JPH0712159A - 摩擦材組成物 - Google Patents

摩擦材組成物

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JPH0712159A
JPH0712159A JP15513593A JP15513593A JPH0712159A JP H0712159 A JPH0712159 A JP H0712159A JP 15513593 A JP15513593 A JP 15513593A JP 15513593 A JP15513593 A JP 15513593A JP H0712159 A JPH0712159 A JP H0712159A
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friction
friction material
copper
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JP15513593A
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秀次 ▲くわ▼島
Hideji Kuwajima
Toichi Sakata
淘一 坂田
Masaaki Yasuda
雅昭 安田
Shozo Yamana
章三 山名
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械強度と摩擦特性のバランスがとれ、特に
高温での摩擦係数が低下しない摩擦材を生じる摩擦材組
成物を提供すること。 【構成】 ガラス繊維などの繊維基材、硫酸バリウムな
どの摩擦調整剤、熱硬化性樹脂などの結合剤及び銅複合
酸化物を含有する摩擦材組成物である。銅複合酸化物と
しては、銅と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移
金属等との複合酸化物があり、例えば、Bi:Sr:C
a:Cu=2:2:1:2の複合酸化物がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車や産業機械の動
力伝達、制動等の摩擦材に用いられる摩擦材組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車や産業用に用いられる摩擦材とし
ては、一般にブレーキライニング、ディスクパッド及び
クラッチフェーシングがある。これらは、従来、石綿
(アスベスト)を繊維基材として使用していたが、アス
ベスト公害の問題から非アスベスト系摩擦材の開発が望
まれている。現在、アスベストの代替材としてガラス繊
維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、ロックウール、
セラミック繊維、各種のスチールファイバー等の繊維基
材を使用した摩擦材が開発され、一部で実用されてい
る。そして、これらの繊維基材に摩擦調整剤、結合剤な
どを加えて摩擦材の強度と摩擦特性のバランスをとろう
と試みられている。
【0003】しかしながら、これらの各種材料の種類や
配合量を検討しても、摩擦材の強度と摩擦特性のバラン
スを最適に保持するのは困難である。例えば、繊維基材
としてファイバー状のものを用いた抄造法又はモールド
法によるものが知られている(特開昭61−63797
号公報、特開平3−210338号公報等)。この方法
は、短く切った繊維基材と混和物とを混合して製造する
方法(一種のモールド法)であるため、機械強度の低下
が生じやすい。その他、水溶媒を用いた摩擦材の製造法
としては、摩擦調整剤を繊維基材に付着しやすいように
表面処理したもの(特開平3−61732公報)などが
提案されているが、摩擦材の強度と摩擦特性のバランス
を最適に保持するという問題を解決するには至っていな
い。
【0004】すなわち、高速回転時の破壊強度あるいは
高負荷時の破壊強度を高めるには、結合剤量を増加すれ
ばよいが、これを増加すると、高温時に摩擦係数が低下
する欠点を生じる。これを防止するには、結合剤量を減
少させる方法、空隙率を高める方法あるいは摩擦調整剤
量を増加する方法などがあるが、いずれも破壊強度が低
下しやすく、各種特性のバランスをとること及びバラツ
キを小さくすることが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の欠点を解消し、機械強度と摩擦特性のバランスがと
れた摩擦材を生じる摩擦材組成物を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の摩擦材
組成物に銅複合酸化物を添加することによって上記目的
を達成しうることを見出し、この知見に基づいて完成し
たものである。すなわち、本発明は、繊維基材、摩擦調
整剤、結合剤及び銅複合酸化物を含有する摩擦材組成物
に関する。
【0007】本発明において、繊維基材として、ガラス
繊維、炭素繊維、セラミック繊維等の無機質繊維及び芳
香族ポリアミド樹脂繊維、フェノール樹脂繊維、ポリア
クリロニトリル繊維等の有機質繊維が挙げられ、これら
が単独であるいは相互に又は金属繊維などと組み合わさ
れて使用される。特に、その材質を制限するものではな
いが、加工が容易であり、また、安価であり、汎用性が
あることからガラス繊維を主として用いたものが好まし
い。繊維基材としては、直径が数μm〜数十μmのフィ
ラメントが集束剤で集束されたストランドが数十本まと
められたもの、あるいはこれらフィラメントが撚り合わ
されたものであるのが好ましい。
【0008】繊維基材の配合量は、使用した繊維の種類
により変動するが、ガラス繊維を用いる場合、その量
は、摩擦特性のバランス及び制御の容易さの点で摩擦材
組成物中に25〜60重量%含有させるのが好ましい。
【0009】本発明において、摩擦調整剤としては、特
に制限はなく、各種のものを使用することができ、例え
ば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、硫
酸バリウム、クレー、タルク、黒鉛、カーボンブラッ
ク、アルミナ、マイカ、螢石、ジルコニア、ヘマタイ
ト、シリカ、硫化アンチモン、硫化鉄、硫化モリブデ
ン、硫黄等の無機物の粉末、鉄、鉛、銅等の金属の粉
末、カシューダスト、ゴムダスト、各種樹脂硬化物の粉
末等の有機物の粉末、珪酸カルシウム短繊維などが用い
られる。
【0010】また、本発明に用いる結合剤としては、特
に制限はなく、各種の熱硬化性樹脂組成物、ゴムラテッ
クス及び/又はゴム溶液を使用することができる。熱硬
化性樹脂組成物としては、フェノール樹脂、メチル化メ
ラミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂組成物
が挙げられ、これらのうちフェノール樹脂組成物、メチ
ル化メラミン樹脂組成物が好ましい。樹脂組成物の量
は、繊維基材と摩擦調整剤に対する結合力並びに摩擦材
の摩擦係数及び摩擦率の調整の点で一般に、摩擦材にし
たときに固形分として摩擦材に対して10〜50重量%
とすることが好ましい。また、ゴムラテックスとして
は、架橋性ゴムラテックスが用いられ、例えば、ニトリ
ルブタジエンゴム、アクリルゴム、天然ゴム、クロロプ
レンゴムなどが挙げられる。ゴム溶液は、NBR等の固
形ゴムを有機溶剤に溶かしたものである。ゴムラテック
ス又はゴム溶液の量としては、得られる摩擦材に対して
固形分として5〜20重量%含有させるような量が好ま
しい。
【0011】本発明における摩擦材組成物は、さらに銅
複合酸化物を含有する。ここで銅複合酸化物とは、銅
と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属等との
複合酸化物を示す。例えば、CuとBa、Sr又はCa
との複合酸化物、あるいはBiとSr、Ca又はBaと
Cuとの複合酸化物、Y又はBaとCuとの複合酸化
物、あるいはTlとSr、Ca又はBaとCuとの複合
酸化物が挙げられる。これらの原子比は特に限定するも
のではないが、銅の原子価が2を超えるものが好まし
い。例えば、Y、Ba及びCuの複合酸化物の場合、
Y:Ba:Cuの原子比が大略1:2:3である結晶を
含有すると、これらの結晶では銅の原子価が2以上にな
り、かつその原子価が変化しやすいので好ましい。同様
に、Bi、Sr、Ca及びCuを主成分として含む場
合、Bi:Sr:Ca:Cuの原子比が大略2:2:
1:2又は2:2:2:3である結晶を、またTl、B
a、Ca、Sr及びCuを主成分とする場合、Tl:ア
ルカリ土類金属:Cuの原子比が大略2:3:2あるい
は2:4:3である結晶を含有すると、これらの結晶で
は銅の原子価が2以上になり、かつその原子価が変化し
やすいので好ましい。
【0012】銅複合酸化物の添加量は、摩擦特性のバラ
ンスの点で銅複合酸化物を除く摩擦材組成物中に0.1
〜10重量%であるのが好ましい。また、その添加方法
は、粒径が数μm〜数十μmの粉末として添加すること
が好ましい。水溶液にこれらの粉末を添加する際には、
予めエチレングリコール、プロピレングリコール等のグ
リコール類などで表面を被覆したのち添加すれば、水と
の反応を抑制することができ、好ましい。
【0013】本発明の摩擦材組成物は、上記成分の他
に、必要に応じて各種の添加剤、例えば、分散剤、可撓
化剤、界面活性剤などを含有していてもよい。特に、有
機溶媒を使用せず、水系溶媒で混和物を作製し、これを
遷移基材に含浸させて塗工紐を作製する場合には、上記
のような添加剤を適切に活用することが好ましい。この
場合、分散剤としては、主として水溶性高分子樹脂が用
いられる。このような樹脂としては、一般に、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエ
ーテル、ポリビニルエチルエーテルなどが用いられる。
分散剤の添加量は、摩擦係数及び機械強度の点で摩擦材
組成物中に10重量%以下含有させるのが好ましく、混
和物総量中では20重量%以下とするのが好ましく、混
和物中に10重量%以下とするのがより好ましい。
【0014】また、可撓化剤としては、水溶性高分子樹
脂に対して相溶性を有し、摩擦特性に影響しない物質が
好ましく、例えば、グリコール類が好適である。可撓化
剤は、混和物が塗工されたプリプレグの成形加工性を向
上するためのものであり、成形、後硬化時には飛散して
実機の摩擦材中には極力存在しないようにするのが好ま
しい。好適な可撓化剤としては、例えば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール
等の低級グリコールが挙げられる。その添加量は、分散
剤の種類にもよるが、分散剤に対して80〜20重量%
が好ましい。
【0015】界面活性剤は、摩擦調整剤の分散効果及び
分散剤の安定性を増強するために用いられ、特に制限は
ないが、効果的な界面活性剤としては、アニオン系ある
いはノニオン系が好ましく用いられる。ノニオン系のポ
リエチレングリコールがより好ましい。界面活性剤の添
加量は、通常は混和物に対して1〜2重量%が好まし
い。
【0016】含浸塗工法としては、ドクターブレード
法、ロールコーター法、吹き付け法、定量ポンプによる
押出塗工法、浸漬含浸法などがあるが、繊維基材に摩擦
材組成物を略均一に含浸させるには、浸漬含浸法が好適
である。繊維基材に摩擦材組成物を略均一に含浸させる
具体的な方策としては、繊維基材を充分に開繊して摩擦
材組成物のスラリー中に浸漬し、含浸させたのちこれを
引き上げる方法あるいはスラリー中で揺動させ、繊維基
材中に略均一に含浸させる方法などがあるが、開繊の方
法及び含浸方法には、特に制限はない。
【0017】具体的に、摩擦材を得るには、例えば次の
ような方法がある。結合剤である熱硬化性樹脂組成物の
粉末を水又は有機溶剤に分散、溶解させる。このときに
必要に応じて分散剤、可撓化剤又は界面活性剤が加えら
れる。次いで、摩擦調整剤及びプロピレングリコールで
表面を被覆した銅複合酸化物を添加して均一な分散液を
作製し、さらにゴムラテックスと固形分調整用の水ある
いはゴム溶液を加えて攪拌混合して混和物を得る。結合
剤としては、熱硬化性樹脂組成物、ゴムラテックス及び
ゴム溶液の全てを用いる必要はなく、いずれか一つを用
いればよい。上記の混和物をガラスロービング等の繊維
基材に均一に塗工して塗工物とし、この塗工物の揮発分
を乾燥等により除去した後、環状に巻き上げて予備成形
品を得る。得られた環状体を金型等に入れて熱圧成形を
行い、次いで成形品を所定の加熱条件下で熱処理して樹
脂を完全に硬化させて、摩擦材を得ることができる。
【0018】上記方法において、塗工物における繊維基
材と混和物との比率は、重量で繊維基材/混和物(固形
分)で30/70〜60/40とするのが好ましい。混
和物の付着量が多すぎると、摩擦材の機械強度が低下
し、付着量が少ないと、摩擦特性が不安定になり、摩耗
が増大すると共に摩擦の経日熱変化により強度が低下す
る。
【0019】
【作用】本発明になる摩擦材組成物は、繊維基材、摩擦
調整剤、結合剤及び銅複合酸化物を主成分として含有す
るものである。摩擦材に求められる性質は、摩擦性能は
もちろんのこと、機械的強度、耐摩耗性等である。これ
らの性質が常に安定して一定の値を示すことが重要であ
る。これらの性質のうち、破壊強度を向上させると耐摩
耗性も向上するが、摩擦性能では高温時の摩擦係数が低
下しやすくなる。しかし、本発明により、銅複合酸化物
を添加することによって高温で結合剤あるいは有機質を
含む摩擦調整剤が分解して生成するタール状物質の酸化
脱水素反応を促進し、タール状物質を速やかに炭化物に
変化させる。これにより高温時の摩擦係数の低下を防止
できる。
【0020】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれによって制限されるものでは
ない。
【0021】なお、以下の実施例及び比較例に用いる各
材料は、下記のとおりである。繊維基材は、ガラスロー
ビング(富士ファイバーグラス製、FER2310、
2.3g/m)である。摩擦調整剤は、酸化亜鉛(和光
純薬工業製、化学用)2重量%、硫酸バリウム(堺化学
製、BC)40重量%、カーボンブラック(三菱カーボ
ン製、#44)6重量%、黒鉛(英国 ABRAMWELL製)3
重量%、シリカ粉(龍森製、クリスタライト)10重量
%、珪酸カルシウム短繊維(米国NYCO社製、商品名
ウォラスナイト)20重量%、カシュー変性フリクショ
ンダスト(カシュー株製、WD−1350)14重量%
及び微粉硫黄(細井化学製)5重量%をV型ブレンダー
で均一に混合したものである。
【0022】実施例では、上記の摩擦調整剤に下記の銅
複合酸化物を添加して均一に混合した。Bi23、Sr
CO3、CaCO3及びCuO(いずれも高純度化学研究
所製、試薬)の粉末を原子比がBi:Sr:Ca:Cu
=2:2:1:2になるように秤量し、次いでこれを混
合した後、大気中875℃で50時間焼成後、乳鉢で粗
粉砕し、次いでボールミルで微粉砕して平均粒径3μm
の銅複合酸化物を得た。この銅複合酸化物中の銅の原子
価は、公知の方法で滴定したところ2.15であった。
【0023】結合剤としての熱硬化性樹脂組成物は、ノ
ボラックフェノール樹脂(日立化成工業製、HD−49
1、ヘキサミン7重量%含有)50重量%及びメチル化
メラミン樹脂(日本カーバイド製、S−260)50重
量%をV型ブレンダーで混合して均一にしたものであ
る。ゴムラテックスは、NBRラテックス(日本ゼオン
製、LX513、固形分45重量%)及びゴム溶液は、
NBR固形ゴム(日本ゼオン製、Nippol104
1)をメチルエチルケトン(MEK)及びトリクレン
(トリクロロエチレン)のそれぞれの溶媒で15重量%
の溶液に調整した。
【0024】分散剤としては、ポリビニルアルコール
(和光純薬工業製、重合度1500)の10重量%水溶
液を用いた。可撓化剤としては、エチレングリコール
(和光純薬工業製、化学用)を用いた。界面活性剤とし
ては、ポリエチレングリコールノニルフェノール(花王
化学製、エマルゲン910)を用いた。溶媒は、水とし
てイオン交換水を、MEKとして和光純薬工業製の試薬
一級品を用いた。
【0025】上記した材料を表1に示す配合表に従って
次の順序で混合し、混和物を作製した。すなわち、実施
例1〜4と比較例1のものは、分散剤のポリビニルアル
コール水溶液に熱硬化性樹脂組成物、可撓化剤及び界面
活性剤を添加し、高速ミキサーで攪拌混合し、均一な溶
液とした。次いで、実施例1〜4のものは、摩擦調整剤
と銅複合酸化物を、また、比較例1のものは摩擦調整剤
のみを加えて攪拌し、均一に分散させた。一方、実施例
5のものは、熱硬化性樹脂組成物に摩擦調整剤と銅複合
酸化物を、また、比較例2のものは、熱硬化性樹脂組成
物に摩擦調整剤を加えて攪拌し、均一に分散させた。そ
の後、攪拌をプロペラ攪拌に変え、ゴムラテックス又は
ゴム溶液を加えて攪拌しながら、固形分調整用の溶媒を
固形分が50重量%となるように加えて所定配合の混和
物を得た。
【0026】次に、上記で得た混和物に表2に示す量の
ガラスロービング(繊維基材)を浸漬含浸して所定量の
混和物を付着させ、そのまま熱風乾燥機で表2に示す条
件で乾燥して混和物の付着した塗工紐を得た。この塗工
紐をスキャッタ巻き機にかけて、外径が200mm及び内
径が130mmの円環状の予備成形品を得た。この予備成
形品を金型に入れ、160℃で10分間、4.9×10
6Pa(50kgf/cm2)の圧力で熱圧成形し、次いで20
5℃で4時間の熱処理をして樹脂を後硬化させた後、両
面を研磨して厚さ3.5mmの摩擦材を得た。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】各実施例及び各比較例で作製した塗工紐及
び摩擦材について下記の評価を行い、結果を表3に示し
た。 (a)塗工紐の乾燥性 塗工紐をそれぞれ170℃の乾燥機で30分間乾燥し、
揮発分を求めた。 (b)塗工紐の外観 目視で観察した。 (c)塗工紐内の混和物分布 塗工紐約1mを縦に裂き、表面部と内部の混和物の分布
を目視で観察して評価した。
【0030】(d)摩擦材の外観 目視で観察した。 (e)摩耗率及び摩擦係数 摩擦材から一部を切り出して試験片を作り、JIS−D
4411に定める定速度摩耗試験機に取り付けて運転
し、押し付け圧力4.9×105Pa(5kgf/cm2)で3
50℃における摩耗率(cm3/kgf・m×10-7)及び摩
擦係数を測定した。 (f)バースト強度 摩擦材を回転破壊強度試験機に取り付け、雰囲気温度2
00℃で5分間、2500回転/分で回転させ、次いで
毎秒100回転の速さで回転数を上昇させ、破壊時の回
転数を調べた。
【0031】
【表3】
【0032】表3に示した結果から分かるように、銅複
合酸化物を添加した実施例で得られた摩擦材は、バース
ト強度及び摩耗率が良好で、かつ高温での摩擦係数が低
下しにくい。一方、比較例で得られた摩擦材では、バー
スト強度及び摩耗率においては実施例のものと変わらず
良好であるが、高温での摩擦係数が実施例のものと比べ
て低くなっている。したがって、本発明に実施例になる
摩擦材は、強度、摩耗性及び摩擦特性のバランスのとれ
た優れたものである。なお、実施例で得た摩擦材は、ジ
ャダー性も比較例に比べて改善されており、良好であっ
た。
【0033】
【発明の効果】本発明の摩擦材組成物を用いて作製され
た摩擦材は、銅複合酸化物が添加されていることにより
高温で生成するタール状物質を速やかに酸化して炭化物
とすることができ、その結果、バースト強度及び摩耗性
を損なうことなく、高温での摩擦係数の低下を防止する
ことができる。したがって、本発明の摩擦材組成物は、
自動車や産業機械における動力伝達装置、制動装置等の
摩擦材に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山名 章三 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材、摩擦調整剤、結合剤及び銅複
    合酸化物を含有する摩擦材組成物。
  2. 【請求項2】 銅複合酸化物中の銅の原子価が2を超え
    る請求項1記載の摩擦材組成物。
JP15513593A 1993-06-25 1993-06-25 摩擦材組成物 Pending JPH0712159A (ja)

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