JPH0714551B2 - 鋼の鋳造法 - Google Patents
鋼の鋳造法Info
- Publication number
- JPH0714551B2 JPH0714551B2 JP1200207A JP20020789A JPH0714551B2 JP H0714551 B2 JPH0714551 B2 JP H0714551B2 JP 1200207 A JP1200207 A JP 1200207A JP 20020789 A JP20020789 A JP 20020789A JP H0714551 B2 JPH0714551 B2 JP H0714551B2
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- JP
- Japan
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- steel
- temperature
- casting
- mold
- crystals
- Prior art date
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は鋼の鋳造法に関するものである。
[従来の技術] 鋼の強度、靱性等の諸特性を満足するためには、金属組
織を微細にすることが有効であることが知られている。
一方エネルギーコスト低減、生産性の向上の意図から鋼
を鋳造後冷却することなくそのまま圧延する直送圧延法
が近年試みられている。このような技術には、例えば特
開昭59-208018号公報、特開昭61-146072号公報に開示さ
れている技術がある。
織を微細にすることが有効であることが知られている。
一方エネルギーコスト低減、生産性の向上の意図から鋼
を鋳造後冷却することなくそのまま圧延する直送圧延法
が近年試みられている。このような技術には、例えば特
開昭59-208018号公報、特開昭61-146072号公報に開示さ
れている技術がある。
[発明が解決しようとする課題] しかし、通常このような鋳造を行った場合には凝固組織
が粗大となり、その後の直送圧延時の再結晶でも十分に
微細化せず、その結果最終的に得られる金属組織も比較
的粗大であるかまたは部分的に生じる再結晶により粗大
粒と細粒の混粒状態となってしまい、強度・靱性共に良
好なものを得ることが難しいという欠点があった。強度
・靱性共に良好な鋼板を直送圧延で製造するためには、
鋳造時のオーステナイト粒径を500μm以下にすること
が必要となる。
が粗大となり、その後の直送圧延時の再結晶でも十分に
微細化せず、その結果最終的に得られる金属組織も比較
的粗大であるかまたは部分的に生じる再結晶により粗大
粒と細粒の混粒状態となってしまい、強度・靱性共に良
好なものを得ることが難しいという欠点があった。強度
・靱性共に良好な鋼板を直送圧延で製造するためには、
鋳造時のオーステナイト粒径を500μm以下にすること
が必要となる。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記のような従来法の欠点を排除しうる鋼の鋳
造法を提供するものであり、その要旨とするところは、
鋼の鋳造する際に、液相線温度+50℃以下から固相線温
度以上の温度範囲において溶鋼を毎分5回転以上1000回
転以下の回転数で攪拌し、かつ固相線温度−20℃以下固
相線温度−150℃以上に加熱した鋳型を用いて凝固せし
めることにより、鋳片の70%以上にわたり粒径500μm
以下の等軸品を得ることを特徴とする鋼の鋳造法であ
る。
造法を提供するものであり、その要旨とするところは、
鋼の鋳造する際に、液相線温度+50℃以下から固相線温
度以上の温度範囲において溶鋼を毎分5回転以上1000回
転以下の回転数で攪拌し、かつ固相線温度−20℃以下固
相線温度−150℃以上に加熱した鋳型を用いて凝固せし
めることにより、鋳片の70%以上にわたり粒径500μm
以下の等軸品を得ることを特徴とする鋼の鋳造法であ
る。
以下に本発明について詳細に説明する。
凝固組織の中で柱状晶部は特に粗大で極めて再結晶しに
くいため、直送圧延をした場合の変態後の金属組織は粗
大になるかまたは微細組織と粗大組織の混合組織とな
り、材質を劣化させる。しかるに本発明者らは上記の欠
点を打破することを可能とする新しい事実を発見し、そ
れを基に新たなる鋼の鋳造法を導いた。
くいため、直送圧延をした場合の変態後の金属組織は粗
大になるかまたは微細組織と粗大組織の混合組織とな
り、材質を劣化させる。しかるに本発明者らは上記の欠
点を打破することを可能とする新しい事実を発見し、そ
れを基に新たなる鋼の鋳造法を導いた。
凝固状態で鋳片の70%以上にわたり粒径500μm以下の
等軸晶を得ることができれば、その後の熱間圧延により
凝固組織は容易に再結晶し、材質特性に優れた厚鋼板の
製造が可能となる。しかし従来の鋳造法では鋳型の冷却
能が高く凝固初期に鋳型壁面に強固な凝固殻が形成され
結晶の遊離が阻害されるために、粗大な柱状晶が形成さ
れていた。本発明は、鋳型を加熱し鋳型の冷却能を下げ
て鋳型壁面に強固な凝固殻が形成するのを防ぎ、かつ撹
拌により溶鋼を流動させて鋳型壁面からの結晶の遊離を
促進し、遊離した自由晶を沈澱凝固させるものであり、
軽圧下の直送圧延材においても強度・靱性の確保が可能
な粒径500μm以下の等軸晶を鋳片のほぼ全面にわたり
生成することを可能とするものである。
等軸晶を得ることができれば、その後の熱間圧延により
凝固組織は容易に再結晶し、材質特性に優れた厚鋼板の
製造が可能となる。しかし従来の鋳造法では鋳型の冷却
能が高く凝固初期に鋳型壁面に強固な凝固殻が形成され
結晶の遊離が阻害されるために、粗大な柱状晶が形成さ
れていた。本発明は、鋳型を加熱し鋳型の冷却能を下げ
て鋳型壁面に強固な凝固殻が形成するのを防ぎ、かつ撹
拌により溶鋼を流動させて鋳型壁面からの結晶の遊離を
促進し、遊離した自由晶を沈澱凝固させるものであり、
軽圧下の直送圧延材においても強度・靱性の確保が可能
な粒径500μm以下の等軸晶を鋳片のほぼ全面にわたり
生成することを可能とするものである。
以下に本発明の製造方法の限定理由について説明する。
撹拌温度上限を液相線温度+50℃以下としたのは、溶鋼
温度が液相線温度+50℃以上であると生成した自由晶が
再溶解してしまい、微細な等軸晶の生成が阻害されるか
らである。またその下限温度を固相線温度以上としたの
は固相線温度以下では攪拌が不可能となるためである。
温度が液相線温度+50℃以上であると生成した自由晶が
再溶解してしまい、微細な等軸晶の生成が阻害されるか
らである。またその下限温度を固相線温度以上としたの
は固相線温度以下では攪拌が不可能となるためである。
回転速度の限定については毎分5回転以下であると溶鋼
の攪拌が弱すぎて鋳壁からの自由晶の遊離が充分に行わ
れず、1000回転以上であると溶鋼の攪拌が強すぎて円滑
な鋳造ができないからである。溶鋼撹拌の手法として
は、回転子を用いて撹拌する方法等が考えられるが、特
に限定しない。回転子を用いる場合回転子の材質として
は、耐熱製を考慮してホウ素や珪素の酸化物もしくは窒
化物またはこれらの耐熱物質を金属にコーティングもし
くは溶射したもの等が考えられるが、特に限定はしな
い。またその形状は溶鋼の攪拌を促進するものであれば
よく、表面に突起、くぼみまたは羽根を付けることが有
効である。また、回転子を凝固殻生成サイトとするため
に回転子の冷却を行うことも有効である。
の攪拌が弱すぎて鋳壁からの自由晶の遊離が充分に行わ
れず、1000回転以上であると溶鋼の攪拌が強すぎて円滑
な鋳造ができないからである。溶鋼撹拌の手法として
は、回転子を用いて撹拌する方法等が考えられるが、特
に限定しない。回転子を用いる場合回転子の材質として
は、耐熱製を考慮してホウ素や珪素の酸化物もしくは窒
化物またはこれらの耐熱物質を金属にコーティングもし
くは溶射したもの等が考えられるが、特に限定はしな
い。またその形状は溶鋼の攪拌を促進するものであれば
よく、表面に突起、くぼみまたは羽根を付けることが有
効である。また、回転子を凝固殻生成サイトとするため
に回転子の冷却を行うことも有効である。
鋳型の加熱条件としては、固相線温度−20℃以上に加熱
すると鋳型の冷却能が小さくなりすぎて、鋳壁面上に生
成する凝固殻の数が減り攪拌によって充分な数の等軸晶
が遊離せず、結果として等軸晶が粗大化してしまう。ま
た固相線温度−150℃以下の加熱では鋳型の冷却能が大
きすぎ、強固な凝固殻を生成してしまうために攪拌によ
る溶鋼の流動が存在しても鋳壁からの結晶の遊離は起こ
りにくく、粗大な柱状晶が形成される。このため固相線
温度−20℃以下固相線温度−150℃以上の範囲とした。
すると鋳型の冷却能が小さくなりすぎて、鋳壁面上に生
成する凝固殻の数が減り攪拌によって充分な数の等軸晶
が遊離せず、結果として等軸晶が粗大化してしまう。ま
た固相線温度−150℃以下の加熱では鋳型の冷却能が大
きすぎ、強固な凝固殻を生成してしまうために攪拌によ
る溶鋼の流動が存在しても鋳壁からの結晶の遊離は起こ
りにくく、粗大な柱状晶が形成される。このため固相線
温度−20℃以下固相線温度−150℃以上の範囲とした。
[実施例] 表1に示す鋼種を用いて、表2に示す本発明法および比
較方法を適用して鋳造を行った。その結果表2に示した
ような等軸晶寸法、等軸晶率となり、明らかに本発明に
より粒径500μm以下の微細な等軸晶が鋳片の70%以上
にわたり生成しており本発明は有効である。
較方法を適用して鋳造を行った。その結果表2に示した
ような等軸晶寸法、等軸晶率となり、明らかに本発明に
より粒径500μm以下の微細な等軸晶が鋳片の70%以上
にわたり生成しており本発明は有効である。
[発明の効果] 本発明は溶鋼を加熱鋳型中で攪拌しつつ凝固させること
によって、微細な等軸晶を生成せしめるので、この鋼塊
を用いれば強度・靱性に優れた鋼を直送圧延で製造する
ことができる。
によって、微細な等軸晶を生成せしめるので、この鋼塊
を用いれば強度・靱性に優れた鋼を直送圧延で製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 政昭 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式会社第3技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−183954(JP,A) 特開 昭57−195567(JP,A) 特開 昭49−41227(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】鋼を鋳造する際に、液相線温度+50℃以下
から固相線温度以上の温度範囲において溶鋼を毎分5回
転以上1000回転以下の回転数で攪拌し、かつ固相線温度
−20℃以下固相線温度−150℃以上に加熱した鋳型を用
いて凝固せしめることにより、鋳片の70%以上にわたり
粒径500μm以下の等軸晶を得ることを特徴とする鋼の
鋳造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1200207A JPH0714551B2 (ja) | 1989-08-03 | 1989-08-03 | 鋼の鋳造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1200207A JPH0714551B2 (ja) | 1989-08-03 | 1989-08-03 | 鋼の鋳造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0366466A JPH0366466A (ja) | 1991-03-22 |
JPH0714551B2 true JPH0714551B2 (ja) | 1995-02-22 |
Family
ID=16420589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1200207A Expired - Lifetime JPH0714551B2 (ja) | 1989-08-03 | 1989-08-03 | 鋼の鋳造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0714551B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0644306B2 (ja) * | 1990-11-15 | 1994-06-08 | 旭精工株式会社 | 硬貨送出装置の出口装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4941227A (ja) * | 1972-08-29 | 1974-04-18 | ||
JPS57195567A (en) * | 1981-05-29 | 1982-12-01 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | Continuous casting method for steel |
JPS59183954A (ja) * | 1983-04-01 | 1984-10-19 | O C C:Kk | 鋳塊の連続鋳造における等軸晶形成法および装置 |
-
1989
- 1989-08-03 JP JP1200207A patent/JPH0714551B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0366466A (ja) | 1991-03-22 |
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