JPH07147477A - 長尺状プリント配線板の製造方法、めっき用遮蔽装置及び長尺状プリント配線板用基材のめっき装置 - Google Patents

長尺状プリント配線板の製造方法、めっき用遮蔽装置及び長尺状プリント配線板用基材のめっき装置

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JPH07147477A
JPH07147477A JP35065493A JP35065493A JPH07147477A JP H07147477 A JPH07147477 A JP H07147477A JP 35065493 A JP35065493 A JP 35065493A JP 35065493 A JP35065493 A JP 35065493A JP H07147477 A JPH07147477 A JP H07147477A
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plating
wiring board
printed wiring
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JP35065493A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Namikawa
芳広 南川
Takema Adachi
武馬 足立
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
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  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長尺状プリント配線板の表面側と裏面側で、
所望のめっき厚の比が得られ、且つ、連続的に製造でき
る方法等を提供する 【構成】 所定の導体回路パターンと、めっきリード
と、貫通孔と、を備える長尺状プリント配線板用基材
を、めっき槽中の電解めっき液中を通過させて連続的に
電解めっきして長尺状プリント配線板を製造する方法で
あって、めっき液面の上方に配置した導入口61と導出
口62と、長手方向に沿った開口部で上記基材の一方の
面を露出し、他方の面を隠蔽しながら電解めっきを行う
略樋形状のめっき処理部とを備え、開口面、導入口6
1、導出口62以外では上記基材を露出しない遮蔽装置
を配置し、同基材のめっき液中の通過を同装置中を移動
させて行い、同基材の開口側面を開口面で露出し、電解
めっきを行い、同基材の開口側面と非開口側面とでめっ
き厚が異なる製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺状プリント配線板
の製造方法、これに用いられるめっき用遮蔽装置及び長
尺状プリント配線板用基材のめっき装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリント配線板(以下、「配線
板」という。)の製造工程では、耐腐食性、電気的特性
の向上等を企図して、プリント配線板用基材(以下、
「配線板用基材」という。)に対し、最終的に導通回路
等となるパターン(以下、「導体回路パターン」とい
う。)の形成された段階で、めっき加工が施されること
が多い。このときのめっき厚の均一化のために、配線
板用基材に多孔質板を密着させて、その多孔質板を介し
てめっき液を強制的に流しながらめっきする方法(特公
昭62−37840号公報)や、配線板用基材上の導
体回路パターンの粗な領域に、導体箔の厚さよりも小さ
いパターン幅を有するダミー導体回路パターンを設け、
一次電流分布を小さくして均一にめっきして、エッチン
グ時に、このダミー導体回路パターンを除去する方法
(特公昭63−1759号公報)等が提案されている。
【0003】しかしながら、上記に示す方法では、回
路部(導体回路パターン)に目的通りの厚みのめっきを
施すことが困難であり、また、上記に示す方法では、
めっき厚が小さい場合に、エッチングで除去され得る幅
のダミー導体回路パターンを形成するのが困難であると
いう問題点を有している。この為、所定の孔径、孔数
のマスク板(遮蔽板)を、陽極となる金属と被めっき物
(配線板用基材)との間にセットして電解めっきをする
方法が開示されている(特開平2−188989号公
報)。また、その他のめっき厚の均一化を図る方法等と
して、被めっき部位である各導体回路パターンと所定
の陰極側給電部と、を電気的に導通させるためのめっき
リードの近傍の所望の箇所に、該めっきリードと電気的
に導通しためっき厚調整用付加部を設け、この付加部の
めっきリードとの導通を適時切断し、電解(電気)めっ
きの電流密度を調整することにより、めっきリードのめ
っき厚を調整した基板及びめっき厚調整方法等が開示さ
れている(特開平3−173494号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年におい
ては、上記めっき厚の均一化に加え、最終製品の仕様上
の要請等より、配線板用基材の表面側(例えば、電子部
品を搭載するボンディング面)と裏面側(例えば、コン
タクト面)とで異なるめっき厚が要求されることがあ
る。しかしながら、上記等の従来の方法では、この様
な要求を満足させることが困難な場合がある。即ち、金
等の様に、均一電着性の高い金属をめっきする場合に
は、めっき厚を薄くしたい配線板用基材の面の近くに、
上記遮蔽板をセットしても、遮蔽板の上下、両脇等か
ら、余分な金属イオンが流れ込み、結局、所望のめっき
厚を得ることはできない。また、この様な遮蔽板を用い
ずに、陽極をめっき厚を厚くしたい配線板用基材の面側
のみに配置しても、金属イオンが、めっき厚を薄くした
い面側に回り込んでしまい同様の結果となる。そして、
これらの場合には、上記仕様上の要求を満足できないば
かりか、無駄な金(イオン)を消費し、製造コスト上の
問題も生ずることになる。
【0005】また、上記に示すめっき厚調整方法等に
よれば、配線板用基材にめっき厚調整用付加部を設ける
スペースが必要となると共に、めっき処理時に電気的に
切断されていないめっき厚調整用付加部に余分なめっき
が施され、製造コスト高を招くという問題がある。特
に、金等の高価な金属をめっきする場合には、この製造
コスト高に一層の拍車を掛けることになる。
【0006】更に、近年においては、例えば、図13に
示す様に、表面側の被めっき部位711c〜715cの
面積と、裏面側の被めっき部位72cの面積とが大きく
異なる配線板用基材7cに電解めっきを施すことも多
い。この様な場合には、表裏両面の各めっき部位の単位
面積毎に、供給される金属イオン(電解めっき液中に存
在する金等のめっき金属のイオン)の量を適切にコント
ロールしなければ、上記面積の小さな裏面側のめっき厚
が過大になったり(例えば、目標値の2倍程度の厚みに
なったり、所謂、めっき焼けと呼ばれる状態になったり
する。)、上記面積の大きな表面側のめっき厚が過少と
なったりして、所望のめっき厚を得られないことも多
い。そして、この問題点も、上述した「表裏両面で異な
るめっき厚が要求される場合」と同様に、上記〜に
示した方法等では、効果的に解決することはできない。
【0007】一方、配線板の製造に際して、製造効率の
向上等の要請より、長尺状の基材を連続搬送しながら、
各工程(ボンディング・貫通孔等の穿設工程、導体回路
パターンの形成、めっき工程等)を行うことが望まれて
いる。しかしながら、上記〜に示す従来の方法は、
いずれも、比較的短めの基材を適宜、電解めっき液中に
浸漬しながら、電解めっきを行うものであり、連続搬送
された状態の長尺状の基材に対して適用することは困難
である。
【0008】本発明は、上記観点に鑑みてなされたもの
であり、長尺状プリント配線板の表面側と裏面側毎に、
それぞれ、所望のめっき厚が確保でき、且つ、連続的に
製造できる製造方法、この様な長尺状プリント配線板の
製造に際して使用するめっき用遮蔽装置及び配線板用基
材のめっき装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本第1発明の配線板の製
造方法は、表裏両面に所定の被めっき部位を備える導体
回路パターンが長手方向に沿って少なくとも1列以上連
続配置され、且つ、所定の陰極側給電部及び該各導体回
路パターンを電気的に導通させるためのめっきリード
と、該各導体回路パターン及び該めっきリードの存在し
ない位置に適宜形成された貫通孔と、を備える配線板用
基材を、めっき槽中に収納された電解めっき液中を所定
の移動経路に沿って通過させながら上記各被めっき部位
に連続的に電解めっきを行い配線板を製造する方法であ
って、上記めっき槽内に、上記めっき液面の上方に配置
され上記配線板用基材を上記移動経路に搬入する導入口
と、同めっき液面の上方に配置され同配線板用基材を同
移動経路より搬出する導出口と、同移動経路上の少なく
とも一部で同経路を通過する配線板用基材の表裏一方の
面のみを長手方向に沿った開口部で露出しながら上記電
解めっき液に接触させると共に、該配線板用基材の表裏
他方の面を略密閉した状態で上記電解めっき液に接触さ
せる略樋形状のめっき処理部と、を備え、該開口部、上
記導入口及び導出口以外では、上記配線板用基材を露出
させない状態で上記移動経路に沿って上記電解めっき液
中を通過させるめっき用遮蔽装置(以下、「遮蔽装置」
という。)を配置し、上記配線板用基材の上記開口部で
露出する面と、その裏面側の面とでめっき厚が異なるこ
とを特徴とする。
【0010】上記「被めっき部位」の形状、めっき面積
等は、特に問わず、また、各導体回路パターンの表面側
及び裏面側に形成される被めっき部位(即ち、配線基板
用基材の表裏両面の互いに対応する位置に形成される被
めっき部位)の形状、めっき面積等は、同じであって
も、異なっていてもよい。また、上記「移動経路」の形
状は特に問わず、例えば、略U字状、V字状、L字状、
逆U字状の経路等やこれらを適宜組み合わせ経路(例え
ば、U字状を2つ並べたもの)等を例示することができ
る。
【0011】本第2発明の配線板の製造方法では、上記
めっき処理部に、上記配線板用基材の移動経路を描きな
がら、該配線板用基材の長手方向に沿った両端面側部分
を通過可能な状態にて保持する一対の案内溝が形成さ
れ、上記導入口付近及び上記導出口付近には、ローラ部
材が配置され、且つ、これらのローラ部材の少なくとも
一方を用いて同プリント配線板用基材への給電が行う。
【0012】本第3発明の遮蔽装置は、上記第1及び2
発明と同様な配線板用基材に、同様な電解めっきを行う
際に、該めっき槽内に配置してめっき厚の調整を行うた
めの遮蔽装置であって、上記第1発明等と同様な導入口
と、導出口と、めっき処理部と、を備え、且つ、該開口
部、上記導入口及び導出口以外では、同基材を露出させ
ない状態で上記移動経路に沿って上記電解めっき液中を
通過させ同基材の上記開口部で露出する面と、その裏面
側の面とでめっき厚が異なることを特徴とする。
【0013】本題4発明の配線板の製造方法は、上記第
1発明等と同様な配線板用基材を同様な電解めっき液中
の移動経路に沿って通過させながら各被めっき部位に連
続的に電解めっきを行い配線板を製造する方法であっ
て、上記めっき槽の内部に、上記移動経路を通過する配
線板用基材と共に、同内部を内槽部と外槽部とに略仕切
ることとなるめっき用仕切り部材を配置し、該めっき用
仕切り部材は、同配線板用基材の長手方向に沿った両端
側を通過可能な様に保持し、且つ、上記移動経路上の少
なくとも一部で、同移動経路上を通過する配線板用基材
の表裏一方の面を上記内槽部側に露出すると共に、同配
線板用基材の表裏他方の面を上記外槽部側に露出するめ
っき処理用開口部を備え、更に、上記内槽部内及び上記
外槽部内に、所定の外部電源の正極側に接続されたアノ
ードをそれぞれ別個に配置して、該内槽部内に配置され
るアノードと上記陰極側給電部との間を流れる電流値、
及び上記外槽部内に配置されるアノードと上記陰極側給
電部との間を流れる電流値を、それぞれ別個に制御し
て、上記配線板用基材の表面側及び裏面側のめっき厚を
それぞれ別個に調整することを特徴とする。
【0014】本第5発明のプリント配線板の製造方法で
は、上記第4発明における上記移動経路のうちの少なく
とも上記めっき処理用開口部の位置する部分に、上記配
線板用基材の移動経路を描きながら、該配線板用基材の
長手方向に沿った両端面側部分を通過可能な状態にて保
持する一対の案内溝が形成され、同配線板用基材の上記
めっき液中への導入口及び同めっき液中からの導出口付
近の上記めっき液面の上方に、ローラ部材が配置され、
これらのローラ部材の少なくとも一方を用いて同配線板
用基材への給電が行われる。
【0015】本第6発明の配線板用基材のめっき装置
は、所定の電解めっき液が収納されるめっき槽と、所定
の外部電源の正極側に接続され、且つ、めっき槽に配置
されるアノードと、該外部電源の負極側に接続され、且
つ、上記電解めっき槽の外部若しくは上記電解めっき液
の液面上に配置される陰極側給電部と、を備え、上記第
1発明等と同様な配線板用基材を同様な電解めっき液中
の移動経路に沿って通過させながら各被めっき部位に連
続的に電解めっきを行う装置であって、上記めっき槽の
内部に、本第4発明と同様なめっき用仕切り部材を配置
し、更に、上記内槽部内及び上記外槽部内に、同発明と
同様なアノードを配置して、同発明と同様な電流値の制
御を行い、上記配線板用基材の表面側及び裏面側のめっ
き厚をそれぞれ別個に調整する制御手段を備えることを
特徴とする。
【0016】
【作用】本第1発明の製造方法では、電解めっき液中を
所定の移動経路に沿って通過させながら基板用基材の各
被めっき部位に連続的に電解めっきを行い配線板を製造
する。そして、この電解めっきを行う際に、以下に述べ
る遮蔽装置をめっき槽内に配置する。この装置は、配線
板用基材を上記経路に搬入する導入口と、同基材を同経
路より搬出する導出口と、を有している。また、同経路
上の少なくとも一部に、そこを通過する基材の表裏一方
の面のみを長手方向に沿った開口部で露出しながら上記
電解めっき液に接触させると共に、該基材の表裏他方の
面を略密閉した状態で同めっき液に接触させる略樋形状
のめっき処理部を備えている。そして、この装置は、上
記基材を上記開口部、上記導入口及び導出口以外では露
出させない状態で上記移動経路に沿って電解めっき液中
を通過させる。
【0017】この様に、上記遮蔽装置を移動する配線基
板用基材は、その表裏両面のうちの一方の面(例えば、
基材のボンディング面)のみが上記開口部で露出し、他
方の面(例えば、基材のコンタクト面)が同装置内に隠
蔽されるため、この隠蔽された面の周辺へのめっき液の
流れが殆ど遮断される。そして、この隠蔽された面への
金属イオンの供給が確実に低減されることになる。従っ
て、めっき液中に溶けているのが、金等の様に均一電着
性の高い金属であっても、この隠蔽された面への金属イ
オンの回り込みを確実に抑制でき、同面に析出するめっ
きを低減することができる。一方、開口部で露出する面
では、電流密度が集中して、めっき厚を厚くすることが
できる。
【0018】また、上記の如く、配線基板用基材の隠蔽
される面の周辺では、めっき液の流れが殆ど遮断される
ため、同部分への金属イオンの供給が必要となるが、同
基材には所定の貫通孔が適宜形成されており、この孔よ
り金属イオンが必要量だけ補充されることになる。尚、
この貫通孔の大きさ、数、配置する間隔等は、上記「め
っき液の流れの遮蔽状態」に、それ程影響を与えない範
囲で決定することが必要である。また、この様な条件を
満足すれば、配線板用基材を搬送するために用いる所
謂、スプロケット孔をそのまま「貫通孔」として用いる
ことができる。
【0019】本第2発明の製造方法では、上記めっき処
理部に、上記配線板用基材の移動経路を描きながら、同
基材の長手方向に沿った両端面側部分を通過可能な状態
にて保持する一対の案内溝が形成されを形成する。従っ
て、配線板用基材の遮蔽装置内の通過が容易になると共
に、同基材の両側面側部分が一対の案内溝により、略完
全に囲まれることになるため、上記「遮蔽状態」が、一
層完全なものとなる。また、上記導入口付近及び上記導
出口付近には、ローラ部材が配置される。従って、同装
置内への基材の導入及び同装置からの基材の導出が一層
容易となる。更に、これらのローラ部材の少なくとも一
方を用いて、同基材への給電が行われるため、別個に給
電のための装置、部材等を配置等する必要はない。
【0020】本第4発明の製造方法も、上記第1発明と
同様に、電解めっき液中を所定の移動経路に沿って通過
させながら基板用基材の各被めっき部位に連続的に電解
めっきを行い配線板を製造する。そして、この電解めっ
きを行う際に、以下に述べる仕切り部材をめっき槽の内
部に配置する。この部材は、上記移動経路を通過する配
線板用基材と共に、同内部を内槽部と外槽部とに略仕切
るものである。従って、めっき槽の内部は、互いにめっ
き液のやりとりがない内槽部と外槽部とに略区画され
る。
【0021】そして、この仕切り部材は、同基材の長手
方向に沿った両端側を通過可能な様に保持し、且つ、上
記経路上の少なくとも一部でそこを通過する基材の表裏
一方の面を上記内槽部側に露出すると共に、他方の面を
上記外槽部側に露出するめっき処理用開口部を備えてい
る。従って、この開口部において、基材の一方の面には
内槽部のめっき液により、他方の面には外槽部のめっき
液により、電解めっきが施される。
【0022】また、上記内槽部内及び外槽部内に、所定
の外部電源の正極側に接続されたアノードをそれぞれ別
個に配置する。そして、内槽部内のアノードと上記陰極
側給電部との間を流れる電流値、及び外槽部内のアノー
ドと上記陰極側給電部との間を流れる電流値を、それぞ
れ別個に制御する。この結果、上記内槽部、外槽部間の
遮断状態等と相まって、金属イオンの量、電流密度等の
めっき厚に影響を与える諸条件を、両槽部内で別々に定
めることができる。従って、配線板用基材の表裏両面
で、被めっき部位の面積に大きな差がある等の理由で、
従来よりめっき厚のコントロールが困難であった場合に
も、所望のめっき厚を得ることが容易である。
【0023】本第5発明では、上記移動経路のうちの少
なくとも上記めっき処理用開口部の位置する部分に、配
線板用基材の長手方向に沿った両側面側部分を通過可能
な状態にて保持する一対の案内溝が形成される。この案
内溝は、上記第2発明と同様に、配線板用基材の移動を
容易にすると共に、上記内槽部、外槽部間の遮断状態を
一層完全にするものである。また、本発明においても、
上記第2発明と同様なローラ部材が配置され、配線板用
基材の上記移動経路への搬入と搬出とを一層容易にする
と共に、別個に給電のための装置、部材等を配置等する
必要はない。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 A、実施例1 (1)遮蔽装置の概要 本実施例では、図1に示す様な遮蔽装置を用いて、長尺
状配線板(以下、「基板」という。)を作製した。同装
置は、上端及び両側方開放の略四角柱形状(280mm
×280mm×700mm)の外形を有し、一方の対向
し合う側壁を構成する第1枠状体11及び第2枠状体1
2と、他方の対向し合う側壁を構成する第1側板21及
び第2側板22と、底側内部に配置される中板3と、底
面部を構成する底板4と、を組み合わせたものである。
【0025】上記各枠状体11、12の上方側部分及び
中間部分には、めっき液を通過させるための窓部11
1、112、121、122が設けられている。また、
同各枠状体11、12の下方側部分には、一対の軸挿入
孔113、114等が設けられている。更に、各枠状体
11、12の内面側で、同枠状体11等の長手方向に沿
った両側面寄りの部分には、各枠状体11等の上端部か
ら、上記中間部分と下方側部分の境界(上記中間部分の
窓部112、122の下縁と略同様の高さの所)に至る
突起部115、116、125、126が設けられてい
る。また、これらの突起部115等の略中央には、溝部
115a、116a、125a、126aが形成されて
いる。
【0026】そして、図1及び2に示す様に、これらの
溝部115a等のうちで、一方の対向し合う115a及
び125aが第1案内溝171を、他方の対向し合う1
16a及び126aが第2案内溝を構成する。また、こ
の第1案内溝171の上端側が長尺状基板用基材(以
下、「基材」という。)7を本装置内に搬入するための
導入口61となり、更に、第2案内溝の上端側が基材7
を本装置より搬出するための導出口62となっている。
【0027】また、図2に示す様に、相対向する1組の
突起部115及び125と、第1側板21により囲まれ
た略樋形状の部分が第1めっき処理部181を構成す
る。そして、この処理部181は、長手方向に沿った開
口部(第1開口部)181aを有している。更に、第2
めっき処理部及び第2開口部も、同様にして構成されて
いる。尚、上記第1及び2案内溝171等は、基材7の
搬送を容易にすると共に、基材7と上記各側板21等の
形成する空間の密閉状態をより完全なものとしている。
但し、この搬送の容易化等は、他の手段によって達成し
てもよい。
【0028】また、各枠状体11、12には、本装置を
めっき槽内の所定の位置に、固定するための吊り下げ部
材117、127が取着されている。更に、上記各側板
21、22は、いずれも平面形状が略長方形の板状体で
あり、組立てに際しては、上記各枠状体11、12の長
手方向に沿った側面部に、所定の接着剤を用いて固定さ
れている。尚、これらの板状体としては、基材のめっき
状態を適宜、確認するために、透明なものを用いること
もできる。また、各枠状体11等への固定方法も、必ず
しも上記の様な接着剤を用いることに限らず、更に、各
枠状体11、12と各側板21、22等が一体的に成形
されたものであってもよい。
【0029】また、上記中板3は、平面形状が略正方形
の板状体であり、図1及び3に示す様に、上記各枠状体
11、12及び各側板21、22により形成された空間
を、上記中間部分よりも上方の部分と下方の部分に、遮
断するものである。但し、この中板3には、図3及び4
に示す様に、基材を通過させるための略矩形状の通過孔
31、32が設けられている。更に、上記底板4は、平
面形状が略正方形の板状体である。
【0030】そして、図3に示す様に、この底板4と、
上記中板3と、上記各枠状体11、12及び各側板2
1、22により、本装置の下方側に略密閉された空間
(以下、「密閉部」という。)5が形成される。更に、
この密閉部5内には、基材を円滑に搬送するための第1
ローラ部材51及び第2ローラ部材52が配置されてい
る。尚、これらのローラ部材51、52の略中心には、
これらを回転自在な状態にて支持するローラ軸511、
521が挿入されている。また、これらのローラ軸51
1、521の両端部には、上記軸挿入孔113、114
等に挿通した後に、軸固定部材512、522等が装着
され、同軸511、521の軸方向への並進が抑制され
ている。
【0031】(2)実機試験 以上に述べた様な遮蔽装置を用い、図5に示す様な基材
7に対して、以下の様にして金めっきを行った。同図に
示す基材7は、ガラスエポキシ製の基材(幅;120m
m)であり、その表面側及び裏面側の互いに対応する位
置(同図の破線により囲まれた部分を中心とする位置)
には、既に、被めっき部位(M等)が多数形成されてお
り、これらが図6の斜線部に示す様な導体回路パターン
(図5には、その配置のみを示す。)を構成している。
また、これらの導体回路パターンは、図5に示す様に、
長手方向に向かって連続配置され、これらが6つの導体
回路パターン列711、712、721、722、73
1及び732を形成している。更に、隣合う導体回路パ
ターン列711及び712、721及び722、731
及び732が、それぞれ導体回路パターン列群71〜7
3を構成している。
【0032】また、上記基材の長手方向に沿った側面側
には、めっき工程等における基材の搬送の容易化のため
の外側スプロケット孔741、742が設けられてい
る。更に、上記外側スプロケット孔741と導体回路パ
ターン列群71との間、上記外側スプロケット孔742
と導体回路パターン列群73との間、及び各導体回路パ
ターン列群71〜73の間には、それぞれ内側スプロケ
ット孔751〜756が配置されている。尚、後者のス
プロケット孔751等は、上記基材(基板)を上記各導
体回路パターン列群71〜73毎に、分割して後工程
(電子部品の実装工程)等を施す場合に、同基材(基
板)の搬送の容易化を図るためのものである。尚、上記
各導体回路パターンは、銅により構成されたものである
が、その表面には、ニッケルによるバリヤ層が形成され
ている。また、上記基材7には、図6に示す様に、後述
する給電部及び上記各導体回路パターンを電気的に導通
させるためのめっきリード76が配置されている。
【0033】一方、上記遮蔽装置は、図7に示す様に、
所定のめっき液82の収納されためっき槽81内に、同
装置の上端側がめっき液面821上に露出する状態で配
置されている。尚、同装置は、上記吊下部材127等の
上端側部分を、所定の固定部材86の先端側に設けられ
た固定孔861内に、嵌着固定することにより固定され
ている。また、同装置の上記導入口61及び上記導出口
62の上方には、SUS製の第3ローラ部材84及び第
4ローラ部材85が配置されている。そして、これらの
ローラ部材84等は、基材7の装置内への搬入と搬出を
容易にすると共に、所定の電源(直流電源)の負極に接
続されて、基材のめっきリード76に対して給電を行う
ものである。
【0034】但し、本実施例では、一方のローラ部材8
5(85でも良いし、84及び85で行っても良い。)
により、上記基材7の表面側のめっき部位に対してのみ
給電を行い、裏面側の被めっき部位に対しては、所定の
給電ブラシ(図示しない。)により給電を行った(後述
する実施例2においても同様である。)。しかしなが
ら、この裏面側の被めっき部位に給電を行うための他の
ローラ部材を配置しても良いし、基材7の表裏両面を所
定の手段により導通する場合には、この様な他のローラ
部材や上述した給電ブラシを用いる必要はない。また、
この様な給電を、他方のローラ部材84、給電ブラシ以
外の他の給電用の部材を用いて行ってもよい。また、上
記遮蔽装置の内部の略中心部には、陽電極となるPt棒
83が配置されている。このPt棒83は、上記電源の
正極に接続されている。
【0035】そして、所定の供給用ロールに巻かれた上
記基材7を、第3ローラ部材84→導入口61→
第1めっき処理部181(第1案内溝171)→通過
孔31→密閉部5(第1ローラ部材51→第2ローラ
部材52)→通過孔32→第2めっき処理部(第1
案内溝)→導出口62→第4ローラ部材85の順で
適宜、通過させながら(移送速度;1.0m/mi
n)、金めっきを施し、実施品No.1〜4の各基板を
作製した。これらの実施品No.1〜4の基板は、その
作製に際して、Pt棒等に加える電流値を、それぞれ電
流1.5、2.0、2.5及び3.0Aとしたものであ
る。
【0036】また、比較の為に、上記遮蔽装置を用いな
かった他は、同様の方法にして電解めっきを施し、比較
品No.1(電流値;1.5A)及び比較品No.2
(電流値;3.0A)の各基板を作製した。更に、図9
に示される様に、上記遮蔽装置の代わりに、基材91の
コンタクト面のうちで、鉛直方向に移動している部分9
11、912の近くに(距離;約10mm)、同基材7
よりもやや幅広の遮蔽板(140mm×710mm×2
70mm)921、922を、同基材部分911、91
2と略平行に配置したこと以外は、実施品と同様にし
て、比較品No.3(電流値;1.5A)及び比較品N
o.4(電流値;3.0A)の各基板を作製した。そし
て、蛍光X線膜厚計を用いて、各基板の表面側(ボンデ
ィング面)と裏面側(コンタクト面)のめっき厚を測定
した。この結果を表1及び図8に示す。
【0037】
【表1】
【0038】但し、この測定は、上記各基板の各導体回
路パターン列より5つずつの導体回路パターンを選び出
して(基材全体で30個の導体回路パターン)行ったも
のである。また、表1には、それぞれの値の平均値を示
した。
【0039】以上の結果によれば、上記遮蔽装置等を用
いない比較品No.1及び2では、いずれも、めっき厚
比が1.8以下の値となり、ボンディング面側のめっき
厚と、コンタクト面側のめっき厚との間に大きな差を設
けることが困難であった。従って、この場合には、ボン
ディング面側のめっき厚を確保しようとすれば、コンタ
クト面側に余分な金めっきが施されることになる。ま
た、遮蔽板921、922を用いた比較品No.3及び
4の場合も、めっき厚比が2.0以下の値となり、同板
による遮蔽効果が十分ではなかった。これは、遮蔽板の
上下、及び両脇部分より、コンタクト面の周辺に金イオ
ンが、逐次流れ込んだためと考えられる。
【0040】これに対して、上記遮蔽装置を用いた実施
品No1〜4では、めっき厚比が2.5前後の大きな値
となり、ボンディング面側のめっき厚と、コンタクト面
側のめっき厚との間に大きな差を設けることが容易であ
る。また、ボンディング面側のめっき厚を大きくして
も、それに伴いコンタクト面側のめっき厚が大きくなる
ことはなく、製造コストの低減を図ることができる。こ
れは、基材7の裏面(コンタクト面)側の周辺へのめっ
き液の流れが殆ど遮断され、同面のめっき厚が小さく抑
えられると共に、露出している表面(ボンディング面)
側に、電流密度が集中して、めっき厚を大きくできたた
めである。
【0041】また、上記実施品の作製に際しては、本実
施例で用いた基材の貫通孔751〜754の大きさ、
数、配置場所等を調整することにより、上記めっき厚比
を適宜、調整することも容易である。尚、本実施例にお
いては、2つのめっき処理部181等を密閉部5により
連結した遮蔽装置を用いたが、めっき処理部の数は特に
問わず、例えば、遮蔽装置全体に渡る単一のめっき処理
部を形成しても良い。また、本実施例では、内側スプロ
ケット孔751〜754を貫通孔として用いたが、貫通
孔を別個に設けた基材等を用いることもできる。
【0042】B.実施例2 (1)めっき装置の概要 本実施例では、図10〜12に示す様なめっき装置を用
いて基板を作製した。本装置では、実施例1と同様なめ
っき槽81cの内部に、同図に示す様な仕切り部材が配
置されている。この仕切り部材は、上記めっき槽81c
の内部の上方側に取着される4つの仕切り側板21c〜
24cと、これらの下端部に取着される中板3cと、該
中板3cよりも下方側に取着される底板4cと、該中板
3c及び該底板4間の密閉状態を確保する為の遮断板2
5c、26cと、を備えている。
【0043】上記各仕切り側板21c〜24cは、図1
0及び11に示す様に、いずれも、平面形状が略矩形状
の板状体である。また、これらの仕切り側板21c〜2
4cの長手方向に向かう端面の1つには、所定の溝部
(配線板用基材の端面側の部分を摺動可能な状態で保持
できる程度の溝部)211c、221c、231c、2
41cが形成されている。更に、これらの仕切り側板2
1c等の長さ(長手方向)は、いずれも、上記めっき槽
81cの内部の深さ(以下、「めっきの槽深さ」とい
う。)の略3/5である。
【0044】上記中板3及び底板4cは、いずれも平面
形状が略矩形状の板状体である。そして、上記めっき槽
81cの相対向し合う1組の内壁面811c、812c
と、短手方向に向かう端面とを接触させながら、同めっ
き槽81cの底面83cと略平行な状態に固定できるも
のである。但し、中板3には、上記実施例1と同様に、
基材を通過させるための略矩形状の通過孔31c、32
cが設けられている。上記遮断板25c、26cも平面
形状が略矩形状の板状体である。
【0045】次に、以上の様に構成されるめっき用仕切
り部材の取着方法を説明する。先ず、図10に示す様
に、上記底板4cを上記めっき槽81cの内部に嵌め込
む。このとき、上記底板4c及び上記底面83cは、所
定の間隔をおき離れた状態になっており、また、底板4
cの短手方向に位置する端面のみを上記内壁面811
c、812cに固定する。次いで、上記底板4cの上方
に、上記中板3cを嵌め込む。このとき、中板3c及び
底板4cの間にも、所定の隙間が存在する様にする。ま
た、この中板3cを取着する際に、上記底板4c及び上
記中板3cの間に形成される空間部34cに、上記実施
例1と同様な第1及び2ローラ部材51c、52cを配
置する。
【0046】更に、図12に示す様に、この空間部34
cの両端側の開口端〔上記中板3c及び上記底板4cの
上記内壁面811c、812cに固定されていない端面
(各長手方向の端面)のつくる開口端〕に、上記遮断板
25c、26cを取着する。次いで、上記中板3c上の
4隅側の部分に、上記仕切り側板21c〜24cをそれ
ぞれ取着する。この取着は、図11に示す様に各仕切り
側板21c〜24cの長手方向に向かう端面のうちで、
上記溝部211c等の形成されていない端面211c等
を、上記内壁面811c、812cに固定することによ
り行う。
【0047】このとき、上記仕切り側板21c及び22
c、23c及び24cの上記内壁面811c、812c
への取着に関与しない端面(長手方向)同士が相対向す
る位置に配置される。そして、これらの端面間に、2つ
の開口部181c及び182cが形成され、また、これ
らの端面の相対向し合う溝部211c及び221c、2
31c及び241cが、上記実施例1と同様な案内溝を
構成する。
【0048】そして、めっき槽81c内の上記各仕切り
側板21c〜24c及び中板3cに囲まれた領域が内槽
部8Aで、上記仕切り部材を取り囲む領域が外槽部8B
である。また、図12に示す様に、内槽部8A及び外槽
部8B内には、電解めっき液の供給等を行うための流入
口d1 〜d3 と、流出口e1 〜e3 が設けられている。
但し、これらの流入口、流出口の数、配置場所は特に問
わず、また、各槽部内に配置するアノードとしてめっき
金属を用いる場合には、流入口、流出口を設ける必要は
ない。
【0049】(2)実機試験 以上に述べた様な仕切り部材を用い、図13に示す様な
基材7cに対して、以下の様にして金めっきを行った。
この基材7cは、以下の点で異なる他は、実施例1で用
いた基材7と同様である。即ち、この基材7cに配置さ
れた導電回路パターン(但し、図13その1つ分を示
す。)の表面側には、同図(a)に示す様な被めっき部
位711c〜715cが、裏面側には、同図(b)に示
す様な被めっき部位72cが形成されている。そして、
表裏両面の各被めっき部位の面積が、大きく異なってい
る点で実施例1の基材7とは、異なっている。
【0050】一方、上記仕切り部材の2つの開口部18
1c及び182cの上方側には、実施例1と同様の第3
及び4ローラ部材(所定の外部電源9cの負極側に接続
されている。)84c、85cがそれぞれ配置されてい
る。更に、上記内槽部8A及び外槽部B内の上記開口部
181c及び182cの周辺には、実施例と同様のPt
棒831c〜834cが配置されている。そして、これ
らのPt棒831c等は、上記外部電源9cの正極側に
接続されている。但し、内槽部8A内に配置されたPt
棒831c、832cと上記外部電源9cの正極側と、
を接続する配線中には、所定の可変抵抗98cが配置さ
れている。
【0051】そして、所定の供給用ロールに巻かれた上
記基材7cを、第3ロール部材84cまで搬送する。こ
のとき、同基材7cの表面側が下方側を、裏面側が上方
側を向いて搬送されている。更に、この様に搬送された
基材7cは、2つの開口部181c及び182cを通過
しながら、電解めっき液内を略U字状の移動経路を描き
ながら通過して上記各部位711c〜715c、72c
に電解めっきが施される。
【0052】このとき、上記可変抵抗98cを適宜、操
作することによって、内槽部8A内のPt棒831c、
832cと、所定の給電ブラシ(図示しない。)との間
を流れる電流値を変化させることができる。そして、同
電流値を低く抑えることにより、上記裏面側のめっき部
位72cに、過量のめっきが付着することを防止でき、
最適なめっき厚を得ることができる。
【0053】尚、本実施例において、内槽部8Aでな
く、外槽部8BのPt棒834c等に接続される配線中
に可変抵抗を配置しても、両槽部8A、8BのPt棒8
31c、834c等に接続される配線中に配置してもよ
い。また、この様なめっき厚の制御を行う手段は、上記
可変抵抗に限るものではなく、例えば、上記流入口d1
〜d2 よりめっき槽81c内に流入するめっき液の量を
制御する手段等であってもよい。
【0054】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
上記実施例1の装置ではめっき槽内に吊り下げる方式と
し、実施例2の部材ではめっき槽の内壁に取着する方式
としたが、各実施例が互いに逆の方式をとってもよい。
また、実施例1及び2を組み合わせためっき装置、部材
を用いてもよく、例えば、実施例1のめっき槽内に可変
抵抗に接続されたアノードを配置することもできる。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法、遮蔽
装置等によれば、被めっき物となる基材の表面側と裏面
側に、めっき厚の規格差がある場合や、被めっき部位の
面積に大きな差がある場合でも、これに的確に対応する
ことができる。従って、最終製品の性能の向上に寄与す
ると共に、金めっき等のコストを低減(約20〜30%
低減)でき、製品コストを大幅に下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の遮蔽装置の斜視図である。
【図2】実施例1の遮蔽装置の一部横断面図である。
【図3】実施例1の遮蔽装置の一部縦断面図である。
【図4】実施例1の遮蔽装置の平面図である。
【図5】実施例1で用いた長尺状プリント配線基材の一
部平面図である。
【図6】実施例1で用いた長尺状プリント配線基材に形
成された導体回路パターン及びめっきリードを示す一部
平面図である。
【図7】実施例1の遮蔽装置をめっき槽内に配置した状
態を示す概略図である。
【図8】実施例1に於けるめっき厚の測定結果を示すグ
ラフである。
【図9】従来品に係わる遮蔽板をめっき槽内に配置した
状態を示す概略図である。
【図10】実施例2の仕切り部材をめっき槽に装着した
状態を示す縦断面図である。
【図11】実施例2の仕切り部材をめっき槽に装着した
状態を示す横断面図である。
【図12】実施例2の仕切り部材をめっき槽の内部に装
着した状態を示す概略図である。
【図13】実施例2で用いた長尺状プリント配線基材に
形成された導体回路パターン及びめっきリードを示す一
部平面図である〔(a)が表面側、(b)が裏面側であ
る。〕。
【符号の説明】
11;第1枠状体、12;第2枠状体、111、11
2、121、122;窓部、115a、116a、12
5a、126a;溝部、115、116、125、12
6;突起部、171;第1案内溝、181;第1めっき
処理部、181a;第1開口面、21;第1側板、2
2;第2側板、3;中板、4;底板、5;密閉部、5
1、52;ローラ部材、61;導入口、62;導出口、
7;基材、711、712、721、722、731、
732;導体回路パターン列、71〜73;導体回路パ
ターン列群、751〜756;内側スプロケット孔、7
6;めっきリード、181c、182c;めっき処理用
開口部、21c〜24c;仕切り側板、211c、22
1c、231c、241c;溝部、8A;内槽部、8
B;外槽部、711c〜715c、72c;被めっき部
位、831c〜834c;Pt棒、9c;外部電源。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏両面に所定の被めっき部位を備える
    導体回路パターンが長手方向に沿って少なくとも1列以
    上連続配置され、且つ、所定の陰極側給電部及び該各導
    体回路パターンを電気的に導通させるためのめっきリー
    ドと、該各導体回路パターン及び該めっきリードの存在
    しない位置に適宜形成された貫通孔と、を備える長尺状
    プリント配線板用基材を、めっき槽中に収納された電解
    めっき液中を所定の移動経路に沿って通過させながら上
    記各被めっき部位に連続的に電解めっきを行い長尺状プ
    リント配線板を製造する方法であって、 上記めっき槽内に、上記めっき液面の上方に配置され上
    記長尺状プリント配線板用基材を上記移動経路に搬入す
    る導入口と、同めっき液面の上方に配置され同長尺状プ
    リント配線板用基材を同移動経路より搬出する導出口
    と、同移動経路上の少なくとも一部で同経路を通過する
    長尺状プリント配線板用基材の表裏一方の面のみを長手
    方向に沿った開口部で露出しながら上記電解めっき液に
    接触させると共に、該長尺状プリント配線板用基材の表
    裏他方の面を略密閉した状態で上記電解めっき液に接触
    させる略樋形状のめっき処理部と、を備え、該開口部、
    上記導入口及び導出口以外では、上記長尺状プリント配
    線板用基材を露出させない状態で上記移動経路に沿って
    上記電解めっき液中を通過させるめっき用遮蔽装置を配
    置し、 上記長尺状プリント配線板用基材の上記開口部で露出す
    る面と、その裏面側の面とでめっき厚が異なることを特
    徴とする長尺状プリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記めっき処理部には、上記長尺状プリ
    ント配線板用基材の移動経路を描きながら、該長尺状プ
    リント配線板用基材の長手方向に沿った両端面側部分を
    通過可能な状態にて保持する一対の案内溝が形成され、 上記導入口付近及び上記導出口付近には、ローラ部材が
    配置され、且つ、これらのローラ部材の少なくとも一方
    を用いて同プリント配線板用基材への給電が行われる請
    求項1記載のプリント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 表裏両面に所定の被めっき部位を備える
    導体回路パターンが長手方向に沿って少なくとも1列以
    上連続配置され、且つ、所定の陰極側給電部及び該各導
    体回路パターンを電気的に導通させるためのめっきリー
    ドと、該各導体回路パターン及び該めっきリードの存在
    しない位置に適宜形成された貫通孔と、を備える長尺状
    プリント配線板用基材を、めっき槽中に収納された電解
    めっき液中を所定の移動経路に沿って通過させながら上
    記各被めっき部位に連続的に電解めっきを行う際に、該
    めっき槽内に配置してめっき厚の調整を行うためのめっ
    き用遮蔽装置であって、 上記めっき液面の上方に配置され上記長尺状プリント配
    線板用基材を上記移動経路に搬入する導入口と、同めっ
    き液面の上方に配置され同長尺状プリント配線板用基材
    を同移動経路より搬出する導出口と、同移動経路上の少
    なくとも一部で同経路を通過する長尺状プリント配線板
    用基材の表裏一方の面のみを長手方向に沿った開口部で
    露出しながら上記電解めっき液に接触させると共に、該
    長尺状プリント配線板用基材の表裏他方の面を略密閉し
    た状態で上記電解めっき液に接触させる略樋形状のめっ
    き処理部と、を備え、該開口部、上記導入口及び導出口
    以外では、上記長尺状プリント配線板用基材を露出させ
    ない状態で上記移動経路に沿って上記電解めっき液中を
    通過させる略樋形状で、且つ、同移動経路を描きなが
    ら、該長尺状プリント配線板用基材の長手方向に沿った
    両端面側部分を通過可能な状態にて保持する一対の案内
    溝が形成されためっき処理部と、を備え、該開口部、上
    記導入口及び導出口以外では、上記長尺状プリント配線
    板用基材を露出させない状態で上記移動経路に沿って上
    記電解めっき液中を通過させ同長尺状プリント配線板用
    基材の上記開口部で露出する面と、その裏面側の面とで
    めっき厚が異なることを特徴とするめっき用遮蔽装置。
  4. 【請求項4】 表裏両面に所定の被めっき部位を備える
    導体回路パターンが長手方向に沿って少なくとも1列以
    上連続配置され、且つ、所定の陰極側給電部及び該各導
    体回路パターンを電気的に導通させるためのめっきリー
    ドを備える長尺状プリント配線板用基材を、めっき槽中
    に収納された電解めっき液中を所定の移動経路に沿って
    通過させながら上記各被めっき部位に連続的に電解めっ
    きを行い長尺状プリント配線板を製造する方法であっ
    て、 上記めっき槽の内部に、上記移動経路を通過する長尺状
    プリント配線板用基材と共に、同内部を内槽部と外槽部
    とに略仕切ることとなるめっき用仕切り部材を配置し、
    該めっき用仕切り部材は、同長尺状プリント配線板用基
    材の長手方向に沿った両端側を通過可能な様に保持し、
    且つ、上記移動経路上の少なくとも一部で、同移動経路
    上を通過する長尺状プリント配線板用基材の表裏一方の
    面を上記内槽部側に露出すると共に、同長尺状プリント
    配線板用基材の表裏他方の面を上記外槽部側に露出する
    めっき処理用開口部を備え、 更に、上記内槽部内及び上記外槽部内に、所定の外部電
    源の正極側に接続されたアノードをそれぞれ別個に配置
    して、該内槽部内に配置されるアノードと上記陰極側給
    電部との間を流れる電流値、及び上記外槽部内に配置さ
    れるアノードと上記陰極側給電部との間を流れる電流値
    を、それぞれ別個に制御して、上記長尺状プリント配線
    板用基材の表面側及び裏面側のめっき厚をそれぞれ別個
    に調整することを特徴とする長尺状プリント配線板の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 上記移動経路のうちの少なくとも上記め
    っき処理用開口部の位置する部分には、上記長尺状プリ
    ント配線板用基材の移動経路を描きながら、該長尺状プ
    リント配線板用基材の長手方向に沿った両端面側部分を
    通過可能な状態にて保持する一対の案内溝が形成され、 同長尺状プリント配線板用基材の上記めっき液中への導
    入口及び同めっき液中からの導出口付近の上記めっき液
    面の上方には、ローラ部材が配置され、これらのローラ
    部材の少なくとも一方を用いて同プリント配線板用基材
    への給電が行われる請求項4記載の長尺状プリント配線
    板の製造方法。
  6. 【請求項6】 所定の電解めっき液が収納されるめっき
    槽と、所定の外部電源の正極側に接続され、且つ、めっ
    き槽に配置されるアノードと、該外部電源の負極側に接
    続され、且つ、上記電解めっき槽の外部若しくは上記電
    解めっき液の液面上に配置される陰極側給電部と、を備
    え、上記電解めっき液中を所定の移動経路に沿って、表
    裏両面に所定の被めっき部位の配置された導体回路パタ
    ーンが長手方向に沿って少なくとも1列以上連続配置さ
    れ、且つ、上記陰極側給電部と該各導体回路パターンと
    を電気的に導通させるためのめっきリードを有する長尺
    状プリント配線板用基材を通過させながら上記各被めっ
    き部位に連続的に電解めっきを行う長尺状プリント配線
    板用基材のめっき装置であって、 上記めっき槽の内部に、上記移動経路を通過する長尺状
    プリント配線板用基材と共に、同内部を内槽部と外槽部
    とに略仕切ることとなるめっき用仕切り部材を配置し、
    該めっき用仕切り部材は、同長尺状プリント配線板用基
    材の長手方向に沿った両端側を通過可能な様に保持し、
    且つ、上記移動経路上の少なくとも一部で、同移動経路
    上を通過する長尺状プリント配線板用基材の表裏一方の
    面を上記内槽部側に露出すると共に、同長尺状プリント
    配線板用基材の表裏他方の面を上記外槽部側に露出する
    めっき処理用開口部を備え、 更に、上記内槽部内及び上記外槽部内に、所定の外部電
    源の正極側に接続されたアノードをそれぞれ別個に配置
    して、該内槽部内に配置されるアノードと上記陰極側給
    電部との間を流れる電流値、及び上記外槽部内に配置さ
    れるアノードと上記陰極側給電部との間を流れる電流値
    を、それぞれ別個に制御して、上記長尺状プリント配線
    板用基材の表面側及び裏面側のめっき厚をそれぞれ別個
    に調整する制御手段を備えることを特徴とする長尺状プ
    リント配線板のめっき装置。
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