JPH0712862A - 2段階高速フーリエ変換方法 - Google Patents

2段階高速フーリエ変換方法

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JPH0712862A
JPH0712862A JP5156432A JP15643293A JPH0712862A JP H0712862 A JPH0712862 A JP H0712862A JP 5156432 A JP5156432 A JP 5156432A JP 15643293 A JP15643293 A JP 15643293A JP H0712862 A JPH0712862 A JP H0712862A
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Hideo Suzuki
秀雄 鈴木
Shinji Yanai
伸治 屋内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粗FFTの窓関数の設計の自由度を上げ、所
定通過帯域でのリップル特性と折り返し領域でのサイド
ローブレベルとを有する窓関数を2段階FFTに適用で
きるようにする。 【構成】 窓乗算器11は、窓関数の次数を粗FFTの
次数NのU倍にとり、粗FFTの次数Nに対するオーバ
ラップ率でオーバラップされた入力サンプルデータに対
し、U・Nの長さの窓関数の乗算処理を行う。加算器1
2では、乗算処理の結果をU個のブロックに分割し、各
ブロック間で各サンプルの加算処理を行ってN個のサン
プルデータを求める。求められたN個のサンプルデータ
を粗FFT用周波数分析器4に入力させてN次の粗FF
Tを実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2段階高速フーリエ変
換方法に係り、さらに詳しくは、入力信号の周波数分
析、例えば、雑音を含む狭帯域入力信号の中心周波数を
検知する狭帯域信号周波数検知装置等に適用される2段
階高速フーリエ変換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、狭帯域入力信号の中心周波数検知
技術として、例えば、次の文献に記載された2段階高速
フーリエ変換方法(2段階 Fast Fourier Transform Me
thod;以下、2段階FFTという)がある。 文献;ADレポート 785 850.(1974) Naval Underwater
Systems Center(米).Albert H. Nuttall “An Approxi
mate Fast Fourier Transform Technique for Vernier
Spectral Analysis” 2段階FFTは、比較的大きな次数での高速フーリエ変
換(以下、FFTという)による周波数分析の近似手法
として知られている。2段階FFTは、一般に、狭帯域
入力信号に対して、スペクトル遅延関数と呼ばれるとこ
ろの、最終的に必要とされる周波数分析幅よりも広い周
波数分析幅を得るフーリエ変換(以下、粗FFTとい
う)を行なった後、その出力の各周波数ビンの時系列に
対して、バーニア周波数分析と呼ばれるところの、フー
リエ変換(以下、精FFTという)を行なうことによ
り、所望の狭帯域入力信号の中心周波数を検知する方法
である。
【0003】以下、従来の2段階FFTについて説明し
た後、この2段階FTTを適用した狭帯域信号周波数検
知装置の構成例について述べる。従来の2段階FFTに
おいては、先ず、サンプリング間隔T でサンプリングさ
れた入力信号 x(t) に対して、各周波数毎に次式(1) で
定義される離散フーリエ変換のスペクトル遅延関数を計
算する。
【0004】
【数1】 (1)式は、時間間隔S によって繰り返し実行され、1周
期のスペクトル遅延関数を算出する毎に k がインクリ
メントされる。つまり、時間窓関数w の x に対する遅
延が1周期当りのスペクトル遅延関数を算出する毎に S
相当分だけ増加することになる。この場合、例えば、
S 相当分だけ増加することによるサンプルデータのオー
バラップ率をα(0<α<1)とすると、時間間隔S は次式
(2) で与えられる。 S = (1-α)・NT ‥‥(2) 一方、時間窓関数 w(nT)を のように定義すると、 (1)式は、次式(4) のように変形
できる。
【0005】
【数2】 (4)式から、スペクトル遅延関数は、 w(mT)・x(mT+kS)
の時系列のサンプルデータに対して、 N点のFFTを実
行し、かつ位相補償項 H(p,k)
【数3】 を乗算することで求めることができる。このFFTが粗
FFTである。一般に、 (5)式で与えられる位相補償項
H(p,k) は、 50%オーバラップ(α=0.50)のとき、 (-1)pk ‥‥(6) 75%オーバラップ(α=0.75)のとき、 (-j)pk ‥‥(7) 等のように計算が容易な値に選択される。
【0006】次に、 (4)式のスペクトル遅延関数の時系
列データを用いて、バーニア周波数分析を行なう。求め
るバーニアスペクトルYは、バーニア周波数分析幅を 1
/MSとすれば、各周波数 p/NT 毎に、 (4)式の結果X で
の M点の時系列データを用いて、次式(8) により計算で
きる。
【0007】
【数4】 (8)式から、バーニア周波数分析幅 1/MS は、 d(kS)・X
(p/NT,kS) の時系列のサンプリングに対して、 M点のF
FTを実行して求めることができる。このFFTが精F
FTである。ここで、 M点でのFFTを実行したときの
バーニア周波数ビン番号q の採用範囲、つまり、計算範
囲は、 50%オーバラップ;周波数ビン番号p の中心周波数を
含むバーニア 周波数ビン番号q を中心にして ± M/4ビン 75%オーバラップ;周波数ビン番号p の中心周波数を
含むバーニア 周波数ビン番号q を中心にして ± M/8ビン となる。
【0008】次に、このような2段階FFTを適用した
狭帯域信号周波数検知装置の構成例について説明する。
図2は、従来の2段階FTTを適用した狭帯域信号周波
数検知装置の一構成例を示す機能ブロック図である。こ
の狭帯域信号周波数検知装置は、入力端子1に入力され
るアナログ信号をアナログ/ディジタル(以下、A/D
という)変換するA/D変換器2を有しており、このA
/D変換器2には、変換されたディジタル信号に粗FF
Tの窓関数を乗算する窓乗算器3を介してN次のFFT
を行なう粗FFT用周波数分析器4が接続されている。
また、各周波数ビンの各サンプル毎に位相補償量を発生
して、精FFTのための時間窓関数を生成する位相補償
量発生器5を設けると共に、これらの粗FFT用周波数
分析器4と位相補償量発生器5とが、位相補償量と時間
窓関数の乗算結果を乗算する各乗算器6−1,6−2,
‥‥,6−Lに接続されている。さらに、各乗算器6−
1,6−2,‥‥,6−Lは、各サンプルの乗算結果に
よってM次のFFTを行なう各精FFT用周波数分析器
7−1,7−2,‥‥,7−Lが接続されており、その
結果を各出力端子8−1,8−2,‥‥,8−Lに出力
するようになっている。
【0009】次に、図2の装置を用いた狭帯域信号の周
波数検知方法について説明する。図示しない狭帯域信号
発生源から入力端子1に入力されるアナログ信号は、A
/D変換器2により、必要に応じて所定の帯域制限をな
した後、サンプリング定理を満足するサンプリング周波
数によってA/D変換され、変換されたディジタル信号
が窓乗算器3に出力される。窓乗算器3においては、デ
ィジタル信号をオーバラップ率αでオーバラップしたN
サンプルの時系列データ、つまり、 (2)式の遅延時間S
だけ遅延させたNサンプルの時系列データの各単位毎
に、 (3)式の粗FFTの窓関数を乗算して、各乗算結果
を粗FFT用周波数分析器4に出力する。粗FFT用周
波数分析器4では、Nサンプルの各窓乗算結果の入力に
対してN次のFFTを行ない、各結果の中から、バーニ
ア周波数分析を行なうところの、各周波数帯域に相当す
る周波数ビンL個を各周波数ビン毎に対応する各乗算器
6−1,6−2,‥‥,6−Lに出力する。
【0010】一方、位相補償量発生器5では、各周波数
ビンの各サンプル毎に (5)式の位相補償量を発生すると
共に、精FFTのための時系列データに乗算する時間窓
関数d(kS) を生成して、 (8)式の
【数5】 を各周波数ビンの各サンプル毎に計算し、各計算結果を
各周波数ビン毎に対応する各乗算器6−1,6−2,‥
‥,6−Lに出力する。第1の乗算器6−1では、粗F
FT用周波数分析器4からの第1の周波数ビンの出力結
果を必要に応じてオーバラップしながら、Mサンプルの
時系列データの単位にまとめ、各単位毎に、位相補償量
発生器5からの第1の周波数ビンにおける位相補償量と
時間窓関数d(kS) との乗算結果を乗算し、かつその乗算
結果を第1の精FFT用周波数分析器7−1に出力す
る。この動作は、第2以下の各乗算器6−2,‥‥,6
−Lについても全く同様である。第1の精FFT用周波
数分析器7−1では、第1の乗算器6−1から入力され
るMサンプルの乗算結果によってM次のFFTを行な
い、その結果の中から、窓乗算器3による粗FFTのオ
ーバラップ率αに応じたバーニア周波数ビンQ個を出力
端子8−1に出力する。この場合、Qの値については、
前述したように、例えば、50%オーバラップの場合に
M/2個、75%オーバラップの場合に M/4個となる。以
上の動作は、第2以下の各精FFT用周波数分析器7−
2,‥‥,7−Lについても全く同様である。各出力端
子8−1,8−2,‥‥,8−Lからは、各精FFT用
周波数分析器7−1,7−2,‥‥,7−Lの結果が後
段の処理装置に出力される。この後段処理装置では、例
えば、各バーニア周波数毎にパワー算出を行なうことに
より、信号周波数の検出を行なう等の必要とされる種々
の処理が実施される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
2段階FFTでは、次のような問題があり、それを解決
することが困難であった。一般に、FFTでは、時間領
域における打ち切りのために帯域外への信号成分の洩れ
が発生し、これがサンプリングを行なうことで、折り返
しとして帯域内への影響を与える。このFFTの出力の
1ビン内での折り返しの影響は、適当な窓関数を掛け、
洩れを抑制して低減させることが可能である。図3は、
従来の問題点を説明する図である。この図は、2段階F
FTにおける折り返しの影響を説明するためのもので、
粗FFTの出力の1ビンの通過特性が示されている。図
3に示されているように、精FFTの使用領域 (1/NT)
は、粗ビンの中心周波数 f0より、1/Sだけ離れたところ
を中心にして、 1/NT の幅相当分の領域からの折り返し
の影響を受ける。従って、この折り返しの影響を小さく
するためには、次の(1),(2) の何れかの方法をとる必要
がある。
【0012】(1) オーバラップ率αを増加させることに
より、1/S を大きくさせ、折り返し領域を窓関数のサイ
ドローブの十分に小さい領域に移動させる。 (2) 精FFTの使用領域(以下、通過領域という)のリ
ップル特性ができるだけ平坦な特性を有し、かつ折り返
し領域で規定の漏れ込み量を満足する周波数特性を有す
る粗FFTの窓関数を設計する。 ところが、前記(1),(2) の方法では、次のような問題
(a),(b) があった。 (a) 前記(1) のオーバラップ率αを増加させる方法にお
いては、処理量が非常に増大してハードウェアの規模が
大きくなる。例えば、75%オーバラップの場合の2段
階FFTでは、50%オーバラップの場合の2倍以上の
処理能力を必要とする。 (b) 前記(2) の最適な窓関数を設計する方法において
は、窓関数の次数が決定すると、通過領域のリップル特
性と折り返し領域のサイドローブレベルの特性とが、相
互にトレードオフの関係にあって、必然的に実現できる
窓関数の特性に限界がある。また、単純に窓関数の次数
を2倍にすると、分析幅が半分になり、その結果、通過
帯域を半分にする必要があるために、殆んど改善効果が
得られない。 本発明は、前記従来の2段階FFT技術が持っていた課
題として、折り返しの影響を小さくするためにはオーバ
ラップ率を増加させる必要があり、この結果、処理量が
非常に増大するという点を解消し、かつ粗FFTにおけ
る窓関数の設計の自由度を上げて、所定の通過帯域での
リップル特性と折り返し領域でのサイドローブレベルと
を有する窓関数を適用できるようにした2段階FFTを
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、入力信号に対して、スペクトル遅延関数
と呼ばれる最終的に必要とされる周波数分析幅よりも広
い周波数分析幅を得べくN次の粗FFTを行なった後、
粗FFT変換出力での各周波数ビンの時系列データに対
して、M次の精FFTを行なうことにより、入力信号の
中心周波数を検知する2段階FFTにおいて、次のよう
な手段を講じている。即ち、前記粗FFTの次数NのU
倍(但し、Uは2以上の整数)の入力サンプルデータに
対して、U×Nの長さを有する粗FFTの窓関数を乗算
する乗算処理と、前記乗算処理の結果をU個のブロック
に分割すると共に、このU個のブロック間で各サンプル
をそれぞれ加算してN個のサンプルデータを求める加算
処理とを実行して、前記加算処理で求めたN個のサンプ
ルデータを前記粗FFTの入力としている。
【0014】
【作用】本発明によれば、以上のように2段階FFTを
構成したので、例えば、窓関数の次数を粗FFTの次数
NのU倍にとり、かつ粗FFTの次数Nに対するオーバ
ラップ率でオーバラップされた入力サンプルデータに対
し、乗算処理によってU×Nの長さの窓関数が乗算され
る。また、加算処理によって、乗算結果をU個のブロッ
クに分割し、かつ各ブロック間での各サンプルデータが
加算されることで、N個のサンプルデータが求められ、
このN個のサンプルデータが粗FFTに入力される。以
後、所期通りに粗FFTと精FFTとの各FFT処理が
なされる。これにより、粗FFTにおける窓関数の設計
の自由度が改善されると共に、所定の通過帯域でのリッ
プル特性と折り返し領域でのサイドローブレベルとを有
する窓関数を2段階FFTに適用し得る。従って、前記
課題を解決できるのである。
【0015】
【実施例】本実施例では、2段階FFTについて説明し
た後、この2段階FFTを適用した狭帯域信号周波数検
知装置について説明する。本実施例の2段階FFTにお
いて、サンプリング間隔T でサンプリングされたデータ
のU・N次のFFTは、次式(9) で与えられる。
【0016】
【数6】 本実施例の要点は、 (9)式において、後段の精FFTに
出力する粗FFTの各周波数ビンについてUの倍数のビ
ンのみを採用している。つまり、 p=U・P’ p’=0,1,2,3,… ‥‥(10) とし、(10)式で与えられる各周波数ビンによって精FF
Tの使用領域 1/NT を代表させるようにしたものであ
る。これによって、窓関数の次数をU倍にしても通過帯
域を 1/U にする必要がなく、その結果、通過帯域での
リップル特性と、折り返し領域でのサイドローブレベル
とを制御する自由度が向上する。ここで、(10)式を (9)
式に代入して、exp(-j2πkp′)=1(kは整数)であること
を考慮すると、Uの倍数のビン出力は次式(11)で与えら
れる。
【0017】
【数7】 この(11)式は、次のことを意味する。即ち、U・N次の
FFTでのUの倍数の周波数ビン出力は、先ず、U・N
サイズの粗FFTの窓関数を乗算したサンプルデータ w(0)・x(0)〜w([UN-1]・T)・x([UN-1]・T) について、 w(0)・x(0)〜w([N-1]・T)・x([N-1]・T) w(NT)・x(NT)〜w([2N-1]・T)・x([2N-1]・T) : : w([U-1]NT)・x([U-1]NT)〜w([UN-1]・T)・x([UN-1]・T) のU個のブロックに分割する。ついで、このU個のブロ
ック間で各サンプルを加算してN個のサンプルデータと
し、かつこれらのN個のサンプルデータに対し、N次の
粗FFTを実行して求めることができる。
【0018】次に、このような2段階FFTを適用した
狭帯域信号周波数検知装置の構成例について説明する。
図1は、本実施例の2段階FTTを適用した狭帯域信号
周波数検知装置を示す機能ブロック図である。なお、こ
の図1の構成において、従来の図2中の要素と共通の要
素には共通の符号が付されている。この狭帯域信号周波
数検知装置では、図2に示す従来の2段階FFTによる
狭帯域信号周波数検知装置の構成において、A/D変換
器2と粗FFT用周波数分析器4との間に介在される窓
乗算器3に代え、A/D変換器2の出力側に接続される
窓乗算器11と、この窓乗算器11の出力側に接続さ
れ、かつ粗FFT用周波数分析器4の入力側に接続され
る加算器12とを設けている。窓乗算器11は、窓関数
の次数を粗FFTの次数NのU倍(但し、Uは2以上の
整数)にとり、かつ粗FFTの次数Nに対するオーバラ
ップ率αによってオーバラップされたU・Nの長さのサ
ンプルされた時系列データと窓関数の乗算処理を行なう
機能を有している。加算器12は、窓乗算器11による
乗算処理の結果をU個のブロックに分割すると共に、こ
のU個のブロック間で各サンプルの加算処理を行なって
N個のサンプルデータを求める機能を有している。粗F
FT用周波数分析器4では、この求められたN個のサン
プルデータに対してN次の粗FFTを実行する。
【0019】次に、図1の装置を用いた狭帯域信号の周
波数検知方法について説明する。図示しない狭帯域信号
発生源から入力端子1に入力されるアナログ信号は、A
/D変換器2によって、必要に応じ所定の帯域制限がな
された後、サンプリング定理を満足するサンプリング周
波数によってA/D変換され、その変換結果のディジタ
ル信号が窓乗算器11に出力される。窓乗算器11で
は、A/D変換器2からのディジタル信号を後段の粗F
FTの次数Nに対するオーバラップ率αによってオーバ
ラップしたU・Nサンプルの時系列データ、即ち、 (2)
式によって与えられる遅延時間S だけ遅延されたU・N
サンプルの時系列データの単位にまとめる。さらに、各
単位毎にU・Nの長さの粗FFTの窓関数を乗算し、そ
の各乗算結果を加算器12に出力する。例えば、 U=2,
粗FFTの次数N=512 として粗FFTのオーバラップ率
を 0.5にとった場合には、遅延サンプル数S/T が 256
となり、U・N単位のデータ 1024 サンプルに対しては
75%オーバラップすることになる。ここで、粗FFT
の窓関数及びUの値は、必要とされる通過帯域でのリッ
プル特性と折り返し領域でのサイドローブレベルとから
決められる。加算器12では、窓乗算器11からのU・
Nサンプルの窓乗算結果 w(0)・x(0)〜w([UN-1]・T)・x([UN-1]・T) が入力されて、この入力データをU個のブロックに分割
し、かつこれらのU個のブロック間で各サンプルを次の
ように加算し、
【数8】 これをN個のサンプルデータとして、後段の粗FFT用
周波数分析器4に出力する。粗FFT用周波数分析器4
では、加算器12から入力されるNサンプルの各加算結
果に対してN次のFFTを行ない、その各結果の中か
ら、バーニア周波数分析を行なうところの、各周波数帯
域に相当する周波数ビンL個を、各周波数ビン毎に各乗
算器6−1,6−2,‥‥,6−Lに出力する。一方、
位相補償量発生器5においては、 (5)式によって与えら
れる位相補償量を各周波数ビンの各サンプル毎に発生す
ると共に、精FFTのための時系列データに乗算する時
間窓関数d(kS) を生成し、 (8)式の
【数9】 を各周波数ビンの各サンプル毎に計算し、それぞれの各
計算結果を各周波数ビン毎に対応する各乗算器6−1,
6−2,‥‥,6−Lに出力する。
【0020】第1の乗算器6−1では、粗FFT用周波
数分析器4からの第1の周波数ビンの出力結果を必要に
応じてオーバラップしながらMサンプルの時系列データ
の単位にまとめ、その単位毎に、位相補償量発生器5か
らの第1の周波数ビンにおける位相補償量と時間窓関数
d(kS) との乗算結果を乗算して、その結果を第1の精F
FT用周波数分析器7−1に出力する。この動作は、第
2以下の各乗算器6−2,‥‥,6−Lについても全く
同様である。第1の精FFT用周波数分析器7−1で
は、第1の乗算器6−1から入力されるMサンプルの乗
算結果によってM次のFFTを行ない、その結果の中か
ら、窓乗算器11による粗FFTのオーバラップ率αに
応じたバーニア周波数ビンQ個を出力端子8−1に出力
する。この場合、Qの値については、前述したように、
例えば、50%オーバラップの場合に M/2個、75%オ
ーバラップの場合に M/4個となる。以上の動作は、第2
以下の各精FFT用周波数分析器7−2,‥‥,7−L
についても全く同様である。各出力端子8−1,8−
2,‥‥,8−Lからは、各精FFT用周波数分析器7
−1,7−2,‥‥,7−Lの結果が後段の処理装置に
出力される。この処理装置においては、例えば、各バー
ニア周波数毎にパワー算出を行なうことによって、信号
周波数の検出を行なう等の必要とされる種々の処理が実
施される。
【0021】以上のように、本実施例では、従来の狭帯
域信号周波数検知装置での窓乗算器3に代え、窓乗算器
11と加算器12とを設け、N個のサンプルデータに対
してN次の粗FFTを実行するようにしたので、Uの値
を適当に選択して窓関数の設計の自由度を上げること
で、必要とされる通過帯域でのリップル特性と折り返し
領域のサイドローブレベルを有する窓関数を容易に設計
できる。しかも、この窓関数を後段の粗FFT用周波数
分析器4に適用することにより、処理量を大幅に増加さ
せずに折り返しの影響の大幅な低減が図れる。なお、本
発明は上記実施例にのみ限定されるものではなく、種々
の変形が可能である。その変形例としては、例えば、上
記実施例に示した各ブロック要素を他のハードウエアに
よって構成したり、あるいはDSP等によりソフトウエ
アとして処理することも可能である。さらに、上記実施
例における2段階FFTを図1の狭帯域信号周波数検知
装置以外の装置にも適用できる。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
従来の2段階FFTでの粗FFTの窓乗算器に代えて、
窓関数の次数を粗FFTの次数NのU倍にとり、かつ粗
FFTの次数Nに対するオーバラップ率によってオーバ
ラップされたU・Nサイズの入力データに対して、U・
Nサイズの窓関数を乗算する乗算処理と、その乗算処理
の結果をU個のブロックに分割し、これらのU個のブロ
ック間で各サンプルを加算してN個のサンプルデータを
求める加算処理とをそれぞれ実行して、この加算処理で
求めたN個のサンプルデータを用い、N次の粗FFTを
なすようにしている。そのため、Uの値を適当に選択す
ること、つまり、窓関数の設計の自由度を上げることに
よって、必要とされる通過帯域のリップル特性と折り返
し領域のサイドローブレベルとを有する窓関数を容易に
設計できる。そして、この窓関数を乗算処理に適用する
ことによって、オーバラップ率を上げることができ、結
果的に、処理量の大幅な増加なしに、2段階FFTにお
ける折り返しの影響の大幅な低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の2段階FFTを適用した狭帯
域信号周波数検知装置を示す機能ブロック図である。
【図2】従来の2段階FFTを適用した狭帯域信号周波
数検知装置を示す機能ブロック図である。
【図3】従来の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1 入力端子 2 A/D変換器 4 粗FFT用周波数分析器 5 位相補償量発生器 6−1〜6−L 乗算器 7−1〜7−L 精FFT用周波数分析器 8−1〜8−L 出力端子 11 窓乗算器 12 加算器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 狭帯域による入力信号の中心周波数を検
    知するために、入力信号に対して、最終的に必要とされ
    る周波数分析幅よりも広い周波数分析幅を得べくN次の
    粗フーリエ変換を行なった後、この粗フーリエ変換出力
    での各周波数ビンの時系列データに対して、M次の精フ
    ーリエ変換を行なうようにした2段階高速フーリエ変換
    方法において、 前記粗フーリエ変換での次数NのU倍(但し、Uは2以
    上の整数)の入力サンプルデータに対して、U×Nの長
    さを有する粗フーリエ変換の窓関数を乗算する乗算処理
    と、 前記乗算処理の乗算結果をU個のブロックに分割し、こ
    のU個のブロック間で各サンプルをそれぞれ加算して、
    N個のサンプルデータを求める加算処理とを実行し、 前記加算処理で求めたN個のサンプルデータを前記粗フ
    ーリエ変換の入力とすることを特徴とする2段階高速フ
    ーリエ変換方法。
JP15643293A 1993-06-28 1993-06-28 2段階高速フーリエ変換方法 Expired - Fee Related JP3146093B2 (ja)

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