JPH07119838A - シリンダヘッドガスケット - Google Patents
シリンダヘッドガスケットInfo
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- JPH07119838A JPH07119838A JP29140893A JP29140893A JPH07119838A JP H07119838 A JPH07119838 A JP H07119838A JP 29140893 A JP29140893 A JP 29140893A JP 29140893 A JP29140893 A JP 29140893A JP H07119838 A JPH07119838 A JP H07119838A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属板積層型シリンダヘッドガスケットにお
いて燃焼室用孔周縁の折返し部位のガスケットの厚さと
その他部位におけるガスケットの厚さとの差を微調整で
きるようにすると共に、高耐熱性かつ高価なシール材層
は燃焼室用孔周辺のみに施すようにする。 【構成】 副板7と表面板5、6とを積層して成り、副
板7は心板8を介挿させて折返した折返し部9を燃焼室
用孔2の周縁に備え、折返し部の外表面に高耐熱性のシ
ール材層11を被覆する。表面板はその燃焼室用孔周り
の端縁12が副板の折返し部9に重ならないように欠裁
し、表面にシール材層11より安価な耐熱性のシール材
層15を施す。折返し部9の厚さはその他部位のガスケ
ットの厚さよりも厚く選ばれている。
いて燃焼室用孔周縁の折返し部位のガスケットの厚さと
その他部位におけるガスケットの厚さとの差を微調整で
きるようにすると共に、高耐熱性かつ高価なシール材層
は燃焼室用孔周辺のみに施すようにする。 【構成】 副板7と表面板5、6とを積層して成り、副
板7は心板8を介挿させて折返した折返し部9を燃焼室
用孔2の周縁に備え、折返し部の外表面に高耐熱性のシ
ール材層11を被覆する。表面板はその燃焼室用孔周り
の端縁12が副板の折返し部9に重ならないように欠裁
し、表面にシール材層11より安価な耐熱性のシール材
層15を施す。折返し部9の厚さはその他部位のガスケ
ットの厚さよりも厚く選ばれている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンのシリンダブロ
ック及びシリンダヘッドの接合面間に装着し、シールす
る、金属板より成るシリンダヘッドガスケットに関する
ものである。
ック及びシリンダヘッドの接合面間に装着し、シールす
る、金属板より成るシリンダヘッドガスケットに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】金属板を積層して形成した従来のシリン
ダヘッドガスケットの一例の断面図を図7に示してい
る。該ガスケットは共に金属板より成る表面板101及
び102と副板103とを積層して形成され、副板10
3には燃焼室用孔104の周縁に折返し部106を設
け、表面板101及び102には上記折返し部よりも外
側の位置において燃焼室用孔104を囲むようにかつ副
板103側に向かって凸に形成した凸状ビード107を
形成するとともに、冷却水通路孔、オイル通路孔等の液
体通路孔105の周りにこれを囲むようにかつ副板に向
かって凸に形成した凸状ビード108を備えている。ま
た、表面板101及び102はその両面にふっ素ゴム等
の耐熱性の高いシール材の被覆層109を備えている。
ダヘッドガスケットの一例の断面図を図7に示してい
る。該ガスケットは共に金属板より成る表面板101及
び102と副板103とを積層して形成され、副板10
3には燃焼室用孔104の周縁に折返し部106を設
け、表面板101及び102には上記折返し部よりも外
側の位置において燃焼室用孔104を囲むようにかつ副
板103側に向かって凸に形成した凸状ビード107を
形成するとともに、冷却水通路孔、オイル通路孔等の液
体通路孔105の周りにこれを囲むようにかつ副板に向
かって凸に形成した凸状ビード108を備えている。ま
た、表面板101及び102はその両面にふっ素ゴム等
の耐熱性の高いシール材の被覆層109を備えている。
【0003】上記ガスケットにおいては、ガスケットを
締付けたときに、燃焼室用孔の周縁に形成された折返し
部106の位置のガスケットの厚さが他の部分における
ガスケットの厚さよりも厚くなり、燃焼室内のガスを効
果的にシールすることができる。また、上記ガスケット
においては、ガスケットが接合面間に締付けられたとき
にビード107、107が高い面圧のシール線を形成
し、該ビード107は上記の折返し部106と共に燃焼
室用孔104の周りに二重のシール部を形成するが、上
記折返し部106は、また、エンジン運転中に接合面間
の間隙の拡縮に基づきビード107に加わる交番荷重を
軽減してビードのへたりや損傷を防止する効果をも奏す
る。
締付けたときに、燃焼室用孔の周縁に形成された折返し
部106の位置のガスケットの厚さが他の部分における
ガスケットの厚さよりも厚くなり、燃焼室内のガスを効
果的にシールすることができる。また、上記ガスケット
においては、ガスケットが接合面間に締付けられたとき
にビード107、107が高い面圧のシール線を形成
し、該ビード107は上記の折返し部106と共に燃焼
室用孔104の周りに二重のシール部を形成するが、上
記折返し部106は、また、エンジン運転中に接合面間
の間隙の拡縮に基づきビード107に加わる交番荷重を
軽減してビードのへたりや損傷を防止する効果をも奏す
る。
【0004】折返し部106によって上記の機能を充分
に果たさせるとともに、ガスケット全体に所望の面圧分
布を与え得るようにするためには、折返し部の位置にお
けるガスケットの厚さ(締付時)とその他の部分におけ
るガスケットの厚さ(締付時)との差が適宜に微調整で
きることが必要であるが、上記した従来のガスケットに
おいてはこれらの厚さの差は副板103の厚さによって
決まって終い、適宜に微調整することができない。
に果たさせるとともに、ガスケット全体に所望の面圧分
布を与え得るようにするためには、折返し部の位置にお
けるガスケットの厚さ(締付時)とその他の部分におけ
るガスケットの厚さ(締付時)との差が適宜に微調整で
きることが必要であるが、上記した従来のガスケットに
おいてはこれらの厚さの差は副板103の厚さによって
決まって終い、適宜に微調整することができない。
【0005】また、表面板101及び102の表面に施
すシール材層は、燃焼室周りよりも低温の液体通路孔周
りにおいても高温でありかつ燃焼室内のガスに直接さら
される危険がある燃焼室用孔周りにおけると同様にふっ
素ゴム等の高耐熱性で高価なシール材を被覆しているの
で、コスト高となる憾みがあった。
すシール材層は、燃焼室周りよりも低温の液体通路孔周
りにおいても高温でありかつ燃焼室内のガスに直接さら
される危険がある燃焼室用孔周りにおけると同様にふっ
素ゴム等の高耐熱性で高価なシール材を被覆しているの
で、コスト高となる憾みがあった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、本発明は金属板を積層してなるシリンダヘッドガス
ケットにおいて燃焼室用孔周縁の折返し部の位置におけ
るガスケットの厚さ(締付時)とその他の部分における
ガスケットの厚さ(締付時)との差を適宜に微調整でき
るようにするとともに、燃焼室用孔周辺とその他の部分
とでシール材層を異ならせることが容易な構造として、
高耐熱性かつ高価なシール材層は燃焼室用孔周辺のみに
施すようにすることを目的とするものである。
で、本発明は金属板を積層してなるシリンダヘッドガス
ケットにおいて燃焼室用孔周縁の折返し部の位置におけ
るガスケットの厚さ(締付時)とその他の部分における
ガスケットの厚さ(締付時)との差を適宜に微調整でき
るようにするとともに、燃焼室用孔周辺とその他の部分
とでシール材層を異ならせることが容易な構造として、
高耐熱性かつ高価なシール材層は燃焼室用孔周辺のみに
施すようにすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のシリンダヘッドガスケットは、金属よりなる心板を
介挿させて折返した折返し部を燃焼室用孔周縁に設け、
該折返し部の外表面に高耐熱性のシール材層を被覆し
た、金属よりなる副板と、該副板の少なくとも片面側に
積層され、燃焼室用孔周りの端縁が上記副板の折返し部
に重ならないように欠裁され、少なくとも外側表面に耐
熱性のシール材層を被覆した、金属よりなる表面板とか
ら成り、上記の折返し部の位置における副板と心板と折
り返された副板との合計厚さがその他の部位における表
面板と副板との合計厚さよりも大きく選ばれていること
を特徴とするものである。
明のシリンダヘッドガスケットは、金属よりなる心板を
介挿させて折返した折返し部を燃焼室用孔周縁に設け、
該折返し部の外表面に高耐熱性のシール材層を被覆し
た、金属よりなる副板と、該副板の少なくとも片面側に
積層され、燃焼室用孔周りの端縁が上記副板の折返し部
に重ならないように欠裁され、少なくとも外側表面に耐
熱性のシール材層を被覆した、金属よりなる表面板とか
ら成り、上記の折返し部の位置における副板と心板と折
り返された副板との合計厚さがその他の部位における表
面板と副板との合計厚さよりも大きく選ばれていること
を特徴とするものである。
【0008】
【作用】上記構成を有する本発明のシリンダヘッドガス
ケットにおいては、燃焼室用孔周縁の折返し部位におけ
るガスケットの厚さすなわち副板と心板と折り返された
副板との合計厚さが、その他の部位におけるガスケット
厚さすなわち表面板と副板との合計厚さよりも大であ
り、燃焼室用孔の周縁に厚肉部が形成されているので、
これにより燃焼室内のガスを効果的にシールすることが
できる。
ケットにおいては、燃焼室用孔周縁の折返し部位におけ
るガスケットの厚さすなわち副板と心板と折り返された
副板との合計厚さが、その他の部位におけるガスケット
厚さすなわち表面板と副板との合計厚さよりも大であ
り、燃焼室用孔の周縁に厚肉部が形成されているので、
これにより燃焼室内のガスを効果的にシールすることが
できる。
【0009】そして、折返し部位におけるガスケットの
厚さ(締付時)とその他の部分におけるガスケットの厚
さ(締付時)との差は、折返し部に介挿されている心板
の厚さを適宜に調整することにより、また、これに加え
て後記実施例に示すように、表面板と同じく燃焼室用孔
周りの端縁が上記副板の折返し部に重ならないように欠
裁された適宜の厚さの追加の副板を必要に応じて積層す
ることにより、適宜に微調整することができる。
厚さ(締付時)とその他の部分におけるガスケットの厚
さ(締付時)との差は、折返し部に介挿されている心板
の厚さを適宜に調整することにより、また、これに加え
て後記実施例に示すように、表面板と同じく燃焼室用孔
周りの端縁が上記副板の折返し部に重ならないように欠
裁された適宜の厚さの追加の副板を必要に応じて積層す
ることにより、適宜に微調整することができる。
【0010】なお、表面板の燃焼室用孔周りの端縁が副
板の折返し部に重なり合っているときは、上記のような
厚さの差の微調整が困難になるだけでなく、折返し部の
位置におけるガスケットの厚さが過大となり、ガスケッ
ト全体の適正な面圧分布を得難くし、液体通路孔周りの
シール面圧が低下する等の不都合を来す。従って本発明
においては表面板の燃焼室用孔周りの端縁が副板の折返
し部に重ならないように欠裁される。
板の折返し部に重なり合っているときは、上記のような
厚さの差の微調整が困難になるだけでなく、折返し部の
位置におけるガスケットの厚さが過大となり、ガスケッ
ト全体の適正な面圧分布を得難くし、液体通路孔周りの
シール面圧が低下する等の不都合を来す。従って本発明
においては表面板の燃焼室用孔周りの端縁が副板の折返
し部に重ならないように欠裁される。
【0011】更に、本発明のガスケットにおいては、上
記通り表面板の燃焼室周りの端縁が副板の折返し部に重
ならないように欠裁されているので、燃焼室用孔周辺で
あり高温にさらされる副板折返し部のみにふっ素ゴム等
の高耐熱性でかつ高価なシール材の被覆を施すことがで
き、燃焼室用孔の周辺よりも外側に位置する表面板の表
面には高耐熱性のシール材に較べて相対的に安価なシー
ル材例えばNBR(ブタジェンアクリルニトリル共重合
ゴム)等の安価な耐熱性のシール材の被覆を施すことが
できる。すなわち本発明によればグレードの異なるシー
ル材層の使い分けを容易に行い得て、シール材のコスト
を低減することができる。
記通り表面板の燃焼室周りの端縁が副板の折返し部に重
ならないように欠裁されているので、燃焼室用孔周辺で
あり高温にさらされる副板折返し部のみにふっ素ゴム等
の高耐熱性でかつ高価なシール材の被覆を施すことがで
き、燃焼室用孔の周辺よりも外側に位置する表面板の表
面には高耐熱性のシール材に較べて相対的に安価なシー
ル材例えばNBR(ブタジェンアクリルニトリル共重合
ゴム)等の安価な耐熱性のシール材の被覆を施すことが
できる。すなわち本発明によればグレードの異なるシー
ル材層の使い分けを容易に行い得て、シール材のコスト
を低減することができる。
【0012】
【実施例】本発明の詳細を実施例の図面に基づき以下に
説明する。図2は本発明のシリンダヘッドガスケットの
第一実施例を示す平面図の一部であり、図1は図2のA
−A線による断面図である。図3は第二実施例の断面
図、図4は第三実施例の断面図、図5は第四実施例の断
面図、図6は第五実施例の断面図である。図3乃至図6
の断面図は何れも図1のA−A線による断面図に相当す
る断面図であり、各図において同一符号は同一部分を示
している。
説明する。図2は本発明のシリンダヘッドガスケットの
第一実施例を示す平面図の一部であり、図1は図2のA
−A線による断面図である。図3は第二実施例の断面
図、図4は第三実施例の断面図、図5は第四実施例の断
面図、図6は第五実施例の断面図である。図3乃至図6
の断面図は何れも図1のA−A線による断面図に相当す
る断面図であり、各図において同一符号は同一部分を示
している。
【0013】図1及び図2に示す第一実施例について説
明すれば、1は第1実施例のシリンダヘッドガスケット
を示し、該ガスケット1は燃焼室用孔2と冷却水通路
孔、オイル通路孔等の液体通路孔3と締結ボルトを挿通
するボルト孔4とを備えている。該ガスケット1はステ
ンレス鋼板等よりなる副板7と、該副板の両側に積層さ
れたステンレス鋼、ばね鋼、工具鋼等よりなる表面板5
及び6とにより構成されている。副板7及び表面板5、
6の厚さは通常0.1mm乃至0.3mm程度である。
明すれば、1は第1実施例のシリンダヘッドガスケット
を示し、該ガスケット1は燃焼室用孔2と冷却水通路
孔、オイル通路孔等の液体通路孔3と締結ボルトを挿通
するボルト孔4とを備えている。該ガスケット1はステ
ンレス鋼板等よりなる副板7と、該副板の両側に積層さ
れたステンレス鋼、ばね鋼、工具鋼等よりなる表面板5
及び6とにより構成されている。副板7及び表面板5、
6の厚さは通常0.1mm乃至0.3mm程度である。
【0014】副板7には燃焼室用孔2の周縁においてス
テンレス鋼等よりなる心板8を介挿させて折返された折
返し部9が形成されている。また、該折返し部9は図1
に示すように屈曲部10により全体として上方に偏位さ
せられており、従って、折返し部9が副板7の両面側に
それぞれ突出するように形成されている。更に折返し部
9の外表面にはふっ素ゴム或はアルミナとシリコン樹脂
等のバインダーとを混和した混和物等からなる高耐熱性
のシール材層11が被覆されている。該シール材層はい
わゆるミクロシールの機能を果たすもので、その厚さは
通常5乃至50μm程度である。
テンレス鋼等よりなる心板8を介挿させて折返された折
返し部9が形成されている。また、該折返し部9は図1
に示すように屈曲部10により全体として上方に偏位さ
せられており、従って、折返し部9が副板7の両面側に
それぞれ突出するように形成されている。更に折返し部
9の外表面にはふっ素ゴム或はアルミナとシリコン樹脂
等のバインダーとを混和した混和物等からなる高耐熱性
のシール材層11が被覆されている。該シール材層はい
わゆるミクロシールの機能を果たすもので、その厚さは
通常5乃至50μm程度である。
【0015】表面板5及び6の燃焼室用孔2周りの環状
の端縁12は副板7の上記の折返し部9に重なり合わな
いように欠裁されており、また該端縁12は上方もしく
は下方に折り曲げられて、副板の折返し部9よりも外側
の位置において燃焼室用孔2を囲む環状の皿バネビード
13を形成している。表面板5及び6は、また、液体通
路孔3を囲む凸状ビード14を備えている。図1に示す
凸状ビード14は個々の液体通路孔3を個別的に包囲し
ているが、凸状ビード14は複数個の液体通路孔3を共
通に包囲するように設けてもよい。また、図では凸状ビ
ード14、14を副板7に向かって凸に設けているが、
凸状ビード14、14が逆向きに突出するように設けて
もよい。表面板5及び6の両面には通常10乃至60μ
m程度の厚さの耐熱性のシール材層15が被覆されてい
るが、このシール材層15は前記の高耐熱性のシール材
層に較べて耐熱性は劣るが安価な材料、例えばNBR等
により形成される。
の端縁12は副板7の上記の折返し部9に重なり合わな
いように欠裁されており、また該端縁12は上方もしく
は下方に折り曲げられて、副板の折返し部9よりも外側
の位置において燃焼室用孔2を囲む環状の皿バネビード
13を形成している。表面板5及び6は、また、液体通
路孔3を囲む凸状ビード14を備えている。図1に示す
凸状ビード14は個々の液体通路孔3を個別的に包囲し
ているが、凸状ビード14は複数個の液体通路孔3を共
通に包囲するように設けてもよい。また、図では凸状ビ
ード14、14を副板7に向かって凸に設けているが、
凸状ビード14、14が逆向きに突出するように設けて
もよい。表面板5及び6の両面には通常10乃至60μ
m程度の厚さの耐熱性のシール材層15が被覆されてい
るが、このシール材層15は前記の高耐熱性のシール材
層に較べて耐熱性は劣るが安価な材料、例えばNBR等
により形成される。
【0016】燃焼室用孔2の周縁の折返し部9の位置に
おけるガスケットの厚さH1 (ただしシール材層の厚さ
を含まない)、すなわち副板7、心板8及び副板7の折
返し部分の合計厚さは、ガスケットのその他の部分の厚
さH2 (同じくシール材層の厚さを含まない)、すなわ
ち表面板5、副板7及び表面板6の合計厚さよりも厚く
なるように、換言すれば、ガスケットをシリンダブロッ
ク及びシリンダヘッドの接合面間に締結ボルトにより締
付けたときに折返し部9が厚肉部を形成するように選ば
れている。そしてH1 −H2 の値の大きさは、折返し部
9による燃焼室内のガスのシール性能及びガスケット全
体の面圧分布等の点から適宜な値に微調整されるが、こ
の微調整は折返し部9に介挿されている心板8の厚さを
適宜に選ぶことにより容易に行うことができる。
おけるガスケットの厚さH1 (ただしシール材層の厚さ
を含まない)、すなわち副板7、心板8及び副板7の折
返し部分の合計厚さは、ガスケットのその他の部分の厚
さH2 (同じくシール材層の厚さを含まない)、すなわ
ち表面板5、副板7及び表面板6の合計厚さよりも厚く
なるように、換言すれば、ガスケットをシリンダブロッ
ク及びシリンダヘッドの接合面間に締結ボルトにより締
付けたときに折返し部9が厚肉部を形成するように選ば
れている。そしてH1 −H2 の値の大きさは、折返し部
9による燃焼室内のガスのシール性能及びガスケット全
体の面圧分布等の点から適宜な値に微調整されるが、こ
の微調整は折返し部9に介挿されている心板8の厚さを
適宜に選ぶことにより容易に行うことができる。
【0017】従って、上記した第一実施例においては、
燃焼室内の高温のガスを厚肉部たる折返し部9によりシ
ールし、またその外側に形成されている環状の皿バネビ
ードによりシールし、二重にシールしている。そして、
液体通路孔3はビード14によりシールされている。な
お、折返し部9は、前述した従来のガスケットにおける
と同様に皿バネビードに加わる交番荷重を軽減しビード
のへたりや損傷を防止する作用をも果たす。
燃焼室内の高温のガスを厚肉部たる折返し部9によりシ
ールし、またその外側に形成されている環状の皿バネビ
ードによりシールし、二重にシールしている。そして、
液体通路孔3はビード14によりシールされている。な
お、折返し部9は、前述した従来のガスケットにおける
と同様に皿バネビードに加わる交番荷重を軽減しビード
のへたりや損傷を防止する作用をも果たす。
【0018】図3に示す第二実施例においては、表面板
5及び6と同じく、燃焼室用孔2周りの環状の端縁17
が副板7の折返し部9に重ならないように欠裁されてい
る第二の副板16(ステンレス鋼等よりなる)が副板7
と表面板6との間に介挿されている。また、副板7の折
返し部9は、第一実施例の場合と異なり屈曲部10が存
在しないので、副板7の下方のみに突出するように形成
されている。更に、表面板5及び6に燃焼室用孔2を囲
むように形成された環状のビードは副板に向かって凸に
形成された凸状ビードである。第二実施例は上記の点以
外は前記の第一実施例と同様である。
5及び6と同じく、燃焼室用孔2周りの環状の端縁17
が副板7の折返し部9に重ならないように欠裁されてい
る第二の副板16(ステンレス鋼等よりなる)が副板7
と表面板6との間に介挿されている。また、副板7の折
返し部9は、第一実施例の場合と異なり屈曲部10が存
在しないので、副板7の下方のみに突出するように形成
されている。更に、表面板5及び6に燃焼室用孔2を囲
むように形成された環状のビードは副板に向かって凸に
形成された凸状ビードである。第二実施例は上記の点以
外は前記の第一実施例と同様である。
【0019】第二実施例においては、折返し部位置にお
けるガスケットの厚さ(締付時)H1 とその他の位置に
おけるガスケットの厚さ(締付時)H2 との差H1 −H
2 の値の調整を心板8の厚さ及び第二の副板16の厚さ
を適宜に選ぶことにより行うことができ、より微細な調
整を行うことができる。燃焼室孔2を囲む環状のビード
は、本実施例の凸状ビード18、第一実施例の皿バネビ
ード13或は段差ビード(図示せず)の何れであっても
よい。ただボア間が狭い場合等、狭い場所に適用する場
合は第一実施例に示した皿バネビードが有利である。
けるガスケットの厚さ(締付時)H1 とその他の位置に
おけるガスケットの厚さ(締付時)H2 との差H1 −H
2 の値の調整を心板8の厚さ及び第二の副板16の厚さ
を適宜に選ぶことにより行うことができ、より微細な調
整を行うことができる。燃焼室孔2を囲む環状のビード
は、本実施例の凸状ビード18、第一実施例の皿バネビ
ード13或は段差ビード(図示せず)の何れであっても
よい。ただボア間が狭い場合等、狭い場所に適用する場
合は第一実施例に示した皿バネビードが有利である。
【0020】図4に示す第三実施例においては、表面板
5及び6の燃焼室用孔2周りに環状のビードを設けてい
ない。この点を除けば第一実施例と同様である。第三実
施例においては燃焼室用孔2周りの環状のビードが存在
しないので、燃焼室用孔に対しシール部が二重には形成
されないが、厚肉部たる折返し部9により燃焼室内のガ
スは充分にシールされる。
5及び6の燃焼室用孔2周りに環状のビードを設けてい
ない。この点を除けば第一実施例と同様である。第三実
施例においては燃焼室用孔2周りの環状のビードが存在
しないので、燃焼室用孔に対しシール部が二重には形成
されないが、厚肉部たる折返し部9により燃焼室内のガ
スは充分にシールされる。
【0021】図5に示す第四実施例においては、液体通
路孔3を囲む凸状ビードを表面板5及び6には設けずに
副板7に設けている。この点以外は第三実施例と同様で
ある。図6に示す第五実施例においては、副板7の片面
側だけに表面板5を設けている。そして、副板7の折返
し部9以外の下面側表面には表面板5に施したと同様な
耐熱性のシール材層15を施している。これらの点を除
けば第三実施例と同様である。
路孔3を囲む凸状ビードを表面板5及び6には設けずに
副板7に設けている。この点以外は第三実施例と同様で
ある。図6に示す第五実施例においては、副板7の片面
側だけに表面板5を設けている。そして、副板7の折返
し部9以外の下面側表面には表面板5に施したと同様な
耐熱性のシール材層15を施している。これらの点を除
けば第三実施例と同様である。
【0022】本発明によるシリンダヘッドガスケットは
上記説明した実施例及びその変形以外にも種々の変形が
可能である。例えば、上記した各実施例においてはシー
ル材層15を表面板5、6の両面に設けているが、表面
板5、6の外側の表面のみに設けるようにしてもよい。
また、表面板5、6に設けた液体通路孔3を包囲するビ
ードは図示のような凸状ビードでなく、段差ビードとし
てもよい。
上記説明した実施例及びその変形以外にも種々の変形が
可能である。例えば、上記した各実施例においてはシー
ル材層15を表面板5、6の両面に設けているが、表面
板5、6の外側の表面のみに設けるようにしてもよい。
また、表面板5、6に設けた液体通路孔3を包囲するビ
ードは図示のような凸状ビードでなく、段差ビードとし
てもよい。
【0023】更に、液体通路孔3を包囲するビードは表
面板5、6にも、副板7にも設けず、これを省略するこ
ともできる。ただし、この場合はシール材層15を表面
板5及び6の両面に施す必要がある。この場合は副板の
省略した表面板側の表面(ただし折返し部を除く)に安
価なNBR等の耐熱性のシール材層を設ける。図示した
実施例においては、心板8は何れも1枚の金属板により
形成されているが、複数枚の金属板を重ね合わせて心板
8を形成してもよく、また心板8に凸状ビードを設けて
もよい。
面板5、6にも、副板7にも設けず、これを省略するこ
ともできる。ただし、この場合はシール材層15を表面
板5及び6の両面に施す必要がある。この場合は副板の
省略した表面板側の表面(ただし折返し部を除く)に安
価なNBR等の耐熱性のシール材層を設ける。図示した
実施例においては、心板8は何れも1枚の金属板により
形成されているが、複数枚の金属板を重ね合わせて心板
8を形成してもよく、また心板8に凸状ビードを設けて
もよい。
【0024】
【発明の効果】上記説明した通りの構成、作用を有する
本発明のシリンダヘッドガスケットにおいては、燃焼室
用孔の周縁の折返し部位置におけるガスケット厚さ(締
付時)がその他の位置におけるガスケットの厚さ(締付
時)よりも厚くされており、しかも折返し部に介挿され
る心板の厚さを適宜に選択することによりこれらの厚さ
の差を適宜に微調整することができるので、本発明のガ
スケットをシリンダブロック、シリンダヘッドの接合面
間に装着し、締結ボルトにより締付けたとき、燃焼室用
孔の周縁に適度な厚肉部が形成されて、燃焼室内のガス
を効果的にシールするとともに、ガスケット全体にわた
る面圧分布を適正にすることができる。
本発明のシリンダヘッドガスケットにおいては、燃焼室
用孔の周縁の折返し部位置におけるガスケット厚さ(締
付時)がその他の位置におけるガスケットの厚さ(締付
時)よりも厚くされており、しかも折返し部に介挿され
る心板の厚さを適宜に選択することによりこれらの厚さ
の差を適宜に微調整することができるので、本発明のガ
スケットをシリンダブロック、シリンダヘッドの接合面
間に装着し、締結ボルトにより締付けたとき、燃焼室用
孔の周縁に適度な厚肉部が形成されて、燃焼室内のガス
を効果的にシールするとともに、ガスケット全体にわた
る面圧分布を適正にすることができる。
【0025】また、本発明においては、高価な高耐熱性
のシール材層は副板の折返し部の外表面のみに被覆し、
表面板の表面には高耐熱性のシール材に較べて相対的に
安価な耐熱性のシール材を被覆するので、シール材のコ
ストを著しく低減することができる。
のシール材層は副板の折返し部の外表面のみに被覆し、
表面板の表面には高耐熱性のシール材に較べて相対的に
安価な耐熱性のシール材を被覆するので、シール材のコ
ストを著しく低減することができる。
【図1】図2のA−A線による断面図である。
【図2】本発明の第一実施例の平面図の一部である。
【図3】本発明の第二実施例の断面図である。
【図4】第三実施例の断面図である。
【図5】第四実施例の断面図である。
【図6】第五実施例の断面図である。
【図7】従来のシリンダヘッドガスケットの断面図であ
る。
る。
2 燃焼室用孔 3 液体通路孔 5及び6 表面板 7 副板 8 心板 9 折返し部 11 高耐熱性のシール材層 15 耐熱性のシール材層
Claims (2)
- 【請求項1】 金属よりなる心板を介挿させて折返した
折返し部を燃焼室用孔周縁に設け、該折返し部の外表面
に高耐熱性のシール材層を被覆した、金属よりなる副板
と、該副板の少なくとも片面側に積層され、燃焼室用孔
周りの端縁が上記副板の折返し部に重ならないように欠
裁され、少なくとも外側表面に耐熱性のシール材層を被
覆した、金属よりなる表面板とから成り、上記の折返し
部の位置における副板と心板と折り返された副板との合
計厚さがその他の部位における表面板と副板との合計厚
さよりも大きく選ばれていることを特徴とするシリンダ
ヘッドガスケット。 - 【請求項2】 表面板の燃焼室用孔周りの端縁に該燃焼
室用孔を囲むビードを設けるとともに、表面板の液体通
路孔の周りに該液体通路孔を囲むビードを設けたことを
特徴とする請求項1記載のシリンダヘッドガスケット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29140893A JPH07119838A (ja) | 1993-10-26 | 1993-10-26 | シリンダヘッドガスケット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29140893A JPH07119838A (ja) | 1993-10-26 | 1993-10-26 | シリンダヘッドガスケット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07119838A true JPH07119838A (ja) | 1995-05-12 |
Family
ID=17768511
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29140893A Pending JPH07119838A (ja) | 1993-10-26 | 1993-10-26 | シリンダヘッドガスケット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07119838A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008163921A (ja) * | 2007-01-04 | 2008-07-17 | Toyota Motor Corp | 内燃機関のシール構造およびガスケット |
CN111878581A (zh) * | 2020-07-24 | 2020-11-03 | 舟山海山机械密封材料股份有限公司 | 一种用于发动机密封的新型密封垫片结构 |
-
1993
- 1993-10-26 JP JP29140893A patent/JPH07119838A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008163921A (ja) * | 2007-01-04 | 2008-07-17 | Toyota Motor Corp | 内燃機関のシール構造およびガスケット |
JP4640342B2 (ja) * | 2007-01-04 | 2011-03-02 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関のシール構造およびガスケット |
CN111878581A (zh) * | 2020-07-24 | 2020-11-03 | 舟山海山机械密封材料股份有限公司 | 一种用于发动机密封的新型密封垫片结构 |
CN111878581B (zh) * | 2020-07-24 | 2022-05-17 | 舟山海山机械密封材料股份有限公司 | 一种用于发动机密封的新型密封垫片结构 |
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