JPH07144409A - 圧電素子駆動回路 - Google Patents

圧電素子駆動回路

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JPH07144409A
JPH07144409A JP5293500A JP29350093A JPH07144409A JP H07144409 A JPH07144409 A JP H07144409A JP 5293500 A JP5293500 A JP 5293500A JP 29350093 A JP29350093 A JP 29350093A JP H07144409 A JPH07144409 A JP H07144409A
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time constant
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ink
time
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JP5293500A
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Takakazu Fukano
孝和 深野
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放電時間のばらつきを低減し、メニスカスの
位置を安定させて印字品質を向上させること。 【構成】 共通のコンデンサC1に電荷を充電するた
め、コンデンサC1に充電時定数調整用抵抗R1と充電
用トランジスタQ8を介して電源に接続し、またコンデ
ンサC1を放電時定数調整用抵抗R2と放電用トランジ
スタQ4を介してアースに接続し、さらにコンデンサC
1の端子電圧VO を電流バッファを介して複数の圧電素
子もった記録ヘッド16に出力する。電流バッファの出
力電圧VHは、アナログデジタル変換器27で計測され
て、放電時間を一定に保つように調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、棒状の圧電素子により
圧力室を変位させ、ノズルからインク滴を噴射させるイ
ンクジェット記録ヘッドに利用される圧電素子の駆動回
路に関する。
【0002】
【従来の技術】記録装置に用いられるインクジェット記
録ヘッドは、例えば特公平2−24218号公報に示さ
れるように圧力室を形成する弾性板に円板状の圧電素子
を固定したものが広く知られている。この形式のインク
ジェット記録ヘッドは、圧電素子の変位が小さいため、
圧力室の実効面積を大きく取る必要が生じ、ノズルから
離れた箇所に圧力室を配置しなければならない。この結
果、記録ヘッドの全体の大型化を招くという問題があ
る。
【0003】このような問題を解決する方法として、例
えば米国特許第4,697,193号明細書に示されたよ
うに、圧電素子を棒状に形成するとともに、これに圧力
室を構成している振動板を当接させ、縦振動により圧力
室を拡張、収縮させてインク滴を飛翔させるインクジェ
ット記録ヘッドが提案されている。
【0004】このような縦振動を利用したインクジェッ
ト記録ヘッドは、ドット形成直前に圧電素子に電荷を充
電し圧電素子を収縮させ、次いで圧電素子の電荷を放電
させて圧電素子を伸長させることにより圧力室を収縮さ
せてインク滴を発生させるという、いわゆる引き打ち方
式による駆動方式が採用されている。
【0005】この駆動回路に関して、出願人は、圧電素
子の収縮および伸長に合わせた電圧波形を生成する電源
に直接複数の圧電素子を接続する回路を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この回路によれば、圧
電素子の容量ばらつきに左右されず、充電及び放電時間
が一定に保て、一記録ヘッドだけで見れば吐出インク滴
の速度、量のノズル間ばらつきは抑えれれる。
【0007】しかし、記録ヘッド自体に個体差があるわ
けで、この個体差までも補正することはできなかった。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところは、記録ヘッド自
体の個体差も補正し、周波数特性の良好の新規な圧電素
子駆動回路を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電体駆動回路
は、圧電素子を収縮させる第1の電圧波形と、収縮状態
もしくは伸長状態を保持させる第2の電圧と、前記圧電
素子を伸長させる第3の電圧波形とを生成する圧電体駆
動回路において、前記第1および第3の電圧波形の時定
数を設定する時定数調整抵抗を、着脱可能なユニットと
したこと特徴とする。
【0010】また、前記第3の電圧波形の時定数は、前
記圧電素子の自由振動周期とほぼ同じであることを特徴
とする。
【0011】更に、前記第2の電圧を計測する手段を更
に有し、前記計測手段の出力結果に応じて、前記第1の
電圧波形の出力時間を調整することを特徴とする。
【0012】
【作用】時定数調整抵抗をユニット化することによっ
て、記録ヘッドに合わせた時定数調整抵抗が選べ、更に
駆動回路部品のばらつきで生じる出力電圧誤差を計測し
調整するので、記録ヘッドの個体差を完全に補正でき
る。
【0013】
【実施例】そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例
に基づいて説明する。
【0014】図10は本発明のヘッド駆動回路により駆
動されるインクジェット記録ヘッド16の一実施例を示
すもので、図中符号1は、圧力室で、フィルム2が表面
に設けられた振動板3と、これと一定の間隙をもって設
けられたノズル形成基板4と、これに貼着されたノズル
プレート5とにより形成され、図示しない共通のインク
室にインク供給口7を介して連通している。振動板3の
裏面側には、他端が基板9を介して基台10に固定され
た圧力発生部材8の先端がノズル6に対向するように当
接されている。
【0015】このような構成によればインク供給口7か
ら圧力室1に流れ込んだインクは、振動板3を介して圧
力発生部材8により加圧され、インク滴Pとしてノズル
6から吐出する。このインク吐出動作に必要とする駆動
電圧は、30ボルト程度である。
【0016】図3は、本発明の駆動回路の一実施例を示
すものであって図中符号IN1は、圧電素子に充電を行
う充電信号入力端子、IN2は圧電素子の放電を行う放
電信号入力端子で、後述する図4に示した、印刷タイミ
ングに合わせてそれぞれ充電入力端子には、充電パルス
Pc が、放電信号入力端子には、放電パルスPd が印加
される。符号Q6は、入力端子IN1にベース電極が接
続されたレベル調整用トランジスタで、これのコレクタ
電極には充電用トランジスタQ8のベース電極が接続さ
れている。充電用トランジスタQ8は、そのエミッタ電
極を充電時定数調整用抵抗R1を介して電源端子VMに
接続され、またコレクタ電極が時定数調整用コンデンサ
C1を介して接地されている。Q9は、定電流トランジ
スタで、エミッタ電極が電源端子VMに、またコレクタ
電極がレベル調整用トランジスタQ6のコレクタ電極に
接続され、さらにベース電極が時定数調整用抵抗R1を
介して電源端子VMに接続されている。
【0017】一方、入力端子IN2には放電用トランジ
スタQ4のベース電極が接続され、コレクタ電極が時定
数調整用コンデンサC1に、さらにエミッタ電極が放電
時定数調整用抵抗R2を介して接地されている。
【0018】符号Q5は、定電流用トランジスタで、コ
レクタ電極が入力端子IN2に、またエミッタ電極が接
地され、さらにベース電極が放電時定数調整用抵抗R2
を介して接地されている。
【0019】Q1、Q3、Q2、Q7は、それぞれコン
デンサC1の充電時、及び放電時の電流を増幅する電流
バッファを構成するトランジスタで、この実施例ではト
ランジスタQ1、Q3、及びQ2、Q7をダーリントン
接続して構成され、駆動すべき記録ヘッド16のすべて
の圧力発生部材8の複数駆動が可能な電流容量を備えて
いる。
【0020】ここでの時定数調整用抵抗R1、R2は、
図7に示したように接続端子39を有する基板40にユ
ニット化されており、図示せぬ駆動回路側コネクタに挿
入して供給される。この様に定数調整用抵抗R1、R2
をユニット化することで、抵抗値の異なるユニットを複
数種類用意でき、必要なユニットを差し替えるだけで、
インクジェット記録ヘッドのインク吐出特性に最適な時
定数を設定できる。
【0021】次に駆動回路の動作を図4に示したタイミ
ング図に基づいて説明する。
【0022】まず、ドットを形成するために、充電パル
スPcが入力端子IN1に入力すると、レベル調整用ト
ランジスタQ6がオンとなるから、充電用トランジスタ
Q8もオンとなる。これにより、電圧VMの電源電圧が
時定数調整用抵抗R1を介してコンデンサC1に印加さ
れ、抵抗R1とコンデンサC1により決まる時定数でも
ってコンデンサC1が充電される。
【0023】ところで、時定数調整用抵抗R1は、定電
流用トランジスタQ9が接続されていて、その端子電圧
がトランジスタQ9のVBE9 電位にほぼ等しい値に維持
されるから、コンデンサC1に流れ込む電流は時間的に
変化せず一定値となる。この結果、コンデンサC1の端
子電圧(図4破線)の立ち上がり勾配τ1 は、抵抗R1
の抵抗値R1とコンデンサC1の容量C1と定電流用ト
ランジスタQ9のベース電極−エミッタ電極間電圧をV
BE9 とすると、
【0024】
【数1】
【0025】となる。
【0026】このようにして充電パルスPc 時間が経過
すると、コンデンサC1の端子電圧が電圧VOHまで上昇
する。そしてこの時点で充電パルスPc がLレベルに切
り替わるからレベルシフト用トランジスタQ6がオフと
なって充電トランジスタQ8がオフとなる。この結果、
コンデンサC1は、電圧τ1 ×Pc =VOHを維持するこ
とになる。
【0027】充電パルスPc がオフとなってから所定時
間Ph が経過した時点で、端子IN2に放電パルスPd
を入力し、放電トランジスタQ4をオンとする。この結
果、コンデンサC1に蓄積された電荷を放電時定数調整
用抵抗R2を介して放電する。同時に定電流用トランジ
スタQ5がオンとなるので、前述した定電流用トランジ
スタQ9と同様の作用により放電時定数調整用抵抗R2
の端子電圧がトランジスタQ5のベース電極−エミッタ
電極間電圧VBE5 となる。これにより、コンデンサC1
の端子電圧(図4破線)は、一定の勾配で直線的に低下
する。
【0028】すなわち、立ち下がりの勾配τ2 は、放電
時定数調整用抵抗R2の抵抗値とコンデンサC1の容量
と定電流用トランジスタQ5のベース電極−エミッタ電
極間の電圧をVBE5 とすると、
【0029】
【数2】
【0030】となる。
【0031】放電パルスPd 時間が経過して印刷信号が
オフになると、放電用トランジスタQ4がオフとなる。
なお、放電パルスPdは、放電パルスPd 出力中に放電
が終了するような幅に設定されている。
【0032】このように時定数調整用抵抗R1、R2、
及びコンデンサC1により所定の立ち上がり速度、及び
立ち下がり速度で変化する電圧は、電流バッファを構成
するトランジスタQ1、Q3、及びQ2、Q7により増
幅され、図示されてないスイッチング回路を介してイン
クジェット記録ヘッドを構成している各圧力発生部材8
(図10)に印加される。
【0033】これにより、共通の駆動電圧発生回路26
からの電圧信号を印刷信号に合わせて記録ヘッド16上
のスイッチング素子をオンオフすることにより、同一の
電圧波形を複数の圧力発生部材8に選択的に印加するこ
とができる。なお、これら充電パルスPc 、及び放電時
間tdは、対象となる記録ヘッド16の構造や、インク
の粘度に左右されるものの、それぞれ大略中心値が10
0マイクロ秒、及び6マイクロ秒程度とし、必要に応じ
て10パーセントの範囲で調整するようになっている。
【0034】しかし、一つの記録ヘッドだけに着目して
みれば各ノズル間のインク吐出特性は揃うものの、記録
ヘッド間で見れば、各部品精度のばらつきにより圧力室
の体積等にばらつきが生じ、記録ヘッド間でのインク吐
出特性に差異が生じる。つまり、記録ヘッド間でインク
吐出特性の補正が必要になる。この補正は、通常記録ヘ
ッドを駆動する電圧波形を調整することにより行われ
る。
【0035】上述した駆動回路によれば時定数調整用抵
抗R1により立ち上がり特性、つまり圧力室1の膨張速
度を、また時定数調整用抵抗R2により立ち下がり特
性、つまり圧力室1の縮小速度をそれぞれ独立させて簡
単に調整することができるわけで、時定数調整抵抗R
1,R2をユニット化した意味がここにある。図8は、
複数の時定数調整抵抗ユニットRM1、RM2、・・・・、
RM5の仕様を示したものであり、この各時定数調整ユ
ニットを用いた場合の駆動波形を図9に示している。
【0036】図9に示したように、出力波形が変わって
も放電時間tdの値が変わらないように放電時定数調整
用抵抗R2が設定されている。
【0037】この放電時間tdは、コンデンサC1の最
終到達電圧に依存するので、充電パルスPc を変更する
ことにより調整することもできる。つまり、従来の駆動
回路のように一定電圧に維持された専用の電源回路を必
要とすることなく、例えば比較的電圧変動が大きなパル
スモータ駆動用の直流電源からの電力を用いても、充電
パルスPc をコンデンサC1の最終到達電圧に応じて自
動制御することにより放電時間tdを一定にすることが
できるわけで、印刷装置の小型化と、コストの引き下げ
を図ることができる。
【0038】ところで、充電パルスPc の印加により圧
力発生部材8が縮小すると、圧力室1が拡大するため、
インク供給口7から圧力室1へのインク供給が行われる
が、それと同時に、この圧力室1の拡大はノズル6の近
傍に形成されているメニスカスを後退させ、メニスカス
は、ある程度まで引き込まれると、表面張力によりノズ
ル6の方向へ移動して、メニスカスの位置は、時間と共
に変化する。
【0039】このメニスカスの位置と、圧力発生部材8
を伸長させて圧力室1を縮小させ、ノズル6からインク
滴を噴射させるタイミングは、吐出インクの速度、量に
影響を与える。
【0040】すなわち、図11(イ)に示したようにメ
ニスカスMが、停止時と同様にノズル6の近傍に位置し
ている状態で、圧力室1を収縮させると、飛び出すイン
ク滴Pは玉状となる(同図ロ)。一方、メニスカスMが
ノズル6よりも後退した状態(同図ハ)で圧力室1を収
縮させると、インク滴Pは、飛翔方向に延びて柱状とな
る(同図ハ)。このようにして発生したインク滴が記録
媒体に到達すると、玉状インク滴の場合にはほぼ円形の
ドットが形成されるが、柱状の場合には円形とならず円
形からずれた形となり、印字品質を低下させることにな
る。
【0041】圧力室1の膨張時のメニスカスMの後退、
つまり圧力発生部材8側に移動するのは、ノズル6とこ
の近傍のインクとの表面張力よりも、インク供給口7
(図10)の圧力損失が大きくなることに原因がある。
そこで、インク供給口での圧力損失がノズル近傍のイン
クの表面張力よりも小さく維持できる速度でインクを圧
力室1に引き込みメニスカスMの後退を抑えるよう、充
電時定数調整抵抗R1により、立ち上がり時間を調整す
る必要がある。
【0042】ノズル近傍における表面張力は、ノズル6
のサイズや、インクの粘度等に左右されるが、典型的な
例について説明すると、図12に示したように大略ノズ
ルのサイズと圧電素子の縮小時間、つまり充電パルスP
c の立ち上がり時間との正比例直線Lよりも、遅い速度
でインク室を膨張させれば、玉状のインク滴を発生させ
ることができる。もとより、立ち上がり時間を不必要に
大きくすると、印刷速度が低下するので、自ずと上限が
定まってくる。
【0043】一方、圧力室1へのインクの供給が終了し
た時点で、インク滴を形成するために圧力室1を収縮さ
せるべく圧力発生部材8を縮小させると、圧力発生部材
8に縦振動モードの圧電素子を使用している場合には、
圧力発生部材8の剛性が大きいため、ほぼこれの共振周
波数に一致した比較的長い時間で、かつ振幅の大きな残
留振動を生じる。
【0044】つまり、図13(イ)に示したように、圧
力発生部材8に電圧VO を印加しておき、これを放電時
間tdを変えて放電させると、その放電時間tdに対応
して圧力発生部材8の残留振動(自由振動)の形態が変
化する。すなわち電圧が印加されていない状態における
先端位置dO を中心として固有振動周期Tf の自由振動
が発生し、この振幅値、及びその継続時間が図中(A)
(B)に示したように放電時間に依存して大きく異な
る。
【0045】この圧力発生部材8の自由振動の振幅と放
電時間tdとの関係は、図14に示したように圧電素子
の自由振動の周期に一致する放電時間dtのときに最小
値をもつことが経験的に知られている。
【0046】そして、自由振動の振幅が小さくなると、
それだけインク滴発生後におけるメニスカスが短い時間
で静定するばかりでなく、上述した濡れ性を一定に維持
することができるから、繰り返し駆動周波数を高め、か
つ印刷品質を一定に維持することができる。
【0047】図14からも明らかなように最大振幅、最
大速度は放電時間が固有周期dtよりも小さい側で大き
くなるため、安全を見込んで放電時間tdを固有周期d
tよりも長めに設定するとよい。
【0048】この放電時間tdは放電時定数調整抵抗R
2、コンデンサC1と定電流トランジスタQ5のVBE5
のそれぞれの部品精度により決定される。
【0049】
【数3】
【0050】さらに式3に示されている駆動電圧VH
は、充電時定数調整抵抗R1、コンデンサC1、定電流
トランジスタQ9のVBE9 、電流バッファを構成してい
るトランジスタのVBE1 、VBE3 、VBE2 、VBE7 のそ
れぞれの部品精度と、充電パルス幅の時間精度により、
式4のように決定される。
【0051】
【数4】
【0052】上記の各式において、トランジスタのVBE
なるものは、トランジスタに流れるコレクタ電流に左右
され変わるため、定電流回路のトランジスタQ5、Q9
についてはコレクタ電流が一定しているため誤差が少な
いが、電流バッファとして構成されているトランジスタ
Q1、Q3、Q2、Q7のVBEは相互に干渉しあい、ば
らつきについてはかなり大きくなる。つまり、式4に示
した駆動電圧VHは、図4の波形のようにトランジスタ
Q1、Q3、Q2、Q7のVBEに左右され、その結果、
放電時間tdのばらつきが生じ、メニスカスの自由振動
が大きくなったり、インク滴の飛翔速度が遅くなったり
して、印字品質を低下させる。
【0053】そのため、インクジェットプリンタとして
図3の回路を利用する場合は、駆動電圧VHを精度よく
設定しなけらばならない。
【0054】そこで、本発明では、駆動電圧VHを精度
よくするために、電流バッファの出力に(図2にある)
分圧抵抗R13とR14を介してアナログデジタル変換
器で駆動電圧VHを計測し、設定値と差異がある場合
は、充電パルスPc の幅を調整して設定電圧VHに調整
する。駆動電圧VHの計測方法は、図4に示すように充
電パルスPc が終了した時点で電流バッファの出力につ
ながれたアナログデジタル変換器27により、そのとき
の電圧VOHを計測し、次に放電パルスPd が終了した時
点で同じくそのときの電圧VOLを計測する。計測された
両者の差が、式5のように駆動電圧VHとなる。
【0055】
【数5】
【0056】上述の方法を利用して本発明における駆動
電圧調整方法を以下に説明する。まず、目的の駆動電圧
VHを得るために駆動電圧VHに相当した抵抗ユニット
を図3の充電時定数調整抵抗R1と放電時定数調整抵抗
R2に実装する。素子のばらつきが中心値にあれば、図
4に示す駆動波形が得られるが、素子のばらつきで充電
勾配τ1 が低くなったり、電流バッファのVBEが大きく
なると駆動電圧VHは図5に示すように設定値より小さ
くなる。このとき、放電時間tdはメニスカスの最適な
自由振動周期より小さくなり、インク滴が不安定な状態
になることがある。ここで充電パルス時間Pc を大きく
すると図5破線のように駆動電圧VHが正規の値になる
点があることがわかる。本発明では、充電パルスPc を
大きくしながら、電流バッファの出力につながれたアナ
ログデジタル変換器で出力電圧を測定し、駆動電圧VH
を正規の値に調整するようにしている。駆動電圧VHが
正規の値になったことで放電時間tdは、自然と設定値
になる。
【0057】次に素子のばらつきで充電勾配τ1 が高く
なったり、電流バッファのVBEが小さくなると駆動電圧
VHは図6に示すように設定値より大きくなる。このと
き、放電時間tdはメニスカスの最適な振動周期より大
きくなり、インク滴の飛翔速度が遅くなり、インク滴が
印字紙に弱々しく付着し印字品質が悪くなることがあ
る。前述とは反対に、充電パルス時間Pc を小さくする
ことで図6矢印のように駆動電圧VHが正規の値にな
り、放電時間tdも設定値になる。調整方法は、前述と
同様である。
【0058】このように駆動電圧VHを精度よく調整す
ることで放電時間tdもばらつかなくなる。また、駆動
電圧VHを測定する回路があるため、環境温度により、
ヘッドの駆動電圧VHや放電時間tdを変更することも
容易にできることは明白である。
【0059】また、この駆動電圧測定回路を利用するこ
とで、電流バッファの故障、特にトランジスタQ1、Q
2の電源VM、アースとの短絡、開放を駆動と併せて検
知することができる。
【0060】図1は上述した駆動素子駆動回路を搭載し
たインクジェットプリンタを図示したものであり、プラ
テン21に沿って往復するキャリッジ18には、プラテ
ン21に近接して印字ヘッド16が搭載されている。こ
のキャリッジ18は、タイミングベルト22を介してC
Rモータ19により駆動される。20はPFモータでギ
ア24介したプラテン21を回転させ、印字紙23を搬
送させる。25はヘッドキャップで、ヘッドキャップ2
5の近傍には、図示せぬ初期位置を検出するホームポジ
ションセンサ38が設置されている。また、印字紙23
の有り無しを検出するためにプラテン21の下方に図示
せぬPEセンサ37が設置されている。図2は、図1に
示したインクジェットプリンタを動作させるための回路
ブロック図である。印字ヘッド16はヘッド駆動回路2
6により制御され、CRモータ19は、CRモータ駆動
回路33、PFモータ20はPFモータ駆動回路34に
より制御される。また、ホームポジションセンサ38、
PEセンサ37はセンサ判断回路35にて状態を読み込
まれる。これらの動作を全て制御しているのがCPU2
8である。動作パターンを記憶しているのが、メモリ2
9である。
【0061】本発明の圧電素子駆動における駆動電圧調
整は、インクジェットプリンタとして記録ヘッドを組み
込んだ時と、記録ヘッドを交換した後に行う必要があ
る。もちろん、環境温度により、駆動電圧VHを変化さ
せたい場合も調整が必要なのはいうまでもない。この駆
動電圧調整は電源投入後、入出力装置30につながって
いるスイッチ36のモードにより開始する。まず、入力
装置30のスイッチ36の設定値でCPU28は、調整
すべき、駆動電圧VHを知る。次に駆動電圧VHを発生
させるため、中心となる充電パルスPc を出力し、アナ
ログデジタル変換器27から、充電パルスPc の終了と
ともに駆動電圧VOHを読み込む、さらに放電パルスPd
の終了とともに駆動電圧VOLを読み込み両者の差の絶対
値を現在の駆動電圧VHとし、現在の駆動電圧VHが目
標とする値と相違する場合は充電パルスPc を単位時
間、長くあるいは短くして、再度上記の動作を繰り返し
目標とする駆動電圧VHに調整する。
【0062】なお、本発明の記録ヘッドの圧電素子は、
圧電素子の充電により収縮し、放電により伸長するd3
1形式のもので設定したが、圧電素子の充電により伸長
し、放電により収縮するd33形式のものを用いてもよ
い。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
駆動電圧VHを精度よく調整することで放電時間tdの
ばらつきを低減したので、インク滴発生時における圧力
発生部材の縮小速度をメニスカスに自由振動が生じない
伸長速度に設定することができ、インク滴生成の条件を
一定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電駆動回路を備えたインクジェット
プリンタの図。
【図2】本発明のインクジェットプリンタの制御回路
図。
【図3】本発明のインクジェットプリンタの圧電駆動回
路図。
【図4】本発明の圧電素子駆動回路のタイミング図。
【図5】本発明の圧電素子駆動回路の別のタイミング
図。
【図6】本発明の圧電素子駆動回路の別のタイミング
図。
【図7】時定数調整用抵抗の一実施例を示す図。
【図8】時定数調整用抵抗値の一実施例を示す図。
【図9】時定数調整用抵抗を用いた圧電素子駆動回路の
出力電圧を示す図。
【図10】本発明が適用される縦振動モードを利用した
インクジェット記録ヘッドを示す断面図。
【図11】同図(イ)乃至同図(ロ)は、それぞれ圧力
室収縮時におけるメニスカスの位置とインク滴の形状と
の関係を示す説明図。
【図12】ノズルのサイズ及び圧電素子の伸長時の立ち
上がり速度と、発生するインク滴の形状との関係を示す
線図。
【図13】図(イ)乃至(ロ)は、それぞれ圧電素子を
伸長させる電圧変化、圧力発生部材の残留振動の変位の
関係を示す線図。
【図14】圧電素子を伸長させる電圧とインク滴発生後
の圧力室構成部材の自由振動最大振幅との関係を示す線
図。
【符号の説明】
1 圧力室 3 振動板 5 ノズルプレート 6 ノズル 7 インク供給口 8 圧力発生部材 16 記録ヘッド 26 駆動回路 Q4 トランジスタ Q5 定電流用トランジスタ Q6 レベル調整用のトランジスタ Q8 トランジスタ Q9 定電流用トランジスタ Q1、Q2、Q3、Q7 電流バッファ用トランジスタ R1 充電時定数調整用抵抗 R2 放電時定数調整用抵抗 C1 時定数調整用コンデンサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子を収縮させる第1の電圧波形
    と、収縮状態もしくは伸長状態を保持させる第2の電圧
    と、前記圧電素子を伸長させる第3の電圧波形とを生成
    する圧電体駆動回路において、 前記第1および第3の電圧波形の時定数を設定する時定
    数調整抵抗を、着脱可能なユニットとしたことを特徴と
    する圧電素子駆動回路。
  2. 【請求項2】 前記第3の電圧波形の時定数は、前記圧
    電素子の自由振動周期とほぼ同じであることを特徴とす
    る請求項1記載の圧電素子駆動回路。
  3. 【請求項3】 前記第2の電圧を計測する手段を更に有
    し、前記計測手段の出力結果に応じて、前記第1の電圧
    波形の出力時間を調整することを特徴とする請求項1及
    び2記載の圧電素子駆動回路。
JP5293500A 1993-11-24 1993-11-24 圧電素子駆動回路 Pending JPH07144409A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008238789A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Brother Ind Ltd 液体吐出装置
JP2010110968A (ja) * 2008-11-05 2010-05-20 Seiko Epson Corp 液体吐出装置、及び、液体吐出方法

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