JPH07140187A - 空中線測定装置 - Google Patents

空中線測定装置

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JPH07140187A
JPH07140187A JP30867693A JP30867693A JPH07140187A JP H07140187 A JPH07140187 A JP H07140187A JP 30867693 A JP30867693 A JP 30867693A JP 30867693 A JP30867693 A JP 30867693A JP H07140187 A JPH07140187 A JP H07140187A
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JP
Japan
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antenna
phase
measuring
radiating element
amplitude
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JP30867693A
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English (en)
Inventor
Masayuki Sugano
雅之 菅野
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アレー空中線の放射素子個々の移相器の精度
と無関係に各放射素子の励振条件を高精度に測定する。 【構成】 x軸上のi番目の放射素子に測定用空中線を
正対させ、まず初期の振幅位相で励振する。C11xiはこ
のときの測定用空中線の受信電界を示すベクトルである
が、これは放射素子iの放射電界を示すベクトルA11xi
と電波無響室壁面での反射波等の不要電界を示すベクト
ルB11xiとの合成ベクトルである。次に振幅はそのまま
で位相を90°進めて励振してC12xiを得、更に位相を90
°進めて励振してC13xiを得る。C11xi、C12xi、C13
xiの先端位置を通る円D及びその中心0を求め、B11xi
を除去し、初回励振時のA11xiの振幅と位相を求める。
変化させた位相量は励振条件の算定に使用されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空中線測定装置に係
り、特にアレー空中線の近傍界の測定により放射素子個
々の実際の励振条件を測定する空中線測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、アレー空中線は、単独で
使用される場合と反射鏡と組合わせて使用される場合と
があるが、何れの場合においても組み立てたアレー空中
線の放射特性には製造誤差やアレー空中線を構成する放
射素子間の相互結合等に起因する設計値とのずれがある
ので、実際の使用における補正量の取得を目的として放
射素子個々の実際の励振条件を測定することが行われ
る。
【0003】この測定は、アレー空中線の近傍界領域内
において行われるが、外来雑音を排除する観点から電波
無響室内に空中線測定装置を設定してアレー空中線の放
射開口面における各放射素子の放射電界を測定するとい
う形で行われるのが一般的である。
【0004】この種の空中線測定装置は、近傍界測定用
空中線と、アレー空中線の各放射素子の励振条件を個々
に変化させ得る素子励振条件変更手段と、素子励振条件
算定手段とを基本的に備え、測定用空中線を測定対象放
射素子に正対する位置に設定し、測定対象の放射素子を
励振して電波の送信を行わせて測定用空中線で放射電界
を検出し、また測定対象の放射素子を励振して測定用空
中線が送信する電波の受信を行わせ、測定対象放射素子
の実際の励振振幅及び励振位相を算定する。
【0005】ここに、アレー空中線の近傍界測定では、
次のような問題がある。まず、より正確に計測するため
に測定用空中線を測定対象放射素子に近接させること
は、結果的にアレー空中線の近傍界を乱す要因となり、
近傍界測定上著しい不確定性が介入してくると共に、測
定対象放射素子の放射特性の影響を計測できなくする。
また、測定用空中線の近接に伴い誘導界も合わせて測定
することになり、例えば図4に示すように測定精度に影
響を与える。
【0006】即ち、図4は、N個の放射素子を持つアレ
ー空中線のn番目の放射素子をある振幅と位相で励振し
た場合の近傍界測定例を示すが、測定用空中線の受信電
界を示す信号ベクトルCは、反射波や誘導界更にはn番
目の放射素子以外の放射素子からの放射電界が合成され
た不要な放射電界ベクトルBとn番目の放射素子の放射
電界を示す信号ベクトルAとの合成となり、信号ベクト
ルBが原理的に測定されてしまうのである。
【0007】従って、かかる近傍界測定において正確に
測定したい信号ベクトルAのみを取得するには、不要な
信号ベクトルBの影響を除去できる測定方式であること
が必要である。具体的には、誘導界領域外のフレネル領
域においてアレー空中線を形成する放射素子個々の励振
条件の変化に対応する近傍界を測定し、個々の放射素子
の励振条件を厳密に算定するのである。
【0008】かかる測定方式として、従来、例えば特開
昭59−72066号公報に掲載のものが知られてい
る。以下、概要を図5を参照して説明する。図5におい
て、信号ベクトルC1は、放射素子を初期の振幅及び位
相で励振した場合の測定用空中線での受信電界を示す。
また信号ベクトルC2は、放射素子を振幅は初期値のま
まで位相をx°変えて励振した場合の測定用空中線での
受信電界を示す。
【0009】ここで、測定された電界を示す信号ベクト
ルがC1→C2と変化したことは、測定対象放射素子の
放射電界を示す信号ベクトルがA1→A2と変化したた
めであるが、A1とA2の振幅は等しいのでC1とC2
の先端位置は1つの円周上にあり、その円の中心位置は
A1とA2の基端、即ち不要信号ベクトルB1の先端位
置である。つまり、不要信号ベクトルB1は特定でき
る。従って、信号ベクトルA1の振幅と位相(放射素子
の初期励振時の振幅と位相)が正確に求まる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開昭59−
72066号公報に掲載のものでは、2つの測定放射電
界ベクトルの先端位置が1つの円周上に位置するように
位相を変える(上記例ではx°)のであるから、位相を
可変する移相器には高い精度が要求される。従って、始
めに実装した移相器が故障して正確に位相を可変できな
い状態となっている場合には誤差が大きくなるいう問題
がある。また、数千個〜数万個の移相器を用い、しかも
それらを度々交換するようなアクティブアレー空中線等
に適用する場合にはコストアップの要因となるという問
題もある。
【0011】本発明の目的は、アレー空中線の放射素子
個々の移相器の精度とは無関係に高精度に各放射素子の
励振振幅/位相の算出を可能にする空中線測定装置を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の空中線測定装置は次の如き構成を有する。即
ち、第1発明の空中線測定装置は、アレー空中線の近傍
界で該アレー空中線の各放射素子の放射電界を測定する
測定用空中線と; 前記測定用空中線を前記アレー空中
線の各放射素子と予め定めた間隔を置いて1対1対応で
正対する位置に移動設定する位置制御手段と; 前記測
定用空中線が1対1対応で正対する放射素子について、
まず初期の振幅値及び位相値を与え、次いで振幅値は変
えずに位相値を初期位相値と重ならない範囲で少なくと
も2段階に変更することを行う励振条件変更手段と;
前記測定用空中線が測定した放射電界の振幅及び位相の
変化に基づき形成した少なくとも3つの放射電界ベクト
ルの先端位置を通る円からその円の中心を特定して不要
信号成分を求め、初回測定時の放射電界信号成分から前
記不要信号成分を除去し、前記測定用空中線と正対する
放射素子のみの初回測定時の振幅と位相を求める素子励
振条件算定手段と; を備えたことを特徴とするもので
ある。
【0013】また、第2発明の空中線測定装置は、アレ
ー空中線の近傍界で該アレー空中線の各放射素子の放射
電界を測定する測定用空中線と; 前記測定用空中線を
前記アレー空中線の各放射素子と予め定めた間隔を置い
て1対1対応で正対する位置に移動設定する位置制御手
段と; 前記測定用空中線が1対1対応で正対する放射
素子からN個(N≧1)隔てた測定対象放射素子につい
て、まず初期の振幅値及び位相値を与え、次いで振幅値
は変えずに位相値を初期位相値と重ならない範囲で少な
くとも2段階に変更することを行う励振条件変更手段
と; 前記測定用空中線が測定した放射電界の振幅及び
位相の変化に基づき形成した少なくとも3つの放射電界
ベクトルの先端位置を通る円からその円の中心を特定し
て不要信号成分を求め、初回測定時の放射電界信号成分
から前記不要信号成分を除去し、測定対象放射素子のみ
の初回測定時の振幅と位相を求め、それを測定対象放射
素子までの距離及び見込み角度を用いて補正する素子励
振条件算定手段と; を備えたことを特徴とするもので
ある。
【0014】
【作用】次に、前記の如く構成される本発明の空中線測
定装置の作用を説明する。本発明の空中線測定装置で
は、測定対象の放射素子について、まず初期の振幅値及
び位相値を与え、次いで振幅値は変えずに位相値を初期
位相値と重ならない範囲で例えば2段階に変更して電波
放射を行わせ、測定用空中線が測定した放射電界の振幅
及び位相の変化に基づき形成した3つの放射電界ベクト
ルの先端位置を通る円からその円の中心を特定して不要
信号成分を求め、初回の測定値から不要信号成分を除去
して放射素子の放射電界信号成分の振幅と位相を求め、
測定対象放射素子が測定用空中線と1対1に正対するも
のであるときは求めた振幅と位相をそのまま用い(第1
発明)、測定対象放射素子が測定用空中線と1対1に正
対する放射素子から隔てた位置にあるものであるときは
求めた振幅と位相を、測定対象放射素子から測定用空中
線までの距離に依存する位相と振幅及び測定対象放射素
子から測定用空中線までの見込み角度に依存する測定対
象放射素子の位相と振幅により補正する(第2発明)。
【0015】要するに、不要信号成分を除去して測定対
象放射素子の放射電界信号成分を取得しその信号成分か
ら実際の励振条件(振幅と位相)を求め得るので、前記
公報掲載のものと同様に高精度に励振条件を算定できる
が、本発明では、変化させた位相量は算定に用いないの
で、移相器は高精度である必要はない。従って、始めに
実装した移相器が故障して正確に位相を可変できない状
態になっている場合でも正確に測定対象放射素子の振幅
と位相の測定が行える。また大量の移相器を使用するア
レー空中線を高価なものにしないで済む。更に、与える
位相変化の個数を増加させれば、複数の測定値を作りそ
れらの比較から最適な測定値を決定できるので、測定精
度を一層向上させることができる。
【0016】なお、第2発明では、測定用空中線の移動
操作回数を節約できるので、測定時間の短縮化が図れ、
放射素子数が相当に多い場合等に有効である。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は、本発明の一実施例に係る空中線測定装置
を示す。図1において、本発明の空中線測定装置は、測
定用空中線1と、測定用受信機2と、素子励振条件変更
手段5と、測定用空中線位置制御手段6と、信号発生器
7と、素子励振条件算定手段8とを基本的に備える。構
成要素の点から言えば、前記公報掲載の発明と同様であ
るが、素子励振条件変更手段5と素子励振条件算定手段
8の動作内容その他において前記公報掲載の発明と異な
る。
【0018】周知のように、アレー空中線は、基本的に
は、多数の放射素子(9−1〜9−N)が、それぞれ可
変減衰器/移相器4を介して電力分配器10に接続され
る構成であるが、放射特性の測定のため電力分配器10
には信号発生器7から測定用基準信号が給電され、各放
射素子の可変減衰器/移相器4を振幅/位相制御器3が
それぞれ独立に個別に制御する。従って、振幅/位相制
御器3が制御した可変減衰器/移相器4に係る放射素子
が所定の振幅と位相で励振され電波放射を行うことにな
る。振幅/位相制御器3と各放射素子の可変減衰器/移
相器4は、全体として素子励振条件変更手段5を構成し
ている。
【0019】本実施例では、振幅/位相制御器3が設定
する励振条件は素子励振条件算定手段8にも与えるよう
にしてあるが、素子励振条件変更手段5は、測定対象の
放射素子について、まず初期の振幅値及び位相値を与
え、次いで振幅値は変えずに位相値を初期位相値と重な
らない範囲で少なくとも2段階に変更することを行う。
【0020】アレー空中線には種々の形態があり、本発
明は任意の形態のアレー空中線に適用できるが、本実施
例では、原理的な説明の観点から9−1〜9−Nの各放
射素子は直線配列したものとしてある。従って、測定用
空中線1は、測定用空中線位置制御手段6によりアレー
空中線の各放射素子と予め定めた間隔を置いて1対1対
応で正対する位置に移動設定されるが、本実施例では、
9−1〜9−Nの各放射素子の配列位置から一定距離
(例えば1m)離隔した位置に各放射素子の配列方向に
平行して設定される測定用基準線101上を直線移動す
ることになる。
【0021】この測定用基準線101をx軸とすると、
測定用空中線位置制御手段6は、測定用空中線1を移動
設定する度にx軸上の位置情報を素子励振条件算定手段
8に与える。
【0022】測定用受信機2は、測定用空中線1の受信
電界を検波し、それの振幅と位相を信号発生器7からの
測定用基準信号を基準位相及び振幅として計測し、素子
励振条件算定手段8に与える。
【0023】測定方法には、次の2通りがある。即ち、
第1の方法は、測定用空中線1を移動しながら9−1〜
9−Nの各放射素子に1対1対応で正対させてその放射
素子について測定する方法である。第2の方法は、測定
用空中線1を例えば9−iの放射素子に1対1対応で正
対させその9−iの放射素子について測定するととも
に、測定用空中線を9−iの位置に設定しておいて9−
iの放射素子以外の全ての放射素子について測定する方
法である。測定用空中線1が正対する放射素子について
の測定では補正の必要はないが、測定用空中線1が正対
しない放射素子についての測定では補正が必要である。
【0024】測定用空中線1を1対1対応で正対させた
放射素子について測定するのが基本であるので、その測
定手順を図2を参照して説明する。この場合には、測定
対象放射素子と測定用空中線1とは1対1対応で正対し
ているので、測定対象放射素子と測定用空中線1との間
は常に等しく、測定対象放射素子と測定用空中線1の見
込み角度も常に等しい。従って、測定した位相と振幅に
対し補正をする必要はない。
【0025】測定では、測定対象の放射素子のみを励振
しその他の放射素子は任意の状態にあるが、前述したよ
うに測定用空中線1は、励振した測定対象放射素子の放
射電界の他に、測定対象放射素子以外の全ての放射素子
からの放射電界や電波無響室の壁での反射波等も受信す
る。従って、図2では、図4や図5の表記に倣って測定
用空中線1の受信電界を示す信号ベクトルをC、測定し
たい放射素子からの受信電界を示す信号ベクトルをA、
不要信号ベクトルをBと表記してある。なお、不要信号
ベクトルBは、測定対象放射素子以外の全ての放射素子
からの放射電界や電波無響室の壁での反射波等の合成受
信電界を示す。
【0026】図2において、例えば9−iの放射素子に
測定用空中線1を正対させ、まずこの放射素子9−iの
可変減衰器/移相器4を初期の振幅・位相に設定して励
振すると、素子励振条件算定手段8では、測定用受信機
2から測定用空中線1の受信電界の振幅と位相が入力す
るから、それを示す信号ベクトルC11xiが得られる。
これは、信号ベクトルA11xiと不要信号ベクトルB1
xiとの合成ベクトルである(式1)。
【0027】
【数1】C11xi=A11xi+B11xi
【0028】次いで、放射素子9−iの可変減衰器/移
相器4を振幅は初期値のままで位相を90°進めて設定
し励振すると、信号ベクトルC12xiが得られ(式
2)、更に位相のみを90°進めて設定し励振すると信
号ベクトルC13xiが得られる(式3)。
【0029】
【数2】C12xi=A12xi+B11xi
【0030】
【数3】C13xi=A13xi+B11xi
【0031】ここで、測定用空中線1の受信電界が、C
11xi→C12xi→C13xiと変化したことは、放射素
子9−iからの受信電界が、一定振幅・位相の不要電界
を示すベクトルB11xiの先端を回転中心として、A1
xi→A12xi→A13xiと回転したためである。従っ
て、B11xiを求めることができれば、式1〜同3によ
りA11xi、A12xi、A13xiを算出できることにな
る。
【0032】ところで、取得されたC11xi、C1
xi、C13xiの3つの信号ベクトルの先端位置は、幾
何学的見地から同一の円周上にあり、しかもその円は唯
一であるので、素子励振条件算定手段8は、C11xi
C12xi、C13xiの3つの信号ベクトルの先端位置を
通る円Dを特定し、円Dの中心0を求める。
【0033】そして、素子励振条件算定手段8では、円
Dの中心0はB11xiの先端位置であるから、不要電界
を求め、これにより、A11xi、A12xi、A13xi
算出し、初回測定時の放射電界信号ベクトルA11xi
振幅と位相を求め、それを放射素子9−iの実際の励振
振幅・位相とする。
【0034】ここで注意すべきことは、A11xi、A1
xi、A13xiの算出過程において可変減衰器/移相器
4を制御して位相を変化させたその位相量は無関係であ
るということである。つまり、可変減衰器/移相器4
は、高精度のものである必要はないのである。また位相
の変化に関しては、上記の説明では初期位相から90
°、180°と変化させたが、初期の位相と重ならない
範囲で更に細かく変化させ、受信電界ベクトルCを複数
個形成するようにしても良い。このようにすれば、複数
の円が求まるので、それらを比較して、つまりノイズを
除去して更に精度の良い励振条件を測定できる。
【0035】以上の測定手順を全ての放射素子に適用す
るのが原則であるが、測定用空中線1の移動設定に要す
る時間を考慮して、測定時間の短縮化を図る場合には、
上記の例で言えば、測定用空中線1を放射素子9−iに
正対させたままで、9−1〜9−(i−1)及び9−
(i+1)〜9−Nの各放射素子について測定すれば良
い。
【0036】即ち、9−1〜9−(i−1)及び9−
(i+1)〜9−Nの各放射素子についての測定では、
素子励振条件算定手段8は、上述のようにして求めた測
定対象放射素子の振幅・位相値を、測定対象放射素子ま
での距離及び見込み角度から求まる補正値で補正し、そ
れを実際の励振振幅・位相とするのである。
【0037】かかる補正は具体的には次のようにして行
う。測定用空中線1と測定対象放射素子との間の距離に
依存する補正では、電波が空間を伝搬する場合に生じる
減衰量と電波が空間を伝搬する場合に生じる位相遅れ量
とを補正する。
【0038】また、測定用空中線1と測定対象放射素子
との間の見込み角度に依存する補正では、予め、測定用
空中線1の見込み角(例えば方位角)をパラメータとし
た測定用空中線1のエレメントパターンと、測定対象放
射素子の見込み角(例えば方位角)をパラメータとした
測定対象放射素子のアレーエレメントパターンとをそれ
ぞれ測定しておき、見込み角度の違いにより生じる測定
用空中線1及び測定対象放射素子のエレメントパターン
及びアレーエレメントパターンの位相・振幅を補正す
る。
【0039】なお、アレー空中線は、回転台上に載置し
て回転させ測定する。具体的には、例えばアレー空中線
が平板状の場合には、測定用空中線1が移動する測定用
基準線101と放射素子(9−1〜9−N)のラインが
平行となるように調整する。またアレー空中線が円柱状
の場合には、測定用空中線1をアレー空中線の回転軸の
方向に平行に移動させ、回転台を回転してアレー空中線
を回転させる。アレー空中線が環状の場合には、特定の
場所に移動設定しそこに固定し回転台を回転してアレー
空中線を回転させる。更にアレー空中線が球状の場合に
は、多軸回転台を用い、放射素子と測定用空中線1の位
置関係が所定の関係となるようにするのである。
【0040】ここに、図1は、アレー空中線の各放射素
子に電波を送信させ測定する場合であるが、周知のよう
にアレー空中線には、アクティブアレー空中線とパッシ
ブアレー空中線があり、パッシブアレー空中線では送信
と受信が同一の系で構成されるのに対し、アクティブア
レー空中線では送信と受信が異なる系で構成される。従
って、パッシブアレー空中線では以上説明した送信によ
る測定での値を受信の場合にも適用できるが、アクティ
ブアレー空中線では送信の他に受信の場合も測定する必
要がある。
【0041】受信の場合の測定では、図3に示すよう
に、信号発生器7から測定用空中線1及び測定用受信機
2に基準信号を与え、測定用空中線1から電波を送信
し、振幅・位相を設定した測定対象放射素子の受信電界
を電力分配器10から測定用受信機2に与えるようにす
る。これにより、上述したのと同様の手順で同様に受信
時の測定ができる。
【0042】そして、各放射素子は、振幅と位相を可変
できるように可変減衰器/移相器4を備えるとしたが、
以上の説明から明らかなように、位相を可変するのであ
るから、可変減衰器を省き可変移相器のみで構成しても
良い。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の空中線測
定装置では、測定対象の放射素子について、まず初期の
振幅値及び位相値を与え、次いで振幅値は変えずに位相
値を初期位相値と重ならない範囲で例えば2段階に変更
して電波放射を行わせ、測定用空中線が測定した放射電
界の振幅及び位相の変化に基づき形成した3つの放射電
界ベクトルの先端位置を通る円からその円の中心を特定
して不要信号成分を求め、初回の測定値から不要信号成
分を除去して放射素子の放射電界信号成分の振幅と位相
を求め、測定対象放射素子が測定用空中線と1対1に正
対するものであるときは求めた振幅と位相をそのまま用
い(第1発明)、測定対象放射素子が測定用空中線と1
対1に正対する放射素子から隔てた位置にあるものであ
るときは求めた振幅と位相を、測定対象放射素子から測
定用空中線までの距離に依存する位相と振幅及び測定対
象放射素子から測定用空中線までの見込み角度に依存す
る測定対象放射素子の位相と振幅により補正する(第2
発明)。
【0044】その結果、各放射素子の励振条件を高精度
に算定できるだけでなく、変化させた位相量は算定に用
いないので、移相器は高精度である必要はない。従っ
て、始めに実装した移相器が故障して正確に位相を可変
できない状態になっている場合でも正確に測定対象放射
素子の振幅と位相の測定が行え、また大量の移相器を使
用するアレー空中線を高価なものにしないで済むという
効果がある。更に、与える位相変化の個数を増加させれ
ば、複数の測定値を作りそれらの比較から最適な測定値
を決定できるので、測定精度を一層向上させることがで
きる効果もある。なお第2発明では、測定用空中線の移
動操作回数を節約できるので、測定時間の短縮化が図れ
放射素子数が相当に多い場合等に有効であるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る空中線測定装置の構成
ブロック図である。
【図2】本発明の動作を説明するベクトル図である。
【図3】本発明の他の実施例に係る空中線測定装置の構
成ブロック図である。
【図4】近傍界測定での問題点を説明するベクトル図で
ある。
【図5】従来の空中線測定装置における測定方法を説明
するベクトル図である。
【符号の説明】
1 測定用空中線 2 測定用受信機 3 振幅/位相制御器 4 可変減衰器/移相器 5 素子励振条件変更手段 6 測定用空中線位置制御手段 7 信号発生器 8 素子励振条件算定手段 9−1〜9−N 放射素子 10 電力分配器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アレー空中線の近傍界で該アレー空中線
    の各放射素子の放射電界を測定する測定用空中線と;
    前記測定用空中線を前記アレー空中線の各放射素子と予
    め定めた間隔を置いて1対1対応で正対する位置に移動
    設定する位置制御手段と; 前記測定用空中線が1対1
    対応で正対する放射素子について、まず初期の振幅値及
    び位相値を与え、次いで振幅値は変えずに位相値を初期
    位相値と重ならない範囲で少なくとも2段階に変更する
    ことを行う励振条件変更手段と; 前記測定用空中線が
    測定した放射電界の振幅及び位相の変化に基づき形成し
    た少なくとも3つの放射電界ベクトルの先端位置を通る
    円からその円の中心を特定して不要信号成分を求め、初
    回測定時の放射電界信号成分から前記不要信号成分を除
    去し、前記測定用空中線と正対する放射素子のみの初回
    測定時の振幅と位相を求める素子励振条件算定手段と;
    を備えたことを特徴とする空中線測定装置。
  2. 【請求項2】 アレー空中線の近傍界で該アレー空中線
    の各放射素子の放射電界を測定する測定用空中線と;
    前記測定用空中線を前記アレー空中線の各放射素子と予
    め定めた間隔を置いて1対1対応で正対する位置に移動
    設定する位置制御手段と; 前記測定用空中線が1対1
    対応で正対する放射素子からN個(N≧1)隔てた測定
    対象放射素子について、まず初期の振幅値及び位相値を
    与え、次いで振幅値は変えずに位相値を初期位相値と重
    ならない範囲で少なくとも2段階に変更することを行う
    励振条件変更手段と; 前記測定用空中線が測定した放
    射電界の振幅及び位相の変化に基づき形成した少なくと
    も3つの放射電界ベクトルの先端位置を通る円からその
    円の中心を特定して不要信号成分を求め、初回測定時の
    放射電界信号成分から前記不要信号成分を除去し、測定
    対象放射素子のみの初回測定時の振幅と位相を求め、そ
    れを測定対象放射素子までの距離及び見込み角度を用い
    て補正する素子励振条件算定手段と; を備えたことを
    特徴とする空中線測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の空中線測
    定装置において;測定用空中線が電波を送信しアレー空
    中線の放射素子の受信電界に基づき測定対象放射素子の
    振幅と位相を求める; ことを特徴とする空中線測定装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3に記載
    の空中線測定装置において; アレー空中線は、回転台
    に載置される; ことを特徴とする空中線測定装置。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5972066A (ja) * 1982-10-18 1984-04-23 Nec Corp 空中線測定装置
JPH01195374A (ja) * 1988-01-29 1989-08-07 Mitsubishi Electric Corp アンテナ測定方式
JPH04168376A (ja) * 1990-10-31 1992-06-16 Nec Corp 開口分布測定回路

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