JPH07129695A - バンキングシステムにおける取引明細管理方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記帳済の取引明細レコードを消去せずに記帳
後も参照できるようにし、かつ口座元帳レコードおよび
取引明細レコードを管理するデータベースにおける検索
効率の低下およびオーバフローの発生を回避する。 【構成】 口座状態判定部２は、各口座元帳レコード６
の配下の取引明細レコード７の数が移動基準数よりも多
いか否かを判定し、その判定に基づいて取引明細レコー
ド７の付替え処理を行うべき口座元帳レコード６を検出
する。取引明細判定部３は、口座状態判定部２により検
出された口座元帳レコード６の配下の各取引明細レコー
ド７が移動条件を満足するか否かを判定する。取引明細
移動部４は、取引明細判定部３により「移動条件を満足
する」と判定された取引明細レコード７をその取引明細
レコード７に対応する取引明細管理レコード８の配下に
移動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、銀行等の金融機関で取
引明細の口座毎の管理をデータベースによって実現する
バンキングシステムにおける取引明細管理方式に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】バンキングシステムにおいては、各口座
に関して生じる各取引の内容を示す取引明細レコードが
当該バンキングシステムにおけるデータベースで管理さ
れており（各口座に対応する口座元帳レコードの配下の
レコードとして取引明細レコードが管理されている）、
通帳を使用しない取引（磁気カードによるＡＴＭ（Ａｕ
ｔｏｍａｔｉｃ Ｔｅｌｌｅｒ Ｍａｃｈｉｎｅ）によ
る取引等）が可能にされている。

【０００３】従来、この種の管理を実現する「バンキン
グシステムにおける取引明細管理方式」では、取引明細
レコードの管理の主目的が顧客が保持する通帳への記帳
前の取引明細の管理にあることに鑑み、ある取引に関す
る記帳が終了するとその取引に対応する取引明細レコー
ドが消去されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来のバンキ
ングシステムにおける取引明細管理方式では、ある取引
に関する記帳が終了するとその取引に対応する取引明細
レコードが消去されているので、記帳後にもその取引に
対応する取引明細レコードの参照が必要になる場合に対
処できないという問題点があった。ここで、「記帳後に
取引明細レコードの参照が必要になる場合」には、通帳
を紛失した顧客等が取引明細の照会を行う場合や、金融
機関自身が各顧客の取引過程を詳細かつ迅速に入手した
いと要請する場合等がある。

【０００５】一方、このような問題点の発生を避けるた
めに、記帳後も取引明細レコードを口座元帳レコードの
配下に存置しておく方式も考えられるが、当該方式にお
いては口座元帳レコードの配下の取引明細レコードが過
大になるおそれがあり、また口座毎の取引回数の差異に
起因して各口座元帳レコードの配下の取引明細レコード
の数に偏りが生じるおそれもある。したがって、当該方
式で上述の問題点を解決することには、口座元帳レコー
ドおよび取引明細レコードを管理するデータベースにお
いて、検索効率の低下やオーバフロー（ある口座元帳レ
コードにおけるその配下の取引明細レコードのオーバフ
ロー）の発生の危険性があるという欠点を有していた。

【０００６】本発明の目的は、上述の点に鑑み、記帳済
の取引明細レコードを消去せずに記帳後も参照できるよ
うにし、かつ口座元帳レコードおよび取引明細レコード
を管理するデータベースにおける検索効率の低下および
オーバフローの発生を回避することができるバンキング
システムにおける取引明細管理方式を提供することにあ
る。

【０００７】なお、バンキングシステムにおける取引明
細の管理に関する従来技術としては、「特開昭６３−７
１７７１号（取引データ処理方式）」に係る技術が公表
されている。しかし、この技術は、取引明細の正常記帳
が終了するまで取引データ（本発明の取引明細レコード
に相当するデータ）を記憶する第２の記憶手段を設け、
記帳端末装置に障害が生じた場合でも当該第２の記憶手
段上の記憶内容を用いることにより、未記帳の取引デー
タが記帳前に消滅することを防ぐ技術である。したがっ
て、この技術は、正常記帳の終了後も取引明細レコード
の存置を図る本発明とは構成および目的等を異にするも
のである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のバンキングシス
テムにおける取引明細管理方式は、口座毎に口座元帳レ
コードを有し各取引に対応する取引明細レコードを口座
元帳レコードの配下に有するデータベースを持つバンキ
ングシステムにおいて、各口座元帳レコードの配下の取
引明細レコードの数が移動基準数よりも多いか否かを判
定しその判定に基づいて取引明細レコードの付替え処理
を行うべき口座元帳レコードを検出する口座状態判定部
と、この口座状態判定部により検出された口座元帳レコ
ードの配下の各取引明細レコードが移動条件を満足する
か否かを判定する取引明細判定部と、この取引明細判定
部により「移動条件を満足する」と判定された取引明細
レコードをその取引明細レコードに対応する取引明細管
理レコードの配下に移動する取引明細移動部とを有す
る。

【０００９】

【実施例】次に、本発明について図面を参照して詳細に
説明する。

【００１０】図１は、本発明のバンキングシステムにお
ける取引明細管理方式の一実施例の構成を示すブロック
図である。

【００１１】本実施例のバンキングシステムにおける取
引明細管理方式は、月に１度の頻度で集計処理等のバッ
チ処理を行う月次バッチ処理部１と、口座状態判定部
２，取引明細判定部３および取引明細移動部４を有し当
該各部による取引明細レコード７の付替え処理の統括的
な管理を行う取引明細付替え部５と、各口座（貯金口座
等）に関する情報が記録されており取引明細レコード７
の親レコードに該当する口座元帳レコード６と、口座元
帳レコード６に対応する口座に関する各取引の詳細情報
（取引年月日，取引金額および取引内容（入金／出金）
等）と記帳済フラグ（その記帳済フラグを有する取引明
細レコード７が記帳済であるか否かを示す情報）とが記
録されている取引明細レコード７と、移動後取引明細レ
コード９を一定の基準で区分するための区分情報が記録
されており移動後取引明細レコード９の親レコードに該
当する取引明細管理レコード８（取引明細管理レコード
８自身は区分情報以外の情報を有していない）と、移動
後の取引明細レコード７に該当する移動後取引明細レコ
ード９とを含んで構成されている。

【００１２】なお、口座元帳レコード６，取引明細レコ
ード７，取引明細管理レコード８および移動後取引明細
レコード９は、本実施例が適用されるバンキングシステ
ムにおけるデータベースの構成要素となるレコードであ
る。

【００１３】図２は、本実施例のバンキングシステムに
おける取引明細管理方式の処理を示す流れ図である。こ
の処理は、取引明細付替え部起動ステップ２０１と、口
座元帳レコード抽出ステップ２０２と、抽出可能判定ス
テップ２０３と、取引明細レコード数認識ステップ２０
４と、移動基準数超過判定ステップ２０５と、取引明細
レコード抽出ステップ２０６と、抽出可能判定ステップ
２０７と、移動条件満足判定ステップ２０８と、取引明
細管理レコード検索ステップ２０９と、取引明細レコー
ド移動ステップ２１０とからなる。

【００１４】次に、このように構成された本実施例のバ
ンキングシステムにおける取引明細管理方式の動作につ
いて説明する。

【００１５】月次バッチ処理部１は、月に１度の頻度で
所定のバッチ処理を行う際に、取引明細付替え部５を起
動する（ステップ２０１）。なお、一定の頻度で取引明
細付替え部５が起動されるならば、月次バッチ処理部１
による起動でなくてもかまわない。また、「一定の頻
度」は「月に１度の頻度」に限定されるものではない。

【００１６】取引明細付替え部５は、複数の口座元帳レ
コード６の中から順次に１つの口座元帳レコード６を抽
出し（ステップ２０２）、その抽出が可能であったか否
か（処理すべき口座元帳レコード６が残存したか否か）
を判定する（ステップ２０３）。

【００１７】取引明細付替え部５は、ステップ２０３で
「抽出が可能であった」と判定した場合には、ステップ
２０２で抽出した口座元帳レコードの検索キーを口座状
態判定部２に渡して口座状態判定部２を起動する。

【００１８】口座状態判定部２は、その検索キーに基づ
いて当該口座元帳レコード６を検索して当該口座元帳レ
コード６の配下（子レコード）の取引明細レコード７の
数を認識し（ステップ２０４）、その数が一定数（以
下、「移動基準数」という）よりも多いか否かを判定す
る（ステップ２０５）。移動基準数としては、経験的な
基準により、例えば「１６件」が採用される。

【００１９】口座状態判定部２は、ステップ２０５で
「取引明細レコード７の数が移動基準数よりも多い」と
判定した場合には、当該口座元帳レコード６を「取引明
細レコード７の付替え処理を行うべき口座元帳レコード
６」として認識（検出）し、取引明細判定部３に制御を
渡す。

【００２０】取引明細判定部３は、当該口座元帳レコー
ド６の配下の取引明細レコード７を先頭から順次検索し
て１つの取引明細レコード７を抽出し（ステップ２０
６）、その抽出が可能であったか否か（処理すべき取引
明細レコード７が残存したか否か）を判定する（ステッ
プ２０７）。

【００２１】取引明細判定部３は、ステップ２０７で
「抽出が可能であった」と判定した場合には、ステップ
２０６で抽出した取引明細レコード７が移動条件を満足
するか否かを判定する（ステップ２０７）。すなわち、
当該取引明細レコード７の取引が確定しており、かつ当
該取引明細レコード７（その取引明細の内容）が記帳済
であるか否かを判定する（「取引が確定していること」
および「記帳済であること」が移動条件に該当する）。
ここで、「取引が確定しているか否か」は当該取引明細
レコード７中の「取引年月日」の情報が現在の年月日よ
りも前であるか否かで判定し、「取引明細の内容が記帳
済であるか否か」は当該取引明細レコード７中の記帳済
フラグが「記帳済」を示しているか否かで判定する。

【００２２】取引明細判定部３は、ステップ２０８で
「当該取引明細レコード７が移動条件を満足する」と判
定した場合には、取引明細移動部４に当該取引明細レコ
ード７とともに制御を渡す。

【００２３】取引明細移動部４は、取引明細判定部３か
ら渡された取引明細レコード７中の「取引年月日」の情
報を調査し、その情報によって示される取引年月を区分
情報として有する取引明細管理レコード８を検索する
（該当する取引明細管理レコード８が存在しない場合に
は該当する取引明細管理レコード８を新たに作成する）
（ステップ２０９）。

【００２４】さらに、取引明細移動部４は、取引明細判
定部３から渡された取引明細レコード７をステップ２０
９で検索（場合によっては作成）した取引明細管理レコ
ード８の配下に移動し、当該取引明細レコード７を移動
後取引明細レコード９とする（ステップ２１０）。これ
により、移動基準数を上回る数の取引明細レコード７を
有する口座元帳レコード６における取引明細レコード７
の付替え処理が実現されたことになる。なお、取引明細
移動部４による移動の態様としては、逐次に各取引明細
レコード７を移動する態様に限られず、移動対象の取引
明細レコード７が一定数（例えば１０件）だけ生じた後
にそれらを一括して移動する態様も考えられる。

【００２５】取引明細移動部４は、ステップ２１０の移
動処理の終了後に取引明細判定部３によるステップ２０
６の処理に制御を返す。これにより、次の取引明細レコ
ード７に関する処理が開始される。

【００２６】また、取引明細判定部３は、ステップ２０
８で「当該取引明細レコード７が移動条件を満足しな
い」と判定した場合には、ステップ２０６の処理に制御
を返す。これにより、次の取引明細レコード７に関する
処理が開始される。

【００２７】取引明細判定部３は、ステップ２０７で
「抽出が可能でなかった」と判定した場合には、取引明
細付替え部５によるステップ２０２の処理に制御を返
す。これにより、次の口座元帳レコード６に関する処理
が開始される。

【００２８】また、口座状態判定部２は、ステップ２０
５で「取引明細レコード７の数が移動基準数以下であ
る」と判定した場合には、取引明細付替え部５によるス
テップ２０２の処理に制御を返す。これにより、次の口
座元帳レコード６に関する処理が開始される。

【００２９】取引明細付替え部５は、ステップ２０３で
「抽出が可能でなかった」と判定した場合には、今回の
「取引明細レコード７の付替え処理」を終了させる。

【００３０】なお、本実施例では移動対象の取引明細レ
コード７中の「取引年月日」の情報によって示される取
引年月を区分情報として有する取引明細管理レコード８
の配下に当該取引明細レコード７が移動される方式であ
ったが（この方式は請求項２記載の発明に対応する）、
取引明細管理レコード８の区分情報として「取引年月」
以外の情報を採用することも可能である（区分情報が任
意である方式が請求項１記載の発明に対応する）。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、記帳済の
取引明細レコードを記帳後も消去せずに保持することに
より、記帳済の取引明細レコードの内容に対する顧客や
金融機関からの参照の要請等に的確に対処することがで
きるという効果を有する。

【００３２】しかも、移動基準数による判定に基づいて
口座元帳レコードの配下から取引明細管理レコードの配
下への取引明細レコードの移動を行うことにより、上述
のような効果を得ながら、口座元帳レコードの配下の取
引明細レコードの検索効率の低下およびオーバフローの
発生を回避することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。

【図２】図１に示すバンキングシステムにおける取引明
細管理方式の処理を示す流れ図である。

【符号の説明】

１ 月次バッチ処理部 ２ 口座状態判定部 ３ 取引明細判定部 ４ 取引明細移動部 ５ 取引明細付替え部 ６ 口座元帳レコード ７ 取引明細レコード ８ 取引明細管理レコード ９ 移動後取引明細レコード

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 口座毎に口座元帳レコードを有し各取引
   に対応する取引明細レコードを口座元帳レコードの配下
   に有するデータベースを持つバンキングシステムにおい
   て、 各口座元帳レコードの配下の取引明細レコードの数が移
   動基準数よりも多いか否かを判定し、その判定に基づい
   て取引明細レコードの付替え処理を行うべき口座元帳レ
   コードを検出する口座状態判定部と、 この口座状態判定部により検出された口座元帳レコード
   の配下の各取引明細レコードが移動条件を満足するか否
   かを判定する取引明細判定部と、 この取引明細判定部により「移動条件を満足する」と判
   定された取引明細レコードをその取引明細レコードに対
   応する取引明細管理レコードの配下に移動する取引明細
   移動部とを有することを特徴とするバンキングシステム
   における取引明細管理方式。
2. 【請求項２】 移動対象の取引明細レコード中の「取引
   年月日」の情報によって示される取引年月を区分情報と
   して有する取引明細管理レコードの配下に当該取引明細
   レコードを移動する前記取引明細移動部を有することを
   特徴とする請求項１記載のバンキングシステムにおける
   取引明細管理方式。