JPH07121524B2 - 粉体成形品の製造方法 - Google Patents

粉体成形品の製造方法

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JPH07121524B2 JP2238747A JP23874790A JPH07121524B2 JP H07121524 B2 JPH07121524 B2 JP H07121524B2 JP 2238747 A JP2238747 A JP 2238747A JP 23874790 A JP23874790 A JP 23874790A JP H07121524 B2 JPH07121524 B2 JP H07121524B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、無機、有機、金属等の各種粉体を湿式成形し
て製品又は半製品である粉体成形品を製造する方法に関
し、特に充填率の大きな粉体成形品を製造する方法に関
する。
(従来の技術) 金属、焼結材料、水硬性材料等の各種素材から医薬品、
食料品に至るまで、多くの製品はその製造過程で、原材
料、中間生成物に粉体を用いている。これ等の粉体は所
望の形状に成形されて製品又は半製品となる。
これ等の粉体成形品の物性に影響を及ぼす重要な特性と
して充填特性が挙げられるが、この充填特性には均一性
と充填率の2つの側面がある。
例外的に、例えば傾斜機能性材料を作りたい場合のよう
に不均一な方が、又、成形品の多孔性を利用したい場合
のように充填率が小さい方が好ましい場合もあるが、多
くの場合は均一かつ高充填の粉体成形品が好ましいとさ
れている。これは均一な充填は均一な物性を意味するた
めであり、又高充填の成形品は機械的強度が強いためで
ある。
又、セラミック粉体成形品のように成形工程の後に焼成
工程をもち、成形品(焼成品)の充填率が1に近くなる
ものについては、成形品の気孔率がそのまま焼成収縮率
となるため、高充填の成形品は焼成収縮が小さく、寸法
安定性に優れた複雑な形状の製品の製造が可能となる。
更には炭化珪素等の自己焼結性の小さなセラミックにつ
いては、高充填の成形品を作ることにより焼成温度を低
くすることもできる。
このような粉体の成形には粉体をそのまま型に充填して
高圧をかける乾式法と、粉体と溶媒とを混合し、この混
合物を所望の形状に成形し、成形中及び/又は成形後に
溶媒を除去する湿式法とがあるが、本発明はこの内の湿
式法を対象とする。
ここで、湿式法による粉体の成形は第2図に示す過程を
経て製造される。即ち、 (I)粉体と溶媒とを混合して成形品の原料となる粉体
と溶媒との混合物を形成した段階;この時の混合物中の
粉体の体積分率をF1とする。
(II)所望の形状に成形した直後の段階;成形中に溶媒
の一部が除去され、粉体の体積分率はF2となる。
(III)乾燥段階;この段階で除かれた溶媒の分だけ成
形品が収縮し、粉体の体積分率はF3となる。
(IV)乾燥後の製品段階;この段階では(III)の段階
における残留溶媒が空気に置換され、成形品における粉
体の体積分率、即ち充填率はF3である。
尚、以上は通常の製造過程における溶媒と粉体の体積分
率との関係を示したものであって、この関係から外れ
る、例えば(III)の段階における残留溶媒が除去され
る過程で一部の残留溶媒が空気に置換されずに成形品を
収縮させたり、残留溶媒が空気ではなく別の溶媒に置換
されたり、(III)の段階で製造工程が終了する場合も
ある。また、コンクリートの注型や吸水性型を使用しな
い時のキャスタブルの成形等のように水和に用いられた
水分を粉体の体積分率に含めないで考えると、F1≒F2≒
F3の場合もあるが、本発明で取扱うのはF1<F3の場合で
ある。
従来、充填率の高い粉体成形品を製造するため、粗い粒
子の隙間に細かい粒子が充填され、この細かい粒子の隙
間にさらに細かい粒子が充填されるような粒度分布を有
する粉体を用い、成形中の粉体と溶媒との混合物を粘性
流動状態(いわゆるチクソトロピー状態)として成形品
を最密充填に近付ける方法が採用されている。
この内の成形中の粉体と溶媒との混合物の流動性につき
更に詳しく説明すると、粉体と溶媒との混合物はダイラ
ント流動と粘性流動を含む様々な流動パターンを示す
が、この内のダイラント流動とは第3図の曲線A1及びA2
に示すように粉体と溶媒との混合物に剪断応力を与えた
時に剪断応力の増加とともに増加する剪断速度の増加率
が減少するものを意味し、粘性流動は同図の曲線B1及び
B2に示すように剪断速度の増加率が増大するものを意味
し、実際の粉体と溶媒との混合物の流動性は上記2種類
の流動性を含む9ヶの流動パターンが連結されたもので
あり、いわゆる“ダイラント流動”、“粘性流動”とい
うのは、その他の流動パターンが縮退したものだとされ
ている。そして本発明でいうダイラント流動性は、上記
粘性流動領域からダイラント流動領域への遷移領域を含
む粉体と溶媒との混合物中の粉体の体積分率の高い領域
を意味し、混練や攪拌の作業性、あるいは流し込み作業
性等を阻害するために最も嫌われている性状のものであ
り、従ってダイラント流動性を積極的に利用しようとす
る試みは緩衝剤や接着剤といった特殊な用途を除いてこ
れまでなされていない。
従って、このことと関連して通常のセラミックの鋳込成
形で用いられる粉体と溶媒との混合物であるスリップの
前記F1の値は0.45前後の場合が多く、0.55を越える場合
はなかった。
ここで言う鋳込成形とはセラミック粉体、金属粉体等を
溶媒に分散してスラリーを調製し、このスラリーを多孔
質の型に流し込み、スラリー中の溶媒の一部を型の細孔
部における毛細管現象、スラリーの自重、スラリーに直
接圧力をかける場合の加圧力、型を回転させる場合の遠
心力等を利用して多孔質の型内に吸収させて成形体を作
る成形方法を意味する。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述したような前記F1の値が小さい粉体
と溶媒との混合物中の粉体の粒度分布をコントロールし
て成形品を最密充填に近付ける方法は粒度分布のコント
ロールが難しい上に、例え原料粉体の粒度分布がコント
ロールできたとしても粉体と溶媒との混合物中で粉体が
凝集してしまい所望の効果が上がらず、充填率の高い粉
体成形品が得られない場合が多い。
こうした理由により、上述したように前記F1の値を0.55
以下としてこのような方法で比較的充填率の高い粉体成
形品を得ることができる鋳込成形を行なった場合におい
てもこの成形品における充填率は例えばセラミック粉体
を石膏型を用いて大気圧下で鋳込成形を行なった場合に
は0.55〜0.7程度がその上限であり、サブミクロン領域
のファインセラミック粉体では0.45〜0.65程度がその上
限であった。
なお、近年研究が進んでいるセラミックの射出成形では
かなりF1の大きなスラリーを用いているが、この成形法
は超高粘性の高温スラリーをプランジャー、スクリュー
等を用いて型内に強引に射出していくもので、スラリー
を高温にしなければならない、装置が大掛りになるなど
の欠点がある。
従って、近年例えばセラミックエンジンやセラミック製
機械部品等の複雑な形状の製品を製造する場合にはより
一層充填率が高く、従って焼成収縮率の小さな粉体成形
品を簡単に製造できる粉体成形品の製造方法が望まれて
いるのが現状である。
(課題を解決するための手段) 原料粉体と溶媒とを混合し、この混合物を多孔質型に鋳
込み、多孔質型に溶媒を吸収させることにより、所望の
形状に成形する粉体成形品の製造方法において、成形中
の前記混合物をダイラント流動性として製造することに
より上記課題を解決したものである。同様にセラミック
粉体と溶媒とを混合し、この混合物を多孔質型に鋳込
み、多孔質型に溶媒を吸収させることにより、所望の形
状に成形する粉体成形品の製造方法において、前記混合
物中におけるセラミック粉体の混合比を体積分率で0.58
〜0.75とすることにより、上記課題を解決したものであ
る。
本発明が適用されるのは既に従来の技術で説明したよう
に第2図のF1<F3の場合(第5頁第6〜7行参照)であ
り、その中でもF1<F2の場合に適用するのが好ましい。
第2図の(I)の段階から(II)の段階に至る過程でF1
<F2となるものとしては鋳込成形、抄造成形、テープ成
形、圧搾成形、浸漬成形(いわゆるどぶ漬け成形)が挙
げられ、中でも鋳込成形において本発明方法が好適に使
用される。
ここで、本発明においては原料として無機、有機、金属
等のあらゆる粉体が使用でき、又、粉体に限らず、短繊
維、ウィスカー等の粉体としての取り扱いが可能なもの
も使用できる。
セラミックの鋳込成形を行なう場合のセラミックとして
は、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、サイアロン、ジル
コニア、ムライト、コージェライト等のいわゆるファイ
ンセラミックから、粘土、陶石、長石、珪石等の天然原
料を主として用いるいわゆるオールドセラミックを含む
全てのセラミックが使用できる。
他方、溶媒としては粉体とほとんど反応することなく粉
体を混合、分散する溶媒が使用され、粉体の種類に応じ
て水、各種有機溶媒が適用される。
更に粉体と溶媒との混合物には必要に応じて分散剤、凝
集剤、解膠剤、結着剤、界面活性剤、滑剤等を加えるこ
ともできる。
本発明は成形中の粉体と溶媒との混合物の混合比を調節
し、この内の溶媒の比率を小さくすることにより成形中
の粉体と溶媒との混合物をダイラント流動性とすること
ができる。この粉体と溶媒との混合物の混合比の調節
は、通常、原料の粉体に投入する溶媒の比率で行なう
が、これにより混合物の粘性が高くなりすぎて続いて行
なわれる粉砕、混合、攪拌等の操作に支障をきたす場合
には原料の粉体に溶媒を所定の比率より多く投入し、前
記各操作を終了して混合物を型に投入する前に蒸発、濾
過、フィルタープレスケーキの再混合等の手段で多めの
溶媒を除去して行なうこともできる。
また、原料粉体の粒度分布を、例えば粒度分布をある特
定の粒度域に集中させたり、微粒成分を除去したり、あ
るいは粗粒成分を添加したりして調節することにより前
記成形中の混合物をダイラント流動性とすることができ
る。この方法はキャスタブル製造の分野でダイラント流
動性のないキャスタブルを製造する手法の逆を行なうも
のであり、前者方法によってダイラント流動性を得るこ
とが難しい場合、例えば粉体と溶媒との混合物中の溶媒
の比率を小さくすると粘性が高くなりすぎて作業性が悪
くなる場合や可塑性の粘土を大量に含みダイラント流動
性が発現しない場合などに特に有効である。
尚、上記ダイラント流動性は、例えば第3図に示す流動
曲線において任意の点における剪断応力をS、剪断速度
をVとして、次式 n=dlog S/dlog V で表わされるnが大きい程強く、nが小さい程粘性流動
性が強い。そして、このダイラント流動性は多くの場
合、例えば粉体と溶媒との混合物を攪き回そうとすると
粘性が上昇して攪き回すのに強い力を必要としたり、場
合によっては攪き回すことができなくなったりするので
触感、即ち攪拌時の抵抗感により感知することができ
る。
後で詳しく説明するように、本発明は成形中の粉体と溶
媒との混合物をダイラント流動性としたり、セラミック
粉体を原料粉体とする鋳込成形の際の成形中の粉体と溶
媒と混合物中における粉体の混合比を体積分率で0.58〜
0.75とすることにより粉体成形品の充填率を高めたもの
であるが、このようにして粉体成形品の充填率が高まる
理由は以下のように推定される。
即ち、このように成形中の粉体比率の高い粉体と溶媒と
の混合物は、粒子構造が粗な状態で凝集し、粒子構造内
に自由溶媒を保有している。この混合物に成形のための
外力を付加した場合、粒子構造の再編成が起こり、自由
溶媒が吐き出されるとともに粒子構造が密になり、結果
的に高い充填率の成形品ができる。
この場合の外力の付加方法として、粉体溶媒混合物に振
動を与える方法を用いれば、非常に高粘性であるため取
扱いが難しい粉体溶媒混合物の成形を行なうことができ
る。これは例えばフィルタープレスにより製造したプレ
スケーキのような、F1が大きく、一見殆ど流動性を持た
ないような粉体溶媒混合物に振動を与えると、粒子構造
の再編成が起こり、自由溶媒が吐き出されるために、粉
体溶媒混合物が見掛け上流動性を持つようになり、その
為に例えば型内への流し込みが容易になる。
尚、ここで述べた粉体溶媒混合物に振動を与える成形方
法は、従来の振動成形(チクソトロピー成形とも呼ばれ
る。)とは全く異なる原理のものである。チクソトロピ
ー成形とは、本方法とは逆に極めてチクソトロピー性の
高い粉体溶媒混合物を用い、これに振動を与えることに
より、高い剪断応力を付加してその粘性を下げて流し込
み、流し込み終了後、振動を止めて粉体溶媒混合物を固
化させるものである。
これに対して本方法で用いる粉体溶媒混合物は、ダイラ
タンシー性が高く、剪断応力を付加することによって粘
性が高くなることに特徴がある。従って、振動によって
見掛け上流動性を持つようになった粉体溶媒混合物は、
流動はするが流動中に触れると極めて固い感触を示す。
(実施例) 以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説明する。
粉体と溶媒との混合物である真比重3.92、平均粒径1μ
mのアルミナ−水系のスリップ中のアルミナの体積分率
F1(このF1については第4頁第8行〜10行参照)を第1
表のように変化させて調製した9種類のスリップを石膏
型を用いて大気圧下で鋳込成形した場合の前記F1と成形
品(乾燥品)の充填率F3(このF3については第4頁第17
行〜第4頁第20行参照)及び原料スリップの粘度との関
係を同表に、F1とF3の関係を第1図に示す。
第1表のNo..7のスリップはその中に攪拌棒を入れて攪
拌しようとした時にかすかな抵抗を感じ、No..8のスリ
ップではかなりの抵抗を感じ、No..9のスリップでは攪
拌棒の周囲にスリップが固化して攪拌棒を動かすことが
できなくなり、No..6のスリップとNo..7のスリップとの
間で流動性が変化し、この境よりNo..7側のスリップ領
域でダイラント流動性を示すことが知見される。
なお、第1表No.9ではスリップに振動を与えることによ
り、型内にスリップを充填した。スリップ容器及びスリ
ップ容器真下に載置した石膏型には、共に60Hzの振動が
与えられた。
他方、第1図から明らかなように、No..6とNo..7のスリ
ップに相当するF1の値が0.6〜0.65の間でF3が急激に上
昇しており、従って以上の結果を合せるとダイラント流
動性を示すスリップはそうでないスリップに比較して充
填率F3の極めて高い粉体成形品を得ることができる。
このように充填率F3が急上昇するF1の値は原料粉体の種
類、粘度分布により様々である。
例えば粒度分布を全体的に粗い方向にずらすとこのF3が
急上昇するF1の値は小さくなる場合が多く、前記スリッ
プ中のアルミナの平均粒径を2.1μmとした場合のF1とF
3の関係は第2表の通りとなる。
第2表の結果はアルミナの平均粒径を2.1μmとした場
合の充填率F3が急上昇するF1の値は0.56〜0.58の間とな
り、アルミナの平均粒径が1μmの場合の充填率F3が急
上昇するF1の値は0.6〜0.65の間であるから、粒度分布
を全体的に粗い方向にずらすことによりF3が急上昇する
F1の値が小さくなっていることが分かる。
また、平均粒径0.6μmの部分安定化ジルコニアー水系
のスリップ中でF1とF3の関係を同様にして求め、第3表
に示す。
第3表の結果では、F3が急上昇するF1の値は0.60〜0.63
の間にある。
このようにF1の値が高いスリップを用いれば充填率F3の
高いセラミック成形品を得ることができるが、あまりF1
の大きなスリップを用いると粘性が高くなりすぎて攪拌
の操作が困難になるため、一般にはスリップのF1の値は
0.75程度が上限である。
ところで従来のF1の値が0.55以下のスリップに対しては
第1図から明らかなようにF1を大きくするとセラミック
成形品の充填率F3は大きくなるどころか、スリップの単
位体積当り多くの粒子を含んでいるためにこれ等の粒子
が凝集して粗な構造のフロックを形成し易く、このため
コンクリート注型のようなF1≒F3となる成形方法とは逆
にF3が減少し、このことから本発明のように鋳込成形を
行なう場合にF1を大きくしてF3を大きくすることは従来
の技術では考えられないことであることが分かる。
なお、F1の値が0.55以下の従来の技術で用いられている
スリップでもF1が大きくなるとF3がわずかではあるが大
きくなる場合がある。これはスリップの凝集を防ぐため
に大量の分散剤を加えるなどの操作により分散性の改良
を行なったために、あるいはF1の小さなスリップは着肉
が遅いために着肉の間にスリップが凝集してしまったた
めにこのようになったものであって、第3表のF1が0.40
〜0.50の間ではこのような傾向を示している。但し、こ
れは本発明のように意図的にF3を大きくしたものではな
く、また、第1図に見られるようにF3が飛躍的に大きく
なるものでもない。
〈実施例〉 以下に本発明の更に詳しい実施例を示す。
下記組成物: アルミナ …50重量部 (住友化学社製AES-21) アルミナ …50重量部 (住友化学社製AL-43M) ポリカルボン酸アンモニウム塩 …0.3重量部 (中京油脂社製セルナD-305) アクリル系エマルジョン …0.8重量部 (中京油脂社製WA-320) 炭酸マグネシウム …0.1重量部 (和光純薬社製) 水 …12.5重量部 をアルミナ製ボールと共にアルミナ製ポットに投入し、
48時間のボールミル粉砕を行なってスリップを調製し
た。主原料であるアルミナの真比重は3.92であり、この
スリップにおける粉体の体積分率F1は0.671である。ま
た、このスリップの粒度を光散乱式粒度分布計で測定す
ると1μm以上が18.8Vol%、0.5μm〜1μmが43.5Vo
l%、0.2μm〜0.5μmが28.2Vol%、0.2μm以下が9.5
Vol%である。
上記実施例に係るスリップに水を添加してアルミナ100
重量部に対して水が27重量部となるように調整し、防乾
しながら24時間攪拌し、スリップにおける粉体の体積分
率F1が0.486である比較例に係るスリップを得た。な
お、比較例に係るスリップを独立して粉砕して調製しな
いで実施例に係るスリップに水を加えて調製したのはF1
以外の条件を全て同じにして両者を比較し易くするため
である。
以上の実施例及び比較例に係るスリップを2日間のねか
し期間の後に流動性の測定、成形、焼成及び充填率を含
む実施例及び比較例の成形品の特性の測定を順次行なっ
た。
この内の実施例のスリップは攪拌棒で攪き回すと、かす
かに抵抗を感じたが、成形に際しての型内の流し込みに
は全くさしつかえなかった。
流動性の測定は、スリップに加える剪断応力と剪断速度
との関係を3点にわたって測定することにより行なっ
た。また、スリップの粘度は剪断速度12.6sec-1におけ
る見かけ粘度で表示した。
成形は15mm×15mm×150mmの内寸の石膏型に流し込んで
行なった。着肉終了後、脱型し、120℃の温度で完全に
乾燥させて実施例及び比較例の粉体成形品を得た。
この実施例及び比較例の粉体成形品につき、アルキメデ
ス法により成形品の充填率F3を測定した。また、3点曲
げ試験法により乾燥強度を測定した。
次いでこれ等の粉体成形品を1700℃で焼結して理論密度
にほぼ等しい緻密さを得、線方向収縮率をF3から次式: 1−(F3)1/3 により計算して求めた。
以上の結果を第4表に示す。
(発明の効果) 以上の第4表を含む実施例からも明らかなように、本発
明に拠れば、成形品の充填率F3が従来のものに比較して
格段に大きく、このため乾燥強度が大きく、焼成収縮率
の小さな粉体成形品が得られる。
また、成形時、粘性が高い溶媒混合物に振動を与えるこ
とにより流動性を付与でき取扱いが容易になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るスリップ(成形中の原料粉体と溶
媒との混合物)の体積分率F1と粉体成形品の充填率F3と
の関係を示すグラフ、第2図は本発明に係る粉体成形品
の各製造段階における粉体と溶媒との混合物中における
粉体の体積分率を説明するための図面、第3図は本発明
に係るダイラント流動性及び従来技術に係る粘性流動性
を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料粉体と溶媒とを混合し、この混合物を
    多孔質型に鋳込み、多孔質型に溶媒を吸収させることに
    より、所望の形状に成形する粉体成形品の製造方法にお
    いて、成形中の前記混合物をダイラント流動性とするこ
    とを特徴とする粉体成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記成形中の混合物における粉体と溶媒と
    の混合比を調節してこの混合物をダイラント流動性とす
    る請求項1記載の粉体成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】原料粉体の粒度分布を調節して前記成形中
    の混合物をダイラント流動性とする請求項1記載の粉体
    成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】前記混合物に成形時に振動を与える請求項
    1ないし3のいずれか1項記載の粉体成形品の製造方
    法。
  5. 【請求項5】セラミック粉体と溶媒とを混合し、この混
    合物を多孔質型に鋳込み、多孔質型に溶媒を吸収させる
    ことにより、所望の形状に成形する粉体成形品の製造方
    法において、前記混合物中におけるセラミック粉体の混
    合比を体積分率で0.58〜0.75としたことを特徴とする粉
    体成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】前記混合物に成形時に振動を与える請求項
    5記載の粉体成形品の製造方法。
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