JPH07126655A - 高炉用コークスの製造方法 - Google Patents

高炉用コークスの製造方法

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JPH07126655A
JPH07126655A JP27167693A JP27167693A JPH07126655A JP H07126655 A JPH07126655 A JP H07126655A JP 27167693 A JP27167693 A JP 27167693A JP 27167693 A JP27167693 A JP 27167693A JP H07126655 A JPH07126655 A JP H07126655A
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JP
Japan
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coke
temperature
amount
hot air
quality
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JP27167693A
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Tsukasa Chikada
司 近田
Keizo Inoue
恵三 井上
Kazuya Uebou
和弥 上坊
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】室炉式大型コークス炉で石炭を乾留して高炉用
コークスを製造するに際し、良質のコークスを効率よく
製造する方法の提供。 【構成】コークス炉から排出された赤熱コークスを乾式
消火(CDQ)設備に投入し、このCDQ設備の上部
(再加熱部)に、循環ガスの一部を燃焼させて生成した
熱風を吹込み、赤熱コークスをコークス炉内における乾
留温度以上に再加熱する。乾留温度が 900℃以下の赤熱
コークスを対象とすれば、品質(コークス強度)改善効
果が大きく、かつ経済的にも有利である。また、熱風吹
込み量を350Nm3/t-coke 以下とすれば、コークスの品質
向上効果を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室炉式大型コークス炉
で石炭を乾留して高炉用コークスを製造するに際し、良
質のコークスを高い生産性で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】室炉式の大型コークス炉でコークスを製
造するには、まず、通常8〜10重量%の水分を有する数
種もしくは10数種ほどの原料石炭を所定比率に配合し、
粉砕して所定の粒度に調製する。次いで、コークス炉の
炉上に設けられた石炭塔と称される貯炭槽までベルトコ
ンベアーで搬送し、貯炭槽からはコークス炉一窯分に相
当する石炭(以下、装入炭と称す)を秤量して装炭車に
払い出す。装炭車は炉上を所定の窯(炭化室)の上まで
走行し、炭化室の頂部に設けられた4〜5孔の装炭口か
ら積載された装入炭全量が炭化室に自重で装入される。
装入炭は炭化室のレンガ壁を介して両側に設けられた燃
焼室からの間接加熱により、24時間前後で約1000℃程度
まで加熱されて乾留される。その後、赤熱コークスとし
て炉外に排出され、散水による湿式冷却もしくは不活性
ガスによる乾式冷却により消火され、例えば高炉用コー
クスとして供される。
【0003】このようにコークス炉の操業は高温で行わ
れるので大量のエネルギーを投入しなければならず、例
えば石炭1kgを乾留するには 500〜600kcal 程度の熱量
が必要である。従って、乾留温度を下げることができれ
ば投入エネルギーを減少させることができ、コークス製
造コストを低下させることが可能となる。しかし、単に
乾留温度を下げるだけではコークスの品質 (強度、反応
性) の低下等を招くため、特に高炉用コークスのように
高品質が要求されるコークスの製造においては、未だに
乾留温度の大幅な低下は実現されていない。
【0004】図1は同一原料炭を使用した場合の乾留温
度とコークス強度の関係を示す図であるが、乾留温度の
低下と共に製造されるコークスの強度は低下する。従っ
て、通常の乾留温度よりも低い中低温の乾留温度で製造
されたコークスを高炉用として使用するためには、コー
クス強度を高めるために何らかの処理を施すことが不可
欠である。
【0005】コークスの品質を向上させる方法として、
例えば、配合原料を高級化する方法が挙げられるが、こ
れは原料コストの大幅な上昇を引き起こすため好ましく
ない。
【0006】また、コークス炉から排出された乾留温度
が 850℃程度の中温乾留赤熱コークスをコークス乾式消
火設備(CDQ設備)に装入して冷却する際に、タール
等の炭化水素化物をCDQ設備の冷却塔のプレチャンバ
ーに吹込み、コークスの表面に熱分解炭素を付着させて
コークスの品質を改善する方法も提案されている(特開
昭63−8480号公報)。この方法にれば、コークスの品質
は確かに向上するものの、添加したタールを完全に反応
させるのは非常に困難で、そのために未反応タールが熱
交換用循環ガスに同伴してボイラ部側に導入され、ここ
で冷却されて凝縮し、配管等に付着して、種々のトラブ
ルを誘発する原因になる。
【0007】CDQ設備を利用して中温乾留コークスの
品質改善を図る方法として、特開平2−194087号公報に
は、プレチャンバーに空気を吹き込む方法が開示されて
いる。この方法は設備的に非常に簡素であるが、この方
法でCDQ設備に装入されたコークス全体を均一に再加
熱することは困難である。これは、吹き込まれた空気
(酸素) は全量がその部分でほとんど瞬間的に反応する
ので空気吹込み位置のコークスの温度は上昇するが、そ
の他の部分には酸素がほとんど供給されないので燃焼反
応が起こらず、コークスの温度が上昇しにくいためであ
る。なお、コークス温度を均一に上昇させるための空気
の吹込み方法については何ら具体的方策が示されていな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術にお
ける問題、すなわち乾留温度の低下と共にコークスの品
質 (強度、反応性) が低下するという問題を解決するた
めに、本出願人は、特願平5−123664号で、CDQ設備
のプレチャンバー部に窒素あるいは燃焼廃ガス等の不活
性ガスを吹き込み、赤熱コークスをその乾留温度以上に
加熱する方法を提案した。本発明は、この方法をさらに
改善し、室炉式大型コークス炉で石炭を乾留して高炉用
コークスを製造するに際し、良質のコークスを高い生産
性で製造する方法を提供することを課題としてなされた
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために検討を重ねた結果、前記の先に提案
した方法(特願平5−123664号)においてCDQ設備の
プレチャンバー部に吹き込む不活性ガスとして、CDQ
設備に投入された赤熱コークスの顕熱を回収するための
循環ガスを燃焼させて生成した高温の廃ガスを使用すれ
ば、経済的で、かつ装置トラブルを引き起こすことなく
目的を達成できることを確認した。
【0010】本発明はこれに基づいてなされたもので、
その要旨は下記〜のコークスの製造方法にある。
【0011】 コークス炉から排出された赤熱コーク
スを乾式消火設備に投入し、この乾式消火設備の上部
に、赤熱コークスの顕熱を回収するための可燃性ガスを
含む循環ガスの一部を燃焼させて生成した熱風を吹込
み、赤熱コークスを乾留温度以上に再加熱することを特
徴とする高炉用コークスの製造方法。
【0012】 乾式消火設備に投入される赤熱コーク
スの乾留温度が平均乾留温度で 900℃以下である前記
に記載の高炉用コークスの製造方法。
【0013】 熱風吹込み量がコークス処理量1tあ
たり350Nm3以下である前記に記載の高炉用コークスの
製造方法。
【0014】前記の乾留温度とは、コークス炉内におけ
る乾留温度であり、炭中部温度(炭化室中央部の装入炭
の温度)ではなく、炭化室内のコークス全体の平均温度
で表した乾留温度を意味する。
【0015】
【作用】以下、本発明方法(〜の方法)について詳
細に説明する。
【0016】図2は本発明方法の実施に用いるCDQ設
備の一例の概略図である。CDQ設備内の上部は再加熱
部(プレチャンバー部)、下部は冷却部をなし、冷却部
の下方部にコークスを冷却するための循環ガスの吹き込
み口(図示せず)とそのガスを排出するための煙道1が
設けられている。さらに、プレチャンバーの上方部には
高温の熱風(燃焼廃ガス)を送り込むための燃焼炉2が
接続されている。
【0017】この図において、コークス炉から排出され
た一窯分の赤熱コークスは消火台車3に積載され、CD
Q設備まで運搬された後CDQ設備のプレチャンバー部
に投入される。次いで、燃焼炉2から供給される高温の
燃焼廃ガス(以下、熱風という)によりプレチャンバー
内のコークスは所定温度まで昇温され、品質が改善され
る。この品質改善されたコークスは冷却部に移行し、そ
の下方部から吹き込まれる低温の循環ガスと向流接触し
て熱交換し、 200℃程度かそれより低い温度まで冷却さ
れ、最終的にCDQ設備の最下部から冷コークスとして
抜き出される。
【0018】熱交換により高温となった循環ガスは煙道
1から除塵器4を経てボイラ部に導かれ、ここで熱交換
により冷却された後サイクロン5を通過し、再びCDQ
設備の下方部から冷却部に吹き込まれる。
【0019】一方、サイクロン5を通過した後の循環ガ
スの一部は燃焼炉2に供給され、ここで燃焼して生じた
高温の熱風が前記のようにプレチャンバー部に供給され
る。
【0020】なお、プレチャンバー部の上方から吹き込
まれた熱風は、プレチャンバー内を通過した後CDQ設
備の下方部から吹き込まれる循環ガスに合流し、煙道1
からボイラー部に導入され熱回収される。
【0021】循環ガスが燃焼炉2の燃料として使用でき
るのはこのガス中に可燃性成分が相当量含まれているか
らである。これは、高温下では循環ガス中に含まれる二
酸化炭素と水蒸気がコークスの炭素と反応して可燃性の
一酸化炭素および水素を生成すること、更には、中低温
乾留コークスを二次的に再加熱し、昇温する過程におい
て水素を主成分とする熱分解ガスが生成すること等によ
るものである。
【0022】また、CDQ設備内を循環する熱交換用ガ
スは、例えば、投入コークス1t当たり 1500Nm3程度で
あり、このうちの一部、すなわちコークス1t当たり15
0Nm3程度の循環ガスを燃焼させて製造した熱風を供給す
ることにより、プレチャンバー部に投入された平均乾留
温度が 850℃程度の中温乾留コークスを 950℃程度にま
で上昇させ、コークスの品質を十分に改善することが可
能である。なお、循環ガスの燃焼方法、燃焼炉の設置場
所等は本発明方法に対して何ら制約を及ぼすものではな
い。すなわち、CDQ設備の外部に燃焼炉を設け、この
燃焼炉で製造した熱風をプレチャンバー部に吹き込むこ
とも可能であるし、例えば、プレチャンバー内の上部空
間の外周にバーナーを設け、循環ガスと燃焼用空気を供
給して循環ガスを燃焼させ熱風とする等、CDQ設備の
内部を燃焼炉として使用することも可能である。
【0023】上記の本発明方法、すなわち前記の方法
により、装置上のトラブルを引き起こすことなく、かつ
経済的にコークスの品質を改善することができるが、C
DQ設備に投入するコークスとして平均乾留温度が 900
℃以下のコークスを使用すれば、特に好ましい結果が得
られる。これは、 900℃を超える温度で乾留されたコー
クスに対して本発明方法を適用した場合でももちろん品
質の向上は認められるが、現行の高炉用コークスに必要
とされる品質を確保するという観点に立てば、コークス
炉から排出されたコークスを高温の熱風により再加熱す
るという工程を加える割には得られるコークスの品質の
向上幅が小さく、経済性の点から得策とは言えない。更
に、乾留温度の高いコークスでは、再加熱時の水素を主
成分とする熱分解ガスの発生量が低下するため、循環ガ
ス中の可燃性成分量が不足する事態を生じる可能性も予
想されるからである。
【0024】このような理由から、コークス炉内での平
均乾留温度が 900℃以下のコークスを対象とし、上記本
発明方法(の方法)を適用するのが前記ののコーク
ス製造方法であり、品質改善効果が大きく、かつ経済的
にも有利に本発明方法を実施することができる。
【0025】前記のの方法は、熱風吹込み量をコーク
ス処理量1t当たり350Nm3以下に規定して行うコークス
製造方法である。すなわち、プレチャンバー内のコーク
スの温度を高めて品質を改善するために必要な熱はプレ
チャンバー部に吹き込まれる熱風により供給されるが、
この熱量は熱風量に比例して増加するのではなく、以下
に述べるように好ましい熱風量の範囲が存在するので、
の方法では、この範囲の量に相当する量の熱風をプレ
チャンバー内に吹き込んで本発明方法(の方法)を適
用する。
【0026】図3は、プレチャンバー部に吹き込まれる
熱風量とそれにより供給される熱量とを両軸にとり、熱
風により供給される熱量(投入熱量)、コークスの加熱
に費やされる熱量、排ガスの顕熱として持ち去られる熱
量等を模式的に示した図である。
【0027】この図3において、投入熱量は熱風量の増
加に比例して増加するのではなく、熱風量の増加ととも
にその増加率は次第に低下する。これは、図4に示すよ
うに、循環ガスの発熱量が熱風量の増加に伴って低下す
ることによるものである。熱風量が増加すると、二酸化
炭素(CO2) や水蒸気(H2O) とコークス (C) との反応量
は多くなるが、熱風量に対する反応量の割合は次第に低
下し、また、熱風量が増加すると最初は赤熱コークスの
再加熱温度幅が大きく、赤熱コークスからの発生水素量
が増加するが、熱風量に対するその増加割合は次第に小
さくなり、可燃性成分の割合が低下して循環ガスの発熱
量が低下するからである。
【0028】一方、排ガスの顕熱として持ち去られる熱
量は熱風量の増加に比例して増加する。
【0029】前記の投入熱量から排ガスの顕熱として持
ち去られる熱量(排ガス顕熱分)を差し引いた熱量、正
確には、排ガス顕熱分の他にコークスの加熱と同時に進
行する二酸化炭素(CO2) や水蒸気(H2O) とコークス
(C) との反応(吸熱反応)で消費される反応減熱分も
差し引いた熱量がコークスの加熱に費やされる熱量(図
の斜線で示した部分)であるが、図に示すように、ある
熱風量(図中のQ)を境にして減少する。すなわち、コ
ークスの加熱に費やされる熱量は、熱風量が少ない間は
熱風量の増加に伴って増加するが、熱風量が多すぎると
逆に減少する。従って、熱風はコークスの加熱に使われ
る熱量が熱風量と共に増加する範囲、すなわちQ以下の
範囲で供給するのがよい。
【0030】図5はコークス処理量が 170t/hで、吹き
込まれた熱風により加熱されるコークス層の厚さ(コー
クス層高)が5mの場合におけるコークス1t当たりの
熱風量と再加熱コークス温度との関係を示す図で、燃焼
に必要な理論空気量に対する投入空気量の比mを 1.0と
して計算により求めた図であるが、図示するように、熱
風量が約350Nm3/t-coke において再加熱温度が最高とな
る。また、後述の実施例3に示すように、乾留温度以上
であれば再加熱温度が高いほど品質改善効果が大きいの
で、熱風量が約350Nm3/t-coke のときコークスの品質向
上効果が最大となる。
【0031】図6はプレチャンバー部のコークス層高が
変化した場合の再加熱コークス温度の変化を模式的に示
す図である。この図に示されるように、プレチャンバー
部のコークス層高が増大すると、再加熱コークス温度は
全体的に高く、最高到達温度も上昇し、そのときの熱風
量も増大する。一方、コークス層高が低下すると、最高
到達温度は低下し、そのときの熱風量も減少する。これ
は、前述のように、循環ガス中に含まれる二酸化炭素と
水蒸気がコークスの炭素と反応することにより可燃性の
一酸化炭素および水素が生成することによるもので、例
えば、プレチャンバー部のコークス層高が高いと反応時
間が長く可燃性成分の生成量が多くなる。つまり、循環
ガスの単位体積当たりの発熱量がプレチャンバー部のコ
ークス層高により変化するからである。コークス層高を
格段に大きくすれば、最高到達温度が得られる熱風量は
前記の350Nm3/t-coke よりも大きくなるが、CDQ設備
を高くしなければならず得策とはいえない。
【0032】上記のように、熱風吹込み量を350Nm3/t-c
oke 以下とすれば熱風量を必要以上に増やすことなく再
加熱コークス温度を上昇させ、コークスの品質向上効果
を高めることができる。なお、熱風吹込み量が50Nm3/t-
coke以上であれば一応の効果が認められる。
【0033】以下、本発明方法を実施例によって更に詳
しく説明する。
【0034】
【実施例1】コークス炉で平均乾留温度 850℃で乾留
し、排出した赤熱コークスを前記図2に示した構成を有
するCDQ設備(コークス処理量:170t/h)のプレチャ
ンバー部に装入し、これに循環ガスを燃焼させて生じた
熱風を吹き付けてコークス温度を 950℃まで上昇させ
た。その後、冷却部で 175℃まで冷却し、温度が低下し
たコークスをCDQ設備の下部から切り出した。一方、
コークスを冷却してその顕熱を回収した循環ガスおよび
プレチャンバー部に供給した熱風は、共に煙道からボイ
ラ部に導入し、ここで熱交換した後、再びCDQ設備の
冷却部に吹き込んだ。この時のCDQ設備の諸元(コー
クス温度、循環ガスの温度ならびに流量等)は図7に示
す通りである。また、循環ガスの主な成分の含有率は、
一酸化炭素:20%、水素:11%、窒素:62%(いずれも
体積%)であった。
【0035】上記の冷却後コークスについて、JIS K 21
51に規定された回転強度試験法によりコークス強度(回
転強度)の測定を行った。
【0036】なお、比較のために、平均乾留温度 850℃
もしくは 950℃の条件で製造したコークスを前記のCD
Q設備に装入し、プレチャンバー部での再加熱処理を施
すことなく 175℃まで乾式冷却し、CDQ設備の下部か
ら切り出した後、前記と同様にコークス強度の測定を行
った。
【0037】試験結果をまとめて表1に示す。この結果
から明らかなように、平均乾留温度950℃で排出したコ
ークス(高温乾留コークス)の強度が約84であるのに対
し、850℃で排出したコークス(中温乾留コークス)の
強度は約80であり、乾留温度が低いとコークス強度が劣
っている。しかし、 850℃で排出した中温乾留コークス
を 950℃まで再加熱した場合、すなわち本発明方法を適
用した場合は、コークス強度が約84で、高温乾留コーク
スのそれにほぼ匹敵するまでに改善された。
【0038】
【実施例2】実施例1で用いたCDQ設備を使用し、乾
留温度を種々変更した以外は実施例の場合と同じ条件
(再加熱温度 950℃)でコークスの再加熱を実施し、冷
却処理後のコークスについてその強度を測定した。ま
た、比較のため、再加熱処理を行わなかった場合につい
ても同様に強度測定を行った。なお、コークス強度の測
定方法は実施例1の場合と同じである。
【0039】測定結果を表2に示す。この表から、コー
クス炉での乾留温度が低くても熱風を吹き付けて 950℃
まで再加熱することにより、すなわち本発明方法を適用
することによりその品質が大幅に向上し、平均乾留温度
950℃で排出した高温乾留コークスと同等の強度を示す
ことがわかる。乾留温度が 900℃を超えるコークスにつ
いては再加熱の効果が小さく、このようなコークスに対
して再加熱処理を施すのはあまり得策とは言えない。
【0040】
【実施例3】実施例1で用いたCDQ設備を使用し、乾
留温度を 850℃とし、再加熱温度をを種々変更してコー
クスの再加熱を実施し、冷却処理後のコークスについて
その強度を測定した。なお、コークス強度の測定方法は
実施例1の場合と同じである。
【0041】測定結果を表3に示す。この結果から、再
加熱温度がコークス炉での乾留温度よりも低い場合には
コークス強度の向上が認められず、再加熱温度は乾留温
度以上とする必要のあることがわかる。また、再加熱温
度が高いほどコークス強度が大きい。
【0042】
【実施例4】実施例1で用いたCDQ設備を使用し、乾
留温度を 850℃とし、熱風の吹込み量を変えてコークス
の再加熱を実施し、冷却処理後のコークスについてその
強度を測定した。また、比較のため、再加熱処理を行わ
なかった場合、および乾留温度を 950℃として再加熱処
理を行わなかった場合についても同様に強度測定を行っ
た。なお、コークス強度の測定方法は実施例1の場合と
同じである。
【0043】測定結果を表4に示す。表4には循環ガス
の発熱量も示したが、循環ガスの発熱量は図4で説明し
たように熱風の吹込み量が多いほど低下していることが
わかる。なお、再加熱処理を行わなかった場合(熱風吹
込み量が0の場合)は、循環ガス中の水素濃度が過剰に
なるのを避けるために煙道に希釈用の空気を導入したの
で発熱量が低下している。
【0044】コークスの強度は、平均乾留温度 850℃で
排出し、再加熱処理を行わなかった場合は約80で、平均
乾留温度が 950℃の場合(強度が約84)に比べて劣って
いるが、熱風を吹き込むと強度が改善される。しかし、
熱風量が6万Nm3/h (350Nm3/t-coke) を超えるとコーク
ス強度の改善の度合いは小さくなる。これは先に述べた
ように(図3参照)、熱風量が 350Nm3/t-cokeを超える
と循環ガスの発熱量が低下し、コークス再加熱温度が低
下することによるものである。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】本発明方法によれば、室炉式大型コーク
ス炉で石炭を乾留して高炉用コークスを製造するに際
し、CDQ設備の循環ガスの一部を燃焼させ、生成した
熱風(燃焼廃ガス)により乾留後のコークスを再加熱す
るので、装置上のトラブルを引き起こすことがなく、高
強度の良質のコークスを効率よく製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】乾留温度とコークス強度との関係を示す図であ
る。
【図2】本発明方法を実施するためのCDQ設備の一例
の概略図である。
【図3】プレチャンバー部に吹き込まれる熱風量と熱風
により供給される熱量(投入熱量という)ならびにコー
クスの加熱に費やされる熱量の関係を示す図である。
【図4】熱風量と循環ガスの発熱量の関係を示す図であ
る。
【図5】コークス1t当たりの熱風量と再加熱コークス
温度との関係を示す図である。
【図6】循環ガスの発熱量が変化した場合のコークス1
t当たりの熱風量と再加熱コークス温度との関係を模式
的に示す図である。
【図7】実施例におけるCDQ設備の諸元を示す図であ
る。
【符号の説明】
1:煙道、2:燃焼炉、3:消化台車、4:除塵器、
5:サイクロン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コークス炉から排出された赤熱コークスを
    乾式消火設備に投入し、この乾式消火設備の上部に、赤
    熱コークスの顕熱を回収するための可燃性ガスを含む循
    環ガスの一部を燃焼させて生成した熱風を吹込み、赤熱
    コークスを乾留温度以上に再加熱することを特徴とする
    高炉用コークスの製造方法。
  2. 【請求項2】乾式消火設備に投入される赤熱コークスの
    乾留温度が平均乾留温度で 900℃以下である請求項1に
    記載の高炉用コークスの製造方法。
  3. 【請求項3】熱風吹込み量がコークス処理量1tあたり
    350Nm3以下である請求項1に記載の高炉用コークスの製
    造方法。
JP27167693A 1993-10-29 1993-10-29 高炉用コークスの製造方法 Pending JPH07126655A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003003172A (ja) * 2001-06-19 2003-01-08 Nkk Corp コークスの改質方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003003172A (ja) * 2001-06-19 2003-01-08 Nkk Corp コークスの改質方法

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