JPH0713669B2 - 非常用炉心冷却方法及び装置 - Google Patents

非常用炉心冷却方法及び装置

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JPH0713669B2
JPH0713669B2 JP60069423A JP6942385A JPH0713669B2 JP H0713669 B2 JPH0713669 B2 JP H0713669B2 JP 60069423 A JP60069423 A JP 60069423A JP 6942385 A JP6942385 A JP 6942385A JP H0713669 B2 JPH0713669 B2 JP H0713669B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、原子炉の非常用炉心冷却方法とその装置に係
り、特に低温水の注入で発生する熱衝撃を防止するのに
好適な非常用炉心冷却方法及び装置に関する。
〔発明の背景〕
原子炉には、事故時に炉心を冷却するために非常用炉心
冷却装置が設けられており、例えば原子力工業、第10
巻、第1号における矢川による「原子炉圧力容器の健全
性に関する最近の話題」と題する文献に示されているよ
うに、原子炉容器内が高温,高圧状態である時に非常用
炉心冷却装置で低温水を注入した場合、原子炉容器の急
冷による熱衝撃で原子炉容器が損傷を受ける可能性が指
摘されている。また、前記文献で論じられているよう
に、熱衝撃の回避策として、(1)非常用炉心冷却装置
で供給される冷却水の昇温、(2)放射線照射による原
子炉容器の材料劣化の回復を目的とした原子炉容器の焼
なまし、(3)原子炉容器の内面と外面の温度差を小さ
くすることを目的とした原子炉容器外面の冷却、及び
(4)原子炉容器が受ける放射線照射量を低減化するた
めの放射線の反射体などが検討されているが、いずれも
過大な設備や費用を必要とし具体化されていない。
一方、非常用炉心冷却装置で供給される冷却水を昇温す
る先行技術例としては、特開昭53-51395及び特開昭51-3
1395が知られている。前者の公知例は、信頼性向上を目
的として原子炉容器内に冷却材貯蔵タンクを設けたもの
で、冷却材貯蔵量が著しく制限される欠点がある。後者
の公知例は、炉心冷却性能の向上を目的として冷却水貯
蔵水槽からの冷却水と高温の一次冷却材とをポンプの上
流部で混合することにより冷却水の温度を55℃〜100℃
の範囲で加熱するもので、冷却水貯水槽内の圧力に対す
る飽和温度以上に加熱できない欠点がある(飽和温度以
上に加熱すると冷却水が沸騰し、ポンプが損傷する危険
があり、容器の耐圧上の問題もある)。
〔発明の目的〕 本発明の目的は、簡単かつ小規模な構造で多量の冷却水
を冷却水貯水槽内の圧力に対する飽和温度以上に加熱で
き、原子炉容器に生ずる熱衝撃の防止が可能な非常用炉
心冷却方法とその装置を提供することである。
〔発明の概要〕
本発明は、冷却水貯水槽からの冷却水と高温の一次冷却
材とを冷却水の給水ポンプの下流部で混合し、混合水の
温度を検出して一次冷却材及び冷却水の流量を調整する
ことによつて混合水の温度を冷却水貯水槽内の圧力に対
する飽和温度より高くした後、原子炉容器に供給し、熱
衝撃による原子炉容器の損傷を防止するものである。
以下、本発明に至るまでの技術的困難性と本発明の原理
について説明する。
通常運転圧力が高く、低温の冷却水の注入によつて熱衝
撃が発生しやすい加圧水型原子炉を用いて本発明に至る
までの技術的困難性について説明する。
第2図は従来技術による加圧水型原子炉と非常用炉心冷
却装置及び冷却水の加熱方法を示す。通常運転時には、
原子炉容器1内の一次冷却材4は炉心2で加熱され、ホ
ツトレグ5を通つて蒸気発生器6内の伝熱管7で冷却さ
れた後、循環ポンプ8で駆動されてコールドレグ9を通
り原子炉容器1内のダウンカマ3から炉心2に再循環さ
れる。一方、二次冷却材15は蒸気発生器6の伝熱管7で
加熱され沸騰し、発生した蒸気でタービンを駆動し発電
に併せられる。このようなホツトレグ5,蒸気発生器6,循
環ポンプ8,及びコールドレグ9から成るループは複数系
統設置されており、一系統には原子炉容器1内の圧力を
制御するための加圧器10が設置されている。
万一、ホツトレグ5もしくはコールドレグ9などの一次
冷却材配管が破断し一次冷却材4が流出するような冷却
材喪失事故が発生した場合でも、炉心2を冷却できるよ
うに複数系統の非常用炉心冷却装置が設置されている。
第2図に示した非常用炉心冷却装置は、多量の冷却水22
を貯水した冷却水貯水槽21と給水ポンプ23で構成されて
おり、事故時には逆止弁24及び流量調節弁25を介して冷
却水22がコールドレグ9もしくはホツトレグ5を通つて
炉心2に供給される。この時、放射線の照射で原子炉容
器1の材料強度が劣化した状態で(放射線の照射により
容器壁材料が延性を失なう温度が200℃程度に上昇して
いるといわれている)、かつ、原子炉容器1内の圧力が
高い時に(圧力が20気圧未満では、後述する内圧による
フープ応力が十分小さくなり容器壁材料が損傷する危険
性はないといわれている)、低温の冷却水が注入される
と、原子炉容器1は延性を失なう200℃以下に冷却さ
れ、脆性特性のみを示し強度的に弱くなると共に熱衝撃
による熱応力と内圧によるフープ応力によつて原子炉容
器1の溶接部が損傷を受ける可能性があることが指摘さ
れている。
この熱衝撃による損傷を回避するには、内圧によるフー
プ応力が大きくなる20気圧以上において、容器壁材料が
延性を失なわない200℃以上に冷却水22を加熱し、容器
壁の急冷却及び強度低下を回避すればよい。最も単純な
冷却水22の加熱方法としては、冷却水貯水槽21に加熱器
Aを設ければよいが、冷却水貯水槽21は数千から数万立
方米の容積を有し大きな加熱源を必要とし、かつ、熱衝
撃を防止しうる温度(200℃)以上にまで冷却水22を加
熱するには冷却水貯水槽21を耐熱容器(200℃に対する
水の飽和圧力は約16気圧)にする必要があり、非現実的
である。給水ポンプ23の下流部に加熱器Bを設け原子炉
容器1に注入する冷却水22のみを加熱する方法は現実的
であるが、約10MWの大型加熱器が必要であり、大幅はコ
スト上昇となる。
一方、原子炉容器1内には高温の一次冷却材4があり、
この一次冷却材4を冷却水22の加熱源として利用するこ
とが可能である。この場合、一次冷却材4と冷却水22を
直接混合するのが最も効率的である。しかし、特公昭51
-31395による公知例のように、給水ポンプ23の上流部に
おいて一次冷却材4と冷却水22とを混合するルートCを
採用した場合、加熱器Aを用いる場合と同様に、冷却水
貯水槽21内の圧力に対する飽和温度以上に冷却水22を加
熱できず、熱衝撃の発生を防止できない。冷却水貯水槽
21内の圧力に対する飽和温度以上に冷却水22を加熱する
と給水ポンプ23内で冷却水22が沸騰し、給水ポンプ23が
損傷する危険性がある。
換言すれば、一次冷却材4を冷却水22の加熱源に使用す
る場合、給水ポンプ23の下流部で混合するルートDとし
なければならない。この場合には、給水ポンプ23の下流
部では給水ポンプ23の吐出圧力によつて加圧されている
ため、冷却水22を冷却水貯水槽21内の圧力に対する飽和
温度より高い任意の温度にまで加熱することが可能とな
る。ただし、この場合、前述したように、給水ポンプ23
の下流部ではすでに加圧されているため、一次冷却材4
を給水ポンプ23の下流部に供給する手段(すなわち駆動
源)が必要である。この一次冷却材4の駆動源にはポン
プもしくはエゼクタなどを使用できる。すなわち、ルー
トDにより給水ポンプ23の下流部において一次冷却材4
と冷却水22を混合すれば、ルートDの高温配管とポンプ
もしくはエゼクタの追加のみで、冷却水22を冷却水貯水
槽21内の圧力に対する飽和温度より高い任意の温度にま
で加熱することが可能となる。さらに、この場合、一次
冷却材4を原子炉容器1から給水ポンプ23の下流部を通
つて原子炉容器1に再循環させるため、炉心2の冷却性
能が向上する。しかし、この場合も次のような技術的問
題がある。
原子炉の事故時における原子炉容器1内の圧力及び温度
の変化を第3図に示す。事故時には配管破断部からの一
次冷却材4の流出及び原子炉停止にともなう炉心2での
発熱(崩壊熱)の低下によつて圧力PVが低下する。この
圧力低下にともなつて飽和温度TVSも低下し、一次冷却
材4の温度TCが飽和温度TVSと等しくなり沸騰を開始す
る。一次冷却材4の沸騰開始後にはその温度TCは飽和温
度TVSに従つて低下する。なお、一次冷却材4の温度TC
は冷却水貯水槽21内の圧力に対する飽和温度TWSよりは
るかに高く、冷却水22の温度をTWSまで加熱しても、前
述の如く熱衝撃の発生を回避できない。今、一次冷却材
4の比熱をCPC、流量をWCとし、冷却水22の温度をTW
比熱をCPW、流量をWWとすると、混合熱の温度Tmは熱量
保存則から次式のようになる。
CPCTCWC+CPWTWWW=CPmTm(WC+WW) ……(1) 各比熱CPC,CPW,及びCPmはほぼ等しいから(1)式は
次のように近似できる。
Tm=(TCWC+TWWW)/(WC+WW) ……(2) 一般に、ポンプ特性は第4図(A)に示すように吐出圧
力が低下すると吐出流量が増加する。原子炉容器1内の
圧力PVは第3図に示したように事故発生後低下し、した
がつて、給水ポンプ23の吐出圧力も圧力PVの低下にそつ
て低下するため、冷却水22のWWは第4図(B)に示すよ
うに増加する。一方、一次冷却材4は原子炉容器1から
出て原子炉容器1にもどるため、その流量WCは圧力PV
関係なく第4図(B)に示すようにほぼ一定となる。さ
らに、冷却水22の加熱源である一次冷却材4の温度TC
第3図及び第4図(C)に示すように低下する。すなわ
ち、(2)式からも明らかなように、熱源の温度TCが低
下し、低温水の流量WWが増加すると、混合後の温度Tm
第4図(C)に示すように急激に低下する。したがつ
て、混合後の温度Tmを高く保持するためには、混合後の
温度Tmを検出し、一次冷却材4の流量WC及び冷却水22の
流量WWを調節しなければならない。このような流量制御
は流量調節弁によつて実施できる。
以上の検討結果から、本発明では、 (1) 一次冷却材と冷却水とを冷却水給水ポンプの下
流部で混合し、かつ、混合後の温度を検出して一次冷却
材及び冷却水の流量を調節することにより、混合後の温
度を冷却水貯水槽内の圧力に対する飽和温度より高く、
一次冷却材の温度以下である任意の温度にできるように
する。
上記方法において、冷却水22の流量WWを減らすと原子炉
容器1に供給する正味の冷却水量が減少することになる
(なぜならば、一次冷却材4は原子炉容器1と高温配管
ルートDを再循環するのみであるから)。したがつて、
本発明では、炉心2の冷却をより効果的に実施するため
に、 (2) 第1に一次冷却材の流量を調節し、一次冷却材
の流量調節が限界に達した後、冷却水の流量を調節す
る。
上記の方法において必要以上に冷却水22の温度を上昇さ
せることは、炉心2の冷却性能を減少させることを意味
する。したがつて、本発明では、 (3) 原子炉容器内の圧力が原子炉容器を損傷しない
圧力まで低下した後には、一次冷却水の混合を停止し、
この圧力以上の場合にのみ混合後の温度を原子炉容器材
料の低温損傷下限温度以上に制御する。すなわち、原子
炉容器内の圧力が20気圧以上では混合後の温度を200℃
以上に制御し、20気圧以下では一次冷却水の流量を零と
する。
以上、述べた本発明のおける混合後の温度Tmの具体的な
制御方法を第5図を用いて説明する。原子炉容器1内の
圧力PVは第5図(A)に示すように事故発生後低下し、
この圧力低下にともなつて一次冷却材4の温度TCも第5
図(B)に示すように低下する。冷却水22の注水開始
後、冷却水22の流量WWが第5図(C)に示すように圧力
PVの低下に従つて増加し、一次冷却材4の温度TCは第5
図(B)に示すように低下するため、一次冷却材5の流
量WCを第5図(C)に示すように増加させて、冷却水22
と一次冷却材4との混合後の温度Tmを原子炉圧力容器材
料の低温損傷下限温度である200℃以上に保持する。一
次冷却材4の流量WCが上限値WC,maxに達した後には、低
温の冷却水22の流量WWを減少させ、混合後の温度Tmを20
0℃以下に保持する。原子炉容器1内の圧力PVが原子炉
容器の損傷しない圧力20気圧以下になると冷却水22の加
熱が不要となるため、一次冷却材4の流量WCを零とし、
冷却水22の流量WWを最大流量WW,maxにして炉心2の冷却
能力を向上させる。
〔発明の実施例〕
次に、本発明の一実施例を第1図により説明する。本実
施例の特徴は、冷却水22と一次冷却材4との混合容器26
にエゼクタを用いたことである。事故の発生を検出して
給水ポンプ23を駆動するとともに流量調節弁29と流量調
節弁25を全開する。冷却水22は給水ポンプ23で逆止弁24
を通り、ノズル27から混合容器26内に高速噴出される。
この冷却水22の高速噴流によつて、沸騰水型原子炉にお
けるジエツトポンプと同じ原理で、高温の一次冷却材4
が高温配管28を通して吸入され混合容器26内で低温の冷
却水22と混合し、原子炉容器1に供給される。この時、
混合後の温度Tmを温度検出器32で検出し、温度Tmが設定
値(以下の実施例では設定値を200℃としているが、200
℃以上であれば良い)となるように、制御装置31を介し
て流量調節弁29で一次冷却材4の流量を制御する。第5
図で述べたように、流量調節弁29の制御が限界値に達し
た後には、流量調節弁29と同様の方法で流量調節弁25を
制御する。さらに、第5図で述べたように、原子炉容器
1の圧力検出器33で検出された気力が設定値以下になる
と、制御装置31を介して流量調節弁29を全閉して一次冷
却材4の流量を零とし、流量調節弁25を全開させ炉心2
の冷却能力を向上させる。本実施例では、一次冷却材4
をホツトレグ5から引き出し混合容器26で冷却水22と混
合した後、コールドルグ9に注入しているが、直接に原
子炉容器1から引き出すことも、加圧器10もしくはコー
ルドレグ9から引き出すことも可能であり、また、直接
圧力容器1にもしくはホツトレグ5に注入することも可
能である。
本実施例の重要な構成要素である混合容器26として用い
るエゼクタの構造及び特性を第6図及び第7図に示す。
エゼクタはノズル27から高速で流体を噴出して周囲の流
体を吸入するものである。この時、駆動水である冷却水
22の流量WWと吸入される一次冷却材4の流量WCとの比
(WC/WW)は、従来技術によるエゼクタのように、ノズ
ル27の流路面積Anとスロート30の流路面積Athとの比(A
th/An)が一定の場合には、第7図(A)に示すよう
に、流量WWによらずほぼ一定となる。この場合、第5図
(C)において冷却水22の流量WWを配管に設けた流量調
節弁で減少させると一次冷却材4の流量WCも減少してい
まい、初期の目的を達成できない。そこで、本実施例に
おけるエゼクタでは、流量調節弁25によつて、ノズル27
の流路面積Anを可変とする。流路面積Anを小さくして流
路面積比(Ath/An)を増加させると第7図(B)に示
すように流量比(WC/WW)が増加する。すなわち、流量
調節弁25を絞つてノズル27の流路面積Anを小さくする
と、冷却水22側の流動抵抗が増加し流量WWが減少する
が、流路面積比(Ath/An)が増加するため一次冷却材
4の流量WCは減少しない。
本実施例における制御特性を第8図に示す。事故発生の
検出時間遅れ及び駆動ポンプ23の起動時間遅れにより事
故発生後t1で流量調節弁25及び28が全開され、冷却水22
と一次冷却材4が混合された後、原子炉容器1への供給
が開始される。この時には、流量調節弁29が全開してい
るので、混合後の温度Tmは設定値より若干高くなつてい
るが、温度検出器32の検出値に基づき制御装置31により
流量調節弁29を絞り一次冷却材4の流量WCを減少させ混
合後の温度Tmを設定値に保持する。原子炉容器1内の圧
力PVの低下にともなつて、第4図(A)に示したポンプ
特性から冷却水22の流量WWが増加し、第6図(A)に示
したエゼクタの特性から一次冷却材4の流量WCも増加す
るが、混合後の温度Tmを設定値に保つように制御装置31
を介して流量調節弁29により一次冷却材4の流量WCを制
御する。時間t2で流量調節弁29の弁開度が100%となり
一次冷却材4の流量WCの制御が限界となつた後、制御装
置31を介して流量調節弁25を絞り、ノズル27の流路面積
Anを小さくして冷却水22の流量WWを減少させる。この
時、第7図(B)に示したように流路面積比(Ath
An)が増加するため、駆動水である冷却水22の流量WW
減少しても一次冷却材4の流量WCは減少しない。さら
に、原子炉容器1内の圧力PVが設定値以下になると流量
調節弁29を全閉し、流量調節弁25を全開する。
第9図に本発明の他の実施例を示す。本実施例の特徴は
一次冷却材4を高温ポンプ35で混合容器26に供給するこ
とである。冷却水22と一次冷却材4との混合後の温度Tm
の制御方法は第1図に示した実施例の場合と同様であ
る。本実施例では、一次冷却材4を高温ポンプ35で駆動
するため、高温ポンプ35の入口における一次冷却材の温
度はポンプ内での蒸気発生によるポンプの損傷を防止す
るために飽和温度未満にしなければならない。このた
め、本実施例ではバイパス配管36を通して給水ポンプ23
で供給される低温の冷却水22の一部を温水ポンプ35の上
流部に供給する。圧力検出器43で温水ポンプ35の入口の
圧力PPを測定し、この圧力PPに対する飽和温度PPSを計
算し、温度検出器42の検出温度TPが飽和温度TPSより低
くなるように温度制御装置41を介して流量調節弁37を制
御する。飽和温度TPSと温度TPとの差(TPS−TP)は5〜
10℃にすればよい。本実施例における制御特性は第8図
に示した第1図の実施例の場合と同様であるが、一次冷
却材4の流量WCは第5図(C)に示すようになる。
第10図に本発明のさらに他の実施例を示す。本実施例の
特徴は、高温ポンプ35を冷却水22と一次冷却材4とを混
合する混合容器26の下流部に設けたことである。混合後
の温度Tmの制御方法は第1図に示した実施例の場合と同
様であるが、第9図に示した実施例で説明したように、
高温ポンプ35を保護するために入口の温度Tmを圧力Pm
対する飽和温度TmS未満に制御しなければならない。ま
た、一次冷却材4の混合容器26への供給を可能とするた
めに、混合容器26の圧力Pmを原子炉容器1内の圧力PV
り低くしなければならない。このため、本実施例では、
給水ポンプ23にバイパス配管36と流量調節弁37を設け、
圧力制御装置44で圧力Pmで圧力PV未満となるように給水
ポンプ23の吐出圧力を制御する。
本実施例の制御特性を第11図に示す。給水ポンプ23の吐
出圧力を低くし混合容器26の圧力Pmを高い場合には、圧
力制御装置44で流量調節弁37を開き、第4図(A)に示
したポンプ特性から明らかなようにポンプ吐出流量を増
加させ吐出圧力を低下させる。逆に、圧力Pmが低過ぎる
場合には流量調節弁37を絞ればよい。このようにして、
圧力Pmを圧力PVより低くすると、圧力差(PV−Pm)によ
つて原子炉容器1から高温の一次冷却材4が混合容器26
に供給される。この一次冷却材4は給水ポンプ23で混合
容器26に供給される冷却水22と混合した後、温水ポンプ
35で原子炉容器1に供給される。この時、温水ポンプ35
を保護するために、混合後の温度Tmは圧力Pnに対する飽
和温度TWSよりも少なくとも5〜10℃低くなるように制
御される。この温度差(TmS−Tm)が、万一、5〜10℃
より小さくなつた場合には、制御装置31で流量調節弁29
を絞り一次冷却材4の流量を減少させるかもしくは流量
調節弁25を開き冷却水22の流量を増加させればよい。こ
の制御方法は他の実施例の場合と同様である。
次に、上述の流量制御を行なう制御装置31の詳細につい
て説明する。上述各実施例の基本となる制御装置の構成
の一例を第12図に示す。原子炉容器1内の圧力検出器33
の信号は、演算回路45により圧力値に変換される。この
信号と、設定回路46からの信号(この場合、制御をする
かしないかのしきい値である20気圧という圧力値)が比
較回路47に入り、PV20気圧であれば論理上の偽信号、
PV<20気圧であれば論理上の真信号が、信号48として発
せられる。一方、混合後の温度を検出する温度検出器32
の信号は、演算回路49に入り温度値に変換される。この
信号は分岐され、それぞれが設定回路50からの信号(こ
の場合は、設定温度200℃)とともに比較回路51,52に入
る。比較回路51では、Tm>200の場合に論理上の真信号
が、それ以外の場合は偽信号が信号53として発信され
る。また比較回路52では、Tm<200の場合に論理上の真
信号が、それ以外の場合は偽信号が信号54として発信さ
れる。信号53は、分岐され、その一方は、流量調節弁25
の開示上限を論理上の真値で示す信号(例えば、上限リ
ミツトスイツチ信号などで、上限の場合のみ真信号を発
信する)55が反転回路56で反転された結果と共にAND回
路57に入り論理積がとられ、真偽値信号58が発信され
る。分岐された他方の信号は、弁25の開度上限を論理上
の真値で示す信号55と共にAND回路59に入り、この回路
での論理積の結果として真偽値信号60が発信される。こ
れらの真偽値信号58,60は、それぞれ、前述の容器圧力
が20気圧以下であるかどうかの比較結果信号48が反転回
路61で反転された結果信号62と共に、AND信号63,64に入
る。AND回路63,64の論理積の結果は、それぞれ、制御弁
25の開動作を行なわせるガバナ65と制御弁29の閉動作を
行なわせるガバナ66に伝えられる。
この回路により、Tm>200℃でPV220気圧の場合(すな
わち、温度制御が必要な圧力であり混合後の温度が設定
値より高い場合)、弁25の開度上限でなければ、弁25に
開動作(低温水の増加動作)が指示され、弁25の開度上
限であれば、弁29に閉動作(すなわち、高温水側の流量
減少動作)が指示され、混合後の温度が設定値に制御さ
れる。一方、Tm<200℃の場合に真値信号が発信される
信号54は、分岐され、一方は、流量調節弁29の開度上限
を論理上の真値で示す信号67が反転回路68で反転された
結果と共にAND回路69に入り、他方は、前記信号67と共
にAND回路70に入る。AND回路69,70における論理積の結
果は、それぞれ、前述の容器圧力が20気圧以下であるか
どうかの比較結果信号48が反転された結果62と共に、AN
D回路73,74に入る。AND回路73,74の論理積の結果は、そ
れぞれ、制御弁29の開動作を行なわせるガバナ75と制御
弁25の閉動作を行なわせるガバナ76に伝えられる。この
回路の動作により、Tm<200℃でPV20気圧の場合(す
なわち、温度制御が必要な圧力であり、混合後の温度が
低い場合)、弁29の開度上限でなければ、弁29に開動作
(高温水の流量増加動作)が指示され、弁29が開度上限
であれば、弁25に閉動作(低温水の流量減少動作)が指
示される。この結果、混合後の温度が設定値に制御され
る。また、PV<20気圧であれば、比較回路47から発信さ
れる真値信号48が直接、弁29の閉動作を指示するガバナ
77と弁25の開動作を指示するガバネ78に伝えられている
ので、温度制御は解除される。
以上説明した回路及び動作により、前述の温度制御が達
成される。
また、第10図の実施例において、混合後の温度を、設定
値を混合後の圧力Pmにおける飽和温度より5〜10℃低い
温度のいずれか低い温度に制御する場合の制御回路は、
第13図に示す構成となる。この回路においては、混合後
の圧力を計測した信号43は、演算回路79に入り圧力値に
変換される。この値は、演算回路80に入り、圧力の飽和
温度−(5〜10℃)の温度値になる。この温度値信号
は、温度設定回路50からの設定値(この場合は200℃と
共に低位設定回路81に入る。)低位設定回路81では両者
の比較後、低い値の方を設定値として発信し、比較回路
51,52に伝える。この部分以外の回路構成は第12図に示
す回路と同一であり、この回路の作動により、混合後の
温度は、設定値か混合位置での圧力Pmにおける飽和温度
より5〜10℃低い温度のどちらか低い温度に制御され
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、高温の一次冷却材と低温の冷却水とを
直接混合し、冷却水の温度を冷却水貯水槽の飽和温度よ
り高い任意の温度に保持できるので、冷却水の注入によ
る熱衝撃の発生を防止できる効果がある。本発明では、
冷却水の加熱に高温の一次冷却材を用いるから新たな加
熱源が不要であり、エゼクタもしくはポンプ及び制御装
置の追加程度で実現でき、経済的である。
また、本発明によれば、一次冷却材を再循環させるた
め、炉心の冷却効果を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による一実施例を示すブロツク図、第2
図は従来技術を説明するブロツク図、第3図は事故時の
圧力及び温度変化の説明図、第4図は一般的なポンプ特
性と流量及び温度変化の説明図、第5図は本発明による
制御特性の説明図、第6図は第1図の部分詳細図、第7
図は第6図の特性を示す図、第8図は第1図の制御特性
を示す図、第9図は本発明による他の実施例の構成を示
すブロツク図、第10図は本発明によるさらに他の実施例
の構成を示すブロツク図、第11図は第10図の制御方法を
説明する図、第12図は混合後の温度制御を達成する基本
的な回路構成を示す図、第13図は第10図に示された実施
例における温度 制御を達成する回路構成を示す図である。 1……原子炉容器、2……炉心、3……ダウンカマ、4
……一次冷却材、5……ホツトレグ、6……蒸気発生
器、7……伝熱管、8……循環ポンプ、9……コールド
レグ、10……加圧器、15……二次冷却材、21……冷却水
貯水槽、22……冷却水、23……給水ポンプ、24……逆止
弁、25……流量調節弁、26……混合容器、27……エゼク
タノズル、28……高温配管、29……流量調節弁、30……
スロート、31……制御装置、32……温度検出器、33……
圧力検出器、35……高温ポンプ、36……バイパス配管、
37……流量調節弁、41……温度制御装置、42……温度検
出器、43……圧力検出器、44……圧力制御装置。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷却水貯水槽と給水ポンプとを有する原子
    炉の非常用炉心冷却方法において、 原子炉容器内の一次冷却材を給水ポンプの下流部に供給
    し、 供給された一次冷却材と冷却水貯水槽から給水ポンプで
    供給される冷却水とを混合するとともに、 前記一次冷却材の流量をまず調節し、一次冷却材の流量
    調節が限界に達した後に、冷却水の流量を調節し、 一次冷却材と冷却水との混合水の温度を冷却水貯水槽内
    の圧力に対する飽和温度よりも高くし、 原子炉容器内の圧力が所定気圧以上のときは、混合水の
    温度を原子炉容器材料の低温損傷下限温度以上に調節
    し、 原子炉容器に供給することを特徴とする原子炉の非常用
    炉心冷却方法。
  2. 【請求項2】冷却水貯水槽と給水ポンプとを有する原子
    炉の非常用炉心冷却装置において、 給水ポンプの下流に設置され冷却水の流量を調節するニ
    ードル弁を含むエゼクタを内部に有しエゼクタからの冷
    却水の噴出により一次冷却材を吸込み両者を混合する混
    合容器と、 一次冷却材容器または一次冷却材配管から混合容器に一
    次冷却材を供給する高温配管と、 高温配管に設けられ一次冷却材の流量を調節する流量調
    節弁と、 混合容器下流の混合水温度を冷却水貯水槽内の圧力に対
    する飽和温度以上にするように前記両流量調節手段を作
    動させる制御装置と を備えたことを特徴とする原子炉の非常用炉心冷却装
    置。
  3. 【請求項3】冷却水貯水槽と給水ポンプとを有する原子
    炉の非常用炉心冷却装置において、 給水ポンプの下流に配置した混合容器と、 一次冷却材容器または一次冷却材配管から混合容器に一
    次冷却材を供給する高温配管と、 前記冷却水給水ポンプ下流に設けた冷却水の流量調節弁
    と高温配管に設けた一次冷却材の流量調節弁と高温配管
    または混合容器下流に設けた高温ポンプとからなり冷却
    水と一次冷却材との流量をそれぞれ調節する手段と、 混合容器下流の混合水温度を冷却水貯水槽内の圧力に対
    する飽和温度以上にするように前記両流量調節手段を作
    動させる制御装置と を備えたことを特徴とする原子炉の非常用炉心冷却装
    置。
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