JPH071449A - 樹脂の成形方法及び装置 - Google Patents
樹脂の成形方法及び装置Info
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- JPH071449A JPH071449A JP17489093A JP17489093A JPH071449A JP H071449 A JPH071449 A JP H071449A JP 17489093 A JP17489093 A JP 17489093A JP 17489093 A JP17489093 A JP 17489093A JP H071449 A JPH071449 A JP H071449A
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- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 小粒状樹脂を溶融させて行う成形で酸素劣化
と熱劣化或いは強化繊維の切断を最小限にして成形でき
る樹脂の成形方法を提供する。 【構成】 透明性樹脂又は熱に敏感な樹脂による小粒状
樹脂或いはガラス繊維等の強化繊維を含む小粒状樹脂を
筒状容器14内に通気可能に貯溜し、該樹脂にノズル2
1から噴出する高温不活性ガスを通して半溶融以上に溶
融させ、溶融した樹脂をオリフィスプレート15の孔2
0を通して押出装置2のスクリュ41に供給する樹脂の
成形方法である。
と熱劣化或いは強化繊維の切断を最小限にして成形でき
る樹脂の成形方法を提供する。 【構成】 透明性樹脂又は熱に敏感な樹脂による小粒状
樹脂或いはガラス繊維等の強化繊維を含む小粒状樹脂を
筒状容器14内に通気可能に貯溜し、該樹脂にノズル2
1から噴出する高温不活性ガスを通して半溶融以上に溶
融させ、溶融した樹脂をオリフィスプレート15の孔2
0を通して押出装置2のスクリュ41に供給する樹脂の
成形方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性又は熱に敏感な
樹脂による小粒状樹脂、ガラス繊維等の強化繊維を含む
小粒状樹脂、或いは樹脂中に強化繊維を分散させた塊状
予備成形体を加熱溶融して成形する樹脂の成形方法及び
装置に関し、特にせん断による発熱作用又は強化繊維物
理的損傷を極力抑えることとができるものに関する。
樹脂による小粒状樹脂、ガラス繊維等の強化繊維を含む
小粒状樹脂、或いは樹脂中に強化繊維を分散させた塊状
予備成形体を加熱溶融して成形する樹脂の成形方法及び
装置に関し、特にせん断による発熱作用又は強化繊維物
理的損傷を極力抑えることとができるものに関する。
【0002】
【従来の技術】小粒状樹脂の射出押出成形においては、
通常、加熱溶融及び加圧の為にシリンダに挿入されたス
クリュが用いられる。スクリュの回転移送作用によって
スクリュの溝に沿って小粒が送られる。この過程におい
て、小粒はシリンダの外周に巻かれたヒータとスクリュ
のせん断作用による加熱によって溶融させられ、スクリ
ュ先端に送られ加圧される。
通常、加熱溶融及び加圧の為にシリンダに挿入されたス
クリュが用いられる。スクリュの回転移送作用によって
スクリュの溝に沿って小粒が送られる。この過程におい
て、小粒はシリンダの外周に巻かれたヒータとスクリュ
のせん断作用による加熱によって溶融させられ、スクリ
ュ先端に送られ加圧される。
【0003】このようにスクリュを用いて小粒状樹脂を
溶融する場合、ヒータの加熱とせん断の加熱の両方が作
用するため、過剰なエネルギーが加えられる。そのた
め、透明性の樹脂や熱に敏感な樹脂であるPET(ポリ
エチレンテレフタール)、AN(アクリルニトリル)、
PMMA(アクリル)等は、熱劣化により焼け、シルバ
ー、強度低下等の品質低下を招きやすくなる。例えばP
ETでは熱劣化により衝撃強度が低下するが、その判定
としてIV値(極限粘度)が用いられるが、スクリュを
使用した場合、IV値の低下率は9〜15%に達する。
また、ガラス繊維等の強化繊維を含ませた小粒状樹脂に
おいては、上記スクリュ内での樹脂の溶融時に加えられ
るせん断力により、ガラス繊維等の強化繊維が切断さ
れ、各種強度が低下する。例えば繊維長6mmを含むガ
ラス繊維強化ポリプロピレンの場合、ガラス繊維は0.
2〜0.5mm程度まで切断され、各種強度は50%ま
で低下する。
溶融する場合、ヒータの加熱とせん断の加熱の両方が作
用するため、過剰なエネルギーが加えられる。そのた
め、透明性の樹脂や熱に敏感な樹脂であるPET(ポリ
エチレンテレフタール)、AN(アクリルニトリル)、
PMMA(アクリル)等は、熱劣化により焼け、シルバ
ー、強度低下等の品質低下を招きやすくなる。例えばP
ETでは熱劣化により衝撃強度が低下するが、その判定
としてIV値(極限粘度)が用いられるが、スクリュを
使用した場合、IV値の低下率は9〜15%に達する。
また、ガラス繊維等の強化繊維を含ませた小粒状樹脂に
おいては、上記スクリュ内での樹脂の溶融時に加えられ
るせん断力により、ガラス繊維等の強化繊維が切断さ
れ、各種強度が低下する。例えば繊維長6mmを含むガ
ラス繊維強化ポリプロピレンの場合、ガラス繊維は0.
2〜0.5mm程度まで切断され、各種強度は50%ま
で低下する。
【0004】このように、小粒状樹脂に強化繊維を含ま
せると、スクリュ溶融の過程で強化繊維の切断が避けら
れないために、樹脂中に強化繊維を分散させた塊状予備
成形体にし、この予備成形体に加熱ガスを通して溶融さ
せ、プランジャ押出装置で圧縮成形装置に供給する成形
方法が提案されている。
せると、スクリュ溶融の過程で強化繊維の切断が避けら
れないために、樹脂中に強化繊維を分散させた塊状予備
成形体にし、この予備成形体に加熱ガスを通して溶融さ
せ、プランジャ押出装置で圧縮成形装置に供給する成形
方法が提案されている。
【0005】しかしながら、塊状予備成形体の溶融に際
してガスや外気で劣化する恐れがあり、塊状予備成形体
のまま溶融させるとその後の取り扱いが不便であり、塊
状予備成形体による連続成形がしにくいものとなってい
た。
してガスや外気で劣化する恐れがあり、塊状予備成形体
のまま溶融させるとその後の取り扱いが不便であり、塊
状予備成形体による連続成形がしにくいものとなってい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、小粒状樹脂では熱劣化、
酸化劣化或いは強化繊維の切断を最小限にして成形で
き、塊状予備成形体では加熱後の取り扱いがし易く酸化
劣化も少ない樹脂の成形方法及び装置を提供するところ
にある。
の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、小粒状樹脂では熱劣化、
酸化劣化或いは強化繊維の切断を最小限にして成形で
き、塊状予備成形体では加熱後の取り扱いがし易く酸化
劣化も少ない樹脂の成形方法及び装置を提供するところ
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決する小粒
状樹脂の成形方法は、小粒状樹脂を通気可能に貯溜し、
該樹脂に高温不活性ガスを通して半溶融以上に溶融さ
せ、溶融した樹脂を押出装置に供給する方法である。
状樹脂の成形方法は、小粒状樹脂を通気可能に貯溜し、
該樹脂に高温不活性ガスを通して半溶融以上に溶融さ
せ、溶融した樹脂を押出装置に供給する方法である。
【0008】上記目的を解決す塊状予備成形体の成形方
法は、樹脂中に強化繊維を分散させた塊状予備成形体に
非貫通孔を形成し、該非貫通孔を経て上記予備成形体内
に融点以上の高温不活性ガスを拡散させて加熱すると共
に、上記予備成形体の外周を軟化点以上融点以下に保
ち、予備成形体の塊状形態を保持したまま不活性ガス雰
囲気下で押出装置に供給する方法であり、好ましく前記
押出装置に供給された予備成形体から高温不活性ガスを
脱気し、予備成形体の外周を融点以上に加熱しながら押
し出す方法である。
法は、樹脂中に強化繊維を分散させた塊状予備成形体に
非貫通孔を形成し、該非貫通孔を経て上記予備成形体内
に融点以上の高温不活性ガスを拡散させて加熱すると共
に、上記予備成形体の外周を軟化点以上融点以下に保
ち、予備成形体の塊状形態を保持したまま不活性ガス雰
囲気下で押出装置に供給する方法であり、好ましく前記
押出装置に供給された予備成形体から高温不活性ガスを
脱気し、予備成形体の外周を融点以上に加熱しながら押
し出す方法である。
【0009】
【作用】高温不活性ガスをペレット等の小粒状樹脂に通
すと、変質することなく或いは強化繊維が切断されるこ
となく加熱され、半溶融以上となる。半溶融にすると、
スクリュに供給しても最小限のせん断で完全溶融となる
ので、加圧に必要なスクリュディメンジョンでよく、ス
クリュの圧縮比は1.0〜1.5とし、スクリュの有効
長はL/D比で3〜5とする。完全溶融にすると、プラ
ンジャ押出装置で加圧できる。
すと、変質することなく或いは強化繊維が切断されるこ
となく加熱され、半溶融以上となる。半溶融にすると、
スクリュに供給しても最小限のせん断で完全溶融となる
ので、加圧に必要なスクリュディメンジョンでよく、ス
クリュの圧縮比は1.0〜1.5とし、スクリュの有効
長はL/D比で3〜5とする。完全溶融にすると、プラ
ンジャ押出装置で加圧できる。
【0010】高温不活性ガスを塊状予備成形体に非貫通
孔から内部に拡散させると、内部が均一に加熱され、塊
状予備成形体の外周を軟化点以上融点以下に保つと、塊
状形態を保持したまま加熱装置から押出装置へと搬送さ
れ、不活性ガス雰囲気下におかれたままであり、変質し
ない。内部は融けた状態が強化繊維で保たれ、外周は軟
化点以上に加熱されているので、押出装置で塊状予備成
形体の外周をヒータが巻かれたシリンダで簡単に完全溶
融となる。
孔から内部に拡散させると、内部が均一に加熱され、塊
状予備成形体の外周を軟化点以上融点以下に保つと、塊
状形態を保持したまま加熱装置から押出装置へと搬送さ
れ、不活性ガス雰囲気下におかれたままであり、変質し
ない。内部は融けた状態が強化繊維で保たれ、外周は軟
化点以上に加熱されているので、押出装置で塊状予備成
形体の外周をヒータが巻かれたシリンダで簡単に完全溶
融となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。まず図1乃至図3に基づいて、小粒状樹脂の射
出成形方法及び装置を説明する。図1は射出成形装置の
断面図であり、図2は図1のX−X断面図であり、図3
は加熱装置の要部断面図である。
明する。まず図1乃至図3に基づいて、小粒状樹脂の射
出成形方法及び装置を説明する。図1は射出成形装置の
断面図であり、図2は図1のX−X断面図であり、図3
は加熱装置の要部断面図である。
【0012】図1において、射出成形装置は、加熱装置
1と射出押出装置2とからなっている。加熱装置1は、
下端の開口フランジ11と上端の閉鎖フランジ12と樹
脂投入口13を有する筒状容器14と、筒状容器14の
下端側に嵌入されたオリフィスプレート15と、筒状容
器14の上端側に摺動自在に挿入されたプランジャ16
と、プランジャ16を昇降させる油圧シリンダ17及び
油圧回路18と、オリフィスプレート15及び筒状容器
14の上端に接続された高温ガス循環回路19とを備え
ている。
1と射出押出装置2とからなっている。加熱装置1は、
下端の開口フランジ11と上端の閉鎖フランジ12と樹
脂投入口13を有する筒状容器14と、筒状容器14の
下端側に嵌入されたオリフィスプレート15と、筒状容
器14の上端側に摺動自在に挿入されたプランジャ16
と、プランジャ16を昇降させる油圧シリンダ17及び
油圧回路18と、オリフィスプレート15及び筒状容器
14の上端に接続された高温ガス循環回路19とを備え
ている。
【0013】オリフィスプレート15は、半溶融以上の
樹脂が通過する孔20と高温不活性ガスが噴出する上向
きノズル21を図2のように全面に設けたものである。
このオリフィスプレート15の上には、ペレット、円筒
形、不定形の小粒状樹脂が樹脂投入口13から投入さ
れ、レベル計22が小粒状樹脂を検知すると、ロータリ
ダンパ23が樹脂投入口13を気密に閉鎖する。プラン
ジャ16にはガスが通過する孔24が開口し、容器14
のガス出口孔25とノズル21に連通するガス入口孔2
6とがガス回路19に接続される。
樹脂が通過する孔20と高温不活性ガスが噴出する上向
きノズル21を図2のように全面に設けたものである。
このオリフィスプレート15の上には、ペレット、円筒
形、不定形の小粒状樹脂が樹脂投入口13から投入さ
れ、レベル計22が小粒状樹脂を検知すると、ロータリ
ダンパ23が樹脂投入口13を気密に閉鎖する。プラン
ジャ16にはガスが通過する孔24が開口し、容器14
のガス出口孔25とノズル21に連通するガス入口孔2
6とがガス回路19に接続される。
【0014】高温ガス循環回路19は、排ガス処理装置
30とブロア31と加熱ヒータ32を直列に接続し、ブ
ロア31の上流側に電磁弁33を介して窒素等の不活性
ガスボンベ34を接続したものである。
30とブロア31と加熱ヒータ32を直列に接続し、ブ
ロア31の上流側に電磁弁33を介して窒素等の不活性
ガスボンベ34を接続したものである。
【0015】押出装置2は、加熱装置1と連通する穴4
0を有するシリンダ41と、スクリュ42と、ミキシン
グ装置付逆流防止弁43と、ノズル44付のアダプタ4
5とを備えている。スクリュ42はシリンダ41内に挿
入されており、シリンダ41は外部ヒータ46により加
熱されている。またシリンダ41の後端にはシール装置
47が取り付けられ、シール装置46前方のシリンダ4
1には孔48が加工されて真空ポンプ49に接続され、
樹脂に含まれるモノマーや不揮発分を除去できるように
なっている。
0を有するシリンダ41と、スクリュ42と、ミキシン
グ装置付逆流防止弁43と、ノズル44付のアダプタ4
5とを備えている。スクリュ42はシリンダ41内に挿
入されており、シリンダ41は外部ヒータ46により加
熱されている。またシリンダ41の後端にはシール装置
47が取り付けられ、シール装置46前方のシリンダ4
1には孔48が加工されて真空ポンプ49に接続され、
樹脂に含まれるモノマーや不揮発分を除去できるように
なっている。
【0016】スクリュ42の根本部にはオリフィスプレ
ート15の孔20から少なくとも半溶融まで溶かされた
樹脂が押し出されて供給され、スクリュ42の回転によ
って前方に送られ、樹脂の未溶融部分がフクリュ42と
シリンダ41間のせん断作用と外部ヒータ46の加熱作
用で溶かされ、ミキシング装置付逆流防止弁43を経て
プール部50に貯められる。そのため、スクリュ42は
後退可能となっており、射出に必要な樹脂がプール部5
0に計量加圧され、ノズル44を経て図示されない金型
に射出可能となっている。
ート15の孔20から少なくとも半溶融まで溶かされた
樹脂が押し出されて供給され、スクリュ42の回転によ
って前方に送られ、樹脂の未溶融部分がフクリュ42と
シリンダ41間のせん断作用と外部ヒータ46の加熱作
用で溶かされ、ミキシング装置付逆流防止弁43を経て
プール部50に貯められる。そのため、スクリュ42は
後退可能となっており、射出に必要な樹脂がプール部5
0に計量加圧され、ノズル44を経て図示されない金型
に射出可能となっている。
【0017】スクリュ42には半溶融以上の樹脂が供給
されるので、スクリュ42内のせん断発熱は最小でよ
い。そのため、スクリュ42の圧縮比(根本部と先端部
の溝深さの比)は樹脂の種類で異なるものの1.0〜
2.0の範囲内とするとよい。またスクリュ42のL/
D(長径比)はスクリュ42が後退する射出ストローク
を除いた有効で、3〜5あれば、射出に必要な計量加圧
が可能である。
されるので、スクリュ42内のせん断発熱は最小でよ
い。そのため、スクリュ42の圧縮比(根本部と先端部
の溝深さの比)は樹脂の種類で異なるものの1.0〜
2.0の範囲内とするとよい。またスクリュ42のL/
D(長径比)はスクリュ42が後退する射出ストローク
を除いた有効で、3〜5あれば、射出に必要な計量加圧
が可能である。
【0018】つぎに、上述した射出成形装置の作動を以
下に説明する。図1において、プランジャ16は上昇し
ており、ロータリダンパ23が開状態になった投入口1
3からペレット状樹脂が投入されオリィフィスプレート
15の上に溜まる。レベル計22が樹脂を検知すると、
ロータリダンパ23が閉じ、二点鎖線のようにプランジ
ャ16が下降して樹脂を所定圧力で押し付ける。そし
て、高温ガス循環回路19からの高温窒素ガスがガス入
口孔26を経てノズル21の先端から噴出し、樹脂を加
熱する。この状態を図3により説明する。加熱されたペ
レット状樹脂Rは溶融し、容器14の下部に液状樹脂L
となって溜まる。高温窒素ガスGはプランジャ16の孔
24を抜けて循環する。この液状樹脂Lはプランジャ1
6の押し付け力でオリィフィスプレート15の孔20か
ら下部のスクリュ42の根本部に供給される。プランジ
ャ16が所定ストローク下降すると、上昇して第1図の
状態に戻り、ロータリダンパ23の回転により新たなペ
レット状樹脂が投入され、上述した動作が繰り返され
る。なお、容器14内を窒素ガス雰囲気に保つために、
投入口13を窒素パージすることが好ましい。
下に説明する。図1において、プランジャ16は上昇し
ており、ロータリダンパ23が開状態になった投入口1
3からペレット状樹脂が投入されオリィフィスプレート
15の上に溜まる。レベル計22が樹脂を検知すると、
ロータリダンパ23が閉じ、二点鎖線のようにプランジ
ャ16が下降して樹脂を所定圧力で押し付ける。そし
て、高温ガス循環回路19からの高温窒素ガスがガス入
口孔26を経てノズル21の先端から噴出し、樹脂を加
熱する。この状態を図3により説明する。加熱されたペ
レット状樹脂Rは溶融し、容器14の下部に液状樹脂L
となって溜まる。高温窒素ガスGはプランジャ16の孔
24を抜けて循環する。この液状樹脂Lはプランジャ1
6の押し付け力でオリィフィスプレート15の孔20か
ら下部のスクリュ42の根本部に供給される。プランジ
ャ16が所定ストローク下降すると、上昇して第1図の
状態に戻り、ロータリダンパ23の回転により新たなペ
レット状樹脂が投入され、上述した動作が繰り返され
る。なお、容器14内を窒素ガス雰囲気に保つために、
投入口13を窒素パージすることが好ましい。
【0019】このようにスクリュ42には溶けた樹脂が
供給されるため、スクリュ42は加圧機能を有する最小
限のものでよい。しかし、加圧途中でもせん断発熱があ
り、シリンダ41の外部ヒータで加熱もできるので、完
全溶融ではなく、半分未満の未溶融部分が含まれたもの
で供給してもよい。図1の押出装置2が射出成形用の場
合、スクリュ42が所定スクローク後退して計量した
後、図示されてない金型内にノズル44を通して溶融樹
脂が射出される。押出装置2が押出成形用の場合、ノズ
ル44に代わりダイが取り付けられ、ダイからシート状
や円筒状に押し出される。
供給されるため、スクリュ42は加圧機能を有する最小
限のものでよい。しかし、加圧途中でもせん断発熱があ
り、シリンダ41の外部ヒータで加熱もできるので、完
全溶融ではなく、半分未満の未溶融部分が含まれたもの
で供給してもよい。図1の押出装置2が射出成形用の場
合、スクリュ42が所定スクローク後退して計量した
後、図示されてない金型内にノズル44を通して溶融樹
脂が射出される。押出装置2が押出成形用の場合、ノズ
ル44に代わりダイが取り付けられ、ダイからシート状
や円筒状に押し出される。
【0020】また、加熱装置1から供給される樹脂が完
全溶融の場合、押出装置2にスクリュを用いた図1のも
のに代わり、図7の符号52の如きプランジャ押出装置
を用いたものにすることができる。
全溶融の場合、押出装置2にスクリュを用いた図1のも
のに代わり、図7の符号52の如きプランジャ押出装置
を用いたものにすることができる。
【0021】つぎに、図1の射出成形装置でPET樹脂
を成形した実験例を以下に説明する。窒素ガスを用い、
0.3〜2kg/cm2 の圧力で260〜320°Cに
加熱した加熱装置1により、PET樹脂を完全溶融して
押出装置2に供給して成形した。IV値(極限粘度)の
低下は4〜6%で通常のスクリュによる射出成形の場合
の9〜15%を大幅に下回った。また、アセトアルデヒ
ドの発生も、1.67〜2.74μg/lと通常の2.
58〜7.05μg/lを大幅に下回った。なおアセト
アルデヒドの発生の測定は、24時間蒸留水に成形品を
漬けておき、蒸留水に析出したアセトアルデヒドの量を
測定することにより行った。このように、不活性な窒素
ガスの加熱によって樹脂の酸化劣化を防止できると共
に、樹脂のせん断熱による熱劣化を防止できる。
を成形した実験例を以下に説明する。窒素ガスを用い、
0.3〜2kg/cm2 の圧力で260〜320°Cに
加熱した加熱装置1により、PET樹脂を完全溶融して
押出装置2に供給して成形した。IV値(極限粘度)の
低下は4〜6%で通常のスクリュによる射出成形の場合
の9〜15%を大幅に下回った。また、アセトアルデヒ
ドの発生も、1.67〜2.74μg/lと通常の2.
58〜7.05μg/lを大幅に下回った。なおアセト
アルデヒドの発生の測定は、24時間蒸留水に成形品を
漬けておき、蒸留水に析出したアセトアルデヒドの量を
測定することにより行った。このように、不活性な窒素
ガスの加熱によって樹脂の酸化劣化を防止できると共
に、樹脂のせん断熱による熱劣化を防止できる。
【0022】また、図1の射出成形装置で、繊維長6m
mのガラス繊維を含むガラス繊維強化ポリプロピレン樹
脂を加熱装置1を用いて120〜190°Cまで加熱
し、押出装置2に供給して射出成形した場合、代表残存
ガラス繊維の平均長は、通常のスクリュ溶融の場合の
0.2〜0.5mmに比較して、1〜2mmと大幅に長
くなり、各種強度の低下を少なくできることが判明し
た。
mのガラス繊維を含むガラス繊維強化ポリプロピレン樹
脂を加熱装置1を用いて120〜190°Cまで加熱
し、押出装置2に供給して射出成形した場合、代表残存
ガラス繊維の平均長は、通常のスクリュ溶融の場合の
0.2〜0.5mmに比較して、1〜2mmと大幅に長
くなり、各種強度の低下を少なくできることが判明し
た。
【0023】続いて図4乃至図6に基づいて、塊状予備
成形体の成形方法及び装置を説明する。図4及び図5は
塊状予備成形体の成形装置の機器ブロック図であり、図
6は加熱装置の要部断面図である。
成形体の成形方法及び装置を説明する。図4及び図5は
塊状予備成形体の成形装置の機器ブロック図であり、図
6は加熱装置の要部断面図である。
【0024】図4において、成形装置は、加熱装置51
と押出装置52とからなり、加熱装置51は、加工装置
53と、供給装置54と、加熱容器55と、コンテナー
56と56とからなり、押出装置52はプランジャ押出
装置である。
と押出装置52とからなり、加熱装置51は、加工装置
53と、供給装置54と、加熱容器55と、コンテナー
56と56とからなり、押出装置52はプランジャ押出
装置である。
【0025】塊状予備成形体Bは、輪切りした円柱状で
あり、筒の外周面は溶けた樹脂の殻を被り、内部は樹脂
と強化繊維の混合物であって部分的溶融によって連通空
間を有した状態で固まっており、筒の両側の側面は混合
物が露出している。この塊状予備成形体Bを効率良く加
熱するために、中心軸方向に多数の非貫通孔が加工され
る。そのため、加工装置53はニードル60を進退自在
に有しており、塊状予備成形体Bの側面に突き刺せるよ
うになっている。塊状予備成形体Bの割れを防止するた
めに、ニードル60はカートリッジヒータを内蔵してい
る。
あり、筒の外周面は溶けた樹脂の殻を被り、内部は樹脂
と強化繊維の混合物であって部分的溶融によって連通空
間を有した状態で固まっており、筒の両側の側面は混合
物が露出している。この塊状予備成形体Bを効率良く加
熱するために、中心軸方向に多数の非貫通孔が加工され
る。そのため、加工装置53はニードル60を進退自在
に有しており、塊状予備成形体Bの側面に突き刺せるよ
うになっている。塊状予備成形体Bの割れを防止するた
めに、ニードル60はカートリッジヒータを内蔵してい
る。
【0026】非貫通孔が加工された塊状予備成形体Bは
空気と窒素の置換のために、供給装置54に送り込まれ
る。供給装置54は入口ダンパ61と出口ダンパ62を
有し、入口ダンパ61を開けて塊状予備成形体Bを受入
れ、入口ダンパ61を閉めて窒素を送り込んで空気と窒
素の置換を行い、出口ダンパ62を開けて塊状予備成形
体Bを加熱容器55に送り込む。
空気と窒素の置換のために、供給装置54に送り込まれ
る。供給装置54は入口ダンパ61と出口ダンパ62を
有し、入口ダンパ61を開けて塊状予備成形体Bを受入
れ、入口ダンパ61を閉めて窒素を送り込んで空気と窒
素の置換を行い、出口ダンパ62を開けて塊状予備成形
体Bを加熱容器55に送り込む。
【0027】図6に示されるように、加熱容器55は、
ジャケット付63付の筒体64と、筒体64の両端に対
する入口蓋65及び出口蓋66とからなっている。筒体
64は油圧シリンダ67に接続され、供給装置の供給室
60aとコンテナー56のホームポジションの中心線6
8まで移動自在(実線←→二点鎖線)となっている。実
線位置の筒体64の両端にはコーナ64aが設けられ、
進退自在な蓋65,66がこのコーナ64aでメタルタ
ッチして密封状態にし、パイプ69から導入される高温
窒素ガスが塊状予備成形体Bの非貫通孔B1を経て内部
に拡散し熱交換され、パイプ70から排出される。この
ような加熱容器55は中心軸68の回りに放射状に5個
設けられている。
ジャケット付63付の筒体64と、筒体64の両端に対
する入口蓋65及び出口蓋66とからなっている。筒体
64は油圧シリンダ67に接続され、供給装置の供給室
60aとコンテナー56のホームポジションの中心線6
8まで移動自在(実線←→二点鎖線)となっている。実
線位置の筒体64の両端にはコーナ64aが設けられ、
進退自在な蓋65,66がこのコーナ64aでメタルタ
ッチして密封状態にし、パイプ69から導入される高温
窒素ガスが塊状予備成形体Bの非貫通孔B1を経て内部
に拡散し熱交換され、パイプ70から排出される。この
ような加熱容器55は中心軸68の回りに放射状に5個
設けられている。
【0028】気密空間71内にジャケット72付収納容
器73を移動自在に保持したものである。図1の如く押
出装置52のプランジャ91の中心軸まで移動し、加熱
後の塊状予備成形体Bを押出装置52に渡す。図6の筒
体64のジャケット63及び収納筒体73のジャケット
72には温度調節された加熱媒体が流され、容器63,
73の内周の温度を樹脂の軟化点以上で溶融温度未満に
保ち、塊状予備成形体Bの外周部の形状が保持されるよ
うになっている。
器73を移動自在に保持したものである。図1の如く押
出装置52のプランジャ91の中心軸まで移動し、加熱
後の塊状予備成形体Bを押出装置52に渡す。図6の筒
体64のジャケット63及び収納筒体73のジャケット
72には温度調節された加熱媒体が流され、容器63,
73の内周の温度を樹脂の軟化点以上で溶融温度未満に
保ち、塊状予備成形体Bの外周部の形状が保持されるよ
うになっている。
【0029】5個の加熱容器55には図5のような高温
窒素ガス循環回路が接続されている。この回路は、窒素
ガスを加圧するブロア75、窒素ガスを加熱するヒータ
76、加熱後の窒素ガスの異物を除去するフィルター7
7、加熱完了後及びパイパス循環中の高温窒素ガスを冷
却するクーラ78a,78b、窒素ガスを供給するボン
ベ79及びバルブV1〜V3,V11〜V15,V21
〜V25等で構成される。また回路途中には、温度計8
0、流量計81、圧力計82a,82b,82c及び酸
素濃度計83が取り付けられている。バイパス回路84
は加熱容器55入口の窒素ガス圧を一定に保つためのも
であり、圧力計82aでバルブV1を開閉して、窒素ガ
スの一部を逃がすようになっている。窒素ガス中の酸素
濃度が所定値を越えると、バルブV2が自動的に開き、
バルブV3が開き、新たな窒素ガスを導入しながら、一
部を大気放出する。各加熱容器55に至る分岐回路85
a〜85eにはバルブV11〜V15,V21〜V25
が設けられ、各加熱容器55毎の開閉がでる。また分岐
回路85a〜85eの出口側に絞りプレート86a〜8
6eが設けられ、ほぼ同量の窒素ガスが各加熱容器55
に流れるための背圧手段となっている。なお、この絞り
プレートは分岐回路85a〜85eの入口側に設けても
よい。
窒素ガス循環回路が接続されている。この回路は、窒素
ガスを加圧するブロア75、窒素ガスを加熱するヒータ
76、加熱後の窒素ガスの異物を除去するフィルター7
7、加熱完了後及びパイパス循環中の高温窒素ガスを冷
却するクーラ78a,78b、窒素ガスを供給するボン
ベ79及びバルブV1〜V3,V11〜V15,V21
〜V25等で構成される。また回路途中には、温度計8
0、流量計81、圧力計82a,82b,82c及び酸
素濃度計83が取り付けられている。バイパス回路84
は加熱容器55入口の窒素ガス圧を一定に保つためのも
であり、圧力計82aでバルブV1を開閉して、窒素ガ
スの一部を逃がすようになっている。窒素ガス中の酸素
濃度が所定値を越えると、バルブV2が自動的に開き、
バルブV3が開き、新たな窒素ガスを導入しながら、一
部を大気放出する。各加熱容器55に至る分岐回路85
a〜85eにはバルブV11〜V15,V21〜V25
が設けられ、各加熱容器55毎の開閉がでる。また分岐
回路85a〜85eの出口側に絞りプレート86a〜8
6eが設けられ、ほぼ同量の窒素ガスが各加熱容器55
に流れるための背圧手段となっている。なお、この絞り
プレートは分岐回路85a〜85eの入口側に設けても
よい。
【0030】図4に戻り、押出装置52を説明する。押
出装置52は、大径部90a、円錐部90b及び小径部
90cからなるバレル90と、コンテナ56の収納筒7
3を経て大径部90a内に入るプランジャ91と、大径
部90aに対する脱気装置92と、バレル90に巻かれ
た外部ヒータ93と、小径部90c先端のカッター94
とからなっている。プランジャ91は、加熱された塊状
予備成形体Bの溶融した側面を押すため、付着防止のた
めにロータリアクチュエータ95で正逆回転しながら進
退する。塊状予備成形体Bが大径部90aに押し込ま
れ、窒素パージされたコンテナー56と縁切りされた後
に、脱気装置92が作動し、塊状予備成形体B内部に残
った窒素ガスを真空引きする。この脱気装置92には樹
脂や強化繊維が真空ポンプに入らないようにフィルター
が設けられている。また、この塊状予備成形体Bの外周
は形態を保つために軟化点以上で融点未満に保たれてい
るが、バレル90のヒータ93で加熱されてこの外周も
溶融する。
出装置52は、大径部90a、円錐部90b及び小径部
90cからなるバレル90と、コンテナ56の収納筒7
3を経て大径部90a内に入るプランジャ91と、大径
部90aに対する脱気装置92と、バレル90に巻かれ
た外部ヒータ93と、小径部90c先端のカッター94
とからなっている。プランジャ91は、加熱された塊状
予備成形体Bの溶融した側面を押すため、付着防止のた
めにロータリアクチュエータ95で正逆回転しながら進
退する。塊状予備成形体Bが大径部90aに押し込ま
れ、窒素パージされたコンテナー56と縁切りされた後
に、脱気装置92が作動し、塊状予備成形体B内部に残
った窒素ガスを真空引きする。この脱気装置92には樹
脂や強化繊維が真空ポンプに入らないようにフィルター
が設けられている。また、この塊状予備成形体Bの外周
は形態を保つために軟化点以上で融点未満に保たれてい
るが、バレル90のヒータ93で加熱されてこの外周も
溶融する。
【0031】つぎに、上述した装置を用いた塊状予備成
形体の成形方法を説明する。まず、装置全体を所定温度
にし、必要な場所を窒素パージするウォーミングアップ
を説明する。図4において、加工装置53のニードル5
5が樹脂の軟化点以上融点未満に加熱される。図5の自
動温度調節装置87を作動させて、図4の加熱容器55
の筒体64及びコンテナー56の収納筒体73の内周を
樹脂の軟化点以上融点未満に加熱する。押出装置52の
外部ヒータ93により、バレル90の内面を樹脂の融点
以上に加熱する。供給装置60からコンテナー56に至
るまでを窒素パージし、図5の高温窒素ガス循環回路を
作動させ、窒素ガスを所定の酸素濃度内になるように循
環させ、所定温度まで加熱させる。
形体の成形方法を説明する。まず、装置全体を所定温度
にし、必要な場所を窒素パージするウォーミングアップ
を説明する。図4において、加工装置53のニードル5
5が樹脂の軟化点以上融点未満に加熱される。図5の自
動温度調節装置87を作動させて、図4の加熱容器55
の筒体64及びコンテナー56の収納筒体73の内周を
樹脂の軟化点以上融点未満に加熱する。押出装置52の
外部ヒータ93により、バレル90の内面を樹脂の融点
以上に加熱する。供給装置60からコンテナー56に至
るまでを窒素パージし、図5の高温窒素ガス循環回路を
作動させ、窒素ガスを所定の酸素濃度内になるように循
環させ、所定温度まで加熱させる。
【0032】そして、図4のように、塊状予備成形体B
を加工装置53に入れ、非貫通孔を加工する。出口ダン
パ62を閉めた状態で入口ダンパ61を開け、塊状予備
成形体Bを受入れ、入口ダンパ61を閉めて空気と窒素
ガスの置換を行ってから、出口ダンパ62を開けて、図
6の供給室60aを経て二点鎖線位置の筒体64内に塊
状予備成形体Bが押し込まれる。筒体64は実線位置に
戻り、入口蓋65及び出口蓋66が筒体64の両端にメ
タルタッチして密封し、パイプ69から高温窒素ガスが
塊状予備成形体B内に導入され、パイプ70から排出さ
れる。この動作は、図5の〜の加熱装置に対して、
バルブV11〜V15,V21〜V25を開閉しなが
ら、順次行われる。
を加工装置53に入れ、非貫通孔を加工する。出口ダン
パ62を閉めた状態で入口ダンパ61を開け、塊状予備
成形体Bを受入れ、入口ダンパ61を閉めて空気と窒素
ガスの置換を行ってから、出口ダンパ62を開けて、図
6の供給室60aを経て二点鎖線位置の筒体64内に塊
状予備成形体Bが押し込まれる。筒体64は実線位置に
戻り、入口蓋65及び出口蓋66が筒体64の両端にメ
タルタッチして密封し、パイプ69から高温窒素ガスが
塊状予備成形体B内に導入され、パイプ70から排出さ
れる。この動作は、図5の〜の加熱装置に対して、
バルブV11〜V15,V21〜V25を開閉しなが
ら、順次行われる。
【0033】加熱された塊状予備成形体Bは、図6の二
点鎖線位置まで移動し、油圧シリンダ88でコンテナー
56の筒体73内に押し込まれる。そして、図4のシリ
ンダ89でプランジャ91に対面する位置まで筒体73
が移動し、プランジャ91で塊状予備成形体Bは大径部
90a内に押し込まれる。そして、脱気装置92のバル
ブ92bを開け、塊状予備成形体B内の窒素ガスを抜
く。脱気が終わると、一旦プランジャ91が後退し、筒
体73が実線のホームポジションに戻る。このように加
熱された塊状予備成形体Bは、加熱装置51から押出装
置52に搬送されるが、塊状予備成形体Bは溶けておら
ず、形態を保っており、搬送しやすい。また、塊状予備
成形体Bの加熱は不活性な窒素ガスで行われ、搬送途中
も窒素パージされた状態であるため、酸化劣化が生じな
い。もちろん、せん断による加熱でないので、強化繊維
の損傷は生じない。
点鎖線位置まで移動し、油圧シリンダ88でコンテナー
56の筒体73内に押し込まれる。そして、図4のシリ
ンダ89でプランジャ91に対面する位置まで筒体73
が移動し、プランジャ91で塊状予備成形体Bは大径部
90a内に押し込まれる。そして、脱気装置92のバル
ブ92bを開け、塊状予備成形体B内の窒素ガスを抜
く。脱気が終わると、一旦プランジャ91が後退し、筒
体73が実線のホームポジションに戻る。このように加
熱された塊状予備成形体Bは、加熱装置51から押出装
置52に搬送されるが、塊状予備成形体Bは溶けておら
ず、形態を保っており、搬送しやすい。また、塊状予備
成形体Bの加熱は不活性な窒素ガスで行われ、搬送途中
も窒素パージされた状態であるため、酸化劣化が生じな
い。もちろん、せん断による加熱でないので、強化繊維
の損傷は生じない。
【0034】バレル70内の塊状予備成形体Bはその外
周が溶かされ、全体が溶融状態となって、プランジャ9
1で圧縮される。プランジャ91が所定ストロークだけ
進むと、溶融した強化繊維入り樹脂が小径部90cから
押し出されカッター94で切断され、図示されない圧縮
成形装置に供給される。このプランジャ91による押出
中は、コンテナー56の収納筒体73は実線のホームポ
ジションにあるため、押出装置52と加熱装置51は独
立した運転が可能であり、連続生産しながら、どちらか
の装置51,52に合わせるという融通がきく。
周が溶かされ、全体が溶融状態となって、プランジャ9
1で圧縮される。プランジャ91が所定ストロークだけ
進むと、溶融した強化繊維入り樹脂が小径部90cから
押し出されカッター94で切断され、図示されない圧縮
成形装置に供給される。このプランジャ91による押出
中は、コンテナー56の収納筒体73は実線のホームポ
ジションにあるため、押出装置52と加熱装置51は独
立した運転が可能であり、連続生産しながら、どちらか
の装置51,52に合わせるという融通がきく。
【0035】図7は、塊状予備成形体Bを射出圧縮成形
方法に適用した場合を示す。加熱装置51と押出装置5
2は上述したものと同様である。押出装置52の先端に
射出ユニット101が図示されない逆流防止弁を介して
接続され、射出ユニット101のプール内の樹脂の計量
と射出のためにプランジャ102が取り付けられてい
る。また射出ユニット101は、固定金型103と可動
金型104からなる金型105に接続可能である。ま
た、金型105の成形品部106とランナー部107の
間にはゲートバルブ108が取り付けられている。
方法に適用した場合を示す。加熱装置51と押出装置5
2は上述したものと同様である。押出装置52の先端に
射出ユニット101が図示されない逆流防止弁を介して
接続され、射出ユニット101のプール内の樹脂の計量
と射出のためにプランジャ102が取り付けられてい
る。また射出ユニット101は、固定金型103と可動
金型104からなる金型105に接続可能である。ま
た、金型105の成形品部106とランナー部107の
間にはゲートバルブ108が取り付けられている。
【0036】射出ユニット101内の強化繊維を含む樹
脂は、ランナー部107を経て成形品部106内に射出
充填される。この時、可動金型104が開いた位置にあ
って隙間εが形成されている。したがって、成形品部1
06の空間は充分に広く、同じく大きな断面積を有する
ランナー部107を経て徐々に成形品部106内に射出
され、炭素繊維の如き強化繊維の折損は極力抑えられ
る。そして、ゲートバルブ108が閉じ、成形品部10
6をランナー部107から切離し、可動金型104が固
定金型103に向かって加圧成形され、所望形状の成形
体を得る。隙間εの開き量は、得られる成形体厚さの
1.1〜10倍の開き量に設定され、望ましくは成形体
厚さの1.5〜5倍の開き量である。
脂は、ランナー部107を経て成形品部106内に射出
充填される。この時、可動金型104が開いた位置にあ
って隙間εが形成されている。したがって、成形品部1
06の空間は充分に広く、同じく大きな断面積を有する
ランナー部107を経て徐々に成形品部106内に射出
され、炭素繊維の如き強化繊維の折損は極力抑えられ
る。そして、ゲートバルブ108が閉じ、成形品部10
6をランナー部107から切離し、可動金型104が固
定金型103に向かって加圧成形され、所望形状の成形
体を得る。隙間εの開き量は、得られる成形体厚さの
1.1〜10倍の開き量に設定され、望ましくは成形体
厚さの1.5〜5倍の開き量である。
【0037】
【発明の効果】小粒状樹脂を高温不活性ガスで半溶融以
上に溶かすと、樹脂に過剰なエネルギーが加えられるこ
とがなく、透明性樹脂や熱に敏感な小粒状樹脂の場合、
加熱中の樹脂の酸素劣化や熱劣化に伴う品質低下を防止
でき、ガラス繊維等の強化繊維を含む小粒状樹脂の場
合、強化繊維の切断の程度を少なくして、強度低下を抑
えることができる。
上に溶かすと、樹脂に過剰なエネルギーが加えられるこ
とがなく、透明性樹脂や熱に敏感な小粒状樹脂の場合、
加熱中の樹脂の酸素劣化や熱劣化に伴う品質低下を防止
でき、ガラス繊維等の強化繊維を含む小粒状樹脂の場
合、強化繊維の切断の程度を少なくして、強度低下を抑
えることができる。
【0038】塊状予備成形体をその外周の形態を保ちな
がら、内部を高温不活性ガスで溶かすと、加熱装置から
成形装置へと搬送し易く、成形装置で残った外周を溶か
すと、後はプランジュ押出装置で加圧するだけでよく、
強化繊維の切断と樹脂の酸素劣化を防止できる。
がら、内部を高温不活性ガスで溶かすと、加熱装置から
成形装置へと搬送し易く、成形装置で残った外周を溶か
すと、後はプランジュ押出装置で加圧するだけでよく、
強化繊維の切断と樹脂の酸素劣化を防止できる。
【図1】小粒状樹脂の射出成形装置の断面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】小粒状樹脂の加熱装置の要部断面図である。
【図4】塊状予備成形体の成形装置の機器ブロック図で
ある。
ある。
【図5】塊状予備成形体の加熱装置の機器ブロック図で
ある。
ある。
【図6】塊状予備成形体の加熱装置の要部断面図であ
る。
る。
【図7】塊状予備成形体の成形装置の機器ブロック図あ
る。
る。
1 加熱装置 2 押出装置 14 筒状容器(容器) 15 オリフィスプレート 16 プランジャ 19 高温ガス循環回路(高温ガス循環手段) 21 ノズル(ガス噴出手段) 42 スクリュ R 小粒状樹脂 51 加熱装置 52 押出装置 53 加工装置 55 加熱容器 56 コンテナー 61,62 ダンパ(ダンパ手段) 63 加熱ジャケット 64 筒体 65 出口蓋 66 入口蓋 91 プランジャ 92 脱気装置(脱気手段) 93 外部ヒータ(加熱手段) 103 固定金型 104 可動金型 108 ゲートバルブ B 塊状予備成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 達也 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 奥村 俊明 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 浴本 貴生 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 穴吹 朋士 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内
Claims (12)
- 【請求項1】 小粒状樹脂を通気可能に貯溜し、該樹脂
に高温不活性ガスを通して半溶融以上に溶融させ、溶融
した樹脂を押出装置に供給する樹脂の成形方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の樹脂の成形方法であっ
て、前記小粒状樹脂は、ガラス繊維等の強化繊維を含む
もの。 - 【請求項3】 ペレット等の小粒状樹脂を半溶融以上に
溶融させる加熱装置と、溶融した樹脂を押し出す押出装
置とからなり、前記加熱装置は、押出装置に連結され開
閉自在な樹脂投入口を有する容器と、該容器の下側に設
けられた溶融した樹脂が押し出されるオリフィスプレー
トと、前記容器の上側に設けられた昇降自在なプランジ
ャと、前記オリフィスプレートに設けられたガス噴出手
段と、該ガス噴出手段からのガスを回収して加熱する高
温ガス循環手段とからなる樹脂の成形装置。 - 【請求項4】 請求項2記載の樹脂の成形装置であっ
て、前記押出装置はスクリュを有し、該スクリュは圧縮
比が1.0〜1.5であり、該スクリュの有効長はL/
D比で3〜5であるもの。 - 【請求項5】 請求項3記載の樹脂の成形装置であっ
て、前記スクリュの先端にミキシング装置付逆流防止弁
が備えられたもの。 - 【請求項6】 請求項2記載の樹脂の成形装置であっ
て、前記押出装置はプランジャを有するもの。 - 【請求項7】 樹脂中に強化繊維を分散させた塊状予備
成形体に非貫通孔を形成し、該非貫通孔を経て上記予備
成形体内に融点以上の高温不活性ガスを拡散させて加熱
すると共に、上記予備成形体の外周を軟化点以上融点以
下に保ち、予備成形体の塊状形態を保持したまま不活性
ガス雰囲気下で押出装置に供給する樹脂の成形方法。 - 【請求項8】 請求項2記載の樹脂の樹脂の成形方法で
あって、前記押出装置に供給された予備成形体から高温
不活性ガスを脱気し、予備成形体の外周を融点以上に加
熱しながら押し出すもの。 - 【請求項9】 樹脂中に強化繊維を分散させた塊状予備
成形体の加熱装置と、加熱された予備成形体の押出装置
とからなり、前記加熱装置は、前記塊状予備成形体に非
貫通孔を形成する加工装置と、予備成形体が挿入される
加熱容器であって、予備成形体の外周に接する加熱ジャ
ケットと、高温不活性ガスの入口蓋及び出口蓋とを有す
る加熱容器と、該加熱容器からの予備成形体を一時貯溜
するコンテナーとを備えてなる樹脂の成形装置。 - 【請求項10】 請求項7記載の樹脂の成形装置であっ
て、前記押出装置は、予備成形体に対する脱気手段と、
予備成形体の外周に対する加熱手段と、プランジャを備
えてなるもの。 - 【請求項11】 請求項8記載の樹脂の成形装置であっ
て、加熱装置の加熱容器以降であって押出装置までは不
活性ガス雰囲気下とするダンパ手段が設けられたもの。 - 【請求項12】 請求項8記載の樹脂の成形装置であっ
て、前記押出装置に、押し出された強化繊維入り溶融樹
脂の射出装置及び成形用金型が連結され、該金型は、射
出圧縮のために僅かに開いた状態を保つよう開閉自在で
あり、型内にゲートバルブを備えなる樹脂の成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17489093A JPH071449A (ja) | 1993-06-21 | 1993-06-21 | 樹脂の成形方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17489093A JPH071449A (ja) | 1993-06-21 | 1993-06-21 | 樹脂の成形方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH071449A true JPH071449A (ja) | 1995-01-06 |
Family
ID=15986473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17489093A Pending JPH071449A (ja) | 1993-06-21 | 1993-06-21 | 樹脂の成形方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH071449A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005021227A1 (ja) * | 2003-08-28 | 2005-03-10 | Zeon Corporation | 重合体製造装置 |
JPWO2015012089A1 (ja) * | 2013-07-26 | 2017-03-02 | 宇部興産機械株式会社 | 押出プレスのコンテナ脱気装置 |
-
1993
- 1993-06-21 JP JP17489093A patent/JPH071449A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005021227A1 (ja) * | 2003-08-28 | 2005-03-10 | Zeon Corporation | 重合体製造装置 |
JPWO2005021227A1 (ja) * | 2003-08-28 | 2006-10-26 | 大見 忠弘 | 重合体製造装置 |
JPWO2015012089A1 (ja) * | 2013-07-26 | 2017-03-02 | 宇部興産機械株式会社 | 押出プレスのコンテナ脱気装置 |
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