JPH0714553Y2 - 屋根用足場板支持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は傾斜する屋根上に作業用の水平足場を設けるた
めの屋根用足場板支持具の改良に関する。

〔従来の技術〕

従来より屋根の瓦葺き工事等の作業に際して、傾斜した
屋根上に水平な足場板を設けるための手段として、屋根
の勾配に対して垂直に立設される支柱と、この支柱と直
交して屋根勾配に対し水平に配置される支持梁とをもっ
た足場板の支持具が知られている（実公昭58-749号、実
公昭58-47151号、実開昭62-14048号、実公昭63-49463
号、実公昭63-49464号）。

〔考案が解決すべき課題〕

上記の従来形足場板支持具は、部分的な構成の相違を有
するとはいえ、基本的には垂直な支柱とこの支柱に対し
て水平な支持梁とを備えるという構成の点において共通
しており、いずれもこれらの支柱と支持梁とによって、
傾斜した屋根上で作業者が自由に歩行したり、或いは多
数の瓦を積重ねて載置しておくのに必要な、水平な足場
板を確保することに主たる目的を有している。その意味
で従来の足場板支持具は、傾斜屋根の上に専ら瓦葺工事
に必要な作業用足場を設けるためにしか利用できない。

一方、住宅用の建築工事では、一階と二階との間に設け
られる下屋（げや）と呼ばれる片流れ屋根部分に瓦葺工
事を行った後に、この下屋部分を利用して二階部の外
壁、、窓、軒先などの外廻り工事を行うことが多い。と
ころで従来ではこのように二階の外廻り工事を行う場合
に、第４図のように、既に下屋の瓦葺工事に使用した足
場板支持具Ａをそのまま利用して、この支持具Ａの足場
板Ｂ上に工事用脚立Ｃの片側の脚Ｄが支持されるように
配置し、この脚立Ｃの上に工事用足場板Ｅを設けるとい
う方法が広く行われている。

しかしながらこのような仮設足場は、足場板Ｂと瓦屋根
との上に単に脚立Ｃを載せるだけなので、脚立Ｃの安全
性確保に難点があり、安全性の面で問題がある。

更に別の面での課題として、最近では工事現場の上方か
ら資材や工具が落下することによる現場周辺の危険性を
防ぐため、工事現場の外周を遮蔽シートで被覆する安全
対策が励行されるようになっているが、従来のような脚
立を用いた仮設足場では安全用遮蔽シートを被覆周設す
ることができないという問題がある。

従って従来の足場板支軸具は、瓦葺工事用として利用す
る限りにおいて有効であるが、前記のように下屋部分で
の瓦葺以外の工事を目的とした作業目的に利用するのに
は、なお改良されるべき問題点を残しているといえる。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記のような従来における足場板支持具の問
題点を解消し、足場板支持具を瓦葺工事用としてのみな
らず、下屋上での建築工事に必要とされる安全な組足場
を架設する用途にも利用できるようにすることを目的と
したものである。

本考案はそのための具体的手段として、屋根の勾配に対
して垂直に立設される支柱と、該支柱と直交して屋根勾
配に対し水平に配置される支持梁とからなる屋根用足場
板の支持具において、支柱の下端面には屋根勾配に応じ
て該支柱の垂直度を保持するためのねじ形の高さ調整台
座を有し、支持梁の先端下面には瓦止め桟木に係止され
る鉤形係止具をブラケットを介して回動自在に備えると
共に、該支持梁の両端上面には、屋根上に架設される一
対の平行な垂直足場パイプをもつ組足場の両垂直足場パ
イプを支持するための一対の足場パイプ係止突起が突設
されることを特徴とするものである。

〔作用〕

この考案の足場板支持具は、例えば下屋部分の瓦葺工事
に利用したのち、足場板を支える支持梁の両端上面に突
設された一対の係止突起に、組足場を構成する一対の足
場パイプの下端を夫々挿入して、両係止突起により両足
場パイプを垂直に立設保持し、両足場パイプの上端間に
連結された水平パイプ上に工事用足場板を載置すること
により、下屋上に、下端が足場板支持具により支持され
た、安全な二階部分の外廻り工事用組足場を架設するこ
とができる。

〔実施例〕

次に本考案に係る屋根用足場板支持具の実施例を図面に
より説明すれば、第１図に示すように、この支持具は屋
根の勾配に対して垂直に立設される支柱１と、一端がこ
の支柱１の上端部に連結された屋根の勾配に対し水平に
配置される支持梁２と、この支持梁２の先端下面に設け
られた鉤形の係止具３とからなっている。

支柱１の下端は底板４に設けたねじ孔に沿って上下動す
るねじ５及びこのねじ５の下端にピン７を介して回動可
能に枢着された高さ調整台座６が設けられている。また
支持梁２の先端下面に設けられる鉤形係止具３は、ブラ
ケット８を介して支持梁２と回動可能なるように連結さ
れた係止板９とこの係止板９の先端に下方に向けて鉤形
に折り曲げられた係止爪10とからなっている。この係止
爪10は、瓦11の下面に位置する瓦止め桟木12に引掛ける
ものであるため、爪10の内側面に桟木12への食込みを良
好にするための釘状突子13を設けておくことが好まし
い。

また前記支持梁２の両端部上面には、第３図で示す組足
場15における一対の垂直足場パイプ16a,16bを立設支持
するための一対の足場パイプ係止突起14a,14bが突設さ
れている。

これらの係止突起14a,14bは、足場パイプ16a,16bの下端
内径に遊挿し得る外径と、足場パイプ16a,16bが立設さ
れた状態を安全に保持し得るに足りる所要の突出長さを
有しており、足場パイプ16a,16bの下端を夫々係止突起1
4a,14b上に挿入すると、該パイプの下端が支持梁２によ
って安全に立設支持されるようになっている。なお前記
の両係止突起14a,14bはいずれも上端面が蓋17により閉
塞されていて、通常の足場板支持具として使用するとき
には、突起内に雨水が侵入しないようになっている。ま
た、夫々の係止突起14a,14bは支持梁２の上面に突設さ
れるが、一方の係止突起14aは支柱１の上端を支持梁２
の上面に突出することにより兼用させてもよい。

〔効果〕

この考案に係る足場板支持具は、通常の用途に従って瓦
葺工事に際しては、両係止突起14a,14bの間における支
持梁２上に足場板18を載置して使用するが、例えば第３
図のように、下屋の上での工事に使用するときには、支
持梁２の両端上面における夫々の係止突起14a,14bを利
用して、安全な上部足場板19を備えた二本の足場パイプ
16a,16bからなる組足場15を簡単に架設することができ
る。従ってこの足場板支持具によれば、瓦葺工事用のみ
ならず、下屋上における二階部分の外廻り工事用組足場
の架設支持台としても利用でき、しかもこのような二本
の足場パイプによって支持される組足場は、足場パイプ
の下端が係止突起によって支持されるから従来の脚立を
用いた足場よりも安全性があり、更に二本の足場パイプ
のうち外側のパイプを用いて安全用遮蔽シート20も周設
できるので安全性の面から有益な足場板支持具とするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る足場板支持具の構成を示す斜視
図、第２図は使用状態における側面図、第３図は別の使
用例を示す側面図、第４図は第３図の使用例に対応した
従来の使用例を示す側面図である。 1:支柱、2:支持梁、3:鉤形係止具、6:高さ調整台、8:ブ
ラケット、9:係止板、10:係止爪、11:瓦、12:瓦止め桟
木、13:釘状突子、14a,14b:足場パイプ用係止突起、15:
組足場、16a,16b:垂直足場パイプ、18:足場板、19:上部
足場板、20:遮蔽シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】屋根の勾配に対して垂直に立設される支柱
   と、該支柱と直交して屋根勾配に対し水平に配置される
   支持梁とからなる屋根用足場板の支持具において、支柱
   の下端面には屋根勾配に応じて該支柱の垂直度を保持す
   るためのねじ形の高さ調整台座を有し、支持梁の先端下
   面には瓦止め桟木に係止される鉤形係止具をブラケット
   を介して回動自在に備えると共に、該支持梁の両端上面
   には、屋根上に架設される一対の平行な垂直足場パイプ
   をもつ組足場の両垂直足場パイプを支持するための一対
   の足場パイプ係止突起が突設されることを特徴とする屋
   根用足場板支持具。