JPH07118283A - ジチオキサントゲン酸金属塩の製造方法 - Google Patents

ジチオキサントゲン酸金属塩の製造方法

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JPH07118283A
JPH07118283A JP28993793A JP28993793A JPH07118283A JP H07118283 A JPH07118283 A JP H07118283A JP 28993793 A JP28993793 A JP 28993793A JP 28993793 A JP28993793 A JP 28993793A JP H07118283 A JPH07118283 A JP H07118283A
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Michihide Tokashiki
通秀 渡嘉敷
Hirotaka Tomizawa
広隆 富沢
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式ROCS21(M1はアルカリ成分であ
り、Rは前記と同じ意味をもつ)で表されるジチオキサ
ントゲン酸塩とモリブデン酸塩又はタングステン酸塩と
を鉱酸の存在下に反応させて、一般式[(ROCS2)22
O]2O(M2はモリブデン又はタングステン、Rは前記
と同じ意味をもつ)で表されるジチオキサントゲン酸金
属塩を製造する方法である。 【効果】鉱油に対する溶解性が大きく、かつ潤滑油に添
加した場合、優れた摩擦低減効果を発揮するジチオキサ
ントゲン酸モリブデンやジチオキサントゲン酸タングス
テンが効率よく得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジチオキサントゲン酸
金属塩の製造方法の改良に関するものである。さらに詳
しくいえば、本発明は、鉱油に対する溶解性が大きく、
かつ潤滑油に添加した場合、摩擦低減効果が大きいこと
から、潤滑油添加剤として有用なジチオキサントゲン酸
モリブデンやジチオキサントゲン酸タングステンを、簡
単な操作で純度よく高収率で製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】長鎖アルキル基を有するジチオキサント
ゲン酸モリブデンは、潤滑油に添加した場合、摩擦低減
効果が大きいことから、潤滑油添加剤として有用な化合
物である。ジチオキサントゲン酸モリブデンの製造方法
としては、例えば水酸化カリウムのメタノール溶液に、
二硫化炭素を加えてメチルジチオキサントゲン酸カリウ
ム(CH3OCS2K)を調製したのち、このメチルジチオ
キサントゲン酸カリウムとモリブデン酸ナトリウムを含
有する水溶液に、二酸化硫黄ガスを吹き込むことによ
り、ジメチルジチオキサントゲン酸モリブデン〔[(CH
3OCS2)2MoO]2O〕を製造する方法が知られている
[「インオーガニック・ケミストリー(Inorganic Chemis
try)」第6巻、第5号、第998〜1003ページ(1
967年)]。しかしながら、この方法は操作が煩雑であ
り、また該方法を用いて長鎖アルキル基を有するジチオ
キサントゲン酸モリブデン、例えばジオレイルジチオキ
サントゲン酸モリブデンを製造した場合、得られたもの
は潤滑油基油に容易に溶解するものの、これを含有する
潤滑油組成物について、シェル四球式試験で摩擦係数を
測定したところ、その摩擦低減効果は僅かであり、市販
の摩擦低減剤である硫化オキシモリブデンジチオカルバ
メート(MoDTC)に及ばないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、鉱油に対する溶解性が大きく、かつ潤滑
油に添加した場合、摩擦低減効果が大きいことから、潤
滑油添加剤として有用なジチオキサントゲン酸モリブデ
ンやジチオキサントゲン酸タングステンを、簡単な操作
で純度よく高収率で製造する方法を提供することを目的
としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記目的を達
成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の化合物の存
在下、水酸基含有化合物と二硫化炭素とアルカリ成分の
水酸化物とを反応させ、次いでこの生成物とモリブデン
酸アルカリ金属塩又はタングステン酸アルカリ金属塩と
を鉱酸の存在下で反応させることにより、その目的を達
成しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、低級鎖状炭化
水素基を有する含酸素化合物の存在下、一般式[1] ROH …[1] (式中のRは炭素数1〜30の炭化水素基である)で表
される水酸基含有化合物と二硫化炭素とアルカリ成分の
水酸化物とを反応させて、一般式[2]
【0005】
【化5】
【0006】(式中のM1はアルカリ成分であり、Rは
前記と同じ意味をもつ)で表されるジチオキサントゲン
酸塩を得たのち、このものとモリブデン酸塩又はタング
ステン酸塩とを鉱酸の存在下において反応させることを
特徴とする、一般式[3]
【0007】
【化6】
【0008】(式中のM2はモリブデン又はタングステン
であり、Rは前記と同じ意味をもつ)で表されるジチオ
キサントゲン酸金属塩の製造方法、並びに一般式[2]
【0009】
【化7】
【0010】(式中のM1はアルカリ成分であり、Rは
前記と同じ意味をもつ)で表されるジチオキサントゲン
酸塩とモリブデン酸塩又はタングステン酸塩とを鉱酸の
存在下において反応させることを特徴とする、一般式
[3]
【0011】
【化8】
【0012】(式中のM2はモリブデン又はタングステン
であり、Rは前記と同じ意味をもつ)で表されるジチオ
キサントゲン酸金属塩の製造方法を提供するものであ
る。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明方
法においては、まず一般式[1] ROH …[1] (式中のRは炭素数1〜30の炭化水素基である)で表
される水酸基含有化合物と二硫化炭素とアルカリ成分の
水酸化物とを反応させて、一般式[2] ROCS21 …[2] (式中のM1はアルカリ成分であり、Rは前記と同じ意
味をもつ)で表されるジチオキサントゲン酸塩を生成さ
せる。前記一般式[1]及び[2]において、Rは炭素
数1〜30の炭化水素基であり、飽和炭化水素基であっ
てもよいし、不飽和炭化水素基であってもよく、具体的
には炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のア
ルケニル基、炭素数6〜30のシクロアルキル基、炭素
数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアルキルア
リール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基などが
挙げられる。特にRが炭素数8〜22である場合、最終
的に得られるジチオキサントゲン酸モリブデンやジチオ
キサントゲン酸タングステンが、潤滑油添加剤として優
れた摩擦低減作用を有するので、好ましい。該一般式
[1]で表される水酸基含有化合物としては、例えばメ
チルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシル
アルコール、ヘプチルアルコールのほか、2−エチルヘ
キシルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコー
ル、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パル
ミチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコシル
アルコール、オレイルアルコール、シクロヘキシルアル
コール、p−t−ブチルフェノール、オクチルフェノー
ル、ノニルフェノールなどが挙げられる。また、本発明
において、アルカリ成分とは、アルカリ金属及びアンモ
ニウムイオンを包含するものをいう。従ってアルカリ成
分の水酸化物としては、例えば水酸化リチウム、水酸化
カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムなど
が用いられる。
【0014】本発明においては、前記水酸基含有化合物
と二硫化炭素とアルカリ成分の水酸化物とを反応させる
場合、低級鎖状炭化水素基を有する含酸素化合物の存在
下に反応させることが必要である。該低級鎖状炭化水素
基を有する含酸素化合物としては、例えば炭素数1〜1
0、好ましくは1〜5、より好ましくは1又は2のアル
コール、ケトン、エーテルなど、具体的にはメタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセト
ン、メチルエチルケトン、ジメチルエーテル、ジエチル
エーテル、ジプロピルエーテルなどが挙げられる。これ
らの化合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。含酸素化合物は、上記水酸基含有化
合物の水溶解性を向上させ、相溶性を改善する作用をす
るものである。この反応は次のようにして行うことがで
きる。すなわち、必要に応じて用いられる水性媒体中に
おいて、前記水酸基含有化合物と、それに対して実質上
当モルのアルカリ成分の水酸化物及び当モルよりも若干
過剰量の二硫化炭素とを、前記低級鎖状炭化水素基を有
する含酸素化合物の存在下、好ましくは0〜70℃の範
囲の温度において、30分ないし20時間反応させる。
該含酸素化合物は、水酸基含有化合物100重量部に対
して、通常700〜2,000重量部の割合で用いられ
る。このようにして、一般式[2] ROCS21 …[2] (式中のR及びM1は前記と同じ意味をもつ)で表され
るジチオキサントゲン酸塩が得られる。
【0015】次に、前記一般式[2]で表されるジチオ
キサントゲン酸塩とモリブデン酸塩又はタングステン酸
塩とを、鉱酸の存在下に反応させる。該モリブデン酸塩
やタングステン酸塩は無水物、水和物のいずれであって
もよく、またその使用量については、一般式[2]で表
されるジチオキサントゲン酸塩に対し、実質上当モル量
が用いられる。また、該鉱酸としては、酸化作用を有す
るもの例えば硝酸、硫酸などが挙げられ、これらは1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい
が、特に硝酸が好適である。この鉱酸の使用量は、用い
るモリブデン酸塩又はタングステン酸塩100重量部
(無水物として)に対して、通常400〜1,000重
量部の範囲で選ばれる。好ましい使用量は、450〜6
00重量部の範囲である。硝酸は、通常0.5N〜2N
の水溶液として用いられる。この反応は水性媒体中にお
いて行われ、反応温度は通常0〜15℃、好ましくは2
〜8℃の範囲であり、反応時間は2〜30時間程度であ
る。好ましい反応時間は、4〜10時間の範囲である。
このようにして、一般式[3] [(ROCS2)22O]2O …[3] (式中のM2はモリブデン又はタングステンであり、Rは
前記と同じ意味をもつ)で表されるジチオキサントゲン
酸金属塩が得られる。
【0016】前記一般式[3]で表される同一鎖長の炭
化水素基を有するジチオキサントゲン酸金属塩の具体例
としては、例えば、ジメチルジチオキサントゲン酸モリ
ブデン、ジエチルジチオキサントゲン酸モリブデン、ジ
プロピルジチオキサントゲン酸モリブデン、ジブチルジ
チオキサントゲン酸モリブデン、ジペンチルジチオキサ
ントゲン酸モリブデン、ジヘキシルジチオキサントゲン
酸モリブデン、ジペプチルジチオキサントゲン酸モリブ
デンのほか、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオキサント
ゲン酸モリブデン、ジノニルジチオキサントゲン酸モリ
ブデン、ジデシルジチオキサントゲン酸モリブデン、ジ
ラウリルジチオキサントゲン酸モリブデン、ジミリスチ
ルジチオキサントゲン酸モリブデン、ジパルミチルジチ
オキサントゲン酸モリブデン、ジステアリルジチオキサ
ントゲン酸モリブデン、ジエイコシルジチオキサントゲ
ン酸モリブデン、ジオレイルジチオキサントゲン酸モリ
ブデン、ジシクロヘキシルジチオキサントゲン酸モリブ
デン、ジ(p−t−ブチルフェニル)ジチオキサントゲ
ン酸モリブデン、ジ(オクチルフェニル)ジチオキサン
トゲン酸モリブデン、ジ(ノニルフェニル)ジチオキサ
ントゲン酸モリブデンなど、及びこれらに対応するタン
グステン塩を挙げることができる。本発明方法で得られ
た前記一般式[3]で表されるジチオキサントゲン酸モ
リブデン又はジチオキサントゲン酸タングステンは、潤
滑油に添加した場合、優れた摩擦低減効果を発揮する。
【0017】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。 実施例1 2−エチルヘキシルアルコール26gと50wt%水酸化
ナトリウム水溶液16gとの混合溶液に、メタノール1
50g及び水200gを加え、さらに二硫化炭素16g
を加えたのち、10℃に保持しながら5時間反応させ
て、朱色のゼリー状反応物を得た。この反応物に、モリ
ブデン酸ナトリウム(Na2MoO4・2H2O)48.4
gを水200gに溶解させた水溶液を添加し、さらに1
N−硝酸水溶液300gを添加して5℃で6時間反応さ
せ、上層に油分を有する青色の反応液を得た。次いで、
これにトルエン500gを加え、ろ過分離したのち、水
洗して固体生成物を得た。この固体生成物中のジ(2−
エチルヘキシル)ジチオキサントゲン酸モリブデンは、
Moとして95wt%以上であった。 実施例2 ラウリルアルコール37.2gと50wt%水酸化ナトリ
ウム水溶液16gとの混合溶液に、メタノール600g
及び水500gを加え、さらに二硫化炭素16gを加え
たのち、40〜50℃で5時間反応させて、朱色の固体
状反応物を得た。この反応物に、モリブデン酸ナトリウ
ム(Na2MoO4・2H2O)48.4gを水200gに
溶解させた水溶液を添加し、さらに1N−硝酸水溶液3
00gを添加して5℃で6時間反応させ、上層に油分を
有する青色反応液を得た。次いで、これにトルエン50
0gを加え、ろ過分離したのち、水洗して固体生成物を
得た。この固体生成物中のジラウリルジチオキサントゲ
ン酸モリブデンは、Moとして95wt%以上であった。
【0018】実施例3 オレイルアルコール26.8gと50wt%水酸化ナトリ
ウム水溶液8gとの混合溶液に、メタノール300gを
加え、さらに二硫化炭素8gを加えたのち、10℃で5
時間反応させて朱色の透明反応液を得た。これに、モリ
ブデン酸ナトリウム(Na2MoO4・2H2O)24.2
gを水100gに溶解させた水溶液を添加したところ黄
色結晶が析出したので、水200gを加え溶解させたの
ち、1N−硝酸水溶液150gを添加して5℃で6時間
反応させ、上層に油分を有する青色の反応液を得た。次
いで、これにトルエン500gを加え、分離したのち、
トルエンを留去させて生成物を得た。この生成物中のジ
オレイルジチオキサントゲン酸モリブデンは、Moとし
て98wt%であった。 実施例4 オレイルアルコール26.8gと50wt%水酸化ナトリ
ウム水溶液8gとの混合溶液に、アセトン200g及び
水100gを加え、さらに二硫化炭素8gを加えたの
ち、10℃で6時間反応させて朱色の透明反応液を得
た。これに、モリブデン酸ナトリウム(Na2MoO4
2H2O)24.2gを水50gに溶解させた水溶液を添
加し、さらに1N−硝酸水溶液200gを添加して5℃
で6時間反応させ、上層に油分を有する青色の反応液を
得た。次いで、これにトルエン500gを加え、分離し
たのち、トルエンを留去させて生成物を得た。この生成
物中のジオレイルジチオキサントゲン酸モリブデンは、
Moとして95wt%以上であった。
【0019】実施例5 オレイルアルコール26.8gと50wt%水酸化ナトリ
ウム水溶液8gとの混合溶液に、t−ブタノール100
g及び水100gを加え、さらに二硫化炭素8gを加え
たのち、10℃で5時間反応させて朱色の透明反応液を
得た。これに、モリブデン酸ナトリウム(Na2MoO4
・2H2O)24.2gを水50gに溶解させた水溶液を
添加し、さらに1N−硝酸水溶液100gを添加して5
℃で6時間反応させ、上層に油分を有する淡青色の反応
液を得た。次いで、これにトルエン500gを加え、分
離したのち、トルエンを留去させて生成物を得た。この
生成物中のジオレイルジチオキサントゲン酸モリブデン
は、Moとして95wt%以上であった。 実施例6 オレイルアルコール26.8gと50wt%水酸化ナトリ
ウム水溶液8gとの混合溶液にメタノール300gを加
え、これに二硫化炭素8gを加えたのち、10℃に保持
しながら5時間反応させて黄色透明の液状反応生成物を
得た。この反応生成物に、タングステン酸ナトリウム
(Na2WO4・2H2O)の水溶液(水100gに48.
5gを溶解して調製)を加え、水200gを加え結晶を
溶解させたのち、1N−硝酸水溶液300gを加えて5
℃で6時間反応させた。上層に油分を有する反応液を得
た。次いで、これにトルエン500gを加え、分離した
のちトルエンを留去して固体生成物を得た。この生成物
中のジオレイルジチオキサントゲン酸タングステンはW
として95wt%以上であった。
【0020】比較例1 オレイルアルコール26.8gと50wt%水酸化ナトリ
ウム水溶液8gとの混合溶液に、トルエン300g及び
メタノール100gを加え、さらに二硫化炭素8gを加
えたのち、10℃で5時間反応させて朱色の透明反応液
を得た。これに、モリブデン酸ナトリウム(Na2Mo
4・2H2O)24.2gを水100gに溶解させた水
溶液を添加し、さらに1N−硝酸水溶液150gを添加
して5℃で1.5時間反応させ、上層に油分を有する青
色の反応液を得た。次いで、これにトルエン500gを
加え、分離したのち、トルエンを留去させて生成物を得
た。この生成物中のジオレイルジチオキサントゲン酸モ
リブデンは、Moとして80wt%であった。 比較例2 オレイルアルコール26.8gと50wt%水酸化ナトリ
ウム水溶液8gとの混合溶液に、水100g及び二硫化
炭素8gを加えたのち、10℃で5時間反応させて上層
に黄色のブロック状物を有する朱色の透明反応液を得
た。これに、モリブデン酸ナトリウム(Na2MoO4
2H2O)24.2gを水100gに溶解させた水溶液を
添加し、さらに1N−硝酸水溶液150gを添加して5
℃で1.5時間反応させて、黄色析出物を有する反応液
を得た。次いで、この反応液をろ過し、水洗して固体状
生成物を得た。この生成物中のジオレイルジチオキサン
トゲン酸モリブデンは、Moとして80wt%であった。
【0021】比較例3 オレイルアルコール26.8gと50wt%水酸化ナトリ
ウム水溶液8gとの混合溶液に、メタノール300gを
加え、さらに二硫化炭素8gを加えたのち、10℃で5
時間反応させて朱色の透明反応液を得た。これに、モリ
ブデン酸ナトリウム(Na2MoO4・2H2O)24.2
gを水100gに溶解させた水溶液を添加したところ、
黄色結晶が析出したので、水200gを加え溶解させた
のち、二酸化硫黄ガスを吹き込みながら5℃で1.5時
間反応させて上層に油分を有する青色の反応液を得た。
次いで、これにトルエン500gを加え、分離したの
ち、トルエンを留去させて生成物を得た。この生成物中
のジオレイルジチオキサントゲン酸モリブデンは、Mo
として80wt%であった。 比較例4 オレイルアルコール26.8gと50wt%水酸化ナトリ
ウム水溶液8gとの混合溶液に、メタノール100g及
び水100gを加え、さらに二硫化炭素8gを加えたの
ち、10℃で5時間反応させて朱色の透明反応液を得
た。これに、モリブデン酸ナトリウム(Na2MoO4
2H2O)24.2gを水100gに溶解させた水溶液を
添加し、二酸化硫黄ガスを吹き込みながら5℃で1.5
時間反応させて上層に油分を有する青色反応液を得た。
次いでこれにトルエン500gを加え、分離したのち、
トルエンを留去させて生成物を得た。この生成物中のジ
オレイルジチオキサントゲン酸モリブデンは、Moとし
て80wt%であった。 試験例1 潤滑油基油としての鉱油100SN、ポリメタクリレー
ト系粘度指数向上剤4.0wt%、こはく酸イミド系無灰
清浄分散剤3.0wt%、チオりん酸亜鉛系耐摩耗剤0.7
5wt%及び第1表に示す種類と量の摩擦低減剤を含有す
る潤滑油組成物を調製した。この組成物について、荷重
40kgf又は20kgf、回転数1800rpm、油温90
℃、時間30分の条件でシェル四球式試験を行い、摩耗
痕径、摩擦係数、上球表面平均粗さを求めた。その結果
を第1表に示す。なお、第1表において、反応工程
(1)は二硫化炭素を反応させる工程、反応工程(2)
はモリブデン酸ナトリウムを反応させる工程を示す。
【0022】
【表1】
【0023】[注] C8〜C13MoDTC:アルキル基の炭素数が8〜13
の硫化オキシモリブデンジチオカルバメート(市販品) ジ(2−エチルヘキシル)MoDTX:ジ(2−エチルヘ
キシル)ジチオキサントゲン酸モリブデン ジラウリルMoDTX:ジラウリルジチオキサントゲン
酸モリブデン ジオレイルMoDTX:ジオレイルジチオキサントゲン
酸モリブデン
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明方法によると、鉱油に対する溶解
性が大きく、かつ潤滑油に添加した場合、摩擦低減効果
が大きいことから、潤滑油添加剤として有用なジチオキ
サントゲン酸モリブデンやジチオキサントゲン酸タング
ステンを、簡単な操作で純度よく高収率で製造すること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低級鎖状炭化水素基を有する含酸素化合物
    の存在下、一般式[1] ROH …[1] (式中のRは炭素数1〜30の炭化水素基である)で表
    される水酸基含有化合物と二硫化炭素とアルカリ成分の
    水酸化物とを反応させて、一般式[2] 【化1】 (式中のM1はアルカリ成分であり、Rは前記と同じ意
    味をもつ)で表されるジチオキサントゲン酸塩を得たの
    ち、このものとモリブデン酸塩又はタングステン酸塩と
    を鉱酸の存在下において反応させることを特徴とする、
    一般式[3] 【化2】 (式中のM2はモリブデン又はタングステンであり、Rは
    前記と同じ意味をもつ)で表されるジチオキサントゲン
    酸金属塩の製造方法。
  2. 【請求項2】一般式[2] 【化3】 (式中のM1はアルカリ成分であり、Rは前記と同じ意
    味をもつ)で表されるジチオキサントゲン酸塩とモリブ
    デン酸塩又はタングステン酸塩とを鉱酸の存在下におい
    て反応させることを特徴とする、一般式[3] 【化4】 (式中のM2はモリブデン又はタングステンであり、Rは
    前記と同じ意味をもつ)で表されるジチオキサントゲン
    酸金属塩の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998022472A1 (fr) * 1996-11-18 1998-05-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Lubrifiant a base d'eau, contenant du soufre comme atome de coordination et leur utilisation
US6852678B2 (en) 1996-11-18 2005-02-08 Mec International Corporation Water-based lubricants containing sulfur as a coordinating atom and uses thereof
US6858568B2 (en) 2000-12-21 2005-02-22 Mec International Corporation Metal lubricants containing a bridge complex
JP2008189564A (ja) * 2007-02-01 2008-08-21 Showa Shell Sekiyu Kk アルキルキサントゲン酸モリブデン、それよりなる摩擦調整剤ならびにそれを含む潤滑組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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