JP2002162980A - 2段階の処理による周波数分析方法 - Google Patents

2段階の処理による周波数分析方法

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JP2002162980A
JP2002162980A JP2000360789A JP2000360789A JP2002162980A JP 2002162980 A JP2002162980 A JP 2002162980A JP 2000360789 A JP2000360789 A JP 2000360789A JP 2000360789 A JP2000360789 A JP 2000360789A JP 2002162980 A JP2002162980 A JP 2002162980A
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JP2000360789A
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Shinya Watanabe
信也 渡邉
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体的な処理量を増大させることなく、窓に
よるサイドローブの低減効果を増加する能力を持ちなが
ら、効率よく処理を行うことができる2段階の処理によ
る周波数分析方法を提供する。 【解決手段】 音響信号の時系列データを必要に応じて
オーバーラップしながら切り出し、この切り出した時系
列データに対して、前記周波数分割処理におけるサイド
ローブを低減するための窓を、前記周波数分割処理で行
う離散フーリエ変換の次数より長い次数の窓で乗算し、
前記窓を乗算した時系列データに対して、前記周波数分
割処理で行う離散フーリエ変換の次数毎に分割し、各サ
ンプリング毎に加算処理し、前記周波数分割処理を任意
の周波数を中心に行う場合に、前記離散フーリエ変換結
果に起こる周波数シフトを補償し、この周波数シフトを
補償した結果に対してさらに細かい分析幅で詳細に周波
数分析を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雑音中に埋もれた
狭帯域信号の検出に使用される2段階の処理による周波
数分析方法に係り、特に、周波数分析の手法で、特に細
かい分析幅を必要とする場合に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば、音響信号を特に細かい分析幅で周波数分析する
ような場合、最初に、最終的に必要な分析幅よりもある
程度広い(粗い)分析幅で周波数帯域を分割(周波数分
割処理)した後、この周波数分割された音響信号に対し
てさらに細かい分析幅で詳細に周波数分析(詳細周波数
分析処理)を行う2段階の処理による周波数分析方法を
用いる。
【0003】図3はかかる従来の2段階FFTを用いた
周波数分析システム構成図である。
【0004】この例においては、前記した周波数分割処
理と詳細周波数分析処理をどちらとも高速フーリエ変換
(FFT)を用いて実現し、特に周波数分割処理を行う
FFTを粗FFT、詳細周波数分析処理を行うFFTを
精FFTと呼ぶ。また、この従来方法では、2段階FF
Tを行うことにより発生するサイドローブ(必要な周波
数帯域への隣接する帯域からの折り返し)低減効果を増
大させるための処理を行っている。
【0005】この従来技術の詳しい原理について、簡単
に述べる(詳細は、特開平7−12862号公報参
照)。
【0006】この方式での特徴は、次数Nの粗FFTを
行う場合に、後に説明する加算回数をQとしたときにN
×(Q+1)の長さの窓によるサイドローブ低減効果が
得られることである。ここでは、その1例として、加算
回数が1回のときに次数Nの粗FFTで、2Nの窓の効
果が得られることを説明する。
【0007】時系列データx(k)のフーリエ変換次数
をN′=2NとしてFFTしようとするときのある1つ
の周波数ビンの離散フーリエ変換結果は次式で表せる。
【0008】
【数3】
【0009】n′=0,1,2,3,…,N′−1ただ
し、w(k)は折り返しを低減するための窓係数、Δ
f′は2N次の粗FFTにおける分析幅、fsは時系列
データx(k)のサンプリング周波数である。
【0010】この周波数ビンの内、偶数番目のビンの出
力結果であるn′=0,2,4,…,N′−2だけを取
り出すことを考え、n′=2nとおくと式(1)は次の
ように変形できる。
【0011】
【数4】
【0012】ただし、Δf=fs/Nである。
【0013】以上のように、この式(2)の結果の〔〕
内の加算を先に実施しN次のFFTを行えば、2N次の
FFTの偶数番目のビンの出力が得られる。このこと
は、適当な窓を選ぶことにより、N次のFFTで得られ
る分析幅と等価な分析幅を得られるのと同時に、2Nの
長さの窓が時系列データx(k)に掛かっているので、
サイドローブを低減する窓の効果は2Nの窓と同等で得
られることを示している。また、この〔〕内のN個の単
位で窓と乗算した時系列データを加算する回数を加算回
数と呼び、この場合前記したようにQ=1となってい
る。
【0014】次に、この方式の動作について説明する。
【0015】図3において、1は入力端子、2は窓乗算
器、3は加算処理器、4は粗FFT処理器、5−1〜5
−Lは位相補償器、6−1〜6−Lは精FFT処理器、
7−1〜7−Lは出力端子である。
【0016】入力端子1を通じて窓乗算器2には、音響
信号をディジタル信号化した時系列データがサンプリン
グ周波数fsのレートで入力される。窓乗算器2では、
この時系列データを、必要に応じてオーバーラップ処理
させながら切り出し、この切り出されたデータに、2段
階FFTにより発生するサイドローブを低減するための
窓を乗算する。この窓の係数は、必要なサイドローブの
低減量と帯域のリップル特性から選定する。また、ここ
でのオーバーラップ処理で切り出すデータ数と窓の次数
は、後段の加算処理器3での加算回数Qと粗FFT処理
器4でのフーリエ変換次数Nによって決まり、そのデー
タ数及び次数はN×(Q+1)となる。例えば加算処理
器3での加算回数が1回ならば、このオーバーラップ処
理で切り出すデータ数とこの窓の次数は2Nとなる。こ
の窓を乗算した時系列データを加算処理器3に出力す
る。加算処理器3では、この窓を乗算した時系列データ
をx(1),x(2),x(3),…,x〔N×(Q+
1)〕とすると、次のような加算処理を行い粗FFT処
理器4に出力する。
【0017】
【数5】
【0018】ただし、Qは加算処理器3での加算回数、
Nは粗FFT処理器4でのフーリエ変換次数である。
【0019】粗FFT処理器4では、この加算されたデ
ータについてN次の実高速フーリエ変換を行うことで0
Hzからfs/2Hzに相当する周波数ビンをN/2個
作成する。これを粗の周波数ビンと呼ぶ。ここで、この
N/2個の粗の周波数ビンのうち、各ビンでの中心周波
数が最も低い1番目(ビン番号0)のビンをX0 、2番
目(ビン番号1)のビンをX1 、3番目(ビン番号2)
のビンをX2 、…、N/2番目(ビン番号N/2−1)
のビンをXN/2-1 とすると、それぞれの粗の周波数ビン
での中心周波数は、粗FFTでの分析幅がΔfHzのと
き、必ずこの分析幅Δf刻みで、0,Δf,2・Δf,
3・Δf,…,(N/2−1)・ΔfHzとなる。
【0020】そして、この粗の周波数ビンX0 を位相補
償器5−1に、X1 を位相補償器5−2に、…、X
N/2-1 を位相補償器5−Lにそれぞれ出力する。位相補
償器5−1〜5−Lは窓乗算器2でディジタル信号化し
た時系列データをオーバーラップ処理したときに、後段
の精FFTでの詳細周波数分析結果に起きる周波数シフ
トに対して、例えば次式のように各粗の周波数ビンの中
心周波数で決まる補償量を、各位相補償器に入力される
粗の周波数ビンの時系列方向に乗算することで補償し、
精FFT処理器6−1〜6−Lにそれぞれ出力する。
【0021】
【数6】
【0022】k=0,1,2,…,M−1 ただし、Xi (k)はビン番号i番目の粗の周波数ビン
のk番目の時系列データ、Ovpは窓乗算器2でのオー
バーラップ率、Nは粗FFTでのフーリエ変換次数であ
る。
【0023】精FFT処理器6−1〜6−Lは、この補
償された各周波数ビンを、それぞれ生成された順に時系
列に並べてバッファリングし、M次の複素高速フーリエ
変換を行うことで詳細周波数分析された周波数ビンをそ
れぞれ得る。これを精の周波数ビンと呼ぶ。そしてこの
精の周波数ビンを出力端子7−1〜7−Lを介して外部
にそれぞれ出力する。
【0024】このような動作を行うことで、この従来方
式の2段階FFTを用いた周波数分析方法の例では、窓
の次数を2Nとし加算処理器3で窓を乗算した時系列デ
ータを1回加算することで、2段階FFTを行うことに
より発生するサイドローブは、N次の窓を使用して加算
せずに2段階FFTを構成した場合と比較すると大きく
低減される。
【0025】また、この時系列データの加算をせずに2
段階FFTを実施した場合で、この加算した場合と同様
の効果を得るためには、式(4)のオーバーラップ率を
増加させることで可能となるが、処理量が大幅に増加す
る。従来方式の加算による2段階FFTはこの処理の大
幅な増加なしにサイドローブ低減能力が高いという特徴
を有している。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来方式の2段階FFTを用いた周波数分析方法では以下
のような問題が発生する。
【0027】従来の2段階のFFTでは、式(2)で計
算したように粗FFTの周波数分割単位は、粗FFTで
の分析幅をΔf(=fs/N)とすると、0,Δf,2
・Δf,3・Δf,…,(N/2−1)・ΔfHzとな
る。ここで、分析したい信号の周波数が事前に分かって
おり、その周波数が粗FFTの周波数分割単位の境界、
例えば1.5・Δfであった場合でかつ、その周りの周
波数のみ分析したい場合であっても、粗FFTによりN
/2ビン分の周波数分割処理を実施するか、あるいは、
Δfと2・Δfの2つの中心周波数に関して粗FFTと
同様の離散フーリエ変換(DFT)を行う必要がある。
【0028】本発明は、上記問題点を除去し、全体的な
処理量を増大させることなく、窓によるサイドローブの
低減効果を増加する能力を持ちながら、効率よく処理を
行うことができる2段階の処理による周波数分析方法を
提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕音響信号を最終的に必要な分析幅よりもある程度
広い分析幅で周波数帯域を離散フーリエ変換によって分
割(周波数分割処理)した後、この周波数分割された音
響信号に対してさらに細かい分析幅で詳細に周波数分析
(詳細周波数分析処理)を行う2段階の処理による周波
数分析方法において、前記音響信号の時系列データを必
要に応じてオーバーラップしながら切り出し、この切り
出した時系列データに対して、前記周波数分割処理にお
けるサイドローブを低減するための窓を、前記周波数分
割処理で行う離散フーリエ変換の次数より長い次数の窓
で乗算し、前記窓を乗算した時系列データに対して、前
記周波数分割処理で行う離散フーリエ変換の次数毎に分
割し、各サンプリング毎に加算処理し、前記周波数分割
処理を任意の周波数を中心に行う場合に、前記離散フー
リエ変換結果に起こる周波数シフトを補償し、この周波
数シフトを補償した結果に対してさらに細かい分析幅で
詳細に周波数分析を行うことを特徴とする。
【0030】〔2〕上記〔1〕記載の2段階の処理によ
る周波数分析方法において、前記周波数分割処理に必要
な任意の中心周波数を、(整数値p+少数値α)×前記
離散フーリエ変換の分析幅Δfで定義するとき、前記周
波数分割処理における離散フーリエ変換を前記中心周波
数(p+α)×Δfに対して行い、前記離散フーリエ変
換によりその結果に起こる周波数数シフトを、前記加算
処理における各サンプル毎の加算回数rとその(p+
α)から求められる
【0031】
【数7】
【0032】を前記離散フーリエ変換を行う前にあらか
じめ加算処理結果に対して乗算することで補償すること
を特徴とする。
【0033】〔3〕上記〔1〕記載の2段階の処理によ
る周波数分析方法において、前記周波数分割処理に必要
な任意の中心周波数を、(整数値p+少数値α)×前記
離散フーリエ変換の分析幅Δfで定義するとき、前記周
波数分割処理における離散フーリエ変換を前記p×Δf
に相当する周波数に対して行い、前記離散フーリエ変換
によりその結果に起こる周波数数シフトを、前記窓を乗
算した時系列データのサンプル番号kと前記αと前記離
散フーリエ変換の次数Nから求められる
【0034】
【数8】
【0035】を前記離散フーリエ変換を行う前にこの窓
を乗算した時系列データに対してあらかじめ乗算するこ
とで補償することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0037】まず、本発明の第1実施例について説明す
る。
【0038】図1は本発明の第1実施例を示す2段階の
処理による周波数分析システム構成図である。
【0039】図1において、11は入力端子、12は窓
乗算器、13は位相補償付加算器、14は粗DFT処理
器、15は位相補償器、16は精FFT処理器、17は
出力端子である。
【0040】この実施例は、従来方式で周波数分割処理
を行っていた粗FFT処理器4を一つの周波数ビンだけ
について離散フーリエ変換を行う粗DFT処理器14
に、従来方式の加算処理器3を粗の周波数ビンの中心周
波数が任意に設定できるように位相補償処理を加えた位
相補償付加算器13に置き換えたものである。
【0041】本発明の第1実施例の方式の原理につい
て、ここでは、その一例として加算回数が1回のときに
次数Nの粗DFTでも、この原理によって2Nの窓の効
果が得られることを説明する。
【0042】本発明の第1実施例の基本原理は、従来方
式の考え方とほぼ同じであるが、従来方式が周波数分割
処理部分をFFTで行っていたため、従来方式の原理説
明で展開した式(2)において粗の周波数ビンの中心周
波数を決める変数nは整数値を必ずとるという条件であ
ったのに対して、本発明の第1実施例では、この部分を
DFTで行い周波数ビンの中心周波数を任意に決められ
るようにしているので、この変数nは整数値をとる必要
がない。
【0043】そこで、この変数nを整数値をとる変数p
と少数以下の値をとる変数αからn=p+αと定義す
る。この定義を用いて加算回数が1回のときに次数Nの
粗FFTで、2Nの窓の効果が得られることを示した式
(2)の後半部分を再度展開しなおすと次式のようにな
る。
【0044】
【数9】
【0045】以上のことから、本発明の第1実施例のよ
うに周波数分割処理部分をDFTで行い、サイドローブ
を低減する効果を増加させる能力を保ったまま、周波数
ビンの中心周波数を任意に決められるようにするには、
窓を乗算した時系列データを加算するときに、加算回数
が1回の場合はここでの
【0046】
【数10】
【0047】に相当する位相補償を乗算しながら行えば
よいことが分かる。
【0048】次に、本発明の第1の実施例の動作につい
て説明する。
【0049】図1に示すように、入力端子11を通じて
窓乗算器12には、音響信号をディジタル信号化した時
系列データがサンプリング周波数fsのレートで入力さ
れ、窓乗算器12でこの時系列データを必要に応じてオ
ーバーラップ処理させながら切り出し、この切り出され
たデータに、サイドローブを低減するための窓を乗算す
るところまでは従来方式と同様である。
【0050】また、ここでのオーバーラップ処理で切り
出すデータ数と窓の次数は、後段の位相補償加算器13
での加算回数Qと粗DFT処理器14でのフーリエ変換
次数Nによって決まり、そのデータ数及び次数はN×
(Q+1)となる。この窓を乗算した時系列データを位
相補償付加算器13に出力する。位相補償付加算器13
では、この窓を乗算した時系列データをx(1),x
(2),x(3),…,x〔N×(Q+1)〕とする
と、次のような前記した基本原理から導出された補償量
を乗算しながら加算処理を行い粗DFT処理器14に出
力する。
【0051】
【数11】
【0052】ただし、Qは位相補償付加算器13の加算
回数、Nは粗DFT処理器14でのフーリエ変換次数、
fcは必要とする粗の周波数ビンの中心周波数である。
【0053】粗DFT処理器14では、この位相補償付
き加算されたデータに対して、必要とする粗の周波数ビ
ンの中心周波数fcに相当するn=p+αについてN次
の離散フーリエ変換を行うことで粗の周波数ビンを作成
し、位相補償器15に出力する。位相補償器15では、
窓乗算器12でディジタル信号化した時系列データをオ
ーバーラップ処理したときに、後段の精FFTでの詳細
周波数分析結果に起きる周波数シフトに対して、例えば
次式のように粗の周波数ビンの中心周波数で決まる補償
量を位相補償器15に入力される粗の周波数ビンの時系
列方向に乗算することで補償し、精FFT処理器16に
出力する。なお、オーバーラップ処理を行わなければこ
の位相補償器15は不必要である。
【0054】
【数12】
【0055】k=0,1,2,…,M−1 ただし、X(k)は粗の周波数ビンのk番目の時系列デ
ータ、fcは必要とする粗の周波数ビンの中心周波数、
fsは音響信号をディジタル信号化した時系列データの
サンプリング周波数、Ovpは窓乗算器12でのオーバ
ーラップ率、Nは粗DFT処理器14でのフーリエ変換
次数である。
【0056】精FFT処理器16では、この補償された
周波数ビンを生成された順に時系列に並べてバッファリ
ングし、M次の複素高速フーリエ変換を行うことで詳細
周波数分析された精の周波数ビンをそれぞれ得る。そし
てこの精の周波数ビンを出力端子17を介して外部にそ
れぞれ出力する。
【0057】上記したように、本発明の第1実施例によ
れば、分析したい周波数が事前に分かっており、その周
波数の近傍で周波数分割を実施したい場合、分析したい
周波数が粗FFTの周波数分割単位の境界にあった場合
でも、1ビン分の粗DFTの算出でよいだけでなく、そ
れに伴って精FFTもこの1ビン分の処理でよくなり、
結果として全体的な処理量を低減することができる。
【0058】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。
【0059】図2は本発明の第2実施例を示す2段階の
処理による周波数分析システム構成図である。
【0060】図2において、21は入力端子、22は窓
乗算器、23は周波数ひねり処理器、24はひねり量算
出器、25は加算処理器、26は粗DFT処理器、27
は位相補償器、28は精FFT処理器、29は出力端子
である。
【0061】本発明の第1実施例では本発明の目的を位
相補償付加算器13で実現していたのに対して、本発明
の第2実施例では、この部分を周波数ひねり処理器23
と、ひねり量算出器24に置き換えることで実現してい
る。
【0062】本発明の第2実施例の方式の原理につい
て、ここでは、第1実施例と同様に加算回数が1回の場
合に次数Nの粗DFTで、この原理によっても2Nの窓
の効果が得られることを説明する。
【0063】本発明の第1実施例の原理が周波数ビンの
中心周波数を任意にとるように、整数値をとる変数pと
少数以下の値をとる変数αからn=p+αと定義して、
このp+αに相当する周波数に対してDFTを行うこと
を基本に考えたのに対して、逆に第2実施例ではDFT
はp+αではなくpに相当する周波数に対して行い、差
分αに相当する周波数ひねりは、加算処理する前に乗算
しておくことで補償するようにしている。例えば、2N
の長さの窓を乗算した時系列データW(k)x(k)に
この差で周波数ひねりを行い一回加算した後、pに相当
する周波数についてN次のDFTを行った周波数ビンの
結果は、式(2)から次のように表すことができる。
【0064】
【数13】
【0065】以上のことから本発明の第2実施例のよう
にpに相当する周波数に対して周波数分割処理部分をD
FTで行い、サイドローブを低減する効果を増加させる
能力を保ったまま、周波数ビンの中心周波数を任意に決
められるようにするには、時系列データに応じた差分α
に相当する
【0066】
【数14】
【0067】を加算処理する前に乗算しておけば良いこ
とがわかる。
【0068】次に、本発明の第2実施例の動作について
説明する。
【0069】図2に示すように、入力端子21を通じて
窓乗算器22には、音響信号をディジタル信号化した時
系列データがサンプリング周波数fsのレートで入力さ
れ、窓乗算器22でこの時系列データを必要に応じてオ
ーバーラップ処理させながら切り出し、この切り出され
たデータに、サイドローブを低減するための窓を乗算す
るところまでは本発明の第1実施例と同様である。
【0070】また、ここでのオーバーラップ処理で切り
出すデータ数と窓の次数も、本発明の第1実施例と同様
にN×(Q+1)となる。この窓を乗算した時系列デー
タを周波数ひねり処理器23に出力する。ここで、ひね
り量算出器24では、周波数ひねり処理器23でのひね
り量Δαと後段の粗DFT処理器26のDFTの対象と
する周波数fpを、必要とする粗の周波数ビンの中心周
波数fcと分析幅Δfから、例えば次式のようにそれぞ
れ算出しておく。
【0071】fp=INT(fc/Δf)・Δf ただし、INTは小数点以下の切り捨てを行う関数であ
る。
【0072】Δα=fc−fp 周波数ひねり処理器23では、このひねり量Δαを用い
て、例えば次式のように、この窓を乗算した時系列デー
タに周波数ひねりを加え加算処理器25に出力する。
【0073】
【数15】
【0074】ただし、x(k)はk番目の窓を乗算した
時系列データ、Qは加算処理器25での加算回数であ
る。
【0075】加算処理器25では、この周波数ひねりを
加えた時系列データに対して従来技術の例の式(3)で
行ったのと同様の加算処理を行い、粗DFT処理器26
に出力する。粗DFT処理器26では、この加算された
データに対して、前記したDFTの対象とする周波数f
pについてN次のDFTを行うことで粗の周波数ビンを
作成し、位相補償器27に出力する。以降の位相補償器
27、精FFT処理器28、出力端子29の各動作につ
いては、本発明の第1実施例と同一である。
【0076】このように、本発明の第2実施例によれ
ば、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0077】さらに、本発明によれば、以下のような利
用形態を有する。
【0078】(1)第1実施例及び第2実施例の窓乗算
器で使用する窓係数は、必要となる最大次数の場合だけ
あらかじめ計算して記憶しておき、必要な次数に応じて
係数を間引いて使用することもできる。
【0079】(2)第1実施例及び第2実施例では、詳
細周波数分析を行うのにFFTを用いていたが、この部
分を例えば最大エントロピー法等の線形予測処理によっ
て周波数分析を行うこともできる。
【0080】(3)本発明を実施するにあたってのデー
タ形式及びその処理形式はアナログ形式であってもディ
ジタル形式であってもよい。
【0081】(4)本発明を実現するにあたっての装置
構成は、集積回路等を組み合わせた構成でも、DSP等
の演算プロセッサによるソフトウェアでの構成であって
もよい。
【0082】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0083】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、分析したい周波数が事前に分かっており、その
周波数の近傍で周波数分割を実施したい場合、分析した
い周波数が粗FFTの周波数分割単位の境界にあった場
合でも、1ビン分の粗DFTの算出でよいだけでなく、
それに伴って精FFTもこの1ビン分の処理でよくな
り、結果として全体的な処理量を低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す2段階の処理による
周波数分析システム構成図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す2段階の処理による
周波数分析システム構成図である。
【図3】従来の2段階FFTを用いた周波数分析システ
ム構成図である。
【符号の説明】
11,21 入力端子 12,22 窓乗算器 13 位相補償付加算器 14,26 粗DFT処理器 15,27 位相補償器 16,28 精FFT処理器 17,29 出力端子 23 周波数ひねり処理器 24 ひねり量算出器 25 加算処理器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音響信号を最終的に必要な分析幅よりも
    ある程度広い分析幅で周波数帯域を離散フーリエ変換に
    よって周波数分割処理した後、該周波数分割された音響
    信号に対してさらに細かい分析幅で詳細に周波数分析を
    行う2段階の処理による周波数分析方法において、
    (a)前記音響信号の時系列データを必要に応じてオー
    バーラップしながら切り出し、該切り出した時系列デー
    タに対して、前記周波数分割処理におけるサイドローブ
    を低減するための窓を、前記周波数分割処理で行う離散
    フーリエ変換の次数より長い次数の窓で乗算し、(b)
    前記窓を乗算した時系列データに対して、前記周波数分
    割処理で行う離散フーリエ変換の次数毎に分割し、各サ
    ンプリング毎に加算処理し、(c)前記周波数分割処理
    を任意の周波数を中心に行う場合に、前記離散フーリエ
    変換結果に起こる周波数シフトを補償し、(d)該周波
    数シフトを補償した結果に対してさらに細かい分析幅で
    詳細に周波数分析を行うことを特徴とする2段階の処理
    による周波数分析方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の2段階の処理による周波
    数分析方法において、前記周波数分割処理に必要な任意
    の中心周波数を、(整数値p+少数値α)×前記離散フ
    ーリエ変換の分析幅Δfで定義するとき、前記周波数分
    割処理における離散フーリエ変換を前記中心周波数(p
    +α)×Δfに対して行い、前記離散フーリエ変換によ
    りその結果に起こる周波数数シフトを、前記加算処理に
    おける各サンプル毎の加算回数rと前記(p+α)から
    求められる 【数1】 を前記離散フーリエ変換を行う前にあらかじめ加算処理
    結果に対して乗算することで補償することを特徴とする
    2段階の処理による周波数分析方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の2段階の処理による周波
    数分析方法において、前記周波数分割処理に必要な任意
    の中心周波数を、(整数値p+少数値α)×前記離散フ
    ーリエ変換の分析幅Δfで定義するとき、前記周波数分
    割処理における離散フーリエ変換を前記p×Δfに相当
    する周波数に対して行い、前記離散フーリエ変換により
    その結果に起こる周波数シフトを、前記窓を乗算した時
    系列データのサンプル番号k(kは0から窓次数−1ま
    での整数)と前記αと前記離散フーリエ変換の次数Nか
    ら求められる 【数2】 を前記離散フーリエ変換を行う前に該窓を乗算した時系
    列データに対してあらかじめ乗算することで補償するこ
    とを特徴とする2段階の処理による周波数分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104597321A (zh) * 2015-01-28 2015-05-06 常洪山 基于四条离散傅里叶复数谱线的信号频率测量方法及装置

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