JPH0714896U - マッチ内蔵タバコ箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タバコ箱とマッチとを一体化するとともに、
タバコ箱の外観も美しいものとする。 【構成】 タバコ箱１の上部（又は下部）に固定分離板
５で仕切ることによりケース収容室４を形成し、ここに
複数のマッチ棒を収蔵するマッチケース８を組み込む。
マッチケース８にはマッチ棒の排出孔を設けるととも
に、その排出孔を開閉する開閉板２１を設け、この開閉
板２１にマッチケース８と一体の押圧板１４を連結す
る。通常は開閉板２１が排出孔を閉じているが、押圧板
１４が外側から押されると、開閉板２１が回転して排出
孔が開く。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、マッチ内蔵タバコ箱に関するもので、特にタバコ箱の上部又は下部 にマッチケースを内蔵するとともに、そのマッチケース内にあるマッチ棒を簡単 な押圧作動で迅速に引き出すことができるタバコ箱に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来では、タバコ箱とマッチケースは別個の独立した商品であり、各々タバコ とマッチを購入して携帯しなければならなかった。また、タバコを吸うとき、マ ッチやライターを探すことになって不便な上に、マッチやライターの残量とタバ コの残量は必ずしも対応していないため、マッチやライターの残量に注意しつつ 、その購入時期を考慮しなければならない心理的な負担があった。さらに愛煙家 がタバコと共にマッチやライターをポケット等に入れて携帯する場合、マッチや ライターがかさばることや、取り出しにくい等の不便さがあった。

【０００３】 それで、上記のような不便を解消するために、タバコ箱の一側に紙マッチを付 着して、愛煙家がマッチ棒を分離して使用するものがある。しかし、その紙製の マッチ棒の分離が容易でなく、タバコ箱の外観も悪くなる。また、タバコ箱内に 紙マッチを内蔵して構成されるものは、タバコ箱内のタバコが少なくなると赤燐 摩擦板の摩擦力が低下し、マッチ棒の火薬部分を点火しにくくなる他、赤燐摩擦 板がタバコ箱に内蔵されているため、点火のときには不快な臭いが生じる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記のような問題を解決することを課題とし、タバコ箱内にプラス チックなどで製造されるマッチケースを内蔵して、マッチケース内にあるマッチ をタバコ箱表面の簡単な押圧動作だけで引出しするようにしたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案は、タバコ箱の上部又は下部にマッチケースを内蔵させるケース収容室 を形成するとともに、そのケース収容室の側部にマッチ棒を排出する排出孔を設 け、さらに、その排出孔を開放又は閉鎖させる押圧操作部材をマッチケースの側 部に連結して設けたものである。

【０００６】 排出孔の開閉は押圧操作部材で直接行う構成、開閉板を介して間接的に行う構 成のいずれでもよい。開閉板を用いた場合は、例えばマッチケースの側壁に設け られた案内凹部、その案内凹部に形成された排出孔及び支持軸孔、その支持軸孔 に支持軸ピンを介して嵌合された開閉板、この開閉板の連結孔に作動軸ピンによ り連結された押圧板等を含む構成となる。

【０００７】

【作用及び効果】

請求項１の考案では、押圧操作部材を指等で操作することにより、マッチケー スにおけるマッチ棒の排出孔を開閉させて、中のマッチ棒を取り出すことができ る。タバコ箱の内部にマッチケースが収容されることで、タバコとマッチが一体 化して携帯等に便利になるとともに、タバコ箱の外観もよいものとなり、しかも マッチ棒の取出しも容易に行うことができる。

【０００８】 請求項２の考案では、押圧操作部材としての押圧板を外側から指等で押すこと により、それの折曲した連結片を介して開閉板が回転し、それにより排出孔が開 放されてマッチ棒を取り出すことが可能となる。押圧板への押圧力を解除すれば 、押圧板の弾力により開閉板は基の位置へ戻り、排出孔を閉鎖する。したがって 、マッチ棒を容易に取り出せるとともに、必要のないときにはマッチ棒の脱落を 確実に防止し、かつ開閉のための構造が簡単で、スペースも小さくて済む利点が ある。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図５〜図１１に示すように、蓋２をもつタバコ箱１において、タバコ箱１の上 部３又は下部３′に、マッチケース８を内蔵可能なケース収容室４を形成する。 ケース収容室４はタバコ箱１と一体形の固定分離板５で仕切られるか、又は分離 形の固定分離板６で仕切られる。分離形の固定分離板６（図１０参照）の外側面 とタバコ箱１の内側面とは接着剤で固定される。そのようなタバコ箱１の一側壁 に通孔４′を形成する。

【００１０】 図１〜図３に示すように、マッチケース８はマッチ棒２７を収蔵する収蔵室９ とカバー１０とが一体で構成される。収蔵室９の前面の壁体には内向きに凹む凹 部１１を形成して、その凹部１１に突爪１２及び支持突起１３、１３′を形成す る。さらに凹部１１の一側には、押圧板１４を連設して、それの内向きに折曲さ れた連結片１６に作動軸ピン１９を設ける。また、収蔵室９の一方の側壁には案 内凹部２０がある。

【００１１】 案内凹部２０には排出孔２５と支持軸孔２４がそれぞれ穿孔されており、支持 軸孔２４には開閉板２１の支持軸ピン２３を嵌合する。その支持軸ピン２３から 離れて開閉板２１に連結孔２２が形成され、この連結孔２２には押圧板１４の作 動軸ピン１９が嵌合されて、押圧板１４で開閉板２１を作動させて排出孔２５を 開閉するようになっている。

【００１２】 このとき、内蔵されたマッチケース８の排出孔２５とタバコ箱１の通孔４′（ 図５又は図８参照）とが互いに一致するように構成して、マッチ棒が円滑に排出 されるようにする。排出孔２５より外側にある通孔４′は少し小さく形成されて いるため、タバコ箱１の内部は見えない。押圧板１４の前面には、外側に突出さ れた押圧部（押圧ボタン）１４ａ（図２、図３参照）を形成し、これと対向した タバコ箱１には案内孔７（図５、図８参照）を形成して、押圧部１４ａをタバコ 箱外部へ露出させることができる（図１７、図１９参照）。ただし、そのような 案内孔７及び押圧部１４ａを形成しないで、図１８、図２０に示すようにタバコ 箱１の外面に押圧表示部１′を設けるだけでもよい。また、図７、図８又は図２ ２に示すように、タバコ箱１の外表面の適当な位置に、赤燐摩擦板２６を一定な 文様で構成すると美観がよくなる。

【００１３】 図１２のように展開させた板紙１ａを折ってタバコ箱１を作ると、蓋２（図５ 等）の上部で一体形の固定分離板５が形成されるため、この一体形の固定分離板 ５の上部に、マッチ棒２７が収蔵されたマッチケース８を内蔵させる。このとき 、マッチケース８の押圧板１４から突出した押圧部１４ａがあるものを使用する 時には、これと対向するタバコ箱１に案内孔７を形成しなければならない。

【００１４】 タバコ箱１にマッチケース８が内蔵された状態で、マッチ棒２７を引き出す際 には、図２１（Ａ）又は（Ｂ）のように指で把持すると、押圧板１４が押されて 、図４のように開閉板２１を回転させ、排出孔２５を開放させる。そのため、マ ッチケース８内に収蔵されたマッチ棒２７を、排出孔２５が下側となるように傾 けると、図３（Ｂ）の垂直断面で例示するように、マッチ棒２７は直接に、又は 傾斜面２５′で案内されて、排出孔２５と通孔４′を経て円滑に排出される。こ の場合、必要なマッチ棒２７は１本だけであるから、排出孔２５と通孔４′の直 径は、マッチ頭薬２７ａの直径の２倍より小さくすればよい。

【００１５】 図１〜図４に示すように、マッチケース８の開閉板２１は、支持軸ピン２３に よって側壁に支持され、押圧板１４の連結片１６に対し、それの作動軸ピン１９ 及び自身の連結孔２２の嵌合により連結されている。そして押圧板１４は、押圧 力が解除されれば、突爪１２による弾力で凹部１１との間に一定空間を生じるよ うに凹部１１から離隔された状態となる。このため、作動軸ピン１９が開閉板２ １を引くことになり、開閉板２１が原位置へ回転して排出孔２５を遮断する状態 になる。その結果、マッチ棒２７は排出できなくなる。押圧板１４を押すときに は、作動軸ピン１９が開閉板２１の基端部を押しながら回転させるため、開閉板 ２１が上昇して排出孔２５を開放し、これにより上述のようにマッチ棒２７が排 出孔２５から排出可能となる。

【００１６】 このとき、図２１（Ｂ）に示すように押圧板１４をタバコ箱１の内部に内蔵さ せた場合でも、図２１（Ａ）に示すように押圧部１４ａを外側に突出させた押圧 板１４を使用した場合でも、排出孔２５を簡便に開閉させられる。このように押 圧板１４の復元力によって、反復作動が可能である。

【００１７】 図１に示すように、マッチケース８の支持突起１３、１３′は、タバコ箱１内 で箱角部の形を保持してくれるため、タバコ箱１の動きを防止し、押圧板１４の 作動を円滑にする空間が生じる。図２１で図示したように、指でタバコ箱１の外 表面を押した際、その角部が破れにくくするために、その箱部分の外形の変化に 沿うように、支持突起１３、１３′の角部に傾斜部１３ａが形成されている。

【００１８】 タバコ箱１の上部又は下部にマッチケース８が内蔵される構造において、突出 された押圧部１４ａがない場合は、前述のように内蔵された押圧板１４を作動す べきであるので、図１８及び図２０のように、タバコ箱１の外表面に押圧表示部 １′が設けられ、これが押圧位置を表示する。図１１に示すように、マッチケー ス８がタバコ箱１の下部にあるときには、開閉板２１の上端に傾斜部２１ａが形 成され、この開閉板２１が上下に回転作動する際に、分離形の固定分離板６との 干渉を防止する。

【００１９】 図１、図２に示すマッチケース８において、マッチ棒を収蔵する収蔵室９とカ バー１０及び押圧板１４の各連結部１５を薄く形成して、組立と作動が容易なも のにする。収蔵室９の側壁に接続孔９ａがあって、マッチ棒を内蔵した後、カバ ー１０の接続ピン１０ａを接続孔９ａに結合してカバー１０の閉鎖状態を維持す る。

【００２０】 また、収蔵室９の大きさ、すなわち高さは、タバコ箱１内のタバコ本数を考慮 すると、マッチ棒を２２〜２７本くらい収蔵できるものとするのが適当である。 頭薬の大きさのため、できるだけマッチ棒の本数を少なくして収蔵室９の高さを 減少させる。

【００２１】 マッチケース８の押圧板１４が作動するとき、突爪１２が内向きに押されるこ とを防止するために、突爪１２の上端に突出部１５ａを形成し、これに対応する ようにカバー１０にも凹溝１０′を形成して互いに結合する（図２参照）。また 、マッチケース８の押圧板１４に斜め下向きの傾斜部１７で連結された折曲部１ ８に、所定曲率の丸み（アール部）を形成し、開閉板２１との組立及び作動過程 における応力を分散させて弾力を維持することが望ましい。

【００２２】 なお、図２３、図２４に示すように、マッチケース８の側壁に横方向に延びる 帯状の案内凹部３０を形成するとともに排出孔２５を設け、この案内凹部３０に 押圧板１４の開閉片部（１６）をスライド可能に嵌め込み、かつ、その開閉片部 （１６）に通孔３１を形成することもできる。通常は押圧板１４の開閉片部（１ ６）が排出孔２５を閉鎖しているが、押圧板１４が押されると排出孔２５と通孔 ３１が合致してマッチ棒の排出が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のマッチケースの一例を示す分解斜視
図。

【図２】そのマッチケースの組立状態の斜視図。

【図３】（Ａ）は上記マッチケースの平断面図で、
（Ｂ）はそのＡ−Ａ断面図。

【図４】（Ａ）は上記マッチケースの側面図であって、
マッチ排出孔が閉められた図、（Ｂ）はマッチ排出孔が
開けられた図。

【図５】上記マッチケースがタバコ箱の上部に内蔵され
た構造を図示する切開斜視図。

【図６】図５を拡大してタバコ箱の一部を切開した側面
図。

【図７】タバコ箱の背面に構成した赤燐摩擦板の例示
図。

【図８】上記マッチケースがタバコ箱の下部に内蔵され
た状態を図示する一部切開斜視図。

【図９】図８を拡大したタバコ箱の一部切開側面図。

【図１０】図８のマッチケースにおける分離形の固定分
離板の斜視図。

【図１１】図９のＡ部付近を拡大した垂直断面図。

【図１２】図５のタバコ箱の展開図で、タバコ箱と一体
形の固定分離板が連結された縮小図。

【図１３】図８のタバコ箱の縮小された展開図。

【図１４】本考案のマッチケースが分離形の固定分離板
によりタバコ箱の上部に内蔵された状態を図示する斜視
図。

【図１５】図１４のマッチケースにおける分離形の固定
分離板の斜視図。

【図１６】図１４のタバコ箱の縮小された展開図。

【図１７】タバコ箱の下部にマッチケースが内蔵され、
かつ押圧部（押圧ボタン）が設けられたタバコ箱の正面
図と側面図。

【図１８】タバコ箱の下部にマッチケースが内蔵され、
かつ押圧ボタンがない状態のタバコ箱の正面図と側面
図。

【図１９】タバコ箱の上部にマッチケースが内蔵され、
かつ押圧ボタンが設けられたタバコ箱の正面図と側面
図。

【図２０】タバコ箱の上部にマッチケースが内蔵され、
かつ押圧ボタンがない状態のタバコ箱の正面図と側面
図。

【図２１】本考案によってマッチを取り出す作動状態の
図面であって、（Ａ）は押圧ボタンがある状態、（Ｂ）
は押圧ボタンがない状態である。

【図２２】タバコ箱の側面に構成した赤燐摩擦板の例示
図。

【図２３】押圧板で排出孔を直接開閉する構成の斜視
図。

【図２４】押圧板で排出孔を直接開閉する構成の組立状
態の斜視図。

【符号の説明】

１ タバコ箱 ４ ケース収容室 ８ マッチケース １１ 凹部 １４ 押圧板（押圧操作部材） １９ 作動軸ピン ２０ 案内凹部 ２１ 開閉板 ２２ 連結孔 ２３ 支持軸ピン ２４ 支持軸孔 ２５ 排出孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 タバコ箱の上部又は下部にマッチケース
   を内蔵させるケース収容室を形成するとともに、そのケ
   ース収容室の側部にマッチ棒を排出する排出孔を設け、
   さらに、その排出孔を開放又は閉鎖させる押圧操作部材
   をマッチケースの側部に連結して設けたことを特徴とす
   るマッチ内蔵タバコ箱。
2. 【請求項２】 前記ケース収容室はタバコ箱の内部に組
   み込まれた固定分離板で仕切られて構成され、また、タ
   バコ箱の一側壁に通孔が形成されており、 前記マッチケースは、マッチ棒を収蔵する収蔵室及びそ
   の収蔵室の開口を覆うカバーが一体的に構成されるとと
   もに、収蔵室の一側壁に案内凹部が形成され、この案内
   凹部には前記排出孔及び支持軸孔が各々穿孔されて、こ
   の支持軸孔に前記排出孔を開閉する開閉板の支持軸ピン
   が嵌合されており、 前記収蔵室の前面壁体に内向きに凹む凹部が形成され、
   この凹部の一側には前記押圧操作部材として押圧板が連
   設され、それの内向きに折曲された連結片に作動軸ピン
   が設けられ、その作動軸ピンが前記開閉板の連結孔に嵌
   合されており、 その押圧板が外側から押圧操作されることにより、前記
   開閉板を介して前記排出孔を開閉させる請求項１記載の
   マッチ内蔵タバコ箱。