JPH0712976U - 電流測定装置 - Google Patents

電流測定装置

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JPH0712976U
JPH0712976U JP3648393U JP3648393U JPH0712976U JP H0712976 U JPH0712976 U JP H0712976U JP 3648393 U JP3648393 U JP 3648393U JP 3648393 U JP3648393 U JP 3648393U JP H0712976 U JPH0712976 U JP H0712976U
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宏 久米川
健 川勝
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Nissin Electric Co Ltd
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Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で且つ他相誘導の影響を受けずに電流測
定を行えるようにした電流測定装置を提供する。 【構成】 被測定電流路1aに流れる被測定電流により
生じる磁界と他の電流路1bに流れる電流により生じる
磁界との合成磁界を検出する2つの磁界センサ2R ,2
RSを配置し、被測定電流のみにより生じる磁界センサ2
R ,2RSの検出する磁界の強さの比と、他の電流のみに
より生じる磁界センサ2R ,2RSの検出する磁界の強さ
の比と、被測定電流および他の電流の通電状態で磁界セ
ンサ2R ,2RSの検出する合成磁界の強さとから被測定
電流により生じる磁界センサ2R または2RSの位置にお
ける磁界の強さを算出し、これを基に被測定電流を算出
する。 【効果】 ギャップ付きコアを用いることなく、またシ
ールド手段を用いることなく、被測定電流路以外の他の
電流路に流れる電流により生じる磁界の影響を受けず
に、被測定電流の測定が可能となり、小型で絶縁性に優
れた電流測定装置が構成される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、磁気光学効果を利用した磁界センサを用いて電流路に流れる電流 を測定する電流測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、磁気光学効果(光ファラデー効果)を利用した磁界センサ(いわゆ る光CT)を用いて、電流路を流れる電流の測定が行われている。このような磁 気光学効果を利用した光CTでは、被測定電流路に流れる電流以外に、他の電流 路に流れる電流により生じる磁界など、周囲の磁界の影響を強く受けるため、周 囲の磁界を遮断するとともに被測定電流路に流れる被測定電流により生じる磁界 のみを検出するように工夫されている。
【0003】 例えば図14に示す例では、被測定電流路1の周囲にギャップ付きのコア3を 配置し、そのコア3のギャップ部に磁界センサ2を設け、さらにコア3の周囲に 銅のシールド部材4を設けたり、図15に示すように、コア3の周囲に鉄のシー ルド部材5aを設けるか、被測定電流路1aと他相の電流路1bとの間に鉄板状 のシールド部材5bを配置することによって、センサ周囲の磁界をシールドする 方法や、図16に示すように、被測定電流路1aと他の電流路1bに対して、ギ ャップ部に磁界センサ2を設けたコア3の相対的な位置関係を変化させて、他相 誘導が最小となるように調整する、といった方法が採られている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、一般にCTを用いて電流測定を行う場合、過電流定数を定格電流の 20倍に見込んで設計されるが、上述の従来の電流測定装置においては、コア3 を磁気飽和させないためには非常に大型のコアを用いなければならず、そのため に光CT自体が大型化し、例えばGIS(ガス絶縁開閉装置)やキュービクルな ど、導体間の距離が例えば10cm程度の短い箇所には光CTが取り付けられな い、といった問題が生じる。このようなコアによる磁気飽和を解消するためにギ ャップ数を増やすことも可能であるが、ギャップ数が増えるほど他相誘導の影響 を強く受けることになる。また、図15に示したように鉄板などにより磁気シー ルドを行う方法では、シールド部材の磁気飽和がやはり問題となる。さらに、図 16に示したように磁界センサの位置を調整する方法では、調整作業に手間が掛 かる欠点がある。
【0005】 この考案の目的は、上述の各種課題を解消して、小型で且つ他相誘導の影響を 受けずに電流測定を行えるようにした電流測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この考案の請求項1に係る電流測定装置は、被測定電流路に流れる被測定電流 により生じる磁界と、前記被測定電流路に並行な他の電流路に流れる他の電流に より生じる磁界との合成磁界をそれぞれ検出し、且つ前記被測定電流路または前 記他の電流路からの距離が異なる複数箇所に配置した複数の磁界センサと、 前記各磁界センサから前記被測定電流路までの距離と、該磁界センサの磁界検 出方向と前記被測定電流により生じる磁界方向との成す角度と、前記各磁界セン サから前記他の電流路までの距離と、該磁界センサの磁界検出方向と前記他の電 流により生じる磁界方向との成す角度と、前記被測定電流および前記他の電流の すべての通電状態で前記複数の磁界センサの検出するそれぞれの磁界の強さとか ら、前記複数の磁界センサのうちの一つの磁界センサの配置位置における、前記 被測定電流により生じる磁界の強さを算出する電流測定用磁界算出手段と、 前記電流測定用磁界算出手段の算出した前記一つの磁界センサの配置位置にお ける磁界の強さと、当該磁界センサと前記被測定電流路間の距離とから、前記被 測定電流を算出する被測定電流算出手段とを備えてなる。
【0007】 この考案の請求項2に係る電流測定装置は、被測定電流路と、これに平行な単 一または複数の他の電流路とを含む平面内で、前記被測定電流路に流れる被測定 電流により生じる磁界と、前記他の電流路に流れる他の電流により生じる磁界と の合成磁界をそれぞれ検出し、且つ前記被測定電流により生じる磁界の強さと前 記他の電流により生じる磁界の強さとの比が異なる複数箇所に配置した複数の磁 界センサと、 前記被測定電流路または前記他の電流路のうち各一つの電流路のみの通電状態 で前記複数の磁界センサの検出する磁界の強さの比と、前記被測定電流および前 記他の電流のすべての通電状態で前記複数の磁界センサの検出するそれぞれの磁 界の強さとから、前記複数の磁界センサのうちの一つの磁界センサの配置位置に おける、前記被測定電流により生じる磁界の強さを算出する電流測定用磁界算出 手段と、 前記電流測定用磁界算出手段の算出した前記一つの磁界センサの配置位置にお ける磁界の強さと、当該磁界センサと前記被測定電流路間の距離とから、前記被 測定電流を算出する被測定電流算出手段とを備えてなる。
【0008】
【作用】
この考案の請求項1に係る電流測定装置では、被測定電流路と他の電流路が並 行に配置されていて、複数の磁界センサがそれぞれ前記被測定電流路に流れる被 測定電流により生じる磁界と、前記他の電流路に流れる他の電流により生じる磁 界との合成磁界を検出し、且つ前記被測定電流路または前記他の電流路からの距 離が異なる複数箇所に配置されている。電流測定用磁界算出手段は、前記各磁界 センサから前記被測定電流路までの距離と、該磁界センサの磁界検出方向と前記 被測定電流により生じる磁界方向との成す角度と、各磁界センサから前記他の電 流路までの距離と、該磁界センサの磁界検出方向と前記他の電流により生じる磁 界方向との成す角度と、前記被測定電流および前記他の電流のすべての通電状態 で前記複数の磁界センサの検出するそれぞれの磁界の強さとから、前記複数の磁 界センサのうちの一つの磁界センサの配置位置における、前記被測定電流により 生じる磁界の強さを算出する。被測定電流算出手段は、前記電流測定用磁界算出 手段の算出した前記一つの磁界センサの配置位置における磁界の強さと、当該磁 界センサと前記被測定電流路間の距離とから、前記被測定電流の値を算出する。
【0009】 ここで図6を基に前記電流測定用磁界算出手段と被測定電流算出手段の作用を 説明する。図6においてR相は被測定電流路、S相は他の電流路である。ΦA , ΦA ’は被測定電流により生じる磁界、ΦB ,ΦB ’は他の電流により生じる磁 界である。2R ,2RSはそれぞれ磁界センサであり、2R は矢印ΦR 方向の磁界 を検出し、2RSは矢印ΦRS方向の磁界を検出する。被測定電流路R相と他の電流 路S相にそれぞれ電流が流れているとき、各磁界センサと各電流路間の距離が同 図に示す通りであれば、
【0010】
【数1】 ΦA =IA /2πL1
【0011】
【数2】 ΦA ’=IA /2πL2 =KA ΦA
【0012】
【数3】 ΦB =IB /2π(L3−L2)
【0013】
【数4】 ΦB ’=IB /2π(L1+L3) =KB ΦB
【0014】
【数5】 ΦR =−ΦA +ΦB ’ =−ΦA +KB ΦB
【0015】
【数6】 ΦRS=ΦA ’+ΦB = KA ΦA +ΦB が成立する。但し、〔数1〕〜〔数4〕の電流に対する磁界の比例係数は、電流 路が直線状に無限長存在する場合である。現実には電流路の直線部が有限長であ るため、前記電流に対する磁界の比例係数は必ずしも1/{2π*(磁界センサ と電流路間の距離)}にはならないが、一定の比例係数を用いることができる。
【0016】 また、〔数6〕より、
【0017】
【数7】 KB ΦRS=KA B ΦA +KB ΦB 〔数7〕より〔数5〕を引いて
【0018】
【数8】 KB ΦRS−ΦR =ΦA (1+KA B ) 従って、
【0019】
【数9】 ΦA =(KB ΦRS−ΦR )/(1+KA B ) の関係が求められる。また〔数2〕と〔数9〕より、
【0020】
【数10】 ΦA ’=KA (KB ΦRS−ΦR )/(1+KA B ) の関係が求められる。
【0021】 また、〔数5〕より、
【0022】
【数11】 KA ΦR =−KA ΦA +KA B ΦB 〔数6〕に〔数11〕を加えて
【0023】
【数12】 KA ΦR +ΦRS=ΦB (1+KA B ) 従って、
【0024】
【数13】 ΦB =(KA ΦR +ΦRS)/(1+KA B ) の関係が求められる。また〔数4〕と〔数13〕より、
【0025】
【数14】 ΦB ’=KB (KA ΦR +ΦRS)/(1+KA B ) の関係が求められる。
【0026】 前記電流測定用磁界算出手段は、前記比例係数KA ,KB と、被測定電流およ び他の電流の通電状態で第1・第2の磁界センサの検出する磁界の強さΦR ,ΦRS とから、上記〔数9〕または〔数10〕によって第1または第2の磁界センサ の配置位置における磁界の強さΦA またはΦA ’を算出する。
【0027】 また、〔数1〕,〔数2〕より、
【0028】
【数15】 IA =2πL1ΦA
【0029】
【数16】 IA =2πL2ΦA ’ が成立する。前記被測定電流算出手段は、〔数15〕または〔数16〕によって 被測定電流を求める。但し、前述したように電流路の形状および長さによっては 、電流に対する磁界の比例係数が必ずしも1/{2π*(磁界センサと電流路間 の距離)}で近似できない場合は、実測により求めた比例係数を用いればよい。
【0030】 この考案の請求項2に係る電流測定装置では、被測定電流路と他の電流路が並 行に配置されていて、これらの電流路を含む平面内で、複数の磁界センサがそれ ぞれ被測定電流路に流れる被測定電流により生じる磁界と、他の電流路に流れる 他の電流により生じる磁界との合成磁界を検出し、被測定電流により生じる磁界 の強さと前記他の電流により生じる磁界の強さとの比が異なる複数箇所にそれぞ れ磁界センサが配置されている。電流測定用磁界算出手段は、前記被測定電流路 または前記他の電流路のうち各一つの電流路のみの通電状態で前記複数の磁界セ ンサの検出する磁界の強さの比と、前記被測定電流および前記他の電流のすべて の通電状態で前記複数の磁界センサの検出するそれぞれの磁界の強さとから、前 記複数の磁界センサのうちの一つの磁界センサの配置位置における、前記被測定 電流により生じる磁界の強さを算出する。被測定電流算出手段は、前記電流測定 用磁界算出手段の算出した前記一つの磁界センサの配置位置における磁界の強さ と、当該磁界センサと前記被測定電流路間の距離とから、前記被測定電流を算出 する。
【0031】 即ち、前記電流測定用磁界算出手段は、図6においてS相に流れる電流が0で あって、R相に被測定電流のみが通電されている状態で、磁界センサ2R が検出 する磁界ΦA と磁界センサΦRSが検出する磁界ΦA ’との比から前記比例係数KA を求め、またS相にのみ電流が通電されていて、R相に被測定電流が通電され ていない状態で、磁界センサ2R が検出する磁界ΦB ’と磁界センサ2RSが検出 する磁界ΦB との比から前記比例係数KB を求め、〔数9〕または〔数10〕に よって電流測定用磁界を求める。また、前記被測定電流算出手段は、〔数15〕 または〔数16〕によって被測定電流を求める。
【0032】 尚、上述の例は被測定電流路に比較的近接する他の電流路が単一の場合につい て示したが、被測定電流路に比較的近接する他の電流路が複数あっても、同様に して被測定電流を求めることができる。
【0033】 以上のようにして、従来のようなギャップ付きコアおよびシールド手段を設け ることなく、被測定電流路とは別の電流路に流れる他の電流により生じる磁界の 影響を計算上打ち消して、目的とする被測定電流のみを求めることができる。
【0034】
【実施例】 この考案の実施例である電流測定装置の磁界センサの配置例を部分斜視図とし て図1に示す。図1において1aは被測定電流が流れる被測定電流路、1bはこ れに比較的近接して平行に配置された他の電流路である。また2R ,2RSは被測 定電流路1aおよび他の電流路1bに流れる電流により生じる磁界をそれぞれ検 出する磁界センサである。この例は図6に示した配置例と同じである。
【0035】 図2は図1に示した磁界センサの構成およびそれを用いたセンサ回路の例を示 す図である。図2において10はLED11を駆動して光ファイバ12へ光を送 信する光送信回路、13は光ファイバ12を接続する光コネクタである。磁界セ ンサ2は偏光子14、光ファラデー素子15、検光子16およびミラー17から なり、入力側の光コネクタ13から入る光を磁界の強さに応じて強度変換した光 を出力側の光コネクタ18から出力する。光受信回路21は光ファイバ19を介 してpinフォトダイオード20が受光した光の強度に応じたアナログ信号を出 力する。
【0036】 次に、電流測定装置全体の構成をブロック図として図3に示す。図3において 31,32はそれぞれ図2に示した光送信回路10および光受信回路21からな る光電変換回路であり、磁界センサ2R ,2RSに対し送受光を行うとともに磁界 の強さに応じたアナログ電圧信号を発生する。マルチプレクサ33は光電変換回 路31,32のうち何れか一方の出力を選択する。サンプルホールド回路34は マルチプレクサ33により選択された入力信号をサンプルホールドし、ADコン バータ35はホールドされた電圧信号を対応するディジタルデータに変換する。
【0037】 I/Oポート36はマルチプレクサ33、サンプルホールド回路34およびAD コンバータ35に対しそれぞれ制御信号を出力するとともにADコンバータ35 の変換したディジタルデータを入力する。CPU37はこのI/Oポート36を 介して磁界センサ2R ,2RSの検出する磁界の強さを読み取る。ROM38には CPU37の実行すべきプログラムを予め書き込んでいる。RAM39はそのプ ログラムの実行に際して、磁界センサ2R ,2RSの検出した磁界の強さを一時記 憶し、また被測定電流の算出のためのワーキングエリアとして用いる。通信イン タフェース40はホスト装置との間で通信制御を行う。CPU37はこの通信イ ンタフェース40を介して電流測定の要求を受け、測定データなどをホスト装置 へ返す。
【0038】 次に、図3に示したCPU37の処理手順をフローチャートとして図4および 図5に示す。
【0039】 図4は実際に電流測定を行う前の前処理として、2つの磁界センサによる誘導 磁界の比を求める誘導比測定モードにおける処理手順である。まず、被測定電流 路とは別の他の電流路(図1または図6に示した例では、電流路1b)をバイパ スさせて、2つの磁界センサ2R ,2RSに図6に示したΦB ,ΦB ’で示す磁界 が及ばないようにした状態で、磁界センサ2R を用いて、被測定電流により生じ る磁界ΦA を検出する(n1→n2)。同様に磁界センサ2RSを用いて被測定電 流による磁界ΦA ’を検出する(n3)。そして、KA =ΦA ’/ΦA として、 比例係数を算出する(n4)。次に、逆に被測定電流路1aをバイパスさせて、 2つの磁界センサ2R ,2RSに対し前記ΦA ,ΦA ’の磁界が影響を及ぼさない ようにした状態で、磁界センサ2R を用いて、他の電流により生じる磁界ΦB ’ を検出する(n5→n6)。同様に磁界センサ2RSを用いて他の電流により生じ る磁界ΦB を検出する(n7)。そしてKB =ΦB ’/ΦB として、比例係数を 求める(n8)。
【0040】 図5は図4に示した処理を行った後の、測定モードにおける処理手順であり、 まず磁界センサ2R により、図6に示した被測定電流と他の電流により生じる合 成磁界ΦR を検出する(n11)。同様に磁界センサ2RSによりΦRSを検出する (n12)。そして、ステップn11,n12で求めたΦR ,ΦRSとすでに求め た比例係数KA ,KB とによって、〔数9〕の演算を行うことによって磁界セン サ2R の配置位置における被測定電流による磁界ΦA を算出する(n13)。尚 、被測定電流と他の電流との位相が異なる場合には、〔数9〕の演算の際、ΦR ,ΦRSはそれぞれベクトルとして扱う。その後、被測定電流路1aと磁界センサ 2R との距離L1と磁界センサ2R の配置位置における磁界ΦA とによって、被 測定電流路1aを流れる被測定電流IA を算出する。すなわち電流に対する磁界 の比例係数を1/2πL1とすれば、IA =2πL1ΦA として求める。
【0041】 次に、実際の測定方法とその結果を示す。 図7は測定時における電流路に対する磁界センサの配置を示す図である。図7 において、2R ,2RSはR相電流路1aに近接配置した磁界センサであり、この 例では2つの磁界センサ2R ,2RSをR相電流路1aを挟む等距離位置に配置し ている。従って、〔数9〕および〔数10〕において比例係数KA は1である。
【0042】 先ず、R相に電流を流さずに、S相に電流を流して誘導量を測定した。これを 表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】 また、S相に電流を流さずに、R相に電流を流して2つの磁界センサの出力を 測定した。これを表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】 表1に示したS相電流と磁界センサ2R の出力との関係をグラフとして図8に 示す。また、表2に示したR相電流と磁界センサ2R ,2RSの出力との関係をグ ラフとして図9に示す。
【0047】 続いてR相、S相共に電流を流した場合の磁界センサの出力を測定した。その 結果を表3〜表5に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】 例えば、表4中の※印のデータを〔数9〕に代入すると、
【0052】
【数17】 ΦA =(KB ΦRS−ΦR )/(1+KA B ) =(0.164 * 510.6 + 388.5)/(1 + 0.164) = 405.7 また、〔数14〕に代入すると、
【0053】
【数18】 ΦB ’=KB (KA ΦR +ΦRS)/(1+KA B ) = 0.164 * (-388.5 + 510.6)/(1 + 0.164) = 17.2 となる。〔数17〕および〔数18〕の数値を図9および図8から読み取ると、 R相電流=100〔A〕、S相電流=100〔A〕が導き出せる。
【0054】 尚、前述した例では、比例係数KA =ΦA ’/ΦA および比例係数KB =ΦB ’/ΦB を図4に示す手順で測定によって求めたが、被測定電流路と他の電流路 と各磁界センサとの位置関係および距離関係が予め分かっている場合には、計算 によって前記比例係数KA ,KB を求め、図5に示した手順により直接磁界セン サ2R の配置位置における被測定電流による磁界ΦA を算出し、被測定電流路1 aを流れる被測定電流IA を算出する。
【0055】 また、前述した例では、2つの磁界センサの一方2RSを被測定電流路1aと他 の電流路1bとの間に配置し、他方の磁界センサ2R を被測定電流路1aを挟ん で磁界センサ2RSの反対側に配置したが、例えば図10に示すように2つの磁界 センサ2RS,2R の何れをも被測定電流路1aと他の電流路1bとの間に配置し てもよい。この場合には、
【0056】
【数19】 ΦA =(KB ΦRS−ΦR )/(KA B −1)
【0057】
【数20】 ΦA ’=KA (KB ΦRS−ΦR )/(KA B −1) として求められる。
【0058】 また、上述の例では、被測定電流路1a以外の他の電流路として単一の電流路 1bのみを示したが、例えば三相交流の場合には、もう1つの他の電流路に流れ る電流により生じる磁界の影響を受ける。しかし通常は隣接する電流路に流れる 電流により生じる磁界に比較して小さいため、前記磁界の影響は問題とはならな い。もちろん、被測定電流路以外の複数の他の電流路から生じる磁界の成分をそ れぞれ計算上打ち消すためには、電流路の数に応じた磁界センサを設ければよい 。例えば三相交流の場合、図11に示すように3つの磁界センサ2R ,2RS,2ST を配置して、各磁界センサの検出する磁界の強さからR,S,Tの各相の電流 を算出すればよい。
【0059】 以下、図11を基に被測定電流の算出方法について述べる。図11において、 R相は被測定電流路、S相,T相は他の電流路である。2R ,2RS,2STはそれ ぞれ磁界センサであり、2R は矢印ΦR 方向の磁界を検出し、2RSは矢印ΦRS方 向の磁界を検出し、2STは矢印ΦST方向の磁界を検出する。被測定電流路R相と 他の電流路S相,T相にそれぞれ電流が流れているとき、磁界センサ2R ,2RS ,2STの検出する磁界は次式で与えられる。
【0060】
【数21】 ΦR =−ΦA +ΦB ’+ΦC
【0061】
【数22】 ΦRS=ΦA +ΦB +ΦC
【0062】
【数23】 ΦST=ΦA ’−ΦB +ΦC ここでS相,T相に流れる電流が0であって、R相に被測定電流のみが通電さ れている場合の磁界センサ2RSが検出する磁界ΦA と磁界センサΦSTが検出する 磁界ΦA ’との比が1:KA であって、またS相にのみ電流が通電されていて、 R相,T相に電流が通電されていない状態で、磁界センサ2RSが検出する磁界ΦB と磁界センサ2R が検出する磁界ΦB ’との比が1:KB であって、さらにT 相にのみ電流が通電されていて、R相,S相に電流が通電されていない状態で、 磁界センサ2STが検出する磁界ΦC と磁界センサ2RSが検出する磁界ΦC ’との 比が1:KC1で、磁界ΦC と磁界センサ2R が検出する磁界ΦC ”との比が1: KC2であれば次式の関係が成り立つ。
【0063】
【数24】 ΦA ’=KA ΦA
【0064】
【数25】 ΦB ’=KB ΦB
【0065】
【数26】 ΦC ’=KC1Φ
【0066】
【数27】 Φ”=KC2ΦC 〔数21〕に〔数25〕,〔数27〕を代入し、〔数22〕に〔数26〕を
代 入し、〔数23〕に〔数24〕を代入すれば、
【0067】
【数28】 ΦR =−ΦA +KB ΦB +KC2ΦC
【0068】
【数29】 ΦRS=ΦA +ΦB +KC1ΦC
【0069】
【数30】 ΦST=KA ΦA −ΦB +ΦC となる。また 〔数28〕,〔数30〕より、
【0070】
【数31】 KB ΦRS−ΦR =ΦA (KB +1)+ΦC (KB C1−KC2) となる。また〔数29〕,〔数30〕より
【0071】
【数32】 ΦRS+ΦST=ΦA (1+KA )+ΦC (KC1+1) 従って、
【0072】
【数33】 ΦC ={ΦRS+ΦST−ΦA (1+KA )}/(KC1+1) が求められる。以降は〔数31〕のΦC に〔数33〕を代入することにより、ΦA を求めることができ、これを基にR相に流れる被測定電流を算出することがで きる。S相,T相に流れる電流についても同様である。
【0073】 尚、上述の例では電流路を水平配置した例であったが、これを図12に示すよ うに(正)三角形に配置した場合には次のようにして電流測定を行えばよい。図 12において2R1,2R2,2S1,2S2はそれぞれ磁界センサであり、磁 界センサ2R1,2R2はT相の磁界と直交するように配置し、磁界センサ2S 1,2S2はR相の磁界と直交するように配置する。これにより、磁界センサ2 R1,2R2はT相の影響を受けることなく、該磁界センサ2R1,2R2の配 置位置におけるR相の磁界とS相の磁界をそれぞれ検出することができ、また磁 界センサ2S1,2S2はR相の影響を受けることなく、該磁界センサ2S1, 2S2の配置位置におけるS相の磁界とT相の磁界をそれぞれ検出することがで きる。その結果、R相,S相,T相の各電流路に流れる電流値をそれぞれ求める ことができる。但し、この場合、磁界センサ2R1,2R2の磁界検出角度とS 相の磁界方向との成す角度は一致せず、また磁界センサ2S1,2S2の磁界検 出角度とT相の磁界方向との成す角度は一致しないため、これらの角度差を考慮 する必要がある。例えば、図13に示すように磁界センサ2R1の磁界検出角度 と磁界ΦS ’との成す角度をθ1、磁界センサ2R2の磁界検出角度と磁界ΦS との成す角度をθ2とすれば、磁界センサ2R1はΦR とΦS ’cos θ1の合成 磁界を検出し、磁界センサ2R2はΦR とΦS cos θ2の合成磁界を検出するも のとして計算すればよい。尚、磁界センサの位置は電流路の両側である必要はな く、例えば図12中2S1’に示すように、自相(S相)電流路から比較的離れ た位置であってもよく、他相(R相)電流による磁界の影響を受けない向きに配 置すればよい。
【0074】
【考案の効果】
この考案によれば、ギャップ付きコアを用いることなく、またシールド手段を 用いることなく、被測定電流路以外の他の電流路に流れる電流により生じる磁界 の影響を受けずに、被測定電流の測定が可能であり、小型で絶縁性に優れた電流 測定装置が構成される。特に請求項1に係る電流測定装置によれば、各磁界セン サから被測定電流路までの距離と、該磁界センサの磁界検出方向と被測定電流に より生じる磁界方向との成す角度と、各磁界センサから他の電流路までの距離と 、該磁界センサの磁界検出方向と他の電流により生じる磁界方向との成す角度と 、被測定電流および他の電流のすべての通電状態で複数の磁界センサの検出する それぞれの磁界の強さとから、複数の磁界センサのうちの一つの磁界センサの配 置位置における、被測定電流により生じる磁界の強さを算出するため、複数の電 流路のうち、一つの電流路のみの通電状態で複数の磁界センサの検出する磁界の 強さの比を測定によって求める必要がない。また、請求項2に係る電流測定装置 によれば、被測定電流路または他の電流路のうち各一つの電流路のみの通電状態 で複数の磁界センサの検出する磁界の強さの比と、被測定電流および他の電流の すべての通電状態で複数の磁界センサの検出するそれぞれの磁界の強さとから、 複数の磁界センサのうちの一つの磁界センサの配置位置における、被測定電流に より生じる磁界の強さを算出するため、被測定電流路と他の電流路と各磁界セン サとの位置関係および距離関係が予め分かっていない場合でも、電流測定を行う ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の実施例である電流測定装置における
磁界センサの配置例を示す図である。
【図2】図1に示す磁界センサの構成およびそれを用い
たセンサ回路の例を示す図である。
【図3】この考案の実施例である電流測定装置の構成を
示すブロック図である。
【図4】図3に示すCPUの処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図5】図3に示すCPUの処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図6】電流路と磁界センサの配置および磁界センサの
検出する磁界の強さとの関係を示す図である。
【図7】測定時における電流路に対する磁界センサの配
置を示す図である。
【図8】他相電流のみの通電時における、他相電流と磁
界センサの出力との関係を示す図である。
【図9】自相電流のみの通電時における、自相電流と磁
界センサの出力との関係を示す図である。
【図10】電流路と磁界センサの配置および磁界センサ
の検出する磁界の強さとの関係を示す図である。
【図11】三相交流の各相の電流を測定する場合の磁界
センサの配置例を示す図である。
【図12】三相交流の各相の電流を測定する場合の磁界
センサの他の配置例を示す図である。
【図13】図12の要部拡大図である。
【図14】従来の電流測定装置における磁界センサの配
置例を示す図である。
【図15】従来の電流測定装置における磁界センサの配
置例を示す図である。
【図16】従来の電流測定装置における磁界センサの配
置例を示す図である。
【符号の説明】
R ,2RS,2ST−磁界センサ 1a−被測定電流路 1b−他の電流路

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定電流路に流れる被測定電流により
    生じる磁界と、前記被測定電流路に並行な他の電流路に
    流れる他の電流により生じる磁界との合成磁界をそれぞ
    れ検出し、且つ前記被測定電流路または前記他の電流路
    からの距離が異なる複数箇所に配置した複数の磁界セン
    サと、 前記各磁界センサから前記被測定電流路までの距離と、
    該磁界センサの磁界検出方向と前記被測定電流により生
    じる磁界方向との成す角度と、前記各磁界センサから前
    記他の電流路までの距離と、該磁界センサの磁界検出方
    向と前記他の電流により生じる磁界方向との成す角度
    と、前記被測定電流および前記他の電流のすべての通電
    状態で前記複数の磁界センサの検出するそれぞれの磁界
    の強さとから、前記複数の磁界センサのうちの一つの磁
    界センサの配置位置における、前記被測定電流により生
    じる磁界の強さを算出する電流測定用磁界算出手段と、 前記電流測定用磁界算出手段の算出した前記一つの磁界
    センサの配置位置における磁界の強さと、当該磁界セン
    サと前記被測定電流路間の距離とから、前記被測定電流
    を算出する被測定電流算出手段とを備えてなる電流測定
    装置。
  2. 【請求項2】 被測定電流路と、これに平行な単一また
    は複数の他の電流路とを含む平面内で、前記被測定電流
    路に流れる被測定電流により生じる磁界と、前記他の電
    流路に流れる他の電流により生じる磁界との合成磁界を
    それぞれ検出し、且つ前記被測定電流により生じる磁界
    の強さと前記他の電流により生じる磁界の強さとの比が
    異なる複数箇所に配置した複数の磁界センサと、 前記被測定電流路または前記他の電流路のうち各一つの
    電流路のみの通電状態で前記複数の磁界センサの検出す
    る磁界の強さの比と、前記被測定電流および前記他の電
    流のすべての通電状態で前記複数の磁界センサの検出す
    るそれぞれの磁界の強さとから、前記複数の磁界センサ
    のうちの一つの磁界センサの配置位置における、前記被
    測定電流により生じる磁界の強さを算出する電流測定用
    磁界算出手段と、 前記電流測定用磁界算出手段の算出した前記一つの磁界
    センサの配置位置における磁界の強さと、当該磁界セン
    サと前記被測定電流路間の距離とから、前記被測定電流
    を算出する被測定電流算出手段とを備えてなる電流測定
    装置。
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