JPH071451B2 - 微細位置決め装置の変位制御装置 - Google Patents

微細位置決め装置の変位制御装置

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JPH071451B2
JPH071451B2 JP62060085A JP6008587A JPH071451B2 JP H071451 B2 JPH071451 B2 JP H071451B2 JP 62060085 A JP62060085 A JP 62060085A JP 6008587 A JP6008587 A JP 6008587A JP H071451 B2 JPH071451 B2 JP H071451B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体製造装置,電子顕微鏡等の微細な変位
調節を必要とする装置に使用される微細位置決め装置に
おいて、当該変位調節をサブミクロンオーダで行なう微
細位置決め装置の変位制御装置に関する。
〔従来の技術〕
近年、各種技術分野においては、サブμmのオーダーの
微細な変位調節が可能である装置が要望されている。そ
の典型的な例がLSI(大規模集積回路),超LSIの製造工
程において使用されるマスクアライナ,電子線描画装置
等の半導体製造装置である。これらの装置においては、
サブμmオーダーの微細な位置決めの必要であり、位置
決めの精度が向上するにしたがってその集積度も増大
し、高性能の製品を製造することができる。このような
微細な位置決めは上記半導体装置に限らず、電子顕微鏡
をはじめとする各種の高倍率光学装置等においても必要
であり、その精度向上により、バイオテクロノジ,宇宙
開発等の先端技術においてもそれらの発展に大きく寄与
するものである。
従来、このような微細位置決め装置は、例えば「機械設
計」誌、第27巻第1号(1983年1月号)の第32頁乃至第
36頁に示されるような種々の型のものや、特公昭57−50
433号公報に記載の型のものが提案されている。前者の
微細位置決め装置は、支持台に2つの平行な板状ばねに
より微動テーブルを連結し、アクチユエータで微動テー
ブルを押圧駆動することによりこれを並進変位せしめる
ように構成されている。又、後者の微細位置決め装置
は、円柱状の中央固定部とこれを囲むリング状のステー
ジとの間に、放射状に複数のバイモルフ形圧電素子が設
けられ、このバイモルフ形圧電素子を駆動することによ
りステージを回転変位せしめるように構成されている。
さらに、特公昭61−209846号公報には微細位置決め装置
として、並進変位を発生させる平行たわみ梁変位機構お
よび回転変位を発生させる放射たわみ梁変位機構が提案
されている。平行たわみ梁変位機構は、中央の剛体部と
その両側の剛体部とをそれぞれ互いに平行なたわみ梁で
連結し、中央の剛体部と両側の剛体部との間にアクチユ
エータを設け、このアクチユエータを駆動することによ
り中央の剛体部を並進変位させるように構成されてい
る。又、放射たわみ梁変位機構は、中央の剛体部とその
両側の剛体部とをそれぞれ放射状に延びたたわみ梁で連
結し、中央の剛体部と両側の剛体部との間にアクチユエ
ータを設け、このアクチユエータを駆動することにより
中央の剛体部を回転変位させるように構成されている。
上述の各構成は、その複数を積重ね又は組合わせること
により複数方向の並進変位,複数軸まわりの回転変位を
行なうことができる。
[発明が解決しようとする課題] ところで、一般に、ある軸方向の並進変位、ある軸方向
の回転変位を複数発生させる多軸微細位置決め装置にお
いては、ある軸に関して所定の変位を発生させようとす
る場合、これに伴つて干渉変位(その他の軸に関する変
位)が発生するのを避けることはできない。もつとも、
微細位置決め装置自体の加工精度や組立精度を極限まで
高めれば、あるいは干渉変位の発生を阻止し得る場合も
あり得るが、通常、このような加工、組立は不可能に近
く、又、仮にこれが可能であつても微細位置決め装置の
価格が極端に高価となり実用に適さない。そして、上記
干渉変位の発生が、微細位置決め装置の精度を著しく低
下させるの明らかである。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、干渉
変位を補償して高精度の位置決めを行なうことができる
微細位置決め装置の変位制御装置を提供するにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するため、本発明は、固定部材と、微
動テーブルと、定められた1つの方向の力を発生するア
クチュエータおよび所定方向の荷重に対して柔なヒンジ
で構成されるとともに前記固定部材および前記微動テー
ブル間に装着される駆動リンク部材を複数備え、複数軸
に関する変位を発生する微細位置決め装置において、前
記微動テーブルの目標変位を設定する目標変位設定部
と、前記各アクチュエータを駆動する駆動入力と前記微
動テーブルの変位との関係を決定する特性行列の逆行列
を記憶するとともに、この逆行列と前記目標変位設定部
に設定された目標変位とに基づいて前記各アクチュエー
タを駆動する駆動入力を演算する演算部とを設けたこと
を特徴とする。
さらに、本発明は、上記の構成において、前記微動テー
ブルの変位を検出する変位検出手段を設けるとともに、
前記演算部に、前記目標変位設定部に設定された目標変
位と前記変位検出手段の検出値とに基づいて前記逆行列
を修正する修正手段を設けたことも特徴とする。
[作用] 目標変位設定部に、微動テーブルに対する所望の変位を
設定すると、目標変位設定部からはこれに比例した信号
が出力される。演算部は、この信号と、記憶されている
逆行列とに基づいて各アクチュエータに対する必要な駆
動入力値を演算する。演算された駆動入力値を対応する
各アクチュエータに与えると、これらアクチュエータに
はその駆動入力値に比例した力が発生し、これらの力に
より微動テーブルに所望の変位が生じる。これにより、
微細位置決め装置に設計誤差や干渉変位等が存在してい
ても、微動テーブルを高い精度で変位制御することがで
きる。
さらに、微細位置決め装置に経年変化や環境変化等が生
じた場合には、目標変位設定部に目標変位を設定し、上
記の過程で微動テーブルを変位させ、この変位を変位検
出手段で検出し、この検出値と設定された目標変位とに
基づいて、記憶している逆行列を修正する。
〔実施例〕
以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
第1図は本発明の実施例に係る微細位置決め装置の変位
制御装置のブロツク図である。図で、1は複数の自由度
を有する微細位置決め装置を示す。2は微細位置決め装
置1の変位の目標値を設定する目標変位設定部、3は目
標変位設定部2から出力される目標値に基づいて所定の
演算を行なう演算部である。この演算部3の演算につい
ては、微細位置決め装置の具体例に沿つて後述する。演
算部3からは、微細位置決め装置1の変位部に変位を与
える駆動力を発生する入力部に対して、当該変位が設定
された目標値になるような信号が出力される。4は微細
位置決め装置1の変位量を検出する変位検出部である。
変位検出部4は、例えば、上記変位部の変位を外部から
測定するレーザ測長器、定められた位置と当該変位部と
の間の距離を検出する静電容量形検出器、当該変位部を
変位させるたわみ部材のたわみ量を検出するひずみゲー
ジ等が用いられる。変位検出部4で検出された変位は演
算部3に入力されて所定の処理が行なわれる。この処理
についても後述する。
次に、本実施例の動作を微細位置決め装置1の具体例に
基づいて説明する。このため、まず、当該具体例の構
成,動作を説明する。
第2図は第1図に示す微細位置決め装置の第1の具体例
の平面図、第3図は第2図に示す微細位置決め装置に用
いられる角柱ヒンジの斜視図である。第3図において、
角柱ヒンジaは、高い剛性を有する角柱部材のほぼ中央
部分の両側に、U字状の切欠き部a3を形成することによ
り構成される。a1,a2は切欠き部a3の両側の剛体部、a4
は切欠き部a3により形成される薄肉部である。Aは薄肉
部a4の中心を通り切欠き部a3の壁面に平行な軸を示す。
このような角柱ヒンジaにおいて、剛体部a1を固定し、
剛体部a2に軸Aを直交する矢印B方向の力が作用する
と、薄肉部a4は容易にたわみ、剛体部a2は軸Aのまわり
に回動する。しかし、他の方向の力やモーメントに対し
ては高い剛性を示す。即ち、X,Y,Z各軸方向の力とモー
メントの6軸のうちの1つについて柔であり、他の5軸
については剛である。第2図に示す微細位置決め装置10
はこのような角柱ヒンジaを用いて構成される。
第2図で、11は高い剛性を有する平板状の固定部材、12
は高い剛性を有する平板状部材より成り位置決めされる
物体が載置される微動テーブルである。微動テーブル12
は固定部材11に囲まれた位置にあり、かつ、両者は同一
平面上にある。13は駆動リンク部材であり、3つの駆動
リンク部材131,132,133より成る。駆動リンク部材131
は、第3図に示すものと同様の角柱ヒンジ131a41,131a
42,131a43,で構成されている。131a1,131a2はいずれも
剛体部であり、角柱ヒンジ131a42からみたとき、それぞ
れ第3図に示す剛体部a1,a2に相当する。14は積層形で
圧電アクチユエータであり、その駆動により固定部材11
に連結されている角柱ヒンジ131a41がたわむ。即ち、本
実施例のリンク部材は、第3図に示す角柱ヒンジを異な
る方向に3個組合せることにより、2軸について柔であ
り他の4軸について剛になる2自由度のリンク機構に構
成されている。他の駆動リンク部材132,133の構成はこ
の駆動リンク部材131の構成と同じであるので、その説
明は省略する。
次に、この微細位置決め装置10の動作を第4図に示すリ
ンク機構を参照しながら説明する。第4図は、第2図に
示す微細位置決め装置10のリンク機構の模式図であり、
丸印は各角柱ヒンジの薄肉部、直線は剛体部を示し、
又、小さな三角は固定部材11を示す。
今、駆動リンク部材131を駆動する圧電アクチユエータ1
4のみが伸びる方向に駆動されたとする。この場合、駆
動リンク部材132,133の角柱ヒンジ132a42,133a42は固定
された状態にあると考えられる。圧電アクチユエータ14
が上記のように駆動されたときの瞬間的な動きをみる
と、駆動リンク部材131の剛体部131a1は角柱ヒンジ131a
41の薄肉部を中心に矢印方向に回動し、剛体部131a2
第4図で左方に押される。このため、角柱ヒンジ131
a43,132a43,133a43の薄肉部はそれぞれ矢印方向にたわ
み、結局、微動テーブル12は回動する。この回動の中心
は、各角柱ヒンジ131a43,132a43,133a43のたわみの接線
に垂直な線上の点O′となる。
なお、この動作は瞬間的なものであり、中心O′も移動
してゆくことになるが、微細位置決め装置10がμm,又は
サブμmの変位を行うものであるので、微動テーブル12
の変位は、その瞬間的運動を考えれば充分である。
上記の例では、1つの圧電アクチユエータ14のみを駆動
したときの微動テーブル12の動きを例示した。しかし、
各圧電アクチユエータ14を選択的に適宜量駆動すれば、
微動テーブル12に対して、紙面上の直交軸方向(x軸,y
軸方向)成分の並進変位および紙面に垂直な軸まわり
(z軸まわり)の回転変位、即ち3自由度の変位を与え
ることができるのは明らかである。
ここで、第2図に示すようにx軸,y時,z軸(紙面に垂直
な軸)を定めると、この微細位置決め装置10は、x軸方
向の並進変位,y軸方向の並進変位、およびz軸まわりの
回転変位を行なう3自由度(3軸)の微細位置決め装置
である。今、微動テーブル12のx軸方向の変位をx,y軸
方向の変位をy,z軸まわりの変位をθとし、各圧電アク
チユエータ14の変位をそれぞれα12とすると、
変位x,y,θは次式で表わされる。
(1)式で、値fx,fy,fθは変位α12が与えら
れると定まる値である。変位x,y,θ,α12の変
位量は小さいので、これらをΔx,Δy,Δθ,Δα1,Δα
2,Δαとすると、(1)式は次の微分方程式で表わさ
れる。
上記(2)式のうち、Δxの式は、各圧電アクチユエー
タ14に変位Δα1,Δα2,Δαを発生せしめると、微動
テーブル12にある変位が与えられるが、その変位のうち
x方向の変位はΔxになるということを意味する。Δy,
Δθの各式についても同様である。
(2)式は次の行列式で表現することができる。
ここで、∂fx/∂α1,………∂fθ/∂αで表わされ
る行列をJとすると、(3)式は次のようになる。な
お、上記行列Jはヤコビ行列と称されている。
(4)式は、上述のように、各圧電アクチユエータ14に
変位Δα1,Δα2,Δαを発生せしめたとき、微動テー
ブル12のx軸方向,y軸方向,z軸まわりの変位はどうなる
かを表わす式である。しかしながら、一般には、微動テ
ーブル12の変位Δx,Δy,Δθは所望する値(目標値)と
なるので既知であり、必要とするのは、これら目標値を
得るための各圧電アクチユエータの変位Δα1,Δα2
αである。したがつて(4)式は次のように書換えら
れる。
上記(5)式は、微動テーブル12にΔx,Δy,Δθの変位
を与えるには、各圧電アクチユエータ14にそれぞれどれ
だけの変位を発生させればよいかを表わす式である。な
お、行列J-1行列Jの逆行列であり、逆ヤコビ行列と称
される。
(4),(5)式におけるヤコビ行列J,逆ヤコビ行列J
-1は、本来、微細位置決め装置10の設計値から求め得る
ものである。しかし、その製造時における設計誤差は前
述のように不可避であるので、実際上は変位検出部4の
変位測定値により求められる。
ここで、第1図に示す本実施例の動作を説明する。ま
ず、演算部3に、測定により求められた逆ヤコビ行列J
-1を記憶しておく。この状態で、目標変位設定部2に微
動テーブル12の目標変位{上記(5)式における変位Δ
x,Δy,Δθ}を設定する。この設定値は演算部3に入力
され、演算部3では記憶している逆ヤコビ行列J-1を用
いて(5)式の演算が実行される。この結果、微動テー
ブル12を目標値に変位させるのに必要な各圧電アクチユ
エータ14の変位量{上記(5)式のΔα1,Δα2
α}が得られる。したがつて、各圧電アクチユエータ
14には当該変位量を発生させる電圧が印加される。これ
により、微動テーブル12には目標値に一致した変位を与
えることができる。即ち、微細位置決め装置10は、その
設定誤差や干渉変位の如何にかかわらず、極めて精度の
高い変位を行なうことができる。
ところで、上記変位制御装置においては、一旦逆ヤコビ
行列J-1が得られれば、これを用いて高精度の変位制御
を実行することができる。したがつて、変位検出部4
は、逆ヤコビ行列J-1が得られた後は不要である。しか
し、逆ヤコビ行列J-1の値は、微細位置決め装置の経年
変化や環境の変化等により僅かながら変化することがあ
る。そこで、より一層正確な逆ヤコビ行列J-1を得るた
め、本実施例では次の手段が採用される。
即ち、微細位置決め装置10の設置個所の環境が変化した
り、長期間経過している場合には、適宜時期に各圧電ア
クチユエータ14に対してある値の変位を発生させ、その
ときの微動テーブル12の変位を変位検出部4により測定
する。今、このような測定をn回行なつたとすると、こ
れにより次の行列が作られる。
なお、上記(6)式で、行列の各値の右肩に付された数
字は測定回(2であれば第2回測定)を表わす。(6)
式における値Δx1‥‥Δθnの行列をX,値Δα1 1‥‥Δ
α3nの行列をEで表わすと、ヤコビ行列Jは最小2乗法
による次式から求めることができる。
J=X・ET・(E・ET-1 ……(7) (7)式で、行列ETは行列Eの転置行列を表わす。演算
部3では、(7)式の演算を行ない、この演算から逆ヤ
コビ行列J-1を求め、これをそれまで記憶されていた逆
ヤコビ行列J-1と入れ換える。即ち、逆ヤコビ行列J-1
修正する。これにより、より一度精度の高い変位制御を
行なうことができる。
なお、このような修正は漸化式を用いることにより行な
つてもよい。
次に、微細位置決め装置1の他の具体例について述べ
る。第5図は第1図に示す微細位置決め装置の第2の具
体例の斜視図である。図で、20はこの具体例の微細位置
決め装置、21は固定部材、22は微動テーブルである。23
1〜236は固定部材21と微動テーブル22との間に連結され
た6個の駆動リンク部材である。駆動リンク部材231は
微動テーブル22の側面にかつ微動テーブル22の面とほぼ
同一面に沿つた状態で連結され、駆動リンク部材232,23
3は微動テーブル22の側面に駆動リンク部材231と直交方
向に連結されている。駆動リンク部材234〜236は微動テ
ーブル22の下面にこれと垂直に連結されている。
ここで、各駆動リンク部材の構成を図により説明する。
第6図(a)は駆動リンク部材の側面図、第6図(b)
は駆動リンク部材に使用される円柱ヒンジの斜視図であ
る。第6図(b)で、円柱ヒンジbは、高い剛性を有す
る円柱部材のほぼ中央円周部分に、断面V字状の切欠き
部b3を形成することにより構成される。b1,b2は切欠き
部b3の両側の剛体部、b4は切欠き部b3により形成される
極小径部である。Aは極小径部b4,剛体部b1,b2の中心を
通る軸を示す。
今、剛体部b2を固定し、剛体部b1に軸Aまわりのモーメ
ントを作用させると、極小径部b4が捩れることにより剛
体部b1は軸Aを中心として回動する。又、剛体部b1に軸
Aと直交する軸まわりのモーメントを作用させると、剛
体部b1は当該軸まわりに回動する。しかし、軸A方向に
作用する力に対しては高い剛性を示す。即ち、この駆動
リンク部材は5自由度を有する。
次に、第6図(a)は第5図に示す駆動リンク部材231
を示すものであり、231bは第6図(b)に示す円柱ヒン
ジ、231cは並進ジヨイントである。並進ジヨイント231c
は多数積層された圧電素子で構成されており、電圧が印
加されることにより軸A方向に伸縮する。駆動リンク部
材231は、軸Aを中心に、これに沿つて1つの並進ジヨ
イント231cおよびその両端に結合された2つの円柱ヒン
ジ231bで構成される。他の駆動リンク部材232〜236も駆
動リンク部材231と同じ構成であるので説明は省略す
る。
次に、この具体例の微細位置決め装置20の動作の概略を
説明する。駆動リンク部材231のみを駆動すると、微動
テーブル22は駆動リンク部材231の軸A方向に並進変位
し、又、駆動リンク部材232,233を同量駆動すると、微
動テーブル22はそれらの軸A方向に並進変位する。さら
に、駆動リンク部材234,235,236を同量駆動すると、微
動テーブル22はそれらの軸A方向(図の上方)に並進変
位する。又、駆動リンク部材232,233を異なる量駆動す
ると、微動テーブル22はその平面内で回転変位する。
又、駆動リンク部材234,235,236を選択的に異なる量駆
動すると、微動テーブル22はこれに応じてその面に平行
な軸まわりに回転変位する。これら変位において、駆動
されない駆動リンク部材は、変位中に微動テーブル22か
ら伝達される荷重に対して自由にたわみ、微動テーブル
22の変位を妨げることはない。
以上の説明から、本具体例の微細位置決め装置20は、各
駆動リンク部材231〜236を選択的に駆動することによ
り、6自由度の変位を得ることができるのは明らかであ
る。この具体例の微細位置決め装置20を用いた場合の変
位制御については、以下に述べる第3の具体例の微細位
置決め装置の変位制御とともに説明する。
第7図は第1図に示す微細位置決め装置の第3の具体例
の斜視図である。図で、30は本具体例の微細位置決め装
置、31は板状の固定部材、32は固定部材31と対向する位
置に配置された微動テーブルである。331〜336は第6図
(a)に示すものと同じく、並進ジヨイントとその両側
に結合された円柱ヒンジで構成される駆動リンク部材で
ある。これら各駆動リンク部材331〜336は、対向配置さ
れた固定部材31と微動テーブル32との間に連結されてい
る。第5図に示される微細位置決め装置20と本具体例の
微細位置決め装置30とは、前者がその駆動リンク部材23
1〜236の互いの配置にそれらの軸が互いにほぼ直交又は
平行であるという規則性を有するのに対し、後者はその
駆動リンク部材331〜336の互いの配置にそのような規則
性を有さない点で相違する。
しかしながら、第5図に示される微細位置決め装置20の
動作の説明から、本具体例の微細位置決め装置30も、駆
動リンク部材331〜336を選択的に駆動することにより6
自由度の変位を得ることができるのは、容易に類推し得
るものと考える。そして、両微細位置決め装置20,30と
も、その変位制御は同一の手法で実施される。
次に、両微細位置決め装置20,30の変位制御について説
明する。まず、微動テーブル22,32のx,y,z軸方向の微小
並進変位をそれぞれΔx,Δy,Δz,又、x,y,z軸まわりの
回転変位をそれぞれΔθx,Δθy,Δθz、さらに6つの
駆動リンク部材231〜236,331〜336の並進ジヨイントの
変位をそれぞれα〜αとすると、変位Δx,Δy,Δz,
Δθx,Δθy,Δθzの微分方程式は前記(2)式に準じ
て次のように表わされる。
この(8)式を行列で表現すると、前記(3)式に順じ
て次式のようになる。
したがつて、ヤコビ行列Jは として求めることができ、その逆ヤコビ行列J-1も求め
ることができる。
このようにして求められた逆ヤコビ行列J-1を第1図に
示す演算部3に記憶させておき、目標変位設定部2に微
動テーブル22,32の目標変位(Δx,Δy,Δz,Δθx,Δθ
y,Δθz)を設定する。演算部3では、この目標変位と
記憶する逆ヤコビ行列J-1を用いて次式の演算を実行
し、目標変位を得るための各駆動リンク部材231〜236,3
31〜336の各並進ジヨイントの所要変位(Δα〜Δα
)を算出する。
算出された変位Δα〜Δαは微細位置決め装置20,3
0に出力され、これに応じた電圧が各並進ジヨイントを
構成する圧電アクチユエータに印加される。この結果、
微動テーブル22,32を目標変位に対して高精度で変位せ
しめることができる。
上記逆ヤコビ行列J-1の修正は、第1の具体例の微細位
置決め装置10における場合と全く同様に、(7)式の最
小2乗法により、又は漸化式を用いて行なわれる。
なお、上記微細位置決め装置の具体例において、駆動リ
ンク部材として角柱ヒンジの複数の結合による構成、円
柱ヒンジと並進ジヨイントの組合せ構成を例示したが、
微動テーブルをn自由度で変位させる構成の場合には、
ヒンジと並進ジヨイントとの組合せによる(n−1)の
自由度のものをn個使用すればよいので、種々のヒン
ジ,ジヨイント,たわみ部材の組合せ構成が考えられ
る。
このように、本実施例では、目標変位を設定し、この設
定値と逆ヤコビ行列に基づいて圧電アクチユエータの所
要の変位を演算し、これにより圧電アクチユエータを変
位せしめるようにしたので、設計誤差や干渉変位の存在
の如何にかかわらず、微動テーブルを高い精度で変位せ
しめることができる。又、適宜逆ヤコビ行列の修正を行
なうようにしたので、構造の経年変化や環境変化を生じ
ても高い変位精度を維持することができる。
なお、上記実施例の説明では、逆ヤコビ行列を用いた微
細位置決め装置の変位制御および当該逆ヤコビ行列の修
正について述べた。しかしながら、逆ヤコビ行列は一度
設定した後は、これを修正しなくても充分に高精度の変
位を得ることができ、必ずしも修正を必要としない。
又、上記微細位置決め装置の具体例として3自由度と6
自由度の3つの例を示したが、本発明の変位制御はこれ
らのように微細位置決め装置に適用されるだけでなく、
その他の型の微細位置決め装置に適用できるのは明らか
である。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明では、目標変位を設定し、微
細位置決め装置の各アクチュエータの駆動入力と当該微
細位置決め装置の変位部の変位との関係を決定する特性
行列の逆行列と前記設定された目標変位とに基づいて前
記各アクチュエータの駆動入力を演算し、これにより微
動テーブルの変位制御を行なうようにしたので、設計誤
差や干渉変位が存在していても、微動テーブルを高い精
度で変位制御することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る微細位置決め装置の変位
制御装置のブロツク図、第2図は第1図に示す微細位置
決め装置の第1の具体例の平面図、第3図は角柱ヒンジ
の斜視図、第4図は第2図に示す装置のリンク機構の模
式図、第5図は第1図に示す微細位置決め装置の第2の
具体例の斜視図、第6図(a),(b)は駆動リンク部
材の側面図および円柱ヒンジの斜視図、第7図は第1図
に示す微細位置決め装置の第3の具体例の斜視図であ
る。 1,10,20,30……微細位置決め装置、2……目標変位設定
部、3……演算部、12,22,32……微動テーブル、131〜1
33,231〜236,331〜336……駆動リンク部材。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定部材と、微動テーブルと、定められた
    1つの方向の力を発生するアクチュエータおよび所定方
    向の荷重に対して柔なヒンジで構成されるとともに前記
    固定部材および前記微動テーブル間に装着される駆動リ
    ンク部材を複数備え、複数軸に関する変位を発生する微
    細位置決め装置において、前記微動テーブルの目標変位
    を設定する目標変位設定部と、前記各アクチュエータを
    駆動する駆動入力と前記微動テーブルの変位との関係を
    決定する特性行列の逆行列を記憶するとともに、この逆
    行列と前記目標変位設定部に設定された目標変位とに基
    づいて前記各アクチュエータを駆動する駆動入力を演算
    する演算部とを設けたことを特徴とする微細位置決め装
    置。
  2. 【請求項2】固定部材と、微動テーブルと、定められた
    1つの方向の力を発生するアクチュエータおよび所定方
    向の荷重に対して柔なヒンジで構成されるとともに前記
    固定部材および前記微動テーブル間に装着される駆動リ
    ンク部材を複数備え、複数軸に関する変位を発生する微
    細位置決め装置において、前記微動テーブルの目標変位
    を設定する目標変位設定部と、前記微動テーブルの変位
    を検出する変位検出手段と、前記各アクチュエータを駆
    動する駆動入力と前記微動テーブルの変位との関係を決
    定する特性行列の逆行列を記憶し、この逆行列と前記目
    標変位設定部に設定された目標変位とに基づいて前記各
    アクチュエータを駆動する駆動入力を演算するととも
    に、前記目標変位設定部に設定された目標変位と前記変
    位検出手段の検出値とに基づいて前記逆行列を修正する
    修正手段を備えた演算部とを設けたことを特徴とする微
    細位置決め装置。
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