JPH07122206A - 投射型ブラウン管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷却手段を有してなり、パッドと支持枠体を
備えながら、支持枠体のパッド上での横ずれを防止する
ことが可能な投射型ブラウン管を提供する。 【構成】 パネル部１０の裏面に蛍光面１６を有し、パ
ネル部１０の表面側に蛍光面１６を冷却するための冷却
手段を有し、ファンネル部１５の外表面に管軸方向の位
置決め基準となるパッド１７が形成され、パッド１７に
冷却手段と連結する支持枠体１９の一部が当接してなる
投射型ブラウン管において、パッド１７と支持枠体１９
との当接部が嵌合状態にある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、投射型ブラウン管に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】ブラウン管は、パネル部の裏面側に蛍光
面が形成され、ファンネル部を介してパネル部と対向す
る位置にあるネック部の内部に電子銃が装着されてなる
構造を有し、電子銃から電子線が発せられ、蛍光面に照
射されるようになっている。

【０００３】ところでブラウン管の一種として、蛍光面
上に映された映像を、蛍光面に対向するようにして配置
された投射レンズを介して前方の映像スクリーンに拡大
投影する投射型ブラウン管があり、この種のブラウン管
は、特に高輝度を得る必要があるため、通常のブラウン
管に比べて蛍光面入力エネルギーを大きくしている。

【０００４】そのため投射型ブラウン管は、放熱作用の
小さいパネル部の中央付近が著しく高温となりやすく、
蛍光体の温度依存性によって輝度が低下したり、パネル
部の中央付近と周辺付近との温度差が大きくなり、クラ
ックが発生するという虞れがある。

【０００５】このような事情からパネル部の表面側に蛍
光面を冷却するための冷却手段を有する投射型ブラウン
管が各種提案されており、例えば特公平５−２７２０９
号公報には、パネル部の裏面に蛍光面を有し、表面側に
蛍光面を冷却するための冷却手段を有し、しかもファン
ネル部の外表面に管軸方向の位置決め基準となるパッド
が形成されてなる投射型ブラウン管が開示されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記の投射型ブラウン
管は、冷却手段によってパネル部の中央の温度上昇が小
さくなるため、輝度の低下が抑制され、クラックが発生
することもない。

【０００７】またこれをテレビジョン装置に組み込み、
投射レンズとの位置合わせを行う場合、高い寸法精度を
有する支持枠体を使用し、支持枠体の一端をテレビジョ
ン装置の橋体に固定し、他端をファンネル部の所定箇所
に形成されたパッドに当接させることによって、蛍光面
と投射レンズの入力レンズとの位置決めも容易となると
いう長所も有している。

【０００８】しかしながらこの投射型ブラウン管は、パ
ッドと支持枠体との当接面が平面であるため、支持枠体
がパッド上で横ずれしやすく、中心ズレの発生、取付け
時の調整が繁雑になるという問題がある。

【０００９】本発明の目的は、冷却手段を有してなり、
上記したようなパッドと支持枠体を備えながら、支持枠
体のパッド上での横ずれを防止することが可能な投射型
ブラウン管を提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の投射型ブラウン
管は、パネル部の裏面側に蛍光面を有し、パネル部の表
面側に蛍光面を冷却するための冷却手段を有し、ファン
ネル部の外表面に管軸方向の位置決め基準となるパッド
が形成され、パッドに冷却手段と連結する支持枠体の一
部が当接してなる投射型ブラウン管において、パッドと
支持枠体との当接部が嵌合状態にあることを特徴とす
る。

【００１１】

【作用】本発明の投射型ブラウン管によると、パッドと
支持枠体との当接部が嵌合状態にあり、支持枠体がパッ
ド上で横ずれすることないため、確実な固定が可能とな
り中心ずれの調整が不要になる。

【００１２】因に、嵌合状態とは、形の合ったもの同士
がはめ合わされた状態のことであり、パッドと支持枠体
とを嵌合させるためには、一方に凸部を形成し、他方に
凹部を形成し、凸部と凹部を合わせるようにすれば良
い。パッドに凸部や凹部を形成するには、ファンネル部
をプレス成形する時に、パッドと共に形成すれば良く、
また支持枠体に凸部や凹部を形成するには、所定形状の
支持枠体を作製した後、加工すれば良い。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の投射型ブラウン管を実施例に
基づいて詳細に説明する。

【００１４】図１は、本発明の投射型ブラウン管の要部
断面図であり、図２は、図１のパッドと支持枠体の当接
部の拡大断面図である。

【００１５】図１にあるように投射型ブラウン管は、パ
ネル部１０の表面側に一定間隔をとって透明パネル１１
が配置され、両者の間には放熱作用を有する金属枠体１
２が挿入されている。この金属枠体１２は、パネル部１
０と透明パネル１１に接着剤１３によって接着されて内
部空間１４が密封され、この内部空間１４に透明なエチ
レングリコールなどの冷媒が封入されている。

【００１６】パネル部１０に溶着されたファンネル部１
５には、蛍光面１６を基準としてパッド１７が形成され
ている。このパッド１７と蛍光面１６との間隔は、パネ
ル部１０とファンネル部１５を溶着する際に調整し、ば
らつきが少ないようにパッド１７をファンネル部１５の
外表面に形成する必要がある。

【００１７】金属枠体１２は、取付ラグ１８を介して支
持枠体１９の取付ラグ取付部２０に固定されている。取
付ラグ１８を取付ラグ取付部２０に固定するためには、
例えば両者間にスプリングワッシャー２１を介在させ、
ねじ２２で固定する方法が採られる。

【００１８】支持枠体１９は、橋体固定部２３と位置決
め部２４も備えており、橋体固定部２３は、投射テレビ
装置の橋体２５に固定され、位置決め部２４は、ファン
ネル部１５に形成されたパッド１７に当接される。橋体
固定部２３と位置決め部２４との間隔は、特に高精度に
製作する必要がある。

【００１９】また図２にあるようにファンネル部１５の
外表面に形成されたパッド１７の、支持枠体１９の位置
決め部２４に当接する箇所には、凸部１７ａが形成さ
れ、一方、位置決め部２４の、パッド１７に当接する箇
所には、凹部２４ａが形成されており、凸部１７ａと凹
部２４ａが嵌合している。従って、このような投射型ブ
ラウン管の場合、支持枠体１９がパッド１７との当接面
で横ずれを起こすことがない。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明の投射型ブラウン管
は、冷却手段を有するため、パネル部中央の温度上昇が
小さく、またファンネル部の外表面にパッドが形成さ
れ、このパッドに支持枠体を当接することによって、蛍
光面と入力レンズとの位置決めが容易となり、しかも支
持枠体がパッド上で横ずれすることがないため、確実な
固定が可能となり、中心ずれの調整が不要になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の投射型ブラウン管の要部断面図であ
る。

【図２】図１のパッドと支持枠体の当接部の要部断面図
である。

【符号の説明】

１０ パネル部 １５ ファンネル部 １６ 蛍光面 １７ パッド １９ 支持枠体 １７ａ 凸部 ２４ａ 凹部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネル部の裏面に蛍光面を有し、パネル
   部の表面側に蛍光面を冷却するための冷却手段を有し、
   ファンネル部の外表面に管軸方向の位置決め基準となる
   パッドが形成され、パッドに冷却手段と連結する支持枠
   体の一部が当接してなる投射型ブラウン管において、パ
   ッドと支持枠体との当接部が嵌合状態にあることを特徴
   とする投射型ブラウン管。