JPH07122821A - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置およびその製造方法

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JPH07122821A
JPH07122821A JP5270647A JP27064793A JPH07122821A JP H07122821 A JPH07122821 A JP H07122821A JP 5270647 A JP5270647 A JP 5270647A JP 27064793 A JP27064793 A JP 27064793A JP H07122821 A JPH07122821 A JP H07122821A
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ingaalp
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Hideaki Kinoshita
秀明 木之下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、p型基板を用いて構成されるInG
aAlP系の半導体レーザおよびその製造方法におい
て、特性および信頼性を向上できるようにすることを最
も主要な特徴とする。 【構成】たとえば、p−GaAs基板11上に形成され
た、p−InGaAlPクラッド層14、InGaP活
性層15、n−InGaAlPクラッド層16,17,
18からなるダブルヘテロ構造部を有してなる半導体レ
ーザにおいて、GaAlAs系結晶層に遷移金属元素な
どをドーピングし、高抵抗のGaAlAs電流ブロック
層19を形成する。これにより、p型基板を用いる半導
体レーザにおいても、n型の電流ブロック層の場合と同
等の電流狭窄効果を得ることができる構成となってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえばp導電型の
基板を用いて構成される非対称構造の半導体レーザ装置
およびその製造方法に関するもので、特にInGaAl
P(インジウム・ガリウム・アルミニウム・リン)系結
晶を用いた可視光帯の半導体レーザに使用されるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、InGaAlP系結晶を用いた可
視光帯の半導体レーザが実用化され、これまでGaAl
As(ガリウム・アルミニウム・ヒ素)系の半導体レー
ザおよびHe−Ne(ヘリウム−ネオン)ガスレーザが
使われていた、バーコードリーダやレーザプリンタ、ビ
デオディスクシステムなどの分野への応用が期待されて
いる。
【0003】すなわち、このInGaAlP系の半導体
レーザは、従来のGaAlAs系結晶からなる近赤外半
導体レーザと可視光帯のHe−Neガスレーザとの長所
を兼ね合わせ、かつそれらの短所を補完する(発振波長
が短く、かつ小型で、しかも低コスト化が実現できる)
ものとして、その利用範囲が拡大しつつある。
【0004】さて、InGaAlP系の半導体レーザ
は、有機金属を用いた気相エピタキシャル成長法(MO
CVD法)により制作することができる。図3は、MO
CVD法を用いて制作した、単一の基本横モードを有す
るInGaAlP系の半導体レーザ(リッジ埋め込み
型)の素子構造を示すものである。
【0005】この半導体レーザは、たとえばn−GaA
s(ガリウム・ヒ素)基板31の上に、n−GaAsバ
ッファ層32、n−InGaAlPクラッド層33、I
nGaP(インジウム・ガリウム・リン)活性層34、
p−InGaAlPクラッド層35,36,37、p−
InGaAlPコンタクト層38、n−GaAs電流ブ
ロック層39、p−GaAsコンタクト層40が順に形
成された後、上記n−GaAs基板31側およびその反
対側にそれぞれ電極41,42が設けられた構成とされ
ている。
【0006】ところで、InGaAlP系結晶を用いた
半導体レーザにおいて、高い信頼性を得るための条件と
しては、レーザ動作に必要な電流を低減し、高温までの
発振を可能とすることが重要である。
【0007】このとき、レーザの良好な温度特性を得る
には、特にp型のInGaAlPクラッド層35,3
6,37のドーピングにおいて、高いキャリア濃度が要
求される。
【0008】これは、p−クラッド層35,36,37
の高キャリア濃度化により、活性層34とp−クラッド
層35,36,37との間に大きなヘテロ障壁を形成で
き、注入キャリアのオーバフローを低減できるととも
に、p−クラッド層35,36,37の抵抗率を低減し
得、ここで発生する過剰なジュール熱を抑えることが期
待できるからである。
【0009】しかし、InGaAlP系結晶の場合、n
型の高キャリア濃度化が容易であるのに対し、p型での
高キャリア濃度化は難しい。なぜならば、一般的なp型
のドーパントであるZn(亜鉛)の場合、結晶中への取
り込まれ率や活性化率が低く、p−クラッド層35,3
6,37のキャリア濃度を上げるためには相当量のZn
をドープしなければならない。
【0010】一方、Znは、InGaAlP系結晶中で
拡散しやすいために、ドープ量が高くなると活性層34
中に拡散し、逆にレーザ特性を損う問題がある。活性層
34への拡散を抑えつつ、p−クラッド層35,36,
37のキャリア濃度を上げる手段としては、たとえば
(100)面のn−GaAs基板に対して特定の方向に
面方位を傾けた傾斜基板を使用する方法や、結晶成長時
の成長温度を下げる方法が知られている。
【0011】しかしながら、これらの方法によっても、
得られるキャリア濃度は1×1018cm-3程度が限度
(抵抗率にして約0.2Ωcmに相当)である。これ
は、GaAlAs系結晶で得られる値に比べて、まだ1
〜2桁高い。
【0012】他のp型のドーパントとしては、Mg(マ
グネシウム)がある。このMgは、成長条件にほぼ無関
係に3×1018cm-3程度のキャリア濃度が得られ、し
かもInGaAlP系結晶中での拡散が起こりにくいこ
とが判っている。
【0013】しかし、Mgのドープは、MOCVD装置
の供給配管への吸着、飽和によると考えられるドーピン
グ遅れが生じやすく、n型の基板31を用いる従来構造
(図3)の半導体レーザの場合、活性層34に続いて、
p−クラッド層35,36,37へ高濃度のドーピング
を再現性よく行うことが難しい。
【0014】このように、図3に示す従来構造のInG
aAlP系の半導体レーザでは、p−クラッド層35,
36,37のドーピングの限界(〜1×1018cm-3
で、レーザの温度特性が律速されていた。
【0015】これに対して、InGaAlP系の半導体
レーザの基板にp型のGaAs基板を用い、その上部の
ダブルヘテロ構造部のp型とn型とを、従来構造(図
3)の半導体レーザの場合と逆の導電型にした構造の半
導体レーザが提案されている(たとえば、特開平2−7
4088号公報、特開平3−62584号公報、特願平
1−196832号)。
【0016】p−GaAs基板を用いる長所としては、
まず、抵抗率が高く、かつ低活性化率により不純物によ
る結晶欠陥の多いp−クラッド層ではなく、抵抗率が1
桁以上低いn−クラッド層側から素子内に生じる熱をヒ
ートシンクに放熱することができる。
【0017】また、光密度の高いレーザ光を、結晶欠陥
の少ないn−クラッド層側に導波することで、素子の劣
化を抑えて長寿命化することができる。さらに、p型の
ドーパントをドープするp型ドープ層を、ドーパントを
ドープしないアンドープ層、n型のドーパントをドープ
するn型ドープ層に先立って結晶成長できるため、結晶
成長前に充分にMgを空流しするなどの手段によってド
ーピング遅れを防ぐことにより、Mgのドープによるp
−クラッド層の高キャリア濃度化が実現できる。
【0018】しかし、p型の基板上に図3のようなレー
ザ構造を形成する場合、電流ブロック層をp型としなけ
ればならないが、拡散長の長い電子が少数キャリアであ
るため、そこでの電流狭窄効果が低下するという問題が
ある。
【0019】これを解決する方法として、電流ブロック
層の厚みを電子の拡散長以上に厚くするか、キャリア濃
度を十分に高くすることによって拡散長を短くする方法
がすでに提案されている(たとえば、特願平3−171
789号)。
【0020】この提案によると、p型の電流ブロック層
のキャリア濃度が2×1018〜1×1019cm-3の場
合、電子の拡散長は3〜8μm程度あり、電流ブロック
層はこれ以上の厚みにしなければならず、従来構造(図
3)の半導体レーザにおけるn型の電流ブロック層が
0.7〜1.5μmの厚さであることから考えると非常
に厚い。
【0021】電流ブロック層を厚くすることは、ヒート
シンクへのマウント面からの距離が遠くなり、放熱性を
下げる結果となり、好ましくない。一方、上記提案によ
れば、0.7〜1.5μmの厚みで同程度の電流狭窄効
果を得るために必要な、p型電流ブロック層のキャリア
濃度は3〜5×1019cm-3となる。
【0022】しかし、Znを用いてこのような高濃度な
ドープを行う場合には、n−InGaAlPクラッド層
やInGaP活性層へのZnの拡散が起こりやすく、p
型電流ブロック層の下部のn−クラッド層や活性層にZ
nが拡散してp型化した結果、電流ブロック層の上面に
p−n接合が形成されてストライプ部に電流が注入され
なくなるという問題が生じる。
【0023】また、Znに比べて拡散の起こりにくいM
gを用いてn−クラッド層への拡散を抑えたとしても、
3〜5×1019cm-3の高濃度なドープでは結晶欠陥を
生じやすく、電流ブロック層中の結晶欠陥がリッジ部の
n−クラッド層あるいはその下部の活性層に伝搬した場
合、レーザ特性が劣化するなどの問題がある。
【0024】このように、従来の電流ブロック層をp型
とした半導体レーザにおいては、電流ブロック層での少
数キャリアの拡散長に起因する電流狭窄効果の低下の問
題があり、これを解決できる有効な方法がなかった。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
においては、基板や電流ブロック層をp型とした半導体
レーザの場合、少数キャリアの拡散長に起因する電流ブ
ロック層での電流狭窄効果の低下を効果的に防止するこ
とができないという問題があった。
【0026】そこで、この発明は、電流ブロック層にお
ける電流狭窄効果の低下を効果的に防止でき、特性およ
び信頼性を向上することが可能な半導体レーザ装置およ
びその製造方法を提供することを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の半導体レーザ装置にあっては、p導電
型の化合物半導体基板と、この基板上に順に形成され
た、p導電型のInGaAlPクラッド層、活性層、n
導電型のInGaAlPクラッド層からなるダブルヘテ
ロ構造部と、このダブルヘテロ構造部の上に、高抵抗な
化合物半導体からなる絶縁層により形成されて、その構
造部に流れる電流をストライプ状に狭窄する電流ブロッ
ク層とから構成されている。
【0028】また、この発明の半導体レーザ装置の製造
方法にあっては、p導電型の化合物半導体基板の上に、
順に、p導電型のInGaAlPクラッド層、活性層、
n導電型のInGaAlPクラッド層を形成してダブル
ヘテロ構造部を作り込む工程と、このダブルヘテロ構造
部の上に、高抵抗な化合物半導体からなる絶縁層を形成
して、その構造部に流れる電流をストライプ状に狭窄す
る電流ブロック層を作り込む工程とからなっている。
【0029】
【作用】この発明は、上記した手段により、従来の装置
とほぼ同一の素子構造により電流ブロック層を高抵抗化
できるようになるため、電流ブロック層での電流狭窄効
果を高めることが可能となるものである。
【0030】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して説明する。図1は、本発明にかかる半導体レーザ
の素子構造を示すものである。たとえば、この半導体レ
ーザは、p−GaAs(ガリウム・ヒ素)基板11上
に、MOCVD(Metal Organic Che
mical VaporDeposition)法によ
って次の各層が積層されてなる構造とされている。
【0031】すなわち、p−基板11上には、Zn(亜
鉛)またはMg(マグネシウム)のドープされたp−G
aAsバッファ層12、およびZnまたはMgのドープ
されたp−InGaP(インジウム・ガリウム・リン)
コンタクト層13が形成されている。
【0032】このp−コンタクト層13の上には、Zn
またはMgのドープされたp−InGaAlP(インジ
ウム・ガリウム・アルミニウム・リン)クラッド層1
4、InGaP活性層15、およびSi(シリコン)ま
たはSe(セレン)のドープされたn−InGaAlP
クラッド層16,17,18からなるダブルヘテロ接合
構造部が形成されている。
【0033】n−クラッド層18はストライプ状に加工
されており、これによりn−クラッド層18にストライ
プ状のリブが形成されている。ここで、n−クラッド層
17は、たとえば低Al組成もしくはInGaP系結晶
層からなり、リッジ形成のためのエッチングストップ層
として作用する。
【0034】ダブルヘテロ接合部の各層およびp−コン
タクト層13の格子定数は上記p−基板11と等しく、
かつp−クラッド層14およびn−クラッド層16のバ
ンドギャップエネルギは上記活性層15のそれよりも大
きくなるように、In、Ga、Alの各組成が決定され
ている。
【0035】ダブルヘテロ接合構造部の側面には、Vb
(バナジウム)またはFe(鉄)もしくはO(酸素)の
ドープされた、厚さが約0.7〜1.5μmの高抵抗G
aAlAs(ガリウム・アルミニウム・ヒ素)電流ブロ
ック層(H.R.−GaAlAs)19が形成されてい
る。
【0036】n−クラッド層18および電流ブロック層
19の上には、n−GaAsコンタクト層20が形成さ
れている。そして、n−コンタクト層20の上面にはn
型電極21が、p−基板11の下面にはp型電極22が
それぞれ形成されている。
【0037】この構造では、電流狭窄は電流ブロック層
19によって行われ、光導波はストライプ状のメサに形
成されたn−クラッド層18によって行われる。なお、
p−バッファ層12の形成は、GaAs系結晶の上に形
成するInGaAlP系結晶の品質向上のためである。
【0038】また、p−コンタクト層13は、p−クラ
ッド層14とp−バッファ層12との間の電気抵抗の低
減を目的として設けられるものであり、GaAs系結晶
よりもバンドギャップが大きく、かつp−クラッド層1
4よりもバンドギャップが小さいものであればよい。
【0039】電流ブロック層19のMOCVD法による
結晶成長においては、たとえば、Vbをドープする場合
には有機金属原料としてバナジウムトリエトキシオキシ
ド((OC253 VO)が用いられ、Feをドープ
する場合にはフェロセン(Cp2 Fe)が用いられる。
【0040】また、Oをドープする場合には、O2 ガス
を原料として用いることも可能であるが、Oはトリメチ
ルガリウム(TMG;Ga(CH33 )などの有機金
属中に非常に取り込まれやすい性質があるため、あらか
じめOを添加したTMGを使って高抵抗のGaAlAs
系結晶層を形成することが可能である。
【0041】これらのドーピングにより、容易にして、
103 Ωcm以上の高抵抗層(絶縁層)を得ることがで
きる。すなわち、GaAlAs系結晶からなる電流ブロ
ック層に、OあるいはFe,Vbなどの遷移金属をドー
ピングすることによって、たとえばキャリア濃度が1×
1013cm-3以下で、抵抗率が102 Ωcm以上の高抵
抗GaAlAs電流ブロック層19を容易に形成するこ
とができる。
【0042】なお、本実施例では、電流ブロック層19
としてGaAlAs系結晶を用いたが、たとえばInG
aAlP系結晶を用いる場合にも同様の効果がある。電
流ブロック層19がGaAlAs系結晶の場合には、活
性層15に比べてバンドギャップエネルギが小さいため
に、活性層15で発光した光は電流ブロック層19で吸
収される。
【0043】そのため、n−クラッド層18のリッジ部
と電流ブロック層19との間に光吸収による分布が発生
し、これにより水平方向に屈折率分布がある場合と同じ
効果が得られ、横モード制御されたレーザ特性が得られ
る。
【0044】一方、電流ブロック層19として、活性層
15よりもバンドギャップエネルギが大きく、かつn−
クラッド層18よりもバンドギャップエネルギが小さい
GaAlAs系結晶やInGaAlP系結晶からなる高
抵抗層を用いた場合には、電流ブロック層19はもはや
活性層15からの光に対して透明となる。
【0045】したがって、この場合には、電流狭窄以外
の効果は得られず、利得ガイド型のレーザ特性を示す。
さらに、電流ブロック層19として、活性層15やn−
クラッド層18よりもバンドギャップエネルギの大きい
InGaAlP系結晶からなる高抵抗層を用いた場合に
は、n−クラッド層18の屈折率が電流ブロック層19
の屈折率よりも大きくなる。
【0046】この結果、活性層15からの光は水平方向
に導波され、屈折率ガイド型のレーザ特性を得ることが
できる。なお、Al組成の高いGaAlAs系結晶やI
nGaAlP系結晶を電流ブロック層19とする場合に
は、Alと非常に結合しやすい性質があるOのドープが
非常に有効である。
【0047】すなわち、1000ppm程度のOを添加
した有機金属材料(TMG、トリメチルインジウム(T
MI;In(CH33 )、トリメチルアルミニウム
(TMA;Al(CH33 など)を電流ブロック層1
9の成長に用いることで、容易に高抵抗層を得ることが
できる。
【0048】上記したように、本実施例素子によれば、
高抵抗の電流ブロック層を用いることによって、p型基
板上に形成したInGaAlP系の半導体レーザにおい
ても、n型の電流ブロック層の場合と同等の電流狭窄効
果を得ることができる。
【0049】すなわち、GaAlAs系結晶やInGa
AlP系結晶からなる電流ブロック層に、OあるいはF
e,Vbなどの遷移金属元素をドーピングし、キャリア
濃度を1×1013cm-3以下、抵抗率を102 Ωcm以
上とすることによって、所望の電流狭窄効果が得られる
ようにしている。
【0050】この場合、ドーピングに用いる遷移金属元
素などは、GaAlAs系結晶あるいはInGaAlP
系結晶中での拡散係数が低いため、Znの場合のような
拡散による他層への影響はほとんどなく、しかも有機金
属化合物を用いることにより容易にドーピングできる。
【0051】したがって、n型基板を用いた素子と導電
型を逆にした構造とすることによりほぼ同じ性能が得ら
れるだけでなく、p型基板を用いることによる、p−ク
ラッド層への高濃度なMgのドープにともなうキャリア
濃度の向上、さらには熱抵抗の低いn−クラッド層側を
ヒートシンクにマウントすることで放熱性の改善が期待
できるなど、従来より実用化されてきたn型基板を用い
たInGaAlP系の半導体レーザよりも、その特性お
よび信頼性を高めることができるものである。
【0052】なお、上記実施例においては、エッチング
ストップ層が電流ブロック層とn−クラッド層との間に
存在する場合を例に説明したが、これに限らず、たとえ
ばエッチングストップ層は必ずしも必要なく、省略する
こともできる。
【0053】また、リッジ構造を有する半導体レーザに
限らず、たとえば図2に示すような電流ブロック層にス
トライプ状の窓(開口部)を設けた構造の半導体レーザ
に適用することも可能である。
【0054】すなわち、この構造の半導体レーザは、た
とえばp−GaAs基板11上に、p−GaAsバッフ
ァ層12、p−InGaPコンタクト層13、p−In
GaAlPクラッド層14、InGaP活性層15、n
−InGaAlPクラッド層16、高抵抗GaAlAs
電流ブロック層(または、高抵抗InGaAlP電流ブ
ロック層)19が積層され、この電流ブロック層19に
n−InGaAlPクラッド層16まで達するストライ
プ状の開口部を形成した後、さらにn−GaAsコンタ
クト層20が形成されている。
【0055】そして、このn−GaAsコンタクト層2
0の上面にはn側電極21が、また上記p−基板11の
下面にはp側電極22が形成された構成とされている。
このような素子構造の半導体レーザによっても、上記実
施例と同様な特性を得ることができる。
【0056】さらに、ダブルヘテロ構造部における活性
層はInGaP系結晶に限らず、たとえばInGaAl
P系あるいはGaAlAs系の材料で、しかもクラッド
層よりもバンドギャップエネルギが小さいものであれば
よい。
【0057】また、電流ブロック層を高抵抗化するドー
パントに関しても、O,Vb,Feに限るものではな
く、GaAlAs系結晶およびInGaAlP系結晶層
中で深い準位を形成し、キャリアをトラップする効果の
ある物質(元素)であればよく、MOCVD法による結
晶成長時の原料もこれらの物質を供給し得る化合物であ
れば、実施例に限るものではない。その他、この発明の
要旨を変えない範囲において、種々変形実施可能なこと
は勿論である。
【0058】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、電流ブロック層における電流狭窄効果の低下を効果
的に防止でき、特性および信頼性を向上することが可能
な半導体レーザ装置およびその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる半導体レーザの素
子構造を概略的に示す断面図。
【図2】この発明の他の実施例にかかる半導体レーザの
素子構造を概略的に示す断面図。
【図3】従来技術とその問題点を説明するために示す半
導体レーザの断面図。
【符号の説明】
11…p−GaAs基板、12…p−GaAsバッファ
層、13…p−InGaPコンタクト層、14…p−I
nGaAlPクラッド層、15…InGaP活性層、1
6,17,18…n−InGaAlPクラッド層、19
…高抵抗GaAlAs電流ブロック層(または、高抵抗
InGaAlP電流ブロック層)、20…n−GaAs
コンタクト層、21…n側電極、22…p側電極。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p導電型の化合物半導体基板と、 この基板上に順に形成された、p導電型のInGaAl
    Pクラッド層、活性層、n導電型のInGaAlPクラ
    ッド層からなるダブルヘテロ構造部と、 このダブルヘテロ構造部の上に、高抵抗な化合物半導体
    からなる絶縁層により形成されて、その構造部に流れる
    電流をストライプ状に狭窄する電流ブロック層とを具備
    したことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記電流ブロック層は、鉄、バナジウム
    などの遷移金属をドープしたGaAlAs系結晶または
    InGaAlP系結晶からなることを特徴とする請求項
    1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記電流ブロック層は、酸素をドープし
    たGaAlAs系結晶またはInGaAlP系結晶から
    なることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装
    置。
  4. 【請求項4】 p導電型の化合物半導体基板の上に、順
    に、p導電型のInGaAlPクラッド層、活性層、n
    導電型のInGaAlPクラッド層を形成してダブルヘ
    テロ構造部を作り込む工程と、 このダブルヘテロ構造部の上に、高抵抗な化合物半導体
    からなる絶縁層を形成して、その構造部に流れる電流を
    ストライプ状に狭窄する電流ブロック層を作り込む工程
    とからなることを特徴とする半導体レーザ装置の製造方
    法。
JP5270647A 1993-10-28 1993-10-28 半導体レーザ装置およびその製造方法 Pending JPH07122821A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10294533A (ja) * 1997-02-21 1998-11-04 Toshiba Corp 窒化物化合物半導体レーザ及びその製造方法

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JPH10294533A (ja) * 1997-02-21 1998-11-04 Toshiba Corp 窒化物化合物半導体レーザ及びその製造方法

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