JPH0714459U - コロナ転写装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子写真技術を用いた画像形成装置に使用さ
れるコロナ転写器において、転写器と転写後シュートの
間に用紙が落ち込み用紙端部の耳折れやジャム等が発生
するという問題を解決し、さらに小型で、組立性に優れ
た、信頼性のあるコロナ転写器を提供することを目的と
する。 【構成】 転写後シュート１３に近接した、転写後の用
紙６の除電を行う用紙除電部１８ａをコロナ転写器９の
ケーシング１８と連続的な曲率をもって、一体に構成し
たため、コロナ転写器９及び用紙除電部１８ａの接地や
装置本体への固定がシンプルになる。また、コロナ転写
器９と転写後シュート１３の間隔を短くでき、しかも、
ケーシング１８と用紙除電部１８ａが連続的な曲率を有
するため、用紙６のジャムを防止できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電子写真技術を用いた画像形成装置のコロナ転写装置に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

近年、電子写真技術を用いた複写機やレーザプリンタなどの画像形成装置では 、転写装置としてコロナ放電を利用したコロナ転写装置が多く用いられている。

【０００３】 以下に従来のコロナ転写装置について説明する。図２は従来のコロナ転写装置 を用いた画像形成装置の断面図である。図２において、１は感光体、２は感光体 １を帯電する帯電器、３は帯電された感光体１を露光する露光光線である。４は 現像器、５は現像器４に収納されたトナーである。６は用紙、７は転写前シュー トであり、装置本体に一体に設けられたリブ形状の突起で、用紙６の幅方向に複 数本配置されている。８は用紙６を案内するガイドローラである。９は感光体１ 上のトナー像を用紙６に転写するコロナ転写器で、１０はコロナワイヤー、１１ は接地された導電性板金のケーシングで、コロナワイヤー１０をコの字型に取り 囲み、感光体１に対向する部分を開放している。１１ａ，１１ｂはケーシング１ １の取り付け部、１２は取り付けビスで、取り付け部１１ａ，１１ｂで装置本体 にコロナ転写器９を固定している。１３は転写後シュートであり、転写前シュー ト７と同様に装置本体に一体に設けられたリブ形状の突起で、用紙６の幅方向に 複数本配置されており、その表面は、絶縁性である。１４は接地された導電性板 金の用紙除電部材であり、転写後シュート１３のリブ状突起の間に櫛状に配置さ れている。１４ａ，１４ｂは用紙除電部材１４の取り付け部で、取り付けビス１ ２によって装置本体に用紙除電部材１４を固定している。１５は用紙６に転写さ れたトナー像を定着する定着器、１６は感光体１上の残留トナーをクリーニング するクリーニング装置、１７は感光体１を除電する除電器である。

【０００４】 以上のように構成されたコロナ転写装置について、以下その動作を説明する。 まず、感光体１は、帯電器２によって、その表面が均一に帯電される。続いて、 画像形成命令に応じた露光光線３が、感光体１を露光することによって、感光体 １上に静電潜像が形成される。現像器４は、静電潜像をトナー５によって現像し 、感光体１上にトナー像を形成する。一方、用紙６は、給紙装置（図示せず）に よって感光体１に向け給紙され、転写前シュート７の上面を通過し、ガイドロー ラ８によってガイドされ感光体１に当接する。用紙６が、コロナ転写器９上に到 達すると、コロナワイヤー１０に高圧電圧が印加される。これによりコロナ転写 器９でコロナ放電がおこり、用紙６の感光体１と当接している表面の裏側に電荷 が移動し、感光体１上のトナー像は、用紙６上に転写される。トナー像を担持し た用紙６は、感光体１の曲率によって感光体１から剥離し、転写後シュート１３ 上を定着器１５に向け搬送される。しかし、絶縁性の転写後シュート１３は、用 紙６の裏面に接触しているため、その表面には用紙６裏面の電荷が蓄積し、用紙 ６と同極に帯電する。これにより、用紙６は、静電気力によって転写後シュート １３に対して反発力を受け、転写後シュート１３から浮き上がり、定着器１５の ローラ間に突入しなくなるという問題が発生する。このため、従来から図２に示 すように転写後シュート１３の用紙６に接する面から０．５〜１．５ミリの間隔 をおいて、導電性の板金である用紙除電部材１４を設け、用紙６を適正に除電す ることで、上記問題の発生を防いでいる。転写終了後、用紙６に転写されず感光 体１上に付着している残留トナーはクリーニング装置１６によりかき取られ、収 集される。続いて、感光体１上の電荷を、除電器１７によって除電し、一連のプ ロセスを完了する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記従来の構成では、コロナ転写器９のケーシング１１と転写後 の用紙除電部材１４とが別体で構成されていたため、それぞれを接地する必要が あり、装置が複雑となっていた。また、コロナ転写器９のケーシング１１と転写 後の用紙除電部材１４の装置本体への固定をコロナ転写器９と転写後シュート１ ３との間で行う必要があり、コロナ転写器９と転写後シュート１３との間隔が広 くなるので、この間に用紙６が落ち込み、用紙６端部の耳折れやジャムが発生す るという問題点を有していた。

【０００６】 本考案は上記従来の問題点を解決するもので、装置を簡略化すると共に、コロ ナ転写器と転写後シュートとの間への用紙の落ち込みを防止したコロナ転写装置 を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために本考案のコロナ転写装置は、コロナワイヤーを取り 囲み像担持体と対向する部分に開口部を有する導電性の筐体と、転写後の転写材 を除電する除電部材とを一体に構成した。

【０００８】

【作用】

本考案は上記構成により、コロナワイヤーの筐体を除電部材と一体に装置本体 に固定できるため、筐体及び除電部材の接地や装置本体への固定がシンプルにな る。また、転写器と転写後の転写材搬送路との間隔を短くでき、しかも、筐体と 除電部材とを連続的な曲率で構成できるため、筐体と除電部材との間への転写材 の落ち込みを防止することができる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について、図面を参照しながら説明する。図１は本考 案の一実施例におけるコロナ転写装置を用いた画像形成装置の断面図である。図 １において、従来と同じ構成部材については同じ符号を付して説明を省略する。 １８は接地された導電性の板金のケーシングで、コロナワイヤー１０を取り囲み 、感光体１に対向する部分を開放している。１８ａは用紙除電部であり、ケーシ ング１８の一部で、転写後シュート１３のリブ状突起の間に櫛状に配置されてい る。１８ｂ，１８ｃはケーシング１８の取り付け部で、取り付けビス１２によっ て用紙除電部１８ａを含むケーシング１８を装置本体に固定している。

【００１０】 以上のように構成されたコロナ転写装置について、以下その動作を説明する。 まず、直径φ３０ｍｍの感光体１は、帯電器２のコロナ放電によって、その表面 が約−７００Ｖに均一に帯電される。続いて、画像形成命令に応じた露光光線３ が、感光体１を露光することによって、感光体１上に静電潜像が形成される。現 像器４には、−４００Ｖの現像バイアスが印加されており、−１５μｃ／ｍｇ程 度に帯電されたトナー５によって静電潜像が現像され、感光体１上にトナー像が 形成される。一方、用紙６は、給紙装置（図示せず）によって感光体１に向け給 紙され、転写前シュート７の上面を通過し、ガイドローラ８によってガイドされ 感光体１に当接する。用紙６が、コロナ転写器９上に到達すると、コロナワイヤ ー１０に＋４〜５ｋＶの高圧電圧が印加される。これによりコロナ転写器９でコ ロナ放電がおこり、ケーシング１８の開放部分から用紙６の裏側にプラスの電荷 が移動し、感光体１上のトナー像は、用紙６上に転写される。トナー像を担持し た用紙６は、感光体１の曲率によって感光体１から剥離し、転写後シュート１３ 上を定着器１５に向け搬送される。このとき、すでに従来例で説明したような問 題を防ぐため、図１のように転写後シュート１３の用紙６に接する面から０．５ 〜１．５ミリの間隔をおいて、用紙除電部１８ａが設けられており、用紙６を適 正に除電している。また、用紙除電部１８ａは、ケーシング１８と一体に構成さ れているので、用紙６の進行方向で連続的な曲率を有している。転写終了後、用 紙６に転写されず感光体１上に付着している残留トナーはクリーニング装置１６ によりかき取られ、収集される。続いて、感光体１上の電荷を、除電器１７によ って除電し、一連のプロセスを完了する。

【００１１】

【考案の効果】

以上のように本考案は、コロナワイヤーを取り囲み像担持体と対向する部分に 開口部を有する導電性の筐体と、転写後の転写材を除電する除電部材とを一体に 構成したことにより、コロナワイヤーの筐体を除電部材と一体に装置本体に固定 できるため、筐体及び除電部材の接地や装置本体への固定がシンプルになる。ま た、転写器と転写後の転写材搬送路との間隔を短くでき、しかも、筐体と除電部 材とを連続的な曲率で構成できるため、筐体と除電部材との間への転写材の落ち 込みを防止することができ、転写材端部の耳折れやジャム等の発生を防止するこ とが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例におけるコロナ転写装置を用
いた画像形成装置の断面図

【図２】従来のコロナ転写装置を用いた画像形成装置の
断面図

【符号の説明】

１ 感光体 ２ 帯電器 ３ 露光光線 ４ 現像器 ５ トナー ６ 用紙 ７ 転写前シュート ８ ガイドローラ ９ コロナ転写器 １０ コロナワイヤー １１ ケーシング １２ 取り付けビス １３ 転写後シュート １４ 用紙除電部材 １５ 定着器 １６ クリーニング装置 １７ 除電器 １８ ケーシング １８ａ 用紙除電部 １８ｂ，１８ｃ 取り付け部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】像担持体上に形成されたトナー像をコロナ
   放電により転写材に転写するコロナ転写装置であって、
   前記像担持体に近接して設けられコロナ放電を行うコロ
   ナワイヤーと、転写後の転写材を搬送する転写材搬送路
   と、前記コロナワイヤーを取り囲むとともに前記像担持
   体と対向する部分に開口部を有する導電性の筐体と、前
   記転写材搬送路に近接して設けられた転写材を除電する
   除電部材とを備え、前記筐体と前記除電部材とを一体に
   構成したことを特徴とするコロナ転写装置。