JPH0714357B2 - パーオキシド中間体および光分散性結晶を利用し、機器を使用しないで問題となる被検物質を検出する方法 - Google Patents

パーオキシド中間体および光分散性結晶を利用し、機器を使用しないで問題となる被検物質を検出する方法

Info

Publication number
JPH0714357B2
JPH0714357B2 JP1505976A JP50597689A JPH0714357B2 JP H0714357 B2 JPH0714357 B2 JP H0714357B2 JP 1505976 A JP1505976 A JP 1505976A JP 50597689 A JP50597689 A JP 50597689A JP H0714357 B2 JPH0714357 B2 JP H0714357B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peroxide
reaction product
test substance
reaction
stable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1505976A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02501536A (ja
Inventor
グリーンクイスト,アルフレツド・シー
クーチヤー,マーチン
シーマーズ,ネイサン・オー
Original Assignee
クリスタル・ダイアグノステイツクス・インコーポレーテツド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by クリスタル・ダイアグノステイツクス・インコーポレーテツド filed Critical クリスタル・ダイアグノステイツクス・インコーポレーテツド
Publication of JPH02501536A publication Critical patent/JPH02501536A/ja
Publication of JPH0714357B2 publication Critical patent/JPH0714357B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/26Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving oxidoreductase
    • C12Q1/28Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving oxidoreductase involving peroxidase
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/60Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving cholesterol

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、一般には問題となっている被検物質を検出す
る定性および定量分析法の改良に関し、特には反応中間
体として過酸化物を発生させ、後でこれを使用して光分
散性の結晶を生成、成長させ光学的に検出する方法に関
する。
発明の背景 過酸化物ROOR′、 ここでRおよびR′は水素または炭素含有基である、 は長年に亙り分析法、特に臨床/診断分析法における検
出可能な組成物として極めて有利であることが認められ
てきた。このような検出法は、すべて共通の原理と分析
過程とに基づいている。即ち問題とする被検物質を含ん
だ試料を過酸化物、典型的には過酸化水素を生成する系
に導入し、ついで過酸化物を発色性物質、蛍光物質、化
学発行物質、或いは特定の波長の光を測定し得る装置に
よって検出可能な他の反応生成物を生じる1種またはそ
れ以上の特定の検出試薬を用いて検出する。
通常知られている過酸化物生成系の中で最もよく知られ
ているものは、恐らく酵素反応系であろう。この系は、
特定の活性をもった酵素を問題とされている被検物質と
一緒にすると、一つの反応生成物として過酸化物、特に
過酸化水素を生じる。このような酵素系の代表的なもの
はオキシドレダクターゼであり、その定義および特性
は、例えばアカデミック・プレス(Academic Press)19
79年発行のディクソン(Dixon)およびウエッブ(Web
b)の「酵素(Enzymes)」に記載されている。過酸化物
を生成させこれを反応物質、典型的には酸化剤として使
用する方法は、現在では既に古典的となったトリンダー
(Trinder)法に記載されている[アンナーレン・デル
・クリニッシェン・ビオヘミー(Ann.Clin.Biochem.)
6巻、24〜27頁(1969年)]。トリンダー試験は、グル
コース・オキシダーゼおよびパーオキシダーゼを使用し
て血液中のグルコースを定量する方法であり、これらの
酵素がグルコースを分解し過酸化水素を放出する。次に
生成した過酸化水素をフェノールおよび4−アミノフェ
ナゾンと結合させ着色した反応生成物を得る。従って酵
素で分解されたグルコースの量は、過酸化水素とフェノ
ールおよび4−アミノフェナゾンとの二次反応によって
生じた色の強さを測定することにより決定される。
この分野におけるそれ以後の発展はトリンダー反応の原
理と形式とを踏襲している。これらの試験法では、酸化
剤として過酸化物、典型的には過酸化水素を生成させる
かこれを反応混合物に加え、この反応混合物には特定の
波長に設定された光学測定機器により検出可能な反応生
成物を生じる1種またはそれ以上の染料または染料前駆
体が含まれている。トリンダー反応の原理および形式に
沿った最近の発展の代表的なものは次の文献に記載され
ている:特許公報第61274698−A号(86.12.04)、同第
61174267−A号(86.08.05)、同第61155758−A号(8
6.07.15)、同第61146197−A号(86.07.03)、ドイツ
特許公報第3600563−A号(86.07.17)、米国特許第4,6
15,982号、オーストラリラ特許公報第8547303−A号(8
6.04.24)、特許公報第61074599−A号(86.04.16)、
ヨーロッパ特許公報第175250−A号(86.03.26)、特許
公報第6−21807−A号(85.10.31)、同第60178358−
A号(85.09.12)、同第60172298−A号(85.09.05)、
同第60091997−A号(85.05.23)、同第60083599−A号
(85.05.11)、米国特許第3,266,868−A号、特許公報
第73002996−B号、ドイツ特許公報第2450726−A号(7
6.05.06)、米国特許第4,101,381号、同等4,202,938
号、同第4,301,244号、およびドイツ特許公報第3114935
−A号(82.11.25)。
過酸化物を検出するのに染料を使用する分析法とは別
に、検出方法に関する発展があり、これは液体試料中に
問題となる被検物質を存在させて光学的に検出し得る結
晶をつくり成長させることに関連している。現在までこ
の方法は、二つの主な系を採つている。即ち米国特許第
4,380,587号記載のように、カルボニル基を含有する組
成物(例えばアルデヒドまたはケトン)を検出する方法
および組成物、並びに米国特許第4,727,024号記載のよ
うに、問題となる被検物質に特異的な反応に関与し得る
少なくとも一つのアミノ基を有する結合相手物質、金属
陽イオン、および反応に関与し得るる少なくとも1個の
カルボニル基をもった放出可能な標識物質から成る複合
反応体及びそれを使用する方法である。両方の方法とも
何等の機器も全く必要とせず、光散乱を起こす結晶を生
成、成長させて光学的に検出することにより流体試料中
の問題の被検物質を検出することができる。しかしこれ
らの方法はいずれも、カルボニル基含有組成物を使用す
る場合だけに限られることは明らかである。
発明の要約 本発明は、流体試料中の問題となる被検物質を検出する
方法を提供するものであり、この方法は; 流体試料中の問題となる被検物質を少なくとも1種の反
応体と反応させて一次反応生成物として過酸化物を生成
する過程; 該過酸化物を、少なくとも1種の式ROH、ここにRは炭
素含有基である、を含む化学組成物、および該過酸化物
と該ROH基含有組成物との間の反応を開始させる化学試
薬に加えて少なくとも1個のカルボニル基を含む二次反
応生成物を生成させる過程; 該カルボニル基含有二次生成物を誘導体化剤と結合させ
てその場で固体基質表面上に固定された多数の造核部位
としての三次反応生成物を生成させる過程; 固定された造核部位を凖安定な過飽和溶液で処理して多
数の光学的に検出し得る結晶を形成させる過程;および 試料中の問題となる被検物質の目安としての生成した結
晶の存在を光学的に検出する過程;から成る。
本発明方法は、現場における種々の異なった臨床/診断
試験、生化学的試験および環境試験の用途に有用であ
る。さらに、全体として本発明方法の便利さおよび有用
性を最大限に発揮させる試験キット装置が提供される。
図面の簡単な説明 本発明は、添付図面を参照すればさらに容易に且つ完全
に理解することができるであろう。添付図面において、 第1図は、好適なフィルム・バッジ装置の上面図であ
り;第2図は一部断面示す第1図の装置の側面図であ
り;第3図は、BB′軸に沿った第1図の具体化例の断面
図であり;第4図は、CC′軸に沿った第1図の具体化例
の断面図であり;第5図は、DD′軸に沿った第1図の具
体化例の断面図であり;第6図は、AA′軸に沿った第1
図の具体化例の断面図である。第7図は、第1図の具体
化例において固体基質表面上にある誘導体化剤を示す写
真であり;第8図は第1図の具体化例において固体基質
表面上にある光学的に検出し得る結晶を示す写真であ
り;第9図は、本発明方法を用い光散乱性の結晶によっ
て種々の濃度のコレステロールを検出する能力を示すグ
ラフである。
好適具体化態様の詳細な説明 本発明方法は、機器を使用しないで流体試料中の問題の
被検物質を定性的または定量的に検出する方法である。
本発明方法は、流体試料中の問題の被検物質の一次反応
生成物として過酸化物、好ましくは過酸化水素を生成さ
せるのに多様な種類の化学反応を用い、生成した過酸化
物中間体を酵素反応または通常の化学反応を使用して酸
化可能な試薬と反応させてカルボニル基含有二次反応生
成物を生成させ、次いで造核および結晶成長技術を使用
して定性的および定量的な両方の尺度を裸眼で検出し得
る光散乱性の結晶を形成させる点において独特な方法で
ある。
従って本発明方法は、使用者に対し次のような多くの利
点を与える。
(1)本発明方法によれば、何等機器を使用することな
く、定性的および定量的な両方の測定を行うことができ
る。
(2)本発明方法は、迅速且つ簡単に行うことができ、
常に信頼すべき結果およびデータが得られる。
(3)本発明方法は、使用者が必要とするまたは使用者
にとって望ましい任意の場所および任意の時において試
験を可能にする、試験キット装置を用いて行うことがで
きる。
(4)本発明方法は、流体試料中の問題となっている単
一の被検物質を検出することができ、本発明方法の各過
程を行う前に試料を予備処理または分別して他の組成物
を除去する必要はない。
(5)本発明方法は生化学的分析法として広い応用があ
り、現在信頼すべき結果を得るためには複雑な反応と精
緻な機器分析法とを必要とする臨床/診断試験の分野に
使用されることを主な目的としている。
(6)本発明方法は、化学反応系に関する技術的な訓練
または経験を必要とせず、素人でも行うことができる。
本発明を構成するそれぞれの処理過程および本発明方法
の各部分を構成する主化学反応に関する全体的な理解の
ために、以下に本発明方法の独特の分析法の詳細を個別
的に述べ、次いで経験的なデータを与えて特定の試験条
件における本発明方法の利点を例示することにする。
I.一次反応生成物として過酸化物を生じる問題とする被
検物質の反応 問題とする被検物質を含む流体試料 本発明の独特の方法および最も好適に使用される試験キ
ット装置は問題とされる被検物質を含むと思われる任意
の起源の任意の流体試料に使用されることを意図してい
る。本発明の主な応用は診断/臨床的分析法であるか
ら、流体試料は、まだ病名がこれから判定されるべき病
気または体調の不調にかかっている人から得られたもの
であることが予期される。従って流体試料は、血液、血
漿、血清、尿、リンパ液、脊髄液、胃液、および被検者
からの任意の他の液体または半固体の形を採ることがで
きる。本発明方法はまた、飲用水、廃水、産業排水、ま
たは特に調製された溶液、懸濁液、分散液、コロイドお
よび流体混合物を含む任意の他の流体に対する生化学的
および環境化学的分析法としても有用である。従って化
学反応を実質的に妨害せず、また本発明方法の続行を妨
げない限り、流体試料の種類、起源、調合法または組成
は殆ど関係がない。
本発明方法で検出される問題の被検物質は、意図する応
用および流体試料の起源によっても変わる。本発明方法
の臨床/診断分析検出法としての特別な価値および利点
の見地からすれば、通常の公知の化学的方法および技術
を用いて医学的な目的で評価される被検物質一般が、本
発明方法で検出、分析するのに最も適している。従って
被検物質には、実験室的な診断目的で行われる慣用の試
験により評価される物質、例えば血糖、リポ蛋白、代謝
生成物、アルコール、酵素および補酵素等、一般に人お
よび動物の正常な状態および正常でない状態を示す物質
が含まれる。臨床/診断の目的に用いられるこのような
被検物質の代表的なものを下記第1表に示すが、勿論こ
れで全部ではない。下記第1表に化学的に結び付け得る
被検物質の試料は、本発明方法によっても検出できるこ
とは容易に判るであろう。
過酸化物生成反応系 本発明方法の問題とされる特定の被検物質を検出し得る
能力は、流体試料中における該被検物質が単一の反応経
路または一連の多重反応において1種またはそれ以上の
個々の反応体と結合し、一次反応生成物として過酸化物
を生成し得る能力に依存していることは明らかであろ
う。従って第一の必要条件は、流体試料中の問題とされ
る被検物質と選択的に反応し過酸化物、好ましくは過酸
化水素を反応生成物の一つとして生成する反応系にあ
る。
選ばれた問題とされる被検物質との結合のための好適な
反応系では、過酸化物の生成に酵素を利用する。好適な
酵素は、オキシドレダクターゼの系であり、これは種々
の選択性をもった非常に多様な種類の酵素であって、単
独でまたは組み合わされて、一次反応生成物として過酸
化水素または他の過酸化物を生成する。問題とされる特
定の被検物質に対する好適な酵素の一部は、上記第1表
に記載されており、本発明の範囲内において酵素反応系
により与えられる選択性の範囲および反応の種類が例示
されている。これらの酵素は一般に、個々にまたは組み
合わされた反応で一次反応生成物として少なくとも1種
の過酸化物を生成させるのに有用である。
問題とされる多くの個々の被検物質に対しては、一連の
多重反応が順次行われることが必要である。過酸化物を
生成するこの多重反応の経路の例は、血清中におけるコ
レステロールエステルの検出であり、これには反応生成
物として過酸化物を生成させるために2種の異なった酵
素を順次使用することが必要である。このような反応系
は下記反応図式により与えられる。
過酸化物反応生成物を生成するこれらのすべての酵素反
応系においては、酵素反応を進行させるためにすべての
必要な反応条件およびパラメータ、例えばpH値、補酵
素、温度、濃度、緩衝剤、およびこの分野において意味
のある影響を与えると通常考えられている他の因子が適
切に与えられることが期待される。このようなすべての
条件およびパラメータは当分野において公知であり、こ
こで詳細に説明する必要はないであろう。
別法として流体試料中の問題とされる特定の被検物質か
ら過酸化物を生成させる非酵素反応系を使用することも
できる。このような非酵素反応および系は化学の分野に
おいて公知であり、特定の文献に詳細に記載されてい
る。このようなすべての反応および系は本発明の範囲内
にあると考えられる。
II.過酸化物を少なくとも1個のカルボニル基を含む二
次反応生成物に変える反応手段 本発明方法の第2の処理過程は、過酸化物からカルボニ
ル基を含む二次反応生成物を生成させることである。生
成されるカルボニル基含有反応生成物は、生成すると直
接気体の形で放出される揮発性組成物であることが最も
望ましい。別法として、特定の環境下で望ましい場合に
は、カルボニル基含有反応生成物を液体の形で保持する
こともできる。一般に、過酸化物の反応およびその少な
くとも1種のカルボニル基を含む反応生成物への転化
は、二つの反応図式:即ち酵素反応系;および金属イオ
ンを触媒として使用する反応系;のいずれかにより達成
されることが好ましい。
酵素反応系 酵素反応系は、生成した過酸化物をヒドロキシル基(−
OH)含有化合物、例えばアルコールおよび酵素と結合さ
せてアルデヒドを生成する。このような酵素による反応
は、当業界で公知である[ペシー(Pesee)およびボド
ウリアン(Bodowrian)のクリニック・ケミストリー(C
lin.Chem)22巻、2042〜2045頁(1976年)の論文、ヘッ
ケル((Haeckel)およびパーリック(Perlick)のジャ
ーナル・オヴ・クリニック・ケミストリー・アンド・ク
リニック・バイオケミストリー(J.Clin.Chem.Clin.Bio
chem.)14巻、411頁(1976年)の論文、アール・ジェー
・ヘッケル(R.J.Haeckel)のジャーナル・オヴ・クリ
ニック・ケミストリー・アンド・クリニック・バイオケ
ミストリー、14巻、101〜107頁(1976年)の論文、およ
びエヌ・カゲヤマ(N.Kageyama)のクリニック・ケミカ
・アクタ(Clin.Chem.Acta)31巻、421〜426頁(1971
年)の論文参照]。
このような酵素反応系の代表的なものは、一般に下記に
示す反応図式IIaおよびIIbである。
それぞれの場合好適な過酸化物、即ち過酸化水素は、ア
ルコールおよび酵素、好ましくはカタラーゼと結合す
る。反応IIaは、メタノールおよび過酸化水素からフォ
ルムアルデヒドを酵素的反応により生成することを示し
ている。別法として、反応図式IIbはエタノールおよび
過酸化水素からアセトアルデヒドを酵素的反応により生
成することを示している。
さらに過酸化物を変化させる好適な種類の酵素系は、パ
ーオキシダーゼである。この種類の酵素の代表的なもの
を下記第2表に示す。各ヒドロキシル基含有組成物は、
反応を進行させ少なくとも1個のカルボニル基含有二次
反応生成物を生成させるのに最も適したパーオキシダー
ゼと結合する。
第 2 表 好適なパーオキシダーゼ カタラーゼ パーオキシダーゼ チトクローム・パーオキシダーゼ ヨー化物パーオキシダーゼ NADパーオキシダーゼ NADPパーオキシダーゼ 脂肪酸パーオキシダーゼ グルタチオン・パーオキシダーゼ 塩化物パーオキシダーゼ チトクローム P−450 リグニナーゼ 金属イオンを触媒とする反応系 別法として、第2の一般的な方法は、過酸化物、好まし
くは過酸化水素の反応に対して提供される。この反応系
は、1種またはそれ以上の金属イオン、例えばフェント
ン(Fenton)試薬によって与えられるFe+2を用い過酸化
物によってヒドロキシル含有基を酸化する反応に依存し
ている。このような反応において上記金属イオンを使用
することも、文献には公知である[ウォーリング(Wall
ing)およびアマーナス(Amarnath)のジャーナル・オ
ヴ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティー(JACS)10
4巻、1185〜1189頁(1982年)の論文、ディー・イング
ルス(D.Ingles)のオーストリアン・ジャーナル・オヴ
・ケミストリー(Aust.J.Chem.)26巻、1021頁(1973
年)、およびシー・ウォーリングのアカウスティック・
ケミストリー(Acc.Chem.)8巻、125頁(1975年)]。
カルボニル基含有組成物を生成させるこの別の反応系は
下記の反応図式IIIa、IIIbおよびIIIcによって与えられ
る反応である。
ここでMeは金属イオンである。
種々の異なった共反応体を使用して過酸化物と反応さ
せ、カルボニル基含有組成物をつくることができること
が認められよう。この目的のために、少なくとも1個の
ヒドロキシル基を含む任意の化合物を共反応体として使
用することができる。有用なヒドロキシル基含有化合物
の代表的なものを下記第3表に示すが、勿論これがすべ
てではない。
第 3 表 有用なヒドロキシカルボン酸 グリコール酸 乳酸 グリセリン酸 α、βまたはδ−ヒドロキシ酪酸 酒石酸 クエン酸 マンデル酸 グルクロン酸およびウルドン酸一般 有用なアルコールおよびポリオール メタノール エタノールおよびエチレレングリコール プロパノール、イソプロパノールおよびプロピレングリ
コール ブタノール、イソブタノールおよびブチレングリコール ペンタノールおよびペンチレンポリオール ヘキサノールおよびヘキシレンポリール ベンジルアルコール 3,4−ジメトキシベンジルアルコール サリゲニン 同様にこの反応系に用いるために選ばれる金属イオン
は、この目的のために有用なものとして関連文献に記載
された任意のものであることができる。このような金属
イオンの代表的なものを下記第4表に示す。
第 4 表 好適な金属陽イオン 鉄(Fe+2およびFe+3) コバルト(Co+2) マンガン(Mn+2) モリブデン(Mo+2) タングステン(W+7) III.光散乱性結晶を生成させ成長させる手段 本発明方法の残りの処理段階は、二次反応生成物のカル
ボニル基との反応的接触により光散乱性結晶を選択的に
生成、成長させる段階である。従って個々の段階は次の
ようになる。カルボニル基を含む二次反応生成物を誘導
体化剤と結合しその場で固体基質の表面に固定された多
数の造核部位として三次反応生成物をつくる段階、固定
された造核部位を凖安定な過飽和溶液で処理して多数の
光学的に検出できる結晶をつくる段階、および生成した
結晶を試料中の問題となっている被検物質の目安として
光学的に検出する段階である。これらの特定の反応体お
よび段階を以下に詳細に説明する。
誘導体化剤 反応に用いられる少なくとも1個のカルボニル基を含ん
だ二次反応生成物が生成すると、この生成物を固定され
た誘導体化剤と結合させてその場で多数の造核部位とし
て縮合生成物が生成される。このように、誘導体化剤
は、カルボニル基を含む組成物との反応的接触により多
数の核になる粒子を与え得る化合物であり、固体基質の
表面上に固定された反応性のアミンを有する化学種であ
ることが望ましい。従って誘導体化剤の最終的な目的
は、カルボニル基を含む二次反応生成物と反応し、後で
光学的に目で見える結晶を生成、成長させるために一連
の造核部位をその場につくることである。
誘導体化剤は、ミクロンまたはミクロン以下の範囲の粒
子が実質的に単層をなして分散した系として固体基質の
表面に存在していることが最も望ましい。後で微結晶を
検出し同定するために凖安定な過飽和の溶液と混合し反
応させるための単一層をなして分散した粒子のフィルム
としてこのような誘導体化剤を使用する方法は、文献に
記載されている[ビー・ボンネガット(B.Vonnegut)の
サイエンス(Science)116巻、300〜301頁(1952年)の
論文、米国特許第4,300,587号]。本発明に用いられる
代表的な誘導体化剤としては次のものが含まれるが、勿
論これが全部ではない。2,4−ジニトロフェニルヒドラ
ジン、セミカルバジド、ジメトンまたはジメドン、p−
ニトロフェニルヒドラジン、フェニルヒドラジン、チオ
セミカルバジド、オキシム、ブロモベンゾヒドラジン、
2,4−ジニトロメチルフェニルヒドラジン、p−カルボ
キシフェニルヒドラジン、ニトロベンゼンスルフォンヒ
ドラジン、ニトロベンゾヒドラジン、ジフェニルヒドラ
ジン、2−ナフチルヒドラジン、p−クロロベンゾヒド
ラジン、m−クロロベンゾヒドラジン、ニトログアニル
ヒドラジン、α−(α,4−ニトロフェニル)−α−メチ
ルヒドラジン、キセニルセミカルバジド、トリルセミカ
ルバジド、フェニルセミカルバジド、1−ナフィルセミ
カルバジド、2−ナフィルセミカルバジド、3,5−ジニ
トロフェニルセミカルバジド、ジブロモメントン、ベン
ゾチアゾール、ベンゾチアゾレイン、ヒダントイン、ア
ミンノモルフォリン、ヒドラジノ安息香酸、1,3−シク
ロヘキサジオン、1,2−ビス−(p−メトキシベンジル
アミノ)エタン、アジピン酸ジヒドラジド、ニコチン酸
ヒドラジド、オキザリルジヒドラジド、オキザミックヒ
ドラジド、およびサリシルヒドラジド。
本発明に使用される誘導体化剤は、実質的に同じ大きさ
の粒子から成り、比較的均一な間隔で固体基質表面上に
保持された分散物であることが好ましい。粒径は、典型
的には約0.1〜1.0μmである。また単一の誘導体化剤を
種々の異なったカルボニル基含有組成物と蒸気または液
体の状態で反応させるのに用いることができ、いずれの
状態においても該組成物は、選ばれた誘導剤と反応して
その場において固体基質表面上に固定された多数の造核
部位をつくる。その場で生じた造核剤は、それ自身は裸
眼には見えない結晶であるが、後で光学的に検出し得る
結晶を生成、成長させる特定の開始部位として機能す
る。
選ばれた誘導体化剤から成る単一層の分散された粒子の
フィルムは、誘導体化剤から成る溶液のエーロゾルを通
常の公知方法で固体基質に吹き付けて形成することが便
利である。ある時間に亙り濃度を非常に正確に制御し、
またエーロゾルを固体基質の表面に運ぶ速度を制御する
ことにより、正確に調節された量の誘導体化剤を基質表
面に沈積させることができる。エーロゾルを固体基質の
表面に満足に接着させるためには、静電荷を賦与するか
および/またはエーロゾルの温度を調節することにより
表面を予備処理することがしばしば望ましい(しかし必
ずしも必要ではない)。所望の範囲の粒径をもったエー
ロゾルをつくる装置は、市販されている。
選ばれた誘導体化剤が存在する固体基質は、種々の異な
った形状に成形することができることに注意されたい。
好適な形式は、本発明の改善された装置に関し後で詳細
に説明する。しかし、多数の固定された造核部位をその
場で形成する目的で後で記載する方法で誘導体化剤を使
用する試験キットおよびフィルム・バッジとしては、種
々の異なった形の装置および成形品をつくることができ
る。
凖安定な過飽和(現像剤)溶液 酸化生成物を誘導体化剤と反応させて固体基質表面上に
造核部位がつくられると、これを選択的な凖安定な過飽
和(現像剤)溶液で処理し、固体基質表面上に多数の光
学的に検出し得る結晶をつくることが好ましい。凖安定
な過飽和溶液は、一定の期間の間化学的にも物理的にも
安定な結晶を成長させる化学種を過飽和の濃度で含む水
性または非水性の液体である。従って凖安定な過飽和
(現像剤)溶液が固体基質表面上につくられた造核部位
と組合わされると、個々の造核部位において結晶化が起
こり、光学的に検出し得る結晶が生成し成長する。有用
な凖安定な過飽和(現像剤)溶液を第5表に示すが、勿
論これが全部ではない。第5表において各現像剤溶液
は、好適な誘導体化剤および例示したカルボニル基含有
組成物と関連している。凖安定な過飽和(現像剤)の水
溶液および非水溶液をつくるための各化学組成物の量
は、当業界には公知である。
第5表は、凖安定な過飽和溶液がカルボニル基含有組成
物と誘導体化剤との反応によってつくられる縮合反応生
成物と同一であることが好ましいことを示している点に
注目されたい。特に或る状況の下では、凖安定な過飽和
溶液の化学組成は、個々の造核部位をつくる縮合生成物
と必ずしも化学的に同一である必要はなく、化学式およ
び構造が明確に異なるが結晶の生成においては十分に類
似している、いわゆる「エピタキシー」の現象を示すこ
とができる。
また選択的現像液で処理した結果、固体基質表面上に生
成、成長する結晶の大きさおよび性質は、カルボニル基
含有組成物と誘導体化剤との反応によってその場に生じ
る個々の造核部位の数によって明確な影響を受ける。相
対的に言えば、過酸化物の転化反応によりカルボニル基
含有組成物を僅かな量しか生成しないならば、固体基質
表面上には比較的僅かの造核部位しか生ぜず、逆に過酸
化物転化段階において比較的多量の反応生成物が生じる
と、それに応じて固体基質表面上には比較的多数の造核
部位が生じる。生じた造核部位の数は、成長する結晶の
最終的な大きさを決定する。何故ならば、現像溶液の中
の結晶化材料の量は、その数に拘らず同一の化学組成を
もつすべての造核部位に均等に配分されるからである。
従って、造核部位が多数存在すると、現象溶液中で結晶
化する化合物の量は多数の造核部位に分配され、生成、
成長する各結晶の大きさは比較的小さくなる。逆にもし
造核部位の数が比較的少ないと、現像溶液中で同濃度の
結晶化する材料は、比較的少い個々の造核部位に配分さ
れ、多量の結晶化材料が各部位に沈積することになる。
これによって大きな結晶が生じる。
従って定量的には、凖安定な過飽和(現像)溶液に含ま
れる結晶化し得る材料の濃度は、個々の造核部位の数が
最大のときでも、化学的に検出し得る結晶を成長させる
のに十分な量の濃度であることが重要である。このため
凖安定な過飽和(現像)溶液は、飽和濃度の2〜10倍の
範囲の濃度でつくられることが好ましい。このような濃
度の凖安定な過飽和(現像)溶液を使用することによ
り、個々の造核部位と接触した1〜2分後に迅速な結晶
生成と成長が起こる。この方法で本発明の試験法の速度
が維持され、2〜10分後に最大の結晶が成長し、60分以
内にすべての点で完全に見えるようになる。
物質が沈積する速度を調節することは、光学的に検出さ
れる結晶が成長する能力に直接影響を及ぼす、例えば現
像溶液から個々の造核部位に結晶化し得る物質を迅速に
沈積させると、結晶面が不規則な点へと向かった結晶が
生じる。他方もっとゆっくりと沈積させると、結晶面が
実質的に平らな結晶格子をもった結晶が得られる。光学
的には不規則な方向を向いた面をもつ結晶の方が光をよ
けいに散乱させ、「見え易く」する。平らな面をもった
結晶格子は、比較的光を散乱せず、裸眼でまたは特定の
結晶検出装置を用いても見ることが困難である。従っ
て、凖安定な過飽和(現像)溶液をつくるのに使用する
化学組成物の濃度は、個々の造核部位と接触して反応し
たとき、結晶性物質の迅速な沈積を促進するためにでき
るだけ濃厚であることが好ましい。
最高濃度でつくられた過飽和溶液は元々不安定である点
からすれば、現像溶液は使用直前につくることが望まし
い。さらに本発明の過飽和発現溶液の有効寿命を長くす
るためには、安定剤、例えばポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、ゼラチン、寒天、ナトリウムカル
ボキシメトキシセルロース、メチルおよびエチルセルロ
ース等を用いることが有用であり且つ望ましい。従って
実際上は、片方または両方が溶液の形をした2種の試薬
をつくり、これを現場で一定の割合で混合して凖安定な
過飽和(現像)溶液をつくることが便利である。この混
合溶液を固体基質の表面上に固定された個々の造核部位
に接触させ光学的に検出し得る結晶を生成させる。
このようにして結晶が生成し成長する結果、光学的に観
測および検出し得る変化が起こり、これは試験試料中の
問題とされる被検物質の定性的および定量的目安とな
る。光学的に検出し得る結晶の程度によって、定性的お
よび定量的目安が与えられ、これを流体試料中の問題と
される被検物質の量と関連させる。一般には、上記方法
で光学的に検出し得る結晶を生成し、成長させることに
より10〜15分以内でマイクロモルまたはそれ以下の範囲
の定量的結果を再現性良く得ることができる。
本発明を実施するための試験キット装置 上記に説明した処理段階は、それぞれ第1〜8図に示し
た検出バッジ装置のような装置を使用して行うことが好
ましい。添付図面に示すように、本発明の改良された装
置の好適具体化例においては、それぞれ第1および2図
に上面図および側面図を示したような、好ましくは剛体
の一体に、成形された透明なプラスチックス成形品の形
をした室10が備えられている。室10は弾性をもった透明
な材料、例えばポリスチレンまたはポリカーボネート樹
脂からつくられ、その内部の容積は異なった形および容
積をもった個々の部分または空間に分割されていること
が好ましい。室10の内部はU−字型の部分12、試薬入れ
30、現像溶液入り口50および容器60に分割されている。
プラスチックスのシート14が室10全体に亙る共通の背壁
となり、好ましくは外表面に結合された金属メッキ層15
をもち、後で室の中に生じる結晶を見え易くしている。
第3図に示すように、U字型部分12の内部におけるシー
ト14の内表面16は、誘導体化剤18が沈積する固体基質と
して機能する。U字型の寸法と形状を厳密に調節して正
確に再現できる結果を得ることが最も望ましい。この寸
法と形状は検出すべき問題となる特定の被検物質、選ば
れた誘導体化剤、使用する凖安定の過飽和溶液、および
使用する濃度範囲および露出時間に依存して一定限度内
で変えることができる。大部分の場合、シート14の内面
16の上方にある空隙の寸法は幅が0.2〜1.0インチ、高さ
が約0.005〜0.03インチである。
第4図に示すように現像溶液の入り口50は、U字型の部
分12に一体となって接合され、凖安定の過飽和溶液を室
10の内部へと導入し、必要に応じ調節された方法でシー
ト14の内面16に該溶液が被覆されるような手段が備えら
れている。現像溶液の入り口50は、不透過性のテープで
密封されるようになっており、このテープは現像溶液を
導入する際には取り外す。
第5図に示すように、容器60は、保持器62および選ばれ
た塩の水溶液を充たした壊し易いアンプル64から成って
いる。容器60は、保持器62、即ち外側の縁を該容器に接
着された可撓性の接着テープによって密封されている。
壊し易いアンプル64の下には、スポンジ状の材料66があ
り、容器60の底部にある一対の毛細管の開口部68および
70により流体で連絡されている。毛細管の開口部68、70
は、長手方向の縁に沿った室10の内部を通り容器60から
U字型の部分12を通って塩の水溶液を流す毛細管通路ま
たは樋として機能する。この塩の溶液は、室10の内部に
一定の相対湿度を維持する役目をする。必要に応じ灯心
の役割をする繊維性または多孔性材料を毛細管の開口部
68および70の内部に置き、液を均一に流す助けとするこ
とができる。
試薬入れ30を第6図に示す。第6図に示すように、試薬
入れ30の形を実質的に円筒形の空間の形にし、その内部
容積を上部の空間区域40と室10の内部と連絡した下部の
狭い通路34とに分割する。上部の空間区域40は好ましく
は多孔性のマトリックス材料から成る試薬パッド44によ
って占められ、また好ましくは問題となる被検物質と反
応し得る単一の酵素または酵素混合物を含み、これは一
次反応生成物として過酸化物を発生させるのに十分な量
である。この試薬パッド44は、また発生した過酸化物と
反応して好適な蒸気の形でカルボニル基含有生成物を与
えるのに必要なすべての他の反応物質を含んでいる。こ
の方法において、問題となる被検物質を含む流体試料
は、空間区域40に入り、試薬パッド44の中に存在する酵
素および他の試薬と反応し、カルボニル基含有組成物を
生成し、通路34を通じて室10の内部へ放出する。
この装置を所期の目的に使用するには、フィルム・バッ
ジを密封した包装から取り出して周囲環境に露出する。
壊し易いアンプルを壊し、毛細管68、70を通じて塩の水
溶液を流し出す。次に問題となる被検物質を含むと考え
られる流体試料を試薬入れ30を通じて導入する。一定時
間後問題となる被検物質は、試薬入れ30を通じて外に出
て試薬パッド44の内部に存在するすべての反応物質と反
応する。少なくとも1個のカルボニル基を含む二次反応
生成物は、気体の形で試薬パッド44から放出され、次い
で狭い通路34を通りU字型の部分12の内部に入ることが
好ましい。U字型の部分12の内部に入ると蒸気の形のカ
ルボニル基含有組成物は、固体の微小粒子の形で存在す
る誘導体化剤18と反応し、シート14の内面16上にその場
で生成した多数の造核部位として、縮合反応生成物を生
じる。一定時間後、現像溶液入口50を通じて凖安定な過
飽和溶液が導入され、U字型の部分12を充たして多数の
造核部位としてその場所で生成した縮合反応生成物と反
応する。この造核部位を選択的な凖安定な過飽和溶液で
処理することにより、シート14の内面16に光学的に検出
し得る多数の結晶が生じる。これらの光学的に検出し得
る結晶の存在がもとの試薬試料中に存在する問題の被検
物質の定性的および/または定量的な目安となる。
この改良された装置の設計および形状の有用性および操
作性は、それぞれ第7および8図に示されている。第7
図は、反応が起こる前にU字型の部分12の内部にあるシ
ート14の内面16上に沈積した誘導体化剤18の拡大(300
倍)図である。第8図は、装置を一定時間試料に露出
し、この装置の内部で本発明の処理工程を行った後に生
成した表面16上の光学的に検出し得る結晶を示してい
る。使用者が試料の被検物質濃度を迅速に決定できるよ
うに、任意の単位の目盛(図示せず)を付けることがで
きる。
実施例 実施例1:酵素反応系を使用するコレステロールの定量 本発明方法を実験的に例示するために、次の方法により
コレステロールの定量を行った。10mg/mlの牛の血清ア
ルブミン(脂肪族を含まず)、3%のトリトンX−100
および0.2モルの酢酸塩緩衝液(pH7.0)中に1mg/mlのコ
レステロールを含むコレステロール貯蔵液をつくった。
ノカルディア・エリスロポリスからの調製物として市販
されているコレステロール・オキシダーゼを使用した。
この酵素は、25℃において25単位/mgで調製され、1mg/m
lの蛋白質を含んでいる。
FeSO4溶液は、1NのH2SO4中に1.32モルを含む調合物とし
てつくった。
1gのサリゲニンを20mlの水に溶解しサリゲニン溶液(0.
4モル溶液)をつくった。
コレステロール貯蔵液をそれと組成が同じであるがコレ
ステロールを含まない希釈剤で希釈して濃度が16〜50mg
/mlの範囲で変化したコレステロール試料をつくる。そ
れぞれの場合試料の全容積は0.5mlである。各コレステ
ロール試料に5μのコレステロール・オキシダーゼを
加え、この反応混合物を室温に8分間保つ。次いでこの
一次反応生成物に0.5mlのサリゲニン溶液を加え、次に
5.0μのFeSO4溶液を加える。この反応混合物30μ
を、上記に説明した試験装置の試薬入れの中に置いたポ
レックス(Porex)4900パッド状ポリエチレン[米国、
ジョージア州アトランタ(Atlanta)のポレックス・イ
ンダストリーズ(Porex Industies)社]の上に置く。
反応混合物によって放出される蒸気化した二次反応生成
物にセミカルバジッド・フィルムから成る誘導体化剤を
当てる。次いで45分間露出させて反応を進行させた後、
0.2%のサリチルアルデヒドを含む10%ノックス(Kno
x)ゼラチン水溶液および0.15%のセミカルバジッド水
溶液(使用直前に調製)の当量混合物を含む現像溶液に
10分間露出する。次いで各試験試料についてmmの長さと
して光散乱する結晶の存在を測定する。結果を第9図の
グラフに示す。このグラフは、0〜50mg/dlの範囲に亙
りコレステロールの濃度に比例した応答曲線を示してい
る。臨床の用途に対しては、この試験方法においては血
清の試料を10倍に希釈する。
実施例2:コレステロールの酸化に用いる乾燥試薬パッド
の調製 8μのカタラーゼ[シグマ(Sigma)社、C−3155、
蛋白質48,900単位/mg、16.3mg/ml]をコレステロール・
オキシダーゼ[ベーリンガー・マンハイム(Boehringer
Mannheim)396818のNaCl溶液、pH6.0、25℃において25
単位/mg、蛋白質1mg/ml]200μと混合する。得られた
混合物10μを1/4インチのワットマン(Whatman)3MM
ディスク上に滴下する。このディスクをデシケーターの
雰囲気中で室温において6時間乾燥し、第6図の試薬入
れ30の中に入れ、試薬パッド44として使用する。
10%のエタノールを含む0.1モルの燐酸塩緩衝液(pH3.
5)中にコレステロールを含有する20μの試料を、試
薬パッドとして使用する調製したディスクに塗布する。
5部のp−ニトロフェニルヒドラジンおよび1部のクエ
ン酸から成る単一分散層をなしたエーロゾル法による被
膜から成る誘導体化剤のフィルムを、バッジの内部のU
字型部分の内部表面に幅0.07インチの細い片の形で装着
する。15分反応させた後、20%のメタノール/水溶液中
にアセトアルデヒドp−ニトロフェニルヒドラゾンを含
む凖安定な過飽和溶液を加えてバッジ内部のフィルムを
現像させる。現像後、長さ21.8mmの光学的に目で見える
光散乱結晶のカラムをフィルムの面上に置く。この長さ
の結晶をし、試料中のコレステロール濃度0.22ミリモル
に相当すると定量的に評価した。
本発明は、下記請求の範囲以外いずれの事項にも限定さ
れるものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/50 E 7055−2J 33/92 7055−2J (72)発明者 シーマーズ,ネイサン・オー アメリカ合衆国マサチユセツツ州02134オ ールストン・アパートメント3・ウエスト フオードストリート14 (56)参考文献 米国特許4202938(US,A) 米国特許4380587(US,A) 米国特許4727024(US,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体試料中の問題となる被検物質を少なく
    とも1種の反応体と反応させて一次反応生成物として過
    酸化物を生成させる過程; 該過酸化物を、少なくとも1種の式ROHで示され、Rが
    炭素含有基である成分および該過酸化物と該ROH成分と
    の間の反応を開始させる化学試薬を含有する組成物に加
    え、二次反応生成物としてホルムアルデヒドまたはアセ
    トアルデヒドを気体状で発成させる過程; 該気体状の二次反応生成物を誘導体化剤と結合させて固
    体基質表面上に固定された多数の造核部位としてその場
    で三次反応生成物を生成させる過程; 固定された造核部位を凖安定な過飽和溶液で処理して多
    数の光学的に検出し得る結晶を生成させる過程;および 試料中の問題となる被検物質の目安として生成した結晶
    の存在を光学的に検出する過程;を含んで成る流体試料
    中の問題となる被検物質を検出する方法。
  2. 【請求項2】流体試料中の問題となる被検物質を少なく
    とも1種の反応体と反応させて一次反応生成物として過
    酸化物を生成させる過程; 該過酸化物を、アルコールおよびヒドロキシル有機酸か
    ら成る群から選ばれる少なくとも1個のヒドロキシル基
    を含む化学成分、および該過酸化物と該ヒドロキシル基
    を含む成分との間の反応を開始させる酵素を含有する組
    成物に加え、二次反応生成物としてホルムアルデヒドま
    たはアセトアルデヒドを気体状で発成させる過程; 該気体状二次反応生成物を誘導体化剤と結合させて固体
    気質表面上に固定された多数の造核部位としてその場で
    三次反応生成物を生成させる過程; 固定された造核部位を凖安定な過飽和溶液で処理して多
    数の光学的に検出し得る結晶を生成させる過程;および 試料中の問題となる被検物質の目安として生成した結晶
    の存在を光学的に検出する過程;を含んで成る流体試料
    中の問題となる被検物質を検出する方法。
  3. 【請求項3】流体試料中の問題となる被検物質を少なく
    とも1種の反応物質と反応させて一次反応生成物として
    過酸化物を生成する過程; 該過酸化物を、アルコールおよびヒドロキシル有機酸か
    ら成る群から選ばれる少なくとも1個のヒドロキシル基
    を含む化学成分および該過酸化物と該ヒドロキシル基を
    含む成分との間の反応を開始させる金属陽イオンを含有
    する組成物に加え、二次反応生成物としてホルムアルデ
    ヒドまたはアセトアルデヒドを気体状で発成させる過
    程; 該気体状の二次反応生成物を誘導体化剤と結合させて固
    体基質表面上に固定された多数の造核部位としてその場
    所で三次反応生成物を生成させる過程; 固定された造核部位を凖安定な過飽和溶液で処理して多
    数の光学的に検出し得る結晶を生成させる過程;および 試料中の問題となる被検物質の目安として生成した結晶
    の存在を光学的に検出する過程;を含んで成る流体試料
    中の問題となる被検物質を検出する方法。
  4. 【請求項4】問題となる被検物質を過酸化物を生じる少
    なくとも1種の酵素反応物質と組み合わせる請求の範囲
    第1、2または3項記載の方法。
  5. 【請求項5】該酵素がパーオキシダーゼである請求の範
    囲第2項記載の方法。
  6. 【請求項6】該金属陽イオンが鉄、コバルト、マンガ
    ン、モリブデンおよびタングステンから成る群から選ば
    れる請求の範囲第3項記載の方法。
JP1505976A 1988-05-20 1989-05-05 パーオキシド中間体および光分散性結晶を利用し、機器を使用しないで問題となる被検物質を検出する方法 Expired - Lifetime JPH0714357B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US19645088A 1988-05-20 1988-05-20
US196,450 1988-05-20
PCT/US1989/001923 WO1989011542A1 (en) 1988-05-20 1989-05-05 Non-instrument methods for detecting an analyte of interest using peroxide intermediates and light scattering crystals

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02501536A JPH02501536A (ja) 1990-05-31
JPH0714357B2 true JPH0714357B2 (ja) 1995-02-22

Family

ID=22725472

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1505976A Expired - Lifetime JPH0714357B2 (ja) 1988-05-20 1989-05-05 パーオキシド中間体および光分散性結晶を利用し、機器を使用しないで問題となる被検物質を検出する方法

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP0371118A4 (ja)
JP (1) JPH0714357B2 (ja)
AU (1) AU3688389A (ja)
WO (1) WO1989011542A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4202938A (en) * 1976-04-05 1980-05-13 Human Gesellschaft mbH fur Biotopanalytic und Biotopschutz Procedure for the quantitative determination of hydrogen peroxide concentration in aqueous solutions
US4380587A (en) * 1981-08-20 1983-04-19 Arthur D. Little, Inc. Film badge for determining carbonyl compounds
US4727024A (en) * 1986-05-12 1988-02-23 Martin Koocher Binding assays involving formation and detection of light scattering crystals

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3124594A1 (de) * 1981-06-23 1983-01-05 Boehringer Mannheim Gmbh, 6800 Mannheim Mittel und verfahren zum nachweis von wasserstoffperoxid
US4816414A (en) * 1987-10-02 1989-03-28 Crystal Diagnostics, Inc. Methods and apparatus for detecting an analyte of interest capable of being converted into a carbonyl-containing composition

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4202938A (en) * 1976-04-05 1980-05-13 Human Gesellschaft mbH fur Biotopanalytic und Biotopschutz Procedure for the quantitative determination of hydrogen peroxide concentration in aqueous solutions
US4380587A (en) * 1981-08-20 1983-04-19 Arthur D. Little, Inc. Film badge for determining carbonyl compounds
US4727024A (en) * 1986-05-12 1988-02-23 Martin Koocher Binding assays involving formation and detection of light scattering crystals

Also Published As

Publication number Publication date
EP0371118A4 (en) 1990-12-27
JPH02501536A (ja) 1990-05-31
EP0371118A1 (en) 1990-06-06
WO1989011542A1 (en) 1989-11-30
AU3688389A (en) 1989-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4828983A (en) Use of phenols and anilines to increase the rate of peroxidase catalyzed oxidation of leuco dyes
US5830680A (en) Unitary sandwhich enzyme immunoassay cassette device and method of use
US6846654B1 (en) Catalytic antibodies as chemical sensors
CA1308021C (en) Chemical sensors employing catalytic antibodies
EP0252750B1 (en) Composition and analytical element having stabilized peroxidase
JPH0654315B2 (ja) 超音波処理により免疫反応を促進する方法
Mascini et al. Clinical uses of enzyme electrode probes
Hlavay et al. Fibre-optic biosensor for hypoxanthine and xanthine based on a chemiluminescence reaction
HU185981B (en) Reagnt-strips for analytical purpose
KR100604680B1 (ko) 생리활성물질 고정화 담체 및 이의 제조방법,고정화생리활성물질, 시료중의 대상성분 분석방법 및시료중의 대상성분의 분석용 키트
CA1285872C (en) Binder composition and analytical element having stabilized peroxidase in layer containing the composition
JPS63182000A (ja) クレアチンもしくはクレアチニンの測定法及びこれらの測定用試薬
JPH045348B2 (ja)
US4727024A (en) Binding assays involving formation and detection of light scattering crystals
JPS5923388B2 (ja) カテコ−ルアミン及びその代謝物の測定法ならびに測定装置
US4857454A (en) Spectrophotometric method for kinetic absorbance measurements in two-phase enzyme immunoassay and apparatus therefor
JPH0714357B2 (ja) パーオキシド中間体および光分散性結晶を利用し、機器を使用しないで問題となる被検物質を検出する方法
Guilbault Immobilized enzymes as analytical reagents
AU611218B2 (en) Method for self-performing enzyme kinetics
JPS5810655A (ja) 過酸化水素ないし過酸化水素生成性基質を検出するための試薬及び方法
EP0464942A1 (en) Ethanol analytical element
US4816414A (en) Methods and apparatus for detecting an analyte of interest capable of being converted into a carbonyl-containing composition
Guilbault et al. Enzymic methods of analysis
JPS63305254A (ja) クレアチニン又はクレアチンの分析用要素及び方法
JPH04252197A (ja) カテコール、カテコール生成物質、またはカテコールの生成を触媒する酵素をアッセイするための分析要素