JPH07144369A - 繊維強化樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂成形体の製造方法

Info

Publication number
JPH07144369A
JPH07144369A JP5295556A JP29555693A JPH07144369A JP H07144369 A JPH07144369 A JP H07144369A JP 5295556 A JP5295556 A JP 5295556A JP 29555693 A JP29555693 A JP 29555693A JP H07144369 A JPH07144369 A JP H07144369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
mold
reinforcing member
reinforced resin
reinforcing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5295556A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Ishii
正裕 石居
Hajime Naito
一 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP5295556A priority Critical patent/JPH07144369A/ja
Publication of JPH07144369A publication Critical patent/JPH07144369A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形体長手方向とは異なる方向に補強部材を
有する、すなわちいわゆるリブ補強形状の強度部材を有
する、機械的強度に優れた繊維強化樹脂成形体を、連続
生産により生産効率よく製造し得る方法を提供する。 【構成】 本発明の製造方法は、熱硬化性樹脂が含浸さ
れた連続繊維300を、上下で一対と成された2組の金
型207、209の上下各部材の閉合により挟持し加熱
硬化しつつ、引取り方向へ移動し、その後金型の上下各
部材が拡開して、連続的に繊維強化樹脂を引き取る。各
金型の下部材に形成された凹部に、補強部材206を配
置した後、上下各部材を閉合し、繊維強化樹脂と補強部
材の両者を加熱して、これら両者を接合するとともに硬
化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度な成形体を高生
産性で得ることのできる、繊維強化樹脂成形体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】引抜成形等連続成形において、2基のグ
リッパーが交互に、成形体を担持して引き取り方向に引
き抜いた後、成形体を開放して元の引き取り位置に戻る
往復運動を繰り返す引抜機構は知られている(例えば、
特開平1−237130号公報参照)。また、成形体の
引き取り方向にプレスを配置し、プレス時には引き取り
機を停止し、隔動により引き取る方法は知られている
(例えば、特開昭63−39322号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者の機構では、硬化した成形体を単に連続移動するだけ
であるので、成形体は長手方向に単一断面のものしか得
られない。また上記後者の方法では、プレス成形時は製
造ラインが停止するので、実質的には連続ではなく、生
産性に問題があった。
【0004】本発明の目的は、成形体長手方向とは異な
る方向に補強部材を有する、すなわちいわゆるリブ補強
形状の強度部材を有する、機械的強度に優れた繊維強化
樹脂成形体を、連続生産により生産効率よく製造し得る
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維強化樹脂成
形体の製造方法は、熱硬化性樹脂が含浸された連続繊維
を、上下で一対と成された金型の上下各部材の閉合によ
り挟持し加熱硬化しつつ、引取り方向への所定距離の移
動後、金型の上下各部材を拡開させる方法によって、成
形体長手方向とは異なる方向に補強部材を有する繊維強
化樹脂成形体を製造するにあたり、上下一対の金型を少
なくとも2組用いて、それぞれの金型に、前記一連の閉
合、所定距離の移動、および拡開工程を繰り返し行わし
め、連続的に繊維強化樹脂を引き取り、かつ、各金型の
上下部材のうち少なくとも一方は、所望形状の補強部材
を嵌合し得る凹部が形成されたものであり、この凹部に
補強部材を配置した後、金型の上下各部材を閉合し、繊
維強化樹脂と補強部材の両者を加熱して、これら両者を
接合するとともに硬化することを特徴とするものであ
る。
【0006】以下、本発明の製造方法について詳しく説
明する。
【0007】連続強化繊維としては、使用される熱硬化
性樹脂の硬化工程の温度において安定な繊維が用いられ
る。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、シリコン・チ
タン・炭素繊維、ボロン繊維、微細な金属繊維などの無
機繊維、アラミド繊維、エコノール繊維、ポリエステル
繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチ
レン繊維、ビニロン繊維などの有機繊維を挙げることが
できる。またモノフィラメントの直径は1〜50μmが
好ましい。
【0008】また連続繊維の形態としては、多数本のフ
ィラメントを集束したロービング、フィラメント束のス
トランドを、2次元ランダムに配してバインダーにより
接着したコンティニアスストランドマット、ストランド
束を渦巻(スワール)状に配してバインダーにより結合
したスワールマット、ロービングを平織り、朱子織り等
した、ロービングクロス等が単独もしくは組み合わせて
用いられる。
【0009】本発明において用いられる熱硬化性樹脂と
しては、特に限定されないが、具体的には、不飽和ポリ
エステル樹脂、ビニルエステル(エポキシアクリレー
ト)樹脂、エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、
ポリイミド樹脂等が挙げられる。以上の熱硬化性樹脂の
内、成形速度が速い点、経済的に安価な点等より不飽和
ポリエステル樹脂が、最も好適に用いられる。
【0010】熱硬化性樹脂と強化繊維の割合は、繊維強
化樹脂成形体の必要とする物性により適宜決定される
が、樹脂100重量部に対して強化繊維が50〜500
重量部であるのが好ましい。強化繊維が50重量部未満
であると成形体の機械的強度が十分でなく、500重量
部を超えると強化繊維が樹脂中に均一に分散した成形体
が得にくくボイド等の発生により、成形体強度が極端に
低下する。
【0011】また上記樹脂に安定剤、滑剤、加工助剤、
可塑剤、着色剤のような添加剤及び炭酸カルシウム、金
属酸化物等の充填材等が配合されてもよい。
【0012】これらの熱硬化性樹脂組成物を強化繊維に
含浸させる方法としては、通常の方法、すなわち樹脂槽
中に強化繊維を通す方法、強化繊維が通された金型中に
樹脂を注入する方法等のいずれでもよい。また、樹脂の
粘度がやや高く、繊維に含浸し難い場合には、開始剤の
分解しない程度の温度にまで加温して、樹脂の粘度を低
くしてもよい。
【0013】また本発明において、繊維強化樹脂と接合
される補強部材の材質については特に制限はないが、繊
維強化樹脂とともに加熱して接合同時硬化するために
は、補強部材の繊維強化樹脂との接合面は少なくとも、
連続強化繊維に含浸させる樹脂と同じ樹脂によるものが
好ましい。また、より高強度の成形体を得るために、補
強部材も繊維による補強がなさていた方が好ましい。こ
の補強部材の成形方法は、通常のシートモールディング
コンパウンド(SMC)、バルクモールディングコンパ
ウンド(BMC)、MMD等の繊維強化熱硬化性樹脂成
形体の成形方法が用いられる。
【0014】本発明で用いられる上下一対の金型は、上
下各部材の閉合により繊維強化樹脂を挟持し得るように
形成されており、繊維強化樹脂成形体本体の所望の形状
に合致するように、上下各部材の閉合面は、平面状であ
っても曲面状であっても、また一部平面状であっても良
い。そして、上下部材の少なくとも一方は、所望形状の
補強部材を嵌合し得る凹部が形成されたものである。ま
た、金型は繊維強化樹脂と補強部材の両者を加熱する手
段を備えたものである。加熱温度は、開始剤の分解温度
以上である。また、成形材料を硬化させる方法として、
高周波加熱や、光硬化の手法を用いても良い。
【0015】以下、本発明の繊維強化樹脂成形体の製造
方法に用いて好適な装置および工程について、図面に基
づいて説明する。図1は、本発明の製造方法に用いる装
置の概略を示す図である。以下の説明において、前とは
図1の右方向をいうものとする。
【0016】図1において、連続強化繊維束(F201)、連
続強化繊維マット(f202)は、便宜上それぞれ2本、2枚
のみが図示されているが、実際には必要に応じ多数の強
化繊維束、マットが並列に用いられる。
【0017】この装置は、一方向に引き揃えられた状態
で配されてなる強化繊維のための強化繊維束(F201)のた
めのロービングスタンド(201) と、平面上ランダムな状
態で配されてなる強化繊維のためのコンティニアススト
ランドマット(f202)を巻戻すための巻戻しロール(202)
と、熱硬化性樹脂含浸用注入含浸金型(205) と、2組の
上下一対の金型(207および209)、すなわち1組の上部材
(207a)および下部材(207b)と、他の1組の上部材(209a)
および下部材(209b)と、後硬化炉(210) と、成形体を一
定長さに切断するカッター(211) とを備えている。
【0018】熱硬化性樹脂含浸用注入含浸金型(205)
は、加温用ヒーター及び冷却水熱媒水が通ずるジャケッ
トを備え、金型ほぼ中央部には樹脂タンク(208) から熱
硬化性樹脂組成物を注入するための注入孔(204) が形成
されているものである。また、後硬化炉(210) は、高周
波により樹脂の未硬化部分を加熱し硬化するためのもの
である。
【0019】上下一対の金型(207) は、上部材(207a)の
閉合面は平面状であり、一方下部材(207b)には角棒状の
補強部材(206) を嵌合し得る凹部が形成され、この凹部
に補強部材(206) を配置して、上部材(207a)と下部材(2
07b)とが閉合できるように成されている(図2参照)。
金型(209) の上部材(209a)および下部材(209b)について
も同様である。これら上部材(207a)(209a)および下部材
(207b)(209b)は、それぞれヒーターを備え、樹脂および
補強部材を加熱接合硬化できるようにされている。ま
た、2組の金型(上部材(207a)と下部材(207b)からなる
(207) 、および上部材(209a)と下部材(209b)からなる(2
09) )は、交互に、一連の閉合、所定距離の移動、およ
び拡開工程を繰り返し行うものである。
【0020】上記構成の装置を用いて以下のように、本
発明の方法を実施することができる。ロービングスタン
ド(201) 、および巻戻しロール(202) から、交互に引き
取り工程を繰り返す金型(207) および(209) の駆動によ
り繰り出された、強化繊維束(F201)、コンティニアスス
トランドマット(f202)は、適宜ガイド(203) を経由して
注入金型(205) 中に導かれる。ここで熱硬化性樹脂組成
物をタンク(208) より注入孔(204) を経由して注入する
ことにより、強化繊維中に樹脂組成物を含浸させる。
【0021】この際含浸させるために熱硬化性樹脂組成
物を低粘度化する必要がある場合には、注入孔付近を加
温し金型先端部分を冷却する。また本実施例において
は、樹脂を含浸させるために注入含浸を用いたが、樹脂
槽中に強化繊維を浸漬し含浸させる方法を用いても良
い。
【0022】注入含浸金型を経た樹脂含浸連続強化繊維
(300) は、注入含浸金型吐出口形状に略適合した平板形
状に引揃えられているが、金型(207) または(209) に導
入され、これらにより補強部材(206) とともに加圧賦型
される。この場合、成形体の断面形状が単純な半円、矩
型等の場合には予備賦型ガイドは要しないが、複雑形状
や大形状の場合には、含浸金型吐出から金型に至るまで
の間に、予備賦型ガイドを設けることが好ましい。
【0023】また、図1においては、補強部材(206)
は、金型の下部材(207b)(209b)に配置するが、金型の上
部材(207a)(209a)に配置する場合には、通常行われるエ
ア吸引、スライドピン接合等の方法が用いられて良い。
【0024】平板形状の樹脂含浸連続強化繊維は、金型
の下部材(207b)(209b)の凹部形状に合致するように形成
された補強部材(206) と共に挾持される。補強部材(20
6) の凹部への供給方法は、人手により供給しても良い
が、通常のインサート成形に用いられる、インサート供
給ロボット等が好適に用いられる。この際金型(207) お
よび(209) は、組成物の開始剤の分解温度以上に加熱さ
れているので、繊維強化樹脂と補強部材とを共に接合硬
化する。このようにして補強部材一体連続繊維は、以下
のように交互に引き取り工程を繰り返す2組の金型によ
り右方向に引き取られる。
【0025】すなわち、繊維強化樹脂と補強部材とを一
定時間挾持し右方向に移動した1組の金型(207) は、拡
開し、硬化した補強部材一体化成形体を解離する。そし
て金型上下部材(207a)(207b)は、再び下部材(207b)中に
補強部材(206) を配置し所定位置に戻る。さらに続けて
閉合挾持、引き取り、硬化を繰り返す。一方金型上下金
型(209a)(209b)も、同様に閉合挾持、引き取り、硬化、
拡開、解離、補強部材配置を繰り返す。この金型部材(2
07a)(207b)と金型部材(209a)(209b)の工程の間隔は、金
型部材(209a)(209b)が挾持、引き取り、硬化している間
には、金型部材(209a)(209b)は拡開、補強部材配置を行
い、金型部材(209a)(209b)が拡開、補強部材配置をして
いる間には、金型部材(209a)(209b)は挾持、引き取り、
硬化を行い、成形体が一定速度で連続的に機械方向に移
動するようにする。
【0026】次に、2組の金型の経時的動きを図4に基
づいて説明する。図4の「あ」〜「き」に示す順に、成
形体を右方向に移送している。
【0027】先ず「あ」の時点では、上部材(207a)と下
部材(207b)が、下部材(207b)の凹部に補強部材(206)
を配置して成形材料を挟持し右方向に移動中である。こ
の時金型部材(209a)(209b)は、下部材(209b)の凹部に補
強部材(206)を配置して拡開し静置している。
【0028】「い」の時点は、金型部材(207a)(207b)が
上下に拡開し始める直前の状態であって金型(209a)(209
b)が成形材料を担持した後右方向に移動し始める。
【0029】「う」の時点では、金型部材(209a)(209b)
が右側の拡開位置に移動する間に、金型部材(207a)(207
b)が拡開し左側の閉合位置にまで戻る直前である。
【0030】「え」の時点では、下部材(207b)の凹部に
新たに補強材(206)を配置し終り、金型部材(207a)(2
07b)は補強部材(206)と共に樹脂含浸連続強化繊維を
閉合し、金型部材(209a)(209b)は拡開位置にくる。
【0031】「お」の時点では、金型部材(207a)(207b)
が(206)と樹脂含浸連続強化繊維を挟持して右方向に
移動し、この間に金型(209) が閉合位置にまで戻り、新
たな補強部材(206)をその凹部に配置して拡開して準
備している。
【0032】「か」の時点では、金型部材(207a)(207b)
が拡開位置にくる直前に、金型部材(209a)(209b)が閉合
し、右方向に移動し始める。
【0033】「き」の時点では、金型部材(209a)(209b)
が成形材料を挟持して右方向に移動する間に、金型部材
(207a)(207b)は新たな補強部材をその凹部に配置し閉合
位置で準備をしている。
【0034】以上のような経時サイクルを繰り返すこと
により、逐次補強部材を樹脂含浸連続強化繊維に接合す
るとともに硬化成形しつつ、引き取りを行う。
【0035】また、以上のサイクルで得られた補強部材
一体化樹脂成形体のうち、金型に挟持されずに未硬化の
まま残った部分を、高周波加熱領域(210) 中を通過させ
る(図1参照)ことにより硬化させ、連続成形体とす
る。次にこの連続成形体をカッター(211) により切断し
て、一定長さの繊維強化樹脂成形体成形体(214) を得
る。
【0036】
【作用】本発明の繊維強化樹脂成形体の製造方法によれ
ば、上下一対の金型を少なくとも2組用いて、それぞれ
の金型に、一連の閉合、所定距離の移動、および拡開工
程を繰り返し行わしめ、連続的に繊維強化樹脂を引き取
り、かつ、各金型の上下部材のうち少なくとも一方は、
所望形状の補強部材を嵌合し得る凹部が形成されたもの
であり、この凹部に補強部材を配置した後、金型の上下
各部材を閉合し、繊維強化樹脂と補強部材の両者を加熱
して、これら両者を接合するとともに硬化するので、従
来バッチ方式のプレスでしか得られなかった、成形体長
手方向とは異なる方向に補強部材を有する繊維強化樹脂
成形体を連続して製造することができる。
【0037】
【実施例】
[実施例1]上記成形体製造方法により、次のように成
形体を製造した。
【0038】熱硬化性樹脂組成物としては、無水マレイ
ン酸、プロピレングリコール、イソフタル酸の3成分共
重合体に、スチレン:ジアリルフタレート=1:1混合
モノマー溶剤が全体の45重量%となるように加えた不
飽和ポリエステル樹脂100重量部に、t−ブチルパー
ベンゾエート1重量部を加えたもの(以下、樹脂組成物
Aとする)を用いた。
【0039】強化繊維(F201)としては、4450tex の
GFロービング250本、マット材(f201)としては目付
け量450g/m2 、幅500mmのコンティニアスス
トランドマットを表裏最外層となるように2枚使用し
た。60℃に保温された注入金型(205) に導かれた繊維
材料に上記樹脂組成物を、注入タンク(208) より注入孔
(204) を経て、全体ガラス含有量が40wt%(樹脂10
0重量部に対し強化繊維150重量部)程度となるよう
に供給した。また上記金型(205) の出口付近を冷却水で
冷却し、金型より引き取られる成形材料の温度が、室温
程度となるようにした。
【0040】このように調整された繊維強化樹脂成形材
料を、図2に示す角棒状補強部材(206) が凹部に配置さ
れた賦形金型(207)(209)の上下部材(207a)(207b)および
(209a)(209b)で挾持し、2m/minの速度で図1の右
方向に実質的に連続して引き取った。金型(207)(209)
は、各々0.5m間隔で往復するようにした。この際金
型(207)(209)を145℃に加熱し、繊維強化樹脂成形材
料と補強部材とを接合するとともに硬化させた。また金
型(207)(209)を通過後、未硬化の部分を最終的に硬化さ
せるために、マイクロ波により加熱し未硬化部分が残ら
ないようにした。このようにして図3に示す形状の成形
体(214) を得た。
【0041】尚、上記角棒状補強部材(206) は、先に示
した繊維強化樹脂成形材料のための樹脂組成物A100
重量部に対し、炭酸カルシウム100重量部、フィラメ
ント径10μm長さ1インチのガラス繊維30重量部を
均一に混合したものを、150℃、100Kg/cm2 で5
分間圧縮成形することにより得た。
【0042】この成形体を長手方向に1.5m切り出
し、スパン間1mで曲げ試験を行ったところ、耐荷重は
32kgfであった。このように成形体の強度は十分で
あった。
【0043】[比較例1]マトリックス樹脂、強化繊維
は実施例1と同様にして、補強部材を有しない平板形状
の成形体を、実施例1と同じ方法で成形した。すなわ
ち、実施例1の金型下部材(207b)および(209b)を用いな
いで、上部材(207a)および(209a)と同形状のものを下部
材として用いた。
【0044】この場合、成形体本体の厚みを実施例1の
ものと同じにすると、曲げ耐荷重は23kgfであり、
強度不十分であった。実施例1と同様の強度とするため
には、厚みを1.2倍にする必要があった。
【0045】また実施例1と同形状の成形体1.5m長
を、同じ樹脂と強化繊維により、補強部材のインサート
とマッチドメタルダイによりバッチ式プレスで成形し
た。この場合、生産時間が2倍必要であり、成形体長手
方向繊維が乱れて、縦方向強度の低下したものになっ
た。
【0046】[実施例2]熱硬化性樹脂としては、無水
マレイン酸、ネオペンチルグリコール、無水フタル酸の
3成分共重合体に、スチレンが全体の40重量%となる
ように加えた不飽和ポリエステル樹脂100重量部に、
t−ブチルパーベンゾエート1重量部を加えたもの(以
下、樹脂組成物Bとする)を用いた。
【0047】強化繊維(F201)としては、4450tex の
GFロービング350本、マット材(f201)としては目付
け量450g/m2 、幅710mmのコンティニアスス
トランドマットを表裏最外層となるように2枚使用し
た。60℃に保温した注入金型(205) に上記樹脂組成物
を、注入タンク(208) から注入孔(204) を経て、全体ガ
ラス含有量が40wt%(樹脂100重量部に対し強化繊
維150重量部)程度となるように供給した。
【0048】また、この実施例においては、図2に示す
実施例1の賦形金型を用いないで、図5に示す形状の上
部材(212a)および下部材(212b)からなる1対の賦形金型
(212) を2組用いた。補強部材(213) は、U字形状であ
る。また、補強部材(213) は、先に示した繊維強化樹脂
成形材料のための樹脂組成物B100重量部に対し、炭
酸カルシウム100重量部、フィラメント径10μm長
さ1インチのガラス繊維30重量部を均一に混合したも
のを、150℃、100Kg/cm2 で5分間圧縮成形する
ことにより得た。
【0049】その他は、実施例1と同様にして、図6に
示す横断面U字形状の成形体(215)を得た。
【0050】上記成形体1mの端部を封止して、6号硅
砂を上端部まで詰めた際の上端の拡開度は、1.8mm
であった。このように成形体の強度は十分であった。
【0051】[比較例2]マトリックス樹脂、強化繊維
は実施例2と同様にして、補強部材を有しない横断面U
字形状の成形体を、実施例2と同じ方法で成形した。す
なわち、実施例2の凹部が形成された金型下部材(212b)
を用いないで、凹部が形成されていない以外は(212b)と
同形状のものを下部材として用いた。
【0052】この場合、成形体本体の厚みを実施例2の
ものと同じにすると、6号硅砂を上端部まで詰めた際の
上端の拡開度は、3.1mmであり強度不十分であっ
た。実施例2と同等の拡開度にするためには、厚みを2
倍にする必要があった。
【0053】また実施例2と同形状の成形体1.5m長
を、同じ樹脂と強化繊維により、補強部材のインサート
とマッチドメタルダイによりバッチ式プレスで成形し
た。この場合、生産時間が2倍必要であり、成形体長手
方向繊維が乱れて、縦方向強度の低下したものになっ
た。
【0054】
【発明の効果】本発明の繊維強化樹脂成形体の製造方法
によれば、従来バッチ方式のプレスでしか得られなかっ
た、成形体長手方向とは異なる方向に補強部材を有する
繊維強化樹脂成形体を連続して製造することができ、強
度剛性に優れ、かつ軽量である成形体を連続して生産性
良く得ることができる。
【0055】本発明の製造方法により得られる成形体
は、例えば、セメント材料に替わるU字溝や、スラブ屋
根材等に有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いる装置例の概略を示す
図である。
【図2】上下1対の金型、および補強部材の例を示す斜
視図である。
【図3】図2の金型を用いて成形された成形体の斜視図
である。
【図4】2組の金型の逐次閉合移動拡開の様子を示す図
である。
【図5】上下1対の金型、および補強部材の変形例を示
す斜視図である。
【図6】図5の金型を用いて成形された成形体の斜視図
である。
【符号の説明】
(201) :強化繊維束のためのロービングスタンド (202) :コンティニアスストリンドマットを巻戻すため
の巻戻しロール (F201):連続強化繊維束 (f201):連続強化繊維マット (203) :ガイド (206) :補強部材 (207)(209):金型 (207a)(209a):金型上部材 (207b)(209b):金型下部材 (210) :後硬化炉 (211) :カッター

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂が含浸された連続繊維を、
    上下で一対と成された金型の上下各部材の閉合により挟
    持し加熱硬化しつつ、引取り方向への所定距離の移動
    後、金型の上下各部材を拡開させる方法によって、成形
    体長手方向とは異なる方向に補強部材を有する繊維強化
    樹脂成形体を製造するにあたり、 上下一対の金型を少なくとも2組用いて、それぞれの金
    型に、前記一連の閉合、所定距離の移動、および拡開工
    程を繰り返し行わしめ、連続的に繊維強化樹脂を引き取
    り、かつ、 各金型の上下部材のうち少なくとも一方は、所望形状の
    補強部材を嵌合し得る凹部が形成されたものであり、こ
    の凹部に補強部材を配置した後、金型の上下各部材を閉
    合し、繊維強化樹脂と補強部材の両者を加熱して、これ
    ら両者を接合するとともに硬化することを特徴とする、
    繊維強化樹脂成形体の製造方法。
JP5295556A 1993-11-25 1993-11-25 繊維強化樹脂成形体の製造方法 Pending JPH07144369A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5295556A JPH07144369A (ja) 1993-11-25 1993-11-25 繊維強化樹脂成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5295556A JPH07144369A (ja) 1993-11-25 1993-11-25 繊維強化樹脂成形体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07144369A true JPH07144369A (ja) 1995-06-06

Family

ID=17822174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5295556A Pending JPH07144369A (ja) 1993-11-25 1993-11-25 繊維強化樹脂成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07144369A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010115822A (ja) * 2008-11-12 2010-05-27 Jamco Corp 断面の異なる複合材型材の連続成形方法
KR20210070552A (ko) * 2019-12-05 2021-06-15 (주)엘지하우시스 연속 섬유 강화 열가소성 수지 기반의 물품의 제조 장치
WO2024029019A1 (ja) * 2022-08-04 2024-02-08 株式会社ジャムコ 複合材部品の製造方法、および、複合材部品製造装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010115822A (ja) * 2008-11-12 2010-05-27 Jamco Corp 断面の異なる複合材型材の連続成形方法
KR20210070552A (ko) * 2019-12-05 2021-06-15 (주)엘지하우시스 연속 섬유 강화 열가소성 수지 기반의 물품의 제조 장치
WO2024029019A1 (ja) * 2022-08-04 2024-02-08 株式会社ジャムコ 複合材部品の製造方法、および、複合材部品製造装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5911932A (en) Method of prepregging with resin
TWI703030B (zh) 包含發泡體核心之纖維強化外型的連續製造方法
CN105829090B (zh) 成形工具、成形装置和使含增强纤维的半成品成型的方法
JPH10512202A (ja) 引出し成形法及び装置
KR102060109B1 (ko) Pmi 발포체 코어를 사용하는 풀-코어 방법
JPH11512980A (ja) 多数の樹脂を用いて樹脂射出引抜成形を行う方法
JPS63264326A (ja) 連続した長繊維で強化された熱可塑性樹脂製異形断面材の製造方法と、この異形断面材を得るための装置
KR20160078453A (ko) 폼 코어들을 갖는 샌드위치 타입의 구성의 프로파일들의 연속적인 제조 및 강성의 폼이 충전된 프로파일
EP0269197A2 (en) Method and means for making pultruded fibre reinforced articles
JPH07117141A (ja) 繊維強化熱硬化性樹脂成形体の製造方法
JPH07144369A (ja) 繊維強化樹脂成形体の製造方法
KR20190029351A (ko) 유리섬유 강화 플라스틱 패널의 제조방법
JPS5812724A (ja) 湾曲状強化プラスチツク切断材の製造方法
JPH11216736A (ja) 繊維強化発泡樹脂成形体の製造方法及び製造装置
KR102236570B1 (ko) 유리섬유 보강근의 압착 성형 및 가열 장치
EP0357301A1 (en) Improvements in and relating to the production of fibre reinforced polymers
KR102168785B1 (ko) 복합소재 이중 인발성형장치
JPH07148850A (ja) 繊維強化樹脂成形体の製造方法
JP2004034592A (ja) 繊維強化複合材の製造方法及び繊維構造体
KR100697631B1 (ko) 섬유강화 열경화성 수지의 가변 단면 제품 제조방법 및 그장치
KR102531379B1 (ko) 연속 섬유 강화 열가소성 수지 기반의 물품의 제조 장치
CN220262069U (zh) 一种棒材结构的复合材料制品
WO2002085601A1 (en) Composite injection moulding and process for manufacturing the same
KR100574608B1 (ko) 인발 성형법에 의한 탄소 복합재 제조 방법
CN220562211U (zh) 一种管材结构的复合材料制品