JPH07125484A

JPH07125484A - 印刷物

Info

Publication number: JPH07125484A
Application number: JP5291501A
Authority: JP
Inventors: Satoshi Kinoshita; 聡木下; Mikihiko Sakakibara; 幹彦榊原
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1993-10-28
Filing date: 1993-10-28
Publication date: 1995-05-16

Abstract

(57)【要約】【目的】印刷物上に共存する他の印刷パターンの制約
を受けることなく、複写牽制機能を効果的に発揮するこ
とができる印刷物を提供する。【構成】印刷物上の複写牽制パターン２は、他の印刷
絵柄と独立して、肉眼では認識困難であるが、複写機に
応答可能な濃度の薄色のインキにより、好適には、万線
を用いて形成されている。このため、他の印刷絵柄に影
響を及ぼすことなく、且つデザイン上の制約を受けずし
て効果的に複写牽制機能を発揮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機による悪意の複
写・偽造を実意的に無効ならしめる複写牽制パターンを
有する印刷物に関する。

【０００２】

【従来の技術】複写機の分解能（解像度または解像
力）、色再現性などの性能の向上につれて、種々の印刷
物の精巧な複写が可能になる。その反面、金券、権利書
等の有価証券、権利書等の重要文書などの印刷物の複写
による悪用が問題になる。

【０００３】このような悪用を防止するため、印刷物の
複製を困難にするための試みがすでに種々提案されてい
る。たとえば、用紙表面に背景を微細な網点で構成し、
複写に対する警告マークを背景より大きい網点で構成
し、肉眼では背景と警告マークが識別されないが、複写
機にかけたときに警告マークが背景部分と区別されて視
認できるようにしたものがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような背
景部と潜像部とからなる複写牽制のためのパターンは、
通常の印刷絵柄の視認性を損なうことなく、且つ複写牽
制パターンが明瞭に認識されるようにするためには、そ
のパターン形成箇所や印刷色等印刷・デザイン上の制約
が多くなる。そのため、従来ではデザイン性を重視しつ
つ複写牽制に効果的な印刷パターンを施すことは困難で
あった。

【０００５】本発明は、上述した問題を解決するための
ものであり、印刷物上に共存する他の印刷パターンの制
約を受けることなく、複写牽制機能を効果的に発揮する
ことができる印刷物を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明の印刷物には、複写牽制パターンとし
て、肉眼では認識できないが、複写機にかけると背景と
区別されて視認される薄色のインキを用いた印刷パター
ンが形成されている。

【０００７】好適には、本発明の印刷物の複写牽制パタ
ーンが、万線で構成されている。

【０００８】さらに好適には、本発明の印刷物の複写牽
制パターンが、目視を更に困難せしめるためのカムフラ
ージュ文様と組み合わせて形成されている。

【０００９】

【作用】本発明の印刷物は、複写牽制パターンを形成す
るインキに、肉眼では認識困難であるが、複写機の複写
感度には応答可能なインキを用いているため、既存の印
刷絵柄等同一基材上の他の共存する印刷絵柄に制約を受
けることなく、該パターンが現出し、複写牽制機能が発
揮される。さらに、複写牽制パターンの構成要素を万線
とすることにより、複写機による解像面積が大きくな
り、より明確で確実な複写牽制パターンの現出が可能と
なる。また、カムフラージュ印刷と組み合わせることに
より、該複写牽制パターンの目視による認識をさらに困
難せしめる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき、詳細
に説明する。本実施例の印刷物は、第１図のように、所
望の印刷絵柄、説明文、図、文字等が形成されている用
紙１上に、肉眼では認識できないが、複写機にかけると
現出する複写牽制機能を持つ印刷パターン２「ＣＯＰ
Ｙ」が形成されている。印刷パターン２の形成方法とし
ては、既に所望の印刷が施されている用紙上に後から該
パターンを付与するか、または予め該パターンを付与し
ておいてから、所望の印刷を施すことが考えられるが、
該パターンを形成するインキの複写機に対する感度を考
えると、通常印刷層より上に該パターンが位置されてい
るほうが望ましい。

【００１１】該パターンは、肉眼では認識できないが、
複写機の複写感度には応答可能な濃度のインク、具体的
には、墨インキを透明インキで薄めたものを用いて、好
適には１つのパターンに対し１種類の角度の万線を構成
要素として形成される。このとき、同一形状のパターン
を複数個それぞれ異なる角度の万線で形成すると、より
複写により現出される確率が増大し、好ましい。

【００１２】図２は、本発明の印刷物における複写牽制
パターン２のみを示す拡大図である。図２に示すよう
に、該パターン２は、角度 0°、線幅0.07mm、ピッチ0.
35mmの万線により、「ＣＯＰＹ」の文字がパターンとし
て形成されている。尚、用いる万線の角度と印刷の流れ
方向との関係が平行であるものが、印刷精度の向上とい
う点から、好ましい。

【００１３】本実施例の印刷物を複写すると、目視では
認識できなかった複写牽制パターンが、他の印刷絵柄と
ともに再現され、「ＣＯＰＹ」の文字が視認されるため
複写であることを十分に識別できる。

【００１４】本発明の印刷物には、さらに複写牽制パタ
ーンの認識を困難にするためのカムフラージュ文様を施
すことが出来る。このようなカムフラージュ印刷の文様
は、該パターンの認識のみを困難せしめるのが目的であ
るため、その他の通常の印刷部の視認に影響をおよぼさ
ない範囲で形成される。好適には、図３に示すように、
文様部が白抜きになった木目文様等を複写牽制パターン
と組合せ、該パターンが一部白抜きの状態となって形成
される。

【００１５】図３の木目文様は、白抜き部が８０％、黒
ベタ部が２０％で形成されており、これをネガフィルム
として図２の複写牽制パターンが形成されたポジフィル
ムと重ね合わせ、さらに未露光フィルムを重ねて露光
し、印刷用フィルム原版を作成する。そして、用紙上に
印刷を施すことにより、カムフラージュ文様と組み合わ
された複写牽制パターンを備えた印刷物が得られる。こ
の印刷物を複写すると、複写牽制パターンの白抜き部に
位置する部分は現出するが、黒ベタ部に位置する部分は
複写されないため、白抜き部の割合は、複写牽制パター
ンの認識を妨げない程度、好ましくは７０〜８０％が好
適である。

【００１６】この実施例の印刷物においても、カムフラ
ージュ文様の付与によりさらに肉眼での認識を困難せし
められた複写牽制パターンが、複写により他の印刷絵柄
と共に再現され、複写であることを十分に識別できる。

【００１７】なお、上述した複写牽制パターンの形状
は、図示したものに限定されない。また、該パターンに
用いるインキの色も、肉眼では認識できないが、複写機
に応答可能な濃度であれば、特に限定されない。

【００１８】また、カムフラージュ文様については、白
抜き部は木目文様に限定されず、種々の変形が可能であ
る。

【００１９】

【発明の効果】本発明の印刷物によれば、肉眼では認識
できないが、複写機に応答可能な濃度の薄色のインキを
用いて印刷パターンが独立して形成されるため、他の印
刷絵柄と組み合わせる際に、その印刷条件、形状、サイ
ズ等に制約を受けることがない。そのため、該パターン
を大きく形成することにより、複写による識別を容易に
行える。また、どのような印刷絵柄との組合せも可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の印刷物の実施例を示す概略図である。

【図２】本発明の印刷物の実施例の一部拡大図である。

【図３】本発明の印刷物の他の実施例を示す概略図であ
る。

【符号の説明】

１・・・用紙２・・・複写牽制パターン２０・・・万線３・・・印刷絵柄４・・・カムフラージュ文様４０・・木目部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】所望の文字、絵柄等が印刷される用紙上
に、肉眼では認識困難であるが複写機にかけると背景と
区別されて視認される薄色のインキを用いて印刷パター
ンを形成したことを特徴とする印刷物。
【請求項２】前記印刷パターンの構成要素が万線から
なる請求項１記載の印刷物。
【請求項３】前記印刷パターンの目視を困難にするた
めのカムフラージュ文様と組み合わせて形成されている
ことを特徴とする請求項１記載の印刷物。