JPH07120442A - 超音波顕微鏡 - Google Patents

超音波顕微鏡

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Publication number
JPH07120442A
JPH07120442A JP5263684A JP26368493A JPH07120442A JP H07120442 A JPH07120442 A JP H07120442A JP 5263684 A JP5263684 A JP 5263684A JP 26368493 A JP26368493 A JP 26368493A JP H07120442 A JPH07120442 A JP H07120442A
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JP
Japan
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gate
circuit
delay pulse
wave
delay
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Application number
JP5263684A
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English (en)
Inventor
Sakae Takeda
栄 竹田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 目的とする反射波に対して確実にゲートを設
定することを可能にする。 【構成】 受信信号内の送信エコーおよび音響レンズ内
反射エコーを含むように設定された時間幅を有する遅延
パルスを発生する遅延パルス発生手段30と、遅延パル
スに応じて受信信号に対してゲートを設定するゲート手
段37と、遅延パルスの立ち下がり後において受信信号
が閾値を越えると判定信号を出力する判定手段26と、
遅延パルスのタイミングと判定信号が出力されるタイミ
ングとの相対的時間差に基づいて、次回の物性値測定に
おけるゲートが干渉波に追従するように遅延パルスの時
間幅を制御する制御手段27、33、34とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料の物性解析などに
用いられる超音波顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の超音波顕微鏡の一例の概
略構成を示す図であり、以下、本図により超音波顕微鏡
による試料の観察動作を説明する。。試料台10上に置
かれた試料6にカップラントと呼ばれる媒体(例えば
水)5を滴下し、超音波探触子(送受信型)4を接触さ
せる。送信器1からバースト状の電気信号をサーキュレ
ータ3を介して探触子4に印加する。探触子4は電気信
号を超音波信号に変換し、探触子4の端部に設けられた
レンズで集束してカップラント5を介して試料6に超音
波信号を入射する。試料6の表面層で反射・散乱する超
音波信号は同じレンズに入射して探触子4により電気信
号に変換された後、サーキュレータ3を介して受信器2
に送信される。受信器2に送信された電気信号は適当に
増幅され、ピーク検出器7に送信される。
【0003】この際、図8に示す試料表面からのレンズ
中心近傍の直接反射波14と弾性表面波15とが干渉し
て、図9に示すような両者の位相差により干渉波に大き
な振幅変化が起こる。この干渉波が電気信号に変換され
て、サーキュレータ3を介して受信器2に送信される。
【0004】この状態で、探触子4と試料6との間の距
離を、CPU9からの命令により制御器13から制御信
号(パルス)を送出することでZ軸移動装置11により
一定方向に変化させ、ピーク検出器7から得られるピー
ク値を測定すると、前述した直接反射波と弾性表面波と
の位相変化によりピーク値が変化する。そこで、このピ
ーク値をA/D変換器8を介してCPU9により取り込
み、これをディスプレイ12上に表示すると、図10に
示すような曲線が得られる。これをV(z)曲線と呼
び、縦軸はピーク値V、横軸は探触子4と試料6との間
の距離zである。なお、zの値は、探触子4のレンズの
焦点位置から試料6に向かう方向を負とし、通常は負の
値のみ測定する。このV(z)曲線は試料6の弾性表面
波の音速に依存する形状を有しており、従って、測定対
象たる試料6のV(z)曲線を求めることで試料6の弾
性表面波の音速を測定することができる。具体的には、
【数1】 により試料6の弾性表面波の音速Crが求められる。こ
こで、Cwはカップラント5の音速、fは超音波の周波
数、ΔzはV(z)曲線の周期(図10参照)である。
【0005】この際、干渉波(図9)を送信波や探触子
4のレンズ内反射波と区別するために、ピーク検出器7
は不図示のゲート設定手段を内蔵し、受信器2で増幅さ
れた受信信号にはこのゲート設定手段によりゲートが設
定され、干渉波のみが抽出されてそのピーク値が検出さ
れる。ただし、探触子4と試料6との間の距離により受
信信号中の干渉波の位置も変化するので、干渉波の位置
に応じてゲートを設定する位置を追従させる必要があ
る。
【0006】従来のゲート設定方法としては、探触子4
の移動量をポテンショメータ等により検出してこの移動
量に追従してゲート設定位置を移動させる方法(実公昭
61−4840号公報参照)や、探触子4の送り量ピッ
チに対応してゲート設定位置を追従、移動させる方法
(特開平4−286954号公報参照)などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のゲート設定方法では、試料表面から探触子まで
の距離や探触子の移動量といった情報を予め求めておく
か、あるいは既知として所定値を入力しておく必要があ
ったので、情報入力の精度によりゲート追従の精度が左
右されるとともに、情報計測時の環境と実際のV(z)曲
線測定時の環境とが異なる場合はその分が誤差となるお
それがあった。
【0008】例えば、上述の特開平4ー286954号
公報に開示された技術においては、最初に探触子4の焦
点位置が試料6の表面に合致した位置における干渉波の
時間軸上の位置を基準とし、探触子4のZ軸方向の送り
ピッチに対応した時間遅れをこの基準位置に対して与え
ることによってゲート設定位置を追従させている。この
ため、干渉波の時間軸上の位置の精度がそのままゲート
追従の精度となり、時間軸上の位置測定の誤差がゲート
追従に反映してしまうとともに、基準位置測定時と実際
のV(z)曲線測定時とにおいてカップラント5の温度が
変化して超音波の音速が変化してしまうとその分がゲー
ト追従の誤差になりうる。
【0009】そこで、受信信号に対して所定のスレッシ
ョルドレベル(閾値)を設定して干渉波の時間軸位置を
検出し、干渉波の時間軸位置に基づいてゲートを干渉波
に追従させることが考えられる。
【0010】一例として、図11(a)に示すように、受
信信号中には送信波T、レンズ内反射波Lおよび干渉波
Sが順に受信されるので、図11(b)に示すように送信
波Tおよびレンズ内反射波Lを含む時間幅を有する遅延
パルスを設定し、この遅延パルスの立ち下がりから受信
信号を監視して受信信号のレベルが閾値vT(図11
(a)参照)を越えた時点でゲートを開き、図11(c)に
示すように所定時間幅のゲートを設定することにより干
渉波Sのみを抽出することができる。この際、レンズ内
反射波Lと干渉波Sとの間に存在するノイズN(図12
(a)参照)によりゲートが誤動作することを防止するた
めに、遅延パルスの立ち下がり位置をなるべく干渉波S
に近づけることが好ましい。
【0011】しかしながら、V(z)曲線を測定するため
には探触子と試料との間の距離の順次変化させる必要が
あり、これに連れて干渉波Sの時間軸位置も変化するた
め、図11(d)に示すように干渉波Sが遅延パルス内に
含まれてしまうとゲートの設定が不可能または困難にな
ってしまうおそれがある。
【0012】一方、図12(b)に示すように遅延パルス
の時間幅を短くして干渉波Sが遅延パルスに含まれない
ようにした場合、図12(a)に示すように今度はレンズ
内反射波Lと干渉波Sとの間に存在するノイズNの存在
によりゲートが誤動作し、図12(c)に示すようにゲー
トが干渉波Sに確実に追従しないおそれがある。
【0013】本発明の目的は、目的とする反射波に対し
て確実にゲートを設定することの可能な超音波顕微鏡を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1に対
応付けて説明すると、本発明は、超音波振動子で発生し
た超音波を音響レンズを介して試料24に照射し、この
試料24の表面で直接反射して得られる直接反射波と試
料表面近傍に励起された表面波との干渉波を超音波探触
子24で受信して受信信号を得て、干渉波の位相変化に
より試料の物性値を測定する超音波顕微鏡に適用され
る。そして、上述の目的は、受信信号内の送信エコーお
よび音響レンズ内反射エコーを含むように設定された時
間幅を有する遅延パルスを発生する遅延パルス発生手段
30と、遅延パルスに応じて受信信号に対してゲートを
設定するゲート手段37と、遅延パルスの立ち下がり後
において受信信号が閾値を越えると判定信号を出力する
判定手段26と、遅延パルスのタイミングと判定信号が
出力されるタイミングとの相対的時間差に基づいて、次
回の物性値測定におけるゲートが干渉波に追従するよう
に遅延パルスの時間幅を制御する制御手段27、33、
34とを設けることにより達成される。
【0015】ここで、ゲート手段37は、遅延パルスの
立ち下がりから所定時間経過後にゲートを開くことが好
ましい。この場合、制御手段は、遅延パルスの立ち下が
りから充電を開始するコンデンサ33の充電量により判
定信号出力までの相対的時間差を計時する計時手段34
を備えていることが好ましい。あるいは、ゲート手段3
7は、遅延パルスの立ち下がりによりゲートを開くこと
が好ましい。
【0016】
【作用】判定手段26は、遅延パルス発生手段30によ
り発生された遅延パルスの立ち下がり後において受信信
号が閾値を越えると判定信号を出力し、制御手段27、
33、34は、遅延パルスのタイミングと判定信号が出
力されるタイミングとの相対的時間差に基づいて、次回
の物性値測定におけるゲートが試料24からの干渉波に
追従するように遅延パルスの時間幅を制御する。したが
って、一度遅延パルスの立ち下がりを干渉波に近付けて
設定しておけば、干渉波が移動しても遅延パルスの時間
幅がこれに応じて制御され、遅延パルスの立ち下がりを
常に干渉波に近付けた状態にすることができる。
【0017】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【実施例】
−第1実施例− 図1は、本発明による超音波顕微鏡の第1実施例を示す
図であり、その要部の回路構成を示すブロック図であ
る。図1において、20は発振回路であり、不図示のク
ロック回路からのトリガ信号によりバースト波状の高周
波電圧を発生する。発振回路20からの高周波電圧は方
向性結合器21を介して超音波探触子22に供給され
る。超音波探触子22は圧電素子(超音波振動子)およ
び音響レンズ(共に不図示)を備え、この圧電素子に高
周波電圧が供給されることにより超音波が発生し、音響
レンズおよび水などの超音波伝播媒質23を介して試料
24に超音波が照射される。試料24からの反射超音波
は、上述と逆の経路を辿って超音波探触子22の圧電素
子により電気信号により変換され、方向性結合器21を
介して受信回路25に入力される。
【0018】受信回路25は超音波探触子22の受信信
号を増幅し、これを比較回路26へ送出する。比較回路
26は、入力された受信信号と基準電圧vTとを比較
し、受信信号が基準電圧vTより大きい場合に判定信号
をマイクロコンピュータ27に送出する。
【0019】また、受信回路25からの受信信号はピー
ク検出回路28にも入力される。このピーク検出回路2
8は、後述のゲート回路37により設定されたゲート内
における受信信号のピーク値を検出し、出力する。ピー
ク検出回路28の出力は、従来の超音波顕微鏡と同様に
不図示のA/Dコンバータを介してマイクロコンピュー
タ27に出力され、V(z)曲線測定用のデータとなる。
【0020】30は遅延回路であり、不図示のクロック
回路からのトリガ信号により所定時間幅の遅延パルスを
発生する。遅延パルスの時間幅は可変であり、マイクロ
コンピュータ27からの指令値により制御される。遅延
パルスはスイッチ回路31に入力され、スイッチ回路3
1は遅延パルスの立ち下がりにより定電流回路32をオ
ンする。定電流回路32からの出力により一端が接地さ
れたコンデンサ33が充電され、その端子間電圧はA/
Dコンバータ34によりデジタル値に変換され、マイク
ロコンピュータ27に入力される。マイクロコンピュー
タ27は、比較回路26から判定信号が入力された時点
におけるA/Dコンバータ34の出力を読み取り、読み
取った値に応じて遅延パルス時間幅指令値を送出する。
この指令値はD/Aコンバータ35によりアナログ値に
変換されて遅延回路30に入力される。また、比較回路
26からの判定信号もスイッチ回路31に入力され、ス
イッチ回路31は判定信号の入力により定電流回路32
をオフする。
【0021】また、遅延回路30からの遅延パルスは遅
延回路36にも入力され、遅延回路36は遅延回路30
の遅延パルスの立ち下がりにより固定時間幅を有する遅
延パルスを発生する。遅延回路36からの遅延パルスは
ゲート回路37に入力され、ゲート回路37はこの遅延
パルスの立ち下がりにより固定時間幅のゲートを開く。
設定されたゲートはピーク検出回路28に入力される。
【0022】次に、図1〜図4を参照して、本実施例の
超音波顕微鏡の動作について説明する。不図示のクロッ
ク回路から図2(a)に示すようなトリガ信号が発振回路
20に入力されると発振回路20がバースト波状の高周
波電圧を発生し、この高周波電圧により超音波探触子2
2から超音波が発生して媒質23を介して試料24に照
射される。試料24からの反射超音波は超音波探触子2
2により電気信号に変換され、受信回路25により増幅
される。受信回路25から出力される受信信号は、たと
えば図2(b)に示すようなものであり、送信波T、レン
ズ内反射波Lおよび干渉波Sが時系列的に順次受信され
ている。
【0023】一方、図2(a)に示すトリガ信号により、
遅延回路30は図2(c)に示すような時間幅tdの遅延
パルスを発生する。上述のように遅延回路30から出力
される遅延パルスの時間幅は可変になっている。図2
(c)に示す時間幅tdは測定開始時の初期値であり、こ
の初期値tdは、送信波Tおよびレンズ内反射波Lが遅
延パルス内に含まれるように予め定められている。
【0024】遅延回路30からの遅延パルスの立ち下が
りによりスイッチ回路31は定電流回路32をオンし、
遅延パルスの立ち下がりからコンデンサ33の充電が開
始する。コンデンサ33の一端に定電流を供給すると、
コンデンサ33内に流れる電圧iとコンデンサ33の端
子間電圧Eは、図3および図4に示すように遅延パルス
の立ち下がりからの時間tに比例して増加する。したが
って、コンデンサ33の容量がわかっていれば端子間電
圧Eにより経過時間tが測定できる。コンデンサ33の
端子間電圧Eは、A/Dコンバータ34によりデジタル
値に変換されて逐次マイクロコンピュータ27に出力さ
れる。
【0025】受信回路25から出力される受信信号は比
較回路26により監視され、干渉波Sのレベルが閾値v
Tを越えた時点で比較回路26は判定信号を出力する。
マイクロコンピュータ27は、判定信号が入力されると
その時点におけるA/Dコンバータ34の出力値、つま
りコンデンサ33の端子間電圧値を読み取り、遅延回路
30の遅延パルスの立ち下がりから干渉波Sが閾値vT
を越えるまでの時間差tFIX(図2(c)参照)を読み取
る。そして、マイクロコンピュータ27は、この時間差
FIXが常に同一になるようにD/Aコンバータ35を
介して指令値を遅延回路30に送出する。ただし、図2
(b)〜(d)に示す状態では、遅延パルス立ち下がりから
干渉波Sが閾値vTを越えるまでの時間差がちょうどt
FIXになっており、マイクロコンピュータ27から指令
値は送出されない。
【0026】一方、遅延回路30の遅延パルスにより、
遅延回路36は固定時間幅tFIXの遅延パルス(図示
略)を発生する。そして、遅延回路36の遅延パルスの
立ち下がりによりゲート回路37は図2(d)に示すよう
な固定時間幅のゲートを開き、これをピーク検出回路2
8に送出する。ピーク検出回路28は、ゲート回路37
により設定されたゲート内に存在する受信信号、つまり
干渉波Sのみを抽出し、そのピーク値を検出する。以降
は、従来例と同様に不図示のA/Dコンバータによりピ
ーク値をデジタル値に変換し、探触子22と試料24と
の間の距離とともにマイクロコンピュータ27の不図示
の記憶素子内に格納する。
【0027】次に、探触子22と試料24との間の距離
が狭まって、干渉波Sの時間軸位置が図2(a)に示す位
置から図2(e)に示す位置まで移動した場合、図2(d)
のゲートでは干渉波Sを抽出することはできない。そこ
で、マイクロコンピュータ27は、図2(c)に示す遅延
パルスの立ち下がりから比較回路26の判定信号出力ま
での時間差t1を検出し、干渉波Sが移動した分(tFIX
−t1)だけ遅延パルスの立ち下がりを早くする、つま
り遅延パルスの時間幅を(tFIX−t1)だけ短くする指
令値を遅延回路30に送出する。指令値としては、遅延
パルスの時間幅を短くする量(つまりtFIX−t1)その
ものであればよい。
【0028】遅延回路30は、マイクロコンピュータ2
7からの指令値に基づいて、図2(f)に示すように時間
幅を(tFIX−t1)だけ短くした、つまり時間幅をtd
−(tFIX−t1)にした遅延パルスを発生する。そし
て、遅延回路36は、図2(f)に示す遅延パルスの立ち
下がりから固定時間幅tFIXの遅延パルスを発生するの
で、ゲート回路37は図2(g)に示すような干渉波Sの
時間軸位置に対応したゲートを設定することができる。
この後、探触子22と試料24との間の距離をそのまま
にして再度発振回路20によりバースト波状の高周波電
圧を探触子22に印加すれば、ゲート回路37で設定さ
れたゲートにより干渉波Sのみを抽出することができ
る。このようにして、干渉波Sが移動してもこれに追従
してゲートを設定することができる。
【0029】したがって、本実施例によれば、受信信号
に閾値を設けて干渉波を検出し、この干渉波に追従して
ゲートを設定しているので、事前に試料表面から探触子
までの距離といった情報を入力する必要もなく、しか
も、媒質の温度変化といった環境変化によって干渉波の
位置が変動してもこれに追従することが可能であるの
で、干渉波に確実にゲートを設定することが可能にな
る。
【0030】しかも、干渉波の時間軸位置に応じて遅延
パルスの立ち下がり位置を変更しているので、遅延パル
スの立ち下がりを常に干渉波近傍に持ってくることが可
能となり、ノイズ等による誤動作を防いでこの面からも
干渉波に確実にゲートを設定することが可能になる。
【0031】−第2実施例− 図5は、本発明による超音波顕微鏡の第2実施例を示す
図である。この図において、不図示のクロック回路から
供給されるトリガ信号により送信回路40がバースト波
状の高周波電圧を発生し、方向性結合器41を介して高
周波電圧が超音波探触子に供給されることにより超音波
が発生して媒質43を介して試料44に照射される。試
料44からの反射超音波は超音波探触子42により電気
信号に変換されて受信回路45に入力される。
【0032】受信回路45からの受信信号は比較回路4
6に入力され、比較回路46は受信信号のレベルが閾値
Tを越えた時点で判定信号を後述する時間計測回路5
1に送出する。また、受信回路45からの受信信号はピ
ーク検出回路47にも入力され、後述するゲート回路に
より設定されたゲート内に存在する受信信号のピーク値
を検出、出力する。
【0033】一方、クロック回路からのトリガ信号は遅
延回路50にも入力され、この遅延回路50は所定時間
幅を有する遅延パルスを発生する。この遅延パルスの時
間幅も可変であり、後述する遅進判定回路52からの指
令値により制御される。遅延パルスは時間計測回路51
に入力され、時間計測回路51は、遅延回路50の遅延
パルスの立ち下がりから計時を開始し、比較回路46か
らの判定信号入力により計時を停止してその結果を遅進
判定回路52に入力する。遅進判定回路52は時間計測
回路51の出力に応じて遅延パルス時間幅指令値を送出
する。また、遅延回路50からの遅延パルスはゲート回
路53にも入力され、ゲート回路53はこの遅延パルス
の立ち下がりにより固定時間幅のゲートを開く。設定さ
れたゲートはピーク検出回路に入力される。
【0034】次に、図5および図6を参照して、本実施
例の超音波顕微鏡の動作について説明する。不図示のク
ロック回路から図6(a)に示すようなトリガ信号が発振
回路40に入力されると発振回路40がバースト波状の
高周波電圧を発生し、この高周波電圧により超音波探触
子42から超音波が発生して媒質43を介して試料44
に照射される。試料44からの反射超音波は超音波探触
子42により電気信号に変換され、受信回路45により
増幅される。受信回路45から出力される受信信号は、
たとえば図6(b)に示すようなものであり、送信波T、
レンズ内反射波Lおよび干渉波Sが時系列的に順次受信
されている。
【0035】一方、図6(a)に示すトリガ信号により、
遅延回路50は図6(c)に示すような時間幅tdの遅延
パルスを発生する。上述のように遅延回路50から出力
される遅延パルスの時間幅は可変になっている。図6
(c)に示す時間幅tdは測定開始時の初期値であり、こ
の初期値tdは、送信波Tおよびレンズ内反射波Lが遅
延パルス内に含まれるように予め定められている。そし
て、遅延回路50からの遅延パルスの立ち下がりにより
時間計測回路51は計時を開始する。
【0036】受信回路45から出力される受信信号は比
較回路46により監視され、干渉波Sのレベルが閾値v
Tを越えた時点で比較回路46は判定信号を出力する。
時間計測回路51は、比較回路46からの判定信号が入
力されると計時を停止し、遅延回路50の遅延パルス立
ち下がりから干渉波Sが閾値vTを越えるまでの時間差
s(図6(d)参照)を出力する。そして、遅進判定回
路52は、この時間差tsが常に同一になるように指令
値を遅延回路50に送出する。ただし、図6(b)〜(d)
に示す状態では、遅延パルス立ち下がりから干渉波Sが
閾値vTを越えるまでの時間差がちょうどtsになってお
り、遅進判定回路52から指令値は送出されない。
【0037】一方、遅延回路50の遅延パルスの立ち下
がりによりゲート回路53は図6(d)に示すような固定
時間幅のゲートを開き、これをピーク検出回路47に送
出する。ピーク検出回路47は、ゲート回路53により
設定されたゲート内に存在する受信信号、つまり干渉波
Sのみを抽出し、そのピーク値を検出する。以降は、従
来例と同様に不図示のA/Dコンバータによりピーク値
をデジタル値に変換し、探触子42と試料44との間の
距離とともに不図示の記憶素子内に格納する。
【0038】次に、探触子42と試料44との間の距離
が狭まって、干渉波Sの時間軸位置が図6(a)に示す位
置から図6(e)に示す位置まで移動した場合、図6(f)
のゲートを干渉波Sに追従する必要が生じる。そこで、
時間計測回路51は、図6(c)に示す遅延パルスの立ち
下がりから比較回路46の判定信号出力までの時間差t
s1を計時し、遅進判定回路52は、干渉波Sが移動した
分(ts−ts1)だけ遅延パルスの立ち下がりを早くす
る、つまり、遅延パルスの時間幅を(ts−ts1)だけ
短くする指令値を遅延回路50に送出する。指令値とし
ては、遅延パルスの時間幅を短くする量(つまりts
s1)そのものであればよい。
【0039】遅延回路50は、遅進判定回路52からの
指令値に基づいて、図6(g)に示すように時間幅を(t
s−ts1)だけ短くした、つまり時間幅をtd−(ts
s1)にした遅延パルスを発生する。そして、ゲート回
路53は、図6(h)に示す遅延パルスの立ち下がりによ
りゲートを開くので、このゲート回路53により図6
(h)に示すような干渉波Sの時間軸位置に対応したゲー
トを設定することができる。この後、探触子42と試料
44との間の距離をそのままにして再度発振回路40に
よりバースト波状の高周波電圧を探触子42に印加すれ
ば、ゲート回路53で設定されたゲートにより干渉波S
のみを抽出することができる。このようにして、干渉波
Sが移動してもこれに追従してゲートを設定することが
できる。なお、図6(e)と逆方向に干渉波Sがずれた場
合は、遅進判定回路52から出力される指令値は(ts1
−ts)になる。
【0040】したがって、本実施例によっても、上述の
第1実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】以上説明した実施例と請求の範囲との対応
において、遅延回路30、50は遅延パルス発生手段
を、ゲート回路37、53はゲート手段を、比較回路2
6、46は判定手段を、コンデンサ33、A/Dコンバ
ータ34およびマイクロコンピュータ27、および時間
計測回路51および遅進判定回路52はそれぞれ一体と
なって制御手段を、A/Dコンバータ34は計時手段を
それぞれ構成している。なお、本発明の超音波顕微鏡
は、その細部が上述の各実施例に限定されず、種々の変
形例が可能である。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、受信信号に閾値を設けて干渉波を検出し、この干
渉波に追従して次回の物性値測定におけるゲートを設定
しているので、事前に試料表面から探触子までの距離と
いった情報を入力する必要もなく、しかも、媒質の温度
変化といった環境変化によって干渉波の位置が変動して
もこれに追従することが可能であるので、干渉波に確実
にゲートを設定することが可能になる。しかも、干渉波
のタイミングと遅延パルスのタイミングとの相対的時間
差に応じて遅延パルスの時間幅を制御しているので、遅
延パルスの立ち下がりを常に干渉波近傍に持ってくるこ
とが可能となり、ノイズ等による誤動作を防いでこの面
からも干渉波に確実にゲートを設定することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である超音波顕微鏡の要部
の回路構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の動作を説明するための波形図であ
る。
【図3】第1実施例のコンデンサに流れる電流と時間と
の関係を示す図である。
【図4】第1実施例のコンデンサの端子間電圧と時間と
の関係を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例である超音波顕微鏡の要部
の回路構成を示すブロック図である。
【図6】第2実施例の動作を説明するための波形図であ
る。
【図7】従来の超音波顕微鏡の一例を示すブロック図で
ある。
【図8】超音波顕微鏡における反射波と表面波との関係
を示す図である。
【図9】反射波と表面波との干渉状態を説明するための
図である。
【図10】V(z)曲線を示す図である。
【図11】従来の超音波顕微鏡の動作を説明するための
波形図である。
【図12】図11と同様の図である。
【符号の説明】
22、42 超音波探触子 24、44 試料 26、46 比較回路 27 マイクロコンピュータ 28、47 ピーク検出回路 30、36、50 遅延回路 33 コンデンサ 37、53 ゲート回路 51 時間計測回路 52 遅進判定回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波振動子で発生した音響レンズを介
    して超音波を試料に照射し、この試料の表面で直接反射
    して得られる直接反射波と前記試料表面近傍に励起され
    た表面波との干渉波を前記超音波振動子で受信して受信
    信号を得て、干渉波の位相変化により前記試料の物性値
    を測定する超音波顕微鏡において、 前記受信信号内の送信エコーおよび音響レンズ内反射エ
    コーを含むように設定された時間幅を有する遅延パルス
    を発生する遅延パルス発生手段と、 前記遅延パルスに応じて前記受信信号に対してゲートを
    設定するゲート手段と、 前記遅延パルスの立ち下がり後において前記受信信号が
    閾値を越えると判定信号を出力する判定手段と、 前記遅延パルスのタイミングと前記判定信号が出力され
    るタイミングとの相対的時間差に基づいて、次回の前記
    物性値測定における前記ゲートが前記干渉波に追従する
    ように前記遅延パルスの時間幅を制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とする超音波顕微鏡。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波顕微鏡におい
    て、 前記ゲート手段は、前記遅延パルスの立ち下がりから所
    定時間経過後に前記ゲートを開くことを特徴とする超音
    波顕微鏡。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の超音波顕微鏡におい
    て、 前記制御手段は、前記遅延パルスの立ち下がりから充電
    を開始するコンデンサの充電量により前記判定信号出力
    までの相対的時間差を計時する計時手段を備えているこ
    とを特徴とする超音波顕微鏡。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の超音波顕微鏡におい
    て、 前記ゲート手段は、前記遅延パルスの立ち下がりにより
    前記ゲートを開くことを特徴とする超音波顕微鏡。
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