JPH07145561A - セルロース繊維材料の処理剤およびその処理方法 - Google Patents
セルロース繊維材料の処理剤およびその処理方法Info
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- JPH07145561A JPH07145561A JP6182998A JP18299894A JPH07145561A JP H07145561 A JPH07145561 A JP H07145561A JP 6182998 A JP6182998 A JP 6182998A JP 18299894 A JP18299894 A JP 18299894A JP H07145561 A JPH07145561 A JP H07145561A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 加工後のセルロース繊維材料中にホルマリン
を含まないウオッシュアンド ウェアーセット加工が可
能で、強度の保持、変色防止及びフィブリレーションを
防止したセルロース繊維材料の処理剤及びその処理方法
を提供する。 【構成】 下記の一般式(I)で示される水溶性のリン
のオキソ酸ホスホニウム塩とポリカルボン酸を有効成分
として含有するセルロース繊維材料の処理剤。該処理剤
の水溶液にセルロース繊維材料を浸漬処理する第1工
程、次いで処理されたセルロース繊維材料を脱水後加熱
してキュアリング処理する第2工程からなるセルロース
繊維材料の処理方法。 【化1】 (R1 :炭素数2〜10のヒドロキシルアルキル基、R
2 ,R3 :炭素数2〜10のアルキル基又はヒドロキシ
ルアルキル基、X:リンのオキソ酸イオン)
を含まないウオッシュアンド ウェアーセット加工が可
能で、強度の保持、変色防止及びフィブリレーションを
防止したセルロース繊維材料の処理剤及びその処理方法
を提供する。 【構成】 下記の一般式(I)で示される水溶性のリン
のオキソ酸ホスホニウム塩とポリカルボン酸を有効成分
として含有するセルロース繊維材料の処理剤。該処理剤
の水溶液にセルロース繊維材料を浸漬処理する第1工
程、次いで処理されたセルロース繊維材料を脱水後加熱
してキュアリング処理する第2工程からなるセルロース
繊維材料の処理方法。 【化1】 (R1 :炭素数2〜10のヒドロキシルアルキル基、R
2 ,R3 :炭素数2〜10のアルキル基又はヒドロキシ
ルアルキル基、X:リンのオキソ酸イオン)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルロース繊維材料の
処理剤およびその処理方法に関するものである。
処理剤およびその処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維材料は、材質の如何にかかわ
らず、防縮、防しわ等の形態安定性、耳巻き防止、形く
ずれ防止、ひだつけ加工、硬化仕上げ、弾力性改善、腰
改善、風合い改良などの目的でセット又はセッティング
と称される形態固定加工が実施されている。(「染色工
業」41,195〜214頁,1993年)
らず、防縮、防しわ等の形態安定性、耳巻き防止、形く
ずれ防止、ひだつけ加工、硬化仕上げ、弾力性改善、腰
改善、風合い改良などの目的でセット又はセッティング
と称される形態固定加工が実施されている。(「染色工
業」41,195〜214頁,1993年)
【0003】防縮、防しわ等の形態安定性を目的とする
ウオッシュ アンド ウェアー(以下、w/wと記す)
セット加工は繊維内部の破壊と再結合が効果的に行われ
る必要があり、その手段としては、化学的方法および熱
的方法などの方法がある。
ウオッシュ アンド ウェアー(以下、w/wと記す)
セット加工は繊維内部の破壊と再結合が効果的に行われ
る必要があり、その手段としては、化学的方法および熱
的方法などの方法がある。
【0004】化学的方法とは、化学薬品を用いて繊維内
部の破壊と再結合を行うものであり、例えば木綿のシル
ケット加工、ポリエステルのフェノール処理、羊毛のジ
サルファイド結合の開裂・再結合によるセットなどが挙
げられる。熱的方法は、加熱による繊維内部の結合の破
壊と再結合を行うもので、ポリエステル、ナイロンなど
の合成繊維のセット方法である。
部の破壊と再結合を行うものであり、例えば木綿のシル
ケット加工、ポリエステルのフェノール処理、羊毛のジ
サルファイド結合の開裂・再結合によるセットなどが挙
げられる。熱的方法は、加熱による繊維内部の結合の破
壊と再結合を行うもので、ポリエステル、ナイロンなど
の合成繊維のセット方法である。
【0005】現在のところ、セルロース繊維のw/wセ
ット加工は、樹脂加工によるものが多く行われている。
樹脂加工は、樹脂をセルロース繊維の非結晶部分に固定
するか、又は架橋結合させる作用機構が主体となってお
り、縮合型とセルロース反応型等の化学的方法がある。
ット加工は、樹脂加工によるものが多く行われている。
樹脂加工は、樹脂をセルロース繊維の非結晶部分に固定
するか、又は架橋結合させる作用機構が主体となってお
り、縮合型とセルロース反応型等の化学的方法がある。
【0006】縮合型は尿素ホルマリン樹脂、メラミン樹
脂などを用いた歴史的な樹脂加工であるが、加工時およ
び加工後のセルロース繊維材料から、発がん物質である
ホルマリンを多量に発生する欠点がある。そのために、
WHOなどから規制が提案されて、高ホルマリン型の樹
脂からジメチロールジハイドロオキシエチレン尿素樹
脂、グリオキザール樹脂などの低ホルマリン型へ関心が
移ってきた。
脂などを用いた歴史的な樹脂加工であるが、加工時およ
び加工後のセルロース繊維材料から、発がん物質である
ホルマリンを多量に発生する欠点がある。そのために、
WHOなどから規制が提案されて、高ホルマリン型の樹
脂からジメチロールジハイドロオキシエチレン尿素樹
脂、グリオキザール樹脂などの低ホルマリン型へ関心が
移ってきた。
【0007】低ホルマリン型はホルマリンの発生が少い
というだけで、発生が全くないわけではない。ホルマリ
ンの発がん性が世に知られるにつれて、ノンホルマリン
型のw/wセット加工の研究が進んできた。
というだけで、発生が全くないわけではない。ホルマリ
ンの発がん性が世に知られるにつれて、ノンホルマリン
型のw/wセット加工の研究が進んできた。
【0008】一方、セルロース反応型は、アメリカ合衆
国ではセルロースとの重合架橋方式によるノンホルマリ
ン型w/wセツト加工の研究が早くから行われてきた。
例えば、Southern Rogional Res
earch CenterU.S.Departmen
t of Agriculture(以下、SRRCと
略称する)が主体となって進められてきたポリカルボン
酸を用いてセルロースに重合架橋することで、完全にノ
ンホルマリン型のw/wセット加工を行おうとする方法
がある。
国ではセルロースとの重合架橋方式によるノンホルマリ
ン型w/wセツト加工の研究が早くから行われてきた。
例えば、Southern Rogional Res
earch CenterU.S.Departmen
t of Agriculture(以下、SRRCと
略称する)が主体となって進められてきたポリカルボン
酸を用いてセルロースに重合架橋することで、完全にノ
ンホルマリン型のw/wセット加工を行おうとする方法
がある。
【0009】ポリカルボン酸をセルロースの架橋に用い
る試みの歴史は、AmericanDyestuff
Reporters 52,300〜303頁、(19
63年)に、エステル化触媒を使用しない方法で、ポリ
カルボン酸を用いてセルロースにエステル化架橋するこ
とが発表されたのが最初である。その後、Textil
e Research Journal 34,331
〜336頁(1964年)には、コハク酸などを用いて
溶剤中でエステル化架橋する方法が、同文献35,26
0〜270頁,(1965年)には、マロン酸を用いる
方法、同文献37,933〜941頁,(1967年)
および同文献38,634〜643頁,(1968年)
には、SRRCによりポリカルボン酸がセルロースの重
合架橋に有効であることが発表されている。
る試みの歴史は、AmericanDyestuff
Reporters 52,300〜303頁、(19
63年)に、エステル化触媒を使用しない方法で、ポリ
カルボン酸を用いてセルロースにエステル化架橋するこ
とが発表されたのが最初である。その後、Textil
e Research Journal 34,331
〜336頁(1964年)には、コハク酸などを用いて
溶剤中でエステル化架橋する方法が、同文献35,26
0〜270頁,(1965年)には、マロン酸を用いる
方法、同文献37,933〜941頁,(1967年)
および同文献38,634〜643頁,(1968年)
には、SRRCによりポリカルボン酸がセルロースの重
合架橋に有効であることが発表されている。
【0010】また、Textile Chemist
and Colourist 21,13〜17頁(1
989年)には、リンを含む無機酸のアルカリ金属塩を
触媒として用いて、ポリカルボン酸をセルロースに重合
架橋して完全なノンホルマリン型w/wセット加工を行
う方法がSRRCから発表され、特許出願された。(W
O89/12714、公表特許公報平3−50307
2) また、Textile Research Journ
al 62,614〜618頁(1992年)には、マ
レイン酸とイタコン酸を用い、重合架橋の開始剤として
過硫酸カリウムを併用する方法が発表された。それら
は、いずれもリンを含む無機酸のアルカリ土類金属塩を
触媒とするノンホルマリン型の方法である。
and Colourist 21,13〜17頁(1
989年)には、リンを含む無機酸のアルカリ金属塩を
触媒として用いて、ポリカルボン酸をセルロースに重合
架橋して完全なノンホルマリン型w/wセット加工を行
う方法がSRRCから発表され、特許出願された。(W
O89/12714、公表特許公報平3−50307
2) また、Textile Research Journ
al 62,614〜618頁(1992年)には、マ
レイン酸とイタコン酸を用い、重合架橋の開始剤として
過硫酸カリウムを併用する方法が発表された。それら
は、いずれもリンを含む無機酸のアルカリ土類金属塩を
触媒とするノンホルマリン型の方法である。
【0011】次に、ホスホニウム塩をセルロース繊維の
加工に用いる方法は、最初はCanadian Jou
rnal of Chemistry 41,821〜
825(1963年)の報告に始まる。これらは、セル
ロース繊維の難燃加工に関するもので、アミン類又はア
ンモニアとの反応が難燃ポリマー生成の鍵となるものが
多い。その他、難燃に関する特許も、又、それらの実用
化も数多い。
加工に用いる方法は、最初はCanadian Jou
rnal of Chemistry 41,821〜
825(1963年)の報告に始まる。これらは、セル
ロース繊維の難燃加工に関するもので、アミン類又はア
ンモニアとの反応が難燃ポリマー生成の鍵となるものが
多い。その他、難燃に関する特許も、又、それらの実用
化も数多い。
【0012】難燃加工以外のセルロース繊維への応用例
は、Textile Research Journa
l 51,529〜537頁(1982年)に、ノルマ
ルメチロールアクリルアマイドを用いてセルロース繊維
をw/wセット加工するときの、フリーラジカル重合の
開始剤として、過硫酸塩に替えてテトラキスヒドロキシ
メチルホスホニウムサルフェート、又はテトラキスヒド
ロキシメチルホスホニウムホスフェートを用いることが
報告されている。この趣旨は、ノルマルメチロールアク
リルアマイドを繊維上で重合せしめるとき、触媒的使用
量の範囲にある極めて少量の(例えば、サルフェートで
0.93%、ホスフェートで0.49%)ホスホニウム
塩を用いることで、水中の溶存酸素による重合障害を防
止して、重合効率を向上せしめ、w/wセット加工効果
を確保することにある。
は、Textile Research Journa
l 51,529〜537頁(1982年)に、ノルマ
ルメチロールアクリルアマイドを用いてセルロース繊維
をw/wセット加工するときの、フリーラジカル重合の
開始剤として、過硫酸塩に替えてテトラキスヒドロキシ
メチルホスホニウムサルフェート、又はテトラキスヒド
ロキシメチルホスホニウムホスフェートを用いることが
報告されている。この趣旨は、ノルマルメチロールアク
リルアマイドを繊維上で重合せしめるとき、触媒的使用
量の範囲にある極めて少量の(例えば、サルフェートで
0.93%、ホスフェートで0.49%)ホスホニウム
塩を用いることで、水中の溶存酸素による重合障害を防
止して、重合効率を向上せしめ、w/wセット加工効果
を確保することにある。
【0013】また、Textile Research
Journal 35,291〜298頁(1965
年)には、トリスノルマルメチロールカルバモイルエチ
ルホスフィンおよびルイス酸触媒として硝酸亜鉛と塩化
マグネシウムを用いて、木綿繊維に約10%以上吸収せ
しめ、140〜170℃でキュアリングする方法で高度
の防しわ性に加えて中程度の難燃性が得られることが報
告されている。
Journal 35,291〜298頁(1965
年)には、トリスノルマルメチロールカルバモイルエチ
ルホスフィンおよびルイス酸触媒として硝酸亜鉛と塩化
マグネシウムを用いて、木綿繊維に約10%以上吸収せ
しめ、140〜170℃でキュアリングする方法で高度
の防しわ性に加えて中程度の難燃性が得られることが報
告されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セルロ
ース繊維のw/wセット加工において、発がん性のホル
マリンの発生をきらって、現実の加工の主流は、低ホル
マリン型へ移行する経過を辿ったが、低ホルマリン型よ
りはノンホルマリン型が求められるのは明らかである。
ース繊維のw/wセット加工において、発がん性のホル
マリンの発生をきらって、現実の加工の主流は、低ホル
マリン型へ移行する経過を辿ったが、低ホルマリン型よ
りはノンホルマリン型が求められるのは明らかである。
【0015】低ホルマリン型樹脂加工は、ルイス酸触媒
などを用いて加工することが必要なので、セルロースの
強度低下を招く。これは、セルロース分子の分解による
もので、強度の低下は50%にも及ぶことがある。ま
た、セルロース分子の分解は、強度を低下させるに止ま
らず、繊維を変色させることがある。
などを用いて加工することが必要なので、セルロースの
強度低下を招く。これは、セルロース分子の分解による
もので、強度の低下は50%にも及ぶことがある。ま
た、セルロース分子の分解は、強度を低下させるに止ま
らず、繊維を変色させることがある。
【0016】例えば、前述の公表特許公報平3−503
072には、セルロース繊維のw/wセット加工による
黄ばみ、又は変色についての記述がある。具体的には、
180℃,90秒のキュアリングで黄変することが記載
されている。
072には、セルロース繊維のw/wセット加工による
黄ばみ、又は変色についての記述がある。具体的には、
180℃,90秒のキュアリングで黄変することが記載
されている。
【0017】また、ジメチロールジハイドロオキシエチ
レン尿素によるセルロース繊維のw/wセット加工方法
では、160℃で80秒のキュアリングで、白物がオフ
ホワイトに変色することが知られている。
レン尿素によるセルロース繊維のw/wセット加工方法
では、160℃で80秒のキュアリングで、白物がオフ
ホワイトに変色することが知られている。
【0018】因みに、前述のTextile Rese
arch Journal 62,614〜618頁
(1992年)には、結論(Conclusion)の
記載によれば、前記のノンホルマリン型の方法でw/w
セット加工して得られるセルロース繊維の白度は、ジメ
チロールジハイドロオキシエチレン尿素でw/wセット
加工して得られるのと同等である旨の記載がある。
arch Journal 62,614〜618頁
(1992年)には、結論(Conclusion)の
記載によれば、前記のノンホルマリン型の方法でw/w
セット加工して得られるセルロース繊維の白度は、ジメ
チロールジハイドロオキシエチレン尿素でw/wセット
加工して得られるのと同等である旨の記載がある。
【0019】又、ある種のセルロース繊維、例えば分類
上では、その他のセルロース繊維に属するテンセルで
は、着用時のこすれ磨耗が原因で、繊維表面に微細なフ
ィブリルが発生して、フィブリレーションと呼ばれる毛
羽立ち現象となることがある。フィブリレーションで
は、染色物は部分的変色となって観察されるので、商品
によっては見苦しい外観を示すことがある。
上では、その他のセルロース繊維に属するテンセルで
は、着用時のこすれ磨耗が原因で、繊維表面に微細なフ
ィブリルが発生して、フィブリレーションと呼ばれる毛
羽立ち現象となることがある。フィブリレーションで
は、染色物は部分的変色となって観察されるので、商品
によっては見苦しい外観を示すことがある。
【0020】防縮、防しわ等による形態安定性の他に耳
巻き防止、形くずれ防止,ひだつけ,硬仕上げ,弾力性
改善,腰改善,風合い改善などがw/wセット加工の一
般的目的であるが、発がん性につながるホルマリンを全
く無くすこと、加工後の強度の保持、変色防止、フィブ
リレーション防止が重要な課題となっている。
巻き防止、形くずれ防止,ひだつけ,硬仕上げ,弾力性
改善,腰改善,風合い改善などがw/wセット加工の一
般的目的であるが、発がん性につながるホルマリンを全
く無くすこと、加工後の強度の保持、変色防止、フィブ
リレーション防止が重要な課題となっている。
【0021】本発明の目的は、上記の従来の課題を解決
するためになされたものであり、w/wセット加工時に
おいてホルマリンを放出する物質を使用することなく、
又加工後のセルロース繊維材料中に、ホルマリンを全く
含まないw/wセット加工、即ちノンホルマリン型加工
が可能で、加工後のセルロース繊維材料の強度の保持、
変色防止およびフィブリレーションを防止することがで
きるセルロース繊維材料の処理剤およびその処理方法を
提供することにある。
するためになされたものであり、w/wセット加工時に
おいてホルマリンを放出する物質を使用することなく、
又加工後のセルロース繊維材料中に、ホルマリンを全く
含まないw/wセット加工、即ちノンホルマリン型加工
が可能で、加工後のセルロース繊維材料の強度の保持、
変色防止およびフィブリレーションを防止することがで
きるセルロース繊維材料の処理剤およびその処理方法を
提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、水溶性
のリンのオキソ酸ホスホニウム塩とポリカルボン酸を有
効成分として含有することを特徴とするセルロース繊維
材料の処理剤である。
のリンのオキソ酸ホスホニウム塩とポリカルボン酸を有
効成分として含有することを特徴とするセルロース繊維
材料の処理剤である。
【0023】また、本発明は、前記セルロース繊維材料
の処理剤の水溶液にセルロース繊維材料を浸漬処理する
第1工程、次いで処理されたセルロース繊維材料を脱水
後加熱してキユアリング処理する第2工程からなること
を特徴とするセルロース繊維材料の処理方法である。
の処理剤の水溶液にセルロース繊維材料を浸漬処理する
第1工程、次いで処理されたセルロース繊維材料を脱水
後加熱してキユアリング処理する第2工程からなること
を特徴とするセルロース繊維材料の処理方法である。
【0024】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
セルロース繊維材料の処理剤は、水溶性のリンのオキソ
酸ホスホニウム塩とポリカルボン酸を有効成分として含
有する水溶液からなるものである。
セルロース繊維材料の処理剤は、水溶性のリンのオキソ
酸ホスホニウム塩とポリカルボン酸を有効成分として含
有する水溶液からなるものである。
【0025】本発明のセルロース繊維材料の処理剤に含
有される水溶性のリンのオキソ酸ホスホニウム塩は、次
の一般式(I)
有される水溶性のリンのオキソ酸ホスホニウム塩は、次
の一般式(I)
【0026】
【化2】
【0027】(式中、R1 は炭素原子数2〜10のヒド
ロキシルアルキル基、R2 ,R3 は炭素原子数2〜10
のアルキル基又はヒドロキシルアルキル基、Xはリンの
オキソ酸イオンを表わす)で示される化合物が好まし
い。
ロキシルアルキル基、R2 ,R3 は炭素原子数2〜10
のアルキル基又はヒドロキシルアルキル基、Xはリンの
オキソ酸イオンを表わす)で示される化合物が好まし
い。
【0028】上記一般式(I)において、R1 は炭素原
子数2〜10、好ましくは2〜8のヒドロキシルアルキ
ル基を示す。その具体例としては、ヒドロキシエチル
基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒド
ロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシ
オクチル基などが挙げられる。
子数2〜10、好ましくは2〜8のヒドロキシルアルキ
ル基を示す。その具体例としては、ヒドロキシエチル
基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒド
ロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシ
オクチル基などが挙げられる。
【0029】また、R2 ,R3 は炭素原子数2〜10、
好ましくは2〜8のアルキル基又はヒドロキシルアルキ
ル基を示す。その具体例としては、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基な
どのアルキル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロ
ピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、
ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシオクチル基などのヒ
ドロキシルアルキル基が挙げられる。
好ましくは2〜8のアルキル基又はヒドロキシルアルキ
ル基を示す。その具体例としては、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基な
どのアルキル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロ
ピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、
ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシオクチル基などのヒ
ドロキシルアルキル基が挙げられる。
【0030】上記一般式(I)において、Xはリンのオ
キソ酸イオンを表わし、その具体例としては、次亜リン
酸イオン,亜リン酸イオン,正リン酸イオン,ピロリン
酸イオン,ポリリン酸イオン,ヒドロキシエチリデンジ
ホスホン酸イオン、アミノトリスメチレンホスホン酸イ
オン、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸イオ
ンなどが挙げられる。
キソ酸イオンを表わし、その具体例としては、次亜リン
酸イオン,亜リン酸イオン,正リン酸イオン,ピロリン
酸イオン,ポリリン酸イオン,ヒドロキシエチリデンジ
ホスホン酸イオン、アミノトリスメチレンホスホン酸イ
オン、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸イオ
ンなどが挙げられる。
【0031】また、上記一般式(I)の化合物は次の
(2)式で表わされるヒドロキシアルキルホスフィン
(2)式で表わされるヒドロキシアルキルホスフィン
【0032】
【化3】 (式中、R1 ,R2 およびR3 は上記と同義であ
る)とリンのオキソ酸との反応によって得られ、これは
恰もアンモニアとリンのオキソ酸との反応によって得ら
れるアンモニウム塩と類似している。
る)とリンのオキソ酸との反応によって得られ、これは
恰もアンモニアとリンのオキソ酸との反応によって得ら
れるアンモニウム塩と類似している。
【0033】なお、この場合、上記(2)式のヒドロキ
シアルキルホスフィンは必要に応じ誘導体であるエチレ
ンオキシドやプロピレンオキシドの如きアルキレンオキ
シドの付加物(付加モル数としては1〜5の範囲のも
の)であってもよい。従って、本発明における水溶性の
リンのオキソ酸ホスホニウム塩としては、上記に挙げた
ほかに他のものとしてアルキレン付加物も含みうる。
シアルキルホスフィンは必要に応じ誘導体であるエチレ
ンオキシドやプロピレンオキシドの如きアルキレンオキ
シドの付加物(付加モル数としては1〜5の範囲のも
の)であってもよい。従って、本発明における水溶性の
リンのオキソ酸ホスホニウム塩としては、上記に挙げた
ほかに他のものとしてアルキレン付加物も含みうる。
【0034】また、上記一般式(I)に係る化合物の上
記反応から言えば、(2)式で表わされるヒドロキシア
ルキルホスフィンは、特にトリスヒドロキシエチルホス
フィン、トリスヒドロキシプロピルホスフィン、トリス
ヒドロキシブチルホスフィン等が好ましい。
記反応から言えば、(2)式で表わされるヒドロキシア
ルキルホスフィンは、特にトリスヒドロキシエチルホス
フィン、トリスヒドロキシプロピルホスフィン、トリス
ヒドロキシブチルホスフィン等が好ましい。
【0035】このように一般式(I)に係る化合物は、
酸と塩基の反応生成物であるが、その量的関係は必ずし
も量論的関係にある正塩でなくてもよく、ホスホニウム
イオン又は/及び(2)式のヒドロキシアルキルホスフ
ィンあるいはリンのオキソ酸イオンが少過剰の弱塩基性
塩または弱酸性塩であってもよい。
酸と塩基の反応生成物であるが、その量的関係は必ずし
も量論的関係にある正塩でなくてもよく、ホスホニウム
イオン又は/及び(2)式のヒドロキシアルキルホスフ
ィンあるいはリンのオキソ酸イオンが少過剰の弱塩基性
塩または弱酸性塩であってもよい。
【0036】なお、一般式(I)で表わされる水溶性の
リンのオキソ酸ホスホニウム塩の好ましい例を挙げる
と、トリスヒドロキシプロピルホスホニウムホスフィネ
ート、トリスヒドロキシブチルホスホニウムホスフィネ
ート、トリスヒドロキシエチルホスホニウムプロピルア
シドホスフェート、トリスヒドロキシエチルホスホニウ
ムホスファイト等が挙げられる。
リンのオキソ酸ホスホニウム塩の好ましい例を挙げる
と、トリスヒドロキシプロピルホスホニウムホスフィネ
ート、トリスヒドロキシブチルホスホニウムホスフィネ
ート、トリスヒドロキシエチルホスホニウムプロピルア
シドホスフェート、トリスヒドロキシエチルホスホニウ
ムホスファイト等が挙げられる。
【0037】次に、本発明のセルロース繊維材料の処理
剤に含有されるポリカルボン酸には、カルボキシル基を
2箇以上含む酸が用いられる。その具体例を示すと、ジ
カルボン酸としては、マロン酸、イタコン酸、コハク
酸、アジピン酸、マレイン酸、フタール酸、イソフタル
酸、テレフタル酸が挙げられる。トリカルボン酸として
は、1,2,3−プロパントリカルボン酸、クエン酸、
アコニット酸、ニトリロトリ酢酸、1,2,3−ベンゼ
ントリカルボン酸、トリメリット酸が挙げられる。テト
ラカルボン酸としては、1,2,3,4−ブタンテトラ
カルボン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、1,2,
3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、ピロメリッ
ト酸、3,3′,3,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸
が挙げられる。ヘキサカルボン酸としては、メリット酸
が挙げられる。これらのポリカルボン酸は一種又は二種
以上の組み合わせで用いられる。
剤に含有されるポリカルボン酸には、カルボキシル基を
2箇以上含む酸が用いられる。その具体例を示すと、ジ
カルボン酸としては、マロン酸、イタコン酸、コハク
酸、アジピン酸、マレイン酸、フタール酸、イソフタル
酸、テレフタル酸が挙げられる。トリカルボン酸として
は、1,2,3−プロパントリカルボン酸、クエン酸、
アコニット酸、ニトリロトリ酢酸、1,2,3−ベンゼ
ントリカルボン酸、トリメリット酸が挙げられる。テト
ラカルボン酸としては、1,2,3,4−ブタンテトラ
カルボン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、1,2,
3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、ピロメリッ
ト酸、3,3′,3,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸
が挙げられる。ヘキサカルボン酸としては、メリット酸
が挙げられる。これらのポリカルボン酸は一種又は二種
以上の組み合わせで用いられる。
【0038】次に、本発明のセルロース繊維材料の処理
剤に係る浸漬液に含有されるポリカルボン酸の濃度は、
使用するポリカルボン酸の溶解度および加工後の繊維に
求められる諸機能、例えば防縮性,防しわ性,耐磨耗
性,耐フィブリレーション性,腰弾力性,強度などの程
度によって定められるが、一般的には処理繊維重量に対
して1〜25重量%、好ましくは3〜15重量%の範囲
である。
剤に係る浸漬液に含有されるポリカルボン酸の濃度は、
使用するポリカルボン酸の溶解度および加工後の繊維に
求められる諸機能、例えば防縮性,防しわ性,耐磨耗
性,耐フィブリレーション性,腰弾力性,強度などの程
度によって定められるが、一般的には処理繊維重量に対
して1〜25重量%、好ましくは3〜15重量%の範囲
である。
【0039】また、処理剤の水溶液に含有される水溶性
のリンのオキソ酸ホスホニウム塩の濃度は、加工後の繊
維に求められる諸機能の程度によって定められるが、一
般的には処理繊維重量に対して1〜25重量%、好まし
くは3〜13重量%の範囲である。1重量%未満では重
合架橋効果に乏しく、25重量%を越えると風合いを損
い変色も著しく、また不経済となるので好ましくない。
のリンのオキソ酸ホスホニウム塩の濃度は、加工後の繊
維に求められる諸機能の程度によって定められるが、一
般的には処理繊維重量に対して1〜25重量%、好まし
くは3〜13重量%の範囲である。1重量%未満では重
合架橋効果に乏しく、25重量%を越えると風合いを損
い変色も著しく、また不経済となるので好ましくない。
【0040】また、本発明のセルロース繊維材料の処理
剤に係る浸漬液には、水溶性のリンのオキソ酸ホスホニ
ウム塩とポリカルボン酸の有効成分以外に助剤を用いる
ことができる。助剤には、例えば重合架橋を促進する目
的で過硫酸カリウムなどの過酸化物を開始剤として使用
するができる。又、処理繊維中に、処理浴中の薬品類を
充分吸収せしめる目的で、浸透剤を使用することもでき
る。浸透剤はアニオン系又は非イオン系の界面活性剤が
好ましい。更にセルロース繊維材料は、衣料用などで
は、柔軟な肌ざわりが好まれることが多いので処理浴中
に柔軟剤を使用しても差し支えない。柔軟剤には非イオ
ン性ポリエチレン系又はシリコン系の柔軟剤などが好ま
しい。
剤に係る浸漬液には、水溶性のリンのオキソ酸ホスホニ
ウム塩とポリカルボン酸の有効成分以外に助剤を用いる
ことができる。助剤には、例えば重合架橋を促進する目
的で過硫酸カリウムなどの過酸化物を開始剤として使用
するができる。又、処理繊維中に、処理浴中の薬品類を
充分吸収せしめる目的で、浸透剤を使用することもでき
る。浸透剤はアニオン系又は非イオン系の界面活性剤が
好ましい。更にセルロース繊維材料は、衣料用などで
は、柔軟な肌ざわりが好まれることが多いので処理浴中
に柔軟剤を使用しても差し支えない。柔軟剤には非イオ
ン性ポリエチレン系又はシリコン系の柔軟剤などが好ま
しい。
【0041】さらに、加工を施した後のセルロース繊維
の染色性及び/又は機能性を向上させる目的で、本発明
の処理剤の水溶液中に、トリエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、モノエタノールアミン、アミン(ヒドロ
キシメチル)アミノメタンおよびこれらの塩酸塩、ヒド
ロキシアルキルアミン、4級アンモニウム塩などの含窒
素化合物および/又はグリセロール、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコールなどのグリコール類などを
用いることもできる。
の染色性及び/又は機能性を向上させる目的で、本発明
の処理剤の水溶液中に、トリエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、モノエタノールアミン、アミン(ヒドロ
キシメチル)アミノメタンおよびこれらの塩酸塩、ヒド
ロキシアルキルアミン、4級アンモニウム塩などの含窒
素化合物および/又はグリセロール、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコールなどのグリコール類などを
用いることもできる。
【0042】これらの助剤は、過酸化物、界面活性剤、
含窒素化合物、グリコール類および柔軟剤から選ばれた
1種又は2種以上の組み合わせで用いられる。
含窒素化合物、グリコール類および柔軟剤から選ばれた
1種又は2種以上の組み合わせで用いられる。
【0043】また、これらの助剤の添加量は、使用する
薬剤の種類と物性、繊維の用途等によって異なるが、処
理繊維重量に対して過酸化物および柔軟剤では0.5〜
3重量%、界面活性剤では当初の浸漬液(建浴)濃度で
0.5〜2g/lおよび含窒素化合物とグリコール類は
1〜10重量%、好ましくは2〜6重量%の範囲が好ま
しい。
薬剤の種類と物性、繊維の用途等によって異なるが、処
理繊維重量に対して過酸化物および柔軟剤では0.5〜
3重量%、界面活性剤では当初の浸漬液(建浴)濃度で
0.5〜2g/lおよび含窒素化合物とグリコール類は
1〜10重量%、好ましくは2〜6重量%の範囲が好ま
しい。
【0044】本発明の処理剤で処理されるセルロース繊
維材料は、特に制限することなく一般のものを用いるこ
とができるが、例えばアンモニア法マーセライズ加工済
木綿、苛性ソーダ法マーセライズ加工済木綿、未処理木
綿、苛性ソーダ法マーセライズ加工済麻、未処理麻、ス
テープルファイバー(スフ),キュープラ,ポリノジッ
ク,ビスコースレーヨン等のレイヨン、テンセル、ポリ
エステル木綿混合繊維,木綿−レーヨン混合繊維,木綿
−麻混合繊維等の混合繊維、その他のセルロース系に属
する材料の一種又は二種以上の組み合わせからなるセル
ロース繊維を20%以上含む繊維材料である。
維材料は、特に制限することなく一般のものを用いるこ
とができるが、例えばアンモニア法マーセライズ加工済
木綿、苛性ソーダ法マーセライズ加工済木綿、未処理木
綿、苛性ソーダ法マーセライズ加工済麻、未処理麻、ス
テープルファイバー(スフ),キュープラ,ポリノジッ
ク,ビスコースレーヨン等のレイヨン、テンセル、ポリ
エステル木綿混合繊維,木綿−レーヨン混合繊維,木綿
−麻混合繊維等の混合繊維、その他のセルロース系に属
する材料の一種又は二種以上の組み合わせからなるセル
ロース繊維を20%以上含む繊維材料である。
【0045】また、セルロース繊維材料の形態は特に制
限することなく、例えば織物、編物、不織布,ファイバ
ー,リンター,スライバー,ペーパーなどが挙げられる
が、これらの形態に制限されるものではない。
限することなく、例えば織物、編物、不織布,ファイバ
ー,リンター,スライバー,ペーパーなどが挙げられる
が、これらの形態に制限されるものではない。
【0046】次に、本発明の上記の処理剤を用いてセル
ロース繊維材料を処理する方法について説明する。
ロース繊維材料を処理する方法について説明する。
【0047】本発明のセルロース繊維材料の処理方法
は、基本的には前記セルロース繊維材料の処理剤の水溶
液にセルロース繊維材料を浸漬処理する第1工程、次い
で処理されたセルロース繊維材料を脱水後加熱してキユ
アリング処理する第2工程からなる。
は、基本的には前記セルロース繊維材料の処理剤の水溶
液にセルロース繊維材料を浸漬処理する第1工程、次い
で処理されたセルロース繊維材料を脱水後加熱してキユ
アリング処理する第2工程からなる。
【0048】具体的な処理方法としては、先ず、本発明
の処理に先立ち、セルロース繊維材料を精練糊抜きす
る。加工用薬品を均一、且つ速やかにセルロース繊維中
に吸収せしめる目的である。精練糊抜きは、一般に慣例
的に行われている方法で行えばよい。
の処理に先立ち、セルロース繊維材料を精練糊抜きす
る。加工用薬品を均一、且つ速やかにセルロース繊維中
に吸収せしめる目的である。精練糊抜きは、一般に慣例
的に行われている方法で行えばよい。
【0049】精練糊抜きしたセルロース繊維材料を処理
剤の処理浴に浸漬する。その後、マングル絞りなどによ
って平均に脱水する。処理液を繊維中に充分に浸み込ま
せるために、要すれば、2回以上浸漬と脱水をくり返
す。
剤の処理浴に浸漬する。その後、マングル絞りなどによ
って平均に脱水する。処理液を繊維中に充分に浸み込ま
せるために、要すれば、2回以上浸漬と脱水をくり返
す。
【0050】処理液が繊維中に充分吸収された後、絞り
機などで脱水する。しぼり率(脱水後の繊維重量と、処
理浴に浸漬前の繊維重量に基き、繊維中に持ち込まれた
処理液の重量を%で表わす。キャリーオーバー重量%で
ある。Wet Pick・up%ともいう)は繊維中の
薬品附着量を定める目的で、処理浴の濃度に基いて50
%〜150%とする。繊維への薬品附着率は、再現性の
ある一定範囲に保つのが好ましい。更に、80〜110
℃で乾燥して繊維材料を無水化せしめる。必要に応じ
て、この乾燥は省略しても差し支えない。
機などで脱水する。しぼり率(脱水後の繊維重量と、処
理浴に浸漬前の繊維重量に基き、繊維中に持ち込まれた
処理液の重量を%で表わす。キャリーオーバー重量%で
ある。Wet Pick・up%ともいう)は繊維中の
薬品附着量を定める目的で、処理浴の濃度に基いて50
%〜150%とする。繊維への薬品附着率は、再現性の
ある一定範囲に保つのが好ましい。更に、80〜110
℃で乾燥して繊維材料を無水化せしめる。必要に応じ
て、この乾燥は省略しても差し支えない。
【0051】次に、必要量の処理剤を吸収した繊維を加
熱してキュアリングする。加熱方法は、連続法、バッチ
法、タンブル法(バッチ法)等を用いることができる
が、それらの方法に特に限定されるものではない。
熱してキュアリングする。加熱方法は、連続法、バッチ
法、タンブル法(バッチ法)等を用いることができる
が、それらの方法に特に限定されるものではない。
【0052】キュアリングの温度と時間は、加工の目的
によって定められる。一般に温度は120℃〜240
℃、好ましくは160〜200℃で、時間は10秒〜6
00秒、好ましくは60秒〜120秒である。
によって定められる。一般に温度は120℃〜240
℃、好ましくは160〜200℃で、時間は10秒〜6
00秒、好ましくは60秒〜120秒である。
【0053】一般に、加熱温度が高い程時間は短く、加
熱温度が低い程時間は長くする関係にある。又、加熱温
度が高く時間が長い程、変色の機会は大きくなる。キュ
アリング終了後、必要に応じて末反応物質および処理剤
を繊維から除去する目的で、温水又は冷水で繊維を洗滌
する。その後、乾燥して加工処理を終了する。
熱温度が低い程時間は長くする関係にある。又、加熱温
度が高く時間が長い程、変色の機会は大きくなる。キュ
アリング終了後、必要に応じて末反応物質および処理剤
を繊維から除去する目的で、温水又は冷水で繊維を洗滌
する。その後、乾燥して加工処理を終了する。
【0054】
【作用】本発明に係るセルロース繊維材料の処理剤のセ
ルロース繊維に対する作用機構の詳細は明らかでない。
しかしながら、該処理剤の処理液にセルロース繊維を浸
漬処理して薬剤を担持せしめ、次いで加熱してキュアリ
ング処理を施すと、処理繊維を充分な温水洗を施した後
の計量で得られる重量が未処理繊維(本発明に係るw/
wセット加工未処理繊維)と比較して相当増加すること
から、処理剤がセルロースと反応していることが明らか
である。その結合は、セルロース繊維の水酸基とポリカ
ルボン酸とのエステル結合によるものと思われ、ホスホ
ニウム塩は該反応触媒として作用するものと推定され
る。さらに、ホスホニウム塩は単なる触媒作用に止まら
ず、ポリカルボン酸と相互に作用し合って、ホスホニウ
ム塩とポリカルボン酸とによるエステル結合が生じてい
るものと思われる。この結果、防縮、防しわ等によるw
/wセット加工効果のみではなく、耐摩耗性、耐フィブ
リレーション性、腰弾力性、強度などの優れた性能を有
するセルロース繊維を得ることができる。
ルロース繊維に対する作用機構の詳細は明らかでない。
しかしながら、該処理剤の処理液にセルロース繊維を浸
漬処理して薬剤を担持せしめ、次いで加熱してキュアリ
ング処理を施すと、処理繊維を充分な温水洗を施した後
の計量で得られる重量が未処理繊維(本発明に係るw/
wセット加工未処理繊維)と比較して相当増加すること
から、処理剤がセルロースと反応していることが明らか
である。その結合は、セルロース繊維の水酸基とポリカ
ルボン酸とのエステル結合によるものと思われ、ホスホ
ニウム塩は該反応触媒として作用するものと推定され
る。さらに、ホスホニウム塩は単なる触媒作用に止まら
ず、ポリカルボン酸と相互に作用し合って、ホスホニウ
ム塩とポリカルボン酸とによるエステル結合が生じてい
るものと思われる。この結果、防縮、防しわ等によるw
/wセット加工効果のみではなく、耐摩耗性、耐フィブ
リレーション性、腰弾力性、強度などの優れた性能を有
するセルロース繊維を得ることができる。
【0055】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
する。
【0056】実施例1 ホスホニウム塩として下記の構造式で示されるトリ
スヒドロキシプロピルホスホニウムホスフィネート1モ
ルに対して、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸
(以下、B.T.C.Aと称す)1.14モルの割合、
即ちホスホニウム塩6.50重量%、B.T.C.A
6.30重量%を有効成分とし、ポリエチレン系柔軟剤
(スミテックスソフナーL、住友化学社製、以下同じ)
1.00重量%と共に温水に溶解し処理浴を調製した。
浴温を35℃に保った。
スヒドロキシプロピルホスホニウムホスフィネート1モ
ルに対して、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸
(以下、B.T.C.Aと称す)1.14モルの割合、
即ちホスホニウム塩6.50重量%、B.T.C.A
6.30重量%を有効成分とし、ポリエチレン系柔軟剤
(スミテックスソフナーL、住友化学社製、以下同じ)
1.00重量%と共に温水に溶解し処理浴を調製した。
浴温を35℃に保った。
【0057】
【化4】
【0058】次に、セルロース繊維試料に、精練糊抜き
済100%スフ織地(婦人ブラウス用のスフ100%織
地(試料No.1))100gを用いて下記の処理操作
を行った。上記の処理浴の浴温を35℃に保ちながら、
この浴液3000g中にセルロース繊維試料100gを
5分間浸漬した。浴比は30:1である。マングルしぼ
り機で、しぼり率100%(o.w.f)に脱水した。
吸収を均一化させる目的で同じ浸漬脱水操作をもう一度
くり返した。しぼり率100%は、マングルしぼり機に
よる脱水後の繊維重量が200gである。
済100%スフ織地(婦人ブラウス用のスフ100%織
地(試料No.1))100gを用いて下記の処理操作
を行った。上記の処理浴の浴温を35℃に保ちながら、
この浴液3000g中にセルロース繊維試料100gを
5分間浸漬した。浴比は30:1である。マングルしぼ
り機で、しぼり率100%(o.w.f)に脱水した。
吸収を均一化させる目的で同じ浸漬脱水操作をもう一度
くり返した。しぼり率100%は、マングルしぼり機に
よる脱水後の繊維重量が200gである。
【0059】次に、自動温度調節機能を有するマッフル
電炉を用いて脱水後のセルロース繊維試料を100℃で
10分間乾燥した。その後、170℃で90秒間キュア
リングした。未反応物質及び余剰の試薬類を除去するた
めに、浴温を50℃に保った温水浴中で浴比50:1
で、キュアリング済のセルロース繊維試料を30分間洗
浄した。その後、室温で一夜放置乾燥した後、85℃で
5分間乾燥した。
電炉を用いて脱水後のセルロース繊維試料を100℃で
10分間乾燥した。その後、170℃で90秒間キュア
リングした。未反応物質及び余剰の試薬類を除去するた
めに、浴温を50℃に保った温水浴中で浴比50:1
で、キュアリング済のセルロース繊維試料を30分間洗
浄した。その後、室温で一夜放置乾燥した後、85℃で
5分間乾燥した。
【0060】 ホスホニウム塩としてトリスヒドロキ
シプロピルホスホニウムホスフェート1モルに対して、
B.T.C.A2モルの割合、即ちホスホニウム塩3.
24重量%、B.T.C.A6.30重量%を有効成分
とし、ポリエチレン系柔軟剤1.00重量%と共に水に
溶解し処理浴を調製した。浴温を35℃に保った。
シプロピルホスホニウムホスフェート1モルに対して、
B.T.C.A2モルの割合、即ちホスホニウム塩3.
24重量%、B.T.C.A6.30重量%を有効成分
とし、ポリエチレン系柔軟剤1.00重量%と共に水に
溶解し処理浴を調製した。浴温を35℃に保った。
【0061】この処理浴を用いた以外は実施例1−と
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)のセルロース繊維試料の処理を行っ
た。
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)のセルロース繊維試料の処理を行っ
た。
【0062】 ホスホニウム塩として、トリスヒドロ
キシプロピルホスホニウムホスフィネート1モルに対し
て、B.T.C.A2モルの割合、即ちホスホニウム塩
3.69重量%、B.T.C.A6.30重量%を有効
成分とし、ポリエチレン系柔軟剤1.00重量%と共に
水に溶解し処理浴を調製した。浴温を35℃に保った。
キシプロピルホスホニウムホスフィネート1モルに対し
て、B.T.C.A2モルの割合、即ちホスホニウム塩
3.69重量%、B.T.C.A6.30重量%を有効
成分とし、ポリエチレン系柔軟剤1.00重量%と共に
水に溶解し処理浴を調製した。浴温を35℃に保った。
【0063】この処理浴を用いた以外は実施例1−と
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)、苛性ソーダ法マーセライズ加工済木
綿100%紳士ワイシャツ用織地(試料No.3)、お
よびアンモニア法マーセライズ加工済木綿100%紳士
ワイシャツ用織地(試料No.4)の各セルロース繊維
試料の処理を行った。
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)、苛性ソーダ法マーセライズ加工済木
綿100%紳士ワイシャツ用織地(試料No.3)、お
よびアンモニア法マーセライズ加工済木綿100%紳士
ワイシャツ用織地(試料No.4)の各セルロース繊維
試料の処理を行った。
【0064】実施例2 ホスホニウム塩として、トリスヒドロキシプロピル
ホスホニウムホスフィネート1モルに対して、クエン酸
2.1モルの割合、即ちホスホニウム塩6.50重量
%、クエン酸10.40重量%を有効成分とし、ポリエ
チレン系柔軟剤1.00重量%と共に水に溶解し処理浴
を調製した。浴温を35℃に保った。
ホスホニウムホスフィネート1モルに対して、クエン酸
2.1モルの割合、即ちホスホニウム塩6.50重量
%、クエン酸10.40重量%を有効成分とし、ポリエ
チレン系柔軟剤1.00重量%と共に水に溶解し処理浴
を調製した。浴温を35℃に保った。
【0065】この処理浴を用いた以外は実施例1−と
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)、およびポリエステル−木綿(50/
50)混紳士ワイシャツ用織地(試料No.5)の各セ
ルロース繊維試料の処理を行った。
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)、およびポリエステル−木綿(50/
50)混紳士ワイシャツ用織地(試料No.5)の各セ
ルロース繊維試料の処理を行った。
【0066】 ホスホニウム塩として、トリスヒドロ
キシプロピルホスホニウムホスフィネート1モルに対し
て、クエン酸2モルの割合、即ちホスホニウム塩5.9
6重量%、クエン酸10.40重量%を有効成分とし、
ポリエチレン系柔軟剤1.00重量%と共に水に溶解し
処理浴を調製した。浴温を35℃に保った。
キシプロピルホスホニウムホスフィネート1モルに対し
て、クエン酸2モルの割合、即ちホスホニウム塩5.9
6重量%、クエン酸10.40重量%を有効成分とし、
ポリエチレン系柔軟剤1.00重量%と共に水に溶解し
処理浴を調製した。浴温を35℃に保った。
【0067】この処理浴を用いた以外は実施例1−と
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)、およびビスコースレーヨン100%
織地(試料No.2)の各セルロース繊維試料の処理を
行った。
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)、およびビスコースレーヨン100%
織地(試料No.2)の各セルロース繊維試料の処理を
行った。
【0068】 ホスホニウム塩として、トリスヒドロ
キシプロピルホスホニウムイソプロピルアシッドホスフ
ェート1モルに対して、クエン酸1.60モルの割合、
即ちホスホニウム塩5.00重量%、クエン酸10.4
0重量%を有効成分とし、ポリエチレン系柔軟剤1.0
0重量%と共に水に溶解し処理浴を調製した。浴温を3
5℃に保った。
キシプロピルホスホニウムイソプロピルアシッドホスフ
ェート1モルに対して、クエン酸1.60モルの割合、
即ちホスホニウム塩5.00重量%、クエン酸10.4
0重量%を有効成分とし、ポリエチレン系柔軟剤1.0
0重量%と共に水に溶解し処理浴を調製した。浴温を3
5℃に保った。
【0069】この処理浴を用いた以外は実施例1−と
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)のセルロース繊維試料の処理を行っ
た。
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)のセルロース繊維試料の処理を行っ
た。
【0070】 ホスホニウム塩として、トリスヒドロ
キシプロピルホスホニウムホスフィネート1モルに対し
て、クエン酸3.39モルおよびトリスヒドロキシプロ
ピルホスフィン0.2モルの割合、即ちホスホニウム塩
4.00重量%、クエン酸10.40重量%、トリスヒ
ドロキシプロピルホスフィン0.61重量%を有効成分
とし、ポリエチレン系柔軟剤1.00重量%、およびト
リエタノールアミン3重量%と共に水に溶解し処理浴を
調製した。浴温を35℃に保った。
キシプロピルホスホニウムホスフィネート1モルに対し
て、クエン酸3.39モルおよびトリスヒドロキシプロ
ピルホスフィン0.2モルの割合、即ちホスホニウム塩
4.00重量%、クエン酸10.40重量%、トリスヒ
ドロキシプロピルホスフィン0.61重量%を有効成分
とし、ポリエチレン系柔軟剤1.00重量%、およびト
リエタノールアミン3重量%と共に水に溶解し処理浴を
調製した。浴温を35℃に保った。
【0071】この処理浴を用いた以外は実施例1−と
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)、苛性ソーダ法マーセライズ加工済木
綿100%紳士ワイシャツ用織地(試料No.3)、お
よびアンモニア法マーセライズ加工済木綿100%紳士
ワイシャツ用織地(試料No.4)の各セルロース繊維
試料の処理を行った。
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)、苛性ソーダ法マーセライズ加工済木
綿100%紳士ワイシャツ用織地(試料No.3)、お
よびアンモニア法マーセライズ加工済木綿100%紳士
ワイシャツ用織地(試料No.4)の各セルロース繊維
試料の処理を行った。
【0072】実施例3 ホスホニウム塩としてトリスヒドロキシプロピルホスホ
ニウムホスフィネート1モルに対して、マレイン酸1.
3モル、イタコン酸1.3モルの割合、即ちホスホニウ
ム塩9.00重量%、マレイン酸4.93重量%、イタ
コン酸5.52重量%を有効成分とし、過硫酸カリウム
1.50重量%、非イオン系浸透剤(デスポール30
0、一方社油脂化学製)0.10重量%、ポリエチレン
系柔軟剤1.00重量%と共に温水に溶解し処理浴を調
製した。浴温を35℃に保った。
ニウムホスフィネート1モルに対して、マレイン酸1.
3モル、イタコン酸1.3モルの割合、即ちホスホニウ
ム塩9.00重量%、マレイン酸4.93重量%、イタ
コン酸5.52重量%を有効成分とし、過硫酸カリウム
1.50重量%、非イオン系浸透剤(デスポール30
0、一方社油脂化学製)0.10重量%、ポリエチレン
系柔軟剤1.00重量%と共に温水に溶解し処理浴を調
製した。浴温を35℃に保った。
【0073】この処理浴を用いた以外は実施例1−と
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)のセルロース繊維試料の処理を行っ
た。
同様の操作を行い、婦人ブラウス用のスフ100%織地
(試料No.1)のセルロース繊維試料の処理を行っ
た。
【0074】測定結果 (1)測色およびハンター白色度 実施例1〜2で得られた婦人ブラウス用のスフ100%
織地(試料No.1)のセルロース繊維試料を、測色色
差計ND−101DP型(日本電色工業(株)製)を用
いて、そのL値、a値、b値を測定し、ハンター白色度
(W)を求めた。その結果を表1に示す。
織地(試料No.1)のセルロース繊維試料を、測色色
差計ND−101DP型(日本電色工業(株)製)を用
いて、そのL値、a値、b値を測定し、ハンター白色度
(W)を求めた。その結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】(注)W値:ハンター白色度である。10
0を完全な白として、明度、彩度、色相の三要素を基に
色を立体的に表わした数値。値が100に近い程完全な
白に近いことを意味する。 a値:+値が大きい程、赤味が強く、値が小さい程赤味
が減少する。 −値が大きい程、緑味が強く、値が小さい程緑味が減少
する。 b値:+値が大きい程、黄味が強く、値が小さい程黄味
が減少する。 −値が大きい程、青味が強く、値が小さい程青味が減少
する。 L値:「明度」を示し、数値が大きい程明るい。 視覚的には、L値が大きく、b値が小さい程白く感じる
ことになる。
0を完全な白として、明度、彩度、色相の三要素を基に
色を立体的に表わした数値。値が100に近い程完全な
白に近いことを意味する。 a値:+値が大きい程、赤味が強く、値が小さい程赤味
が減少する。 −値が大きい程、緑味が強く、値が小さい程緑味が減少
する。 b値:+値が大きい程、黄味が強く、値が小さい程黄味
が減少する。 −値が大きい程、青味が強く、値が小さい程青味が減少
する。 L値:「明度」を示し、数値が大きい程明るい。 視覚的には、L値が大きく、b値が小さい程白く感じる
ことになる。
【0077】表1に示されているように各実施例は本発
明に係るw/wセット加工未処理試料に比べてL値、W
値が大きく、b値が小さい。これは実施例で用いられた
トリスヒドロキシプロピルホスホニウム塩の漂白黄変防
止作用の結果であると考えられる。本発明による効果が
明確に認められる。
明に係るw/wセット加工未処理試料に比べてL値、W
値が大きく、b値が小さい。これは実施例で用いられた
トリスヒドロキシプロピルホスホニウム塩の漂白黄変防
止作用の結果であると考えられる。本発明による効果が
明確に認められる。
【0078】(2)w/wセット加工性 実施例1〜3で得られたセルロース繊維試料および未処
理試料のw/wセット加工性を、JIS L−021
7、103法により測定した。その結果を表2に示す。
理試料のw/wセット加工性を、JIS L−021
7、103法により測定した。その結果を表2に示す。
【0079】
【表2】
【0080】(注)表2の繊維試料は下記のものを示
す。 (1)婦人ブラウス用のスフ100%織地 (2)ビスコースレーヨン100%織地 (3)苛性ソーダ法マーセライズ加工済木綿100%紳
士ワイシャツ用織地 (4)アンモニア法マーセライズ加工済木綿100%紳
士ワイシャツ用織地 (5)ポリエステル−木綿(50/50)混紳士ワイシ
ャツ用織地
す。 (1)婦人ブラウス用のスフ100%織地 (2)ビスコースレーヨン100%織地 (3)苛性ソーダ法マーセライズ加工済木綿100%紳
士ワイシャツ用織地 (4)アンモニア法マーセライズ加工済木綿100%紳
士ワイシャツ用織地 (5)ポリエステル−木綿(50/50)混紳士ワイシ
ャツ用織地
【0081】(3)引き裂き強度 実施例1〜2で得られたセルロース繊維試料およびw/
wセット加工未処理試料の引き裂き強度を、JIS L
−1096 D法により測定した。その結果を表3に示
す。
wセット加工未処理試料の引き裂き強度を、JIS L
−1096 D法により測定した。その結果を表3に示
す。
【0082】
【表3】 (注)表3の繊維試料No.(1)〜(5)は表2と同
様のものを示す。
様のものを示す。
【0083】実施例4 ホスホニウム塩として、トリスヒドロキシプロピル
ホスホニウムホスフィネート1モルに対して、B.T.
C.A2.46モルの割合、即ちホスホニウム塩3.0
0重量%、B.T.C.A6.30重量%を有効成分と
し、ポリエチレン系柔軟剤1.00重量%と共に水に溶
解し処理浴を調製した。浴温を35℃に保った。この処
理浴を用いて、セルロース繊維試料にインヂゴ染料で紺
色に染色済のテンセル製デニム織地100gを用いた以
外は実施例1−と同様の操作を行い、セルロース繊維
試料の処理を行った。
ホスホニウムホスフィネート1モルに対して、B.T.
C.A2.46モルの割合、即ちホスホニウム塩3.0
0重量%、B.T.C.A6.30重量%を有効成分と
し、ポリエチレン系柔軟剤1.00重量%と共に水に溶
解し処理浴を調製した。浴温を35℃に保った。この処
理浴を用いて、セルロース繊維試料にインヂゴ染料で紺
色に染色済のテンセル製デニム織地100gを用いた以
外は実施例1−と同様の操作を行い、セルロース繊維
試料の処理を行った。
【0084】 ホスホニウム塩として、トリスヒドロ
キシプロピルホスホニウムホスフィネート1モルに対し
て、B.T.C.A1モルの割合、即ち、ホスホニウム
塩6.48重量%、B.T.C.A6.30重量%を有
効成分とし、ポリエチレン系柔軟剤1.00重量%と共
に水に溶解し処理浴を調製した。浴温を35℃に保っ
た。この処理浴を用いた以外は実施例4−と同様の操
作を行い、セルロース繊維試料(テンセル製デニム織
地)の処理を行った。
キシプロピルホスホニウムホスフィネート1モルに対し
て、B.T.C.A1モルの割合、即ち、ホスホニウム
塩6.48重量%、B.T.C.A6.30重量%を有
効成分とし、ポリエチレン系柔軟剤1.00重量%と共
に水に溶解し処理浴を調製した。浴温を35℃に保っ
た。この処理浴を用いた以外は実施例4−と同様の操
作を行い、セルロース繊維試料(テンセル製デニム織
地)の処理を行った。
【0085】実施例5 ホスホニウム塩として、トリスヒドロキシプロピルホス
ホニウムホスフィネート1モルに対して、クエン酸4.
52モルの割合、即ちホスホニウム塩3.00重量%、
クエン酸10.40重量%を有効成分とし、ポリエチレ
ン系柔軟剤1.00重量%と共に水に溶解し処理浴を調
製した。浴温を35℃に保った。この処理浴を用いた以
外は実施例4−と同様の操作を行い、セルロース繊維
試料(テンセル製デニム織地)の処理を行った。
ホニウムホスフィネート1モルに対して、クエン酸4.
52モルの割合、即ちホスホニウム塩3.00重量%、
クエン酸10.40重量%を有効成分とし、ポリエチレ
ン系柔軟剤1.00重量%と共に水に溶解し処理浴を調
製した。浴温を35℃に保った。この処理浴を用いた以
外は実施例4−と同様の操作を行い、セルロース繊維
試料(テンセル製デニム織地)の処理を行った。
【0086】測定結果 (1)自然乾燥後のadd on率(%) 測定はキュアリングおよび自然乾燥の後、85℃で5分
間乾燥する前の試料についてadd onされた量を求
め、次式によってadd on率(%)を求めた。その
結果を表4に示す。
間乾燥する前の試料についてadd onされた量を求
め、次式によってadd on率(%)を求めた。その
結果を表4に示す。
【0087】
【数1】
【0088】
【表4】 表4の結果から、表4の判定結果で裏付けられるよう
に、各実施例のセルロース繊維試料はカルボン酸を重合
架橋していることが認められる。
に、各実施例のセルロース繊維試料はカルボン酸を重合
架橋していることが認められる。
【0089】(2)フィブリレーション 図1に示す摩擦試験機を用いて、試験片台3に、約10
0%(o.w.f)の湿潤状態にした約16cm×8c
mの試験片1を固定し、先端に約100%(o.w.
f)の湿潤状態の摩擦用布(テンセル製デニム織地)を
被せた重量約200gの摩擦子2を試験片台3の上に静
置する。その後、試験片台3を左右に床面と平行に4c
mずつずらす運動巾で、毎分約110回往復させる速度
で5分間運動させて、摩擦用布と試験片1とを互に摩擦
し、試験後に試験片1を乾燥しフィブリレーションを目
視により判定基準に従って判定した。
0%(o.w.f)の湿潤状態にした約16cm×8c
mの試験片1を固定し、先端に約100%(o.w.
f)の湿潤状態の摩擦用布(テンセル製デニム織地)を
被せた重量約200gの摩擦子2を試験片台3の上に静
置する。その後、試験片台3を左右に床面と平行に4c
mずつずらす運動巾で、毎分約110回往復させる速度
で5分間運動させて、摩擦用布と試験片1とを互に摩擦
し、試験後に試験片1を乾燥しフィブリレーションを目
視により判定基準に従って判定した。
【0090】実施例4〜5及び未処理の各試料を上記の
摩擦試験を行い、そのフィブリレーションの判定結果を
表5に示す。
摩擦試験を行い、そのフィブリレーションの判定結果を
表5に示す。
【0091】
【表5】
【0092】判定基準 未処理試料の下記の処理時間毎のフィブリレーションを
基準にして判定基準とした。 20秒間以下と同程度 : 5 40秒間以下と同程度 : 4〜5 60秒間以下と同程度 : 4 80秒間以下と同程度 : 3〜4 100秒間以下と同程度 : 3 240秒間以下と同程度 : 2 300秒間以上と同程度 : 1
基準にして判定基準とした。 20秒間以下と同程度 : 5 40秒間以下と同程度 : 4〜5 60秒間以下と同程度 : 4 80秒間以下と同程度 : 3〜4 100秒間以下と同程度 : 3 240秒間以下と同程度 : 2 300秒間以上と同程度 : 1
【0093】次に、図2〜図5に、実施例1−の試料
No.3の苛性ソーダ法マーセライズ加工済木綿100
%紳士ワイシャツ用織地および実施例2−の試料N
o.2のビスコースレーヨン100%織地の各セルロー
ス繊維試料、およびそれらのw/wセット加工未処理繊
維試料の赤外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)
図を示す。
No.3の苛性ソーダ法マーセライズ加工済木綿100
%紳士ワイシャツ用織地および実施例2−の試料N
o.2のビスコースレーヨン100%織地の各セルロー
ス繊維試料、およびそれらのw/wセット加工未処理繊
維試料の赤外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)
図を示す。
【0094】図2は実施例1−の試料No.3のセル
ロース繊維試料の赤外線吸収スペクトル(FT−IR/
PAS)図、図3は実施例2−の試料No.2のセル
ロース繊維試料の赤外線吸収スペクトル(FT−IR/
PAS)図、図4は実施例1−の試料No.3の未処
理試料の赤外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)
図、図5は実施例2−の試料No.2の未処理試料の
赤外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)図を示
す。
ロース繊維試料の赤外線吸収スペクトル(FT−IR/
PAS)図、図3は実施例2−の試料No.2のセル
ロース繊維試料の赤外線吸収スペクトル(FT−IR/
PAS)図、図4は実施例1−の試料No.3の未処
理試料の赤外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)
図、図5は実施例2−の試料No.2の未処理試料の
赤外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)図を示
す。
【0095】図2,3より、セルロース繊維にポリカル
ボン酸が架橋したとき、赤外線吸収スペクトル(FT−
IR/PAS)分析では、1725cm−1帯に、カル
ボニル基を示す強い吸収が顕著に現れていることが認め
られる。これに対して、図4,5の未処理セルロース繊
維試料では、1725cm−1帯の吸収は全くないこと
が認められる。したがって、本発明の処理剤および処理
方法によれば、セルロース繊維中にカルボニル基が存在
する故に、本発明の効果が得られることが示されてい
る。
ボン酸が架橋したとき、赤外線吸収スペクトル(FT−
IR/PAS)分析では、1725cm−1帯に、カル
ボニル基を示す強い吸収が顕著に現れていることが認め
られる。これに対して、図4,5の未処理セルロース繊
維試料では、1725cm−1帯の吸収は全くないこと
が認められる。したがって、本発明の処理剤および処理
方法によれば、セルロース繊維中にカルボニル基が存在
する故に、本発明の効果が得られることが示されてい
る。
【0096】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のセルロース
繊維材料の処理剤およびそれを用いた処理方法によれ
ば、w/wセット加工時においてホルマリンを放出する
物質を使用することなく、又加工後のセルロース繊維材
料中に、ホルマリンを全く含まないw/wセット加工、
即ちノンホルマリン型加工が可能で、加工後のセルロー
ス繊維材料の強度の保持、変色防止およびフィブリレー
ション等を防止することができる効果が得られる。
繊維材料の処理剤およびそれを用いた処理方法によれ
ば、w/wセット加工時においてホルマリンを放出する
物質を使用することなく、又加工後のセルロース繊維材
料中に、ホルマリンを全く含まないw/wセット加工、
即ちノンホルマリン型加工が可能で、加工後のセルロー
ス繊維材料の強度の保持、変色防止およびフィブリレー
ション等を防止することができる効果が得られる。
【図1】フィブリレーションの試験方法を示す説明図で
ある。
ある。
【図2】実施例1−の試料No.3のセルロース繊維
試料の赤外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)図
である。
試料の赤外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)図
である。
【図3】実施例2−の試料No.2のセルロース繊維
試料の赤外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)図
である。
試料の赤外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)図
である。
【図4】実施例1−の試料No.3の未処理試料の赤
外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)図である。
外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)図である。
【図5】実施例2−の試料No.2の未処理試料の赤
外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)図である。
外線吸収スペクトル(FT−IR/PAS)図である。
1 試験片 2 摩擦子 3 試験片台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 旭 東京都世田谷区上北沢3丁目27番16号 (72)発明者 志村 征爾 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内
Claims (5)
- 【請求項1】 水溶性のリンのオキソ酸ホスホニウム塩
とポリカルボン酸を有効成分として含有することを特徴
とするセルロース繊維材料の処理剤。 - 【請求項2】 水溶性のリンのオキソ酸ホスホニウム塩
は次の一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は炭素原子数2〜10のヒドロキシルアル
キル基、R2 ,R3 は炭素原子数2〜10のアルキル基
又はヒドロキシルアルキル基、Xはリンのオキソ酸イオ
ンを表わす)で示される請求項1記載のセルロース繊維
材料の処理剤。 - 【請求項3】 処理繊維重量に対し水溶性のリンのオキ
ソ酸ホスホニウム塩1〜25重量%およびポリカルボン
酸1〜25重量%を含有する請求項1または2記載のセ
ルロース繊維材料の処理剤。 - 【請求項4】 過酸化物、界面活性剤、含窒素化合物、
グリコール類および柔軟剤から選ばれた1種又は2種以
上の助剤を含有する請求項1乃至3のいずれかの項に記
載のセルロース繊維材料の処理剤。 - 【請求項5】 請求項1記載のセルロース繊維材料の処
理剤の水溶液にセルロース繊維材料を浸漬処理する第1
工程、次いで処理されたセルロース繊維材料を脱水後加
熱してキユアリング処理する第2工程からなることを特
徴とするセルロース繊維材料の処理方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18299894A JP3344834B2 (ja) | 1993-09-09 | 1994-07-13 | セルロース繊維材料の処理剤およびその処理方法 |
US08/659,765 US5695528A (en) | 1994-07-13 | 1996-06-06 | Treating agent for cellulosic textile material and process for treating cellulosic textile material |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-248677 | 1993-09-09 | ||
JP24867793 | 1993-09-09 | ||
JP18299894A JP3344834B2 (ja) | 1993-09-09 | 1994-07-13 | セルロース繊維材料の処理剤およびその処理方法 |
US08/659,765 US5695528A (en) | 1994-07-13 | 1996-06-06 | Treating agent for cellulosic textile material and process for treating cellulosic textile material |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07145561A true JPH07145561A (ja) | 1995-06-06 |
JP3344834B2 JP3344834B2 (ja) | 2002-11-18 |
Family
ID=27325228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18299894A Expired - Fee Related JP3344834B2 (ja) | 1993-09-09 | 1994-07-13 | セルロース繊維材料の処理剤およびその処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3344834B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5695528A (en) * | 1994-07-13 | 1997-12-09 | Nippon Chemical Industrial Co., Ltd. | Treating agent for cellulosic textile material and process for treating cellulosic textile material |
-
1994
- 1994-07-13 JP JP18299894A patent/JP3344834B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5695528A (en) * | 1994-07-13 | 1997-12-09 | Nippon Chemical Industrial Co., Ltd. | Treating agent for cellulosic textile material and process for treating cellulosic textile material |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3344834B2 (ja) | 2002-11-18 |
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