JPH07117163A - 機能性複合フィルムおよび包装材 - Google Patents
機能性複合フィルムおよび包装材Info
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- JPH07117163A JPH07117163A JP5222644A JP22264493A JPH07117163A JP H07117163 A JPH07117163 A JP H07117163A JP 5222644 A JP5222644 A JP 5222644A JP 22264493 A JP22264493 A JP 22264493A JP H07117163 A JPH07117163 A JP H07117163A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 遠赤外線放射性セラミックスを含有する熱可
塑性樹脂または遠赤外線放射性セラミックスよりなる少
なくとも1層の遠赤外線放射層に、該遠赤外線放射層よ
りも遠赤外線放射性セラミックス含有率が少ないか若し
くは遠赤外線放射性セラミックスを含まない樹脂層が1
層以上が積層された機能性複合フィルム、あるいはこの
フィルムに、外層構成フィルム、もしくは外層構成層と
ガスバリア層を有する複層フィルムをラミネートした機
能性複合フィルム、およびこれらの複合フィルムを用い
て、容器、袋もしくはチューブ状に成形した機能性包装
材を開示する。 【効果】 食品等の包装用材料として加熱の迅速化と均
一化を増進し、内容物の調理、殺菌、再加熱、保温、熟
成促進、発酵などを促進すると共に、内容物中に含まれ
る油脂分の分離防止や、マイルドな味を確保し得る機能
性フィルムおよび該フィルムを用いた包装材が提供され
る。
塑性樹脂または遠赤外線放射性セラミックスよりなる少
なくとも1層の遠赤外線放射層に、該遠赤外線放射層よ
りも遠赤外線放射性セラミックス含有率が少ないか若し
くは遠赤外線放射性セラミックスを含まない樹脂層が1
層以上が積層された機能性複合フィルム、あるいはこの
フィルムに、外層構成フィルム、もしくは外層構成層と
ガスバリア層を有する複層フィルムをラミネートした機
能性複合フィルム、およびこれらの複合フィルムを用い
て、容器、袋もしくはチューブ状に成形した機能性包装
材を開示する。 【効果】 食品等の包装用材料として加熱の迅速化と均
一化を増進し、内容物の調理、殺菌、再加熱、保温、熟
成促進、発酵などを促進すると共に、内容物中に含まれ
る油脂分の分離防止や、マイルドな味を確保し得る機能
性フィルムおよび該フィルムを用いた包装材が提供され
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機能性複合フィルムおよ
び該フィルムを用いた包装材に関し、このフィルムおよ
び包装材は、食品、工業用品、雑貨、産業用途等をはじ
めとする様々の包装に用いることができ、特にこのフィ
ルムは加熱特性に優れたものであって、食品に関しては
内容物の保護性に優れているので袋など各種形態の容器
に用いられる。
び該フィルムを用いた包装材に関し、このフィルムおよ
び包装材は、食品、工業用品、雑貨、産業用途等をはじ
めとする様々の包装に用いることができ、特にこのフィ
ルムは加熱特性に優れたものであって、食品に関しては
内容物の保護性に優れているので袋など各種形態の容器
に用いられる。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなる複合フィルムおよ
び包装容器類は、食品包装分野をはじめとして古くから
広く実用化されているが、それらはいずれも熱伝導性が
悪く内部の加熱遅れや不均一加熱の問題がある。また内
容物の味覚やフレーバー、油脂の酸化劣化等は、ガス遮
断性フィルムや金属容器であっても完全に防止すること
はできない。
び包装容器類は、食品包装分野をはじめとして古くから
広く実用化されているが、それらはいずれも熱伝導性が
悪く内部の加熱遅れや不均一加熱の問題がある。また内
容物の味覚やフレーバー、油脂の酸化劣化等は、ガス遮
断性フィルムや金属容器であっても完全に防止すること
はできない。
【0003】一方、セラミックスを混合したフィルム容
器も紹介されており、古くは陶器類も含めてセラミック
スは遠赤外線を効率的に放射することも確認されてい
る。しかしながら熱可塑性樹脂を主たる構成素材とする
フィルムを用いた包装用の袋や容器類は、遠赤外線放射
成分としてセラミックスを混合したものであっても性能
的に不十分であり、しかもセラミックスを多量配合する
と、物性やヒートシール性が低下したり、あるいは悪臭
を吸着して再放出するといった問題が生じてくる。
器も紹介されており、古くは陶器類も含めてセラミック
スは遠赤外線を効率的に放射することも確認されてい
る。しかしながら熱可塑性樹脂を主たる構成素材とする
フィルムを用いた包装用の袋や容器類は、遠赤外線放射
成分としてセラミックスを混合したものであっても性能
的に不十分であり、しかもセラミックスを多量配合する
と、物性やヒートシール性が低下したり、あるいは悪臭
を吸着して再放出するといった問題が生じてくる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術の問題点を含めて包装用材料としての要求特性
とその改善手段について徹底的に調査、分析を行ない、
次の様な具体的な課題を設定した。即ち本発明が意図す
る課題は、食品等の包装用材料として加熱の迅速化と均
一化を増進し、内容物の調理、殺菌、再加熱、保温、熟
成促進、発酵などを促進すると共に、加熱しない系も含
めて内容物中に含まれる油脂分の分離防止や、マイルド
な味を確保し得る様な機能性フィルムおよび該フィルム
を用いた包装材を提供しようとするものである。
従来技術の問題点を含めて包装用材料としての要求特性
とその改善手段について徹底的に調査、分析を行ない、
次の様な具体的な課題を設定した。即ち本発明が意図す
る課題は、食品等の包装用材料として加熱の迅速化と均
一化を増進し、内容物の調理、殺菌、再加熱、保温、熟
成促進、発酵などを促進すると共に、加熱しない系も含
めて内容物中に含まれる油脂分の分離防止や、マイルド
な味を確保し得る様な機能性フィルムおよび該フィルム
を用いた包装材を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る機能性複合フィルムの構成は、遠
赤外線放射性セラミックスを含有する熱可塑性樹脂また
は遠赤外線放射性セラミックスよりなる少なくとも1層
の遠赤外線放射層に、該遠赤外線放射層よりも遠赤外線
放射性セラミックス含有率が少ないか若しくは遠赤外線
放射性セラミックスを含まない樹脂層が1層以上が積層
されたものであるところに要旨を有するものである。こ
のフィルムは、そのままで袋状、チューブ状もしくは容
器状の包装材として形成し得るほか、該機能性複合フィ
ルムの少なくとも片面に、外層構成フィルム、若しくは
外層構成層とガスバリア層を有する複層フィルムをラミ
ネートすることにより、包装材料としての機能性を一段
と高めることができる。
のできた本発明に係る機能性複合フィルムの構成は、遠
赤外線放射性セラミックスを含有する熱可塑性樹脂また
は遠赤外線放射性セラミックスよりなる少なくとも1層
の遠赤外線放射層に、該遠赤外線放射層よりも遠赤外線
放射性セラミックス含有率が少ないか若しくは遠赤外線
放射性セラミックスを含まない樹脂層が1層以上が積層
されたものであるところに要旨を有するものである。こ
のフィルムは、そのままで袋状、チューブ状もしくは容
器状の包装材として形成し得るほか、該機能性複合フィ
ルムの少なくとも片面に、外層構成フィルム、若しくは
外層構成層とガスバリア層を有する複層フィルムをラミ
ネートすることにより、包装材料としての機能性を一段
と高めることができる。
【0006】
【作用】本発明に係る機能性複合フィルムの基本的構成
は、上記の様に、遠赤外線放射性セラミックス(以下、
単にセラミックスという)を高濃度に含有する熱可塑性
樹脂もしくはセラミックスのみからなる遠赤外線放射層
(A層)と、該遠赤外線放射層(A層)よりもセラミッ
クス濃度が低いか又はセラミックスを含まない熱可塑性
樹脂層(B層)を、少なくとも2層以上積層してなるも
のである。
は、上記の様に、遠赤外線放射性セラミックス(以下、
単にセラミックスという)を高濃度に含有する熱可塑性
樹脂もしくはセラミックスのみからなる遠赤外線放射層
(A層)と、該遠赤外線放射層(A層)よりもセラミッ
クス濃度が低いか又はセラミックスを含まない熱可塑性
樹脂層(B層)を、少なくとも2層以上積層してなるも
のである。
【0007】この複合フィルムにおいて、B層が表面に
存在する場合は少なくともこれらの層がヒートシール性
を発揮し得る様にセラミックスの含有率を調整すべきで
ある。またB層がヒートシール性に乏しいものである場
合は、その表面にヒートシール性フィルムを積層するこ
とによってヒートシール性を高めることも有効である。
A層については、ヒートシール性を有していてもいなく
ても用途によって使い分けできる。また、ヒートシール
性を備えたこの複合フィルムのA層側面に、表面保護層
として、もしくは印刷適性などを高めるための外層構成
フィルム、あるいは外装構成層とガスバリア性などを有
する複層フィルムをラミネートすると、ヒートシール
性、遠赤外線放射性およびガス遮断性を備えた多機能性
複合フィルムとすることができる。そしてこれらの複合
フィルムは、それ自身で折り畳みタイプのフィルム状包
装材として利用し得るほか、袋状、チューブ状あるいは
容器状に成形することによって様々の形態の包装材とし
て有効に活用することが可能である。更に本発明の複合
フィルムは、印刷処理、蒸着処理、エンボス加工、透明
コート(硬化性保護コート膜)処理、着色などを施して
機能性を一段と高めることも可能である。
存在する場合は少なくともこれらの層がヒートシール性
を発揮し得る様にセラミックスの含有率を調整すべきで
ある。またB層がヒートシール性に乏しいものである場
合は、その表面にヒートシール性フィルムを積層するこ
とによってヒートシール性を高めることも有効である。
A層については、ヒートシール性を有していてもいなく
ても用途によって使い分けできる。また、ヒートシール
性を備えたこの複合フィルムのA層側面に、表面保護層
として、もしくは印刷適性などを高めるための外層構成
フィルム、あるいは外装構成層とガスバリア性などを有
する複層フィルムをラミネートすると、ヒートシール
性、遠赤外線放射性およびガス遮断性を備えた多機能性
複合フィルムとすることができる。そしてこれらの複合
フィルムは、それ自身で折り畳みタイプのフィルム状包
装材として利用し得るほか、袋状、チューブ状あるいは
容器状に成形することによって様々の形態の包装材とし
て有効に活用することが可能である。更に本発明の複合
フィルムは、印刷処理、蒸着処理、エンボス加工、透明
コート(硬化性保護コート膜)処理、着色などを施して
機能性を一段と高めることも可能である。
【0008】本発明で用いるセラミックスは遠赤外線放
射特性に優れたものであって、特に波長が1.5〜30
μm、より好ましくは3〜15μmの範囲で高放射率を
有するセラミックスが望ましく、その好ましい粒子径
は、熱可塑性樹脂への均一分散性を高める意味から10
μm以下、より好ましくは0.1〜7μmの範囲であ
る。
射特性に優れたものであって、特に波長が1.5〜30
μm、より好ましくは3〜15μmの範囲で高放射率を
有するセラミックスが望ましく、その好ましい粒子径
は、熱可塑性樹脂への均一分散性を高める意味から10
μm以下、より好ましくは0.1〜7μmの範囲であ
る。
【0009】A層に混合されるセラミックスの量は、A
層の全量基準で0.8〜50重量%が好ましく、0.8
重量%未満ではセラミックスの使用効果が有効に発揮さ
れず、一方50重量%を超える多量に配合しても効果の
上でそれ以上の効果は得られず、むしろラミネート強度
が低下し、破壊し易くなる傾向が表われてくる。もっと
も、A層をセラミックスのみからなるコーティング層も
しくは蒸着層などとする場合は、A層全体がセラミック
スによって構成されることになるが、この場合も、必要
により適量の柔軟化成分を含有させることも勿論有効で
ある。
層の全量基準で0.8〜50重量%が好ましく、0.8
重量%未満ではセラミックスの使用効果が有効に発揮さ
れず、一方50重量%を超える多量に配合しても効果の
上でそれ以上の効果は得られず、むしろラミネート強度
が低下し、破壊し易くなる傾向が表われてくる。もっと
も、A層をセラミックスのみからなるコーティング層も
しくは蒸着層などとする場合は、A層全体がセラミック
スによって構成されることになるが、この場合も、必要
により適量の柔軟化成分を含有させることも勿論有効で
ある。
【0010】該セラミックスの混合または塗布層を有す
るA層の厚みは0.3μm〜2mmの範囲が好ましく、
0.3μm未満ではA層形成時に斑が生じ易くなり、一
方2mmを超える厚肉のものは用途上必要がない。また
B層についても1μm〜2mmの範囲が一般的である。
るA層の厚みは0.3μm〜2mmの範囲が好ましく、
0.3μm未満ではA層形成時に斑が生じ易くなり、一
方2mmを超える厚肉のものは用途上必要がない。また
B層についても1μm〜2mmの範囲が一般的である。
【0011】ところで熱可塑性樹脂へのセラミックス粉
の混合濃度については、全層に均一に混合することも可
能であるが、高濃度配合を行なうと、物性や低温ヒート
シール性が低下したり、ヒートシール層の破壊が生じ易
くなり、ヒートシール部の密封性が悪化し、落下、打撲
などの外部衝撃力が作用したときに該衝撃力がヒートシ
ール部に作用して簡単に破壊する傾向が生じてくる。し
かもレトルト食品等の包装に使用すると、内容物の吸着
による着色の問題が生じてくる。
の混合濃度については、全層に均一に混合することも可
能であるが、高濃度配合を行なうと、物性や低温ヒート
シール性が低下したり、ヒートシール層の破壊が生じ易
くなり、ヒートシール部の密封性が悪化し、落下、打撲
などの外部衝撃力が作用したときに該衝撃力がヒートシ
ール部に作用して簡単に破壊する傾向が生じてくる。し
かもレトルト食品等の包装に使用すると、内容物の吸着
による着色の問題が生じてくる。
【0012】そこで本発明では、こうした問題点を解消
するため、フィルムを複層構造として各層のセラミック
ス濃度に差を与え、殊に被包装物に直接接触する面にお
けるセラミックス濃度を低くし、あるいはセラミックス
を含有させないことにしている。そしてセラミックス含
有による機能性向上効果は、セラミックス高濃度配合の
熱可塑性樹脂もしくは実質的にセラミックスのみからな
る遠赤外線放射層(A層)によって有効に発揮させるも
のである。こうした意味から、被包装物に直接接触する
面を形成する樹脂層中のセラミックス含有率は0〜10
重量%、より好ましくは0〜5重量%に抑えることが望
まれる。
するため、フィルムを複層構造として各層のセラミック
ス濃度に差を与え、殊に被包装物に直接接触する面にお
けるセラミックス濃度を低くし、あるいはセラミックス
を含有させないことにしている。そしてセラミックス含
有による機能性向上効果は、セラミックス高濃度配合の
熱可塑性樹脂もしくは実質的にセラミックスのみからな
る遠赤外線放射層(A層)によって有効に発揮させるも
のである。こうした意味から、被包装物に直接接触する
面を形成する樹脂層中のセラミックス含有率は0〜10
重量%、より好ましくは0〜5重量%に抑えることが望
まれる。
【0013】そして複合フィルム全体としてのセラミッ
クス含有率の不足分は、被包装物に直接接触することの
ないA層へのセラミックス含有率を高めることによって
補えばよい。尚全体としての好ましいセラミックス含有
率は、被包装物たる内容物の特性、例えば含水率、吸着
成分含量、包装後に付加される温度条件等、あるいは寸
法の大小、形状の複雑さ等を考慮して決めればよい。
クス含有率の不足分は、被包装物に直接接触することの
ないA層へのセラミックス含有率を高めることによって
補えばよい。尚全体としての好ましいセラミックス含有
率は、被包装物たる内容物の特性、例えば含水率、吸着
成分含量、包装後に付加される温度条件等、あるいは寸
法の大小、形状の複雑さ等を考慮して決めればよい。
【0014】上記の様に本発明の複合フィルムは、遠赤
外線放射性セラミックスを構成素材として使用すること
により、加熱処理時における加熱効率が高められると共
に、被包装物の熱劣化等を効果的に抑制できる。ちなみ
に一般のプラスチックフィルムは、周知の様に熱伝導率
が低く一般的に熱が伝わり難いため、たとえば被包装物
をレトルト処理等に付すときの昇温が遅れるが、本発明
の複合フィルムでは、遠赤外線放射率の高いセラミック
スによって加熱効率が高められ、短時間昇温による殺菌
や調理を可能とし、それに伴なう熱処理時間の短縮によ
って被包装物の劣化が防止され、味覚の保全、変質、熱
劣化を抑制することが可能となる。
外線放射性セラミックスを構成素材として使用すること
により、加熱処理時における加熱効率が高められると共
に、被包装物の熱劣化等を効果的に抑制できる。ちなみ
に一般のプラスチックフィルムは、周知の様に熱伝導率
が低く一般的に熱が伝わり難いため、たとえば被包装物
をレトルト処理等に付すときの昇温が遅れるが、本発明
の複合フィルムでは、遠赤外線放射率の高いセラミック
スによって加熱効率が高められ、短時間昇温による殺菌
や調理を可能とし、それに伴なう熱処理時間の短縮によ
って被包装物の劣化が防止され、味覚の保全、変質、熱
劣化を抑制することが可能となる。
【0015】しかも本発明では、複合フィルムを構成す
る各層のセラミックス含有率に差を与え、前述の如く内
容物との接触側はセラミックス濃度を下げ、不足分は他
の層に多量含有させる構成としているので、前述の様な
セラミックス含有の効果を有効に発揮せしめつつ、フィ
ルム全体としての物性、ラミネート接着強度、低温ヒー
トシール性、ヒートシール衝撃強度、柔軟性等を兼備
し、更には透明性をも有する多機能性複合フィルムとな
る。またこの機能性複合フィルムは、そのままで袋状、
チューブ状もしくは容器状の包装材として形成し得るほ
か、該機能性複合フィルムの少なくとも片面に、外層構
成フィルム、若しくは外層構成層とガスバリア層を有す
る複層フィルムをラミネートすることにより、包装材料
としての機能性を一段と高めることができる。
る各層のセラミックス含有率に差を与え、前述の如く内
容物との接触側はセラミックス濃度を下げ、不足分は他
の層に多量含有させる構成としているので、前述の様な
セラミックス含有の効果を有効に発揮せしめつつ、フィ
ルム全体としての物性、ラミネート接着強度、低温ヒー
トシール性、ヒートシール衝撃強度、柔軟性等を兼備
し、更には透明性をも有する多機能性複合フィルムとな
る。またこの機能性複合フィルムは、そのままで袋状、
チューブ状もしくは容器状の包装材として形成し得るほ
か、該機能性複合フィルムの少なくとも片面に、外層構
成フィルム、若しくは外層構成層とガスバリア層を有す
る複層フィルムをラミネートすることにより、包装材料
としての機能性を一段と高めることができる。
【0016】ちなみに図1(A)〜(K)は、本発明に
係る機能性複合フィルムにおける種々の積層態様を例示
する説明図であり、図1(A)は、セラミックス高濃度
含有樹脂層1とセラミックス無配合樹脂層2が積層され
たもの、図1(B)は、セラミックス高濃度含有樹脂層
1とセラミックス低濃度含有樹脂層2aが積層されたも
の、図1(C)は、セラミックス高濃度含有樹脂層1と
セラミックス含有率の異なる2種のセラミックス低濃度
含有樹脂層2b,2cが積層されたもの、図1(D)
は、セラミックス未配合樹脂層2の上にコーティングも
しくは蒸着等によってセラミックス層3が形成されたも
の、図1(E)は、セラミックス層3とセラミックス低
濃度含有樹脂層2dおよびセラミックス未配合樹脂層2
が順次積層されたもの、図1(F)は、セラミックス層
3とセラミックス含有率の異なる2種のセラミックス低
濃度含有樹脂層2b,2cが順次積層されたもの、図1
(G)は、セラミックス高濃度含有樹脂層1とセラミッ
クス無配合の樹脂層2が積層された複合フィルムの外面
側に、接着剤4を介して外面構成フィルム5をラミネー
トしたもの、図1(H)は、セラミックス高濃度含有樹
脂層1とセラミックス無配合の樹脂層2が積層された複
合フィルムの外面側に、接着剤4および印刷インキ層
(一部もしくは全面)6を介して外面構成層5がラミネ
ートされたもの、図1(I)は、セラミックス高濃度含
有樹脂層1とセラミックス無配合の樹脂層2が積層され
た複合フィルムに、接着剤4を介してガスバリア層7が
積層されると共に、更にその外面側に、接着剤4および
印刷インキ層(一部もしくは全面)6を介して外装構成
層5が積層されたものを示す。
係る機能性複合フィルムにおける種々の積層態様を例示
する説明図であり、図1(A)は、セラミックス高濃度
含有樹脂層1とセラミックス無配合樹脂層2が積層され
たもの、図1(B)は、セラミックス高濃度含有樹脂層
1とセラミックス低濃度含有樹脂層2aが積層されたも
の、図1(C)は、セラミックス高濃度含有樹脂層1と
セラミックス含有率の異なる2種のセラミックス低濃度
含有樹脂層2b,2cが積層されたもの、図1(D)
は、セラミックス未配合樹脂層2の上にコーティングも
しくは蒸着等によってセラミックス層3が形成されたも
の、図1(E)は、セラミックス層3とセラミックス低
濃度含有樹脂層2dおよびセラミックス未配合樹脂層2
が順次積層されたもの、図1(F)は、セラミックス層
3とセラミックス含有率の異なる2種のセラミックス低
濃度含有樹脂層2b,2cが順次積層されたもの、図1
(G)は、セラミックス高濃度含有樹脂層1とセラミッ
クス無配合の樹脂層2が積層された複合フィルムの外面
側に、接着剤4を介して外面構成フィルム5をラミネー
トしたもの、図1(H)は、セラミックス高濃度含有樹
脂層1とセラミックス無配合の樹脂層2が積層された複
合フィルムの外面側に、接着剤4および印刷インキ層
(一部もしくは全面)6を介して外面構成層5がラミネ
ートされたもの、図1(I)は、セラミックス高濃度含
有樹脂層1とセラミックス無配合の樹脂層2が積層され
た複合フィルムに、接着剤4を介してガスバリア層7が
積層されると共に、更にその外面側に、接着剤4および
印刷インキ層(一部もしくは全面)6を介して外装構成
層5が積層されたものを示す。
【0017】更に、図1(J)は、前記図1(A)の応
用例であって、セラミックス高濃度含有樹脂1の表面に
ラミネート強度向上のためのセラミックス無添加樹脂層
2’(またはセラミックス低濃度含有樹脂層であっても
構わない)を積層した例、図1(K)は、図1(J)に
示した複合フィルムの更に外面側に、接着剤4を介して
外面構成フィルム5をラミネートしたものを示してい
る。この様に本発明に係る機能性複合フィルムは、その
用途や要求特性に応じて様々の積層態様で実用化するこ
とができる。
用例であって、セラミックス高濃度含有樹脂1の表面に
ラミネート強度向上のためのセラミックス無添加樹脂層
2’(またはセラミックス低濃度含有樹脂層であっても
構わない)を積層した例、図1(K)は、図1(J)に
示した複合フィルムの更に外面側に、接着剤4を介して
外面構成フィルム5をラミネートしたものを示してい
る。この様に本発明に係る機能性複合フィルムは、その
用途や要求特性に応じて様々の積層態様で実用化するこ
とができる。
【0018】本発明で使用する熱可塑性樹脂の種類には
格別の制限はなく、包装用フィルム素材として公知のす
べての熱可塑性樹脂を使用できるが、好ましいものとし
ては、例えばポリエチレン(線状低密度ポリエチレン
等)、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メ
チルペンテン−1、炭素数5以上のポリオレフィン、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリカーボネートあるいは耐熱性樹脂であるポリエ
チレンナフタレート、ポリイミド、PPS、PEEKな
どを挙げることができ、これらの単独重合体や2元系も
しくは3元系以上の共重合体もしくはそれらのブレンド
物等がすべて使用できる。
格別の制限はなく、包装用フィルム素材として公知のす
べての熱可塑性樹脂を使用できるが、好ましいものとし
ては、例えばポリエチレン(線状低密度ポリエチレン
等)、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メ
チルペンテン−1、炭素数5以上のポリオレフィン、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリカーボネートあるいは耐熱性樹脂であるポリエ
チレンナフタレート、ポリイミド、PPS、PEEKな
どを挙げることができ、これらの単独重合体や2元系も
しくは3元系以上の共重合体もしくはそれらのブレンド
物等がすべて使用できる。
【0019】また本発明に係る複合フィルムにおける被
包装物に直接接触する内面側層は、密封包装のためヒー
トシール性を有する熱可塑性樹脂を選択すべきであり、
低融点もしくはヒートシール可能な融点の樹脂が用いら
れる。ヒートシールは、種々の方法によって可能であ
り、熱板ヒートシール、超音波シール、インパルスシー
ル、溶断シールなど、一般のシール方法をはじめ、接着
剤を用いた接着方法も含まれる。
包装物に直接接触する内面側層は、密封包装のためヒー
トシール性を有する熱可塑性樹脂を選択すべきであり、
低融点もしくはヒートシール可能な融点の樹脂が用いら
れる。ヒートシールは、種々の方法によって可能であ
り、熱板ヒートシール、超音波シール、インパルスシー
ル、溶断シールなど、一般のシール方法をはじめ、接着
剤を用いた接着方法も含まれる。
【0020】複合フィルムの製法にも格別の制限はな
く、セラミックス高濃度配合の熱可塑性樹脂と、セラミ
ックス低濃度配合の熱可塑性樹脂もしくはセラミックス
未配合の熱可塑性樹脂を夫々単独押出しして積層する方
法、共押出複合する方法、加圧または加熱接着する方法
等を採用することができ、また積層の前後任意の時期に
一軸もしくは二軸延伸等を行なうことも可能である。ま
た、セラミックス層はコーティング法もしくは蒸着法等
によって形成すればよい。熱可塑性樹脂へのセラミック
スの混合は、外観や添加効果を高める上では、粉体状の
熱可塑性樹脂と混合するのがよく、それにより均一分散
が増進され、同一混合量での機能性向上効果をより効果
的に発現させることができる。
く、セラミックス高濃度配合の熱可塑性樹脂と、セラミ
ックス低濃度配合の熱可塑性樹脂もしくはセラミックス
未配合の熱可塑性樹脂を夫々単独押出しして積層する方
法、共押出複合する方法、加圧または加熱接着する方法
等を採用することができ、また積層の前後任意の時期に
一軸もしくは二軸延伸等を行なうことも可能である。ま
た、セラミックス層はコーティング法もしくは蒸着法等
によって形成すればよい。熱可塑性樹脂へのセラミック
スの混合は、外観や添加効果を高める上では、粉体状の
熱可塑性樹脂と混合するのがよく、それにより均一分散
が増進され、同一混合量での機能性向上効果をより効果
的に発現させることができる。
【0021】用いるセラミックスとしては、特に波長
1.5〜1000μmの範囲における遠赤外線放射率が
50%以上のものが好ましく、セラミックス成分はこれ
らの特性を満足するものであれば特に限定されない。こ
の複合フィルムは、それ自身で前述の様な諸特性を有効
に発揮するが、先に述べた様に該複合フィルムの内面も
しくは外面側に外層構成層や印刷層、あるいはアルミニ
ウム、酸化金属などのガスバリア層を有するフィルムを
ラミネートすれば、全体としての機能性を一段と高める
ことができる。ちなみに、セラミックスを含有する上記
の複合フィルムは、ラミネート用接着剤に含まれる低分
子成分や溶剤などを吸着して被包装物への移行を防ぎ、
また被包装物の悪臭成分も吸着し内容物の保全効果を高
めるからであり、とりわけ包装状態でボイル加熱やレト
ルト処理などの高温処理に付される用途に適用すると、
本発明の特徴が極めて効果的に発揮される。
1.5〜1000μmの範囲における遠赤外線放射率が
50%以上のものが好ましく、セラミックス成分はこれ
らの特性を満足するものであれば特に限定されない。こ
の複合フィルムは、それ自身で前述の様な諸特性を有効
に発揮するが、先に述べた様に該複合フィルムの内面も
しくは外面側に外層構成層や印刷層、あるいはアルミニ
ウム、酸化金属などのガスバリア層を有するフィルムを
ラミネートすれば、全体としての機能性を一段と高める
ことができる。ちなみに、セラミックスを含有する上記
の複合フィルムは、ラミネート用接着剤に含まれる低分
子成分や溶剤などを吸着して被包装物への移行を防ぎ、
また被包装物の悪臭成分も吸着し内容物の保全効果を高
めるからであり、とりわけ包装状態でボイル加熱やレト
ルト処理などの高温処理に付される用途に適用すると、
本発明の特徴が極めて効果的に発揮される。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0023】実施例1 エチレン・ブテン・プロピレン三元共重合体にセラミッ
クス(アルミナ:17%,シリカ:68%,チタン:1
5%)を15重量%混合したセラミックス高濃度樹脂層
(A)(厚さ:4μm)と、エチレン・ブテン・プロピ
レン三元共重合体に上記と同じセラミックスを1.5重
量%混合したセラミックス低濃度樹脂層(B)(厚さ:
36μm)とからなる2層構造の未延伸のヒートシール
性フィルム(厚さ:40μm)を製造し、該フィルムの
高濃度セラミックス含有樹脂層(A)側にコロナ放電処
理を施した。
クス(アルミナ:17%,シリカ:68%,チタン:1
5%)を15重量%混合したセラミックス高濃度樹脂層
(A)(厚さ:4μm)と、エチレン・ブテン・プロピ
レン三元共重合体に上記と同じセラミックスを1.5重
量%混合したセラミックス低濃度樹脂層(B)(厚さ:
36μm)とからなる2層構造の未延伸のヒートシール
性フィルム(厚さ:40μm)を製造し、該フィルムの
高濃度セラミックス含有樹脂層(A)側にコロナ放電処
理を施した。
【0024】一方、比較のために上記と同じ三元共重合
体に上記と同じセラミックスを15重量%混合してなる
厚さ40μmの未延伸単層フィルムを製造し、同様にし
て片面にコロナ放電処理をした(比較例1)。また、同
じ三元重合体を使用し、セラミックスを含まない40μ
mのフィルムを作成し、同様にして片面にコロナ放電処
理を施した(比較例2)。
体に上記と同じセラミックスを15重量%混合してなる
厚さ40μmの未延伸単層フィルムを製造し、同様にし
て片面にコロナ放電処理をした(比較例1)。また、同
じ三元重合体を使用し、セラミックスを含まない40μ
mのフィルムを作成し、同様にして片面にコロナ放電処
理を施した(比較例2)。
【0025】得られた各フィルムのコロナ放電処理面
に、厚さ15μmのアルミニウム箔とポリエチレンテレ
フタレートフィルムをラミネートして合計70μmの厚
さの複合フィルムを作成し、夫々についてヒートシール
特性を調べると共に、各複合フィルムを用いて約150
gのハンバーグを四方シール包装した。ハンバーグの中
心に熱電対を挿入し、導線部分を密封して加熱処理を行
ない、ハンバーグの昇温速度を測定した。結果を表1に
示す。
に、厚さ15μmのアルミニウム箔とポリエチレンテレ
フタレートフィルムをラミネートして合計70μmの厚
さの複合フィルムを作成し、夫々についてヒートシール
特性を調べると共に、各複合フィルムを用いて約150
gのハンバーグを四方シール包装した。ハンバーグの中
心に熱電対を挿入し、導線部分を密封して加熱処理を行
ない、ハンバーグの昇温速度を測定した。結果を表1に
示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1からも明らかである様に、実施例の2
層複合フィルムを用いたものは低温でヒートシールする
ことができ、且つヒートシール部は優れた耐衝撃性を有
していて破壊時ヒートシーラント層が破壊しにくく、十
分な保護性能を有している。また、実施例フィルムを用
いたものは比較フィルムを用いたものに比べて加熱処理
時の昇温速度が早く、殺菌に要する時間の短縮および処
理効率の向上が図れると共に、味覚の保全にも有効であ
ることが確認できる。
層複合フィルムを用いたものは低温でヒートシールする
ことができ、且つヒートシール部は優れた耐衝撃性を有
していて破壊時ヒートシーラント層が破壊しにくく、十
分な保護性能を有している。また、実施例フィルムを用
いたものは比較フィルムを用いたものに比べて加熱処理
時の昇温速度が早く、殺菌に要する時間の短縮および処
理効率の向上が図れると共に、味覚の保全にも有効であ
ることが確認できる。
【0028】実施例2 エチレン・プロピレン共重合体(エチレン含有量5.0
重量%)に、アルミナ/シリカを主成分とする遠赤外線
波長領域の放射率が90%以上であるセラミックスを、
表2に示す如く量を変えて配合してなるセラミックス含
有樹脂を使用し、これらを樹脂層(A)とした以外は、
実施例1と同様にして2層構造のヒートシール性フィル
ムを作成し、各フィルムの片面にコロナ放電処理を施し
た後、最外層に、裏面に印刷を施した厚さ15μmの二
軸延伸ナイロン6フィルムをラミネートした。
重量%)に、アルミナ/シリカを主成分とする遠赤外線
波長領域の放射率が90%以上であるセラミックスを、
表2に示す如く量を変えて配合してなるセラミックス含
有樹脂を使用し、これらを樹脂層(A)とした以外は、
実施例1と同様にして2層構造のヒートシール性フィル
ムを作成し、各フィルムの片面にコロナ放電処理を施し
た後、最外層に、裏面に印刷を施した厚さ15μmの二
軸延伸ナイロン6フィルムをラミネートした。
【0029】このラミネートフィルムのヒートシール特
性を評価すると共に、実施例1と同様にして包装用袋と
しての性能試験を行なったところ、表2に示す結果を得
た。また、実施例フィルムを用いたものは比較フィルム
を用いたものに比べて加熱処理時の昇温速度が早く、殺
菌に要する時間の短縮および処理効率の向上が図れると
共に、味覚の保全にも有効であることが確認できる。
性を評価すると共に、実施例1と同様にして包装用袋と
しての性能試験を行なったところ、表2に示す結果を得
た。また、実施例フィルムを用いたものは比較フィルム
を用いたものに比べて加熱処理時の昇温速度が早く、殺
菌に要する時間の短縮および処理効率の向上が図れると
共に、味覚の保全にも有効であることが確認できる。
【0030】
【表2】
【0031】実施例3 エチレン・ブテン・プロピレン三元共重合体に、波長3
〜25μmの領域における平均放射率が88%以上のセ
ラミックスを20重量%混合したセラミックス高濃度樹
脂(A)と、同種の三元共重合体にプロピレン・ブテン
共重合体(ブテン含有量:40重量%)を8重量%混合
した混合樹脂に対し、上記と同じセラミックスと放射率
92%のセラミックスを2種混合(混合比は前者2:後
者1)した混合セラミックスを1重量%混合したセラミ
ックス低濃度樹脂(B)を使用し、これらを共押出しし
た後急冷して厚さ70μmの未延伸複合フィルムを作成
した。
〜25μmの領域における平均放射率が88%以上のセ
ラミックスを20重量%混合したセラミックス高濃度樹
脂(A)と、同種の三元共重合体にプロピレン・ブテン
共重合体(ブテン含有量:40重量%)を8重量%混合
した混合樹脂に対し、上記と同じセラミックスと放射率
92%のセラミックスを2種混合(混合比は前者2:後
者1)した混合セラミックスを1重量%混合したセラミ
ックス低濃度樹脂(B)を使用し、これらを共押出しし
た後急冷して厚さ70μmの未延伸複合フィルムを作成
した。
【0032】得られたフィルムに二軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルム(厚み12μm)を積層してか
ら印刷し、該印刷面に15μmのアルミニウム箔をラミ
ネートした複合フィルムの該アルミニウム面をドライラ
ミネートした。この積層フィルムを袋状に成形し、カレ
ールーを溶解したドープを180g充填し、袋内のカレ
ードープに熱電対素線を挿入し、120℃×30分間の
レトルト処理を実施したときの昇温速度を調べた。結果
を表3に示す。実施例フィルムを用いたものは比較フィ
ルムを用いたものに比べて加熱処理時の昇温速度が早
く、殺菌に要する時間の短縮および処理効率の向上が図
れると共に、味覚の保全にも有効であることが分かる。
テレフタレートフィルム(厚み12μm)を積層してか
ら印刷し、該印刷面に15μmのアルミニウム箔をラミ
ネートした複合フィルムの該アルミニウム面をドライラ
ミネートした。この積層フィルムを袋状に成形し、カレ
ールーを溶解したドープを180g充填し、袋内のカレ
ードープに熱電対素線を挿入し、120℃×30分間の
レトルト処理を実施したときの昇温速度を調べた。結果
を表3に示す。実施例フィルムを用いたものは比較フィ
ルムを用いたものに比べて加熱処理時の昇温速度が早
く、殺菌に要する時間の短縮および処理効率の向上が図
れると共に、味覚の保全にも有効であることが分かる。
【0033】
【表3】
【0034】実施例4 平均粒径が1.8μmで、波長3〜15μmにおける放
射率が85%以上であるシリカ・アルミナ・酸化チタン
系の無機混合焼結粉砕品を線状低密度ポリエチレンに1
0重量%混合した。このセラミックス含有樹脂(A)を
片面構成層(厚さ10μm)とし、他面には上記と同じ
線状低密度ポリエチレン(厚さ30μm)(但しセラミ
ックスは含有しない)を積層し、合計厚みが40μmの
複合フィルムを得た。
射率が85%以上であるシリカ・アルミナ・酸化チタン
系の無機混合焼結粉砕品を線状低密度ポリエチレンに1
0重量%混合した。このセラミックス含有樹脂(A)を
片面構成層(厚さ10μm)とし、他面には上記と同じ
線状低密度ポリエチレン(厚さ30μm)(但しセラミ
ックスは含有しない)を積層し、合計厚みが40μmの
複合フィルムを得た。
【0035】該フィルムのセラミックス含有樹脂層
(A)側に、エチレン・ビニールアルコール共重合体よ
りなる厚さ15μmのフィルムにアルミニウムを真空蒸
着したフィルムをラミネートした。更にポリエチレンテ
レフタレートフィルム(12μm)に印刷し、この印刷
面に上記ラミネートフィルムのアルミニウム金属蒸着面
をラミネートした。得られた複合フィルムを用いてコー
ヒーを密封包装し、保存状態を調べた。また比較のた
め、前記比較例1に示したフィルムを用いて本実施例と
同様にラミネートした複合フィルムを作成し、同様にし
てコーヒー密封保存時の経時変化を調べた。結果は表4
に示す通りであり、比較例1のフィルムに比べて格段に
優れた保存安定性が得られることが確認された。
(A)側に、エチレン・ビニールアルコール共重合体よ
りなる厚さ15μmのフィルムにアルミニウムを真空蒸
着したフィルムをラミネートした。更にポリエチレンテ
レフタレートフィルム(12μm)に印刷し、この印刷
面に上記ラミネートフィルムのアルミニウム金属蒸着面
をラミネートした。得られた複合フィルムを用いてコー
ヒーを密封包装し、保存状態を調べた。また比較のた
め、前記比較例1に示したフィルムを用いて本実施例と
同様にラミネートした複合フィルムを作成し、同様にし
てコーヒー密封保存時の経時変化を調べた。結果は表4
に示す通りであり、比較例1のフィルムに比べて格段に
優れた保存安定性が得られることが確認された。
【0036】
【表4】
【0037】表4からも明らかである様に、約1年余り
の実包テストの結果、実施例の包装袋では変化が少な
く、初期の味とフレーバーを維持し、マイルドで飲み易
い味の深さを残しており、且つ油脂分の分離による塊状
化や悪臭の発生共になく、サラサラとした保存性の良い
状態に保てることが分かる。
の実包テストの結果、実施例の包装袋では変化が少な
く、初期の味とフレーバーを維持し、マイルドで飲み易
い味の深さを残しており、且つ油脂分の分離による塊状
化や悪臭の発生共になく、サラサラとした保存性の良い
状態に保てることが分かる。
【0038】尚初期と一年後の変化はブランクとの対比
によった。なおブランクは、同じコーヒー粉をポリエス
テルフィルム25μmと15μmのアルミニウム箔およ
び100μmのCPPをラミネートした複合フィルムを
使用し、該フィルムよりなる袋に、上記と同じコーヒー
粉を100℃で真空乾燥した後充填し、真空引きをして
真空包装した。この包装物を金属缶に詰め密封してから
保存し、上記各評価日数毎に対比するために用いた。
によった。なおブランクは、同じコーヒー粉をポリエス
テルフィルム25μmと15μmのアルミニウム箔およ
び100μmのCPPをラミネートした複合フィルムを
使用し、該フィルムよりなる袋に、上記と同じコーヒー
粉を100℃で真空乾燥した後充填し、真空引きをして
真空包装した。この包装物を金属缶に詰め密封してから
保存し、上記各評価日数毎に対比するために用いた。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、遠
赤外線放射性セラミックスの多量配合にともなうヒート
シール性などの低下を生じることなく、該セラミックス
の特徴を有効に発揮せしめ、食品等の包装用材料として
加熱の迅速化と均一化を増進し、内容物の調理、殺菌、
再加熱、保温、熟成促進、発酵などを促進すると共に、
内容物中に含まれる油脂分の分離防止や、マイルドな味
を確保し得る様な機能性フィルムおよび該フィルムを用
いた包装用製品を提供し得ることになった。
赤外線放射性セラミックスの多量配合にともなうヒート
シール性などの低下を生じることなく、該セラミックス
の特徴を有効に発揮せしめ、食品等の包装用材料として
加熱の迅速化と均一化を増進し、内容物の調理、殺菌、
再加熱、保温、熟成促進、発酵などを促進すると共に、
内容物中に含まれる油脂分の分離防止や、マイルドな味
を確保し得る様な機能性フィルムおよび該フィルムを用
いた包装用製品を提供し得ることになった。
【図1】本発明に係る機能性複合フィルムの積層態様を
例示する説明図である。
例示する説明図である。
1 セラミックス高濃度含有樹脂層 2 セラミックス未含有樹脂層 2a〜2d セラミックス低濃度含有樹脂層 3 セラミックス層 4 接着剤 5 外層構成層 6 印刷インキ層 7 ガスバリア層
Claims (4)
- 【請求項1】 遠赤外線放射性セラミックスを含有する
熱可塑性樹脂または遠赤外線放射性セラミックスよりな
る少なくとも1層の遠赤外線放射層に、該遠赤外線放射
層よりも遠赤外線放射性セラミックス含有率が少ないか
若しくは遠赤外線放射性セラミックスを含まない樹脂層
が1層以上が積層されたものであることを特徴とする機
能性複合フィルム。 - 【請求項2】 請求項1記載の機能性複合フィルムの少
なくとも片面に、外層構成フィルムをラミネートしたも
のであることを特徴とする機能性複合フィルム。 - 【請求項3】 請求項1記載の機能性複合フィルムの少
なくとも片面に、外層構成層とガスバリア層を有する複
層フィルムをラミネートしたものであることを特徴とす
る機能性複合フィルム。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載された機
能性複合フィルムを用いて、容器、袋もしくはチューブ
状に成形したものであることを特徴とする機能性包装
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5222644A JPH07117163A (ja) | 1993-09-01 | 1993-09-07 | 機能性複合フィルムおよび包装材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21771893 | 1993-09-01 | ||
JP5-217718 | 1993-09-01 | ||
JP5222644A JPH07117163A (ja) | 1993-09-01 | 1993-09-07 | 機能性複合フィルムおよび包装材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07117163A true JPH07117163A (ja) | 1995-05-09 |
Family
ID=26522174
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5222644A Pending JPH07117163A (ja) | 1993-09-01 | 1993-09-07 | 機能性複合フィルムおよび包装材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07117163A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016515957A (ja) * | 2013-03-15 | 2016-06-02 | クロペイ・プラスティック・プロダクツ・カンパニー・インコーポレーテッド | 改善された赤外放射率をもたらすポリマー材料 |
-
1993
- 1993-09-07 JP JP5222644A patent/JPH07117163A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016515957A (ja) * | 2013-03-15 | 2016-06-02 | クロペイ・プラスティック・プロダクツ・カンパニー・インコーポレーテッド | 改善された赤外放射率をもたらすポリマー材料 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020514 |