JPH07120386A - 光の吸収を利用した濃度測定方法 - Google Patents

光の吸収を利用した濃度測定方法

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JPH07120386A
JPH07120386A JP29012793A JP29012793A JPH07120386A JP H07120386 A JPH07120386 A JP H07120386A JP 29012793 A JP29012793 A JP 29012793A JP 29012793 A JP29012793 A JP 29012793A JP H07120386 A JPH07120386 A JP H07120386A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 予め多数の標準試料により検量線を作成して
おく必要がなく、しかも各種の変動要因を一括して補正
することにより簡易に、しかも正確な測定値を求める。 【構成】 既知の濃度C1、C2及びC3を有する3種の
試料を通過する光の透過率TC1、TC2及びTC3をそれぞ
れ測定し、C2/C1=(((1−TC2)/(1−TC
1))K3b)×K4+((1−TC2)/(1−TC1)))
×K5、C3/C1=(((1−TC3)/(1−TC1))
K3b)×K4+((1−TC3)/(1−TC1)))×K
5、K4+K5=1より補正係数K3b、K4、K5を算出す
る。次に、未知の濃度CMを有する測定試料を通過する
光の透過率TMを測定し、その濃度CMをCM=
((((1−TM)/(1−TC1))K3b)×K4+
((1−TM)/(1−TC1))×K5)×C1により算
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス又は液体試料中の
特定物質の濃度により光の吸収度が変化することを利用
して、試料中の光の吸収度(又は透過度)を測定するこ
とにより特定物質の濃度を測定する濃度測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光の吸収を利用する濃度測定装置は、通
常、測定試料の吸収度(又は透過度)のみで濃度の決定
を行なう絶対測定ではなく、濃度既知の標準試料の透過
度との比較により濃度の決定を行なう相対測定が用いら
れる。この方法では原理的に測定試料と標準試料の2つ
の試料の透過度を測定する必要があるが、両測定間で、
光源の強さ、光学フィルタの吸光度、検出器・増幅器の
感度、試料セルの汚染、試料の温度、圧力等の種々の要
因が異なる可能性があり、これにより、ゼロドリフトや
スパンドリフト等が生じて測定精度を低下させる。
【0003】物質を通過する間の光の吸収については、
次のLambert-Beerの法則が知られている。図5に示すよ
うに、濃度Cの物質を含んだ試料中を、初期光量I0の
光が長さLだけ通過した後の透過光量Iは、 I=I0・exp(−K・C・L) …(10) となる。ここで、Kは測定対象である試料中の物質に固
有の吸光係数である。
【0004】この法則は単色光を用いた場合には実際と
よく合うが、工業用又は移動用の自動分析装置では非分
散型である光学フィルタ等で単色光特性を持たせている
に過ぎないため、一般に入射光量I0と透過光量Iの関
係はLambert-Beerの法則に従わない。また、装置全体を
小型化するために入射光を完全に平行光とせず、試料セ
ルの内壁で光を乱反射させて実効セル長さLが長くなる
ようにすることが多い。この場合、セル長さLが一定と
はならないため上記Lambert-Beerの法則を単純に当ては
めることができず、濃度Cと透過光量Iとの関係は複雑
なものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため従来より、測
定範囲内の数点(例えば、フルスケールの0%,20
%,40%,60%,80%,100%などの点)の濃
度を有する標準試料を準備し、これらの試料の光透過率
を実際に測定することにより予め実際の濃度の値と透過
率の値との関係を表わす検量線を作成しておく検量線法
が用いられている。しかし、一般にこれらの実測点は必
ずしも一直線上に乗らず、校正目盛作成や折線近似等を
行なう直線化装置が必要であった。また、装置各部の経
年変化により実際にはこの検量線特性が変化するため、
1〜6カ月毎に校正を繰り返す必要があった(JIS
K0055「ガス分析装置校正方法通則」、JIS K
0115「吸光光度分析方法通則」、JIS K015
1「赤外線ガス分析計」等を参照)。
【0006】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、予め多
数の標準試料により検量線を作成しておく必要がなく、
しかも各種の変動要因を一括して補正することにより簡
易に、しかも正確な測定値を求めることのできる濃度測
定装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明では、試料を通過する光の吸収率又は
透過率を測定することにより試料中に含まれる特定の成
分の濃度を測定する濃度測定方法において、次の手順を
備えることを特徴とするものである。 a)既知の濃度C1及びC2を有する2種の試料を通過す
る光の透過率TC1及びTC2をそれぞれ測定する。 b)下記の3つの式(1),(2),(3)より補正係
数K3を算出する。 LC1=log((TC1−K3)/(1−K3)) …(1) LC2=log((TC2−K3)/(1−K3)) …(2) LC1/LC2=C1/C2 …(3) c)未知の濃度CMを有する測定試料を通過する光の透
過率TMを測定する。 d)下記式(4)又は式(5)により未知濃度CMを算
出する。 CM=((log((TM−K3)/(1−K3)))/LC1)×C1 …(4) CM=((log((TM−K3)/(1−K3)))/LC2)×C2 …(5) また、上記a)〜d)の手順に代えて、次のab)〜d
b)の手順でCMを決定するようにしてもよい。 ab)既知の濃度C1、C2及びC3を有する3種の試料を
通過する光の透過率TC1、TC2及びTC3をそれぞれ測定
する。 bb)下記の3つの式(1b),(2b),(3b)より補
正係数K3b、K4、K5を算出する。 C2/C1=(((1−TC2)/(1−TC1))K3b)×K4 +((1−TC2)/(1−TC1)))×K5 …(1b) C3/C1=(((1−TC3)/(1−TC1))K3b)×K4 +((1−TC3)/(1−TC1)))×K5 …(2b) K4+K5=1 …(3b) cb)未知の濃度CMを有する測定試料を通過する光の透
過率TMを測定する。 db)下記式(4b)により未知濃度CMを算出する。 CM=((((1−TM)/(1−TC1))K3b)×K4 +((1−TM)/(1−TC1))×K5)×C1 …(4b)
【0008】なお上記において、各試料の光の透過率T
A=TC1,TC2,TC3,TMを、次のような手順で求める
ことが望ましい。 eb)測定光が入射しないときの検出器の出力D0、及
び、測定光が測定対象成分を含まないゼロ試料を通過し
て入射したときの検出器の出力D100を測定する。 fb)D0及びD100より次の補正係数K1を算出する。 K1=1/(D100−D0) …(6) gb)測定光が測定対象成分を含む試料を通過して入射
したときの検出器の出力DAより、その試料の光の透過
率TAを TA=(DA−D0)×K1 …(8b) で算出する。
【0009】
【作用】前記Lambert-Beerの式(10)を変形すると、
透過度T=I/I0は T=I/I0=exp(−K・C・L) …(11) となり、C・Lが大きくなると(すなわち、濃度Cが大
きくなり、又は、セル長Lが長くなると)、本来、図6
(a)に示すようにTは0(ゼロ)に近づくはずであ
る。
【0010】しかし、前記種々の要因により、図6
(b)に示すように、Tは0ではなく、0でない或る値
K3に近づく。そこでこのような場合、測定試料の透過
度TMから濃度CMを算出する際にTMの値をそのまま用
いるのではなく、図6(b)に示すように、 (TM−K3)/(1−K3) と、K3の分を補正した値を用いるのである。すなわ
ち、透過度TMが測定されたとき、未知の濃度CMをLamb
ert-Beerの式そのままに log(IM/I0)=log(TM)=−K・CM・L …(12) と算出するのではなく、補正値K3を入れた式 log((TM−K3)/(1−K3))=−K・CM・L …(13) により算出する。
【0011】また、図7に示す透過率の比と濃度の比の
関係を式(13b)で定義して、係数K3b、K4及びK5
を算出設定し、透過率TMを測定して未知濃度CMを算出
する。 CM/C1=(((1−TM)/(1−TC1))K3b)×K4 +((1−TM)/(1−TC1))×K5 …(13b)
【0012】補正値K3は、2種の既知の濃度C1、C2
を有する試料についてそれぞれ透過度TC1、TC2を測定
し、上記式に代入して log((TC1−K3)/(1−K3))=LC1 …(14) log((TC2−K3)/(1−K3))=LC2 …(15) LC1/LC2=(−K・C1・L)/(−K・C2・L)=C1/C2 …(16) として得られる3つの式(14)〜(16)から連立方
程式を解くことにより求められる。式(14)〜(1
6)は上記式(1)〜(3)そのものであり、式(1
4)〜(16)のC1又はC2にCMを代入することによ
り、式(4)又は(5)が導出される。式(1)〜
(3)による連立方程式は解析的に解くことは難しい
が、コンピュータを用いて数値的に計算することによ
り、K3は容易に求めることができる。
【0013】また、補正値K3b、K4及びK5は、3種の
既知の濃度C1、C2及びC3を有する試料についてそれ
ぞれ透過率TC1、TC2及びTC3を測定し、それらを上記
(13b)式のCMに代入して C2/C1=(((1−TC2)/(1−TC1))K3b)×K4 +((1−TC2)/(1−TC1))×K5 …(14b) C3/C1=(((1−TC3)/(1−TC1))K3b)×K4 +((1−TC3)/(1−TC1))×K5 …(15b) C1/C1=1=K4+K5 …(16b) として得られる3つの式(14b)、(15b)、(1
6b)から成る3元連立方程式を解くことにより求めら
れる。式(14b)、(15b)、(16b)は上記式
(1b)、(2b)、(3b)そのものであり、式(1
4b)、(15b)、(16b)のC2又はC3にCMを
代入することにより式(4b)が導出される。
【0014】式(1b)、(2b)、(3b)による連
立方程式は解析的に解くことは難しいが、上記同様、コ
ンピュータを用いて数値的に計算することにより、K3
b、K4及びK5の値は容易に求めることができる。例え
ば、最初にK4=1とし(このとき、式(3b)よりK5
=0)、K3bの候補値を1から徐々に増大させつつ(1
b)式の右辺にK4及びK3bを代入して計算を繰り返
す。式(1b)の右辺の値とC2/C1との差が所定の微
小値よりも小さくなった時点で式(1b)の計算をや
め、その時のK3bの値を次に式(2b)に代入し、今度
はK4の値を1から徐々に減少させつつ式(2b)の右
辺の計算を繰り返す。同様に、式(2b)の右辺の値と
C3/C1との差が所定の微小値(上記微小値と異なって
いてもよい)よりも小さくなった時点で式(2b)の計
算をやめ、その時のK4、K5(=1−K4)の値を再び
式(1b)の右辺に代入して、K3bの値を変化させつつ
計算を繰り返す。こうして、式(1b)と式(2b)の
双方において左右辺の値の差が所定の範囲内に入るまで
上記計算を繰り返すことにより、K3b、K4及びK5の
値を数値的に求めることができる。
【0015】適用する装置が同じ型式で、測定対象も同
様である場合、一度これらの補正係数K3b、K4及びK
5の値を求めておけば、以後は、K3bの値は固定したま
ま、2種の既知濃度の試料を用いてK4及びK5のみを修
正するだけで、実用的には十分である。また、K4及び
K5を固定してK3bのみを修正する方法でも同様の結果
が得られる。
【0016】なお、上述の各種要因により、検出器出力
にはゼロドリフトやスパンドリフト(変動)が生じるた
め、上記式(1)〜(5)に用いる各試料の光透過率T
A=TC1,TC2,TMも、これらのドリフトを補正した値
を用いることが望ましい。補正係数K1はスパンドリフ
ト及びゼロドリフトを補正するものである。
【0017】
【実施例】本発明の一実施例である濃度測定装置を図1
〜図3により説明する。図1に示すように、直流光源1
1からの光はシャッタ12により遮断/通過制御され
る。ここにおけるシャッタ断続の速さ(繰り返し周波
数)は用途により異なるが、通常1〜3,600cpm(0.017
〜60Hz)の範囲である。なお、光源11に同期パルス点
灯の光源を使用する場合にはシャッタ12は不要であ
る。シャッタ12を通過した光は試料セル14を通過す
る。試料流体切換器15及び16により、試料セル14
にはゼロ濃度流体(ゼロ試料)と測定試料流体又は標準
試料流体が交互に切り換えて流される。自動分析濃度測
定の場合は、この切り換えの周期をシャッタ12の断続
周期の2倍以上(繰り返し周波数では1/2以下)とす
る。用途により異なるが、流体切換の周波数は0.1〜1,2
00cpm(0.0017〜20Hz)の範囲が一般的である。また、
比較的安定な装置の場合は、ゼロ試料の流入を1日1回
等と、その間隔を延長することもできる。
【0018】試料セル14内で試料を通過した光は光学
フィルタ(FIL)17により干渉成分が除去され、検出
器18で測光される。検出器18から出力される透過光
量の検出値は増幅器(AMP)19により増幅され、A/
D変換器20を介して制御部21に入力される。
【0019】図2に示すように、制御部21はCPU3
1、ROM32、RAM33及び各種I/Oインタフェ
イス34を備えたマイクロコンピュータで構成されてお
り、CPU31はROM32内に格納されたプログラム
に従って本濃度測定装置の各部の動作を制御する。制御
部21は検出器18から入力する透過光量のデータを基
に後述の演算を行なって測定試料の濃度値を算出し、デ
ジタル表示器(DISP)22に表示させる。また、操作者
からの各種指示はキーボード(KB)23より制御部21
に入力される。
【0020】本実施例の濃度測定装置では初めに、ゼロ
濃度試料と2種の既知の濃度を有する標準試料を用いて
校正動作を行なう。この校正動作を図3のタイミングチ
ャートを参照しつつ説明する。 (A1)シャッタ12を閉じて試料セル14にゼロ試料
を導入し、所定時間が経過した時点t1の検出器18の
出力(透過光0%の検出信号)をD0としてRAM33
に記憶する。なお、この所定時間とは、検出器18の出
力が安定するのを待つための時間である。 (A2)次にシャッタ12を開き、同様に所定時間経過
した時点t2で検出器18の出力(透過光100%の検
出信号)をD100としてRAM33に記憶する。 (A3)必要であれば、上記(A1)、(A2)を繰り
返し、D0及びD100の各平均値をRAM33に記憶す
る。 (A4)0%透過及び100%透過の検出器18からの
信号D0及びD100を、それぞれ正しい透過度の値0及び
100に換算するため、次のように補正係数K1の算出
を行なう。 K1=1/(D100−D0) …(21) こうして算出した補正係数K1はRAM33に記憶して
おく。 (A5)シャッタを閉じ、なるべくフルスケールに近い
既知の濃度C1を有する標準試料を試料セル14内に導
入する。試料セル14が標準試料で満たされたタイミン
グでシャッタを開き、所定時間後に検出器18の出力を
DC1としてRAM33に記憶する(時点t3)。これに
ついても必要に応じて繰り返し測定を行ない、出力DC1
の平均値を用いるようにしてもよい。 (A6)検出器18の出力DC1より、RAM33から読
み出した上記補正係数K1を用いて、濃度C1の標準試料
の透過度TC1を次のように算出する。 TC1=(DC1−D0)×K1 …(23) (A7)別の既知の濃度C2を有する標準試料を試料セ
ル14内に導入し、検出器18の出力DC2から同様に透
過度TC2を次のように算出する。 TC2=(DC2−D0)×K1 …(24) (A8)次に、以下の式(25)〜(27)より、係数
K3を求める。 LC1=log((TC1−K3)/(1−K3)) …(25) LC2=log((TC2−K3)/(1−K3)) …(26) LC1/LC2=C1/C2 …(27) 式(25)〜(27)から係数K3を求めるのには、コ
ンピュータによる数値計算を用いる。例えば、K3に0
から徐々に増加する候補値を代入し、式(25)及び
(26)から算出されるLC1及びLC2の比LC1/LC2が
C1/C2の値に近づくまで計算を繰り返すことにより求
めることができる。(A8b)また、以下の式(25
b)より、係数K4及びK5を固定しておいてK3bを求め
る。 C2/C1=(((1−TC2)/(1−TC1))K3b)×K4 +((1−TC2)/(1−TC1))×K5 …(25b) 或いは、以下の式(25b)、(26b)より、係数K
3bを固定しておいてK4及びK5を求める。 C2/C1=(((1−TC2)/(1−TC1))K3b)×K4 +((1−TC2)/(1−TC1))×K5 …(25b) K4+K5=1 …(26b) 式(25b)、(26b)から係数K3b又はK4、K5を
求めるには、コンピュータによる数値計算を用いる。例
えば、K3bに1から徐々に増大する候補値を代入し、又
はK4に1から徐々に減少する候補値を代入して、C2/
C1の値に近づくまで計算を繰り返すことにより、求め
ることができる。以上のようにして求めた係数K3、K3
b、K4及びK5もRAM33に記憶しておく。これで、
校正動作が終了する。
【0021】次に、濃度が未知の試料(測定試料)の濃
度を測定する手順を説明する。 (B1)シャッタ12を閉じ、試料セル14にゼロ試料
を導入する。所定時間後、検出器18の出力を透過光0
%の検出信号D0としてRAM33に記憶する(時点t
1)。 (B2)試料セル14内のゼロ試料はそのままとして、
シャッタ12を開き、同様に所定時間後に検出器18に
よる透過光100%の検出信号D100をRAM33に記
憶する(時点t2)。 (B3)上記校正時の(A4)の場合と同様、0%透過
及び100%透過の検出信号D0及びD100をそれぞれ正
しい透過度の値0及び100に換算するため、次のよう
に補正係数の算出を行なう。 K1=1/(D100−D0) …(21) 補正係数K1はRAM33に記憶しておく。 (B4)シャッタ12を閉じ、測定試料を試料セル14
に導入する。所定時間後シャッタ12を開き、更に所定
時間後、検出器18による測定試料の透過光検出信号D
MをRAM33に記憶する(時点t3)。 (B5)検出信号DM及び係数K1より、測定試料の透過
度TMを次のように算出する。 TM=(DM−D0)×K1 …(28) (B6)校正時に求めた補正係数K3をRAM33から
読み出し、測定試料の濃度Mを次のように算出する(時
点t4)。 LM=log((TM−K3)/(1−K3)) …(29) M=(LM/LC1)×C1 …(30) (B6b)或いは、校正時に求めた係数K3b、K4及びK
5をRAM33から読み出し、測定試料の濃度Mを次の
ように算出する(時点t4)。 M=((((1−TM)/(1−TC1))K3b)×K4 +((1−TM)/(1−TC1))×K5)×C1 …(29b) (B7)このようにして算出した測定試料の濃度の値M
を、デジタル表示器22に表示する。
【0022】上記校正及び測定動作において、試料セル
14に順次ゼロ試料、標準試料又は測定試料を導入する
ことは制御部21が試料流体切換器15及び16を制御
することにより行なわれ、シャッタ12の開閉は制御部
21がシャッタ駆動モータ(M)13を制御することに
より行なわれる。従って、制御部21に予め測定動作の
繰り返しを指示しておくことにより、試料の自動連続測
定を行なうことができる。
【0023】自動連続測定ではなく、手動で測定を行な
う場合には、図4に示すような手順で行なう。まず、試
料セル14に試料を導入しない待機状態において、シャ
ッタ12が閉じた後、所定時間が経過して検出器18の
出力が安定した時点t11で検出器18の出力D0をRA
M33に記憶する。次に、操作者のキー操作等によりゼ
ロ流体を試料セル14に導入し、シャッタ12が開いた
後所定時間経過した時点t12でD100を測定する。次
に、試料セル14に測定試料(又は標準試料)を導入
し、所定時間経過した後の時点t13で検出器18の出力
DM(又はDC)をRAM33に記憶する。そして、RA
M33に記憶されたこれらの測定値D0,D100,DM,
DCより、上記の場合と同様に測定試料の濃度Mを算出
し(時点t14)、デジタル表示器22に濃度値を表示す
る。その後はD0とDMを交互に検出し、逐次濃度演算を
行なって表示器22にその値を表示する。なお、最終値
を読みとる直前にゼロ流体によるD100の検出を行な
い、補正を行なうことにより、測定精度を高めることが
できる。なお、このような精度を必要としない場合に
は、予備テストの段階でK3の値を算出し、キー入力に
より予め設定しておくこともできる。
【0024】制御部21により算出される各試料の濃度
測定値の出力データは、上記のようにデジタル表示器2
2に出力するばかりでなく、D/A変換することにより
記録計等にアナログ信号を出力することもできる。この
場合、出力データの大きさに応じて制御部21から出力
する段階で予めレンジ切換を行なっておくことにより、
記録計等の方でハードウェア的に操作を行なうことな
く、常に高分解能のアナログ値を出力することができる
ようになる。
【0025】なお、図1に示すように、試料セル14の
出口に温度検出器25を設け、また、気圧計又は試料セ
ル内の圧力を測定する圧力計を設け、次のように温度及
び圧力を補償した高精度な濃度測定を行なうようにする
こともできる。すなわち、測定試料の濃度Mを算出する
式(30)を次のように変更する。 M={(LM/LC1)×C1} ×{(273+ThM)/(273+ThC1)} ×{(PC1/PM)×K6} …(30b) 又は、式(29b)の場合、 M=((((1−TM)/(1−TC1))K3b)×K4 +((1−TM)/(1−TC1))×K5)×C1 ×((273+ThM)/(273+ThC1)) ×(PC1/PM)×K6 …(30c) ここで、ThC1:濃度C1の標準試料の測定時の温度 PC1 :濃度C1の標準試料の測定時の気圧又は試料圧力 ThM :測定試料の測定時の温度 PM :測定試料の測定時の気圧又は試料圧力 K6 :気圧補償の場合は1とする。試料セル14内の
圧力を大幅に加圧又は減圧する場合は、それに応じた値
とする。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る濃度測定装置では、予め多
数の標準試料により検量線を作成しておく必要がなく、
しかも各種の変動要因を一括して補正することにより簡
易に、しかも正確な測定値を求めることができる。
【0027】なお、本発明に係る濃度測定装置は、上記
実施例で例示したものに限らず、次のような各種形式の
ものにも応用することができる。 A.透過吸収波長の異なる複数のフィルタを備えた検出
器を用いたり、それ自身で波長特性を持つ検出器を複数
用いたりすることにより、複数の成分を同時に測定する
ことのできる多成分濃度計。 B.上記のように多成分計とし、測定試料の波長に対し
て干渉を及ぼす成分について補正演算処理を行なうこと
により、測定試料の測定値を正確に算出するようにした
濃度計。 C.得られた測定値を予め設定した警報臨界値と比較
し、臨界値を超える場合に濃度警報信号を発するように
した警報付濃度計。この警報臨界値は、上限、下限、範
囲等任意に設定することができ、また、成分毎に設定す
ることもできる。さらに、警報を発するばかりではな
く、濃度値に応じて合否判定を行なったり、多成分計の
場合には、各成分の合計値が所定値以下のときにリーク
警報を発信させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である濃度測定装置の構成
を示すブロック図。
【図2】 実施例の濃度測定装置の制御部の構成を示す
ブロック図。
【図3】 実施例の濃度測定装置で自動連続濃度測定を
行なう場合のタイミングチャート。
【図4】 実施例の濃度測定装置で手動で濃度測定を行
なう場合のタイミングチャート。
【図5】 Lambert-Beerの法則の説明図。
【図6】 Lambert-Beerの法則に従う場合の透過率の変
化のグラフ(a)と、実際の透過率の変化のグラフ
(b)。
【図7】 透過率の比と濃度の比との関係を示すグラ
フ。
【符号の説明】
11…光源 12…シャッタ 13…シャッタ駆動用モータ(M) 14…試料セル 15、16…試料流体切換器 17…光学フィ
ルタ(FIL) 18…透過光検出器 19…増幅器
(AMP) 20…A/D変換器 21…制御部 22…デジタル表示器(DISP) 23…キーボー
ド(KB) 25…温度圧力補償検出器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を通過する光の吸収率又は透過率を
    測定することにより試料中に含まれる特定の成分の濃度
    を測定する濃度測定方法において、次の手順を備えるこ
    とを特徴とする濃度測定方法。 ab)既知の濃度C1、C2及びC3を有する3種の試料を
    通過する光の透過率TC1、TC2及びTC3をそれぞれ測定
    する。 bb)下記の3つの式(1b),(2b),(3b)より補
    正係数K3b、K4、K5を算出する。 C2/C1=(((1−TC2)/(1−TC1))K3b)×K4 +((1−TC2)/(1−TC1)))×K5 …(1b) C3/C1=(((1−TC3)/(1−TC1))K3b)×K4 +((1−TC3)/(1−TC1)))×K5 …(2b) K4+K5=1 …(3b) cb)未知の濃度CMを有する測定試料を通過する光の透
    過率TMを測定する。 db)下記式(4b)により未知濃度CMを算出する。 CM=((((1−TM)/(1−TC1))K3b)×K4 +((1−TM)/(1−TC1))×K5)×C1 …(4b)
  2. 【請求項2】 各試料の光の透過率TA=TC1,TC2,
    TC3,TMを、次のような手順で求める請求項1記載の
    濃度測定方法。 eb)測定光が入射しないときの検出器の出力D0、及
    び、測定光が測定対象成分を含まないゼロ試料を通過し
    て入射したときの検出器の出力D100を測定する。 fb)D0及びD100より次の補正係数K1を算出する。 K1=1/(D100−D0) …(6) gb)測定光が測定対象成分を含む試料を通過して入射
    したときの検出器の出力DAより、その試料の光の透過
    率TAを TA=(DA−D0)×K1 …(8b) で算出する。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013234991A (ja) * 2012-04-12 2013-11-21 Horiba Ltd 製造処理プロセスで用いられる濃度測定装置

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