JPH07135820A

JPH07135820A - ベルト式芝生送り出し装置

Info

Publication number: JPH07135820A
Application number: JP5289176A
Authority: JP
Inventors: Toru Aoyanagi; 徹青柳; Yasuo Tanaka; 保雄田中
Original assignee: Obayashi Corp
Current assignee: Obayashi Corp
Priority date: 1993-11-18
Filing date: 1993-11-18
Publication date: 1995-05-30
Anticipated expiration: 2014-01-20
Also published as: JP2848216B2

Abstract

(57)【要約】【目的】巻き取ったマット状の芝生を、モータなどの
別駆動源を用いずに、しかも手作業に頼らず自動的に巻
き出し、地面に敷き詰めることができる装置を提供す
る。また、装置の移動速度と芝生の送り出し速度を一致
させる。【構成】駆動装置４７により、車輪を兼ねる第二のベ
ルトプーリー３１が回転し、よって、エンドレスベルト
２５および第一のベルトプーリー９が回転すると、装置
の台車５が移動し、ベルト２５によってロール状の芝生
１が回転させられ、芝生１は地面へ送り出され敷き詰め
られる。このようにして、車輪を兼ねる第二のベルトプ
ーリー３１による台車５の移動速度と、ベルト２５によ
る芝生１の送り出し速度は、ほぼ同一となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マット状に育成された
芝生を、巻き取った後に再び巻き出して地面に敷き詰め
るための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】芝生を育成した後回収し、他の場所へ移
植する作業などが容易なように、網状の敷物の上に土を
入れ、芝生種を蒔き、芝生をマット状に育成させた後、
この敷物を巻いて芝生を回収して別の場所に移植する技
術を、本出願人は既に出願している。また、細かな樹皮
薄片を敷き詰めたものをベースとし、その上に芝生を育
成してマット状にする技術も公開されている（特開昭５
３−７５０３５号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、巻き取
った芝生の取扱い、特に敷き詰め作業を効率良く行なう
ためには、何らかの工夫が必要であり、巻き取った芝生
を単に手作業で巻き出すというだけでは、面倒で手間が
かかる。また、巻き取りドラムの両端に歯車を設け、モ
ータにより巻き取りドラムを回転させることも考えられ
るが、モータや歯車の分だけ装置が複雑、かつ大型にな
ってしまう。

【０００４】本発明は、以上の問題点を解決するために
なされたもので、巻き取った芝生を巻き出して敷き詰め
る際に、別途にモータ等の駆動源を設けることなく、あ
まり手作業に頼る必要のないベルト式芝生送り出し装置
を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するために成されたもので、複数の車輪によって移
動する台車と、マット状の芝生をロール状に巻き取る巻
き取りドラムと、巻き取りドラムのドラム軸の両端を支
えるために前記台車に上下方向に設けられたＵ型軸受
と、前記台車に設けられ車輪を兼ねる第一のベルトプー
リーと、この第一のベルトプーリーとほぼ同一の上下位
置で平行に台車に設けられた第二のベルトプーリーと、
これら第一と第二のベルトプーリーに巻き回され下面は
地面に接し上面には前記ロール状の芝生を載せて回転さ
せるエンドレスベルトと、第一または第二のベルトプー
リーを回転駆動する駆動装置と、を備えたことを特徴と
する。

【０００６】

【作用】本発明において、台車が移動し、車輪を兼ねる
第一のベルトプーリーが回転すると、第一と第二の２本
のベルトプーリーに巻き回されたエンドレスベルトが回
動し、ロール状の芝生を回転させる。ロール状の芝生
は、この回転により、巻き出されて地面へ送り出され敷
き詰められる。この時、車輪を兼ねる第一のベルトプー
リーが地面に接して回転し、第一と第二のベルトプーリ
ーおよびエンドレスベルトはほぼ同一の周速で回転する
ことから、車輪による台車の移動速度とこれらベルトプ
ーリーによる芝生の送り出し速度は、ほぼ同一となる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図４にお
いて説明する。マット状の芝生１は、あらかじめ、芝生
面を外側にして、巻き取りドラム３に巻き取られてい
る。本実施例の装置の台車５は、ソリッドタイヤからな
る一対の車輪７および車輪を兼ねる第一のベルトプーリ
ー９を有し、移動できる。また、台車５はハンドル１０
を有する。一対の車輪７は、舵取り車輪となっており、
舵取りハンドル１１によりアーム１１Ａを介して方向が
変えられ、舵取りができる。舵取りハンドル１１は、直
進状態つまりセンター位置において、ストップノッチ付
きのクリックにより、その位置を維持できるようになっ
ている。

【０００８】この第１のベルトプーリー９は、車軸１３
に対し３個の車輪体１５が固定されて構成されている
（図４）。即ち、車輪体１５のスポークまたはボックス
１６の中心に位置するハブ１７を貫通する車軸１３がキ
ーとキー溝１９により周方向に固定され、金属座金２１
と調整ブッシュ２３により軸方向に固定されている。３
個の車輪体１５のうち中央のものは径が両端のものより
３〜５％大きく、後述するベルト２５が両端側へ動いて
しまわないようになっている。車軸１３の端部は、台車
５のフレームに貫通し、外側からボールベアリングを有
する主軸受２７および係止ナット２９で固定されてい
る。

【０００９】第１のベルトプーリー９とほぼ同一上下位
置で平行な状態で、台車５に第２のベルトプーリー３１
が設けられる。この第２のベルトプーリー３１は、中央
部分の径が両端部分の径より大きく言わばビール樽型の
形状をなし、後述するベルト２５が両端側へ動いてしま
わないようになっている。

【００１０】これら２つのベルトプーリー９、３１に
は、表面に滑り止めの加工が施され、その上からエンド
レスベルト２５が巻き回されている。ベルト２５は、２
つのベルトプーリー９、３１に対しスリップを起こしに
くいノンスリップ式のもので、しかも十分な強度を有す
るものとする。十分な強度を有することで、ベルト２５
の上に、重量の大きなロール状の芝生１を載せることが
できる。このようなベルト２５の例としては、金属、ナ
イロン、およびゴムなどからなるメッシュベルトで、表
面に摩擦を大きくするための多数の凸部を有するものが
挙げられる。

【００１１】前記第２のベルトプーリー３１は台車５に
対し図中右方向、即ち第１のベルトプーリー９から離れ
る方向にバネ３３により付勢されている。このバネ３３
は、付勢力を調整できるベルト張力調整機３５を構成す
る。この調整は、ねじ３７を回すことによって行われ
る。

【００１２】台車５の前後方向中央には、Ｕ型軸受３９
が設けられる。このＵ型軸受３９は、巻き取りドラム３
のドラム軸４１の両端を支えるためのものである。即
ち、ロール状の芝生１が巻き出され径が小さくなるに従
い、ドラム軸４１は上方から下方へ移動するが、このＵ
型軸受３９は、この移動を許容しつつ、ドラム軸４１の
両端を前後方向に動かないように支える。ドラム軸４１
の端部にはフランジが設けられ、Ｕ型軸受３９に受けら
れた状態で、左右方向に脱落しないようになっている。

【００１３】第２のベルトプーリー３１の端部には、ス
プロケット４３が設けられ、チェーンまたは歯が形成さ
れた動力伝達ベルト４５を介して駆動装置４７の駆動ス
プロケット４９により駆動力が伝達される。

【００１４】なお、第１のベルトプーリー９の上面はフ
ェンダー５０により覆われ、逆方向に動く芝生１との接
触を防止している。

【００１５】以下、本実施例の作用について説明する。
芝生１を敷き詰める際には、駆動装置４７により、第２
のベルトプーリー３１、ベルト２５および第１のベルト
プーリー９を図中時計回りに回転させ、装置を図中右方
向に移動させる。この移動と同時に、ベルト２５に載せ
られたロール状の芝生１は、反時計回りに回転させら
れ、マット状の芝生１が巻き出され、図中右側の車輪７
の下へ送り出される。送り出された芝生１はこの車輪７
によって地面５１に押し付けられ敷き詰められる。敷き
詰めの方向を変える時には、作業員が舵取りハンドル１
１を動かし装置の台車５の移動方向を変える。

【００１６】経年変化によりベルト２５が伸びると、重
量物であるロール状の芝生１を十分に支えきれなくなる
ので、この伸びを吸収するためにベルト張力調整機３５
のねじ３７を回して、２つのベルトプーリー９、３１の
間の寸法を広げる。これによりベルト２５は、再びぴん
と張った状態となり、ロール状の芝生１を支えられるよ
うになる。

【００１７】以上のように本実施例によれば、駆動装置
４７により装置を移動させ、車輪を兼ねる第１のベルト
プーリー９が回転することで、同時にエンドレスベルト
２５が回動し、自動的にロール状の芝生１を回転させ、
芝生１の送り出し敷き詰めを行うことができるので、ロ
ール状の芝生１を回転させるためにモーターなどを別途
設ける必要がない。このため装置のコストダウンを図れ
る。

【００１８】また、車輪を兼ねる第１のベルトプーリー
９、ベルト２５および第二のベルトプーリー３１は、ほ
ぼ同一の周速で回転するので、台車５の移動速度と、ベ
ルト２５による芝生１の送り出し速度とは、ほぼ同一と
なる。このため、送り出された芝生１に無理な張力が働
くことがなく、また逆に弛みや皺が生じたりすることも
避けられる。

【００１９】また、台車５が移動しベルト２５が回動し
自動的に芝生１が巻き出されるので、手作業で芝生１を
送り出す必要がない。

【００２０】また、ロール状の芝生１は、ベルト２５に
より、広い面積によって柔軟に支えられるので、傷付き
にくい。また、ベルト２５からロール状の芝生１に伝え
られる力は、ロール状の芝生１の円周部分に働き、小さ
な力で大きな回転トルクを発生する。このため小さな力
でも容易に芝生１を回転させることができる。

【００２１】なお、以上の実施例においては、図中右の
車輪７は舵取り車輪となっていたが、他の装置において
は単に固定された車輪としても良い。その場合であって
もハンドル１０により装置全体を動かすことで、敷き詰
め方向を変えることができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のベルト式
芝生送り出し装置によれば、台車の移動の際に車輪を兼
ねる第１のベルトプーリーが回転してエンドレスベルト
が回動し、ロール状の芝生を回転させ、送り出し敷き詰
めるので、巻き出しのためのモーター等を別個に設ける
必要がなく、かつ手作業に頼らずに芝生の敷き詰めが行
える。

【００２３】また、第１のベルトプーリーが車輪を兼ね
るため、車輪による台車の移動速度と、ベルトによる芝
生の送り出し速度がほぼ同一となるので、送り出される
芝生に無理な張力が加わらず、皺や弛みが生じにくい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るベルト式芝生送り出し
装置の側面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】図１の要部を示す拡大図である。

【図４】図３の縦断面図である。

【符号の説明】

１芝生３巻き取りドラ
ム５台車７車輪９第一のベルトプーリー１１舵取りハンド
ル１３車軸１５車輪体１７ハブ１９キーとキー
溝２１金属座金２３調整ブッシ
ュ２５エンドレスのベルト２７主軸受け２９係止ナット３１第２のベル
トプーリー３３バネ３５ベルト張力
調整機３７ねじ３９Ｕ型軸受４１ドラム軸４３スプロケッ
ト４５動力伝達ベルトまたはチェーン４７駆動装置４９駆動スプロ
ケット

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数の車輪によって移動する台車と、マ
ット状の芝生をロール状に巻き取る巻き取りドラムと、
巻き取りドラムのドラム軸の両端を支えるために前記台
車に上下方向に設けられたＵ型軸受と、前記台車に設け
られ車輪を兼ねる第一のベルトプーリーと、この第一の
ベルトプーリーとほぼ同一の上下位置で平行に台車に設
けられた第二のベルトプーリーと、これら第一と第二の
ベルトプーリーに巻き回され下面は地面に接し上面には
前記ロール状の芝生を載せて回転させるエンドレスベル
トと、第一または第二のベルトプーリーを回転駆動する
駆動装置と、を備えたことを特徴とするベルト式芝生送
り出し装置。