JPH07127032A - 没水深を維持可能な没水浮体構造物 - Google Patents
没水深を維持可能な没水浮体構造物Info
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- JPH07127032A JPH07127032A JP5279401A JP27940193A JPH07127032A JP H07127032 A JPH07127032 A JP H07127032A JP 5279401 A JP5279401 A JP 5279401A JP 27940193 A JP27940193 A JP 27940193A JP H07127032 A JPH07127032 A JP H07127032A
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- JP
- Japan
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- submerged
- sea
- buoyancy
- floating structure
- tide
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A10/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
- Y02A10/11—Hard structures, e.g. dams, dykes or breakwaters
Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 潮の干満による潮位の変動に対し、動力を使
わないで適切な没水深を維持して海中に浮遊する没水浮
体構造物を提供する。 【構成】 海底に端部を固定し余長部分を有する係留チ
ェーン2に連結されて海中3に浮遊する没水浮体構造物
1であって、前記構造物1は海面上に浮かぶ浮力体4と
所定長さの係留索5で連結され、浮力体4は係留チェー
ン2の自重の増加に対して水没しない大きさの浮力を有
する構成とされ、潮位の変動に拘わらず浮力体4により
所望の没水深位置を維持可能に構成されている。 【効果】 潮位の変動に対し浮力体4の浮力を利用して
当該構造物が適切な没水深位置を維持するので、消波機
能を有効に発揮せしめて絶えず波が効果的に打ち消され
る。
わないで適切な没水深を維持して海中に浮遊する没水浮
体構造物を提供する。 【構成】 海底に端部を固定し余長部分を有する係留チ
ェーン2に連結されて海中3に浮遊する没水浮体構造物
1であって、前記構造物1は海面上に浮かぶ浮力体4と
所定長さの係留索5で連結され、浮力体4は係留チェー
ン2の自重の増加に対して水没しない大きさの浮力を有
する構成とされ、潮位の変動に拘わらず浮力体4により
所望の没水深位置を維持可能に構成されている。 【効果】 潮位の変動に対し浮力体4の浮力を利用して
当該構造物が適切な没水深位置を維持するので、消波機
能を有効に発揮せしめて絶えず波が効果的に打ち消され
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、消波構造物であっ
て、海洋の海岸線に沿って沖合いの海中に没水させ所望
位置に浮遊せしめ没水式浮体消波堤などとして使用され
る没水浮体構造物に係り、さらに云えば、潮位の変動に
対し没水深をほぼ一定に維持できる没水浮体構造物に関
する。
て、海洋の海岸線に沿って沖合いの海中に没水させ所望
位置に浮遊せしめ没水式浮体消波堤などとして使用され
る没水浮体構造物に係り、さらに云えば、潮位の変動に
対し没水深をほぼ一定に維持できる没水浮体構造物に関
する。
【0002】
【従来の技術】沖合いから押し寄せてくる波を構造物を
用いて消波することにより当該構造物より岸側の海域を
静穏に保つことを目的として、沖合いの海中に没水させ
係留索に係留し浮遊せしめて使用する没水式の消波構造
物(以下、没水浮体構造物と云う)が研究開発されてい
る。没水浮体構造物の消波機能を最大限に確保するため
には、海水の潮位の変動に対して当該没水浮体構造物を
所定の没水深位置で一定に維持しなければならない。
用いて消波することにより当該構造物より岸側の海域を
静穏に保つことを目的として、沖合いの海中に没水させ
係留索に係留し浮遊せしめて使用する没水式の消波構造
物(以下、没水浮体構造物と云う)が研究開発されてい
る。没水浮体構造物の消波機能を最大限に確保するため
には、海水の潮位の変動に対して当該没水浮体構造物を
所定の没水深位置で一定に維持しなければならない。
【0003】この点、従来の没水浮体構造物1は、図4
に示したように、海底にアンカー8で固定したカテナリ
ー曲線状の係留チェーン2と連結した所謂カテナリー係
留方式により係留し、例えば没水深Hの一定の位置で海
中3に浮遊されているにすぎない(干潮時を示した図4
A参照)。このとき、当該構造物1及び係留チェーン2
の自重(W)と浮力(B)とはつり合っている。そのた
め、海水の潮位がΔH上昇し没水深がH+ΔHに変化し
ても、何らかの手段で没水浮体構造物1を強制的に上昇
させない限り、当該構造物1は前記干潮時の海底からの
位置と同レベル位置に留まって海中3に浮遊する(満潮
時を示した図4B参照)。かかる状態で当該没水浮体構
造物1を強制的にΔHだけ上昇させようとするときに
は、例えば海上からウィンチ等の動力を用いて当該体構
造物1を強制的に持上げる等のほかなく、逆に満潮時か
ら干潮時に向けて潮位が下降する場合も、前記ウィンチ
を調節して行う必要がある。
に示したように、海底にアンカー8で固定したカテナリ
ー曲線状の係留チェーン2と連結した所謂カテナリー係
留方式により係留し、例えば没水深Hの一定の位置で海
中3に浮遊されているにすぎない(干潮時を示した図4
A参照)。このとき、当該構造物1及び係留チェーン2
の自重(W)と浮力(B)とはつり合っている。そのた
め、海水の潮位がΔH上昇し没水深がH+ΔHに変化し
ても、何らかの手段で没水浮体構造物1を強制的に上昇
させない限り、当該構造物1は前記干潮時の海底からの
位置と同レベル位置に留まって海中3に浮遊する(満潮
時を示した図4B参照)。かかる状態で当該没水浮体構
造物1を強制的にΔHだけ上昇させようとするときに
は、例えば海上からウィンチ等の動力を用いて当該体構
造物1を強制的に持上げる等のほかなく、逆に満潮時か
ら干潮時に向けて潮位が下降する場合も、前記ウィンチ
を調節して行う必要がある。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】従来のように、潮位
が変動するたびに、海中3に浮遊する没水浮体構造物1
の位置をウィンチ等の動力を操作して海上で調節するの
は大変面倒で煩わしく、且つ困難である。したがって、
本発明の目的は、海中に没水されて所定の没水深位置で
浮遊する没水浮体構造物が、潮の干満による潮位の変動
に対し、動力を使わないで適切な没水深を維持可能な没
水浮体構造物を提供することにある。
が変動するたびに、海中3に浮遊する没水浮体構造物1
の位置をウィンチ等の動力を操作して海上で調節するの
は大変面倒で煩わしく、且つ困難である。したがって、
本発明の目的は、海中に没水されて所定の没水深位置で
浮遊する没水浮体構造物が、潮の干満による潮位の変動
に対し、動力を使わないで適切な没水深を維持可能な没
水浮体構造物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解
決するための手段として、この発明に係る没水深を維持
可能な没水浮体構造物は、海底に端部を固定し余長部分
を有する係留チェーン2に連結して海中3に浮遊する没
水浮体構造物1であって、前記没水浮体構造物1は海面
上に浮かぶ浮力体4と所定長さの係留索5で連結し、前
記浮力体4は係留チェーン2の自重の増加に対して浮力
体4自身が完全に水没しない大きさの浮力を有する構成
とし、潮位の変動に拘わらず浮力体4により所望の没水
深Hおける位置を維持可能な構成であることを特徴とす
る。
決するための手段として、この発明に係る没水深を維持
可能な没水浮体構造物は、海底に端部を固定し余長部分
を有する係留チェーン2に連結して海中3に浮遊する没
水浮体構造物1であって、前記没水浮体構造物1は海面
上に浮かぶ浮力体4と所定長さの係留索5で連結し、前
記浮力体4は係留チェーン2の自重の増加に対して浮力
体4自身が完全に水没しない大きさの浮力を有する構成
とし、潮位の変動に拘わらず浮力体4により所望の没水
深Hおける位置を維持可能な構成であることを特徴とす
る。
【0006】なお、前記浮力体4は、浮遊位置を知らし
める浮標6や人工岩礁7の付属物の載置用としても利用
される。
める浮標6や人工岩礁7の付属物の載置用としても利用
される。
【0007】
【作用】没水浮体構造物1は海底に固定した係留チェー
ン2に連結されているので、潮流に影響を受けず漂流す
ることなく海中3を浮遊する。図1Aに示した干潮時に
おける当該没水浮体構造物1は、その自重、海底に横た
わる余長部分を除く係留チェーン2の自重、浮力体4の
自重及び係留索5の自重と、浮体構造物1、係留チェー
ン2、係留索5のもつ浮力及び浮力体4の水面下h部分
のもつ浮力とがつり合った平衡状態で海中3に浮遊され
る。このときの没水深Hが、この没水浮体構造物1が最
も有効に消波機能を発揮できる水深とされる。前記浮力
体4は係留チェーン2の上昇に伴う自重の増加に対して
完全に水没しない大きさの浮力を有するので、満潮時に
むけて潮位が上昇すると、浮力体4は水没することなく
若干沈降する。そのため、浮力体4に働く浮力が増加し
没水浮体構造物1は海中3を相対的に上昇し、その結果
係留チェーン2も同様に上昇する。図1Bに示したよう
に、最終的に潮位がΔH上昇した満潮時においては、係
留チェーン2の上昇に伴う自重の増加に相当する浮力を
補うために浮力体4がΔhだけ沈み、よって没水浮体構
造物1の没水深がH+Δhで平衡状態となる。浮力体4
の形状が海中から海面に向かってその体積が増える逆台
形又は逆円錐形に形成されているので、満潮時における
没水深の変動分Δhを前記の最適な没水深位置Hに比し
て小さく抑えることができ、結局、満潮時においても没
水浮体構造物1の消波機能を殆んど損なうことがなく、
潮位の変動に対し適切な没水深位置を概ね維持すること
ができる。
ン2に連結されているので、潮流に影響を受けず漂流す
ることなく海中3を浮遊する。図1Aに示した干潮時に
おける当該没水浮体構造物1は、その自重、海底に横た
わる余長部分を除く係留チェーン2の自重、浮力体4の
自重及び係留索5の自重と、浮体構造物1、係留チェー
ン2、係留索5のもつ浮力及び浮力体4の水面下h部分
のもつ浮力とがつり合った平衡状態で海中3に浮遊され
る。このときの没水深Hが、この没水浮体構造物1が最
も有効に消波機能を発揮できる水深とされる。前記浮力
体4は係留チェーン2の上昇に伴う自重の増加に対して
完全に水没しない大きさの浮力を有するので、満潮時に
むけて潮位が上昇すると、浮力体4は水没することなく
若干沈降する。そのため、浮力体4に働く浮力が増加し
没水浮体構造物1は海中3を相対的に上昇し、その結果
係留チェーン2も同様に上昇する。図1Bに示したよう
に、最終的に潮位がΔH上昇した満潮時においては、係
留チェーン2の上昇に伴う自重の増加に相当する浮力を
補うために浮力体4がΔhだけ沈み、よって没水浮体構
造物1の没水深がH+Δhで平衡状態となる。浮力体4
の形状が海中から海面に向かってその体積が増える逆台
形又は逆円錐形に形成されているので、満潮時における
没水深の変動分Δhを前記の最適な没水深位置Hに比し
て小さく抑えることができ、結局、満潮時においても没
水浮体構造物1の消波機能を殆んど損なうことがなく、
潮位の変動に対し適切な没水深位置を概ね維持すること
ができる。
【0008】前記浮力体4には浮標6や人工岩礁7等が
載置されるので(図3)、浮遊位置の目印としたり外観
上の景観を維持したりすることもできる。
載置されるので(図3)、浮遊位置の目印としたり外観
上の景観を維持したりすることもできる。
【0009】
【実施例】次に、図面に示した本発明の実施例を説明す
る。図1は、海水の干潮時(A)と満潮時(B)におい
て没水浮体構造物1が海中3を浮遊している状態を簡素
化して示している。没水浮体構造物1は消波機能を最大
限確保する目的で没水式浮体消波堤などとして予めコン
クリート等を用いて工場で生産された構造物(消波構造
物)であり、海上を曳航され沖合いの海中3に浮遊され
ている。具体的には、海岸線に沿って略平行な配置で当
該沖合いの海中3に、所謂カテナリー曲線状の係留チェ
ーン2に係留されて所望の没水深Hにおける海中3での
位置(Hは海面と当該構造物1の上面との距離であって
数mぐらい)に浮遊されている。係留チェーン2は、図
1Aの干潮時に浮遊する没水浮体構造物1の下面から海
底までの距離に、更に潮位の上昇変位とやや長い余長部
分を加えた長さを有するものとして構成されている。そ
の係留チェーン2の下端部は構造物1の直下位置の海底
から離れた位置に設置されたアンカー8に固定され、前
記余長部分の殆んどを海底に横たわらせた形とされ、そ
の上端部が構造体1に連結されている。したがって、図
1Aの干潮時において、当該没水浮体構造物1は、その
自重、係留チェーン2(但し、海底に横たわる前記余長
部分を除く)の自重と後述の浮力体4及び係留索5の自
重と、浮力とがつり合った平衡状態で海中3に浮遊され
ている。
る。図1は、海水の干潮時(A)と満潮時(B)におい
て没水浮体構造物1が海中3を浮遊している状態を簡素
化して示している。没水浮体構造物1は消波機能を最大
限確保する目的で没水式浮体消波堤などとして予めコン
クリート等を用いて工場で生産された構造物(消波構造
物)であり、海上を曳航され沖合いの海中3に浮遊され
ている。具体的には、海岸線に沿って略平行な配置で当
該沖合いの海中3に、所謂カテナリー曲線状の係留チェ
ーン2に係留されて所望の没水深Hにおける海中3での
位置(Hは海面と当該構造物1の上面との距離であって
数mぐらい)に浮遊されている。係留チェーン2は、図
1Aの干潮時に浮遊する没水浮体構造物1の下面から海
底までの距離に、更に潮位の上昇変位とやや長い余長部
分を加えた長さを有するものとして構成されている。そ
の係留チェーン2の下端部は構造物1の直下位置の海底
から離れた位置に設置されたアンカー8に固定され、前
記余長部分の殆んどを海底に横たわらせた形とされ、そ
の上端部が構造体1に連結されている。したがって、図
1Aの干潮時において、当該没水浮体構造物1は、その
自重、係留チェーン2(但し、海底に横たわる前記余長
部分を除く)の自重と後述の浮力体4及び係留索5の自
重と、浮力とがつり合った平衡状態で海中3に浮遊され
ている。
【0010】前記没水浮体構造物1は同構造物1の直上
位置の海面上に浮かぶ浮力体4と所定長さ(H−h)の
係留索5で連結されている(Hは前記の通り構造物1の
没水深であり、hは浮力体4の水面下部分の深さであ
る)。通常は、図2に示したように、1個の没水浮体構
造物1に対し平面的に見てその上面両端部に2つの浮力
体4、4を設けバランスの良い浮力を働かせたものを複
数個、並列状態で浮遊せしめている。
位置の海面上に浮かぶ浮力体4と所定長さ(H−h)の
係留索5で連結されている(Hは前記の通り構造物1の
没水深であり、hは浮力体4の水面下部分の深さであ
る)。通常は、図2に示したように、1個の没水浮体構
造物1に対し平面的に見てその上面両端部に2つの浮力
体4、4を設けバランスの良い浮力を働かせたものを複
数個、並列状態で浮遊せしめている。
【0011】前記浮力体4は中空成形の合成樹脂等で成
り、その形状は上部に向って体積が増え海面上に平坦部
が突起する倒立の逆台形又は逆円錐形に形成されてい
る。満潮時に没水深の変動分Δhを極力小さく抑え、可
能な限り海面上に浮力体4を突き出させないためであ
る。当該浮力体4の浮力は、潮位の上昇に伴って増加す
る係留チェーン2の自重に対しても浮力体4自身が完全
に水没しない大きさに調整されている。即ち、図1Aに
例示した干潮時における係留チェーン2は前記の通りカ
テナリー係留方式によりその余長部分の殆んどが海底面
に横たわっており、その自重は同図中に符号Pで示した
海底との離脱部分から構造物1に到達するまでの長さに
関するものである。これに対し、図1Bに例示した満潮
時には、没水浮体構造物1が潮位の上昇に応じて上昇す
るため、前記係留チェーン2もそれに応じて引っ張られ
て上昇し、Pの位置より上方の実質長さが増す。従っ
て、この満潮時における係留チェーン2の自重は、係留
チェーン2の長さが増加した分だけ増加する訳である。
詳述すれば、図1中の符号Pの位置より上方に係留チェ
ーン2の余長部分が海底面から離脱して自重が増加し、
この増加した係留チェーン2の自重に相当する浮力を浮
力体4が干潮時に比べ新たに沈降した部分Δhで補う構
成となっている。よって、没水浮体構造物1は潮位の変
動に拘わらず、浮力体4に吊られた形で概ね所望の没水
深Hの位置を維持する。なお、没水深Hの変更は、従前
の浮力体4を所望の浮力を有する異なる浮力体4に取り
代える方法により容易に行うことができる。
り、その形状は上部に向って体積が増え海面上に平坦部
が突起する倒立の逆台形又は逆円錐形に形成されてい
る。満潮時に没水深の変動分Δhを極力小さく抑え、可
能な限り海面上に浮力体4を突き出させないためであ
る。当該浮力体4の浮力は、潮位の上昇に伴って増加す
る係留チェーン2の自重に対しても浮力体4自身が完全
に水没しない大きさに調整されている。即ち、図1Aに
例示した干潮時における係留チェーン2は前記の通りカ
テナリー係留方式によりその余長部分の殆んどが海底面
に横たわっており、その自重は同図中に符号Pで示した
海底との離脱部分から構造物1に到達するまでの長さに
関するものである。これに対し、図1Bに例示した満潮
時には、没水浮体構造物1が潮位の上昇に応じて上昇す
るため、前記係留チェーン2もそれに応じて引っ張られ
て上昇し、Pの位置より上方の実質長さが増す。従っ
て、この満潮時における係留チェーン2の自重は、係留
チェーン2の長さが増加した分だけ増加する訳である。
詳述すれば、図1中の符号Pの位置より上方に係留チェ
ーン2の余長部分が海底面から離脱して自重が増加し、
この増加した係留チェーン2の自重に相当する浮力を浮
力体4が干潮時に比べ新たに沈降した部分Δhで補う構
成となっている。よって、没水浮体構造物1は潮位の変
動に拘わらず、浮力体4に吊られた形で概ね所望の没水
深Hの位置を維持する。なお、没水深Hの変更は、従前
の浮力体4を所望の浮力を有する異なる浮力体4に取り
代える方法により容易に行うことができる。
【0012】したがって、海水が干潮時(図1A)から
満潮時(図1B)に向けて潮位が上昇し、又はその逆に
潮位が下降していくいずれの段階でも、当該没水浮体構
造物1は浮力体4により消波に有効な所望の没水深Hを
概ね維持して海中3に浮遊し、消波機能が効果的に働
く。なお、浮力体4は、その上面部に浮遊位置を知らし
める誘導灯などの浮標6(図3A)や、外観上の景観を
維持する人工岩礁7(図1B)などの付属物を載置して
利用することも行われ、そうすることによって浮力体4
の付加価値が増大される。
満潮時(図1B)に向けて潮位が上昇し、又はその逆に
潮位が下降していくいずれの段階でも、当該没水浮体構
造物1は浮力体4により消波に有効な所望の没水深Hを
概ね維持して海中3に浮遊し、消波機能が効果的に働
く。なお、浮力体4は、その上面部に浮遊位置を知らし
める誘導灯などの浮標6(図3A)や、外観上の景観を
維持する人工岩礁7(図1B)などの付属物を載置して
利用することも行われ、そうすることによって浮力体4
の付加価値が増大される。
【0013】
【本発明が奏する効果】本発明に係る没水深を維持可能
な没水浮体構造物によれば、潮位の変動に対し浮力体4
の浮力を利用して当該構造物が適切な没水深位置を概ね
維持するので、消波機能を有効に発揮せしめて絶えず波
が効果的に打ち消され、没水浮体構造物より岸側の領域
が静穏に保たれる。また、浮力体4に浮標6等を載置す
ることにより当該構造物の有効利用が図られる。
な没水浮体構造物によれば、潮位の変動に対し浮力体4
の浮力を利用して当該構造物が適切な没水深位置を概ね
維持するので、消波機能を有効に発揮せしめて絶えず波
が効果的に打ち消され、没水浮体構造物より岸側の領域
が静穏に保たれる。また、浮力体4に浮標6等を載置す
ることにより当該構造物の有効利用が図られる。
【図1】AとBは、干潮時と満潮時における没水浮体構
造物を示した断面図である。
造物を示した断面図である。
【図2】没水浮体構造物を簡略して示した平面図であ
る。
る。
【図3】AとBは、異なる浮力体を示した断面図であ
る。
る。
【図4】AとBは、従来の干潮時と満潮時における没水
浮体構造物を示した断面図である。
浮体構造物を示した断面図である。
1 没水浮体構造物 2 係留チェーン 3 海中 4 浮力体 5 係留索 6 浮標 7 人工岩礁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津吉 秀一 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 山田 弘道 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 川原田 稔 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 河原林 英彰 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中土木内 (72)発明者 奥村 良介 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中土木内
Claims (2)
- 【請求項1】海底に端部を固定し余長部分を有する係留
チェーンに連結されて海中に浮遊する没水浮体構造物で
あって、前記没水浮体構造物は海面上に浮かぶ浮力体と
所定長さの係留索で連結されており、前記浮力体は係留
チェーンの自重の増加に対して水没しない大きさの浮力
を有する構成とされ、潮位の変動に拘わらず浮力体によ
り所望の没水深位置を維持可能な構成であることを特徴
とする、没水深を維持可能な没水浮体構造物。 - 【請求項2】請求項1に記載された浮力体は、浮標又は
人工岩礁の付属物の載置用に利用されることを特徴とす
る、没水深を維持可能な没水浮体構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5279401A JPH07127032A (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 没水深を維持可能な没水浮体構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5279401A JPH07127032A (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 没水深を維持可能な没水浮体構造物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07127032A true JPH07127032A (ja) | 1995-05-16 |
Family
ID=17610605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5279401A Pending JPH07127032A (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 没水深を維持可能な没水浮体構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07127032A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102852117A (zh) * | 2011-06-29 | 2013-01-02 | 郑钢钢 | 一种在潮位变化时不用改变垂向系缆长度的浮堤 |
-
1993
- 1993-11-09 JP JP5279401A patent/JPH07127032A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102852117A (zh) * | 2011-06-29 | 2013-01-02 | 郑钢钢 | 一种在潮位变化时不用改变垂向系缆长度的浮堤 |
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