JPH0714898U - ゲル入り灰皿 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案の目的は 灰皿に入れられた火の付いた
煙草の火を確実に消し、それが置かれた環境を快くする
灰皿系を提供することである。 【構成】本考案の構成は ｐＦ値３・５以下の水を保持
させたゲルを灰皿の中に入れた系であり、ゲルに芳香
剤、消臭剤、色素等を入れ、そこに入った火の付いた煙
草の火を消すだけでなく、その雰囲気に会った香りを出
したり色を出して、その場を快くするものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は一般家庭、会社、ホテル、食堂など喫煙をする人のいる場所で、煙草 の喫いがらの火を消し、その場の空気が汚れるのを防ぐ目的で利用されるのであ るが、その商品を供給する産業としては、トイレタリー産業がある。

【０００２】

【従来の技術】

灰皿は衆知のごとく、きざみ煙草をキセルで喫った後の灰を捨てる煙草盆の一 部であった。紙巻き煙草が主流になると灰皿は喫いがらの一時的捨て場のように も使われるようになっている。そして 紙巻き煙草の喫いかけたものを置くため に灰皿の周辺に凹みを付けることも行われている。そして 喫いかけの煙草の火 は喫煙者が揉み消さないかぎり最後まで燻り続け、その部屋を煙で充満させてし まうのは、会社の会議室だけではない。時々 ホテルのロビーなどで灰皿に水を 入れて、その中に捨てられた煙草の火を消そうとしているが、水中に入った煙草 は、紙が剥がれ内容物が浮遊し、水が茶色に変色していて景観上好ましくない状 況を呈しているのを見掛けることがある。また灰皿に水を入れた場合その持ち運 びが不便で水をこぼして辺りを汚すこともある。このように従来技術では、灰皿 中に入れられた煙草の火は、その中に水を入れていないかぎり、また喫煙者がそ れを揉み消さないかぎり、煙草がすべて燃え尽きるまで燻り続けるのである。こ れが従来技術の問題点である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、灰皿の中に入った火の付いた煙草が、水の 中にいれた時のように確実に消える系を作り出すことであり、また その系に芳 香、消臭の機能を導入し、更に 見た目に美しく着色をすこと、その系を安価に 作り出すことである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本考案者は上記の課題を解決するための手段としてゲルを利用することを考え た。例えば 水を大量に吸った高吸水性樹脂を灰皿の中にいれた系をつくった（ 図１）。このゲルの上に火の付いた煙草を置くと、煙草の火は瞬く間にきえるの である。そして 煙草は水の中に入れられた時のようにはバラバラにならないの である。これが本考案が解決しようとした第一の課題である。次に ゲルを美し く見せるために無機系または有機系の顔料をゲルのもとになる、例えば 高吸水 性樹脂を重合する段階で混人して樹脂を作るという手段を採用した。また 水溶 性の食用色素等を水に溶かし、それを樹脂に吸収させて着色ゲルを作るという手 段も採用できる。また 煙草の臭いを消し、その場の雰囲気にマッチした香りを だすために、ゲルを作る時の水の中には水溶性の芳香剤や消臭剤を溶かすという 手段を採用した。系を安価に作るために、ゲルの回収がし易いようにゲルの粒子 径を３ｍｍから１０ｍｍの大きさにした。

【０００５】

【作用】

課題を解決するために採用した諸手段の作用について説明する。先ず ゲルを いれた灰皿系での消火であるが、火の付いた煙草の端が灰皿の中のゲルに触れる （図２−ａ）と、瞬く間に 紙巻き煙草の持つ毛細管力でゲルの中の水が紙巻き 煙草に吸い上げられ火が消える（図２−ｂ）。しかし 水がｐＦ値３・５以上で 保持されている場合は、その水は紙巻き煙草の持つ毛細管力では吸い上げられ難 くなり、火も消え難くなる。即ち 火を消すためのゲルには、ｐＦ値３・５以下 の水が保持されている必要がある。一般の 高吸水性樹脂の場合、十分に吸水し た水の約９５％はｐＦ値が３・５以下であることを本考案者は明らかにしている 。また 他の諸手段の作用については、実施例の中で説明するほうが理解し易い のでその場で説明をする。

【０００６】

【実施例】

通常の灰皿の中にｐＦ値の異なるポリアクリル酸系の高吸水性樹脂を１００グ ラムずつ入れ、その上に火の付いた煙草を図２−ａのように置いてから火が消え るまでの時間を測定した結果を表１に示した。なお 実験は５回行いその平均の 値を取った。 次に 水１００ｍｌにレモンバウムの葉を絞った液を０・５ｍｌ加え 良く撹 拌した後乾燥した高吸水性樹脂 ０・２ｇに全量吸収させ、レモンの香りのする ゲルを灰皿にいれたものを作った。その灰皿は それが置かれた部屋中に快いレ モンの香りを漂わせ、更に 上記の実施例に示したものと同じように、煙草の火 を消す試験をしたところ、煙草の臭いは消されレモンの香りのみが部屋の中に漂 うのを観察した。また ゲルを各種の色に着色したものをガラス製の灰皿に入れ たものは、それのみで部屋の装飾になるものであった。そして このゲルは床の 上にこぼしても床を濡らすことがない。また 灰皿のゲルはそれが抜け落ちない ザルに回収して水洗をすれば再使用することが出来る。

【０００７】

【考案の効果】

以上の実施例に示したように、本考案になる ゲル入り灰皿はその中に入った 煙草の火を瞬く間に消すという効果があることが明らかである。また 同じく芳 香剤の入ったゲルや着色したゲルは、部屋の雰囲気を快く保つのに効果があるこ とが明らかである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるゲル入り灰皿の一例を示す斜視図
である。

【図２−ａ】ゲル入り灰皿の中に火の付いた煙草が入っ
た所を示す斜視図である。

【図２−ｂ】ゲルの水が煙草に吸い上げられて火が消え
るところを示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 灰皿 ２ 水を保持したゲル ３ 火の付いた煙草 ４ 火が消えた煙草 ５ 毛細管力で水が吸い上げられた部分

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ｐＦ値 ３・５以下の力で水を保持してい
   るゲルを灰皿内にいれることによりそのゲルと接触した
   煙草の火を消すことを特徴とするゲル入り灰皿
2. 【請求項２】ゲル中に色素、芳香剤、消臭剤の一種以上
   を混入したゲルを用いることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲 請求項１記載のゲル入り灰皿
3. 【請求項３】ゲルとして直径３ｍｍから１０ｍｍの大き
   さのものを用いることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲 請求項１および請求項２記載のゲル入り灰皿