JPH07127834A - 流動層炉 - Google Patents

流動層炉

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JPH07127834A
JPH07127834A JP27715393A JP27715393A JPH07127834A JP H07127834 A JPH07127834 A JP H07127834A JP 27715393 A JP27715393 A JP 27715393A JP 27715393 A JP27715393 A JP 27715393A JP H07127834 A JPH07127834 A JP H07127834A
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furnace
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尚武 山田
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泰也 沖野
Minoru Morita
稔 守田
Misao Igarashi
操 五十嵐
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Tsukishima Kikai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 流動媒体が循環する炉本体1に、被処理物供
給用のノズルおよび投入口20〜23、サイクロン5よ
り成る分離手段、空気供給用の噴出ノズル17、19、
および不燃物の排出口16とが備えられている。炉本体
1には、高速流動層部3と気泡流動層部4とが隔壁8を
介して設けられるとともに、この隔壁8よりも上部およ
び下部には、それぞれ高速流動層部3と気泡流動層部4
とを連通する流動流体排出ゲート9および流動粒子、不
燃物移動ゲート10が形成されている。 【効果】 両流動層部3、4間の流動流体や流動粒子の
不要な干渉を避けて安定した循環サイクルを完成できる
とともに、多種多様な燃料あるいは廃棄物を任意に処理
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に流動粒子を流動媒
体として用いた流動層方式により、被処理物を燃焼、焼
却、熱分解、または乾燥するための流動層炉に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】このような流動層炉は、例えば都市ゴミ
や工場廃棄物として廃棄される廃プラスチック、廃木
材、段ボールを含む故紙、および厨芥等の固形廃棄物
や、汚泥、廃油、および汚水等の廃棄物の焼却処理に用
いられている。ここで、一般的にこの種の流動層炉にお
ける流動層は、流動媒体の持つ物理的特性である流動化
開始速度(Umf)に対して、操作される実際の速度
(空塔速度Uo)により2種類に分類される。すなわ
ち、UoがUmfに対して数倍以上の非常に大きい速度
となる高速流動層と、UoがUmfに対して数倍未満と
高速流動層に対して比較的小さい速度となる気泡流動層
とである。
【0003】高速流動層ではUoが大きいために流動媒
体は激しく混合・拡散されるとともに、流動媒体を流動
せしめる流動流体により搬送されて流動流体の排出口に
まで至る。なお、こうして搬送される流動媒体を流動層
に返送して循環させる手段としては、流動層の出口部に
おいて流動媒体と流動流体とを分離して流動媒体を流動
層の内壁部に沿って下降せしめ、流動流体のみを系外に
排出する内部循環流動層と、流動層とは別個に設けられ
たサイクロン等の流動粒子捕集機構により流動媒体と流
動流体とを分離して流動媒体を捕集し、返送流路を経由
して流動層に返送する外部循環流動層とが知られてい
る。一方、気泡流動層においてはUoがそれほど大きく
ないため、流動媒体は浮遊するに足る速度が与えられず
に失速して下降してしまい、これによって層の解離が生
じて、流動媒体が高濃度で存在する濃厚層あるいはデン
スベッドと言われる部分と、流動媒体が低濃度でしか存
在し得ない希薄層あるいはフリーボードと呼ばれる部分
とが出現する。
【0004】ここで、高速流動層においては、上述のよ
うに系内における流動媒体の混合・拡散が活発であるた
め、系全域にわたって均一な温度を得ることができる。
これは、主に系内を移動・循環する大量の流動媒体が熱
媒体としての機能を併せ持っていることによるものであ
り、これによって被処理物(焼却物)として供給される
燃料や廃棄物の量、あるいはまたそれらのカロリーレベ
ルにあまり制約されないという特徴を生み出している。
そして、この特徴を生かした装置として循環流動層ボイ
ラーが既に実用化されているばかりではなく、従来であ
れば濃縮・脱水等の前処理を必要とした汚水・汚泥等の
廃棄物も、前処理を行なうことなく焼却可能となった。
しかしながら、このような高速流動層にあっては層の下
部に形成される濃厚層の粒子濃度はそれほど大きくない
ため、固形の燃料あるいは固形の焼却物が供給される場
合には飛散が促されないという問題が生じる。また、被
処理物の大きさについても流動可能な大きさであること
が必要とされる。
【0005】一方、気泡流動層にあっては、上述した濃
厚層の粒子濃度が大きいことやUoが比較的小さいこと
により、固形の燃料あるいは固形の焼却物の供給やその
大きさについての制限はかなりの程度緩和される。とこ
ろが、系内における流動媒体の移動・循環は高速流動層
に比べてそれほど活発でないため、汚水・汚泥等の焼却
においては焼却量の制限、ないしは濃縮・脱水等の前処
理が必要とされるという問題がある。そこで、このよう
な高速流動層や気泡流動層の問題点を補うため、例えば
特開昭63−99490号公報や特開平5−22323
0号公報などに、速度の異なる2つの気泡流動層を用い
た流動層炉や高速流動層と気泡流動層とを併用した流動
層炉が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このうち、特開平5−
223230号公報においては、散気管型流動層部(気
泡流動層)と、多孔空気分散板の傾斜角度を10度以上
保持した傾斜型多孔空気分散板部(低速気泡流動層ある
いは移動層)とで構成される流動層燃焼炉が提案されて
おり、この傾斜型多孔空気分散板部に焼却物を供給し
て、当該傾斜型多孔空気分散板部における比較的緩慢な
流動条件のもとで焼却物を穏やかに加熱昇温することに
より、急激な揮発分の放出に伴う酸素不足によるCOの
大量発生の防止を図っている。しかしながら、この流動
層炉では、散気管からの空気供給量と分散板からの空気
供給量との差によって炉内に2つの気泡流動層を形成す
るようにしており、このため両流動層の間において流動
媒体や流動流体が不必要かつ乱雑に干渉し合うことが避
けられず、それぞれの流動層の機能が十分に発揮されな
くなるおそれが生じる。また、汚水あるいは汚泥の焼却
処理を行なう場合でも、これらの焼却物は緩慢な流動を
する傾斜型多孔空気分散板部(低速気泡流動層)に供給
されるため、汚水あるいは汚泥中の水分の蒸発に際して
多量の熱が奪われて気泡流動層の温度が著しく低下し、
良好な運転の継続を妨げるという問題も生じる。
【0007】一方、特開昭63−99490号公報にお
いては流動床炉(気泡流動層)と噴流床炉(高速流動
層)とが一体連設された循環流動床炉が提案されてい
る。しかしながら、この流動層炉においても上記公報の
流動層炉と同様に、高速流動層と気泡流動層とで流動媒
体等が不要に干渉することは避けられず、また焼却物は
ロータリーバルブを介して気泡流動層に供給されるた
め、焼却物によっては気泡流動層の急激な温度低下を招
いてしまう。さらに、この流動層炉では炉底が水平ない
しは水平に近い構造となっており、被処理物に板状の不
燃物のようなものが混入している場合には、その排出は
困難を極める。
【0008】このように、上記各公報に記載された流動
層炉においても、燃料あるいは焼却物の種類、状態によ
って適用される流動層の形式が限定され、場合によって
は前処理が必要不可欠となる。一方、近年のエネルギー
資源の多様化、有効利用の面からも、低品位燃料の利用
および廃棄物からのエネルギー回収等をより積極的に行
うことが求められている。本発明は上記事情に鑑みてな
されたもので、その目的とするところは、多様な燃料あ
るいは種々雑多な焼却物を極力前処理を行うことなく、
しかも同時に燃焼あるいは焼却処理を可能ならしめる流
動層炉を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決してかか
る目的を達するため、本発明の請求項1の流動層炉は、
流動媒体が循環する炉本体と、この炉本体に被処理物を
供給する被処理物供給手段と、上記炉本体から排出され
る排出気体中の固形物を分離する分離手段と、上記炉本
体に空気を供給する空気供給手段と、上記炉本体から不
燃物を排出する排出手段とを備え、上記炉本体に、上記
流動媒体の流動化開始速度に対してきわめて高速の空塔
速度を有する高速流動層部と、この高速流動層部におけ
る空塔速度より低速かつ上記流動化開始速度よりも高速
の空塔速度を有する気泡流動層部とを隔壁を介して設け
るとともに、この隔壁よりも上部および下部には、それ
ぞれ上記高速流動層部と気泡流動層部とを連通せしめる
上部流路および下部流路を形成したことを特徴とする。
【0010】また請求項2の流動層炉は、請求項1の流
動層炉において、上記上部流路を、上記流動媒体を流動
せしめる流動流体が該上部流路を上記気泡流動層部にお
ける空塔速度以上の速度で通過可能な断面積としたこと
を特徴とする。さらに請求項3の流動層炉は、請求項1
または2の流動層炉において、上記分離手段により分離
された固形物を上記気泡流動層部に返送するとともに、
上記下部流路を、この返送される固形物の重量に対して
略10倍の重量の上記流動媒体が30cm/s以下の速度で
通過可能な断面積としたことを特徴とする。
【0011】さらにまた、請求項4の流動層炉は、請求
項1ないし3のいずれかに記載の流動層炉において、上
記炉本体の炉底部を気泡流動層部側から高速流動層部側
に向かうに従い降下する階段状に形成するとともに、こ
の炉底部がなす階段の上面部も気泡流動層部側から高速
流動層部側に向かうに従い下方に向かって傾斜する傾斜
面とし、またこの炉底部には上記空気供給手段の噴出ノ
ズルを設けるとともに、該炉底部の最低部には上記排出
手段の排出口を設け、上記噴出ノズルの噴出方向を、上
記炉底部がなす階段の降下方向に対して±30°の角度
範囲内に設定するとともに、該噴出ノズルからの空気噴
出速度を、上記炉底部の上面部がなす傾斜面の傾斜角が
5°以下の場合は50m/s以上に、該傾斜角が5°を上
回り20°以下の場合は30m/s以上に、該傾斜角が2
0°を上回り30°以下の場合は20m/s以上に設定し
たことを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の流動層炉においては、炉本体に高速流
動層部と気泡流動層部とが隔壁を介して並設されてお
り、各流動層部に張り込まれた流動媒体は空気供給手段
からの空気(流動流体)によって浮遊状態となってそれ
ぞれの流動層部を上昇するが、気泡流動層部では空塔速
度Uoが低く抑えられるために上昇した流動媒体は失速
して下降し、流動流体のみが上昇を続けて隔壁の上部に
設けられた上部流路から高速流動層部に至る。また、高
速流動層部においても流動流体の流れに乗れなかった流
動媒体は失速して下降するが、一部の流動媒体は上記上
部流路からの流動流体と合流してさらに上昇し、上記分
離手段によって固形物として排気(流動流体)から分離
され、上述した内部循環または外部循環によって気泡流
動層部に返送される。一方、両流動層部の下部の炉底部
においては、上記空気供給手段からの空気の供給により
浮遊状態となった気泡流動層部の流動媒体の一部が、隔
壁下部の下部流路を通って気泡流動層部から高速流動層
部へと移動して高速流動層部に供給される。
【0013】ここで、上記被処理物供給手段によって気
泡流動層部に固形燃料あるいは固形廃棄物を供給する
と、これらは気泡流動層部内で浮遊状態にある流動媒体
および流動流体により激しく混合・撹拌されるととも
に、熱の供給を受けることにより水分の蒸発、燃焼が行
われる。固形分は燃焼することにより小サイズ化し、や
がては消滅してしまう。蒸発した水分、および燃焼によ
り発生したガスは上述のように流動流体とともに上昇
し、上部流路を経て高速流動層部に導入される。なお、
気泡流動層部内の固形物が大きい間は、該固形物はその
大きさに見合った浮力を受けるために沈降することなく
気泡流動層部内に留まり、燃焼により小サイズ化するに
従い次第に沈降し、微小サイズになってはじめて流動媒
体とともに下部流路を経て高速流動層部の下部に持ち込
まれる他、流動流体とともに気泡流動層部内を上昇して
上部流路から高速流動層部に導かれる場合もある。
【0014】また、上記被処理物供給手段によって汚泥
や汚水等の廃棄物を高速流動層部に供給すると、この高
速流動層部では熱媒体としての流動媒体の混合、拡散が
活発であるため、廃棄物中の水分は速やかに蒸発する。
そして、残った廃棄物中の微小可燃固体粒子は高速流動
層部から上記分離手段に至る間に燃えつきるか、さらに
小サイズ化し、この小サイズ化した固体粒子は分離手段
によって固形物として流動流体から分離され、上述した
流動媒体と同一経路を経て気泡流動層部に返送される。
なお、上述の固形燃料あるいは固形廃棄物中に混入して
いる不燃物は、多くの場合固形燃料あるいは固形廃棄物
よりも比重が大きいために浮力に抗して気泡流動層部内
を沈降し、炉本体の炉底部近傍に至る。そして、この炉
底部近傍に至った不燃物は、上述した下部流路を通って
高速流動層部に流れる流動流体とともに移動し、上記排
出手段によって系外に排出される。まれに固形燃料ある
いは固形廃棄物よりも比重の小さい不燃物も存在する
が、その場合でも該不燃物は気泡流動層部において浮遊
流動している間に流動媒体により解砕され、ついには微
細化されてしまうことにより流動流体とともに上昇し、
上部流路から高速流動層部を経て分離手段に至り、分離
される。
【0015】このように本発明の請求項1の流動層炉に
よれば、気泡流動層部においては主に固形燃料あるいは
固形廃棄物の燃焼・焼却あるいはガス化を行なう一方、
高速流動層部においては泥状および液状の燃料または廃
棄物の燃焼・焼却あるいはガス化を行わしめる他、場合
によっては気泡流動層部において発生した可燃性ガスの
焼却も行わしめることにより、それぞれの流動層の特徴
を生かした効率的な処理を行なうことが可能となる。し
かも両流動層部は、上部流路および下部流路以外は隔壁
によって隔絶されているため、両流動層部間における流
動媒体や流動流体の不要な干渉を防ぐことができ、一層
効率的な処理を促すことができる。
【0016】また請求項2の流動層炉では、気泡流動層
で流動媒体の流動に供された空気等の流動流体や気泡流
動層で発生したガスをこの気泡流動層の外に排出するの
に際して、上記隔壁の上部において高速流動層部と気泡
流動層部とを連通せしめる上部流路の断面積を、気泡流
動層における空塔速度と同等ないしはそれ以上の流速に
見合う面積にすることにより、流動媒体の循環を損なう
ことなく安定した流動を得ることができる。さらに請求
項3の流動層炉では、下部流路の断面積を、上記分離手
段により分離されて気泡流動層部に返送される固形物の
重量に対してその略10倍の重量の流動媒体が30cm/s
以下の速度で通過するのに見合った大きさとすることに
より、不燃物の気泡流動層部から高速流動層部への移動
を阻害することなく、かつ高速流動層部での流動に供さ
れた空気あるいは当該部で発生したガス等が該下部流路
を経由して気泡流動層部に逆流することなく流動媒体を
気泡流動層から高速流動層へ供給することが可能とな
る。
【0017】さらにまた請求項4の流動層炉では、両流
動層部にまたがる炉本体の炉底部を気泡流動層部側から
高速流動層部側に向かうに従い降下する階段状に形成す
るとともに、この炉底部がなす階段の上面部も気泡流動
層部側から高速流動層部側に向かうに従い下方に向かっ
て傾斜する傾斜面とし、またこの炉底部には上記空気供
給手段の噴出ノズルを設けるとともに、該炉底部の最低
部には上記排出手段の排出口を設けてあり、この場合、
気泡流動層部から高速流動層部に雑多な形状の不燃物を
移動せしめるに際しての上記噴出ノズルの噴出方向およ
び空気噴出速度は、それぞれ上記炉底部がなす階段の降
下角度および炉底部の上面がなす傾斜面の傾斜角との関
係で最適化される。すなわち、噴出ノズルの噴出方向を
炉底部がなす階段の降下方向に対して±30°の角度範
囲内に設定するとともに、噴出ノズルからの空気噴出速
度を、上記傾斜面の傾斜角が5°以下の場合は50m/s
以上に、該傾斜角が5°を上回り20°以下の場合は3
0m/s以上に、該傾斜角が20°を上回り30°以下の
場合は20m/s以上に設定すれば、不燃物を滞留するこ
となく移動して円滑に排出することができる。
【0018】
【実施例】以下、図1ないし図5に基づいて本発明の一
実施例を説明する。ただし、この実施例は工場廃棄物と
しての廃プラスチック、廃木材、ダンボールを含む古
紙、および厨芥等の固形廃棄物、汚泥、廃油および汚水
等の焼却に使用するものである。本実施例において炉本
体1は、図1に示すように耐火壁2で内張りされた高速
流動層部3と、同じく耐火壁2で内張りされた気泡流動
層部4とから構成されており、その上部には耐火壁2で
内張りされたサイクロン5が本実施例における分離手段
として設けられている。また、このサイクロン5の上部
には、流動媒体としての流動粒子から分離された流動流
体を排出気体として排出する流動流体排出管6およびそ
の排出口7が設けられている。
【0019】気泡流動層部4は高速流動層部3の下部側
に隣接するように並設されており、両流動層部3,4の
間には垂直方向に延びる隔壁8が設けられている。ここ
で、隔壁8の上部および下部は両流動層部3,4を互い
に連通するように開口されていて、本実施例における上
部流路としての流動流体排出ゲート9、および下部流路
としての流動粒子、不燃物移動ゲート10がそれぞれ形
成されている。また、サイクロン5は、高速流動層部3
の上部に流動流体排出流路11を介して連結されてお
り、さらにこのサイクロン5の下端は流動粒子返送管1
2を介して気泡流動層部4の略中央部にまで延びて流動
粒子返送流路13が形成されている。
【0020】一方、炉本体1の炉底部14は、気泡流動
層部4側から高速流動層部3側に向かうに従い下方に下
降傾斜する階段状に形成されている。そして、この炉底
部14の高速流動層部3側の最低部には、不燃物排出流
路15を介して排出手段の不燃物排出口16が設けられ
ている。さらに図2に示すように、この炉底部14がな
す階段の段部には、それぞれ空気供給手段の1次流動流
体噴出ノズル17が規則的に配置されて埋め込まれてい
る。この1次流体噴出ノズル17には複数の流動流体噴
出孔18が設けられており、その噴出方向Xは炉底部1
4がなす階段の降下方向Y、すなわち該炉底部14の下
降傾斜方向に対して、上向きに+30°から該降下方向
Yに対して下向きに−30°までの角度βの範囲内に設
定されていて、この噴出孔18から20〜100m/sの
速度で空気が噴出されるようになされている。なお、こ
の噴出ノズル17に供給される空気は各々別個に制御さ
れて供給され、上記範囲内において任意の速度で空気を
噴出可能とされている。
【0021】また、この炉底部14がなす階段の上面部
14Aも、炉底部14と同じく気泡流動層部4側から高
速流動層部3側に向かうに従い下方に向かって傾斜する
傾斜面とされている。ここで、この上面部14Aの水平
方向に対する傾斜角αは設計条件等によって適宜に設定
されるが、上記噴出孔18からの空気の噴出流速Vm/s
との関係では、傾斜角αが5°以下の場合は50m/s以
上に、傾斜角αが5°を上回り20°以下の場合は30
m/s以上に、傾斜角αが20°を上回り30°以下の場
合は20m/s以上に設定されるか、またはV(m/s)−α
(°)座標系を想定したときに(V,α)=(50,
5)、(30,20)、(20,30)の各点を通る近
似曲線あるいは折線に関して傾斜角αに対する流速Vが
大きい流域に設定されるのが望ましい。
【0022】他方、高速流動層部3の下部には廃油噴出
ノズル19が設けられるとともに、またこの廃油噴出ノ
ズル19の上方には空気供給手段の2次流動流体噴出ノ
ズル20が複数設けられており、この噴出ノズル20か
らは15〜50m/sの速度で空気が炉内に供給されてい
る。さらに高速流動層部3の上部には、本実施例の被処
理物供給手段としての汚泥投入ノズル21と汚水供給ノ
ズル22とが設けられている。なお、汚水の噴射方向は
高速流動層部の下方に向けて傾斜されており、また噴射
される汚水の粒子径は本実施例では500〜700ミク
ロンから数ミリメートルと比較的粗い状態となるように
設定されている。さらにまた、気泡流動層部4の天井部
には、同じく被処理物供給手段において固形廃棄物を供
給する投入口23が設けられており、粗破砕された固形
廃棄物が連続的に供給可能とされている。ここで、この
気泡流動層部4の天井部は、炉底部14とは逆に高速流
動層部3側に向かうに従い上方に向かうように傾斜して
形成されている。
【0023】なお、本実施例においては、系内の温度を
所定の状態に維持するために炉本体1には空気供給手段
によって必要空気量(理論空気量)の30〜90%の範
囲で空気を供給し、不足分は図3に示すように付設の2
次燃焼炉31において2次燃焼用空気ブロアー32から
供給されるようになされている。つまり、汚泥、汚水等
の低カロリー廃棄物の焼却時には、温度維持のために噴
出ノズル19から廃油が供給されるが、この場合には廃
油も含めた焼却物の理論空気量の70〜90%相当量の
空気が流動流体噴出ノズル17、20から供給される。
一方、廃プラスチック、廃木材等の高カロリー廃棄物の
焼却時には、高速流動層部3の頂部での温度を一定に保
つように流動流体噴出ノズル17、20から供給される
空気量が制御され、そのおおよその空気比(理論空気量
に対する実際供給空気量の比)が0.3〜0.6となる
ように図られている。すなわち、いずれの場合において
も炉本体1に供給される空気量は理論空気量以下である
ため、サイクロン5を経て排気口7から排出されるガス
中には一酸化炭素(CO)、水素(H2)を主体とした
可燃性ガスが含まれている。
【0024】そこで本実施例では、サイクロン5に設け
られた排気口7に2次燃焼炉31を連結して排出された
可燃性ガスを含むガス(廃ガス)をこの2次燃焼炉31
に導入し、ここで再び空気を供給することにより廃ガス
中の可燃性ガスを燃焼した上で、2次燃焼炉31の下部
に設けられたシュートおよび灰回収装置33により灰の
回収を行なうようにしているのである。そして、この灰
回収装置33を通過したガスは、さらにガス冷却・洗浄
装置34において冷却されるとともに、灰回収装置33
において捕集しきれなかった微細な灰の捕集、およびガ
ス中に含まれている有害物質の除去が行われ、しかる後
大気に放出される。なお、図3において符号35で示す
のは回収灰ホッパーであり、符号36はガス冷却用散水
ポンプ、符号37はガス冷却用散水タンクである。ま
た、符号38、39、40、41、42、および43
は、それぞれ被処理物供給手段の固形物供給スクリュ
ー、廃油供給ポンプ、廃油供給タンク、汚泥供給ポン
プ、汚水供給ポンプ、および汚水供給タンクである。さ
らに、符号44、45はそれぞれ空気供給手段の1次流
動空気用ブロアー、2次流動空気用ブロアーであり、符
号46は排出手段の不燃物排出スクリューである。
【0025】上記のように構成された流動層炉および付
帯設備において、流動媒体としての流動粒子は予め炉本
体1の高速流動層部3および気泡流動層部4内に張り込
まれており、流動粒子の流動および焼却のために流動流
体噴出ノズル17および20から流動流体として所定の
空気が供給される。これにより、高速流動層部3の下部
に形成される濃厚層部(以下、高速流動濃厚層部と称す
る。)Aおよび気泡流動層部3内に張り込まれた流動粒
子は浮遊状態にされる。そして固形廃棄物は固形廃棄物
投入口23から、廃油は廃油噴出ノズル19から、汚泥
は汚泥投入ノズル21から、汚水は汚水供給ノズル22
から、それぞれ気泡流動層部4および高速流動層部3に
供給される。
【0026】ここで、高速流動層部3の頂部温度が所定
温度になるように2次流動流体噴出ノズル20から吹き
込まれる空気量、あるいは廃油噴出ノズル19から吹き
込まれる廃油量が制御される。1次流動流体噴出ノズル
17から吹き込まれる空気量は、高速流動層部3に吹き
込まれる分と気泡流動層部4に吹き込まれる分とが別個
に制御されるか、各々の噴出ノズル17単独で制御され
る。本実施例では、この気泡流動層部4に吹き込まれる
空気の総量は、流動粒子として5号硅砂を用いた場合に
気泡流動層部4の流路断面の平均ガス流速(Uo)にし
て0.3〜0.8m/sに相当する量とされ、また流動流
体噴出ノズル17から高速流動層部3に吹き込まれる空
気量は、同じく流動粒子に5号硅砂を用いた場合に高速
流動層部3の流路断面の平均ガス流速(Uo)にして
0.5〜1.5m/sに相当する量とされている。
【0027】高速流動層部3および気泡流動層部4に張
り込まれて浮遊状態にされた流動粒子は、高速流動濃厚
層部Aおよび気泡流動層部2内を上昇するが、気泡流動
層部2においては空塔速度Uoが低く抑えられるために
上昇した流動粒子は失速して下降してしまい、流動流体
のみが上昇を続けて隔壁8上部の流動流体排出ゲート9
を通り、高速流動層部3内における気泡流動層部4側か
らの流動流体合流部Bに導入される。一方、さまざまな
固形廃棄物は上述のように固形廃棄物投入口23から気
泡流動層部4に供給され、該気泡流動層部4内で燃焼す
る。厨芥のように水分を多量に含む廃棄物は燃焼に先立
ち水分の蒸発過程を伴うことは言うまでもない。
【0028】ここで、気泡流動層部4においては上述の
ごとくUoが比較的小さく、流動粒子は比較的静かに流
動しており、そこにおける粒子濃度は大きいために固形
廃棄物は炉底部14に沈降することなく、流動粒子とと
もに該気泡流動層部4に形成される濃厚層部を流動しつ
つ滞留し、その間に流動流体噴出ノズル17から噴出さ
れた空気中の酸素により燃焼およびガス化が行なわれ
る。この燃焼およびガス化により、固形廃棄物は小サイ
ズ化し、ある限度以下のサイズになると一部は流動粒子
とともに流動粒子、不燃物移動ゲート10を経て、高速
流動層濃厚層部Aに移送される。また、小サイズ化した
固形廃棄物の残りの大部分は気泡流動層部3に留まり、
引き続き燃焼、ガス化反応が行われ、さらに小サイズ化
する。そして、このように微小サイズ化した廃棄物の一
部は、流動流体噴出ノズル17から吹き込まれた空気お
よび燃焼等により生成されたガスとともに流動粒子群か
ら離脱し、上記流動流体とともに流動流体排出ゲート9
を経て高速流動層部3の上記流動流体合流部Bに導入さ
れる。
【0029】一方、高速流動層部3に張り込まれて高速
流動濃厚層部Aを上昇した流動流体および流動粒子は、
高速流動層部3の途中に設けられた2次流動流体噴出ノ
ズル20から吹き込まれた流動流体により増速され、さ
らに上昇して上記流動流体合流部Bに至る。そして、こ
の流動流体合流部Bにおいて上記気泡流動層部2から吹
き込まれた流動流体と合流することによりさらに増速さ
れて、高速流動層部3の上部に形成される希薄層部Cに
至る。なお、この濃厚層部Aから希薄層部Cに至る間に
流動流体の流れに乗れなかった流動粒子は失速して濃厚
層部Aに向かって下降する。希薄層部Cに至った流動流
体および流動粒子は、高速流動層部3の頂部に設けられ
た流動流体排出流路11を経てサイクロン5に導入され
る。そして、このサイクロン5において流動流体と流動
粒子は分離され、流動流体は流動流体排出管6を通って
排気口7から排出される。一方、流動粒子はサイクロン
5の底部に設けられた流動粒子返送管12内の流動粒子
返送流路13を経て、気泡流動層部3に返送、供給され
る。
【0030】気泡流動層部3において流動粒子は上述の
ごとく1次流動流体噴出ノズル17から吹き込まれた流
動流体により浮遊状態にされるが、一部の流動粒子は高
速流動層部3に向かって下降する炉底部14に沿って移
動し、隔壁8の下部の炉底部14との間に設けられた流
動粒子、不燃物移動ゲート10を経て高速流動濃厚層部
Aに供給される。また、気泡流動層部4に供給された固
形廃棄物に混入している金属片、石、および陶磁器片等
の不燃物も、弱い流動状態を呈しながら炉底部14に向
かって沈降し、高速流動層部3側に向かって移動する。
この炉底部14には図2に示したように1次流動流体噴
出ノズル17が炉底部14の傾斜に添って規則的に配さ
れ、また該ノズル17相互間の炉底部14の上面部14
Aは水平方向に対して傾斜角αの傾斜を持つ階段状とな
っている。さらに、このノズル17には該ノズル17の
中心を結ぶ炉底部14の見かけ平均傾斜方向、すなわち
該炉底部14がなす階段の降下する方向Yに対して角度
βの傾きを持った流動流体噴出孔18が複数個配されて
おり、該噴出孔18から初速Vm/sで流動流体である空
気が噴出されている。
【0031】ここで図4および図5は、図5(ロ)に示
した代表的な不燃物における傾斜角αおよび角度βと移
動限界噴出流速Vとの関係を示すものである。ただし、
図5(ロ)に示す代表例の供試サンプルの他にも、棒
状、コイル状、球状でかつ大きさが異なった各種材質の
物についても関係を調べたが、図示の代表例が最も移動
・排出し難い結果であったことから、ここではこの代表
例の結果のみを示す。図4の結果より、炉底部14の上
面部14Aの傾斜角αが大きくなる程、噴出口18から
の噴出流速Vが小さくとも不燃物は移動可能であり、ま
た該噴出口18の噴出方向Xが炉底部14の降下方向Y
に対してなす角度βは、負角側になる程、つまり噴出口
18からの噴出が炉底部14の下段側の上面部14Aに
向けて噴出される程、より小さい噴出流速Vで不燃物が
移動し易いことが解る。
【0032】なお、上記流動粒子・不燃物移動ゲート1
0は、上述のように気泡流動層部4から高速流動濃厚層
部A方向へ流動粒子および不燃物を移動せしめるために
開口されている。従って該ゲート10は流動粒子が十分
移動し、かつ不燃物が同開口部を通り抜けるに十分な開
口面積と開口高さを有していなければならない。そこで
本発明の発明者らは、このゲート10を気泡流動層部4
の幅方向(図1において図面に対して垂直な方向)全域
で開口し、その高さを変えることで開口面積を変化せし
めて流動粒子や不燃物の移動を調査する実験を行なっ
た。その結果、図5(ロ)に示した不燃物の場合、開口
部高さは100mm以上なければ該ゲート10を通過し得
ず、また逆に250mm以上の開口部高さでは高速流動濃
厚層部Aに吹き込まれた空気が気泡流動層部4に侵入す
るために当該部4での空気比に変化が生じ、それによっ
て気泡流動層部4の温度が上昇してしまう現象が認めら
れた。
【0033】また、不燃物を含まない場合の開口部限界
高さは50mmであった。すなわち、50mm未満では気泡
流動層部4の上下における圧力差が拡大するとともに、
高速流動濃厚部Aの上下における圧力差が小さくなる
が、50mm以上では両部とも圧力差の変化は認められな
かった。このことは、開口部高さが50mm未満では気泡
流動層部2から高速流動濃厚層部Aに十分に流動粒子が
送り込まれず、一方流動粒子返送管12からは高速流動
層部3からサイクロン5を経て搬送された流動粒子が気
泡流動層部4に供給されるため、気泡流動層部4内にお
ける流動粒子の保有量が増えることにより当該部の上下
における圧力差が拡大することを示すとともに、高速流
動濃厚層部Aにおいては気泡流動層部3から供給される
流動粒子量が排出されるそれを下回るために当該濃厚層
部Aでの流動粒子保有量が減少することを示している。
そして、さらに実験を繰り返したところ、当該排出ゲー
ト10の高さは不燃物の最大寸法の1.25ないし1.
4倍以上かつ3.1ないし3.6倍以下で良好な結果が
得られた。また、この排出ゲート10の開口面積と流動
粒子返送管12から返送される粒子量および該排出ゲー
ト10を通過する粒子の速度との関係については、上記
断面積を、返送される粒子の重量に対して略10倍の重
量の流動粒子が30cm/s以下の速度で通過可能な大きさ
とすることにより、良好な移動が行なわれるという結果
が得られた。
【0034】一方、気泡流動層部4において1次流動流
体噴出ノズル17から吹き込まれた空気は、流動粒子の
流動と当該部に供給された固形廃棄物の焼却・ガス化に
供されるが、この焼却・ガス化により新たに発生したガ
スは上記空気(流動流体)共々、上述のように気泡流動
層部4から隔壁8の上部の該流動流体排出ゲート9を経
由して高速流動層部3の中間部に設けられる流動流体合
流部Bに至る。ここで、気泡流動層部4は上述したよう
に流動粒子が高濃度で存在する部分(濃厚層、デンスベ
ッド)Dと流動粒子が低濃度でしか存在し得ない気泡流
動層部2の上部空間の部分(希薄層、フリーボード)E
とにより構成されるが、このフリーボードにおける上記
ガスの滞留時間があまり短い場合、すなわち気泡流動層
部4における流動粒子の濃厚な状態の上端面と流動流体
排出ゲート9の下端面との距離とが短い場合には、該ゲ
ート9を介して高速流動層層部3と気泡流動層部4との
間で流動粒子が行き来することになる。そして、それに
伴って上述の固形廃棄物も高速流動層部3に流れ込むこ
とになり、高速流動濃厚層部Aにおける流動粒子の流動
性が低下するという問題が生じる。
【0035】そこで、このフリーボードにおけるガスの
滞留時間と流動流体排出ゲート9を介しての固体廃棄物
の流入を調査したところ、本実施例においてはフリーボ
ード部におけるガスの滞留時間が0.5秒以上であれ
ば、すなわち気泡流動層部4における粒子の濃厚な状態
の上端面と流動流体排出ゲート9の下端面との距離が
0.35m以上であれば、固形廃棄物が当該ゲート52
を飛び越えて高速流動濃厚層部Aに侵入することはなか
った。また本実施例では、当該ゲート9の開口面積をフ
リーボード断面積の1/2以下とすることにより、すな
わちフリーボードにおけるるガス流速(空塔速度Uo)
の2倍以上で流動流体が通過可能な面積を確保すること
により、高速流動層部3から気泡流動層部4への流動粒
子の過大な流入を防止することができるという結果が得
られた。そしてさらに調査を進めた結果、上記構成の流
動層炉においては上記ゲート9の断面積を、気泡流動層
部4における空塔速度Uoに対してそれ以上の速度で流
動流体が通過可能な断面積とすることにより、高速流動
層部3から気泡流動層部4への流動粒子の逆流を必要十
分に抑えられるとの結果を得るに至った。
【0036】なお、流動粒子返送管12については、こ
れを気泡流動層部4の流動粒子が濃厚状態で存在してい
る部位まで延長するのが望ましく、これにより該返送管
12内に設けられた流動粒子返送流路13の下端部にお
いて流動粒子が濃厚な状態が維持されるため、1次流動
流体噴出ノズル17から噴出された空気が気泡流動層部
4から流動粒子返送流路13を経由してサイクロン5に
逆流する現象を防止することができる。また、隔壁8の
上部については、該隔壁8を気泡流動層部4の天井部に
まで延長するとともに、管路等により気泡流動層部4の
上部と高速流動層部3とを連通して、これを上部流路と
するようにしてもよい。さらに本実施例では、多様な産
業廃棄物を任意の比率で、かつ当該流動層炉では部分燃
焼せしめる場合について記述した。従って本実施例にお
いては該流動層炉内に熱的平衡状態を確保するための伝
熱管を設けておらず、また該流動層炉の下流部には2次
燃料炉31等が設けてある。よって、当該流動層炉にお
いて完全な焼却をはかる場合は、上述の伝熱管を高速流
動層部3、気泡流動層部4、およびサイクロン5のいず
れかの部位、あるいは全ての部位に設けることにより、
熱的平衡を保ちつつ完全焼却が達成される。
【0037】次に、図6は本発明の他の実施例を示すも
のであり、上述した実施例がサイクロン5を有する外部
循環流動層炉であったのに対して、このような外部循環
系を有さない内部循環流動層炉に本発明を適用したもの
である。ただし、この実施例において図1に示した実施
例と共通する部分には、同一の符号を配して説明を簡略
化する。
【0038】この実施例の炉本体51では、気泡流動層
部4は高速流動層部3を中心にこれを挟むように2基設
けられており、それぞれの気泡流動層部4,4と高速流
動層部3との間に隔壁8,8が設けられている。さら
に、各隔壁8,8の上部には流動流体排出ゲート9が、
また下部には流動粒子、不燃物排出ゲート10がそれぞ
れ設けられており、上部流路および下部流路を形成して
いる。さらにまた、炉本体41の炉底部14は、各気泡
流動層部4,4側から高速流動層部3側に向かうに従い
下方に降下する階段状に傾斜しており、高速流動層部3
の直下に位置するその最低部には不燃物排出流路15を
介して排出手段の不燃物排出口16が設けられている。
そして本実施例では、外部循環系におけるサイクロンの
代わって高速流動層部3の頂部の近傍にラビリンス52
が設けられており、このラビリンス52によって流動流
体と流動粒子との分離がなされて、本実施例における分
離手段が構成されるようになっている。
【0039】このような構成の流動層炉においても、気
泡流動層部4に供給されて上昇した流動流体と、同じく
気泡流動層部4に供給されて焼却、解砕され、微小サイ
ズ化された一部の固形廃棄物とは、流動流体排出ゲート
9を経て高速流動層部3の流動流体合流部Bに至り、こ
こで高速流動層部3を上昇した流動流体および流動粒子
と合流してさらに上昇し、ラビリンス52に到達する。
そして、このラビリンス52によって流動流体と流動粒
子および微小サイズ化された固形廃棄物とが分離され、
流動流体は流動流体排出流路11を経て排気口7から排
出され、一方流動粒子および微小固形廃棄物は炉本体4
1の内壁部に沿って下降して気泡流動層部4に返送、供
給される。従って、この図6に示した実施例において
も、上記図1ないし図5に示した実施例と同様の作用効
果を得ることが可能である。
【0040】
【発明の効果】このように、本発明の請求項1の流動層
炉によれば、高速流動層部と気泡流動層部との間に隔壁
を介してこれら高速流動層部と気泡流動層部とを一体化
することにより、両流動層部間の流動流体や流動粒子の
不要な干渉を避けて、安定した流動粒子の循環サイクル
を完成することができ、被処理物の効率的な燃焼、焼
却、熱分解、あるいは乾燥を行なうことが可能となると
ともに、被処理物の種別によって供給する流動層部を選
択することにより、多種多様な燃料あるいは廃棄物を前
処理を行なうことなく任意に処理し得て、各流動層炉の
特徴を十分に生かした処理を行なうことができる。また
請求項2の流動層炉では、上部流路を介しての高速流動
層部から気泡流動層部への流動粒子の逆流が防がれるた
め、流動粒子の循環を損なうことなくより安定した流動
を確保することができる。さらに請求項3の流動層炉に
よれば、下部流路における気泡流動層部から高速流動層
部への流動粒子や不燃物の移動が阻害されることがなく
なるとともに、高速流動層部からの流動流体やガスの逆
流が防がれ、さらにまた請求項4の流動層炉によれば、
この下部流路を通しての気泡流動層から高速流動層への
流動粒子の移動、および気泡流動層からの不燃物の排出
を一層円滑かつ確実ならしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す流動層炉の炉本体1の
概略図である。
【図2】図1に示す実施例において採用した1次流動流
体噴出ノズル17の概要を示す図である。
【図3】図1に示す実施例における周辺設備の概要を示
す図である。
【図4】図1に示す実施例において代表的な不燃物の移
動条件を、炉底部14の上面部14Aの傾斜角αと、炉
底部14の降下方向Yに対する1次流動流体噴出孔18
の噴出方向Xの角度βと、該噴出孔18からの噴出空気
流速Vとの関係で示した図である。
【図5】(イ)図4上に示す点の説明図、および(ロ)
図4における代表的な不燃物を説明する図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す流動層炉の炉本体5
1の概略図である。
【符号の説明】
1,51 炉本体 3 高速流動層部 4 気泡流動層部 5 サイクロン(分離手段) 8 隔壁 9 流動流体排出ゲート(上部流路) 10 流動粒子、不燃物移動ゲート(下部流路) 13 流動粒子返送流路 14 炉底部 16 不燃物排出口(排出手段) 17,20 流動流体噴出ノズル(空気供給手段) 18 流動流体噴出孔 19 廃油噴出ノズル(被処理物供給手段) 21 汚泥投入ノズル(被処理物供給手段) 22 汚水供給ノズル(被処理物供給手段) 23 固形燃料、固形廃棄物投入口(被処理物供給手
段) 52 ラビリンス(分離手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 操 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機械 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動媒体が循環する炉本体と、この炉本
    体に被処理物を供給する被処理物供給手段と、上記炉本
    体から排出される排出気体中の固形物を分離する分離手
    段と、上記炉本体に空気を供給する空気供給手段と、上
    記炉本体から不燃物を排出する排出手段とを備え、上記
    炉本体には、上記流動媒体の流動化開始速度に対してき
    わめて高速の空塔速度を有する高速流動層部と、この高
    速流動層部における空塔速度より低速かつ上記流動化開
    始速度よりも高速の空塔速度を有する気泡流動層部とが
    隔壁を介して設けられるとともに、この隔壁よりも上部
    および下部には、それぞれ上記高速流動層部と気泡流動
    層部とを連通せしめる上部流路および下部流路が形成さ
    れていることを特徴とする流動層炉。
  2. 【請求項2】 上記上部流路は、上記流動媒体を流動せ
    しめる流動流体が該上部流路を上記気泡流動層部におけ
    る空塔速度以上の速度で通過可能な断面積を有している
    ことを特徴とする請求項1記載の流動層炉。
  3. 【請求項3】 上記分離手段により分離された固形物は
    上記気泡流動層部に返送されるとともに、上記下部流路
    は、この返送される固形物の重量に対して略10倍の重
    量の上記流動媒体が30cm/s以下の速度で通過可能な断
    面積を有していることを特徴とする請求項1または2に
    記載の流動層炉。
  4. 【請求項4】 上記炉本体の炉底部は上記気泡流動層部
    側から高速流動層部側に向かうに従い降下する階段状に
    形成されるとともに、この炉底部がなす階段の上面部も
    上記気泡流動層部側から高速流動層部側に向かうに従い
    下方に向かって傾斜する傾斜面とされており、またこの
    炉底部には上記空気供給手段の噴出ノズルが設けられる
    とともに、該炉底部の最低部には上記排出手段の排出口
    が設けられていて、上記噴出ノズルの噴出方向は、上記
    炉底部がなす階段の降下方向に対して±30°の角度範
    囲内に設定されるとともに、該噴出ノズルからの空気噴
    出速度は、上記炉底部の上面部がなす傾斜面の傾斜角が
    5°以下の場合は50m/s以上に、該傾斜角が5°を上
    回り20°以下の場合は30m/s以上に、該傾斜角が2
    0°を上回り30°以下の場合は20m/s以上に設定さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の流動層炉。
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