JPH07138059A - 複合セメント混和剤組成物および包装体 - Google Patents

複合セメント混和剤組成物および包装体

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JPH07138059A
JPH07138059A JP30338893A JP30338893A JPH07138059A JP H07138059 A JPH07138059 A JP H07138059A JP 30338893 A JP30338893 A JP 30338893A JP 30338893 A JP30338893 A JP 30338893A JP H07138059 A JPH07138059 A JP H07138059A
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cement admixture
cement
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water
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Katsu Matsui
克 松居
Junichi Yamada
順一 山田
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Lion Corp
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    • C04B40/06Inhibiting the setting, e.g. mortars of the deferred action type containing water in breakable containers ; Inhibiting the action of active ingredients
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 イソブチレン等のオレフィンと無水マレイン
酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物との共重合
物からなる水不溶性かつアルカリ可溶性粉体を含む可溶
性セメント混和剤粉体と、シリカ系微粉体、炭酸カルシ
ウム等の微粉体とが均一に粉体混合されてなる複合セメ
ント混和剤組成物およびこの組成物をセメント配合物中
で解砕される包装材料中に充填してなるセメント混和剤
包装体。 【効果】 水不溶体の共重合物を、遅滞なくかつ完全に
セメント配合物中に均一分散しアルカリ可溶化して溶解
することができるため、粉体粒子同士の凝集を防止し
て、スランプロスの発生を長時間にわたって効果的に防
止して流動性を改善できる。溶解残り等の表面美感上の
問題点も解決できる。所定量ずつパッケージ化すること
ができ、作業現場での、管理が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィンとエチレン
性不飽和ジカルボン酸との共重合物からなる水不溶性か
つアルカリ可溶性粉体が配合され、しかも、この水不溶
性粉体のセメント配合物中での分散性に優れ可溶化がス
ムーズに進行して、長期にわたり流動化効果が発揮され
る複合セメント混和剤組成物および包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セメント配合物は、混練後経時に
よりセメント粒子の凝集が進行し、流動性を失い、施工
性、作業性の低下が生じ、可使時間が限定される欠点を
有していた。そこで、コンクリート、モルタル、セメン
トペースト等のセメント配合物において、その経時によ
る流動性の低下を防止し、施工性、作業性を改善するこ
とを目的としたセメント混和剤が注目されている。
【0003】現在、セメント混和剤としては、流動化剤
の他に、AE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、硬化
促進剤、凝結遅延剤、分離低減剤、防錆剤、膨張剤、ポ
リマー混和剤、収縮低減剤、着色剤、補強剤等が使用さ
れており、その使用に当たっては、コンクリート、モル
タル等のセメント配合物の標準調合に合わせて、セメン
ト混和剤を添加している。なお、これらセメントへの添
加物においては、むしろ“セメント混和材”と呼ぶ方が
適当であったり、現実に“セメント混和材”として市販
されているものもあるが、本発明においてはこれらも含
めて“セメント混和剤”と呼ぶ。
【0004】これら混和剤は、多くの場合は液状混和剤
として、コンクリート、モルタル等のセメント配合物に
添加される。また、特にスランプ低下防止用の混和剤と
して、強度低下や乾燥収縮によるひび割れ発生の防止を
目的として、水分を除いた粉体ないし顆粒状の混和剤が
提案されている(特開昭58−125652号公報)。
【0005】また、溶解特性や添加方法を工夫してセメ
ント配合物の流動性低下を防止する提案もなされてお
り、例えば、コンクリート流動化剤を粒状にして、徐々
に溶解させることによりスランプロスを防止したり(特
開昭54−139929号公報)、コンクリート流動化
剤を分割または連続添加し、コンクリートの流動性を長
時間保持する方法(特公昭51−15856号公報)等
が提案されている。
【0006】さらに、水不溶性であるオレフィンとエチ
レン性不飽和ジカルボン酸無水物の共重合物が、セメン
ト配合物中に添加されてもすぐには溶解せずセメント分
散性を示さないが、セメント配合物中のアルカリ性によ
って、共重合体のアルカリ加水分解が徐々に進行し、水
溶性になり徐々にセメント分散性を発揮するという性質
を利用し、セメント配合物の流動性を長時間保持し、ス
ランプロスを防止するという方法も考案されている(特
開昭60−16851号公報)。
【0007】上記方法においては、セメント粒子の凝集
によるスランプロスの速度と、オレフィンとエチレン性
不飽和ジカルボン酸無水物の共重合物の加水分解速度と
のバランスにより、流動性改良剤としての性能が大きく
左右される。
【0008】この場合、オレフィンとエチレン性不飽和
ジカルボン酸無水物の共重合物の溶解性が、粉体粒子同
士の凝集等で阻害されてしまうと、その速度バランスに
支障をきたすという問題があり、特にオレフィンの炭素
数が多くなると加水分解速度が遅くなり、結果として、
スランプコントロールが不可能になるとともに、溶け残
りがセメント配合物中に残存し、硬化後の表面に斑点状
のダマが残って表面美感を損ねる等の問題があった。
【0009】また、このようなセメント混和剤の使用に
あたっては、コンクリート、モルタル等のセメント配合
物の標準調合にあわせて、セメント混和剤を所定量計算
して添加する必要があるが、計量や添加の際に混和剤が
こぼれたり、漏れが発生したりして、取り扱い性や作業
環境を悪化させるといった問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
如き従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究の結果、オ
レフィンとエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物の共重
合物を含むセメント混和剤にある特定の微粉体を配合し
均一な固体分散状態とすれば、コンクリート、モルタ
ル、セメントスラリー等のセメント配合物中での分散性
・溶解性不良の問題が解決できることを見い出した。さ
らに、上記のセメント混和剤粉体を、微粉体に付着する
ようにして均一分散することにより、上記効果はいっそ
う顕著となる。
【0011】また、本発明者らは、上記共重合物を含む
セメント混和剤と微粉体との均一混合物を、セメント配
合物中で解砕される包装材料中に充填すれば、取り扱い
性の悪い粉体セメント混和剤を、セメント配合物中に簡
便に添加することができることを見い出した。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、オレフィンと
エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物の共重合物を含む
セメント混和剤を、コンクリート、モルタル、セメント
スラリー等のセメント配合物中に溶解する際に、分散性
が良好で、そのアルカリによる加水分解による溶解が滞
りなく進行し、長期にわたる流動化効果が得られるとと
もに混和剤が溶け残りを生じない複合セメント混和剤組
成物、ならびにこの組成物をセメント配合物中で解砕さ
れる包装材料中に充填したセメント混和剤包装体を提供
するものである。
【0013】すなわち、本発明の複合セメント混和剤組
成物は、(a)オレフィンとエチレン性不飽和ジカルボ
ン酸無水物との共重合物からなる水不溶性かつアルカリ
可溶性粉体を必須構成成分とするセメント混和剤粉体
と、(b)微粉体とが均一に粉体混合されてなることを
特徴とする。
【0014】また、本発明の複合セメント混和剤包装体
は、上記の複合セメント混和剤組成物を、セメント配合
物中で解砕される包装材料中に充填してなることを特徴
とする。
【0015】
【発明の実施態様】本発明で(a)セメント混和剤粉体
として用いられるオレフィンとエチレン性不飽和ジカル
ボン酸無水物との共重合物におけるオレフィンとして
は、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレ
ン、n−ペンテン、シクロペンテン、2−メチル−1−
ブテン、n−ヘキセン、シクロヘキセン、2−メチル−
1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル
−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、ジイソブチ
レン、およびこれらの混合物が挙げられるが、特にイソ
ブチレンが好ましい。
【0016】また、エチレン性不飽和ジカルボン酸無水
物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シ
トラコン酸等が挙げられるが、特に無水マレイン酸が好
ましい。さらに、本発明の上記共重合物としては、分子
量が500〜50,000のものが好適である。
【0017】本発明の(a)セメント混和剤粉体は上記
の共重合物の1種または2種以上を必須構成成分として
含有し、さらに他の混和剤粉体を含有することもでき
る。これら他の混和剤粉体としては、粉体となりうる水
溶性またはアルカリ可溶性の従来からの混和剤を任意に
配合することができ、例えば減水剤と併用することがで
きる。これら減水剤としては、ポリスチレンスルホン酸
塩(ナトリウム塩、カルシウム塩等)、ナフタレンスル
ホン酸ホルムアルデヒド高縮合物もしくはその塩、スル
ホン化メラミン樹脂の水溶性塩、リグニンスルホン酸も
しくはその塩等が挙げられる。上記共重合物と減水剤の
配合重量比は、1:99〜99:1が好ましい。
【0018】また、本発明の微粉体としては、一般的な
無機粉体、すなわち、カーボンブラック、炭素繊維粉
体、ダイヤモンド等の炭素系微粉体、酸化アルミニウ
ム、酸化チタン等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、炭酸カルシウム
等の炭酸塩、硫酸バリウム等の硫酸塩、鉄粉、アルミニ
ウム粉、鉛粉、亜鉛粉、チタン粉、合金粉等の金属粉
末、あるいはシリカフューム、シリカフラワー、タル
ク、ホワイトカーボン、フライアッシュ、ベントナイ
ト、雲母、ゼオライト、SiC、ガラス、クレー、含水
ケイ酸塩等のシリカ系微粉体が挙げられるが、特にシリ
カ系微粉末が好適である。
【0019】また、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
樹脂粉末や、樹脂エマルジョンまたはラテックス乾燥粉
末、天然有機物由来の粉末等、一般の有機物微粉体を用
いることもできる。本発明の微粉体としては、水不溶性
ないしは水難溶性微粉体が好適である。
【0020】(a)オレフィンとエチレン性不飽和ジカ
ルボン酸無水物の共重合物を含むセメント混和剤粉体、
(b)微粉体との混合物は、重量比で(a):(b)=
1:99〜99:1までの範囲が好ましく、より好まし
くは1:99〜90:10までである。 (a)セメント混和剤粉体の平均粒径は、1μm〜5m
mが好適であり、好ましくは1μm〜3mmである。こ
のように、本発明のセメント混和剤粉体では、通常の粉
末状物の他に顆粒状や塊状に近いものも包含する。本発
明の(b)微粉体の平均粒径は0.01〜100μmの
ものが好適であり、好ましくは0.03〜50μmであ
る。
【0021】また、(a)セメント混和剤粉体の平均粒
径と(b)微粉体の平均粒径の比は、(b)/(a)=
0.0001〜1の範囲が好適であり、さらに好ましく
は0.001〜0.1、より好ましくは0.005〜
0.05の範囲である。(b)微粉体の平均粒径を
(a)セメント混和剤粉体よりも小さくすることによ
り、(b)微粉体が(a)セメント混和剤粉体に付着し
やすくなる。
【0022】なお本発明の複合セメント混和剤組成物
は、オレフィンとエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物
との共重合物を含むセメント混和剤粉体と微粉体の組み
合わせであるが、これらを複数組み合わせて混合した組
成物としても、均一混合により均一な固体分散状態とす
れば充分に効果を発揮する。
【0023】本発明の複合セメント混和剤組成物を製造
するには、(a)セメント混和剤粉体と(b)微粉体と
を混合すればよく、通常の粉体の乾式ブレンド方法をそ
のまま適用できる。
【0024】また本発明の複合セメント混和剤組成物
は、(a)セメント混和剤粉体に対して少しづつ(b)
微粉体を混合していく方法、(b)微粉体に対して少し
づつ(a)セメント混和剤粉体を混合していく方法、両
者を一括に混合する方法のいずれでも製造できる。製造
に使用する混合機は、撹拌容器や撹拌羽根の形状、材質
等は特に問題とはならず、水平円筒型混合機、傾斜円筒
型混合機、V型混合機、正立方体型混合機、二重円錐型
混合機、リボン型混合機、スクリュー混合機等の従来一
般に使用されているもので差し支えなく、それらを用い
て10分間程度撹拌・混合すればよい。
【0025】本発明の複合セメント混和剤組成物におい
て、オレフィンとエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物
との共重合物が良好な分散性を示して、セメント配合物
中に滞りなく溶解するのは、この共重合物を含有する複
合セメント混和剤同士が水に接することにより生じる凝
集を、均一固体分散した微粉体が抑制して、アルカリの
加水分解による共重合物の可溶化・溶解を滞りなく発揮
させるためと考えられる。
【0026】したがって、微粉体を添加しない通常の単
一系の溶解より、溶解性のコントロールが確実となり、
セメント配合物のスランプコントロールが容易となる。
【0027】また、本発明で用いられる包装材料として
は、セメント配合物中で解砕されるものであれば特に種
類は問わない。例えば、紙等の繊維質材料、水溶性高分
子等を用いたフィルム状材料、またはカプセル状材料
等、本発明の複合セメント混和剤粉体を充填することが
できる包装材料はすべて含有される。
【0028】包装材料としては、好ましくは繊維状物質
を含むものが用いられ、紙が代表的である。さらに好ま
しくは、水溶性または水解性の包装材料が用いられ、特
に好ましくは、中性ないしは酸性の水には非水解性ない
し難水解性で、かつ、アルカリ水解性の包装材料であ
る。
【0029】アルカリ水解性の包装材料は、セメント配
合物中のアルカリ性雰囲気で繊維状物質の結合が弱ま
り、包装材料の解砕および繊維状物質のセメント配合物
中への分散が容易となる。
【0030】繊維状物質としては、本質的に水への分散
性能を有する繊維状素材であれば特に限定されない。例
えば、木材パルプ類、非木材パルプ類、レーヨン繊維、
ポリエステル繊維、麻繊維等が挙げられる。具体的に
は、製紙用のクラフトパルプまたはサルファイトパル
プ、化繊用の溶解パルプなどが好適に用いられるが、ワ
ラパルプ、麻パルプ、綿パルプの如き植物繊維、ポリア
ミド、ポリエーテルなどの如き合成繊維、さらには、ガ
ラス繊維、石綿、ロックウール、スラグウール、シリカ
ウール、シリカアルミナウール等の如き無機繊維も使用
できる。
【0031】また、本発明の包装材料は、繊維状物質に
加え、カルボキシル基含有高分子を含むものが好まし
い。
【0032】カルボキシル基含有高分子としては、セメ
ント配合物中で溶解ないし膨潤するものが好ましく、特
に中性ないし酸性の通常の水には実質上溶解も膨潤もせ
ず、アルカリ性のセメント配合物中で溶解ないし膨潤す
るものが好ましい。
【0033】カルボキシル基含有高分子の具体例として
は、多糖誘導体、合成高分子、天然物が挙げられる。
【0034】多糖誘導体としては、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメ
チル化澱粉またはこれらの塩等が挙げられる。これらの
中ではカルボキシメチルセルロース(CMC)が特に好
ましく、酸型のCMC−HあるいはCMC−Ca、CM
C−Alなどが挙げられる。これらのCMCの置換度
(DS)は特に限定されないが、0.2〜1.0のもの
が好ましい。
【0035】合成高分子としては、不飽和カルボン酸の
重合体または2種以上の不飽和カルボン酸の共重合物、
あるいは不飽和カルボン酸と共重合可能な他の単量体と
の共重合物またはこれらの塩が挙げられる。かかる不飽
和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、
フマール酸などが挙げられる。これら不飽和カルボン酸
と共重合可能な他の単量体としては、不飽和カルボン酸
のエステル、酢酸ビニル、エチレンなどのオレフィン、
アクリルアミド、ビニルエーテル等が挙げられる。
【0036】天然物としては、アルギン酸、キサンタン
ガム、タラントガム、ペクチンなどを用いることができ
る。上記の中で好ましくは多糖誘導体であって、特に繊
維状のカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチル
セルロースである。
【0037】上記繊維状物質と多糖誘導体からなる包装
材料は、通常湿式または乾式抄紙により抄造され、シー
ト化される。得られたシートは、NaOH,NaHCO
3等のアルカリ類などで中和しても未中和でもかまわな
い。中和すると、中性の水に対して溶解性を示すように
なる。
【0038】本発明の複合セメント混和剤包装体が良好
な分散性を示して溶解するのは、以下のような作用機構
によるものと考えられる。上記複合セメント混和剤組成
物を、セメント配合物中で解砕される包装材料中に充填
して包装体とした場合、包装体がセメント配合物中に添
加されると、直ちに包装材料中のカルボキシル基含有高
分子が、アルカリ性のセメント配合物中で溶解ないし膨
潤し、さらに、セメント配合物中で撹拌されることによ
り、カルボキシル基含有高分子が速やかに可溶化し、繊
維状物質の結合が弱まって崩壊し、複合セメント混和剤
粉体が放出されるとともに、繊維状物質がほぐれてセメ
ント配合物中に均一に分散する。一方、セメント配合物
中に投入される前は、包装材料として十分な強度を備え
ている。
【0039】また、内容物である複合セメント混和剤組
成物における溶解性およびスランプロスの制御機構は前
述の通りである。
【0040】
【発明の効果】本発明に従うと、以下のような効果が得
られる。 (1) オレフィンとエチレン性不飽和ジカルボン酸無
水物との共重合物を含むセメント混和剤粉体を、遅滞な
くかつ完全にセメント配合物中に均一分散して溶解する
ことができるため、面倒な製造過程やコストの高い改質
を行なうことなく、微粉体と簡便な製造方法にて、従来
の問題点であった粉体粒子同士の凝集を防止して、セメ
ント混和剤の性能を完全に発揮せしめることができ、特
にスランプロスの発生を長時間にわたって効果的に防止
して流動性を改善できる。さらに、溶解残り等の表面美
感上の問題点も解決できる。
【0041】(2) 溶解性の問題を生じることなく、
セメント混和剤を粉体として添加できるため、水溶液と
して添加した場合のように水分の増加がなく、コンクリ
ートの強度低下や乾燥収縮によるひび割れ発生等が防止
できる。
【0042】(3) 複合セメント混和剤組成物を、コ
ンクリート、モルタル等のセメント配合物の標準調合に
あわせて所定量ずつパッケージ化することができ、使用
時の計量の手間が省ける。また、作業現場での、混和剤
のこぼれ、飛散等がなく、計量器具等の必要もなく、管
理が容易である。
【0043】
【実施例】
(1) 複合セメント混和剤組成物の製造 エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物として無水マレイ
ン酸を用い、オレフィンとしては後記表3に示したもの
を用いて共重合物を製造し、セメント混和剤粉体とし
た。さらにセメント混和剤粉体と微粉体とを、合計10
0gになるように表3に示す比率にて、リボン型撹拌羽
根を取り付けた新東科学(株)製のスリーワンモーター
を用い、5分間混合して本発明の複合セメント混和剤組
成物を製造した(試料No.1)。また、微粉体を配合
しない混和剤も評価に供した(試料No.4)。
【0044】(2) 包装材料の製造 (イ) 繊維状酸型カルボキシメチルセルロースとNB
KPパルプを角型シートマシン(熊谷理機工業社製)を
用いて抄紙し、得られたシートをロール回転乾燥機で乾
燥させてシート状とし、繊維状物質と繊維状カルボキシ
メチルセルロースが混抄された水解性シートを製造し
た。 (ロ) 上記(イ)で製造した水解性シートをNaO
H水溶液で中和し、水解性シートを製造した。
【0045】(3) セメント混和剤包装体の製造 上記(1)で得られた複合セメント混和剤組成物の試料
No.1のセメント混和剤粉体成分が正味100gとな
る量を、(2)で得られた水解性シートで作成したパ
ッケージ(20cm×20cm)に充填し、混和剤包装
体とした(試料No.2)。同様に複合セメント混和剤
組成物の試料No.1を水解性シートで作成したパッ
ケージに充填し、混和剤包装体とした(試料No.
3)。
【0046】また、微粉体を混合しない混和剤(No.
4)も同様に水解性シートに充填し混和剤とした(N
o.5)。これらの試料No.1〜5を下記の評価方法
に従って評価した結果を表3(複合セメント混和剤の組
成・包装)および表4(評価結果)に示した。
【0047】(4) コンクリート配合物中への溶解性
(溶け残りダマ量) 上記(1)〜(3)で製造された複合セメント混和剤組
成物または包装体を、水解性シートに充填されたものに
おいてはシートごと、セメント混和剤成分が正味100
gとなるように50リットルのコンクリートスラリー
(表1参照)に添加し、傾胴式ミキサー(丸東製作所
製)で1分間撹拌し、得られた混和剤添加コンクリート
スラリーを縦1m、横1m、深さ5cmの型枠に流し込
み、一昼夜後の硬化表面に観察された水溶性セメント混
和剤粉体の溶け残り(ダマ)個数で評価を行なった。ま
た、同時に、シートの溶解残りの評価も行なった。使用
したコンクリートスラリーの調合を、以下の表1に示
す。
【0048】
【表1】表1:コンクリートスラリーの調合 水 :水道水 167 kg/m3 セメント :普通ポルトランドセメント 320 kg/m3 小野田セメント(株)製, 比重3.16 細骨材 :川砂 富士川産 FM=2.30,比重2.65 815 kg/m3 粗骨材 :砕石 木更津産 FM=6.80,比重2.60 996.4 kg/m3 粗骨材の最大寸法 20mm AE減水剤:ポゾリスNo.70 0.35kg/m3 AE剤 :ヴィンソル 0.02kg/m3 スランプ : 15.0cm
【0049】(5) コンクリートの流動性経時変化 コンクリートの流動性経時変化の測定は、表2に示す材
料および調合により実施した。
【0050】表2に示す調合に基づき製造したコンクリ
ートを傾胴式ミキサー(丸東製作所製)で2分間撹拌下
に、上記セメント混和剤組成物または包装体(No.1
〜5)を添加し、4rpmで低速アジテートしながら所
定時間ごとにスランプを測定した。
【0051】また、90分後のコンクリートにおいて、
シートの溶け残りについての評価を行った。試験サンプ
ルの性状を表3に、スランプの測定結果およびシート溶
け残りの評価結果を表4に示した。
【0052】
【表2】表2:コンクリートスラリーの調合 水 :水道水 170 kg/m3 セメント :普通ポルトランドセメント 比重3.17 320 kg/m3 細骨材 :鹿島産 比重2.57 850 kg/m3 粗骨材 :青梅産 比重2.59 926 kg/m3
【0053】
【表3】表3:複合セメント混和剤組成物の組成・包装 複合セメント混和剤組成物 包 装 共重合物粉体(a) 微粉体(b) 平均 平均 粒径 粒径 組成 使 用 オレフィン (μm) 名 称 (μm) (a:b) シート 実施例 試料No. 1 イソブチレン 90 シリカフューム 1.4 75:25 − 2 イソブチレン 90 シリカフューム 1.4 75:25 3 イソブチレン 90 フライアッシュ 1.4 75:25 比較例 試料No. 4 イソブチレン 90 無添加 − 100:0 − 5 イソブチレンa 90 無添加 − 100:0 (註) 共重合物の粘度分子量は、いずれも30,00
【0054】
【表4】表4:評価結果 コンクリート表面の スランプ経時変化(cm) 90分後のシート 溶け残りダマ量(個) 投入直後 30分 60分 90分 の溶け残り 実施例 試料No. 1 0 16.0 15.1 15.0 14.8 − 2 0 15.8 15.0 15.2 15.0 なし 3 0 16.0 15.3 15.0 15.0 なし 比較例 試料No. 4 10 15.6 14.3 13.6 11.8 − 5 10 15.5 14.5 13.2 11.3 なし
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C04B 103:30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)オレフィンとエチレン性不飽和ジ
    カルボン酸無水物との共重合物からなる水不溶性かつア
    ルカリ可溶性粉体を必須構成成分とする可溶性セメント
    混和剤粉体と、(b)微粉体とが均一に粉体混合されて
    なることを特徴とする複合セメント混和剤組成物。
  2. 【請求項2】 (a)水不溶性かつアルカリ可溶性セメ
    ント混和剤粉体1重量部に対して、(b)0.01〜9
    9重量部の微粉体を均一混合してなる請求項1に記載の
    複合セメント混和剤組成物。
  3. 【請求項3】 (b)微粉体がシリカ系微粉体である請
    求項1〜3のいずれか一項に記載の複合セメント混和剤
    組成物。
  4. 【請求項4】 (a)セメント混和剤粉体の平均粒径が
    1μm〜5mm、(b)微粉体の平均粒径が0.01μ
    m〜100μmである請求項1〜3のいずれか一項に記
    載の複合セメント混和剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜7のいずれか一項に記載のセ
    メント混和剤組成物を、セメント配合物中で解砕される
    包装材料中に充填してなることを特徴とするセメント混
    和剤包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012077205A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Nippon Kagaku Toryo Kk 水膨潤性摩擦低減組成物

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