JPH07126551A - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物

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JPH07126551A
JPH07126551A JP27060093A JP27060093A JPH07126551A JP H07126551 A JPH07126551 A JP H07126551A JP 27060093 A JP27060093 A JP 27060093A JP 27060093 A JP27060093 A JP 27060093A JP H07126551 A JPH07126551 A JP H07126551A
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JP
Japan
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group
phosphite
compound
chain
active energy
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JP27060093A
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Masanao Hayashi
正直 林
Naoto Kidokoro
直登 城所
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ラジカル重合性を有する化合物(A)を主成
分とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であって、
フッ素化炭化水素鎖および/またはシロキサン結合鎖を
有する亜リン酸エステル化合物(B)、例えばトリ(1
H,1H,5H−オクタフルオロペンチル)ホスファイ
トや1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルジフェ
ニルホスファイトを含有することを特徴とする活性エネ
ルギー線硬化型樹脂組成物。 【効果】 酸素が存在している雰囲気でも硬化性が高
く、かつ表面硬度が高い硬化塗膜を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素が存在している雰
囲気でも、硬化性が高く、かつ表面硬度が高い硬化塗膜
を与える活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線や電子線等の活性エネルギー線に
より、硬化する活性エネルギー線硬化型樹脂は、硬化が
速いという特徴があるため、塗料、インキ、接着剤、コ
ーティング剤等の用途に広く利用されている。特に、硬
化後、直ちに硬化物を重ねたり、巻きとる等の後工程が
あるプロセスには、特に硬化が速い特徴を生かすことが
でき、活性エネルギー線硬化型樹脂の利用が進んでい
る。
【0003】しかしながら、活性エネルギー線硬化型樹
脂は、空気中において硬化させると、表面層の硬化が遅
く、後工程において、表面が汚れたり、傷がつく欠点が
ある。また、スプレー塗装、グラビヤ印刷等により作る
ことができる2〜3μm以下の薄い状態をとる活性エネ
ルギー線硬化型樹脂は、空気中では、硬化しない欠点が
ある。これらの欠点を克服するために、これまでに多く
の提案がなされている。例えば、窒素ガス等のイナー
トガスを吹き込むことにより、硬化する際の雰囲気を、
空気からイナートガスに置換することが知られており、
また、活性エネルギー線硬化型樹脂に、ジフェニルイ
ソデシルホスファイト、サイクリックネオペンタテトラ
イルビス(オクタデシル)ホスファイト等の亜リン酸エ
ステル化合物を添加し、光もしくは電子線等の活性エネ
ルギー線硬化型樹脂組成物として用いることが、特開昭
63-72740号公報、特開昭64-79213号公報
等に提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のイナートガス
を用い硬化する方法は、イナートガスが高価である欠点
があり、紫外線硬化においては一般には用いられていな
い。電子線硬化においては、イナートガスにより硬化雰
囲気の酸素濃度を200ppm以下に保ち、硬化をさせ
ている。しかしながら、高速で被照射物を送り込み硬化
させる際には、被照射物が空気を付着しているので、硬
化雰囲気の酸素濃度を200ppm以下に保つことがで
きず、特に表面の硬化が不十分になる欠点がある。上記
の亜リン酸エステル化合物を活性エネルギー線硬化型
樹脂中に添加する方法は、平易な方法であるが、硬化性
をあげるためには大量に添加する必要があり、大量に添
加すると、塗膜の表面硬度が低下する欠点がある。
【0005】本発明の課題は、酸素が存在している雰囲
気でも、硬化性が高く、かつ表面硬度が高い硬化塗膜を
与える活性エネルギー線硬化樹脂組成物を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、この様な
状況に鑑みて鋭意研究した結果、ラジカル重合性を有す
る化合物を主成分とする活性エネルギー線硬化型樹脂
に、フッ素化炭化水素鎖および/またはシロキサン結合
鎖を有する亜リン酸エステル化合物を必須成分として添
加すると、少量の添加でも優れた効果を示し、酸素が存
在している雰囲気でも硬化性が高く、かつ表面硬度が高
い硬化塗膜を得ることができることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、ラジカル重合性を有する
化合物(A)を主成分とする活性エネルギー線硬化型樹
脂組成物であって、フッ素化炭化水素鎖および/または
シロキサン結合鎖を有する亜リン酸エステル化合物
(B)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬
化型樹脂組成物を提供するものである。
【0008】本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物としては、ラジカル重合性を有する化合物(A)、例
えばラジカル重合性を有するプレポリマー(A1 )やラ
ジカル重合性を有するモノマー(A2 )等を主成分と
し、これに加えてフッ素化炭化水素鎖および/またはシ
ロキサン結合鎖を有する亜リン酸エステル化合物(B)
を必須成分として含有するするものであり、更に必要に
応じて非反応性樹脂、添加剤、充填剤、その他の成分、
例えば紫外線硬化させる場合には光重合開始剤等を添加
したもの等が挙げられる。
【0009】上記ラジカル重合性を有するプレポリマー
(A1 )としては、例えば分子量500以上の、ウレタ
ン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリ
レート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリブタジエ
ン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレ
ート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、メラミン
(メタ)アクリレート、フォスファゼン(メタ)アクリ
レート、アクリル共重合体へ(メタ)アクリロイル基を
導入したもの、等の(メタ)アクリル化合物;ポリブタ
ジエンや不飽和ポリエステル化合物等の主鎖および側鎖
に不飽和結合を有する化合物;アリル基、ビニル基、ビ
ニルエーテル基、マレイミド基、(メタ)アクリルアミ
ド基等のラジカル重合性2重結合を有する化合物;チオ
ール化合物、アミノ化合物等のラジカル付加反応を起こ
す化合物等が挙げられる。これらの化合物は、それぞれ
の要求物性を満足するように、適宜選択して用いればよ
く、通常分子量が500〜30000程度のものを単独
または混合して用いる。
【0010】また、ラジカル重合性を有するモノマー
(A2 )としては、分子量500未満のもので、塊状も
しくは液状のラジカル重合もしくはラジカル付加反応が
可能な化合物が挙げられ、例えば(メタ)アクリル化合
物、不飽和ポリエステル化合物、ビニル化合物、ビニル
エーテル化合物、マレイミド化合物、(メタ)アクリル
アミド化合物、チオール化合物、アミノ化合物等が挙げ
られる。中でも反応性が高いため、(メタ)アクリル化
合物、(メタ)アクリルアミド化合物、ビニルエーテル
化合物が好ましい。
【0011】これらラジカル重合性を有するモノマー
(A2 )の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、
(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N
−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、ジエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサン
ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジオキシジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリド
ン等が挙げられる。
【0012】これらラジカル重合性を有するプレポリマ
ー(A1 )とラジカル重合性を有するモノマー(A2
の配合割合は、特に限定されないが、ラジカル重合性を
有するプレポリマー(A1 )とラジカル重合性を有する
モノマー(A2 )の合計100重量%中において、ラジ
カル重合性を有するモノマー(A2 )含有率は、通常5
0重量%以下、好ましくは5〜30重量%である。な
お、(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル等の揮発
性の単量体を用いる場合には、硬化の際に蒸発して生ず
る悪臭、毒性等の問題を防止するため、上記の配合割合
よりも更に少量で用いることが好ましい。
【0013】本発明で用いる亜リン酸エステル化合物
(B)としては、フッ素化炭化水素鎖および/またはシ
ロキサン結合鎖を有する亜リン酸エステル化合物であれ
ば、いずれも使用でき、代表例を一般式(1)〜(7)
で示す。
【0014】
【化1】
【0015】〔上記一般式(1)中、nは1〜3の整
数、Rはフロロアルキル基および/またはシロキサン結
合鎖を有する基、R1 はアルキル基、アリール基または
アラルキル基である。R1 は置換基を有していてもよ
く、置換基としては、例えばハロゲン、アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基、アシリオキシ基、アルカノイ
ル基、シアノ基、水酸基、アミノ基等が挙げられる。〕
【0016】
【化2】
【0017】〔上記一般式(2)中、nは1〜2の整
数、mは0〜2の整数、Rはフロロアルキル基および/
またはシロキサン結合鎖を有する基、R1 はアルキル
基、アリール基またはアラルキル基である。R1 は置換
基を有していてもよく、置換基としては、例えばハロゲ
ン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシリオ
キシ基、アルカノイル基、シアノ基、水酸基、アミノ基
等が挙げられる。R2 はアルキレン基、アリーレン基ま
たはアラールキレン基であり、また炭素−炭素結合、エ
ーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結
合、チオエーテル結合およびイミド結合からなる群から
選ばれる1種以上の結合を任意に含んでいてもよい。R
2 は更に置換基を有していてもよく、置換基としては、
例えばハロゲン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル
基、アシリオキシ基、アルカノイル基、シアノ基、水酸
基、アミノ基等が挙げられる。〕
【0018】
【化3】
【0019】〔上記一般式(3)中、Rはフロロアルキ
ル基および/またはシロキサン結合鎖を有する基であ
る。また、R3 はアルキレン基、アリーレン基またはア
ラールキレン基であり、また炭素−炭素結合、エーテル
結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、チオ
エーテル結合およびイミド結合からなる群から選ばれる
1種以上の結合を任意に含んでいてもよい。R3 は更に
置換基を有していてもよく、置換基としては、例えばハ
ロゲン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシ
リオキシ基、アルカノイル基、シアノ基、水酸基、アミ
ノ基等が挙げられる。〕
【0020】
【化4】
【0021】〔上記一般式(4)中、mは0〜1の整
数、Rはフロロアルキル基および/またはシロキサン結
合鎖を有する基、R1 はアルキル基、アリール基または
アラルキル基である。R1 は置換基を有していてもよ
く、置換基としては、例えばハロゲン、アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基、アシリオキシ基、アルカノイ
ル基、シアノ基、水酸基、アミノ基等が挙げられる。R
4 は4価の脂肪族炭化水素基、4価の芳香族基または4
価の環状脂肪族基であり、また炭素−炭素結合、エーテ
ル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、チ
オエーテル結合およびイミド結合からなる群から選ばれ
る1種以上の結合を任意に含んでいてもよい。R4 は更
に置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば
ハロゲン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ア
シリオキシ基、アルカノイル基、シアノ基、水酸基、ア
ミノ基等が挙げられる。〕
【0022】
【化5】
【0023】〔上記一般式(5)中、kは0〜1の整
数、mは0〜2の整数、nは1〜10の整数、Rはフロ
ロアルキル基および/またはシロキサン結合鎖を有する
基、R1、R2 はアルキル基、アリール基またはアラル
キル基である。R1 、R2 は置換基を有していてもよ
く、置換基としては、例えばハロゲン、アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基、アシリオキシ基、アルカノイ
ル基、シアノ基、水酸基、アミノ基等が挙げられる。R
5 は4価の脂肪族炭化水素基、4価の芳香族基または4
価の環状脂肪族基であり、また炭素−炭素結合、エーテ
ル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、チ
オエーテル結合およびイミド結合からなる群から選ばれ
る1種以上の結合を任意に含んでいてもよい。R5 は更
に置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば
ハロゲン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ア
シリオキシ基、アルカノイル基、シアノ基、水酸基、ア
ミノ基等が挙げられる。〕
【0024】
【化6】
【0025】〔上記一般式(6)中、nは1〜2の整
数、mは0〜2の整数、lは0〜2の整数、pは1〜1
0の整数、Rはフロロアルキル基および/またはシロキ
サン結合鎖を有する基、R1 、R2 はアルキル基、アリ
ール基またはアラルキル基である。R1 、R2 は置換基
を有していてもよく、置換基としては、例えばハロゲ
ン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシリオ
キシ基、アルカノイル基、シアノ基、水酸基、アミノ基
等が挙げられる。R6 は3価の脂肪族炭化水素基、3価
の芳香族基または3価の環状脂肪族基であり、また炭素
−炭素結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結
合、ウレタン結合、チオエーテル結合およびイミド結合
からなる群から選ばれる1種以上の結合を任意に含んで
いてもよい。R6は更に置換基を有していてもよく、置
換基としては、例えばハロゲン、アルコキシ基、アルコ
キシカルボニル基、アシリオキシ基、アルカノイル基、
シアノ基、水酸基、アミノ基等が挙げられる。〕
【0026】
【化7】
【0027】〔上記一般式(7)中、nは0〜2の整
数、mは0〜2の整数、Rはフロロアルキル基および/
またはシロキサン結合鎖を有する基、R7 はフロロアル
キレン基および/またはシロキサン結合鎖を有する基、
1 はアルキル基、アリール基またはアラルキル基であ
る。R1 置換基を有していてもよく、置換基としては、
例えばハロゲン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル
基、アシリオキシ基、アルカノイル基、シアノ基、水酸
基、アミノ基等が挙げられる。〕
【0028】上記フッ素化炭化水素鎖の具体例として
は、2,2,3,3,3−ペンタフロロプロピル、2,
2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチル、2,2,
3,3−テトラフロロプロピル、1H,1H,5H−オ
クタフロロペンチル、1H,1H,7H−ドデカフロロ
ヘプチル、1H,1H,9H−ヘキサデカフォロロノニ
ル、2−(パーフロロヘキシル)エチル、2−(パーフ
ロロオクチル)エチル、2−(パーフロロデシル)エチ
ル、2−(パーフロロ−3−メチルブチル)エチル、2
−(パーフロロ−5−メチルヘキシル)エチル、2−
(パーフロロ−7−メチルオクチル)エチル、2−(パ
ーフロロ−9−メチルデシル)エチル、6−(パーフロ
ロエチル)ヘキシル、6−(パーフロロブチル)ヘキシ
ル、6−(パーフロロヘキシル)ヘキシル、6−(パー
フロロオクチル)ヘキシル、6−(パーフロロ−1−メ
チルエチル)ヘキシル、6−(パーフロロ−3−メチル
ブチル)ヘキシル、6−(パーフロロ−5−メチルヘキ
シル)ヘキシル、6−(パーフロロ−7−メチルオクチ
ル)ヘキシル、2,2,3,4,4−ペンタフロロー3
ーブテニル、3−パーフロロヘキシル−2−プロペニ
ル、3−パーフロロオクチル−2−プロペニル、3−パ
ーフロロブチル−1−アクリロイロメチル、3−パーフ
ロロヘキシル−1−アクリロイロメチル、3−パーフロ
ロオクチル−1−アクリロイロメチル、3−(パーフロ
ロ−3−メチルブチル)−1−メタクリロイロキシメチ
ル、3−(パーフロロ−5−メチルヘキシル)−1−メ
タクリロイロキシメチル、3−(パーフロロ−7−メチ
ルオクチル)−1−メタクリロイロキシメチル、3−
(パーフロロ−9−メチルデシル)−1−メタクリロキ
シメチルなどのフロロアルキる基や、−CH2(CF2
3CH2 −、−CH2(CF28CH 2−などのフロロア
ルキレン基があり、シロキサン結合鎖の具体例として
は、3−(1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキ
シ)プロピル等がある。
【0029】また、シロキサン結合鎖を有する化合物と
しては、アルコール変性シリコーンSF8428〔東レ
・ダウコーニング・シリコーン(株)製〕、両末端アル
コール性シリコーンX−22−160AS、X−22−
160A、X−22−160B、X−22−160C
〔信越化学(株)製〕などをもちいて導入したもの等が
あり、これらを用いれば亜リン酸エステル化合物にシロ
キサン結合鎖を容易に導入することができる。
【0030】フッ素化炭化水素鎖および/またはシロキ
サン結合鎖を有する亜リン酸エステル化合物(B)の具
体例としては、トリ(2,2,3,4,4,4−ヘキサ
フロロブチル)ホスファイト、ジ(2,2,3,4,
4,4−ヘキサフロロブチル)イソデシルホスファイ
ト、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチルジイ
ソデシルホスファイト、トリ{2−(パーフロロヘキシ
ル)エチル}ホスファイト、ジ{2−(パーフロロヘキ
シル)エチル}イソデシルホスファイト、{2−(パー
フロロヘキシル)エチル}ジイソデシルホスファイト、
トリ{2−(パーフロロオクチル)エチル}ホスファイ
ト、ジ{2−(パーフロロオクチル)エチル}イソデシ
ルホスファイト、{2−(パーフロロオクチル)エチ
ル}ジイソデシルホスファイト、トリ{1H,1H,7
H−ドデカフロロヘプチル}ホスファイト、ジ{1H,
1H,7H−ドデカフロロヘプチル}イソデシルホスフ
ァイト、{1H,1H,7H−ドデカフロロヘプチル}
ジイソデシルホスファイト、トリ{3−(1,1,3,
3,3−ペンタメチルジシロキシ)プロピル}ホスファ
イト、ジ{3−(1,1,3,3,3−ペンタメチルジ
シロキシ)プロピル}イソデシルホスファイト、{3−
(1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキシ)プロ
ピル}ジイソデシルホスファイト、ジ{2−(パーフロ
ロヘキシル)エチル}ペンタエリスリトールジホスファ
イト、ジ{2−(パーフロロオクチル)エチル}ペンタ
エリスリトールジホスファイト、ジ{1H,1H,7H
−ドデカフロロヘプチル}ペンタエリスリトールジホス
ファイト、(C1225O)2P{OCH2(CF28CH
2O}P(OC12252などが挙げられる。
【0031】本発明で用いる亜リン酸エステル化合物
(B)としては、上記したようにフッ素化炭化水素鎖お
よび/またはシロキサン結合鎖を有する亜リン酸エステ
ル化合物であれば、いずれも使用できるが、なかでもフ
ッ素化炭化水素鎖および/またはシロキサン結合鎖を有
すると共に、>P−O−芳香環ユニット、光重合開始能
を持つ基およびラジカル重合性不飽和結合から選ばれる
1種以上を有する亜リン酸エステル化合物を用いると、
硬化性が向上し、表面硬度の高いものが得られるので、
特に好ましい。以下に、これらの好ましい亜リン酸エス
テル化合物について説明する。
【0032】まず、上記好ましい亜リン酸エステル化合
物としては、フッ素化炭化水素鎖および/またはシロキ
サン結合鎖を有すると共に、>P−O−芳香環ユニット
を有する亜リン酸エステル化合物(B1 )が挙げられ、
例えばジ(2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチ
ル)フェニルホスファイト、2,2,3,4,4,4−
ヘキサフロロブチルジフェニルホスファイト、ジ{2−
(パーフロロヘキシル)エチル}ノニルフェニルホスフ
ァイト、{2−(パーフロロヘキシル)エチル}ジ(ノ
ニルフェニル)ホスファイト、ジ{2−(パーフロロオ
クチル)エチル}2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ルホスファイト、{2−(パーフロロオクチル)エチ
ル}ジ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホス
ファイト、ジ{1H,1H,7H−ドデカフロロヘプチ
ル}(4−フェニルフェニル)ホスファイト、{1H,
1H,7H−ドデカフロロヘプチル}ジ(4−フェニル
フェニル)ホスファイト、ジ{3−(1,1,3,3,
3−ペンタメチルジシロキシ)プロピル}フェニルホス
ファイト、{3−(1,1,3,3,3−ペンタメチル
ジシロキシ)プロピル}ジフェニルホスファイト、{2
−(パーフロロヘキシル)エチル}フェニルペンタエリ
スリトールジホスファイト、{2−(パーフロロオクチ
ル)エチル}フェニルペンタエリスリトールジホスファ
イト、{1H,1H,7H−ドデカフロロヘプチル}フ
ェニルペンタエリスリトールジホスファイト、(C65
O)2P{OCH2(CF28CH2O}P(OC652
などがある。
【0033】また、フッ素化炭化水素鎖および/または
シロキサン結合鎖を有すると共に、光重合開始能を持つ
基を有する亜リン酸エステル化合物(B2 )も好ましい
亜リン酸エステル化合物として挙げられるものであり、
これに含有される光重合開始能をもつ基としては、ラジ
カルが関与する反応を開始する活性種を生成する基であ
れば、どのような生成反応様式をとるものでもよく、例
えば紫外線、可視光線、赤外線等の光により、ラジカル
重合、ラジカル付加反応等の反応を開始する活性種を生
成する基をいう。生成反応様式としては、光により分子
内で結合が開裂して活性種を生成する基、分子間で水素
引き抜き反応をおこして活性種を生成する基等が挙げら
れる。
【0034】上記光重合開始能を持つ基の具体例として
は、ベンゾインエーテル基、ベンジルケタール基、α−
ヒドロキシアセトフェノン基、クロロアセトフェノン
基、α−アミノアセトフェノン基、アシルホスフィンオ
キサイド基、α−ジカルボニル基、α−アシルオキシム
基、ベンゾフェノン基、チオキサントン基、ビイミダゾ
ール基、アクリドン基、アンスラキノン基、フェナンス
レンキノン基、カンファーキノン基などがある上記光重
合開始能を持つ基を有する亜リン酸エステル化合物(B
2 )としては、例えば下記構造式(8)〜(16)
【0035】
【化8】
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】で示される化合物などが挙げられる。更
に、フッ素化炭化水素鎖および/またはシロキサン結合
鎖と共に、>P−O−芳香環ユニットと光重合開始能を
持つ基とを有する亜リン酸エステル化合物(B12)も好
ましい亜リン酸エステル化合物であり、例えば下記構造
式(17)〜(25)
【0039】
【化11】
【0040】
【化12】
【0041】
【化13】
【0042】で示される化合物などが挙げられる。その
他に好ましい亜リン酸エステル化合物としては、フッ素
化炭化水素鎖および/またはシロキサン結合鎖を有する
と共に、ラジカル重合性不飽和結合を有する亜リン酸エ
ステル化合物(B3 )が挙げられる。
【0043】ラジカル重合性不飽和結合を有する基とし
ては、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基、ビニ
ルエーテル基、アリール基、マレイミド基、(メタ)ア
クリルアミド基などがある。
【0044】上記ラジカル重合性不飽和結合を有する亜
リン酸エステル化合物(B3 )としては、例えば下記構
造式(26)〜(33)
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】で示される化合物などが挙げられる。更に
また、フッ素化炭化水素鎖および/またはシロキサン結
合鎖と共に、>P−O−芳香環ユニットとラジカル重合
性不飽和結合を有する亜リン酸エステル化合物(B13
も好ましい亜リン酸エステル化合物であり、例えば下記
構造式(34)〜(42)
【0048】
【化16】
【0049】
【化17】
【0050】
【化18】
【0051】で示される化合物などが挙げられる。これ
らのフッ素化炭化水素鎖および/またはシロキサン結合
鎖を有する亜リン酸エステル化合物(B)の添加量は、
ラジカル重合性を有する化合物(A)の総量100重量
部に対して、通常0.0001〜30重量部、好ましく
は0.05〜10重量部の範囲である。
【0052】ただし、亜リン酸エステル化合物(B3
や(B13)のようなラジカル重合性不飽和結合を有する
亜リン酸エステル化合物は、これ自体がラジカル重合性
を有する化合物(A)を兼ねるため、上記範囲以外で用
いることもでき、該ラジカル重合性不飽和結合を有する
亜リン酸エステル化合物100重量部に対して、ラジカ
ル重合性を有する化合物(A)が通常0〜300重量
部、好ましくは0〜200重量部となる範囲で用いる。
例えば、亜リン酸エステル化合物(B)として、亜リン
酸エステル化合物(B3 )や(B13)のようなラジカル
重合性不飽和結合を有する亜リン酸エステル化合物の単
独またはこの種の亜リン酸エステル化合物の組み合わせ
のみで要求特性を満たすことができる場合がある。
【0053】本発明の樹脂組成物の硬化手段として紫外
線を用いる場合には、光重合開始剤を該組成物中に添加
することが通常必要である。光重合開始剤の添加量は、
ラジカル重合性を有する化合物(A)100重量部に対
して、通常0.01〜10重量部、好ましくは1〜5重
量部である。ただし、亜リン酸エステル化合物(B)と
して、亜リン酸エステル化合物(B2 )や(B12)のよ
うな光重合開始能をもつ基を有する亜リン酸エステル化
合物を用いる場合には、光重合開始剤の添加中止や添加
量の減量を行うこともできる。
【0054】光重合開始剤としては、分子内結合開裂型
と分子内水素引き抜き型の2種に大別できる。前者の例
としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベン
ジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−
ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシ
クロハキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モル
ホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オ
ン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;
ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾ
インイソブチルエーテル等のベンゾイン系;2,4,6
−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイ
ド等のアシルホスフィンオキサイド系;ベンジル、メチ
ルフェニルグリオキシエステル等があげられる。一方、
後者の例としては、ベンゾフェノン、ο−ベンゾイル安
息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4′
−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノ
ン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルフ
ァイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3′,4,
4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベン
ゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾ
フェノン等のベンゾフェノン系;2−イソプロピルチオ
キサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4
−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサ
ントン等のチオキサントン系;ミヒラーケトン、4,
4′−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾ
フェノン系;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2
−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキ
ノン、カンファーキノンなどがあげられる。
【0055】本発明の樹脂組成物の紫外線照射の場合、
上記の光重合開始剤の添加だけでも硬化するが、硬化性
をより向上させるために、光増感剤を併用することが好
ましい。かかる増感剤としては、トリエタノールアミ
ン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノール
アミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメ
チルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香
酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチ
ル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチ
ル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等
のアミン類が挙げられる。光増感剤の配合量は、ラジカ
ル重合性を有する化合物(A)100重量部に対して、
通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重
量部である。
【0056】本発明の樹脂組成物には、上記以外に非反
応性のオリゴマーや樹脂、顔料、染料、無機充填剤、有
機充填剤、重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、可塑
剤、カップリング等の密着向上剤等を添加しても良い。
更に塗料やコーチング剤等の用途では、必要に応じて有
機溶剤を加えて粘度を調整することもできるが、この場
合活性エネルギー線による硬化の前か後で有機溶剤を除
去することが好ましい。
【0057】上記非反応性のオリゴマーや樹脂として
は、ラジカル反応性の低いあるいはない液状もしくは固
体状のオリゴマーや樹脂を示し、(メタ)アクリル酸ア
ルキル共重合体、エポキシ樹脂、液状ポリブタジエン、
液状ポリブタジエン誘導体、液状クロロプレン、液状ポ
リペンタジエン、ジシクロペンタジエン誘導体、飽和ポ
リエステルオリゴマー、ポリエーテルオリゴマー、液状
ポリアミド、ポリイソシアネートオリゴマー、キシレン
樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、フッ素系オリゴマー、シ
リコン系オリゴマー、ポリサルファイド系オリゴマーな
どが挙げられる。これら非反応性のオリゴマーや樹脂
は、ハロゲン、エポキシ基、アミノ基、水酸基、チオー
ル基、アミド基などの官能基を有していてもよい。
【0058】顔料、染料としては、溶解性に優れるた
め、油解性染料が適しているが、どのような染料でもか
まわない。無機充填剤、有機充填剤は、一般的に強度、
クッション性、滑り性等の機械的特性の向上のために用
いる。無機充填剤としては、二酸化珪素、酸化珪素、炭
酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸
化マグネシウム、タルク、カオリンクレー、焼成クレ
ー、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、水酸化アルミニウム、酸化ア
ルミニウム、ガラス、雲母、硫酸バリウム、アルミナホ
ワイト、ゼオライト、シリカバルーン、ガラスバルーン
などがある。無機充填剤に、シランカップリング剤、チ
タネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリン
グ剤およびジルコネート系カップリング剤等を添加、反
応させる等の方法により、ハロゲン基、エポキシ基、ア
ミノ基、水酸基、チオール基及びアミド基等の官能基を
持たせてもかまわない。有機充填剤としては、ベンゾグ
アナミン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン・メラ
ミン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、低密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、ポリオレフィン樹脂、エチ
レン・アクリル酸共重合体、ポリスチレン、架橋ポリス
チレン、ポリジビニルベンゼン、スチレン・ジビニルベ
ンゼン共重合体、アクリル共重合体、架橋アクリル樹
脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、塩化ビニリデン樹
脂、フッ素樹脂、ナイロン12、ナイロン11、ナイロ
ン6/66、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、ポリイミド樹脂等がある。有機充填剤は、ハロゲ
ン基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、チオール基及び
アミド基等の官能基を有していてもかまわない。
【0059】カップリング剤としては、例えばγ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、ヘキサメチルシラザンなどのアミノ基を有するシラ
ンカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するシ
ランカップリング剤、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシランなどのメルカプト基を有するシランカップリ
ング剤、およびγ−クロロプロピルトリメトキシシラン
などのハロゲン基を有するシランカップリング剤等のシ
ランカップリング剤、テトラ(2,2−ジアリルオキシ
メチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイ
トチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロ
イルチタネート、イソプロピルジアクリルイソステアロ
イルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキ
シアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホス
フェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリドデ
シルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリ
クミルフェニルチタネート等のチタネート系カップリン
グ剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレー
ト等のアルミニウム系カップリング剤およびアセチルア
セトン・ジルコニウム錯体等のジルコニウム系カップリ
ング剤等が挙げられる。
【0060】本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物を得るには、上記した各成分を混合すればよく、混合
の順序や方法は特に限定されず、通常従来と同様な順序
と方法で混合すればよい。
【0061】このようにして得た本発明の活性エネルギ
ー線硬化型樹脂組成物は、例えば塗装、印刷等のような
各種の方法で賦形した後、活性エネルギー線の照射によ
り硬化させる。
【0062】ここで用いる活性エネルギー線とは、紫外
線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線、マ
イクロ波、高周波等をいうが、ラジカル性活性種を生成
させうるならば、いかなるエネルギー種でもかまわな
い。可視光線、赤外線あるいは3本ロールにより発生す
るせんだん力でもよい。紫外線を発生するものとして
は、例えば超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水
銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブ
ラックライトランプ、水銀ーキセノンランプ、ショート
アーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴン
レーザー等が挙げられ、ラジカル性活性種を発生させる
化合物の吸収波長を考慮して、選択すればよい。
【0063】本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物は、酸素が存在している雰囲気でも、硬化性が高く、
かつ表面硬度が高い硬化塗膜を得ることができるため、
アルミニウム、鉄、銅等の金属、塩化ビニル、アクリ
ル、ポリカーボネート、PET、ABS、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のプラスチック、
ガラス等のセラミックス、木材、紙、印刷紙、繊維等の
各種材料のコーティング材や表面処理剤、バインダー、
プラスチック材料、成形材料、積層板等の表面を硬くす
ることを要求する用途に応用可能である。接着剤、粘着
剤、バインダー等の表面を硬くすることを要求しない用
途においても、硬化性が向上するメリットがあり、適用
しても差し支えない。硬化雰囲気をイナートガスで置換
している場合においても、本発明の硬化型樹脂組成物を
用いても差し支えない。
【0064】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は、これらの例によっ
て限定されるものではない。なお、例中、特に断りのな
い限り、部は全て重量部を表すものとする。
【0065】また、実施例および比較例中において紫外
線硬化性、電子線硬化性および表面硬度の評価は、次の
方法で行った。 (1)紫外線硬化性:ガラス板上に、各樹脂組成物を硬
化後の膜厚が3μmになるように塗布した後、大気中
で、120W/cm高圧水銀ランプ(アイ・グラフィッ
クス製)により、ランプ高さ15cm、コンベアー速度
20m/分の条件により、紫外線照射し、表面がタック
フリーにするために必要な照射回数により、評価した。
【0066】(2)電子線硬化性:ガラス板上に、各樹
脂組成物を硬化後の膜厚が3μmになるように塗布した
後、電子線照射装置CB175(米国ESI社製)を用
い、加速電圧170KV、照射雰囲気の酸素濃度150
ppmまたは500ppmの条件で電子線照射し、表面
をタックフリーにするために必要な照射線量を求め、評
価した。
【0067】(3)表面硬度 :上記の紫外線硬化性
または電子線硬化性の評価と同じ方法で、塗膜を作成
し、JISK5400に基づき、表面性測定機TYP
E:14D(新東科学製)を用いて、鉛筆硬度を測定し
た。
【0068】参考例1〔亜リン酸エステル化合物(B)
の製造〕 攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた4口フラスコ
に、ベンゼン100ml、1H,1H,5H−オクタフ
ルオロペンタノール23.2g(0.1モル)、トリエ
チルアミン10.1g(0.1モル)を入れて溶解し、
氷水で冷却した。これに三塩化リン4.6g(0.03
3モル)を滴下し、滴下終了後、攪拌しながら80℃に
3時間保持した。これを室温に冷却した後、濾過により
トリエチルアミン塩酸塩を除去し、得られた濾液から、
減圧下でベンゼンを留去して、フッ素化炭化水素鎖を有
する亜リン酸エステル化合物〔トリ(1H,1H,5H
−オクタフルオロペンチル)ホスファイト〕を無色の液
体として得た。以下、これを亜リン酸エステル化合物
(B−1)と略記する。
【0069】参考例2(同上) ナスフラスコに、トリフェニルホスファイト31.0g
(0.1モル)、1H,1H,5H−オクタフルオロペ
ンタノール23.7g(0.102モル)、ジフェニル
ホスファイト0.1gを入れ、攪拌しながら110〜1
20℃に30分間保持した。その後、フラスコ内を10
〜15mmHgの減圧下に保ち、フェノールを留去し
た。反応終了時の条件は140℃、10mmHgであっ
た。留去したフェノール量は9.3gであった。フラス
コ内に、フッ素化炭化水素鎖と>P−O−芳香環ユニッ
トとを有する亜リン酸エステル化合物〔1H,1H,5
H−オクタフルオロペンチルジフェニルホスファイト〕
を無色の液体として得た。以下、これを亜リン酸エステ
ル化合物(B−2)と略記する。
【0070】参考例3(同上) 1H,1H,5H−オクタフルオロペンタノール23.
2g(0.1モル)の代わりに、3−(1,1,3,
3,3−ペンタメチルジシロキシ)プロピルアルコール
〔東芝シリコーン(株)製TSL9105〕20.6g
(0.1モル)を用いた以外は参考例1と同様にしてシ
ロキサン結合鎖を有する亜リン酸エステル化合物〔トリ
{3−(1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキ
シ)プロピル}ホスファイト〕を無色の液体として得
た。以下、これを亜リン酸エステル化合物(B−3)と
略記する。
【0071】参考例4(同上) 1H,1H,5H−オクタフルオロペンタノール23.
7g(0.102モル)の代わりに、3−(1,1,
3,3,3−ペンタメチルジシロキシ)プロピルアルコ
ール21.0g(0.102モル)を用いた以外は参考
例2と同様にしてシロキサン結合鎖と>P−O−芳香環
ユニットとを有する亜リン酸エステル化合物〔3−
(1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキシ)プロ
ピルジフェニルホスファイト〕を無色の液体として得
た。以下、これを亜リン酸エステル化合物(B−4)と
略記する。
【0072】参考例5(同上) 攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた4口フラスコ
に、テトラヒドロフラン200ml、三塩化リン13.
7g(0.1モル)を入れて溶解し、氷水で冷却した。
これに1H,1H,5H−オクタフルオロペンタノール
46.4g(0.2モル)、トリエチルアミン20.2
g(0.2モル)の混合物を攪拌しながら30分間かけ
て滴下した。次に4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フ
ェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン22.
4g(0.1モル)とトリエチルアミン10.1g
(0.1モル)の混合物を攪拌しながら30分間かけて
滴下した。滴下終了後、攪拌しながら66℃に3時間保
持した。これを室温に冷却した後、濾過によりトリエチ
ルアミン塩酸塩を除去した。得られた濾液から、減圧下
でテトラヒドロフランを留去して、フッ素化炭化水素鎖
と光重合開始能をもつ基とを有する亜リン酸エステル化
合物を淡黄色の液体として得た。以下、これを亜リン酸
エステル化合物(B−5)と略記する。
【0073】参考例6(同上) ナスフラスコに、トリフェニルホスファイト31.0g
(0.1モル)、1H,1H,5H−オクタフルオロペ
ンタノール23.7g(0.102モル)、ジフェニル
ホスファイト0.1gを入れ、攪拌しながら110〜1
20℃に30分間保持した。その後、フラスコ内を10
〜15mmHgの減圧下に保ち、フェノールを留去し
た。留去したフェノール量は9.3gであった。次に、
4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒド
ロキシ−2−プロピル)ケトン45.7g(0.204
モル)を入れ、攪拌しながら110〜120℃に30分
間保持した。。その後、フラスコ内を10〜15mmH
gの減圧下に保ち、フェノールを留去した。反応終了時
の条件は140℃、10mmHgであった。留去したフ
ェノール量は18.6gであった。フラスコ内にフッ素
化炭化水素鎖と光重合開始能をもつ基とを有する亜リン
酸エステル化合物を淡黄色の液体として得た。以下、こ
れを亜リン酸エステル化合物(B−6)と略記する。
【0074】参考例7(同上) 4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒド
ロキシ−2−プロピル)ケトン22.4g(0.1モ
ル)の代わりに、4−ヒドロキシブチルアクリレート
1.4g(0.1モル)を用いた以外は参考例5と同様
にしてフッ素化炭化水素鎖とラジカル重合性不飽和結合
とを有する亜リン酸エステル化合物を得た。以下、これ
を亜リン酸エステル化合物(B−7)と略記する。
【0075】参考例8(同上) 4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒド
ロキシ−2−プロピル)ケトン45.7g(0.204
モル)の代わりに、4−ヒドロキシブチルアクリレート
29.4g(0.204モル)を用いた以外は参考例6
と同様にしてフッ素化炭化水素鎖と>P−O−芳香環ユ
ニットとラジカル重合性不飽和結合とを有する亜リン酸
エステル化合物を淡黄色の液体として得た。以下、これ
を亜リン酸エステル化合物(B−8)と略記する。
【0076】実施例1 カヤラッドR684(日本化薬製のトリシクロデカンジ
メタノールジアクリレート)100部に、イルガキュア
ー184(スイス国チバガイギー製)2部と参考例1で
合成した亜リン酸エステル化合物(B−1)1部とを加
え、混合して活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得、
次いで紫外線硬化性と表面硬度の評価をした。評価結果
を表1に示す。
【0077】実施例2〜8 亜リン酸エステル化合物(B−1)の代わりに、参考例
2〜8で合成した亜リン酸エステル化合物(B−2)〜
(B−8)を用いた以外は実施例1と同様にして、活性
エネルギー線硬化型樹脂組成物を得、次いで紫外線硬化
性と表面硬度の評価をした。評価結果を表1に示す。
【0078】比較例1 亜リン酸エステル化合物(B−1)の添加を省略した以
外は実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型樹
脂組成物を得、次いで紫外線硬化性と表面硬度の評価を
した。評価結果を表1に示す。
【0079】比較例2 亜リン酸エステル化合物(B−1)の代わりにサイクリ
ックネオペンタテトライルビス(オクタデシル)ホスフ
ァイト1部を用いた以外は実施例1と同様にして、活性
エネルギー線硬化型樹脂組成物を得、次いで紫外線硬化
性と表面硬度の評価をした。評価結果を表1に示す。
【0080】比較例3 亜リン酸エステル化合物(B−1)の代わりにサイクリ
ックネオペンタテトライルビス(オクタデシル)ホスフ
ァイト3部を用いた以外は実施例1と同様にして、活性
エネルギー線硬化型樹脂組成物を得、次いで紫外線硬化
性と表面硬度の評価をした。評価結果を表1に示す。
【0081】比較例4 亜リン酸エステル化合物(B−1)の代わりにジフェニ
ルイソデシルホスファイト1部を用いた以外は実施例1
と同様にして、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を
得、次いで紫外線硬化性と表面硬度の評価をした。評価
結果を表1に示す。
【0082】比較例5 亜リン酸エステル化合物(B−1)の代わりにジフェニ
ルイソデシルホスファイト3部を用いた以外は実施例1
と同様にして、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を
得、次いで紫外線硬化性と表面硬度の評価をした。評価
結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】実施例9 実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物を得、次いで照射雰囲気の酸素濃度500ppmの条
件で電子線硬化性と表面硬度の評価をした。評価結果を
表2に示す。
【0085】比較例6 亜リン酸エステル化合物(B−1)の添加を省略した以
外は実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型樹
脂組成物を得、次いで照射雰囲気の酸素濃度150pp
mの条件で電子線硬化性と表面硬度の評価をした。評価
結果を表2に示す。
【0086】比較例7 亜リン酸エステル化合物(B−1)の添加を省略した以
外は実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型樹
脂組成物を得、次いで照射雰囲気の酸素濃度500pp
mの条件で電子線硬化性と表面硬度の評価をした。評価
結果を表2に示す。
【0087】比較例8 亜リン酸エステル化合物(B−1)の代わりにサイクリ
ックネオペンタテトライルビス(オクタデシル)ホスフ
ァイト1部を用いた以外は実施例1と同様にして、活性
エネルギー線硬化型樹脂組成物を得、次いで照射雰囲気
の酸素濃度500ppmの条件で電子線硬化性と表面硬
度の評価をした。評価結果を表2に示す。
【0088】
【表2】
【0089】
【発明の効果】本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組
成物は、酸素が存在している雰囲気でも硬化性が高く、
かつ表面硬度が高い硬化塗膜を得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル重合性を有する化合物(A)を
    主成分とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であっ
    て、フッ素化炭化水素鎖および/またはシロキサン結合
    鎖を有する亜リン酸エステル化合物(B)を含有するこ
    とを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 亜リン酸エステル化合物(B)が、フッ
    素化炭化水素鎖および/またはシロキサン結合鎖と共
    に、>P−O−芳香環ユニット、光重合開始能を持つ基
    およびラジカル重合性不飽和結合から選ばれる1種以上
    を有する亜リン酸エステル化合物である請求項1記載の
    組成物。
  3. 【請求項3】 亜リン酸エステル化合物(B)が、フッ
    素化炭化水素鎖および/またはシロキサン結合鎖と共
    に、>P−O−芳香環ユニットを有する亜リン酸エステ
    ル化合物(B1 )である請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 亜リン酸エステル化合物(B)が、フッ
    素化炭化水素鎖および/またはシロキサン結合鎖と共
    に、光重合開始能をもつ基を有する亜リン酸エステル化
    合物(B2 )である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 亜リン酸エステル化合物(B)が、フッ
    素化炭化水素鎖および/またはシロキサン結合鎖と共
    に、>P−O−芳香環ユニットと光重合開始能をもつ基
    とを有する亜リン酸エステル化合物(B12)である請求
    項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 亜リン酸エステル化合物(B)が、フッ
    素化炭化水素鎖および/またはシロキサン結合鎖と共
    に、ラジカル重合性不飽和結合を有する亜リン酸エステ
    ル化合物(B3 )である請求項1記載の組成物。
  7. 【請求項7】 亜リン酸エステル化合物(B)が、フッ
    素化炭化水素鎖および/またはシロキサン結合鎖と共
    に、>P−O−芳香環ユニットとラジカル重合性不飽和
    結合とを有する亜リン酸エステル化合物(B13)である
    請求項1記載の組成物。
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