JPH0714516B2 - 廃水処理方法 - Google Patents

廃水処理方法

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JPH0714516B2
JPH0714516B2 JP4086301A JP8630192A JPH0714516B2 JP H0714516 B2 JPH0714516 B2 JP H0714516B2 JP 4086301 A JP4086301 A JP 4086301A JP 8630192 A JP8630192 A JP 8630192A JP H0714516 B2 JPH0714516 B2 JP H0714516B2
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垰田博史
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下水などの廃水処理法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水は、空気や土、太陽などとともに人間
の生命維持に不可欠であるが、最近、その貴重な水の汚
染が広範囲に進行しており、大きな問題となっている。
特に問題になっているのは、1)ハイテク産業やクリー
ニング業で使われている有機溶剤による地下水や水源の
汚染、2)合成洗剤(界面活性剤)など、生活排水によ
る湖・河川の富栄養化や水源の汚染、3)ゴルフ場で使
用される農薬の流出による水質の汚染、3)浄水処理に
使われる塩素が被処理水中に含まれる有機物と反応する
ことによる有害物質の生成である。
【0003】現在広く行われている廃水処理法は活性汚
泥法であるが、この方法は微生物という生き物を用いる
ため、温度、PH、ガス雰囲気、毒性などの反応条件が
厳しく、しかも上述の農薬や有機溶剤(特にハロカーボ
ン)、界面活性剤(特に側鎖の付いたもの)などを分解
・除去しにくく、それらに対して無力であるという欠点
を持っている。このような生物学的に難分解性の有機物
の処理方法としては、活性炭吸着法、化学酸化法、逆浸
透法、焼却処理などがあるが、いずれも処理効果や経済
性などの点で問題が多い。化学酸化法において用いられ
る酸化剤としては塩素とオゾンが代表的なものである
が、塩素は酸化力の点や、アンモニウムイオンとの反応
性や過剰注入による残留塩素などの点、あるいは被処理
水中に含まれる有機物と反応して発ガン性を持つトリハ
ロメタンや有機塩素化合物を生成するなどの問題があ
る。また、オゾンの場合は設備費、運転費がともに高価
であるという欠点を持っている(例えば、北尾高嶺、八
橋亮介、水処理技術、Vol.8, No.8, 35 (1976))。そし
て、焼却処理は希薄溶液の場合、現実的ではない。
【0004】光触媒による排水処理法は、二酸化チタン
などの半導体粉末に光を照射することによって生じる電
子と正孔の酸化還元作用を利用して被処理水中に含まれ
る有機物を分解処理するものであり、無機物を用いるた
め温度、PH、ガス雰囲気、毒性などの反応条件が厳し
くなく、しかも活性汚泥法では処理しにくい有機溶剤の
ようなものでも容易に分解・除去できるという長所を持
っている(例えば、A.L. Pruden and D. F. Ollis, Jou
rnal of Catalysis, Vol.82, 404 (1983))。しかしな
がら、この方法は反応が遅いため処理に時間がかかり、
しかも被処理水中に含まれる溶存酸素が無くなると反応
が止まってしまうという欠点を持っていた。さらに、光
触媒である二酸化チタンなどの半導体粉末を回収するた
め、処理した水を濾過しなければならないが、光触媒は
微粉末であるため目詰まりを起こし、濾過が容易でない
という問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
み、深刻な水質汚染に対処して、活性汚泥法では処理し
にくい農薬や有機溶剤(特にハロカーボン)、界面活性
剤(特に側鎖の付いたもの)などを温和な条件で容易か
つ迅速に処理する経済的な廃水処理法の提供を目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の難
分解性の汚染物質の迅速な処理法を開発するために鋭意
研究を重ねた結果、二酸化チタンなどの半導体粉末の代
わりに酸化チタン膜を用い、それに過酸化水素と銅イオ
ンを加えて光を照射するとOHラジカルが効率良く発生
し、それによって難分解性の汚染物質が容易かつ迅速に
分解されるという予想外の事実を見い出した。本発明は
この知見に基づいてなされたものである。すなわち、内
側に酸化チタン膜を被覆した容器に廃水などの被処理水
を入れ、過酸化水素と銅塩を加えて太陽光などの光を照
射すること、あるいは、鉄イオンを添加した酸化チタン
膜を内側に被覆した容器に被処理水と過酸化水素を入れ
て光を照射することによって難分解性の汚染物質が容易
かつ迅速に分解される。この場合、粉末の代わりに酸化
チタン膜を使用するため、濾過の必要がなく、過酸化水
素はオゾンよりも単位有効酸素量当りの価格がかなり低
廉で、高価な設備を必要としないという大きな利点を持
っている。
【0007】本発明による方法で用いられる容器の材質
は、必要な強度を持っていればコンクリート、ガラス、
プラスチック、セラミックス、金属など、何でもよい。
また、本発明に用いられる容器は透明であっても不透明
であってもよいが、容器内側に被覆した酸化チタン膜が
無色透明の場合は、容器も透明の方が光が外側から壁を
透過して酸化チタン膜に入射できるため、好都合であ
る。
【0008】本発明による方法で用いられる容器の形状
は、角柱状、円柱状、球状、円錐状、瓢箪型、ラグビー
ボール型など、どのような形であってもよい。また、容
器が閉じた形であっても、蓋があってもなくてもよく、
円管状や角管状で反応液が流れ出すような形であっても
よい。
【0009】本発明による方法で用いられる内側に酸化
チタン膜を被覆した容器は、四塩化チタンとアルコール
との反応などによって得られるチタンのアルコキシドか
らゾル−ゲル法によってゲルを作り、ディップコーティ
ング法やスピンコーティング法、塗布法などによって容
器の内側にコートした後、焼成して製作してもよいし、
チタン製の容器の内側をガス炎などで加熱・酸化して酸
化チタンにして製作してもよい。また、CVD法、PV
D法、スパッタリング法などによって容器の内側に酸化
チタン膜を作製してもよいし、超微粒子の酸化チタンの
懸濁液をディップコーティング法やスピンコーティング
法、塗布法などによって容器の内側にコートした後、焼
成して製作してもよい。その時の焼成温度は500℃程
度が最も好ましい。さらに、上述の方法によって製造し
た酸化チタンを被覆した板あるいは酸化チタン板を組み
立てて、容器を製作してもよい。
【0010】こうして得られた、内側に酸化チタン膜を
被覆した容器に、廃水などの被処理水を入れ、過酸化水
素と銅イオンを加えて太陽光などの光を照射すると、被
処理水に含まれていた有機物が速やかに分解され、炭酸
ガスと水などに完全酸化される。この場合は、酸化チタ
ン膜を使用しており、過酸化水素も最終的には水に変わ
るため、処理された水は濾過などの操作がいらず、その
まま放水できる。
【0011】本発明による方法で用いられる銅イオン
は、一価の銅イオンだけでなく、二価の銅イオンや、一
価の銅イオンと二価の銅イオンの混合物なども挙げられ
る。本発明による方法で汚染物質を含んだ被処理水に銅
イオンを加える方法としては、銅塩を加えたり、銅イオ
ンを含んだ溶液あるいは廃液を加える方法が挙げられ
る。
【0012】本発明による方法で用いられる銅塩は、第
一銅塩だけでなく、第二銅塩や、第一銅塩と第二銅塩の
混合物などが挙げられ、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸
塩、アンモニウム塩、塩化物や臭化物などのハロゲン化
物など、いろいろな塩が使用できるが、ハロゲン化物、
硝酸塩あるいは硫酸塩が好ましく、その中でも特に塩化
物が好ましい。これは塩素イオンによって反応が加速さ
れるためである。また、本発明による方法で用いられる
銅塩は無水塩であっても含水塩であってもよい。
【0013】本発明による方法で用いられる、銅イオン
を添加した酸化チタン膜を内側に被覆した容器は、上述
の方法によって得られた酸化チタン膜を被覆した容器を
第一銅塩または第二銅塩またはそれらの混合物の水溶液
に浸した後、乾燥して製作してもよいし、イオン注入法
などによって銅イオンを注入して製作してもよい。ま
た、チタンのアルコキシドからゾル−ゲル法によって作
ったゲルに銅塩またはその水溶液を添加し、ディップコ
ーティング法やスピンコーティング法、塗布法などによ
って容器の内側にコートした後、焼成して製作してもよ
いし、超微粒子の酸化チタンの懸濁液に銅塩またはその
水溶液を添加し、ディップコーティング法やスピンコー
ティング法、塗布法などによって容器の内側にコートし
た後、焼成して製作してもよい。その時の焼成温度は5
00℃程度が最も好ましい。
【0014】こうして得られた、銅イオンを添加した酸
化チタン膜をその内側に被覆した容器に、廃水などの被
処理水を入れ、過酸化水素を加えて太陽光などの光を照
射すると、被処理水に含まれていた有機物が速やかに分
解され、炭酸ガスと水などに完全に酸化される。この場
合は、銅イオンが酸化チタン膜に含まれているため、銅
イオンや銅塩をほとんど加える必要がない。
【0015】本発明による方法で用いられる光の光源と
しては、太陽や白熱灯、蛍光灯、ハロゲンランプ、キセ
ノンランプ、水銀灯、UVランプなどが挙げられる。照
射する光は可視光のような波長の長い光でもよいが、水
の処理速度を上げたい場合には紫外線など、短波長の光
を多く含む光を用いてもよい。光の照射は、不透明容器
の場合には容器の内部あるいは開口部から行い、透明容
器の場合には容器の内部あるいは開口部、外側から行
う。このとき、光の照射と同時に加熱を行うと処理速度
を上げることができるが、その温度は70℃程度が最も
好ましい。また、その際、攪拌を行うと処理速度をさら
に上げることができる。
【0016】本発明による方法で用いられる過酸化水素
の添加量は、被処理水に含まれている有機物が炭酸ガス
や水などに無機化される反応式から化学量論的に求めら
れる。酸化チタン膜を用いる本発明の方法では光の照射
によって過酸化水素が生成し、無駄に分解して失われて
しまう過酸化水素が少なく、被処理水に含まれている有
機物の分解反応が効率的に行われるので、過酸化水素の
添加量はほぼ化学量論量でよい。さらに反応効率を上げ
るためには、マグネシウムやニオブ、チタン、鉄などを
ドープした酸化チタン膜を用いてもよいし、さらに色素
や白金膜などをコートしてもよい。また、本発明による
方法では銅イオンが光の照射により過酸化水素と連鎖的
に反応するので、銅イオンあるいは銅塩の添加量は極く
微量の触媒量でよい。廃水などの被処理水は既に銅イオ
ンを含んでいることが多いので、銅イオンあるいは銅塩
の添加が必要でないこともある。
【0017】こうして廃水などの被処理水に過酸化水素
と銅塩を加えて太陽光などの光を照射すると、被処理水
に含まれていた有機物が速やかに分解され、炭酸ガスと
水などに完全に酸化される。本発明による方法では第一
銅塩だけでなく第二銅塩でも第一銅塩と第二銅塩の混合
物でも銅イオンを含んだ溶液あるいは廃液でも使用する
ことができ、反応条件に制限がなく、光を照射するとい
う簡単な方法で廃水を迅速に処理できる。このとき、光
の照射と同時に加熱を行うと処理速度を上げることがで
きるが、その温度は70℃程度が最も好ましい。また、
その際、攪拌を行うと処理速度をさらに上げることがで
きる。
【0018】
【実施例】本発明の実施例の内で特に代表的なものを以
下に示す。
【0019】実施例1 有機リン系の農薬である4−ニトロフェニルエチルフェ
ニルホスフィナートの4000ppmの濃度の水溶液
を、内側に酸化チタン膜を被覆した硬質ガラス製容器に
入れ、12000ppmの過酸化水素と150ppmの
塩化第二銅・二水和物を添加し、マグネチックスターラ
ーで攪拌しながら、500Wのキセノンランプの光を1
時間20分間照射した。得られた反応液の全有機炭素の
量(TOC値)を全有機炭素計を用いて分析した結果、
反応液のTOC値は80%減少していた。
【0020】比較例 4−ニトロフェニルエチルフェニルホスフィナートの4
000ppmの濃度の水溶液を、内側に酸化チタン膜を
被覆した硬質ガラス製容器に入れ、150ppmの塩化
第二銅・二水和物を添加し、マグネチックスターラーで
攪拌しながら、500Wのキセノンランプの光を1時間
20分間照射した。得られた反応液のTOC値を全有機
炭素計を用いて分析した結果、反応液のTOC値は10
%しか減少していなかった。また、実施例1で塩化第二
銅・二水和物を添加しない場合には反応液のTOC値は
40%しか減少していなかった。他の有機リン系の農薬
である4−ニトロフェニルジエチルホスフェートや、ジ
エチルベンジルホスフォナート、ジエチル−p−ニトロ
フェニル チオホスフェート、0,0−ジメチル−S−
(1,2−ジカルベトキシエチル)ホスフォロジチオエ
ートの場合も、同様の結果が得られた。
【0021】実施例2 内側に酸化チタン膜を被覆した鉛ガラス製容器を2g/
lの塩化白金酸カリウムのエタノール水溶液に入れ、マ
グネチックスターラーで攪拌しながら、100Wの水銀
ランプの光を4時間照射し、酸化チタン膜の表面に白金
をコートした。この容器にトリクロロエチレンの400
ppmの濃度の水溶液を入れ、600ppmの過酸化水
素と20ppmの酢酸銅を添加して、マグネチックスタ
ーラーで攪拌しながら500Wの白熱灯の光を1時間照
射した。得られた反応液に含まれるTOC値を全有機炭
素計を用いて分析した結果、反応液のTOC値が95%
減少しており、トリクロロエチレンの95%が分解して
いることが分かった。
【0022】比較例 実施例2で作製した容器に400ppmの濃度のトリク
ロロエチレンの水溶液と20ppmの酢酸銅を入れ、マ
グネチックスターラーで攪拌しながら500Wの白熱灯
の光を1時間照射した。得られた反応液のTOC値を全
有機炭素計を用いて分析した結果、反応液のTOC値は
11%しか減少していなかった。また、実施例2で酢酸
銅を添加しなかった場合には反応液のTOC値は45%
しか減少しなかった。
【0023】実施例3 内側に酸化チタン膜を被覆した直径8mm長さ30cm
の石英ガラス製の円管を硫酸第二銅の10%溶液に浸し
て乾燥した後、その中を300ppmの濃度のテトラク
ロロエチレンの水溶液に500ppmの過酸化水素を添
加した50℃の溶液をゆっくり流下させながら、外側か
ら500Wのキセノンランプの光を1時間照射した。得
られた反応液のTOC値を全有機炭素計を用いて分析し
た結果、反応液のTOC値は93%減少していた。
【0024】比較例 実施例3と同様にして300ppmの濃度のテトラクロ
ロエチレンの水溶液の50℃に加熱した溶液をゆっくり
流下させながら外側から500Wのキセノンランプの光
を1時間照射した。得られた反応液のTOC値を全有機
炭素計を用いて分析した結果、反応液のTOC値は20
%しか減少していなかった。
【0025】実施例4 硝酸第二銅を添加した酸化チタン膜をその内側に被覆し
たアルミナ容器に、活性汚泥処理が困難なエチレンジア
ミン四酢酸二ナトリウムの1%溶液を入れ、3%の過酸
化水素を添加し、攪拌しながら、500WのUVランプ
の光を1時間照射した。得られた反応液のTOC値を全
有機炭素計を用いて、また、COD値(化学的酸素要求
量)をCOD測定装置によって分析した結果、反応液の
TOC値は85%、また、COD値も80%減少してい
た。
【0026】比較例 実施例4と同様の容器に、エチレンジアミン四酢酸二ナ
トリウムの1%溶液を入れ、攪拌しながら、500Wの
UVランプの光を1時間照射した。得られた反応液のT
OC値を全有機炭素計を用いて、また、COD値をCO
D測定装置によって分析した結果、反応液のTOC値
も、COD値も約10%しか減少していなかった。
【0027】実施例5 80ppmの濃度の合成洗剤(アルキルベンゼンスルホ
ン酸)の水溶液を、内側にニオブドープの酸化チタン膜
を被覆した硬質ガラス製容器に入れ、300ppmの過
酸化水素と20ppmの銅イオンを含んだ廃水を加え、
マグネチックスターラーで攪拌しながら太陽光を1時間
半照射した。得られた反応液のTOC値を全有機炭素計
を用いて、また、アルキルベンゼンスルホン酸の濃度を
メチレンブルー法によって分析した。その結果、反応液
のアルキルベンゼンスルホン酸の濃度は8ppmに減
り、TOC値も90%減少していた。
【0028】比較例 実施例5と同様の容器に80ppmの濃度の合成洗剤
(アルキルベンゼンスルホン酸)の水溶液を入れ、マグ
ネチックスターラーで攪拌しながら太陽光を1時間半照
射した。得られた反応液のTOC値を全有機炭素計を用
いて、また、アルキルベンゼンスルホン酸の濃度をメチ
レンブルー法によって分析した。その結果、反応液のア
ルキルベンゼンスルホン酸の濃度は70ppmとあまり
変わらず、TOC値も13%しか減少していなかった。
また、実施例5で銅イオンを含んだ廃水を添加しなかっ
た場合には反応液のTOC値及びアルキルベンゼンスル
ホン酸の濃度が55%しか減少しなかった。
【0029】実施例6 300ppmの濃度のクロロホルムの水溶液を、内側に
酸化チタン膜を被覆した硬質ガラス製容器に入れ、25
0ppmの過酸化水素と25ppmの塩化第一銅を添加
し、マグネチックスターラーで攪拌しながら30Wの蛍
光灯を10本用いて光を1時間20分間照射した。得ら
れた反応液のTOC値を全有機炭素計を用いて分析した
結果、反応液のTOC値は83%減少していた。
【0030】比較例 実施例6と同様の容器に300ppmの濃度のクロロホ
ルムの水溶液と25ppmの塩化第一銅を入れ、マグネ
チックスターラーで攪拌しながら30Wの蛍光灯を10
本用いて光を1時間20分間照射した。得られた反応液
のTOC値を全有機炭素計を用いて分析した結果、反応
液のTOC値は12%しか減少していなかった。また、
実施例6で塩化第一銅を添加しない場合には反応液のT
OC値が41%しか減少しなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、深刻な水
質汚染に対処して、活性汚泥法では処理しにくい農薬や
有機溶剤(特にハロカーボン)、界面活性剤(特に側鎖
の付いたもの)などを温和な条件で容易にかつ迅速に処
理できる経済的な廃水処理方法を提供するものである。
内側に酸化チタン膜を被覆した容器に廃水などの被処理
水を入れ、過酸化水素と銅イオンまたは銅塩を添加して
太陽光などの光を照射すること、あるいは、銅イオンを
添加した酸化チタン膜を内側に被覆した容器に被処理水
と過酸化水素を入れて加熱あるいは無加熱で光を照射す
ることにより、被処理水に含まれていた有機物を速やか
に炭酸ガスと水などに分解し、浄化された水を得ること
ができる。本発明による方法で用いられる過酸化水素は
安価であり、使用される銅塩は極く微量で、銅イオンを
含んだ廃液も利用できるため、非常に経済的である。ま
た、本発明による廃水処理プロセスを行って難分解性の
物質を分解した後、活性汚泥法による水処理を行えば、
水の浄化効果がさらに大きい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側に酸化チタン膜を被覆した容器に被
    処理水を入れ、過酸化水素と銅イオンを添加し、光を照
    射することを特徴とする廃水処理方法。
  2. 【請求項2】 内側に酸化チタン膜を被覆した容器に被
    処理水と過酸化水素と銅塩を入れ、光を照射することを
    特徴とする廃水処理方法。
  3. 【請求項3】 内側に酸化チタン膜を被覆した容器に被
    処理水と過酸化水素と銅イオンを含んだ廃水を入れ、光
    を照射することを特徴とする廃水処理方法。
  4. 【請求項4】 銅イオンを添加した酸化チタン膜を内側
    に被覆した容器に、被処理水と過酸化水素を入れ、光を
    照射することを特徴とする廃水処理方法。
  5. 【請求項5】 光を照射すると同時に加熱や攪拌を行う
    ことを特徴とする請求項1または2または3または4記
    載の廃水処理方法。
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