JPH07122122B2 - 高力銅合金の製造法 - Google Patents
高力銅合金の製造法Info
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- JPH07122122B2 JPH07122122B2 JP60234204A JP23420485A JPH07122122B2 JP H07122122 B2 JPH07122122 B2 JP H07122122B2 JP 60234204 A JP60234204 A JP 60234204A JP 23420485 A JP23420485 A JP 23420485A JP H07122122 B2 JPH07122122 B2 JP H07122122B2
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- rolling
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高力銅合金に関し、さらに詳しくは、電子機器
の機構部品の端子、コネクタ等に使用される成形加工性
に優れた高力銅合金に関する。
の機構部品の端子、コネクタ等に使用される成形加工性
に優れた高力銅合金に関する。
[従来技術] 一般に、航空機および大型計算機等に使用される端子、
コネクタ等のばね材料には極めて高い信頼性が要求され
ている。
コネクタ等のばね材料には極めて高い信頼性が要求され
ている。
最近の電気、電子部品等の軽薄短小に伴ない、これらの
機器に使用されるばね材料の薄肉化が要求されて、その
信頼性は増々高いものが望まれるようになっている。
機器に使用されるばね材料の薄肉化が要求されて、その
信頼性は増々高いものが望まれるようになっている。
そして、これら高信頼性が要求される分野においては、
従来、ベリリウム銅が使用されてきているが、Beおよび
Be含有酸化物は人体に対して有害であり、かつ、高価で
あり、Beを含有する銅合金を製造する際には安全、衛生
面について種々の防護策を構じなければならず、材料自
体が高価になっている。
従来、ベリリウム銅が使用されてきているが、Beおよび
Be含有酸化物は人体に対して有害であり、かつ、高価で
あり、Beを含有する銅合金を製造する際には安全、衛生
面について種々の防護策を構じなければならず、材料自
体が高価になっている。
このような様々の問題があるベリリウム銅の代りの材料
として、Cu−Ni−Sn系合金、特に、C72700(Cu−9wt%N
i−6wt%Sn)が知られており、このC72700は安全、衛生
面において問題がなく、さらに、ベリリウム銅に匹敵す
る特性を有する高力銅合金である。
として、Cu−Ni−Sn系合金、特に、C72700(Cu−9wt%N
i−6wt%Sn)が知られており、このC72700は安全、衛生
面において問題がなく、さらに、ベリリウム銅に匹敵す
る特性を有する高力銅合金である。
このC72700の製造法は、水平連続鋳造、また、縦型連続
鋳造による2つの方法がある。
鋳造による2つの方法がある。
(1)水平連続鋳造により製作された鋳塊を溶体化焼鈍
と冷間圧延を繰返すことにより薄板に加工し、溶体化焼
鈍およびそれに続く25%以上の断面減少率に相当する冷
間圧延を行なった後、300〜450℃の温度において低温焼
鈍を行ない、ベリリウム銅に匹敵する高強度を有する銅
合金を製造する。
と冷間圧延を繰返すことにより薄板に加工し、溶体化焼
鈍およびそれに続く25%以上の断面減少率に相当する冷
間圧延を行なった後、300〜450℃の温度において低温焼
鈍を行ない、ベリリウム銅に匹敵する高強度を有する銅
合金を製造する。
(2)縦型連続鋳造により製作された鋳塊を熱間圧延
し、冷間圧延と中間焼鈍を繰返すことにより薄板に加工
し、溶体化焼鈍とそれに続く25%以上の断面減少率に相
当する冷間圧延の後に、300〜450℃の温度において低温
焼鈍行ない、ベリリウム銅と匹敵する高強度の銅合金を
製造する方法である。
し、冷間圧延と中間焼鈍を繰返すことにより薄板に加工
し、溶体化焼鈍とそれに続く25%以上の断面減少率に相
当する冷間圧延の後に、300〜450℃の温度において低温
焼鈍行ない、ベリリウム銅と匹敵する高強度の銅合金を
製造する方法である。
この2つの製造法に共通している点は、溶体化焼鈍およ
びそれに続く25%以上の断面減少率に相当する冷間圧延
を行なった後に、300〜450℃の温度における低温焼鈍を
行なって高強度の銅合金とすることである。
びそれに続く25%以上の断面減少率に相当する冷間圧延
を行なった後に、300〜450℃の温度における低温焼鈍を
行なって高強度の銅合金とすることである。
しかし、これらの方法により得られた高力銅合金は、端
子、コネクタに成形加工される際に、曲げ部に割れを生
じ易いという欠点がある。
子、コネクタに成形加工される際に、曲げ部に割れを生
じ易いという欠点がある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記に説明したように、従来における航空機、
大型計算機等の高信頼性が要求されるばね材料として使
用されているベリリウム銅合金の代りのCu−Ni−Sn系合
金の問題点に鑑み、本発明者が鋭意研究を行ない、か
つ、種々検討をした結果、ベリリウム銅に匹敵する高強
度、かつ、成形加工性に優れ、さらに、従来のCu−Ni−
Sn系合金とはその処理方法が異なる高力銅合金の製造法
を開発したのである。
大型計算機等の高信頼性が要求されるばね材料として使
用されているベリリウム銅合金の代りのCu−Ni−Sn系合
金の問題点に鑑み、本発明者が鋭意研究を行ない、か
つ、種々検討をした結果、ベリリウム銅に匹敵する高強
度、かつ、成形加工性に優れ、さらに、従来のCu−Ni−
Sn系合金とはその処理方法が異なる高力銅合金の製造法
を開発したのである。
[問題点を解決するための手段] 本発明に係る高力銅合金の製造法の特徴とするところ
は、 Ni2〜30wt%、Sn3〜9wt% を含有し、かつ、 Co0.01〜1.0wt%、Cr0.002〜0.1wt%、 Mg0.001〜0.01wt%、Si0.005〜0.2wt% のうちから選んが1種または2種以上 を含有し、残部Cuおよび不可避不純物からなる銅合金
を、主としてNiおよびSn含有量により決定されるα単相
領域からの水中急冷或いは類似の冷却処理による溶体化
焼鈍を行ない、25%以下の面積減少率に相当する量で冷
間圧延を行ない、300〜450℃の温度で0.5〜5時間の低
温焼鈍を行なうことにある。
は、 Ni2〜30wt%、Sn3〜9wt% を含有し、かつ、 Co0.01〜1.0wt%、Cr0.002〜0.1wt%、 Mg0.001〜0.01wt%、Si0.005〜0.2wt% のうちから選んが1種または2種以上 を含有し、残部Cuおよび不可避不純物からなる銅合金
を、主としてNiおよびSn含有量により決定されるα単相
領域からの水中急冷或いは類似の冷却処理による溶体化
焼鈍を行ない、25%以下の面積減少率に相当する量で冷
間圧延を行ない、300〜450℃の温度で0.5〜5時間の低
温焼鈍を行なうことにある。
本発明に係る高力銅合金の製造法について、以下詳細に
説明する。
説明する。
先ず、本発明に係る高力銅合金の製造法に使用する銅合
金の含有成分および成分割合について説明する。
金の含有成分および成分割合について説明する。
Niは強度を付与する元素であり、含有量が2wt%未満で
は十分な強度が得られず、また、30wt%を越えて含有さ
れると鋳塊の熱間加工性が著しく低下し、冷間加工性も
低下する。よって、Ni含有量は2〜30wt%とする。
は十分な強度が得られず、また、30wt%を越えて含有さ
れると鋳塊の熱間加工性が著しく低下し、冷間加工性も
低下する。よって、Ni含有量は2〜30wt%とする。
SnはNiと同様に強度に付与する元素であり、含有量が3w
t%未満では充分な強度が得られず、また、9wt%を越え
て含有されると鋳塊の熱間加工性が著しく低下し、冷間
加工性も低下する。よって、Sn含有量は3〜9wt%とす
る。
t%未満では充分な強度が得られず、また、9wt%を越え
て含有されると鋳塊の熱間加工性が著しく低下し、冷間
加工性も低下する。よって、Sn含有量は3〜9wt%とす
る。
Coは熱間加工性を改善する元素であり、含有量が0.01wt
%未満ではその効果がなく、また、1.0wt%を越えて含
有されると熱間加工性がかえって低下する。よって、Co
含有量は0.01〜1.0wt%とする。
%未満ではその効果がなく、また、1.0wt%を越えて含
有されると熱間加工性がかえって低下する。よって、Co
含有量は0.01〜1.0wt%とする。
CrはCoと同じく熱間加工性を改善する元素であり、含有
量が0.002wt%未満ではこの効果は少なく、また、0.1wt
%を越えて含有されると熱間加工性がかえって低下す
る。よって、Cr含有量は0.002〜0.1wt%とする。
量が0.002wt%未満ではこの効果は少なく、また、0.1wt
%を越えて含有されると熱間加工性がかえって低下す
る。よって、Cr含有量は0.002〜0.1wt%とする。
Mgは溶湯中のSをMgSとして固定し、そのためには、Mg
含有量は0.001〜0.01wt%とする。
含有量は0.001〜0.01wt%とする。
SiはCrの減失を抑制し、安定した熱間圧延を行なうこと
を可能にする元素で、そのためには、含有量は0.005〜
0.2wt%とする。
を可能にする元素で、そのためには、含有量は0.005〜
0.2wt%とする。
次に、本発明に係る高力銅合金の製造法における処理に
ついて説明する。
ついて説明する。
上記に説明した含有成分および成分割合の銅合金を縦型
連続鋳造により造塊し、この鋳塊を600℃以上の温度
で、かつ、この銅合金の融点以下の温度において鋳造組
織を崩すのに充分な60%以上の断面減少率で熱間圧延を
行なう。
連続鋳造により造塊し、この鋳塊を600℃以上の温度
で、かつ、この銅合金の融点以下の温度において鋳造組
織を崩すのに充分な60%以上の断面減少率で熱間圧延を
行なう。
さらに、この熱間圧延材に、途中において1回以上の中
間焼鈍を含む冷間圧延を行ない、次いで、この冷間圧延
材を主としてNiおよびSn含有量により決定されるα単相
領域に加熱し、続く水中急冷或いは類似の冷却処理を行
なう、溶体化処理を行ない、α単相状態とする。
間焼鈍を含む冷間圧延を行ない、次いで、この冷間圧延
材を主としてNiおよびSn含有量により決定されるα単相
領域に加熱し、続く水中急冷或いは類似の冷却処理を行
なう、溶体化処理を行ない、α単相状態とする。
そして、この材料を最終板厚まで25%以下の断面減少率
に相当する冷間圧延を行ない、さらに、300〜450℃の温
度における最終低温焼鈍を行なう。
に相当する冷間圧延を行ない、さらに、300〜450℃の温
度における最終低温焼鈍を行なう。
この最終低温焼鈍により溶体化焼鈍により得られたα単
相状態が(α+α′)2相に分離する、所謂、スピノー
ダル分解と呼ばれる相分離現象が起り、材料は引張強
さ、ばね限界値等の強度特性を著しく向上させる。
相状態が(α+α′)2相に分離する、所謂、スピノー
ダル分解と呼ばれる相分離現象が起り、材料は引張強
さ、ばね限界値等の強度特性を著しく向上させる。
しかして、この低温焼鈍温度は、300〜450℃の温度とす
るのがよく、300℃未満の温度では材料が強化するのに
要する時間が5時間を越え、また、450℃を越える温度
では焼鈍時間が30分未満でも一部に再結晶が起り、強度
の向上が望めなくなる。
るのがよく、300℃未満の温度では材料が強化するのに
要する時間が5時間を越え、また、450℃を越える温度
では焼鈍時間が30分未満でも一部に再結晶が起り、強度
の向上が望めなくなる。
このようにして製造された銅合金は、成形加工性が良好
であり、かつ、強度特性も優れており、端子、コネクタ
用のばね材料として優れたものである。
であり、かつ、強度特性も優れており、端子、コネクタ
用のばね材料として優れたものである。
[実 施 例] 本発明に係る高力銅合金の製造法について実施例を説明
する。
する。
実施例 第1表に示す含有成分および成分割合の銅合金を、大気
雰囲気下において縦型連続鋳造により厚さ140mm、幅430
mmの鋳塊に造塊し、この鋳塊を820℃の温度において、
断面減少率90%の熱間加工を行ない厚さ14mmとし、この
熱間加工終了後に水中急冷を行なった。
雰囲気下において縦型連続鋳造により厚さ140mm、幅430
mmの鋳塊に造塊し、この鋳塊を820℃の温度において、
断面減少率90%の熱間加工を行ない厚さ14mmとし、この
熱間加工終了後に水中急冷を行なった。
次いで、面削を行なって厚さ13mmとし、さらに、700℃
の温度で2時間の中間焼鈍を含む冷間圧延を行ない、厚
さ0.25〜0.36mmの板材とした。
の温度で2時間の中間焼鈍を含む冷間圧延を行ない、厚
さ0.25〜0.36mmの板材とした。
この冷間圧延材を750℃の温度に1分間保持した後水中
急冷を行なう溶体化処理を行ない、さらに、この溶体化
処理材を夫々0%、5%、15%の断面減少率に相当する
上り圧延を行なって最終板厚とした。
急冷を行なう溶体化処理を行ない、さらに、この溶体化
処理材を夫々0%、5%、15%の断面減少率に相当する
上り圧延を行なって最終板厚とした。
比較材として、夫々30%、45%の断面減少率に相当する
強加工を行なって最終板厚とした材料を調整した。
強加工を行なって最終板厚とした材料を調整した。
これらの冷間圧延材に、300〜500℃の温度において2時
間の低温焼鈍を行ない、引張強さ、伸びの変化を調査し
た。
間の低温焼鈍を行ない、引張強さ、伸びの変化を調査し
た。
その結果を第1図に示す。
加工率の異なる各材料とも低温焼鈍により引張強さが増
加し、400℃の温度に2時間保持した場合に、引張強さ
は最大となる。さらに、低温焼鈍温度を上昇させると各
材料ともに引張強さが減少する。
加し、400℃の温度に2時間保持した場合に、引張強さ
は最大となる。さらに、低温焼鈍温度を上昇させると各
材料ともに引張強さが減少する。
400℃の温度で2時間の低温焼鈍を行なった各材料の機
械的性質、物理的性質を第2表に示す。No.1〜No.3は上
り圧延において夫々0%、5%、15%の断面減少率に相
当する冷間圧延を行なった本発明に係る高力銅合金の製
造法により製造された材料であり、No.4、No.5は上り圧
延において夫々30%、45%の断面減少率に相当する冷間
圧延を行なった比較材である。
械的性質、物理的性質を第2表に示す。No.1〜No.3は上
り圧延において夫々0%、5%、15%の断面減少率に相
当する冷間圧延を行なった本発明に係る高力銅合金の製
造法により製造された材料であり、No.4、No.5は上り圧
延において夫々30%、45%の断面減少率に相当する冷間
圧延を行なった比較材である。
また、No.6は比較材としてベリリウム銅ミルハードン材
の機械的性質、物理的性質を示す。
の機械的性質、物理的性質を示す。
この第2表より本発明は係る高力銅合金の製造法により
製造された材料のNo.1〜No.3は比較材であるNo.4、No.5
に較べて強度特性において大きな差異が認められず、低
温焼鈍後の強度に対して上り圧延加工率が影響しないこ
とがわかる。即ち、上り圧延において30%断面減少率に
相当する冷間圧延を行なったNo.5は、5%断面減少率に
相当する冷間圧延を行なったNo.2に比較して、引張強さ
において圧延方向に平行方向で4.7kgf/mm2、圧延方向に
直角方向で6.9kgf/mm2の増加をするだけである。
製造された材料のNo.1〜No.3は比較材であるNo.4、No.5
に較べて強度特性において大きな差異が認められず、低
温焼鈍後の強度に対して上り圧延加工率が影響しないこ
とがわかる。即ち、上り圧延において30%断面減少率に
相当する冷間圧延を行なったNo.5は、5%断面減少率に
相当する冷間圧延を行なったNo.2に比較して、引張強さ
において圧延方向に平行方向で4.7kgf/mm2、圧延方向に
直角方向で6.9kgf/mm2の増加をするだけである。
しかし、伸び特性は逆にNo.2が圧延方向に平行方向で1
2.2%、圧延方向に直角方向で12.9%とNo.5の夫々6.4
%、6.4%に比較して2倍の伸びを示している。そし
て、この伸びは材料の成形加工性に関係しており、上記
説明した低温焼鈍後の特性より本発明に係る高力銅合金
の製造法により製造された材料のNo.2は上り圧延におい
て強加工を行なったNo.5に比較して強度的には遜色がな
く、逆に成形加工性に優れている。また、No.2は比較材
としてのNo.6のベリリウム銅と同等の強度特性を示して
いる。
2.2%、圧延方向に直角方向で12.9%とNo.5の夫々6.4
%、6.4%に比較して2倍の伸びを示している。そし
て、この伸びは材料の成形加工性に関係しており、上記
説明した低温焼鈍後の特性より本発明に係る高力銅合金
の製造法により製造された材料のNo.2は上り圧延におい
て強加工を行なったNo.5に比較して強度的には遜色がな
く、逆に成形加工性に優れている。また、No.2は比較材
としてのNo.6のベリリウム銅と同等の強度特性を示して
いる。
次に、本発明に係る高力銅合金の製造法により製造され
た材料の曲げ加工性について説明する。
た材料の曲げ加工性について説明する。
第1図に示すように、本発明に係る高力銅合金の製造法
により製造された材料は、低温焼鈍により機械的強度が
著しく変化するが、最大強度においては上り圧延の加工
率によらず、異なる加工率の材料も全べて略同程度の機
械的強度を示し、即ち、種々の調質の材料の製造する場
合、上り圧延の加工率によらず低温焼鈍条件を変えるこ
とにより調質の調整を行なうことができる。
により製造された材料は、低温焼鈍により機械的強度が
著しく変化するが、最大強度においては上り圧延の加工
率によらず、異なる加工率の材料も全べて略同程度の機
械的強度を示し、即ち、種々の調質の材料の製造する場
合、上り圧延の加工率によらず低温焼鈍条件を変えるこ
とにより調質の調整を行なうことができる。
例えば、引張強さ80kgf/mm2の目標を調整した、上り圧
延の加工率が5%の断面減少率に相当する本発明に係る
高力銅合金の製造法により製造された材料と、比較とし
て上り圧延の加工率が30%の断面減少率に相当する材料
の曲げ加工性について第3表に示す。
延の加工率が5%の断面減少率に相当する本発明に係る
高力銅合金の製造法により製造された材料と、比較とし
て上り圧延の加工率が30%の断面減少率に相当する材料
の曲げ加工性について第3表に示す。
本発明に係る高力銅合金の製造法により製造された材料
は、360℃の温度に2時間保持する低温焼鈍を行ない、
比較材は325℃の温度に2時間保持する低温焼鈍を行な
った。
は、360℃の温度に2時間保持する低温焼鈍を行ない、
比較材は325℃の温度に2時間保持する低温焼鈍を行な
った。
低温焼鈍後の機械的性質は引張強さが圧延方向に平行方
向で本発明に係る高力銅合金の製造法により製造された
材料は85.7kgf/mm2で比較材の81.8kgf/mm2よりも約4kgf
/mm2も高い。しかし、伸び特性は圧延方向に平行方向で
本発明に係る高力銅合金の製造法により製造された材料
は20.7%で比較材12.6%であり、8%も優れている。
向で本発明に係る高力銅合金の製造法により製造された
材料は85.7kgf/mm2で比較材の81.8kgf/mm2よりも約4kgf
/mm2も高い。しかし、伸び特性は圧延方向に平行方向で
本発明に係る高力銅合金の製造法により製造された材料
は20.7%で比較材12.6%であり、8%も優れている。
このような材料について、曲げ半径0.2mmRの90゜曲げ試
験を行ない、曲げ部の外観検査を行なった。本発明に係
る高力銅合金の製造法により製造された材料は、圧延方
向に平行方向、直角方向共に曲げ部に肌荒れを感じる程
度で良好な曲げ加工性を示す。比較材は曲げ部に皺を発
生し、曲げ加工性に劣るものである。
験を行ない、曲げ部の外観検査を行なった。本発明に係
る高力銅合金の製造法により製造された材料は、圧延方
向に平行方向、直角方向共に曲げ部に肌荒れを感じる程
度で良好な曲げ加工性を示す。比較材は曲げ部に皺を発
生し、曲げ加工性に劣るものである。
同様の試験を上り圧延加工率の異なる材料で行なった
が、同程度の引張強さの場合、上り圧延加工率の材料程
伸びの値が大きく、曲げ加工が良好であった。特に25%
以上の断面減少率に相当する冷間圧延を行なった場合、
25%未満の場合に比較して伸び特性値が低く、曲げ加工
性が悪くなるので上り圧延率を25%未満の断面減少率に
相当する量とした。
が、同程度の引張強さの場合、上り圧延加工率の材料程
伸びの値が大きく、曲げ加工が良好であった。特に25%
以上の断面減少率に相当する冷間圧延を行なった場合、
25%未満の場合に比較して伸び特性値が低く、曲げ加工
性が悪くなるので上り圧延率を25%未満の断面減少率に
相当する量とした。
本発明に係る高力銅合金の製造法により製造された材料
は、強度および曲げ加工性に優れていることがわかる。
は、強度および曲げ加工性に優れていることがわかる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る高力銅合金の製造法
は上記の構成を有しているから、成形加工性が著しく優
れており、かつ、強度も良好であって、端子、コネクタ
材料として信頼性がり、エレクトロニクス関係の分野へ
の貢献度な多大なものがある。
は上記の構成を有しているから、成形加工性が著しく優
れており、かつ、強度も良好であって、端子、コネクタ
材料として信頼性がり、エレクトロニクス関係の分野へ
の貢献度な多大なものがある。
第1図は焼鈍温度と引張強さおよび伸びとの関係を示す
図である。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】Ni2〜30wt%、Sn3〜9wt% を含有し、かつ、 Co0.01〜1.0wt%、Cr0.002〜0.1wt%、 Mg0.001〜0.01wt%、Si0.005〜0.2wt% のうちから選んが1種または2種以上 を含有し、残部Cuおよび不可避不純物からなる銅合金
を、主としてNiおよびSn含有量により決定されるα単相
領域からの水中急冷或いは類似の冷却処理による溶体化
焼鈍を行ない、25%以下の面積減少率に相当する量で冷
間圧延を行ない、300〜450℃の温度で0.5〜5時間の低
温焼鈍を行なうことを特徴とする成形加工性に優れた高
力銅合金の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60234204A JPH07122122B2 (ja) | 1985-10-19 | 1985-10-19 | 高力銅合金の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60234204A JPH07122122B2 (ja) | 1985-10-19 | 1985-10-19 | 高力銅合金の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6293357A JPS6293357A (ja) | 1987-04-28 |
JPH07122122B2 true JPH07122122B2 (ja) | 1995-12-25 |
Family
ID=16967321
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60234204A Expired - Lifetime JPH07122122B2 (ja) | 1985-10-19 | 1985-10-19 | 高力銅合金の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07122122B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0637680B2 (ja) * | 1987-06-15 | 1994-05-18 | 三菱電機株式会社 | 疲労特性に優れたCu−Ni−Sn合金 |
US6716292B2 (en) * | 1995-06-07 | 2004-04-06 | Castech, Inc. | Unwrought continuous cast copper-nickel-tin spinodal alloy |
EP2971215B1 (en) * | 2013-03-14 | 2019-04-17 | Materion Corporation | Process for improving formability of wrought copper-nickel-tin alloys |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4142918A (en) * | 1978-01-23 | 1979-03-06 | Bell Telephone Laboratories, Incorporated | Method for making fine-grained Cu-Ni-Sn alloys |
JPS552722A (en) * | 1978-06-19 | 1980-01-10 | Mitsubishi Electric Corp | Toughening method for copper-nickel-tin alloy |
-
1985
- 1985-10-19 JP JP60234204A patent/JPH07122122B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS6293357A (ja) | 1987-04-28 |
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Legal Events
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