JPH07120406A - 電縫管溶接部の検査方法 - Google Patents

電縫管溶接部の検査方法

Info

Publication number
JPH07120406A
JPH07120406A JP28603893A JP28603893A JPH07120406A JP H07120406 A JPH07120406 A JP H07120406A JP 28603893 A JP28603893 A JP 28603893A JP 28603893 A JP28603893 A JP 28603893A JP H07120406 A JPH07120406 A JP H07120406A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal flow
image
electric resistance
welded portion
angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP28603893A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2865125B2 (ja
Inventor
Minoru Maeda
稔 前田
Zenzo Yamaguchi
善三 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP28603893A priority Critical patent/JP2865125B2/ja
Publication of JPH07120406A publication Critical patent/JPH07120406A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2865125B2 publication Critical patent/JP2865125B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電縫管の溶接部について溶接品質を正確に検
査することができる電縫管溶接部の検査方法を提供す
る。 【構成】 電縫管の溶接部断面についての画像を、ま
ず、対象物領域のエッジを強調した微分画像に変換した
後、二値画像に変換する。この二値画像に基づいて、対
象物領域を細線化し雑音等を除去してメタルフロー領域
の中心線を抽出し、この中心線の主軸が所定方向となす
角度を算出することによりメタルフロー角度を計測す
る。また、二値画像に基づいて、ハフ変換を用いて所定
の傾き角度を有し対象物を表す画素を所定数以上通る直
線の集合を抽出し、この直線の集合の幅を算出すること
により溶融層幅を計測する。そして、メタルフロー角度
と溶融層幅の計測値に基づき、溶接部の溶接品質を検査
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば自動車の排気
用パイプ等に使用される電縫管についてその溶接部の溶
接品質を検査する電縫管溶接部の検査方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電縫管は、たとえば自動車の排気用パイ
プ等に使用されるものであり、管状に成形された帯鋼板
のシーム端を加熱し、加圧溶接することによって製造さ
れる。従来、この電縫管の溶接部について溶接品質を検
査するには、まず、電縫管を切断し試験片を採取した
後、その試験片の溶接部断面を研磨する。そして、試験
片の溶接部断面をエッチングすることにより、メタルフ
ローや溶融層を浮き彫りにする。次に、この試験片の溶
接部断面の拡大画像に基づいて、作業者がメタルフロー
角度と溶融層幅を計測し、メタルフロー角度の計測値と
溶融層幅の計測値が所定の基準範囲に含まれるか否かを
調べることにより、電縫管の溶接部の溶接品質を検査し
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の電縫管溶接部の検査方法では、作業者がメタルフ
ロー角度と溶融層幅の計測を行っていたため、作業者に
よって計測値がばらつき、誤差が生じるので、電縫管の
溶接部について溶接品質を正確に検査することができな
いという問題があった。
【0004】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、電縫管の溶接部について溶接品質を正確に検査
することができる電縫管溶接部の検査方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1記載の発明に係る電縫管溶接部の検査方法
は、電縫管の溶接部の画像に対して二値化処理を行い、
メタルフロー領域を細線化して前記メタルフロー領域の
中心線を抽出し、前記中心線の主軸が所定方向となす角
度を算出してメタルフロー角度を計測することにより、
前記溶接部の溶接品質を検査することを特徴とするもの
である。
【0006】上記の目的を達成するための請求項2記載
の発明に係る電縫管溶接部の検査方法は、電縫管の溶接
部の画像に対して二値化処理を行い、対象物を表す画素
を所定数以上通り所定の傾き角度を有する直線の集合を
抽出し、前記直線の集合の幅を算出して溶融層幅を計測
することにより、前記溶接部の溶接品質を検査すること
を特徴とするものである。
【0007】上記の目的を達成するための請求項3記載
の発明に係る電縫管溶接部の検査方法は、電縫管の溶接
部の画像に対して二値化処理を行い、メタルフロー領域
を細線化して前記メタルフロー領域の中心線を抽出し、
前記中心線の主軸が所定方向となす角度を算出してメタ
ルフロー角度を計測すると共に、対象物を表す画素を所
定数以上通り所定の傾き角度を有する直線の集合を抽出
し、前記直線の集合の幅を算出して溶融層幅を計測する
ことにより、前記溶接部の溶接品質を検査することを特
徴とするものである。
【0008】請求項4記載の発明に係る電縫管溶接部の
検査方法は、請求項2又は3記載の発明において、前記
直線の集合をハフ変換を用いて抽出することを特徴とす
るものである。
【0009】請求項5記載の発明に係る電縫管溶接部の
検査方法は、請求項2、3又は4記載の発明において、
前記画像情報が、前記電縫管の溶接部の外側、中央、内
側についてのものであることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明は前記の構成によって、電
縫管の溶接部の画像に対して二値化処理を行い、メタル
フロー領域を細線化してメタルフロー領域の中心線を抽
出し、その中心線の主軸が所定方向となす角度を算出す
ることにより、メタルフロー角度を自動的に計測するこ
とができ、しかも、従来のように作業者が計測する場合
に比べて、メタルフロー角度の計測精度が向上する。こ
のため、かかるメタルフロー角度の計測値に基づき、溶
接部の溶接品質を正確に検査することができる。
【0011】請求項2記載の発明は前記の構成によっ
て、電縫管の溶接部の画像に対して二値化処理を行い、
対象物を表す画素を所定数以上通り所定の傾き角度を有
する直線の集合を抽出し、その直線の集合の幅を算出す
ることにより、溶融層幅を自動的に計測することがで
き、しかも、従来のように作業者が計測する場合に比べ
て、溶融層幅の計測精度が向上する。このため、かかる
溶融層幅の計測値に基づき、溶接部の溶接品質を正確に
検査することができる。
【0012】請求項3記載の発明は前記の構成によっ
て、電縫管の溶接部の画像に対して二値化処理を行い、
メタルフロー領域を細線化してメタルフロー領域の中心
線を抽出し、その中心線の主軸が所定方向となす角度を
算出すると共に、対象物を表す画素を所定数以上通り所
定の傾き角度を有する直線の集合を抽出し、その直線の
集合の幅を算出することにより、メタルフロー角度と溶
融層幅を自動的に計測することができ、しかも、従来の
ように作業者が計測する場合に比べて、メタルフロー角
度と溶融層幅の計測精度が向上する。このため、かかる
メタルフロー角度の計測値と溶融層幅の計測値とに基づ
き、溶接部の溶接品質を正確に検査することができる。
【0013】請求項4記載の発明は前記の構成によっ
て、ハフ変換を用いることにより、画像中に雑音が多く
含まれている場合でも、前記直線を正確に抽出すること
ができる。
【0014】請求項5記載の発明は前記の構成によっ
て、画像情報として、電縫管の溶接部の外側、中央、内
側についてのものを用いることにより、複雑な形状を持
つ溶融層幅を厳密に計測することができる。
【0015】
【実施例】以下に本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1は本発明の一実施例である電縫管溶
接部の検査方法のフローチャート、図2はその電縫管溶
接部の検査方法において使用する検査装置の概略構成
図、図3は電縫管の溶接部の内部組織を説明するための
図、図4は本発明の一実施例である電縫管溶接部の検査
方法における検査項目を説明するための図である。
【0016】図2に示す検査装置は、電縫管Aの溶接部
の内部組織を解析して溶接品質を検査するものであり、
撮像手段としてのCCDカメラ10と、画像処理装置2
0と、表示装置40とを備える。電縫管Aは、管状に成
形された帯鋼板のシーム端を加熱し、加圧溶接すること
によって製造され、たとえば自動車の排気用パイプ等に
使用される。
【0017】CCDカメラ10は、この電縫管Aの溶接
部断面について内部組織を撮像するものである。ここ
で、電縫管Aの溶接部は厚さが2.5〜7.5inchであ
り、顕微鏡システムを用いて、溶接部断面の外側、中
央、内側の三箇所について拡大して撮像している。CC
Dカメラ10は、撮像レンズにより撮像素子上に電縫管
Aの溶接部断面の上記各箇所についての光学像を二次元
の画像として結像させ、撮像素子上で光電変換を行なっ
て光学像に対応した電荷を一次元の電気信号として出力
する。撮像素子から得られた一次元の電気信号は、画像
信号として画像処理装置20に出力される。
【0018】画像処理装置20は、CCDカメラ10か
らの画像信号を処理するものであり、図2に示すよう
に、画像処理部22と、第一計測部24と、第二計測部
26と、記憶部28と、判定部32とを備えるものであ
る。画像処理部22は、CCDカメラ10から出力され
た原画像を微分フィルターにかけて、微分画像に変換し
た後、微分画像を二値化して二値画像に変換する。この
二値画像は、第一計測部24及び第二計測部26に出力
される。
【0019】ところで、電縫管Aの溶接部の内部組織を
解析するには、図3に示すメタルフロー角度θや溶融層
幅ΔLを測定することが一般的に行われている。メタル
フローは、溶接の際に応力及び熱の影響によって合金の
組織が変化することにより生じるものであり、電縫管A
の溶接部断面の外側と内側に存在する。また、溶融層
は、溶接の際に溶融した合金の層であり、電縫管Aの溶
接部断面の中央ではほぼ一定の幅を有するが、外側や内
側の表面に近づくにつれて幅が大きくなるという性質が
ある。このため、本実施例では、メタルフロー角度θの
計測を、電縫管Aの溶接部断面の外側と内側の画像情報
に基づいて行い、溶融層幅ΔLの計測を、電縫管Aの溶
接部断面の外側、中央及び内側の画像情報に基づいて行
うことにする。
【0020】第一計測部24は、画像処理部22で二値
化された画像情報に基づいて、メタルフロー領域を細線
化して中心線を抽出し、その中心線の主軸が所定方向と
なす角度を算出することによりメタルフロー角度θを計
測するものである。第二計測部26は、画像処理部22
で二値化された画像情報に基づいて、溶融層を特定する
ために「1」の値を持つ画素を所定数(たとえば、約1
00画素)以上通り所定の傾き角度を有する直線の集合
を抽出し、その直線の集合の幅を算出することにより溶
融層幅ΔLを計測するものである。特に、本実施例で
は、この直線の集合を、後に詳述するハフ変換(Hough
transform )の手法を用いて抽出している。第一計測部
24で計測されたメタルフロー角度θと、第二計測部2
6で計測された溶融層幅ΔLは、判定部32に出力され
る。
【0021】記憶部28は、メタルフロー角度と溶融層
幅についての所定の基準範囲を記憶するものである。メ
タルフロー角度と溶融層幅の基準範囲は電縫管に用いら
れる合金の種類によって異なるが、たとえば、本実施例
で使用する電縫管Aについては、図4に示すように、メ
タルフロー角度の基準範囲は45〜70°であり、ま
た、溶融層幅ΔLの基準範囲は0.02〜0.20mm
である。判定部32は、第一計測部24から出力された
メタルフロー角度θと第二計測部26から出力された溶
融層幅ΔLが、記憶部28に記憶された基準範囲に含ま
れるか否かを調べることにより、電縫管Aの溶接部につ
いて溶接品質の良・不良の判定を行うものである。
【0022】表示装置40は、第一計測部24から出力
されたメタルフロー角度θ及び第二計測部26から出力
された溶融層幅ΔLと、判定部32から出力された溶接
品質についての判定結果とを表示するものである。
【0023】次に、本実施例の電縫管溶接部の検査方法
について図1、図5乃至図8を参照して説明する。図5
は試験片の処理についてのフローチャート、図6は本実
施例の電縫管溶接部の検査方法においてメタルフロー角
度を計測する手順を画像を用いて説明するための図、図
7はその電縫管溶接部の検査方法において溶融層幅を計
測する手順を画像を用いて説明するための図、図8は溶
融層幅を計測する際に用いるハフ変換を説明するための
図である。尚、図6及び図7に示す画像は、溶接部断面
の外側についてのものである。
【0024】最初に、検査用の試験片を図5に示すフロ
ーチャートにしたがって処理する。まず、電縫管を切断
し試験片を採取した後(step 2)、その試験片の溶接部
断面を研磨する(step 4)。そして、試験片の溶接部断
面をエッチングすることにより(step 6)、溶接部の内
部組織、すなわちメタルフローや溶融層を浮き彫りにす
る。実際には、かかる処理が施された溶接部断面でも、
内部組織を肉眼で識別することは容易ではない。その
後、この試験片を検査装置の検査台に載置する(step
8)。尚、本実施例で用いる試験片の厚さは6inchであ
る。
【0025】次に、試験片の内部組織を図1に示すフロ
ーチャートにしたがって解析する。まず、CCDカメラ
10で試験片の内部組織を、溶接部断面の外側、中央、
内側の三箇所について拡大して撮像する。CCDカメラ
10で得られた画像信号が、画像処理装置20の画像処
理部22に送られると(step12)、画像処理部22で
は、図6(a)又は図7(a)に示すような原画像を微
分フィルターにかけて(step14)、その画像中の対象物
(メタルフロー、溶融層)領域のエッジを強調した微分
画像に変換する。この微分画像の例を図6(b)又は図
7(b)に示す。そして、微分画像を二値化し(step1
6)、二値画像から対象物を切り出す。ここで、「1」
の値を持つ画素が対象物を、「0」の値を持つ画素が背
景を表し、図6及び図7では、白の部分が対象物領域
を、黒の部分が背景領域を表す。このようにして得られ
た二値画像は第一計測部24及び第二計測部26に出力
される。
【0026】第一計測部24では、まず、画像処理部2
2から出力された二値画像に基づいて、二値画像中の対
象物領域の幅を細め、その対象物領域の中心線を抽出す
る細線化処理を行う(step18)。細線化処理を施した画
像の例を図6(c)に示す。細線化処理が施された画像
には、微分処理の際に対象物と同時に強調された雑音
(noise )も含まれているため、この雑音を除去し、ま
た、中心線の外接長方形を求め、その外接長方形の大き
さに基づいてメタルフローを表す中心線だけを残した画
像を抽出する(step22)。かかる処理を施した画像の例
を図6(d)に示す。次に、各中心線について慣性モー
メントを算出して、慣性の主軸を求める(step24)。こ
の主軸とx座標軸方向(図6の画像における水平方向)
とのなす角度を計測することにより、各中心線について
のメタルフロー角度θを得る。また、このとき、各中心
線についての重心の位置も算出している。判定部32で
メタルフロー角度θを判定する際、この重心位置に基づ
いて、そのメタルフローが電縫管の溶接部断面の左外
側、右外側、左内側又は右内側のいずれに位置するもの
かを識別することができる。かかるメタルフロー角度θ
と重心位置の計測値は判定部32に出力される。
【0027】判定部32では、第一計測部24で計測さ
れたメタルフロー角度θが、記憶部28に記憶された前
述の所定の基準範囲に含まれるかどうかを調べ、前記基
準範囲に含まれる場合に、溶接が良好に行われたと判定
し、また、前記基準範囲に含まれない場合に、溶接が不
良であると判定する(step26)。そして、かかる判定結
果は表示装置40に表示される。
【0028】一方、第二計測部26では、まず、画像処
理部22から出力された二値画像に基づいて、各x座標
の値に対して「1」の値を持つ画素の数を集計した射影
ヒストグラムを求める(step28)。そして、この射影ヒ
ストグラムから、その画素数のピーク値に基づき、溶融
層を特定するしきい値を選定する。また、「1」の値を
持つ画素が集中しているx座標の範囲を調べることによ
り、溶融層が存在する大体の領域を知ることができる。
【0029】次に、ハフ変換を利用して溶融層幅を計測
する。ここで、ハフ変換について説明する。ハフ変換と
は、雑音等の多い画像から直線要素を抽出する画像処理
手法である。図8(a)に示すように、x−y座標系に
おいて原点から直線Lに下ろした垂線とx座標軸とのな
す角φ、垂線の長さρが与えられたとき、直線Lの方程
式は、 x cosφ+y sinφ=ρ ・・・・(1) と表される。いま、(1)式において、x,yを固定
し、φ,ρをパラメータとみなして、(φ,ρ)の軌跡
をφ−ρ空間に描くと、図8(b)に示すような正弦曲
線となる。この曲線はx−y座標系における点(x,
y)を通る直線群に対応し、その曲線上の一点はx−y
座標系における点(x,y)を通る一つの直線に対応す
る。また、点(x1 ,y1 )を通る直線群に対応するφ
−ρ空間の曲線と、点(x2 ,y2 )を通る直線群に対
応するφ−ρ空間の曲線とは一点で交わり、その交点
は、x−y座標系における二点(x1 ,y1 )、
(x2 ,y2 )を通る直線に対応する。
【0030】このハフ変換の原理に基づいて、以下の手
順で溶融層を表す直線の集合を抽出する(step32)。ま
ず、二値画像における「1」の値を持つすべての画素を
取り出す。これらの画素のx−y座標を(xi ,yi
(i=1,2,・・・ ,n)とすると、これらの各点に対
し、その点を通る直線群に対応するφ−ρ空間の曲線は xi cos φ+yi sin φ=ρ (i=1,2,・・・ ,n) ・・・・(2) と表せる。次に、(2)式のn個の曲線をφ−ρ空間に
描き、これらの曲線の各交点に対して、その交点を通過
した曲線の数を求める。そして、これらの交点の中か
ら、前記曲線の数が射影ヒストグラムを用いて選定した
しきい値以上である交点(φj ,ρj )(j=1,2,
・・・ ,m)を取り出し、これらm個の各交点に対応する
x−y座標系における直線の集合 x cosφj +y sinφj =ρj (j=1,2,・・・ ,m) ・・・・(3) を抽出する。ここで、溶融層は電縫管をほぼ垂直に縦断
するという性質を有するので、たとえば−2°≦φ≦2
°の範囲にある交点だけを考慮することにより、メタル
フローを表す直線を除き、溶融層を表す直線だけを抽出
することができる。
【0031】次に、所定のy座標の値に対して、(3)
式の各直線の方程式を満たすx座標の値の中から最大値
max と最小値xmin を求める。図7(c)は、原画像
上に二つの直線x=xmax 、x=xmin を描いたもので
ある。この二つの直線の幅が溶融層幅となる。x座標の
最大値xmax から最小値xmin を引いた値、すなわち、
二つの直線の幅の画素数を算出し、この画素数に分解能
を乗じて溶融層幅ΔLを得る(step34)。たとえば、二
つの直線の幅が23画素あり、分解能が1mm/205
画素=0.00488mm/画素である場合には、溶融
層幅ΔLは、23[画素]×0.00488[mm/画
素]=0.112[mm]となる。このようにして得ら
れた溶融層幅ΔLは判定部32に出力される。
【0032】尚、溶融層は溶接部断面の中央ではほとん
ど一定の幅を有するので、溶接部断面の中央の画像情報
に基づいて溶融層幅を計測する場合には、上記ハフ変換
の手法を用いなくとも、射影ヒストグラムから知ること
ができる溶融層が存在する領域をそのまま溶融層領域で
あるとみなして、直接、溶融層幅を求めることが可能で
ある。
【0033】判定部32では、第二計測部26で計測さ
れた溶融層幅ΔLが、記憶部28に記憶された所定の基
準範囲に含まれるかどうかを調べ、前記基準範囲に含ま
れる場合に、溶接が良好に行われたと判定し、また、前
記基準範囲に含まれない場合に、溶接が不良であると判
定する(step26)。そして、かかる判定結果は表示装置
40に表示される。
【0034】本実施例の電縫管溶接部の検査方法では、
電縫管の溶接部についての二値化された画像情報に基づ
いて、メタルフロー領域を細線化して中心線を抽出し、
その中心線の主軸がx座標軸方向となす角度を算出する
ことにより、メタルフロー角度を自動的に計測すること
ができ、しかも、従来のように作業者が計測する場合に
比べて、メタルフロー角度の計測精度が向上する。ま
た、電縫管の溶接部についての二値化された画像情報に
基づいて、ハフ変換を用いて対象物を表す画素を所定数
以上通り所定の傾き角度を有する直線の集合を抽出し、
その直線の集合の幅を算出することにより、溶融層幅を
自動的に計測することができ、溶融層幅の計測精度も向
上する。したがって、これらメタルフロー角度や溶融層
幅の計測値が所定の基準範囲に含まれるか否かを調べる
ことにより、電縫管の溶接部の溶接品質を正確に検査す
ることができる。
【0035】また、ハフ変換を用いることにより、画像
中に雑音が多く含まれている場合でも、直線を正確に抽
出することができる。更に、画像情報として、電縫管の
溶接部断面の外側、中央、内側についてのものを用いる
ことにより、複雑な形状を持つ溶融層の幅を厳密に計測
することができる。
【0036】尚、本発明は、上記の実施例に限定される
ものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が
可能である。たとえば、上記の実施例では、ハフ変換を
用いて溶融層を表す直線の集合を抽出する際、二値画像
における「1」の値を持つすべての画素について、その
x−y座標に対応する曲線をφ−ρ空間に描く場合につ
いて説明したが、たとえば、射影ヒストグラムから知る
ことができる溶融層が存在する領域に含まれる画素につ
いてのみ、そのx−y座標に対応する曲線をφ−ρ空間
に描くようにしてもよい。また、ハフ変換以外の手法を
用いて直線の集合を抽出してもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、電縫管の溶接部の画像に対して二値化処理を
行い、メタルフロー領域を細線化してメタルフロー領域
の中心線を抽出し、その中心線の主軸が所定方向となす
角度を算出することにより、メタルフロー角度を自動的
に計測することができ、しかも、従来のように作業者が
計測する場合に比べて、メタルフロー角度の計測精度が
向上するので、かかるメタルフロー角度の計測値に基づ
き、溶接部の溶接品質を正確に検査することができる電
縫管溶接部の検査方法を提供することができる。
【0038】請求項2記載の発明によれば、電縫管の溶
接部の画像に対して二値化処理を行い、対象物を表す画
素を所定数以上通り所定の傾き角度を有する直線の集合
を抽出し、その直線の集合の幅を算出することにより、
溶融層幅を自動的に計測することができ、しかも、従来
のように作業者が計測する場合に比べて、溶融層幅の計
測精度が向上するので、かかる溶融層幅の計測値に基づ
き、溶接部の溶接品質を正確に検査することができる電
縫管溶接部の検査方法を提供することができる。
【0039】請求項3記載の発明によれば、メタルフロ
ー角度と溶融層幅を自動的に計測することができ、しか
も、従来のように作業者が計測する場合に比べて、メタ
ルフロー角度と溶融層幅の計測精度が向上するので、か
かるメタルフロー角度の計測値と溶融層幅の計測値に基
づき、溶接部の溶接品質を正確に検査することができる
電縫管溶接部の検査方法を提供することができる。
【0040】請求項4記載の発明によれば、ハフ変換を
用いることより、画像中に雑音が多く含まれている場合
でも、直線を正確に抽出することができる電縫管溶接部
の検査方法を提供することができる。
【0041】請求項5記載の発明によれば、画像情報と
して、電縫管の溶接部の外側、中央、内側についてのも
のを用いることにより、複雑な形状を持つ溶融層の幅を
正確に計測することができる電縫管溶接部の検査方法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電縫管溶接部の検査方
法を説明するための図である。
【図2】その電縫管溶接部の検査方法において使用する
検査装置の概略構成図である。
【図3】電縫管の溶接部の内部組織を説明するための図
である。
【図4】本発明の一実施例である電縫管溶接部の検査方
法における検査項目を説明するための図である。
【図5】試験片の処理手順を説明するための図である。
【図6】本実施例の電縫管溶接部の検査方法においてメ
タルフロー角度を計測する手順を画像を用いて説明する
ための図である。
【図7】その電縫管溶接部の検査方法において溶融層幅
を計測する手順を画像を用いて説明するための図であ
る。
【図8】溶融層幅を計測する際に用いるハフ変換を説明
するための図である。
【符号の説明】
10 CCDカメラ 20 画像処理装置 22 画像処理部 24 第一計測部 26 第二計測部 28 記憶部 32 判定部 40 表示装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電縫管の溶接部の画像に対して二値化処
    理を行い、メタルフロー領域を細線化して前記メタルフ
    ロー領域の中心線を抽出し、前記中心線の主軸が所定方
    向となす角度を算出してメタルフロー角度を計測するこ
    とにより、前記溶接部の溶接品質を検査することを特徴
    とする電縫管溶接部の検査方法。
  2. 【請求項2】 電縫管の溶接部の画像に対して二値化処
    理を行い、対象物を表す画素を所定数以上通り所定の傾
    き角度を有する直線の集合を抽出し、前記直線の集合の
    幅を算出して溶融層幅を計測することにより、前記溶接
    部の溶接品質を検査することを特徴とする電縫管溶接部
    の検査方法。
  3. 【請求項3】 電縫管の溶接部の画像に対して二値化処
    理を行い、メタルフロー領域を細線化して前記メタルフ
    ロー領域の中心線を抽出し、前記中心線の主軸が所定方
    向となす角度を算出してメタルフロー角度を計測すると
    共に、対象物を表す画素を所定数以上通り所定の傾き角
    度を有する直線の集合を抽出し、前記直線の集合の幅を
    算出して溶融層幅を計測することにより、前記溶接部の
    溶接品質を検査することを特徴とする電縫管溶接部の検
    査方法。
  4. 【請求項4】 前記直線の集合をハフ変換を用いて抽出
    することを特徴とする請求項2又は3記載の電縫管溶接
    部の検査方法。
  5. 【請求項5】 前記画像情報は、前記電縫管の溶接部の
    外側、中央、内側についてのものであることを特徴とす
    る請求項2、3又は4記載の電縫管溶接部の検査方法。
JP28603893A 1993-10-20 1993-10-20 電縫管溶接部の検査方法及び電縫管溶接部の検査装置 Expired - Lifetime JP2865125B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28603893A JP2865125B2 (ja) 1993-10-20 1993-10-20 電縫管溶接部の検査方法及び電縫管溶接部の検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28603893A JP2865125B2 (ja) 1993-10-20 1993-10-20 電縫管溶接部の検査方法及び電縫管溶接部の検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07120406A true JPH07120406A (ja) 1995-05-12
JP2865125B2 JP2865125B2 (ja) 1999-03-08

Family

ID=17699173

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28603893A Expired - Lifetime JP2865125B2 (ja) 1993-10-20 1993-10-20 電縫管溶接部の検査方法及び電縫管溶接部の検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2865125B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009057830A1 (ja) * 2007-11-02 2009-05-07 Nippon Steel Corporation 溶接状態監視装置及び方法
JP2013208637A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Nisshin Steel Co Ltd 電縫鋼管のシールボックス溶接方法
CN115371567A (zh) * 2022-09-22 2022-11-22 江特科技股份有限公司 用于pe燃气热熔管件的质量检测装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009057830A1 (ja) * 2007-11-02 2009-05-07 Nippon Steel Corporation 溶接状態監視装置及び方法
CN101909802A (zh) * 2007-11-02 2010-12-08 新日本制铁株式会社 焊接状态监视装置和方法
JP2011000642A (ja) * 2007-11-02 2011-01-06 Nippon Steel Corp 溶接状態監視装置及び方法
US8406504B2 (en) 2007-11-02 2013-03-26 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation System and method for monitoring of welding state
JP2013208637A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Nisshin Steel Co Ltd 電縫鋼管のシールボックス溶接方法
CN115371567A (zh) * 2022-09-22 2022-11-22 江特科技股份有限公司 用于pe燃气热熔管件的质量检测装置
CN115371567B (zh) * 2022-09-22 2023-03-21 江特科技股份有限公司 用于pe燃气热熔管件的质量检测装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2865125B2 (ja) 1999-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1500904B1 (en) Method of and device for measuring bead cutting shape of electric welded tube
KR102056076B1 (ko) 용접비드 비전 검사 장치 및 용접 불량 검사방법
KR102235832B1 (ko) 포터블형 용접 결함 검사장치 및 검사방법
WO2021251064A1 (ja) 情報処理装置、判定方法、および情報処理プログラム
KR101026720B1 (ko) 고속 레이저 비전 센서 시스템, 이를 이용한 고속 이미지프로세싱 방법 및 용접부 외관 검사방법
CN115836218A (zh) 检查装置、检查方法、以及检查程序
JP4893788B2 (ja) 熱交換器のチューブ抽出検査方法及び装置
Yan et al. Surface defect detection of aluminum alloy welds with 3D depth image and 2D gray image
CN115601359A (zh) 一种焊缝检测方法及装置
JP2013213733A (ja) 検査対象物の検査装置およびその検査方法
JP2865125B2 (ja) 電縫管溶接部の検査方法及び電縫管溶接部の検査装置
JP2572286B2 (ja) 3次元形状寸法計測装置
JP2861649B2 (ja) 鋼板の溶接部検査方法
JPS639813A (ja) 車間距離検出方式
JPH1058170A (ja) レーザ溶接の品質判定方法およびその装置
JPH1038543A (ja) 形状検査方法
JPH09101113A (ja) 開先位置,形状の計測方法およびその装置
JPH1123479A (ja) 鋼管の溶接部表面疵検査方法
JP2955618B2 (ja) Uo鋼管の溶接部表面疵検査方法
JP2768053B2 (ja) 電縫鋼管のシーム部位置検出装置
JP2000121411A (ja) 水位計測方法、および、水位計測設備
JPH08190633A (ja) 欠陥判別方法
JPH0554107A (ja) 外観検査による溶接状態判定方法
JPH0740049A (ja) Uo鋼管の溶接部検出方法及び装置
JP2563865B2 (ja) 画像認識装置及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19981118