JPH07144032A - ゴルフ用パター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パッティングのスイングストロークが非常に
スムーズで安定し、且つ振り子の原理（復元力）を利用
してヘッドが常に目標ラインにスクエアに向かって真っ
直ぐ進み、打球の方向性と距離を正確に出せ、思いのま
まのパッティングが可能となるゴルフ用パターを提供す
ることにある。 【構成】 ヘッド１の重心付近からフェイス面１ｂと反
対の後方にネック部２を延出し、このネック部２の後端
部からシャフト３を、このシャフト３の中心軸線とヘッ
ド１のソウル面１ａとのなす角度θを鋭角にして前傾状
態に立設することで、アドレス時にヘッド１のソール面
１ａをグランドＧと水平にセットアップするとシャフト
１のグリップ４がフェイス面１ｂよりも前方に位置する
構成としたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフのパッティング
に使用するゴルフ用パターに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ゴルフのパッティングは、主に
グリーン上に乗ったボールをカップ（ホール）にめがけ
て打ち出すプレーで、距離は短くても微妙なタッチと方
向性、即ち距離と方向性が要求される。

【０００３】このパッティングに使用されるパターは、
各社メーカーから各種様々なものが市販されている。例
えば、トウ・ヒール形パター、Ｌ字形パター、Ｔ字形パ
ター、マレット形パターなどに代表されるように、ヘッ
ド自体の形状・大きさ及びシャフトを取付けるネック部
（ホーゼル）の形状や曲りなど各種様々なものがある。
なお、ヘッドのソール面に対するフェース面の立上がり
角度（ロフト角）は、ボールの転がり具合から４度前後
に設定されているものが多い。このロフトによりフェー
ス面とボールとの接触時間を長くして微妙な方向ずれを
修正しており、ロフトがないと球離れが早くちょっとし
たフェースの向きの違いが方向性の狂いとなり、ロフト
がありすぎるとボールが跳ねて転がりが悪いのである。

【０００４】こうしたゴルフ用パターにおいては、ヘッ
ドのソウル面に直角な垂線に対するシャフトの手前側
（ヒール側）への傾き角度（ライ角）が１０度以上と定
められている以外は特に規則はないが、従来のパターで
は、いずれもシャフトが前後方向（パッティングライン
方向）には傾斜しておらず、フェースの下端エッジと平
行な垂直面に沿って（フェース面と略平行して）立設さ
れている設計である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来のゴルフ用パターでは、シャフトがヘッドに対しライ
角（１０度以上）を持って手前（ヒール側）に傾斜して
いるが、前後方向（パッティングライン方向）には傾斜
していない設計であるので、アドレス時にボールの真後
ろにヘッドをセットアップして、スイングし易いように
ハンドファーストの構えをとると、フェイス面がかぶっ
て所定のロフト角を維持できず、ボールの転がりが悪い
と共に球離れが速く微妙な方向ずれを招き易い。

【０００６】このためにハンドファーストの構えがとり
難く、振り子のように滑らかなスイングがなかなかでき
ない。しかも、ダウンスイングからインパクト及びその
先のフォロースルーにかけて意識的に右手で押し出す力
が必要で、この際スイングにぶれを生じてヘッドが目標
ラインに真っ直ぐ走らなかったり手首をこねたりし易
く、ボールにジャストミートせず距離を大きく足らなか
ったり、ヘッドの向きが左右に変わて大きな方向ミスを
招いたりする。特に、ロングパットの時にその傾向が強
く、方向性を重視するとスムーズなストロークができず
距離感が狂ってしまい、距離を重視すると方向性が崩れ
たりして、パッティングに悩むゴルファーが非常に多
い。

【０００７】本発明は前記事情に鑑みなされ、その目的
とするところは、パッティングのスイングストロークが
非常にスムーズで安定し、且つ振り子の原理（復元力）
を利用してヘッドが常に目標ラインにスクエアに向かっ
て真っ直ぐ進み、打球の方向性と距離を正確に出せ、思
いのままのパッティングが可能となるゴルフ用パターを
提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のゴルフ用パター
は、前記目的を達成するために、ヘッドの重心付近から
フェイス面と反対の後方にネック部を延出し、このネッ
ク部の後端部からシャフトを、このシャフトの中心軸線
と前記ヘッドのソウル面とのなす角度を鋭角にして前傾
状態に立設することで、アドレス時にヘッドのソール面
をグランドと水平にセットアップすると該シャフトのグ
リップがフェイス面よりも前方に位置する構成としたこ
とを特徴とする。

【０００９】

【作用】前記構成のゴルフ用パターであれば、アドレス
時にボールの真後ろにヘッドを位置させ、そのヘッドの
フェイス面を打球方向に対しスクェアにしてソール面を
グランドと水平にセットアップすると、フェイス面がか
ぶることなく所定のロフト角を維持したまま、シャフト
が打球方向に傾いた前傾状態となって、グリップがヘッ
ドのフェイス面よりも前方に位置し、右利きの人の場
合、自然と右手首をくの字状に折ったハンドファースト
の構えをとることができ、そのまま左腕リードでこねる
ことなく振り子のように非常に滑らかで安定したスイン
グ（パッティングストローク）ができると共に、ボール
の転がり並びに方向性が良くなる。

【００１０】しかも、そのバックスイングからダウンス
イングの過程で、シャフトに対しヘッドがこの重心付近
から後方に延出したネック部を介して振り子のようにぶ
ら下がる状態となり、これらの重力バランスによる自己
復元力で該ヘッドが左右にぶれることなく目標ラインに
常にスクェアな向きを維持するようになる。また、シャ
フトが前傾状態でグリップがヘッドよりも前方に位置す
るハンドファーストグリップであるので、全体の重力バ
ランスにより既にアドレス時にヘッドが打球方向に動こ
うとする重みが腕に感じられ、ダウンスイングからイン
パクト及びその先のフォロースルーまでにかけてヘッド
が振り子の復元力により打球方向に真っ直ぐ走ろうとす
る推進力が得られるようになる。

【００１１】こうしたことから、パッティングのスイン
グストロークが非常にスムーズで安定し、且つ振り子の
原理（復元力）を利用してヘッドが常に目標ラインにス
クエアに向かって真っ直ぐ進み、打球の方向性と距離を
正確に出せ、思いのままのパッティングが可能となる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明のゴルフ用パターの一実施例を
図１乃至図４により説明する。図中符号１はヘッド、２
はネック部、３はシャフト、４はグリップを示してい
る。前記ヘッド１は、真鍮、アルミ合金、ステンレス、
ジルコニア等の適当な素材を用いて、鋳造或いは鍛造或
いは削り出し等により一体成形されたもので、従来品同
様にトウ・ヒールにウエートを多く振り分けた低重心・
ワイドエリアタイプのヘッドで、ソウル面１ａに対する
フェース面１ｂのロフト角αは４〜６度の範囲に設定さ
れている。このヘッド１から前記ネック部２が一体に延
出され、このネック部２に前記シャフト３が下端部を連
結して立設されている。このシャフト３はスチールある
いはカーボン製のもので、この上端部に適当長さに亘り
ラバーや皮巻き製の前記グリップ４が設けられている。

【００１３】ここで、前記ネック部２は前記ヘッド１の
重心付近（センター部）からフェイス面１ｂと反対の後
方に真っ直ぐ延出され、この後端にシャフト取付筒部２
ａが後述するシャフト３の傾斜角度に合わせて上向きに
形成されており、ここに前記シャフト３の下端部が嵌着
固定されている。このシャフト３は、この中心軸線と前
記ヘッド１のソウル面１ｂとのなす角度θを鋭角、例え
ば７０〜８０度の範囲、更に好ましくは７４度前後にし
て前傾状態（打球方向に向けて傾斜する状態）に立設さ
れ、これでアドレス時にヘッド１のソール面１ａをグラ
ンドＧと水平にセットアップすると該シャフト３のグリ
ップ４がフェイス面１Ｂよりも前方に位置する構成とさ
れている。

【００１４】なお、そのシャフト３は、図２に示す如く
ヘッド１のソウル面１ａに直角な垂線に対する手前側
（ヒール側）への傾き角度（ライ角）βがゴルフ規則の
規定通り１０度以上に設定されている。また、このシャ
フト３の長さは７０〜９０cm程度で、前記ネック部２の
長さは６〜１０cm程度に設定されている。

【００１５】こうした構成のゴルフ用パターであれば、
図１に実線で示す如く、アドレス時にボール５の真後ろ
にヘッド１を位置させ、そのヘッド１のフェイス面１ｂ
を打球方向に対しスクェアにしてソール面１ａをグラン
ドＧと水平にセットアップすると、フェイス面１ｂがか
ぶることなく所定のロフト角αを維持したまま、シャフ
ト３が打球方向に傾いた前傾状態となって、グリップ４
がヘッド１のフェイス面１ｂよりも前方に位置し、右利
きの人の場合、自然と右手首をくの字状に折ったハンド
ファーストの構えをとることができ、そのまま左腕リー
ドでこねることなく想像線の如く振り子のように非常に
滑らかで安定したスイング（パッティングストローク）
ができるようになと共に、そのインパクトの際にハンド
ファーストでもヘッド１が所定のロフト角αを維持する
ので、ボール５との接触時間が長く微妙な方向ずれを修
正すると共に、ボール５の転がりが良く、距離並びに方
向性とも良くなる。

【００１６】しかも、図１ののアドレス位置Ａからバッ
クスイングした位置Ｂ並びにここからダウンスイングし
て行くの過程で、シャフト３に対しヘッド１がネック部
２を介して振り子のようにぶら下がる状態となり、これ
らの重力バランスによる自己復元力で該ヘッド１が左右
にぶれることなく目標ラインに常にスクェアな向きを維
持するようになる。

【００１７】また、シャフト３が前傾状態でグリップ４
がヘッド１よりも前方に位置するハンドファーストグリ
ップであるので、全体の重力バランスにより既にアドレ
ス時（Ａの位置）にヘッド１が打球方向に動こうとする
重みが腕に感じられる。即ち、ただシャフト３をぶら下
げる垂直線６をネック部２が横切ってＣの位置に静止す
る重量バランスとなっている。このためにバックスイン
グしたＢ位置からダウンスイングしてインパクト（アド
レスと同じＡ位置）及びその先のフォロースルーＣまで
にかけてヘッド１が振り子の復元力により打球方向に真
っ直ぐ走ろうとする推進力が得られるようになり、更に
その先のフォロースルーＤ位置まで慣性力で進行する。

【００１８】こうしたことから、パッティングのスイン
グストロークが非常にスムーズで安定し、且つ振り子の
原理（復元力）を利用してヘッド１が常に目標ラインに
スクエアに向かって真っ直ぐ進み、打球の方向性と距離
を正確に出せ、思いのままのパッティングが可能とな
る。

【００１９】なお、図５及び図６は本発明のゴルフ用パ
ターの他の実施例を示すもので、ここでは丸い（横型円
柱形状）のヘッド１１を用い、このヘッド１１の重心位
置から後方に前記同様のネック部１２を延出し、この後
端部のシャフト取付筒部１２ａにシャフト１３を前述同
様に前傾状態に固着して立設した構成である。これでも
前述のパター同様の作用効果が得られる上に、この場
合、ヘッド１１のフェース面１１ｂが丸く小さいので、
ボールに対し外してはいけないとゴルファーの集中心が
高まり、結果的により適確なパッティングが得られるよ
うになる。

【００２０】

【発明の効果】本発明のゴルフ用パターは、前述の如く
構成したので、ハンドファーストに構えることができ
て、パッティングのスイングストロークが非常にスムー
ズで安定し、且つ振り子の原理（復元力）を利用してヘ
ッドが常に目標ラインにスクエアに向かって真っ直ぐ進
み、打球の方向性と距離を正確に出せ、思いのままのパ
ッティングが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のゴルフ用パターの一実施例を示すトウ
側から見た側面図。

【図２】同上パターの正面図。

【図３】同上パターの一部省略した平面図。

【図４】同上パターの一部省略した斜め後方から見た斜
視図。

【図５】本発明のゴルフ用パターの他の実施例を示す一
部省略した平面図。

【図６】同上パターの一部省略した斜め後方から見た斜
視図。

【符号の説明】

１、１１…ヘッド、１ａ、１１ａ…ソウル面、１ｂ，１
１ｂ…フェイス面、２、１２…ネック部、３、１３…シ
ャフト、４…グリップ、θ…シャフトの中心軸線とヘッ
ドのソウル面とのなす角度、Ｇ…グランド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヘッドの重心付近からフェイス面と反対
   の後方にネック部を延出し、このネック部の後端部から
   シャフトを、このシャフトの中心軸線と前記ヘッドのソ
   ウル面とのなす角度を鋭角にして前傾状態に立設するこ
   とで、アドレス時にヘッドのソール面をグランドと水平
   にセットアップすると該シャフトのグリップがフェイス
   面よりも前方に位置する構成としたことを特徴とするゴ
   ルフ用パター。