JPH07145239A - 生分解性有機無機複合物質およびその製造方法 - Google Patents
生分解性有機無機複合物質およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH07145239A JPH07145239A JP29481293A JP29481293A JPH07145239A JP H07145239 A JPH07145239 A JP H07145239A JP 29481293 A JP29481293 A JP 29481293A JP 29481293 A JP29481293 A JP 29481293A JP H07145239 A JPH07145239 A JP H07145239A
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- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
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- Silicon Polymers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 生分解性を有しつつも材料強度が高く、か
つ、従来よりも製造コストが低く製造工程も複雑ではな
い生分解性物質を提供する。 【構成】 生分解性有機物質と無機物質を複合化した組
成物により上記目的は達成し得る。具体的には、生分解
性有機物質としてはヒドロキシ酸が、無機物質として
は、シリカ、チタニア、ジルコニア及びアルミナからな
る群のうち少なくとも1つを含む酸化物が使用できる。
つ、従来よりも製造コストが低く製造工程も複雑ではな
い生分解性物質を提供する。 【構成】 生分解性有機物質と無機物質を複合化した組
成物により上記目的は達成し得る。具体的には、生分解
性有機物質としてはヒドロキシ酸が、無機物質として
は、シリカ、チタニア、ジルコニア及びアルミナからな
る群のうち少なくとも1つを含む酸化物が使用できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる生分解性物
質、即ち、廃棄された後に微生物により分解され得る物
質に関する。
質、即ち、廃棄された後に微生物により分解され得る物
質に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保全に対する社会的な要請と
意識の高まりから生分解性物質が脚光を浴びている。生
分解性物質とは、使用済みの段階で土中や水中の微生物
の働きにより、最終的には二酸化炭素と水に分解されて
自然環境に悪影響を及ぼさない物質をいい、ポリ乳酸等
が挙げられる。
意識の高まりから生分解性物質が脚光を浴びている。生
分解性物質とは、使用済みの段階で土中や水中の微生物
の働きにより、最終的には二酸化炭素と水に分解されて
自然環境に悪影響を及ぼさない物質をいい、ポリ乳酸等
が挙げられる。
【0003】生分解性物質には生分解性ばかりではな
く、実用上、一定の強度を有することが求められてお
り、この相反する2つの性質を満たすべく比較的高分子
量のポリ乳酸等に加水分解性酵素をあらかじめ混入し
(特公平4−168149)、または微生物培地成分を
混入した(特公平4−168150)生分解性物質が知
られている。
く、実用上、一定の強度を有することが求められてお
り、この相反する2つの性質を満たすべく比較的高分子
量のポリ乳酸等に加水分解性酵素をあらかじめ混入し
(特公平4−168149)、または微生物培地成分を
混入した(特公平4−168150)生分解性物質が知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の生分解性物質は、生分解性をさらに向上させようと
すると分子量を減少させなければならず、必然的に強度
の低下を招くことになる一方、強度を向上させるために
は分子量を増加させなければならず、結果として生分解
性の低下を容認せざるを得ないというかかる物質の本質
的な問題点を解決するものではなかった。さらには、高
分子量のポリ乳酸の製造が煩雑かつコストが高いという
問題点もあった。
来の生分解性物質は、生分解性をさらに向上させようと
すると分子量を減少させなければならず、必然的に強度
の低下を招くことになる一方、強度を向上させるために
は分子量を増加させなければならず、結果として生分解
性の低下を容認せざるを得ないというかかる物質の本質
的な問題点を解決するものではなかった。さらには、高
分子量のポリ乳酸の製造が煩雑かつコストが高いという
問題点もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記従来の問題点は、以
下の構成により達成される。
下の構成により達成される。
【0006】即ち、生分解性物質と無機物質からなるこ
とを特徴とする生分解性組成物である。
とを特徴とする生分解性組成物である。
【0007】本発明に使用できる生分解性物質としては
ヒドロキシ酸が好ましく、具体的には、乳酸、リンゴ
酸、グリコール酸等が挙げられる。ここで、ヒドロキシ
酸は複数の種類を同時に使用してもよい。
ヒドロキシ酸が好ましく、具体的には、乳酸、リンゴ
酸、グリコール酸等が挙げられる。ここで、ヒドロキシ
酸は複数の種類を同時に使用してもよい。
【0008】また、本発明に使用できる無機物質として
は特に制限はなく各種物質の使用が可能であるが、シリ
カ、チタニア、ジルコニア及びアルミナからなる群のう
ち少なくとも1つを含む酸化物であることが好ましい。
また、環境保全の観点からは、シリカを用いることがよ
り好ましい。
は特に制限はなく各種物質の使用が可能であるが、シリ
カ、チタニア、ジルコニア及びアルミナからなる群のう
ち少なくとも1つを含む酸化物であることが好ましい。
また、環境保全の観点からは、シリカを用いることがよ
り好ましい。
【0009】さらに、本発明による生分解性物質の製造
には、いわゆるゾルゲル法が適している。ゾルゲル法と
は、含水酸化物ゾルを脱水処理してゲルとし、このゲル
を加熱して所定形状の組成物を形成する方法をいい、本
発明においては、シリコンアルコキシドその他の金属ア
ルコキシドを加水分解する際にヒドロキシ酸を混入する
ことにより両者の共重合を行う方法が好ましい。
には、いわゆるゾルゲル法が適している。ゾルゲル法と
は、含水酸化物ゾルを脱水処理してゲルとし、このゲル
を加熱して所定形状の組成物を形成する方法をいい、本
発明においては、シリコンアルコキシドその他の金属ア
ルコキシドを加水分解する際にヒドロキシ酸を混入する
ことにより両者の共重合を行う方法が好ましい。
【0010】
【作用】本発明によれば、生分解性物質に無機物質を複
合化しているため、無機物質が強度向上の役割を果た
す。また、無機物質が有する耐熱性、高硬度等の諸特性
も生分解性物質に付加されるため生分解性物質の実用性
を格段に高めることが可能である。
合化しているため、無機物質が強度向上の役割を果た
す。また、無機物質が有する耐熱性、高硬度等の諸特性
も生分解性物質に付加されるため生分解性物質の実用性
を格段に高めることが可能である。
【0011】無機物質との複合化は、生分解性物資を高
分子化した場合のように単に生分解性物質の元来の特性
としての生分解性を犠牲にしながら強度等諸特性の向上
を図るものではなく、強度等について優れている異種物
質を生分解性物質中に導入する手法であり、用途に応じ
た自由度の高い材料設計を可能とするものである。
分子化した場合のように単に生分解性物質の元来の特性
としての生分解性を犠牲にしながら強度等諸特性の向上
を図るものではなく、強度等について優れている異種物
質を生分解性物質中に導入する手法であり、用途に応じ
た自由度の高い材料設計を可能とするものである。
【0012】
【実施例】以下に実施例により本発明をより具体的に説
明する。
明する。
【0013】0.01モルのHClを含有する水溶液1
0部(重量部、以下に同じ)にイソプロピルアルコール
の20%テトラヒドロフラン溶液50部を加えて混合
し、さらに70部のテトラエトキシシランとクロロホル
ム10部に溶解したポリ乳酸(分子量5000)10部
を加えて攪拌した。これを80℃に加熱して1時間攪拌
した後、25℃で放置してゾルとした。次に、これを蓋
付きの容器に移し80℃でゲル化し、蓋を取り除いて1
20℃で一夜乾燥させフィルム1を得た。
0部(重量部、以下に同じ)にイソプロピルアルコール
の20%テトラヒドロフラン溶液50部を加えて混合
し、さらに70部のテトラエトキシシランとクロロホル
ム10部に溶解したポリ乳酸(分子量5000)10部
を加えて攪拌した。これを80℃に加熱して1時間攪拌
した後、25℃で放置してゾルとした。次に、これを蓋
付きの容器に移し80℃でゲル化し、蓋を取り除いて1
20℃で一夜乾燥させフィルム1を得た。
【0014】次に、比較のため、ポリ乳酸(分子量50
00)10部をクロロホルム400部に溶解し、ガラス
板上にキャスティングして50℃で2時間放置しフィル
ム1とほぼ同じ厚さのフィルム2を得た。さらに、フィ
ルム2を上述したゾル中に含浸し、80℃で1夜乾燥さ
せ有機ポリマー中でシリカネットワークを形成した複合
体フィルム3を得た。
00)10部をクロロホルム400部に溶解し、ガラス
板上にキャスティングして50℃で2時間放置しフィル
ム1とほぼ同じ厚さのフィルム2を得た。さらに、フィ
ルム2を上述したゾル中に含浸し、80℃で1夜乾燥さ
せ有機ポリマー中でシリカネットワークを形成した複合
体フィルム3を得た。
【0015】手で引っ張り確認したところフィルム2は
フィルム1、3よりも明らかに脆く強度が低かった。ま
た、フィルム1、3を土の中に埋めて放置しておいたと
ころ3カ月後には共にフィルムが分解され一部に破壊が
認められた。
フィルム1、3よりも明らかに脆く強度が低かった。ま
た、フィルム1、3を土の中に埋めて放置しておいたと
ころ3カ月後には共にフィルムが分解され一部に破壊が
認められた。
【0016】なお、さらに生分解性を高めるために、上
記のいわゆるゾルゲル法による生分解性物質の作製過程
において、加水分解性酵素または微生物培地成分を配合
し、フィルム中にこれらを混合してもよい。
記のいわゆるゾルゲル法による生分解性物質の作製過程
において、加水分解性酵素または微生物培地成分を配合
し、フィルム中にこれらを混合してもよい。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、加水分解性能の高い生
分解性有機物質の強度の向上が実現できる。即ち、本発
明による生分解性有機無機複合物質は高い強度を有しつ
つも、不要になれば廃棄された環境中において、生体や
地球環境に対して安全な成分、例えば、シリカと乳酸に
分解し環境を害することはない。さらに、本発明による
複合物質の製造には高分子量のポリ乳酸を必要とせず、
よって製造工程の簡素化と製造コストの低減を実現でき
る。
分解性有機物質の強度の向上が実現できる。即ち、本発
明による生分解性有機無機複合物質は高い強度を有しつ
つも、不要になれば廃棄された環境中において、生体や
地球環境に対して安全な成分、例えば、シリカと乳酸に
分解し環境を害することはない。さらに、本発明による
複合物質の製造には高分子量のポリ乳酸を必要とせず、
よって製造工程の簡素化と製造コストの低減を実現でき
る。
【0018】また、原料溶液の調製の段階で生分解性有
機物質と無機物質の割合を容易に調整し得ること、フィ
ルムやファイバー等各種形状として生成物を得られるこ
と等の特徴を有するゾルゲル法によって本発明による生
分解性有機無機複合物質を製造することにより、生分解
性物質を高強度化して用途を広げるという本発明の効果
をさらに高めることができる。
機物質と無機物質の割合を容易に調整し得ること、フィ
ルムやファイバー等各種形状として生成物を得られるこ
と等の特徴を有するゾルゲル法によって本発明による生
分解性有機無機複合物質を製造することにより、生分解
性物質を高強度化して用途を広げるという本発明の効果
をさらに高めることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 生分解性有機物質と無機物質からなるこ
とを特徴とする生分解性組成物。 - 【請求項2】 前記生分解性有機物質がヒドロキシ酸で
あることを特徴とする請求項1記載の組成物。 - 【請求項3】 前記無機物質が、シリカ、チタニア、ジ
ルコニア及びアルミナからなる群のうち少なくとも1つ
を含む酸化物であることを特徴とする請求項1または2
記載の組成物。 - 【請求項4】 シリコンアルコキシド、チタニウムアル
コキシド、ジルコニウムアルコキシド及びアルミニウム
アルコキシドからなる群のうち少なくとも1つを含むア
ルコキシドとヒドロキシ酸をゾルゲル法により共重合さ
せることを特徴とする生分解性組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29481293A JPH07145239A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 生分解性有機無機複合物質およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29481293A JPH07145239A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 生分解性有機無機複合物質およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07145239A true JPH07145239A (ja) | 1995-06-06 |
Family
ID=17812575
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29481293A Pending JPH07145239A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 生分解性有機無機複合物質およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07145239A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009173701A (ja) * | 2008-01-22 | 2009-08-06 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 有機・無機ハイブリッド材料の製造方法及び有機・無機ハイブリッド材料 |
US7902304B2 (en) * | 2005-10-03 | 2011-03-08 | Dai-Ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. | Functional filler and resin composition containing same |
US8163377B2 (en) | 2005-11-10 | 2012-04-24 | The Morgan Crucible Company Plc | High temperature resistant fibres |
-
1993
- 1993-11-25 JP JP29481293A patent/JPH07145239A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7902304B2 (en) * | 2005-10-03 | 2011-03-08 | Dai-Ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. | Functional filler and resin composition containing same |
US20110098419A1 (en) * | 2005-10-03 | 2011-04-28 | Masahiro Satoh | Functional filler and resin composition containing same |
US8354479B2 (en) | 2005-10-03 | 2013-01-15 | Dai-Ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. | Functional filler and resin composition containing same |
US8163377B2 (en) | 2005-11-10 | 2012-04-24 | The Morgan Crucible Company Plc | High temperature resistant fibres |
JP2009173701A (ja) * | 2008-01-22 | 2009-08-06 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 有機・無機ハイブリッド材料の製造方法及び有機・無機ハイブリッド材料 |
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