エタノール、n−プロ
パノールおよびn−ヘキサノールのようなC1 〜C6
一級アルコール(式1のROH)と、C4 〜C10第三級
アルコール、たとえばtBAおよびtert−アミルアルコ
ールとの反応に応用することもできる。メタノールとt
BAとの反応は、MTBEを生じさせるが、メタノール
とtert−アミルアルコール(2−メチル−2−ブタノー
ル)との反応は、TAMEを生じさせる。あるいはま
た、アルコール類の混合物、たとえばC1 〜C5 アルコ
ール類の混合物を反応させて、アルキル第三級アルキル
エーテル類の混合物を得ることもできる。
【0033】本発明の改質触媒においては、必要に応じ
て結合剤を含むある種の結晶質アルミノケイ酸塩ゼオラ
イトを、式1に表す反応の触媒として使用して、良好な
結果が実現された。特に効果的なものは、ペンタシル型
ゼオライトの同形構造群であった。
【0034】すでに述べたように、Ward(上記文献の2
71頁)は、ペンタシル族の構造の概説を記載してい
る。これらのゼオライトならびにシリカライトは、10
を越えるSiO2 /Al2 Oの比率を有している。シリ
カライト、ZSM−5、ZSM−11および関連の物質
は、ゼオライトAおよびエリオナイトのような8員ゼオ
ライトならびにゼオライトXおよびYのような12員系
とは対照的に、10員環チャネル系をもつ構造を有して
いる。
【0035】ペンタシル型ゼオライトは、ゼオライト
A、XおよびYに比べて疎水性である。ZSM−5は、
斜方晶系の単位セルを有し、ZSM−11は正方晶系で
ある。
【0036】ペンタシル型構造は熱と酸に非常に安定で
ある。これらは、構造の必須部分になるアンモニアイオ
ンの存在において合成される。600℃にまで加熱する
と、有機カチオンが分解され、高度に多孔質の構造が残
る。
【0037】ペンタシル型物質のチャネルの大きさは、
たとえば、小孔径のエリオナイトと大孔径のゼオライト
Yとの中間である。o−およびm−キシレン、1,2,
4−トリメチルベンゼンならびにナフタレンのような、
約6.9Åの最小直径をもつ炭化水素はゆっくりと吸収
されるが、1,3,5−トリメチルベンゼンは排除され
る。ベンゼンおよびp−キシレンはZSM−5中に容易
に拡散するが、o−キシレンのような大きめの分子はゆ
っくりと拡散する。高度に分岐したパラフィンは、ノル
マルパラフィンおよび1分岐パラフィンよりもはるかに
ゆっくりと拡散する。
【0038】他のZSM系ゼオライトは、ペンタシル族
とはみなされない。ZSM−21、ZSM−35および
ZSM−38は、フェリエライト型ゼオライトであると
みなされる。ZSM−20は、ホージャサイト型である
とみなされ、ZSM−34は、オフレタイト/エリオナ
イト群であるとみなされる。
【0039】酸素含有10員環系を有する中間孔径のペ
ンタシル型ゼオライトには、たとえば、ZSM−5、Z
SM−11、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−4
8および濁沸石がある。これらの骨格構造は、酸素含有
5員環を含み、既知のゼオライトよりもシリカを多く含
む。多くの場合に、これらのゼオライトは、大部分のケ
イ素と、わずかな濃度の他の元素、たとえばアルミニウ
ムとを用いて合成することができる。このように、これ
らのゼオライトは、少量の他の元素、たとえばアルミニ
ウムによる骨格置換をもつ「ケイ酸塩」とみなすことが
できる。この群のゼオライトのうち、ZSM−5および
ZSM−11は、二方向に交差するチャネルを有し、他
のものは、一方向に延びて交差しないチャネルを有して
いる。
【0040】中間孔径のペンタシル族は、他のゼオライ
トとは異なり、均一な寸法の細孔を有し、小さめの窓を
もつ大きなスーパーケージを有していない。この特徴
が、酸を触媒とする反応における、それらの異例に低い
コークス形成性を説明すると考えられる。ペンタシル型
ゼオライトは、窓/かご構造において狭い通路を含まな
いため、チャネルの大きさを越える分子は、おそらくは
交差部における例外を除き、形成しない。
【0041】好ましい形態のペンタシル型ゼオライト
は、合成したばかりの形態で少なくとも30:1、好ま
しくは30:1〜350:1の範囲のシリカ:アルミナ
のモル比を有する酸性度の高い高シリカ形態のものであ
る。50:1〜150:1の狭めの範囲がより好まし
く、実施例に示すペンタシル型ゼオライトは、約31:
1〜約350:1のSiO2 /Al23 の比率を有す
る。
【0042】本触媒は、結合剤、たとえばアルミナまた
はシリカを含む第III 族または第IV族の酸化物の存在に
おいて形成することができる。該結合剤は、形成された
触媒の1〜40%を構成することができる。
【0043】ゼオライトは、多様な成形技術により、結
合剤と組み合わせることができる。該触媒は、粉末、ペ
レット、顆粒、球体、付形物および押出し物の形態にあ
ることができる。本明細書に記載する実施例は、押出し
物を使用する利点を例示する。
【0044】反応は、攪拌スラリー反応器または固定床
連続流動反応器のいずれかで実施することができる。触
媒濃度は、目的の触媒効果を得るのに十分であるべきで
ある。
【0045】エーテル化は一般に20〜250℃で実施
することができ、好ましい範囲は80〜200℃であ
る。この温度範囲にわたって良好な結果が見られる。し
かし、温度が約140℃またはそれ以上であるときに、
最良のtBA転換率の数値が見られることを、記すこと
ができる。全操作圧力は、0.1〜7.0MPa (0〜
1,000psig)またはそれ以上であることができる。
好ましい圧力範囲は0.45〜3.5MPa (50〜50
0psig)である。
【0046】通常、6までまたはそれ以上の全液時空間
速度(LHSV)および比較的穏やかな条件で、粗液状
生成物中に約40重量%以上の濃度で、MTBEまたは
ETBEが連続的に生成される。LHSVは次のように
計算する。
【0047】
【数1】
【0048】以下の実施例におけるtBAの転換率(重
量%)は、次式を使用して概算した。
【0049】
【数2】
【0050】
【発明の効果】本発明によって、120〜160℃のよ
うな比較的低い反応温度で、第一級アルコールと第三級
アルコールから、転換率よくアルキル第三級アルキルエ
ーテルを合成することができる。本発明によって、MT
BEやETBEが高い選択率で得られる。本発明に用い
られる触媒は、不純物を含有する供給原料を用いても、
活性を長期間保つことができる。
【0051】
【実施例】以下の実施例は、約30〜350のシリカ/
アルミナ比を有し、必要に応じて結合剤を含み、特に押
出し物の形態にあるペンタシル型ゼオライトを使用す
る、tBAとMeOHまたはEtOHからのMTBEま
たはETBEの1段階合成を説明する。
【0052】実施例は、次のことを説明するものであ
る。 1)異なるシリカ/アルミナ比を有する一連のペンタシ
ル型ZSM−5タイプ触媒を使用する、tert−ブタノー
ルとメタノールからのMTBEとイソブチレンの同時合
成(実施例1〜4、表1〜5を参照)を説明する。ここ
で、50〜140のシリカ/アルミナ比を有するZSM
−5触媒を用いると、120℃で最高のtert−ブタノー
ル転換率の値が実現された。これらZSM−5触媒の多
くについて、160℃で生成物の層分離が見られた。
【0053】2)実施例5においては、ZSM−5を使
用する、tBA/エタノールからのETBEおよびイソ
ブチレンの同時合成を説明する。この場合、tBAの転
換率レベルは、120℃で59%であり、160℃で8
4%である(表5を参照)。
【0054】3)実施例6においては、相当量の水、イ
ソプロパノール、アセトンおよびメチルエチルケトンを
も含有する粗供給原料を使用する、tBA/エタノール
からのETBEおよびイソブチレンの同時合成を説明す
る。この原料を用いての触媒寿命の延長の研究を例示し
ている(表11を参照)。この場合、tert−ブタノール
の転換率レベルが、1回通過あたり約50%の付近にと
どまり、副産物であるジイソブチレン(C816)やジ
エチルエーテル(DEE)は本質的に形成されない。
【0055】実施例1 この実施例は、ペンタシル型ゼオライトを使用する、t
BAおよびメタノールからのMTBEの製造を説明す
る。
【0056】合成は、上昇流で操作され、炉の中に装着
され、±1.0℃に制御することができ、流量を<±1
ml/hに制御することを可能にするポンプを備えた、31
6ステンレス鋼製の管状反応器(内径13mm、長さ30
0mm)の中で実施した。この反応器は、圧力調整装置な
らびに温度、圧力および流量を監視するための機器をも
備えていた。
【0057】実験のはじめに、140のシリカ/アルミ
ナ比を有し、アルミナ結合剤20%を含むZSM−5ゼ
オライト25mlを、直径1.6mmの押出し物として反応
器に仕込んだ。グラスウールのスクリーンを反応器の頂
部と底部に配置して、触媒が中間部分にとどまるように
した。
【0058】反応器を120℃および2.06MPa (3
00psi )の全圧に保持しながら、メタノール/tBA
(モル比1.1:1)を、50ml/hの速度で上昇流とし
て流し、触媒床に通した。粗生成物流出液の試料を、流
れの途中で周期的に捕集して316ステンレス鋼製ボン
ベに入れ、GLCによって分析した。
【0059】これらの条件下で採取した試料の典型的な
分析データを表1にまとめる。一連のより高い温度(1
40〜160℃)で、反応流出物中のMTBE、イソブ
チレン(C48 )、ジイソブチレン(C816)、ア
ルキルエーテル(DME)およびtBAの濃度を測定し
た。これらのデータをも表1に含める。また、これらの
データから求めた、120℃におけるtBAの転換率お
よびイソブチレンの選択率、ならびに160℃における
tBAの転換率を、表2にまとめる。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】実施例2〜4 実施例1の機器を使用し、実施例1の手順にしたがっ
て、一連のペンタシル型ZSM−5ゼオライトに、12
0〜160℃の範囲の操作温度で、メタノール/tBA
のモル比1.1:1の混合物を通した。特定の条件の下
でGLCによって測定した反応流出物中のMTBE、イ
ソブチレン、ジイソブチレン、ジメチルエーテル、メタ
ノールおよびtBAの濃度を、以下の表3〜5にまとめ
る。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】実施例2において、51のシリカ/アルミ
ナ比を有するZSM−5は、以下のことを示した。
【0067】
【表6】
【0068】実施例3において、31のシリカ/アルミ
ナ比を有するZSM−5は、以下のことを示した。
【0069】
【表7】
【0070】実施例4において、350〜370のシリ
カ/アルミナ比を有するZSM−5は、以下のことを示
した。
【0071】
【表8】
【0072】実施例5 この実施例は、ペンタシル型ゼオライトを使用する、t
BAおよびエタノールからのETBEの製造を示す。
【0073】合成は、実施例1の場合と同じ機器を用い
て実施した。
【0074】実験のはじめに、140のシリカ/アルミ
ナ比を有し、アルミナ結合剤20%を含むZSM−5ゼ
オライト25mlを、直径1.6mmの押出し物として反応
器に仕込んだ。グラスウールのスクリーンを反応器の頂
部と底部に配置して、触媒が中間部分にとどまるように
した。
【0075】反応器を120℃および2.07MPa (3
00psi )の全圧に保持しながら、エタノール/tBA
(モル比1.1:1の混合物)を、50ml/hの速度で上
昇流として流し、触媒床に通した。粗生成物流出液の試
料を、流れの途中で周期的に捕集して316ステンレス
鋼製ボンベに入れ、GLCによって分析した。
【0076】これらの条件の下で採取した試料の典型的
な分析データを表9にまとめる。一連のより高い温度
(140〜160℃)で、反応流出物中のETBE、イ
ソブチレン、ジイソブチレン、アルキルエーテル、エタ
ノールおよびtBAの濃度を測定した。これらのデータ
をも表9に含める。また、これらのデータから求めた、
120℃におけるtBAの転換率およびイソブチレンの
選択率、ならびに160℃におけるtBAの転換率を、
表10にまとめる。
【0077】
【表9】
【0078】
【表10】
【0079】実施例6 実施例1の機器を使用し、実施例1の手順にしたがっ
て、ZSM−5ゼオライト触媒の試料(ゼオライト80
%、アルミナ20%)に、相当量の水、イソプロパノー
ル(2−PrOH)、アセトン(Me2 CO)およびメ
チルエチルケトン(MEK)を含む、エタノールとtB
Aとのモル比1.5:1の粗供給原料を通した。エーテ
ル化は、2のLHSVを用いて、120℃および2.0
7MPa (300psi )で実施した。
【0080】生成物流出液中のこれらの成分それぞれ
と、イソブチレン、ジイソブチレン、ジエチルエーテル
(DEE)およびETBEの濃度を、GLCによって測
定した。典型的なデータを、以下の表11に掲げる。
【0081】
【表11】
【0082】実験期間にわたり、tBA転換率の値によ
る測定では、触媒活性における変化はわずかでしかなか
った。典型的な転換率の計算値は、次のとおりである。
【0083】
【表12】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル第三級アルキルエーテルの合成
    法において、30〜350のシリカ/アルミナ比を有す
    るペンタシル型ゼオライトを含む触媒の存在下に、C4
    〜C10第三級アルコールをC1 〜C6 第一級アルコール
    と反応させることを特徴とする合成方法。
  2. 【請求項2】 周期律表第III 族または第IV族元素の酸
    化物から本質的になる結合剤の存在下に実施する請求項
    1記載の合成方法。
  3. 【請求項3】 第三級アルコールがtert−ブタノールで
    あり、第一級アルコールがメタノールであり、アルキル
    第三級アルキルエーテルがメチル−tert−ブチルエーテ
    ルである請求項1または2記載の合成方法。
  4. 【請求項4】 第三級アルコールがtert−ブタノールで
    あり、第一級アルコールがエタノールであり、アルキル
    第三級アルキルエーテルがエチル−tert−ブチルエーテ
    ルである請求項1または2記載の合成方法。
JP6229282A 1993-09-23 1994-09-26 ペンタシル型ゼオライト触媒を用いるアルキル第三級アルキルエーテルの合成法 Pending JPH07149682A (ja)

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US08/125271 1993-09-23
US08/125,271 US5387722A (en) 1993-09-23 1993-09-23 One-step synthesis of methyl t-butyl ether from t-butanol using pentasil zeolite catalysts

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EP (1) EP0645360B1 (ja)
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DE (1) DE69404011T2 (ja)

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DE69404011D1 (de) 1997-08-07
EP0645360B1 (en) 1997-07-02
CA2128907A1 (en) 1995-03-24
US5387722A (en) 1995-02-07
DE69404011T2 (de) 1997-10-16
EP0645360A1 (en) 1995-03-29

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